Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
作業機械の荷重計測装置 - 特開2008−96255 | j-tokkyo
トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 作業機械の荷重計測装置
【発明者】 【氏名】米田 敬

【氏名】田中 雄一郎

【氏名】的場 信明

【要約】 【課題】特開2006−78348号の長所を活かしつつ、その課題となっている精度の不十分さを解消しうる装置を提供しようとする。

【解決手段】ブーム3、アーム4、作業具5の各揺動角を計測する角度センサ7〜9と、ブームシリンダ3aの圧力を検出する圧力センサ10a,10bと、作業具シリンダ5aの先端に連結され、作業具5を揺動させるリンク部11に配置された、荷重制限機能を伴ったロードセル25と、前記角度センサ7〜9、前記圧力センサ10a,10b、ロードセル25のそれぞれの検出値から荷の荷重を算出する演算処理手段6とから構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーム端部にアーム、該アーム端部に作業具がそれぞれ揺動自在に連結する作業機械の荷重計測装置であって、
前記ブーム、アーム、作業具の各揺動角を計測する角度センサと、
ブームシリンダの圧力を検出する圧力センサと、
作業具シリンダの先端に連結され、作業具を揺動させるリンクに配置された、荷重制限機能を伴ったロードセルと、
前記角度センサ、前記圧力センサ、ロードセルのそれぞれの検出値から荷の荷重を算出する演算処理手段と、
からなることを特徴とする作業機械の荷重計測装置。
【請求項2】
作業具を揺動させるリンクまたはロードセルに、ロードセル検知部に対する荷重付与体の移動制限機構を備えさせたことを特徴とする請求項1の作業機械の荷重計測装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、作業機械の荷重計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の作業機械では、作業量を作業具で運搬した荷の積算値で計測する場合がある。例えば、ブーム、アームが連結する作業装置の先端に作業具としてのマグネット等を取り付け、そこに鉄屑などを吊り荷として吸着持ち上げる作業の場合であれば、吸着される吊り荷の荷重の積算値を計測することになる。従来、そのような態様の場合の荷重計測装置として、特開2002−277311号(特許文献1)に開示される技術が提案されていた。それは、図10に示すように、アーム4先端の作業具連結部と、ブームシリンダに連結されるリンク先端部との各ピン100,101の2箇所に、ピン型ロードセルを組み込み、2つのピンに作用する力Ta,Tcの合力を算出して、作業具の吊り荷重Wを算出するというものである。
【0003】
しかし、この技術では、作業具であるマグネット102の中心に吊り荷があることを前提としていることから荷重測定精度が必ずしも良好でないという問題のほか、フロント作業装置の先端側にロードセルが配置されるので、ロードセルへの過負荷を考慮して過大な容量の構造を用いる結果、荷重測定精度が低下するという問題、またピン型ロードセルの構造からの耐久性の問題、さらに作業具交換時にはロードセル自体も取り外す必要から破損するおそれが大きいという問題等が存在していた。このため、本願出願人は、それら問題を解決しうる荷重測定装置を特開2006−78348号(特許文献2)において提案している。
【0004】
この装置は、ブーム、アーム、作業具の各回動角を計測する角度センサと、ブームシリンダ及び作業具シリンダの圧力を検出する圧力センサと、前記角度センサ、前記圧力センサのそれぞれの検出値からアーム先端ピン回りのモーメント等を算出してそれらから吊り荷重を算出する演算処理手段とから構成させており、これによれば前記技術と異なって、作業具の支持部であるピン部にロードセルを配置していないので、ロードセルに由来する問題がすべて解消することになる。
【特許文献1】特開2002−277311号(図4)
【特許文献2】特開2006−78348号(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし一方で、この技術では、作業具の吊り荷重を算出するために検出する対象の部材のうち、もっとも作業具に近い部材が作業具シリンダ(通常はバケットシリンダ)となるが、この作業具シリンダの負荷は小さいため、僅かな圧力変化で、作業具連結ピン回りのモーメント算出値が大きくバラついてしまい、作業具に対する荷の位置によっては検出値に差異が生じてしまうという問題があった。
【0006】
この発明は、従来技術の以上のような問題に鑑み創案されたもので、特開2006−78348号の長所を活かしつつ、その課題となっている精度の不十分さを解消しうる装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、この発明に係る作業機械の荷重計測装置は、ブーム端部にアーム、該アーム端部に作業具がそれぞれ揺動自在に連結する作業機械の荷重計測装置であって、前記ブーム、アーム、作業具の各揺動角を計測する角度センサと、ブームシリンダの圧力を検出する圧力センサと、作業具シリンダの先端に連結され、作業具を揺動させるリンク部に配置された、荷重制限機能を伴ったロードセルと、前記角度センサ、前記圧力センサ、ロードセルのそれぞれの検出値から荷の荷重を算出する演算処理手段と、からなることを特徴とする。
【0008】
本発明は、基本的に特開2006−78348号で提案した装置構成をとるが、その構成中、作業具シリンダの圧力を検出する構成に換え、荷重制限機能を伴ったロードセルを用い、それを作業具を揺動させるリンク部(例えばリンクロッド)に配置させている。作業具を揺動させるリンク部は、作業具に連結される部材であり、荷の荷重をそのまま受ける部材である。このため、その位置で検出するロードセルは、荷の荷重値に適正に対応したリンク部回りの荷重値を検出できることになり、その値を基に最終的に算出する荷の荷重値の誤差はきわめて少なくなる。一方、荷重制限機能付きのロードセルを用いているので、過大な荷重が作業具近傍に発生しても、ロードセルに対しては荷重制限機能の手段でそれを受けるので、特に過大な定格荷重の構造のものを用いる必要がない。このため、荷の荷重に適した定格のものを用いることができ、検出の精度が向上する。
【0009】
ここで、ロードセルの荷重制限機能を伴った形態としては、後述する実施形態例のように、リンク部に荷重制限機能を備えさせたうえでロードセルを配置させるような形態のほか、ロードセル自体に荷重制限機能を備えさせる構造としても良い。荷重制限機能の具体的な態様としては、ロードセル本体または該本体取付部に、ロードセル検知部に対する荷重付与体の移動制限機構を備えさせる構造等が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、以上の構成により、荷が作業具のどの位置にあっても、荷重計測値の誤差が少なくなる。また、適用するロードセルとして、想定される荷の荷重値を検出できる程度の定格のもので良いので、荷重計測の精度が低下することもない。すなわち、この発明は、従来の荷重計測装置の課題を克服して、十分な精度の荷重検出が行えるものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る具体的形態の一例を図面に基づき説明する。以下の例は油圧ショベルをベースマシンとし、作業具がマグネット使用の形態であるが、これを他の形態の作業機械(例えば作業具がバケットの小旋回型等)に適用してももちろん良い。なお、本発明が以下の形態例に限定されないことも当然である。
【0012】
図1は荷重検出装置とそれが適用される油圧ショベルを示している。図示のように、油圧ショベルは、下部走行体1に上部旋回体2が水平旋回自在に連結され、該上部旋回体2に作業装置としてのフロント作業装置が取付けられる。該フロント作業装置は、ブーム3とアーム4と作業具であるマグネット5からなり、ブーム3は機体のブラケット(図示なし)に、アーム4はブーム3端部に、マグネット5はアーム4端部にそれぞれピン7a〜9aによって連結され、それぞれ配置される油圧シリンダ(ブームシリンダ3a、アームシリンダ4a、作業具シリンダ5a)により各連結ピン7a〜9aを基点として揺動自在となる。マグネット5は、鉄屑などのスクラップを吸着することにより荷の積載を行うもので、作業具シリンダ5a先端に連結されるリンクロッド11によりアーム連結ピン9aを基点として揺動自在となる。また、マグネット5は電磁式のマグネット制御盤17を備え、スイッチ機構18によって励磁のオンオフが行われる。
【0013】
荷重検出装置は、ブーム3、アーム4、作業具であるマグネット5にそれぞれ取り付けられる角度センサ7〜9と、ブームシリンダ3aの圧力を検出する圧力センサ10(10a,10b)と、マグネット5取付回りとなるリンク部の荷重を検出するロードセル25と、それらから出力される検出値を基に吊り荷重を算出等するコントローラ6とから構成される。
【0014】
各角度センサ7〜9は、各可動部材であるブーム3、アーム4、マグネット5の揺動角をそれぞれ検出する。揺動角とは、上部旋回体2に対するブーム3の関節角としてのブーム角α、ブーム3に対するアーム4の関節角としてのアーム角β、アーム4に対するマグネット5の(本来はバケットの)関節角としてのバケット角γをいう。
【0015】
圧力センサ10(10a,10b)は、ブームシリンダ3aのヘッド側とロッド側の2箇所に配置され、それぞれの位置における圧力(ヘッド圧、ロッド圧)を検出する。
【0016】
ロードセル25は、図2に示すように、マグネット5のリンク部材であるリンクロッド11に組み込まれる。該リンクロッド11は、マグネット5との連結ピン5bと、作業具シリンダ5aとの連結ピン5cとにより、その両端を軸支される。
【0017】
このようなリンクロッド11のロードセル25組み込み構造は、ロードセル25に過大な荷重がかからないようにするための荷重制限構造となっている。すなわち、図示のように、該リンクロッド11は、ケーシング20とシャフト21とで構成され、該シャフト21はケーシング20内で摺動自在に結合している(シャフト21端部は連結ピン5bで軸支され、ケーシング20端部は連結ピン5cで軸支される)。前記シャフト21の先端は、ボルトで締着された板部材22により先端フランジが形成される。一方、ケーシング20は、シャフト21が挿通される挿通孔が形成される本体部20aと、その挿通孔を塞ぎかつ挿通されたシャフト21を枢支する嵌着部20bとが接合して形成される。本体部20aの挿通孔内径は、前記シャフト先端22のフランジ幅より小さいが、所定深さで径が拡がって段部20cが形成され、挿通孔底部側に嵌挿された状態の前記シャフト先端22が前記段部20cで係止されるものとなっている。このような形態において、ケーシング20の挿通孔内の嵌着部20b先端にロードセル25が、さらにその先端に緩衝用スプリング26がそれぞれ配置される。シャフト21が挿通孔内に挿通された状態においては、図2に示すように、ロードセル25は、スプリング26を介してケーシング20の嵌着部20bとシャフト先端22のフランジとの間に挟まれて配置されることになる。
【0018】
これにより、リンクロッド11に圧縮方向の力が作用した場合(例えばマグネット5が何かに衝突したような場合)、シャフト先端22はケーシング20の挿通孔底部に当接し、ロードセル25には力が作用しない。他方、引張方向の力が作用した場合(例えばマグネット5に荷が吸着される場合)、シャフト21からスプリング26を介してロードセル25に力が作用し、その荷重が検出されるが、フロント作業装置の不意の動作によって過大な荷重がかかった場合は、シャフト先端22が大きく摺動し、その先端22のフランジが挿通孔の段部20cに当接して係合することになり、この係合によってそれ以上の移動が制限される。すなわち、この係合状態を機能させる段部構造が、ロードセル25検出部に対する荷重付与体であるシャフト先端22の移動を制限するものとなり、それがロードセル25の荷重制限機構を形成している。本形態例では、この荷重制限構造により、過大な定格荷重となっているロードセルを配置する必要がなく、マグネット5重量とマグネット5で吊り上げる最大荷重の合計荷重に適応する範囲のロードセルを適用すれば良いから、本形態例の荷重検出装置は、吊り荷重の検出精度が従来より顕著に向上することになる。
【0019】
コントローラ6は、図1に示すように、前記角度センサ7〜9、圧力センサ10a,10b、ロードセル25からの出力を受け、荷重の算出を演算処理する。このため、それら機器の出力値が入力できるように接続され、また自身が算出した値を出力する表示器12を備える。さらに、圧力スイッチ13、ゼロ設定スイッチ14、計測スイッチ15、リセットスイッチ16からのオンオフ出力を受け、後述する演算制御を行う。
【0020】
次に、以上よりなる荷重検出装置において荷重を算出する際に用いられる演算理論を図3ないし図5を用いて説明する。なお、その理論は、ロードセルの検出値を用いる点を除いて、基本的に特開2006−78348号(特許文献2)において本願出願人が開示したものと同じである。
【0021】
吊上げ荷重Wgとブーム連結ピン7a回りの荷重によるモーメントΔMbmの関係は、図3を用いると、次のとおりとなる。
ΔMbm=Wg・(L1+L2) ……(1)
L1:ブーム連結ピン7aからマグネット連結ピン9aまでの水平距離
L2:マグネット連結ピン9aから荷重点までの水平距離
【0022】
一方、吊上げ荷重Wgとマグネット連結ピン9a回りの荷重によるモーメントΔMbkとの関係は、同図を用いると、次のとおりとなる。
ΔMbk=Wg・L2 ……(2)
【0023】
したがって、上記(1)、(2)式より、次式が得られる。
Wg・L1=ΔMbm−ΔMbk ……(3)
【0024】
よって、吊上げ荷重Wgは、次式で演算される。
Wg=(ΔMbm−ΔMbk)/L1……(4)
【0025】
ここで、上記(4)式の吊上げ荷重Wgによるブーム連結ピン7a回りのモーメントΔMbmは、負荷時のブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmaと、無負荷時のブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmiとの差であるから、次式で得られる。
ΔMbm=Mbma−Mbmi ……(5)
【0026】
ここで、上記(5)式における、無負荷時のブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmiは、ブーム角α、アーム角β、バケット角γおよびフロント作業装置の各可動部材3,4,5の重量および重心位置から求められる。すなわち、図4を用いると、上記モーメントMbmiは、次式により得られる(なお、座標位置は図4に示すものを特に用いる。以下同じ。またWbmはブームの重量、Wstはアームの重量、Wmgはマグネットの重量である)。
Mbmi=Wbm・Lob・cos(α+αab+αbd)+Wst・{Loa・cosα+Lac・cos(π−α−β−βcg)}+Wmg・{Loa・cosα+Lag・cos(π−α−β)+Lgh・cos(γ−γh−α−β)}……(6)
【0027】
一方、上記(5)式における、負荷時のブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmaは、ブームシリンダ3aの圧力(ヘッド圧およびロッド圧)及びブーム角αから得られる。すなわち、図4を用いると、ブームシリンダ推力Fbmによる上記モーメントMbmaは、次式により得られる。
Mbma=Fbm・Lof……(7)
なお、該(7)式において、次式が用いられる。
Lof=Lod・cosη、η=cos-1{Lod+Lde−Loe/2・Lod・Lde}、
【数1】


【0028】
次に、吊上げ荷重Wgによるマグネット連結ピン9a回りのモーメントΔMbkは、負荷時のマグネット連結ピン9a回りの荷重によるモーメントMbkaと、無負荷時のマグネット連結ピン9a回りの荷重によるモーメントMbkiとの差であるから、次式で得られる。
ΔMbk=Mbka−Mbki ……(8)
【0029】
ここで、上記(8)式における、無負荷時のマグネット連結ピン9a回りのモーメントMbkiは、ブーム角α、アーム角β、バケット角γおよびフロント作業装置の各可動部材3,4,5の重量および重心位置から演算される。すなわち、図5を用いると、上記モーメントMbkiは、次式により得られる(なお、座標位置は図5に示すものを特に用いる。以下同じ)。
Mbki=Wmg・Lgh・cos(γ+γh−α−β)……(9)
【0030】
一方、上記(9)式における、負荷時のマグネット連結ピン9a回りのモーメントMbkaは、ロードセル25の検出値Frod、マグネット角γ及びマグネットシリンダ5aのリンク機構から得られる。すなわち、図5を用いると、モーメントMbkaは、次式により得られる(Rrodはモーメントアーム)。
Mbka=Frod・Rrod……(10)
なお、該(10)式において、次式が用いられる。
kj=LkjとなるLkjについて、
【数2】


∠ikj=φ1となるφ1について、φ1=cos−1{(Lkj+Lki+Lij)/2・Lkj・Lki}、
∠jkg=φ2となるφ2について、φ2=cos−1{(Lkj+Lkg+Lgij)/2・Lkj・Lkg}、
∠ikg=φとなるφについて、φ=φ1+φ2、
モーメントアームRrod について、Rrod=Lgk・sin(φ)
【0031】
次に、以上の演算理論を用いて荷重の算出が行われる、コントローラ6における演算処理手順を図6ないし図9を用いて説明する。なお、以下の処理手順は、特開2006−78348号に開示される手順と多少異なるが、それと同様としても良い。
【0032】
図6はオフセット値算出、荷重修正及び積算を含めた演算処理全体の流れを示すフローチャートであり、図示のように、荷重算出演算処理(S1〜S8)が行われた後、マグネット5に荷が吸着されているか否かを判断し(S9)、荷が吸着されていれば、荷重修正及び積算演算処理が行われる(S10〜S14)。吸着状態でなければ、状況に応じて、オフセット値算出演算処理がなされる(S15〜S19)。
【0033】
まず、荷重算出演算処理(S1〜S8)であるが、この詳細なフローチャートを図7に示す。
【0034】
(S1)
コントローラ6内のメモリからフロント作業装置の各可動部材3,4,5の重量、重心位置のデータを読み込む。
【0035】
(S2)
コントローラ6に入力される圧力信号(ブームシリンダヘッド圧Pbmh、ブームシリンダロッド圧Pbmr)、角度信号(ブーム角α、アーム角β、バケット角γ)、および各スイッチ信号を読み込む。
【0036】
(S3)
S1、S2で読み込んだデータのうち、各可動部材の重量、重心位置、角度信号を基に、前記(6)式により、無負荷時の(作業装置の自重の)ブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmiを算出する。
【0037】
(S4)
重心位置、角度信号、圧力信号を基に、前記(7)式により、負荷時のブーム連結ピン7a回りのモーメントMbmaを算出する。
【0038】
(S5)
S3と同様に、各可動部材の重量、重心位置、角度信号を基に、前記(9)式により、無負荷時の(作業装置の自重の)マグネット連結ピン9a回りのモーメントMbkiを算出する。
【0039】
(S6)
ロードセル25の出力信号、各可動部材の角度信号を基に、前記(10)式により、負荷時のマグネット連結ピン9a回りのモーメントMbkaを算出する。
【0040】
(S7)
S3〜6で算出した各モーメントMbmi、Mbma、Mbki、Mbkaを基に、吊上げ荷重Wgによるブーム連結ピン7a及びマグネット連結ピン9aの各モーメントΔMbm、ΔMbkを、前記(5)及び(8)式により算出したうえ、それら算出モーメントΔMbm、ΔMbkを基に、前記(4)式により、吊上げ荷重Wgを算出する。
【0041】
(S8)
S7で算出した吊上げ荷重Wgの値について、フィルタ処理を行い、変動成分を除去して平均的な荷重Wgを算出する。算出値はメモリに一時的に記憶させる。
【0042】
この後、マグネット5に荷が吸着しているか否かを判断する手順(S9)へと移り、その判断の可否によって手順が分岐する。荷が吸着しているときが実際の吊上げ荷重検出状態であり、まずはその場合の手順を図8に基づき説明する。
【0043】
(S10)
マグネット5に荷が吸着している場合、油圧ショベルが操作状態にあるか否かを圧力スイッチ13の信号の有無で判断する。信号がない場合、S9の手順に戻す。
【0044】
(S11)
S10で圧力スイッチ13の信号があったと判断した場合、計測スイッチ15が入っているか否かを判断する。計測スイッチ15が入っていない場合は、後述するS14のステップへ移る。
【0045】
(S12)
S11で計測スイッチ15が入っていると判断した場合、メモリ内に記憶されたS8の算出値を取り出し、その値を荷重オフセット値で修正して、最終的な吊上げ荷重Wgを算出する。その最終値をメモリに記憶させる。
【0046】
(S13)
マグネット操作スイッチ18が入っているか否か判断し、入っていると判断した場合、まだ作業中である可能性もあるので、S2の手順に戻す。
【0047】
(S14)
S13でマグネット操作スイッチ15が入っていないと判断した場合、その荷の作業が終了したと判断して、S12で記憶させた最終荷重値Wgを積算荷重に加算する。その後、S2の手順に戻す。
【0048】
次にS9で、マグネット5に荷が吸着されていないと判断した場合は、積荷作業をしていないと判断し、オフセット値算出演算処理状態へと移る。この状態における手順を図9に基づき説明する。
【0049】
(S15、S16)
リセットスイッチ16が操作されたか否かをスイッチ信号の有無で判断し(S15)、スイッチ信号の入力があった場合、積算荷重をリセットする(S16)。スイッチ信号の入力がない場合は、S17の手順に移る。
【0050】
(S17〜19)
次に、油圧ショベルの操作状態を検出する圧力スイッチ13の信号の有無を判断し(S17)、信号があった場合、計測スイッチ15の信号の有無を判断し(S18)、信号があった場合、現在の荷重(S8で算出した値)を荷重オフセット値としてメモリに記憶する(S19)。いずれかのスイッチ13,15の信号が入力されていなければ、荷重オフセット値の記憶作業は行われず、S2の手順に戻る。
【0051】
以上のように、本形態例のコントローラ6における荷重演算処理は、特開2006−78348号に開示された算出方法をベースにしているので、その算出方法自体の算出値の高精度性が発揮されることになるが、それをさらに改良して、最終計測対象である荷に近接するマグネット取付回りの荷重をロードセル25から検出し、その検出値も計算の基準としているので、最終的に算出される値がさらに高精度となり、荷がマグネット5のどの部分に吸着していても、誤差が生じることが減少する。ここで、ロードセル25は、フロント作業装置の先端側に位置することになり、フロント作業装置の動作による不意の過大な荷重を受けるおそれもあるが、上記説明したリンクロッド11のロードセル25の組み込み構造が荷重制限構造を伴っているので、過大な荷重はロードセル25にかからず、このためマグネット重量とマグネット5で吊り上げる最大荷重の合計荷重に応じた規格のものを採用することができるので、特開2002−277311号の装置のような危惧(過大荷重を考慮した規格のものを用いることによる検出値の精度低下)もない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、荷重検出することが要求される作業機械に適用可能な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態例の装置構成を示す説明図である。
【図2】実施形態例に用いられるロードセル組み込み構造の説明図である。
【図3】負荷時のブーム取付ピン回りのモーメントを算出する際に用いられる各数値を説明するための構造図である。
【図4】無負荷時のブーム取付ピン回りのモーメントを算出する際に用いられる各数値を説明するための構造図である。
【図5】作業具取付ピン回りのモーメントを算出する際に用いられる各数値を説明するための構造図である。
【図6】コントローラの演算処理手順全体のフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートのうち、S1からS8までを詳細にしたフローチャートである。
【図8】図6のフローチャートのうち、S10からS14までを詳細にしたフローチャートである。
【図9】図6のフローチャートのうち、S15からS19までを詳細にしたフローチャートである。
【図10】特開2002−277311号公報(特許文献1)に開示される荷重検出装置の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 ブーム
3a ブームシリンダ
4 アーム
4a アームシリンダ
5 マグネット(作業具)
5a 作業具シリンダ
6 コントローラ(演算処理手段)
11 リンクロッド
25 ロードセル
【出願人】 【識別番号】000190297
【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
【出願日】 平成18年10月11日(2006.10.11)
【代理人】 【識別番号】100068249
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 省三

【識別番号】100097397
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 直樹

【識別番号】100138209
【弁理士】
【氏名又は名称】桶川 美和


【公開番号】 特開2008−96255(P2008−96255A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−277648(P2006−277648)