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【発明の名称】 計量装置
【発明者】 【氏名】山川 敦史

【氏名】高橋 淳

【要約】 【課題】ローラー及び駆動モーターを備える搬送装置全体を、重量センサに負荷してなる計量装置において、計量精度を確保するためのノイズ減衰処理を容易に行えるようにすることを目的とする。

【解決手段】搬送装置の駆動ローラーと従動ローラーのローラー径を同一径にするとともに、駆動モーターを駆動ローラーに接続して直接駆動することにより、駆動ローラー、従動ローラー及び駆動モーターから生じるノイズの周波数を相互に同一とするとともに、従来の計量装置においてノイズ発生要因の一つとなっていたタイミングベルトを無くしたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
該支持体に回転自在に支持される駆動ローラー及び従動ローラーと、
該駆動ローラー及び従動ローラーに巻き掛けられる搬送ベルトと、
前記支持体に支持されて前記駆動ローラーを回転駆動する駆動モーターと、を備える搬送装置と、
該搬送装置全体が負荷される重量センサと、を有してなる計量装置であって、
前記駆動ローラーと前記従動ローラーのローラー径を同一径にするとともに、
前記駆動モーターを前記駆動ローラーの一端に接続して、前記駆動ローラーを直接駆動することにより、
前記駆動ローラー、前記従動ローラー及び前記駆動モーターから生じるノイズの周波数を、相互に同一とするように設定したことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計量装置であって、
前記ローラー径を小径化し、前記駆動モーターの回転を速めることにより、前記ノイズの周波数をフィルタ処理によるノイズ減衰が可能な範囲にまで高めたことを特徴とする計量装置。
【請求項3】
請求項1に記載の計量装置であって、
前記ローラー径の小径化によって物品搬送に必要な駆動トルクを軽減し、前記駆動モーターの出力容量を小さくすることにより、前記搬送装置を軽量化したことを特徴とする計量装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の計量装置であって、
前記重量センサの取り付け位置を、前記搬送ベルトの幅方向の中心より前記駆動モーター側にオフセットして、前記重量センサに加わる負荷をベルト幅方向でバランスさせたことを特徴とする計量装置。
【請求項5】
請求項4に記載の計量装置であって、
前記モーターの出力容量を小さくして前記駆動モーターを小型化することにより、前記重量センサの取り付け位置を、前記搬送ベルトの幅方向の内側に収まるように配設したことを特徴とする計量装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送しながら、その物品重量を計量する計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を搬送する搬送装置全体を重量センサに負荷させ、該重量センサで搬送物品の重量を検出する計量装置がある。重量センサに負荷される搬送装置としては、フレームに回転自在に支持される一対のローラーに搬送ベルトを巻き掛けて、同じくフレームに支持される駆動モーターから、いずれかのローラーに取り付けられたベルトプーリーに巻き掛けられるタイミングベルトを介して、回転駆動力を伝達する構造が一般的に採用されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる構造の採用によって、重量の大きい駆動モーターをベルト幅方向の中心位置近傍に配置し、重量センサによる計量精度の悪化を招く偏荷重を避けることができる。
【特許文献1】特開2001−317986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような搬送装置が負荷された重量センサによる計量信号には、駆動系部品となる各回転体(搬送ベルト等)から発生するノイズが重畳されており、計量精度を確保するためには、信号処理によって各ノイズをできる限り減衰させる必要がある。しかしながら、タイミングベルトを介して駆動モーターの駆動力を伝達する場合には、搬送ベルト、駆動モーター、及びローラーから発生するノイズに加えて、タイミングベルトからもノイズが発生し、しかも、これらのノイズは相互に周波数が異なるため、効率的に減衰させることは困難であり、計量精度の確保が十分でなかった。
【0004】
また、ローパスフィルタを使用して信号処理をする場合、実質的に減衰可能なノイズの周波数は10Hz前後以上であるところ、例えば、ローラー径φ20mm、プーリー減速比0.5、搬送速度20mm/minの搬送装置の場合、各回転体のノイズは、搬送ベルト1Hz、タイミングベルト2〜3Hz、駆動モーター5.3Hz、ローラー10.6Hzとなる。したがって、ローラー以外の回転体から発生するノイズについては、信号処理による減衰が実質的に困難であり、この点においても計量精度の確保が十分でなかった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ローラー及び駆動モーターを備える搬送装置全体を、重量センサに負荷してなる計量装置において、計量精度を確保するためのノイズ減衰処理を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の発明は、支持体と、
該支持体に回転自在に支持される駆動ローラー及び従動ローラーと、
該駆動ローラー及び従動ローラーに巻き掛けられる搬送ベルトと、
前記支持体に支持されて前記駆動ローラーを回転駆動する駆動モーターと、を備える搬送装置と、
該搬送装置全体が負荷される重量センサと、を有してなる計量装置であって、
前記駆動ローラーと前記従動ローラーのローラー径を同一径にするとともに、
前記駆動モーターを前記駆動ローラーの一端に接続して、前記駆動ローラーを直接駆動することにより、
前記駆動ローラー、前記従動ローラー及び前記駆動モーターから生じるノイズの周波数を、相互に同一とするように設定したことを特徴とする計量装置を提供する。
【0007】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の計量装置であって、
前記ローラー径を小径化し、前記駆動モーターの回転を速めることにより、前記ノイズの周波数をフィルタ処理によるノイズ減衰が可能な範囲にまで高めたことを特徴とする計量装置を提供する。
【0008】
本発明の請求項3の発明は、請求項1に記載の計量装置であって、
前記ローラー径の小径化によって物品搬送に必要な駆動トルクを軽減し、前記駆動モーターの出力容量を小さくすることにより、前記搬送装置を軽量化したことを特徴とする計量装置を提供する。
【0009】
本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の計量装置であって、
前記重量センサの取り付け位置を、前記搬送ベルトの幅方向の中心より前記駆動モーター側にオフセットして、前記重量センサに加わる負荷をベルト幅方向でバランスさせたことを特徴とする計量装置を提供する。
【0010】
本発明の請求項5の発明は、請求項4に記載の計量装置であって、
前記モーターの出力容量を小さくして前記駆動モーターを小型化することにより、前記重量センサの取り付け位置を、前記搬送ベルトの幅方向の内側に収まるように配設したことを特徴とする計量装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。駆動ローラー、従動ローラー及び駆動モーターの回転数を統一することにより、これらの駆動系部品から発生するノイズの周波数が統一される。また、駆動モーターの駆動力を駆動ローラーへ直接伝達することにより、従来、ノイズの発生要因となっていたタイミングベルトを無くすことができる。その結果として、重量センサからの計量信号に重畳されるノイズを減衰させる信号処理を効率的に行うことができる。また、駆動モーターが駆動ローラーの側方に設けられるため、搬送面と重量センサの変形中心を上下方向で接近させることができ、これによって、重量センサに加わるモーメント(計量誤差要因)が小さく抑えられる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。統一されたノイズ周波数を、ローラーの小径化及びモーター回転の高速化によって、フィルタによる減衰処理が可能な領域に移行させるので、上記従来の計量装置に比べて計量精度の確保が容易に行える。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。ローラーの小径化及び駆動モーターの低容量化によって、風袋となる搬送装置が軽量化され、重量センサに加わる負荷レベルが小さくなるため、重量センサの耐久性及び計量精度の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。重量センサの取り付け位置を比較的重量の大きい駆動モーター側にオフセットして、重量センサに加わる負荷をバランスさせるので、計量精度の悪化が防止される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。モーターを小型化して、重量センサの取り付け位置を搬送ベルトの幅方向の内側に収まるようにしたので、搬送物品によって重量センサに加わるモーメントが抑えられ、計量精度の悪化が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る計量装置について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、計量装置1を示す正面図及び平面図である。
【0017】
(計量装置1)
計量装置1は、図中の矢印方向に物品を搬送しながら、その物品重量を計量するものであって、物品を搬送する搬送装置2と、搬送装置2の全体が負荷されることにより、搬送装置2の搬送面2aを通過する物品の重量を計量可能な重量センサ3と、を有してなる。図において、計量装置1の上流側(左側)には、計量装置1に物品を搬入する上流搬送装置Uが配置されており、下流側(右側)には、計量装置1から搬出される物品を受け入れる下流搬送装置Dが配置されている。
【0018】
(搬送装置2)
搬送装置2は、いわゆるベルトコンベアであって、支持体4と、支持体4の両端にベアリングを介して回転自在に支持される駆動ローラー5及び従動ローラー6と、駆動ローラー5及び従動ローラー6に巻き掛けられる搬送ベルト(平ベルト)7と、支持体4に支持されて駆動ローラー5を回転駆動する駆動モーター8と、を備えてなる。
【0019】
駆動ローラー5は、ローラー径が従動ローラー6と相互に同一径となるように形成されている。駆動ローラー5と従動ローラー6は、両者に巻き掛けられる搬送ベルト7で連結されていることから、装置運転中における回転数(回転速度)は相互に統一されており、したがって、両ローラーの回転に伴って発生するノイズの周波数も相互に統一されている。なお、支持体4には、搬送ベルト7の滑りが生じないように、従動ローラー6を水平方向に移動させて、ローラー間距離を調整するネジ式のベルト張り調整機構41が設けられている。
【0020】
駆動モーター8は、図2に示されるように、保護カバー81で覆われて、搬送装置2の外側に突出させられた状態で駆動ローラー5の側方に設けられており、その回転駆動軸82が駆動ローラー5の回転軸線と一致するように位置決めされ、駆動ローラー5の一端と相互に接続されている。これによって、駆動ローラー5が駆動モーター8で直接駆動され、駆動ローラー5及び従動ローラー6の回転に伴って発生するノイズの周波数と、駆動モーター8の回転に伴って発生するノイズの周波数と、が相互に統一されている。
【0021】
上述したように、駆動ローラー5、従動ローラー6及び駆動モーター8の回転に伴って発生するノイズの周波数が統一されているため、重量センサ3からの計量信号に重畳されるノイズを、ローパスフィルタによる信号処理で効率的に減衰できるようになるが、これらのノイズの周波数が低い場合、ローパスフィルタによるノイズ減衰はやはり困難である。そこで、本実施形態では、駆動ローラー5及び従動ローラー6のローラー径を小径化して、駆動モーター8の回転を速めることにより、これらのノイズ周波数をローパスフィルタによる信号処理が可能な範囲にまで高めている。
【0022】
例えば、上記従来の搬送装置について、ローラー径(直径)をφ20mmとしたままで、搬送速度20m/minとする場合、駆動モーター及び両ローラーのノイズ周波数は5.3Hzで統一されるが、該周波数は、ローパスフィルタによる信号処理で実質的に減衰可能なノイズの周波数(10Hz前後)よりも低くなる。これに対して、ローラー径を上記の1/2であるφ10mmに小径化すれば、駆動モーター8の回転数を上記の2倍に速められる。これに伴い、両ローラー5,6及び駆動モーター8のノイズ周波数が10.6Hzに高められ、ローパスフィルタによる減衰処理が可能となる。
【0023】
また、同一物品を同一速度で搬送する場合において、ローラー径を小径化すると、その径寸法比率に応じて駆動モーターに要求される駆動トルクが軽減されるため、その分だけ、駆動モーター8の出力容量を小さくすることができ、風袋となる搬送装置2の軽量化が図られる。これによって、重量センサ3に加わる負荷レベルが小さくなり、重量センサ3の耐久性及び計量精度の確保が容易になる。
【0024】
(重量センサ3)
重量センサ3は、図1に示されるように、ロードセル31と、ロードセル31を支持するとともに計量装置1の本体側に固定される固定部32と、ロードセル31に支持されるとともに支持体4の下方に突出するアーム部42に取り付けられる取り付け部33と、これらを覆う保護カバー34と、を備えてなる。重量センサ3は、保護カバー34に設けられる貫通穴34aを通してアーム部42に取り付けられ、搬送装置2の重量全体が負荷されることによって負荷重量に応じた計量信号を出力する。
【0025】
出力された計量信号は、例えば、搬送物品重量を演算する演算手段に入力されて、物品重量値が出力されたり、搬送物品重量が規定の範囲内にあるか否かを判定する判定手段に入力されて、物品重量の適・不適が判定されたりする。ところで、重量センサに加わる負荷に偏りが有る場合には、その偏りによって生じる曲げモーメントが計量精度を悪化させるため、搬送物品(計量物品)による曲げモーメントを抑えるべく、搬送装置に対する重量センサの平面視における取り付け位置は、搬送物品が通過する搬送ベルトの幅方向の中心線と一致させることが一般的に行われている。
【0026】
しかしながら、上記搬送装置2では、比較的重量の大きい駆動モーター8が搬送ベルト7の幅方向の外側に突出するように設けられており、駆動モーター8によって重量センサ3に加わる曲げモーメントの影響は、搬送ベルト7上を移動する搬送物品による曲げモーメント以上に大きいと考えられる。そこで、本実施形態では、図2に示されるように、搬送装置2に対する重量センサ3の取り付け位置を、搬送ベルト7の幅方向の中心線CLより駆動モーター8側にオフセットさせて、重量センサ3に加わる負荷がベルト幅方向で偏らないようにバランスさせている。
【0027】
ただし、上述したように駆動モーター8を低容量にして小型化し、図2に示されるように重量センサ3の取り付け位置を搬送ベルト7の幅方向の内側に収めることで、搬送ベルト7上を搬送される搬送物品によって重量センサ3に加わる曲げモーメントを小さく抑えることができる。
【0028】
(上記実施形態に係る計量装置1の特徴点)
上記実施形態は、上記のように構成される結果、下記第一乃至第六の特徴点を有する。
【0029】
第一に、計量装置1は、駆動ローラー5と従動ローラー6のローラー径を同一径とするとともに、駆動ローラー5に駆動モーター8を接続して直接駆動することにより、両ローラー5,6及び駆動モーター8から生じるノイズの周波数が相互に同一に設定されているという特徴を有する。その結果、重量センサ3からの計量信号に重畳される上記駆動系部品のノイズを減衰させる信号処理が効率的に行われる。また、上記従来の計量装置において、2〜3Hz程度で信号処理による減衰が難しいノイズを発生させていたタイミングベルトを無くすことができる。
【0030】
第二に、計量装置1は、駆動モーター8が駆動ローラー5の側方に設けられるという特徴を有する。これにより、搬送装置2と重量センサ3の間に駆動モーター8が介在する従来の計量装置と比べて、重量センサ3が取り付けられるアーム部42の下方突出を小さくなって、搬送装置2の搬送面2aと重量センサ3の変形中心を上下方向で接近させることができる。その結果として、重量センサ3に加わる曲げモーメントを小さく抑えることができ、計量精度の悪化が防止される。
【0031】
第三に、計量装置1は、駆動ローラー5及び従動ローラー6のローラー径を小径化し、駆動モーター8の回転を速めることにより、ノイズの周波数をフィルタ処理によるノイズの減衰が可能な範囲にまで高めるという特徴を有する。その結果として、計量精度の確保を容易に行うことができる。
【0032】
第四に、計量装置1は、駆動ローラー5及び従動ローラー6のローラー径の小径化によって、搬送ベルト7による物品搬送に必要な駆動トルクを軽減し、駆動モーター8の出力容量を小さくすることで、計量の風袋となる搬送装置2を軽量化するという特徴を有する。その結果として、重量センサ3に加わる負荷レベルも小さくなって、重量センサ3の耐久性及び計量精度の向上が図られる。
【0033】
第五に、重量センサ3の搬送装置2に対する取り付け位置を、搬送ベルト7の幅方向の中心線CLより駆動モーター8にオフセットして、重量センサ3に加わる負荷をベルト幅方向でバランスさせるという特徴を有する。重量センサ3の取り付け位置を比較的重量の大きい駆動モーター8側にオフセットするため、重量センサ3に対する負荷の偏りが軽減され、計量精度の悪化が防止される。
【0034】
第六に、駆動モーター8の出力容量を小さくして、駆動モーター8を小型化することにより、重量センサ3の搬送装置2に対する取り付け位置を、搬送ベルト7の幅方向の内側に収まるようにするという特徴を有する。その結果として、搬送ベルト7上を搬送される搬送物品によって重量センサ3に加わる曲げモーメントが抑えられ、計量精度の悪化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る計量装置の正面図。
【図2】本発明の実施形態に係る計量装置の平面図。
【符号の説明】
【0036】
1 計量装置
2 搬送装置
3 重量センサ
4 支持体
41 ベルト張り調整機構
42 アーム部
5 駆動ローラー
6 従動ローラー
7 搬送ベルト
8 駆動モーター
【出願人】 【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】 【識別番号】100109254
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 雅典


【公開番号】 特開2008−82998(P2008−82998A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−266336(P2006−266336)