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【発明の名称】 車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置
【発明者】 【氏名】赤堀 拓也

【氏名】鈴木 克治

【氏名】小林 裕一

【氏名】小林 篤

【氏名】松田 美智春

【氏名】上森 一範

【要約】 【課題】荷重センサ出力の温度変化に伴う変動の補正量(補正係数)を決定するために必要な、各設置箇所の荷重センサや温度センサの出力の収集を、積載重量算出用に行われる収集とは別に、積載重量算出用に行われる収集の枠組みを利用して効率よく行うこと。

【構成】積載重量算出用に行われる各センサユニット10とメインユニット20間のデータ収集に用いる電文と同様の電文を用いて、荷重センサ11の荷重信号の補正値の決定に必要なデータをデータ要求手段31Aがメインユニット20に要求して、メインユニット20のデータ要求中継手段21Bとが各センサユニット10への電文を、積載重量算出用のデータ収集手段21Aに出力させ、データ収集手段21Aが収集した各センサユニット10からの電文中から必要なデータをデータ収集中継手段21Cが抽出、出力し、データ保持手段Bがデータ格納手段Aに格納させる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた歪検出方式の荷重センサが前記車両の荷重に応じた物理量で出力する荷重信号を、温度センサが測定する前記荷重センサの取付箇所の温度に応じた補正値によって補正し、この補正値によって補正した荷重信号に基づいて前記車両の積載重量を算出するために、該積載重量の算出を行う前記車両のメインユニットのデータ収集手段が、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを、前記荷重センサ及び前記温度センサを有する前記車両のセンサユニットに対して、所定形式の電文にて要求し、かつ、前記センサユニットから前記所定形式の電文にて収集する車両の積載重量算出システムにおいて、前記補正値を決定するための前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを、前記センサユニットに対して要求し、かつ、該センサユニットから収集する荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置であって、
前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを前記センサユニットに対して要求する前記所定形式の電文中に、中継用のコマンドを挿入した電文を、前記メインユニットに対して出力するデータ要求手段と、
前記メインユニットに設けられ、前記データ要求手段からの前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文の受信時に、該電文中の、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを前記センサユニットに対して要求する電文部分を抽出し、該抽出した電文部分を含む、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを前記センサユニットに対して要求する前記所定形式の電文を、前記データ収集手段に出力させるデータ要求中継手段と、
前記メインユニットに設けられ、前記データ要求中継手段が前記データ収集手段に出力させた、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを前記センサユニットに対して要求する前記所定形式の電文に呼応して、前記データ収集手段により前記センサユニットから前記メインユニットに前記所定形式の電文にて収集された、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータを、前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文によって出力するデータ収集中継手段と、
前記データ収集中継手段が出力した、前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文中の、前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータの電文部分を抽出し、該抽出した電文部分による前記荷重信号及び前記温度センサの出力に関するデータをデータ保持手段に格納させるデータ格納手段と、
を備えることを特徴とする車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置。
【請求項2】
前記データ要求手段及び前記データ格納手段は、前記車両から独立して設けられて前記メインユニットとの間でデータ授受のための通信が可能な別ユニットによって構成されている請求項1記載の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置。
【請求項3】
前記データ格納手段は、前記メインユニット及び前記別ユニットの双方にそれぞれ設けられており、前記データ保持手段は、前記メインユニット及び前記別ユニットの双方の前記データ格納手段によるデータの書き込み及び読み出しがそれぞれ可能な可搬性記憶媒体によって構成されている請求項2記載の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の積載重量を車両に取り付けられた歪検出方式の荷重センサの出力に基づいて車両の積載重量を算出システムに係り、特に、荷重センサの取付箇所における温度変化による荷重センサの出力変化を補正するための補正量を決定するのに用いる荷重センサの出力等のデータを収集する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積載物からの荷重によって伸縮する例えばアクスルシャフトのような箇所に歪ゲージ等の歪検出方式の荷重センサを取り付けて、その出力から車両の積載重量を算出するのに当たっては、温度変化に伴う荷重センサの出力の変動を補正する必要があり、そのようなものとして、温度センサ(サーミスタ)を用いて求めた基準温度に対する温度のシフト量に比例して荷重センサの出力を補正するものが既に提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、温度変化による荷重センサの出力の変動は、上述した温度ドリフト、つまり、荷重センサ自体の温度依存性による出力特性の変化によってもたらされるだけでなく、荷重センサの取付対象が熱源から伝わる熱による温度変化で伸縮することによってももたらされる。
【0004】
このうち、いわゆる温度ドリフトによってもたらされる荷重センサの出力変動は、荷重センサの周辺温度の変化にリアルタイムに追従するが、取付対象の温度変化による伸縮でもたらされる荷重センサの出力変動は、取付対象の熱伝達速度と熱変形速度との間にギャップがあることから、取付対象の温度変化にはリアルタイムに追従せず、取付対象の伸縮による荷重センサの出力変動の方が、取付対象の温度変化よりも遅れて現れるのが実情である。
【0005】
特に、荷重センサの取付対象には、自身の構造や周辺部材への結合部分の構造等に起因して、伸縮し易い方向とそうでない方向とがあるので、伸縮し難い方向についてはなおさら、取付対象の温度変化に対して、変化後の温度に応じた形状に取付対象が変形し終えて熱平衡状態に至るまでの伸縮に時間を要し、荷重センサの出力変動が取付対象の温度変化に対して遅れることになる。
【0006】
そのため、温度ドリフトによる荷重センサの出力変動は、荷重センサの周辺温度に基づいて精度良く補正することができるが、取付対象の伸縮による荷重センサの出力変動は、取付対象の温度に基づいては精度良く補正することができない。
【0007】
ここで、荷重センサの出力を変動させる温度ドリフトや取付対象の伸縮の要因となる温度変化の発生源の一つとして、荷重センサの取付対象として最もポピュラーなアクスルシャフトに連なるデファレンシャルケースのギヤの噛み合いにより発生するデフ熱があり、このデフ熱は、荷重センサを使って積載重量を算出する車両の停車後においてもなかなか降下しないと言われている。
【0008】
ということは、取付対象の温度変化に伴う伸縮により荷重センサの出力が変動する状態は結構な期間継続する可能性があるということであり、そうなると、取付対象の温度に基づいて精度良く補正できないからといって、取付対象の伸縮による荷重センサの出力変動を安易に無視して積載重量を算出する訳にも行かなくなる。
【0009】
また、アクスルシャフトに荷重センサを取り付ける場合は、荷台側からの荷重がかかるリーフスプリングとの連結箇所から車輪(タイヤ)までの、荷重伝達経路上に位置するアクスルシャフト部分に荷重センサをレイアウトするのが好ましいとされているので、そうすると、荷重センサの出力を変動させる温度ドリフトや取付対象の伸縮の要因となる温度変化の発生源として、ブレーキ熱の存在も無視できなくなる。
【0010】
このブレーキ熱は、デフ熱と違って、停車してブレーキ操作を止めれば直ぐに降下すると言われているので、ブレーキ熱に起因する取付対象の温度変化に伴う伸縮で荷重センサの出力が変動する期間はデフ熱の場合に比べて短く、一見するとそれによる荷重センサの出力変動成分は無視しても良いように思える。
【0011】
しかし、ブレーキ熱の影響を受け易ければそれによる取付対象の温度変化量やそれに伴う取付対象の伸縮量が大きくなって荷重センサの出力変動量も大きくなるので、いかにブレーキ熱が停車後早々に低下する性質なので荷重センサの出力変動期間が短いと言っても、取付対象の温度変化に対して遅れて現れる取付対象の伸縮に伴う荷重センサの出力変動量は、無視できるボリュームには収まらない。
【0012】
以上のことから、荷重センサの出力から車両の積載重量を正確に算出するには、取付対象の温度変化に伴う伸縮を通じて荷重センサの出力に現れる変動成分に対する補償も手当てすることが、非常に肝要となる。
【0013】
その点、荷重センサの周辺温度の基準温度に対する温度変化量を温度センサにより求めて、その時点の荷重センサの出力を直線的に補正する従来の温度補償のやり方は、荷重センサの周辺温度の変化にリアルタイムに追従する荷重センサの温度ドリフトに対する補償には有効であるものの、取付対象の温度変化にリアルタイムに追従しない取付対象の伸縮を通じて荷重センサの出力に現れる変動成分に対する補償には、有効とは言い難いものである。
【0014】
しかも、取付対象の温度変化に伴う伸縮の特性は、アクスルシャフトの材質、形状、構造等、車種の違いによって様々に異なり、取付対象の温度変化に対して取付対象の伸縮に伴う荷重センサの出力変動がどのように遅れて現れるかについても車種によって様々で、その差異も大きいことから、取付対象の伸縮を通じて荷重センサの出力に現れる変動成分に対する補償を同一手法で簡単かつ効果的に行える方法、手段が存在しない、というのが現状である。
【0015】
そこで、本出願人らは、温度ドリフトによる荷重センサの出力変動のみならず、アクスルシャフトの荷重センサが取り付けられた箇所が温度変化により伸縮するのに伴う荷重センサの出力変動を、それぞれに対応した補正係数を用いて補正することを、特願2006−85747や特願2006−129026において提案している。
【0016】
上記した温度ドリフトによってもたらされる荷重センサの出力変動量は、荷重センサの個体によって各々異なり、また、荷重センサの取付対象の温度変化による伸縮でもたらされる荷重センサの出力変動量も、各荷重センサが設置されるアクスルシャフト箇所の状況によって異なるので、荷重センサの出力の補正量は、実使用状態に設置した各荷重センサやその取付箇所に設置した温度センサの出力を相当量収集し、それに基づいて各設置箇所毎に個別に設定する必要がある。
【特許文献1】特開2000−28423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
各設置箇所の荷重センサや温度センサの出力の収集は、車両のキャビン等に設置されて積載重量の算出、表示を行うメインユニットによって既に行われているが、この収集は、積載重量を周期的に算出する際にその都度単発的に実行される程度のものであることから、上述した各設置箇所毎の荷重センサの出力補正量を決定するために必要な、相当量の荷重センサや温度センサの出力を確保するには、サンプル数が圧倒的に足りない。
【0018】
そのため、各設置箇所毎の荷重センサの出力補正量を決定するために必要な、相当量の荷重センサや温度センサの出力を確保するためには、積載重量算出用に行われる収集とは別に、各設置箇所の荷重センサや温度センサの出力を収集する必要がある。
【0019】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車両の積載重量の算出に用いる荷重センサの温度変化に伴う変動を、荷重センサに付設した温度センサの出力に応じて補正する際に用いる、荷重センサの出力の補正量(補正係数)を決定するために必要な、各設置箇所の荷重センサや温度センサの出力を、積載重量算出用に行われる収集とは別に収集するに当たり、積載重量算出用に行われる収集の枠組みを利用して効率よく収集作業を行うことができる、車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に取り付けられた歪検出方式の荷重センサ11が前記車両の荷重に応じた物理量で出力する荷重信号を、温度センサ13aが測定する前記荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた補正値によって補正し、この補正値によって補正した荷重信号に基づいて前記車両の積載重量を算出するために、該積載重量の算出を行う前記車両のメインユニット20のデータ収集手段21Aが、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを、前記荷重センサ11及び前記温度センサ13aを有する前記車両のセンサユニット10に対して、所定形式の電文にて要求し、かつ、前記センサユニット10から前記所定形式の電文にて収集する車両の積載重量算出システムにおいて、前記補正値を決定するための前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを、前記センサユニット10に対して要求し、かつ、該センサユニット10から収集する荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置であって、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを前記センサユニット10に対して要求する前記所定形式の電文中に、中継用のコマンドを挿入した電文を、前記メインユニット20に対して出力するデータ要求手段31Aと、前記メインユニット20に設けられ、前記データ要求手段31Aからの前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文の受信時に、該電文中の、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを前記センサユニット10に対して要求する電文部分を抽出し、該抽出した電文部分を含む、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを前記センサユニット10に対して要求する前記所定形式の電文を、前記データ収集手段21Aに出力させるデータ要求中継手段21Bと、前記メインユニット20に設けられ、前記データ要求中継手段21Bが前記データ収集手段21Aに出力させた、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを前記センサユニット10に対して要求する前記所定形式の電文に呼応して、前記データ収集手段21Aにより前記センサユニット10から前記メインユニット20に前記所定形式の電文にて収集された、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータを、前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文によって出力するデータ収集中継手段21Cと、前記データ収集中継手段21Cが出力した、前記中継用のコマンドを挿入した前記所定形式の電文中の、前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータの電文部分を抽出し、該抽出した電文部分による前記荷重信号及び前記温度センサ13aの出力に関するデータをデータ保持手段Bに格納させるデータ格納手段Aとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置は、請求項1に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置において、前記データ要求手段31A及び前記データ格納手段Aが、前記車両から独立して設けられて前記メインユニット20との間でデータ授受のための通信が可能な別ユニット30によって構成されているものとした。
【0022】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置は、請求項2に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置において、前記データ格納手段Aが、前記メインユニット20及び前記別ユニット30の双方にそれぞれ設けられており、前記データ保持手段Bが、前記メインユニット20及び前記別ユニット30の双方の前記データ格納手段Aによるデータの書き込み及び読み出しがそれぞれ可能な可搬性記憶媒体32によって構成されているものとした。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置によれば、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号の補正値を決定するのに用いるために、荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータをセンサユニット10に対して要求する電文が、データ要求手段31Aによってメインユニット20に出力されると、その電文中の、荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータをセンサユニット10に対して要求する電文部分が、積載重量の算出に使用する荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータの要求、収集の際にメインユニット20とセンサユニット10との間で授受される、所定形式の電文の一部として使用されて、この所定形式の電文によって、荷重信号の補正値の決定に使用する荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータの要求、収集が、メインユニット20とセンサユニット10との間で行われ、収集されたデータがデータ格納手段Aに格納されることになる。
【0024】
このため、積載重量の算出のためにメインユニット20とセンサユニット10との間で行われているデータの授受の枠組みをそのまま利用して、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号の補正値を決定するのに用いる荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータを、効率よく要求、収集することができる。
【0025】
また、請求項2に記載した本発明の車両の積算重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置によれば、請求項1に記載した本発明の車両の積算重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置において、積載重量の算出のためにメインユニット20とセンサユニット10との間で行われているデータの授受の枠組みを、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号の補正値を決定するのに用いる荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータの要求、収集にそのまま利用しつつ、荷重信号の補正値の決定のために必要なデータ要求、収集の新たな枠組みを構成する要素中のデータ要求手段31Aやデータ格納手段Aを、車両から独立した別ユニット30によって構成して、その別ユニット30を、ある車両での不必要時に他の車両のメインユニット20と通信接続して、その車両、即ち、他の車両の積算重量算出システムにおいて、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号の補正値を決定するのに用いる荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータを要求、収集するのに利用することができる。
【0026】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置によれば、請求項2に記載した本発明の車両の積載重量算出システムにおける荷重センサ出力補正量決定用データ収集装置において、別ユニット30をメインユニット20に通信接続した状態で、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号の補正値を決定するのに用いるために要求、収集し、データ格納手段Aの制御によりメインユニット20において可搬性記憶媒体32に書き込ませた、荷重信号及び温度センサ13aの出力に関するデータを、そのデータを用いて荷重信号の補正値を決定する処理を行う際には、メインユニット20から別ユニット30を切り離して独立させた状態で、別ユニット30において可搬性記憶媒体32から読み出すようにして、積載重量算出時にも必要なデータ収集に関する動作はメインユニット20の既存の構成を利用し、新たに加わる補正値決定に関する動作を別ユニット30において行うようにして、メインユニット20及び別ユニット30の双方の処理上の負担を、それぞれ軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図2は本発明を適用した本発明の一実施形態に係る車両の積載重量算出システムの概略構成を示す説明図であり、本実施形態に係る車両の積載重量算出システムは、前1軸後2軸の6つの車輪(図示せず)に対応してアクスルシャフト(図示せず)に取り付けられる6つのセンサユニット10,…,10と、車両のキャビン(図示せず)に配置されて6つのセンサユニット10,…,10の出力から車両の積載重量を算出、表示するメインユニット20と、メインユニット20との間で無線通信によるデータ授受を行う外部演算ユニット30(請求項中の別ユニットに相当)とを有しており、各センサユニット10,…,10とメインユニット20とはバスライン40によって接続されている。
【0029】
前記各センサユニット10は、車両の荷重に応じた周波数(請求項中の物理量に相当)の荷重信号Fを出力する歪ゲージ式の荷重センサ11、内蔵の温度センサ13aの温度信号を用いて荷重センサ11から出力される荷重信号Fを温度直線補正するカスタムIC13、カスタムIC13で温度直線補正された荷重信号F1を周波数−電圧変換するV/F変換回路15、V/F変換回路15が出力する周波数−電圧変換後の荷重信号F1とカスタムIC13が出力する温度センサ13aの温度信号とが入力されるワンチップマイクロコンピュータ(以下、「μCOM」と略記する。)17、μCOM17をバスライン40に接続する入出力インタフェース(以下、「I/F」と略記する。)19、及び、これら荷重センサ11、カスタムIC13、V/F変換回路15、μCOM17、I/F19に作動用電力を供給する電源回路Pを有している。
【0030】
尚、カスタムIC13には、温度直線補正用係数mを用いて、荷重センサ11の出力する荷重信号Fに対して温度センサ13aの検出する周辺温度に応じた直線補正を施すための回路が、温度センサ13aと共に組み込まれている。
【0031】
前記μCOM17は、CPU、RAM、ROMの他、EEPROM(いずれも図示せず)を内蔵しており、このうちEEPROMには、温度変化量補正用係数a(請求項中の補正値に相当)と、温度直線補正用係数m、そして、上述した基準温度が格納されている。
【0032】
前記EEPROMに格納される温度直線補正用係数mは、従来の方式の温度補償と同様に、温度変化に伴う荷重センサ11の温度ドリフトをキャンセルするための、基準温度に対する実際の温度のシフト量に応じて荷重センサ11の出力する荷重信号Fを補正する温度直線補正に用いるもので、μCOM17のCPUが、車両の停止時に荷物の積み卸しのない状態で、アクスルシャフトに取り付けた荷重センサ11から様々な温度において実際にサンプリングした荷重信号Fから求めた、基準温度からの温度変化量Tに対する荷重信号Fの変動量の関係(荷重信号Fの変動量/基準温度からの温度変化量T)を示す係数である。
【0033】
ちなみに、本実施形態の車両の積載重量算出システムでは、車両の停止時に、外部接続ユニット30からメインユニット20を介して入力される要求に基づいてμCOM17のCPUがサンプリングした、アクスルシャフトに取り付けた荷重センサ11からの様々な積載重量と様々な温度における荷重信号Fと、荷重信号Fのサンプリング時における温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとから、温度直線補正用係数mが外部接続ユニット30において求められ、また、求められた温度直線補正用係数mが、μCOM17のCPUによってEEPROMに格納される。
【0034】
但し、外部接続ユニット30によって値が求められるまでの間は、EEPROMに温度直線補正用係数mのデフォルト値として「1」(=温度直線補正なし)が格納されているので、この時点でカスタムIC13が出力する温度直線補正後の荷重信号F1の値は、荷重センサ11の出力する荷重信号Fの値のままとなる。
【0035】
尚、荷重センサ11の温度変化量Tは荷重センサ11の個体間によって異なるので、上述した温度直線補正用係数mは、各荷重センサ11毎に個別に求められ、EEPROMに個別に格納されるか、あるいは、その荷重センサ11を有するセンサユニット10のカスタムIC13の回路に設定される。
【0036】
また、温度変化量Tを求める際に必要な基準温度は、本実施形態では各センサユニット10共通で25°Cに設定されており、これもまた、EEPROMに格納されるか、あるいは、各センサユニット10のカスタムIC13の回路に設定される。
【0037】
そして、各センサユニット10のカスタムIC13の回路では、温度直線補正用係数mを用いた温度直線補正後の荷重信号F1が、次式、
F1=F+m×T
によって求められて、後段のV/F変換回路15に出力される。
【0038】
前記EEPROMに格納される温度変化量補正用係数aは、荷重センサ11を有するセンサユニット10が取り付けられる不図示のアクスルシャフトの温度変化に伴う収縮によって荷重センサ11の荷重信号Fが変動する際の、アクスルシャフトの温度変化に対する荷重信号Fの変動の追従性の遅れを補うための、温度変化量補正に用いる係数である。
【0039】
つまり、荷重センサ11付近に温度変化が生じると、その温度変化が伝わったアクスルシャフトの荷重センサ11(センサユニット10)が取り付けられた箇所も温度変化を起こし、その温度変化によって荷重センサ11(センサユニット10)が取り付けられたアクスルシャフト箇所に伸縮が生じて、その伸縮に起因する変動が荷重センサ11の荷重信号Fに発生する。
【0040】
そして、アクスルシャフトの熱変形速度は熱伝達速度よりも遅いので、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の伸縮は、そのアクスルシャフト箇所の温度変化に追従して変動せず、アクスルシャフト箇所の温度変化に対して遅れて現れる。
【0041】
そこで、この荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化に対する荷重信号Fの変動の追従性を改善するための補正を、温度変化量補正用係数aを用いた温度変化量補正によって行う。
【0042】
この温度変化量補正用係数aは、μCOM17のCPUが、車両の停止時に荷物の積み卸しのない状態で、周期的に(例えば0.25〜0.5sec毎に)サンプリングするカスタムIC13の温度センサ13aの出力の、一定時間経過前後の2回のサンプリング値の差、つまり温度変化量ΔT(具体的には、それぞれのサンプリングタイミングにおける温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tどうしの差)と、μCOM17のCPUがアクスルシャフトに取り付けた荷重センサ11から実際に周期的に(例えば0.25〜0.5sec毎に)サンプリングした荷重信号Fのうち、温度変化量ΔTを求めるのに用いた2つの出力中の一定時間経過後の出力と同じタイミングでサンプリングされた荷重信号Fを、カスタムIC13で温度直線補正後の荷重信号F1とし、V/F変換回路15で周波数−電圧変換した後の荷重信号F3とが、比例関係を有する条件を満たした時の、両者の比F3/ΔTを示す係数である。
【0043】
ここで、上述した温度直線補正後の荷重信号F1をV/F変換回路15で周波数−電圧変換した後の荷重信号F3と温度変化量ΔTとが、比例関係を有する条件をどのようにして定めるかについて説明する。
【0044】
まず、先に説明したような、荷重センサ11(センサユニット10)が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化に対する荷重信号Fの変化(アクスルシャフト箇所の伸縮)の追従性の遅れから、車両の停車時点をゼロとして荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度や荷重信号Fの周波数の時間変化を表した図3のグラフに示すように、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変化に対して荷重信号Fの周波数の変化は、比例関係を持たない。
【0045】
そのため、温度センサ13aの温度信号によって表される荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変化量、つまり温度変化量ΔTを、任意の時間の経過前後で求めると、温度変化量ΔTは、その任意の時間の経過後における荷重センサ11の荷重信号Fの周波数で表される荷重信号Fに対して、図4のグラフに一点鎖線で示すように、何ら比例関係を持たない。
【0046】
ところが、荷重センサ11の荷重信号Fの周波数を荷重センサ11の温度ドリフト量Tに応じて補正するのに用いる先述の温度直線補正係数mとして適切な値を設定すると、車両の停車後において、図4のグラフに実線で示すように、温度変化量ΔTが、その適切な値に設定した温度直線補正係数mにより荷重信号Fを温度直線補正した後の荷重信号F1に対して、比例関係を有すると見て良い許容範囲内に収まる時間帯が存在する。
【0047】
これは結局、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化に追従せず、そのため、温度センサ13aの温度信号の変化に対して遅れて現れる、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の伸縮による荷重信号の変動が、その荷重信号のサンプリングタイミングとそれから任意の時間間隔Δt遡ったタイミングとの2つのタイミングにおける、温度センサ13aの温度信号の変化量である温度変化量にΔTに比例する成分と、それ以外の、その荷重信号のサンプリングタイミングにおける荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の基準温度に対するドリフト量に比例する成分とに、分けることができることを意味する。
【0048】
そこで、後者の成分を含むように温度直線補正係数mの値を定めると共に、前者の成分を温度変化量補正用係数aとして求める。
【0049】
ちなみに、本実施形態の車両の積載重量算出システムでは、車両の停止時に荷物の積み卸しのない状態で、外部接続ユニット30からメインユニット20を介して入力される要求に基づいてμCOM17のCPUがサンプリングした、アクスルシャフトに取り付けた荷重センサ11からの様々な温度における荷重信号Fを、適切な値に設定されたEEPROMの温度直線補正係数mを用いて温度直線補正した、図4に示す、温度変化量ΔTと比例関係を有すると見て良い温度直線補正後の荷重信号F1の、その時間間隔Δtの後の値、実際にはV/F変換回路15による周波数−電圧変換後の荷重信号F3の値と、荷重センサ11の荷重信号F1と同じタイミング及びその任意時間経過前のタイミングでそれぞれサンプリングされた、時間間隔Δtの前後における温度センサ13aの温度信号変化量である温度変化量ΔTとの、両者の比F3/ΔTから、温度変化量補正用係数aが外部接続ユニット30において求められ、また、求められた温度変化量補正用係数aが、μCOM17のCPUによってEEPROMに格納される。
【0050】
但し、外部接続ユニット30によって値が求められるまでの間は、EEPROMに温度変化量補正用係数aのデフォルト値として「1」(=温度変化量補正なし)が格納されている。
【0051】
尚、温度変化量補正用係数aを求める際に用いる時間間隔Δtは、μCOM17のCPUが荷重センサ11から荷重信号Fをサンプリングする周期や、これと等しい、カスタムIC13の温度センサ13aから温度信号をサンプリングする周期(例えばいずれも0.25〜0.5sec毎)とか、それらの値を用いて算出した車両の積載重量の表示を後述するメインユニット20において更新する周期(例えばいずれも0.5〜1sec毎)に比べて、相当に長い時間となる(例えば数分単位)。
【0052】
そして、温度変化量補正用係数aを用いた温度変化量補正後(及び温度直線補正後)の荷重信号F5(但し、周波数−電圧変換後)は、次式、
F5=F3+a×ΔT
によって求められる。
【0053】
ちなみに、温度直線補正係数mによる補正後の荷重信号F1と温度変化量ΔTとが比例関係を有する時間帯は、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化量ΔTを割り出すのに用いる上述した時間間隔Δtの長短に関係なく存在し、そのときの温度変化量補正用係数aの値は、時間間隔Δtが短くなればなるほど大きくなる。
【0054】
また、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変動に伴う荷重信号Fの変動は、温度ドリフトに起因する変動については荷重センサ11の個体によって各々異なり、また、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の伸縮に伴う変動についても、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の構造に起因して、言い換えると、アクスルシャフト自身の構造や周辺部材への結合部分の構造に起因して、独自の傾向を有している。
【0055】
そこで、温度直線補正係数mと温度変化量補正用係数aは、各荷重センサ11についてそれぞれ上述した手順によって、外部接続ユニット30により個別に決定される。
【0056】
尚、車両の停車後積載重量を変えずに、荷重センサ11の荷重信号Fと温度センサ13aの温度信号とのサンプリングを、(1)通常(例えば0.25〜0.5sec)、(2)通常+60%、(3)通常−30%の3つの周期で行い、それぞれについて、温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1の周波数と、温度センサ13aの温度信号の時間間隔Δtの前後における温度変化量ΔTとの関係を確認し、その結果を図5のグラフに示した(図5中細線は(1)〜(3)の補正後の荷重信号F1の周波数と温度変化量ΔTとの関係、太線は補正後の荷重信号F1の周波数と所定周期時間、例えば60sec毎に求めた最新の過去5回分の温度変化量ΔTを移動平均した移動平均温度変化量ΔTave との関係)。
【0057】
この図5に示されているように、上記した(1)〜(3)のいずれのサンプリング周期でも、温度変化量ΔT(の移動平均温度変化量ΔTave )の値が一旦増加してからゼロに向けて減少する時系列上の変化の中で、温度変化量ΔT(の移動平均温度変化量ΔTave )と温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1の周波数とが比例関係を有すると見てよい領域が存在する。
【0058】
ちなみに、車両の停車後積載重量を変えずに、荷重センサ11の荷重信号Fと温度センサ13aの温度信号とのサンプリングを、(1)通常(例えば0.25〜0.5sec)、(2)通常+60%、(3)通常−30%の3つの周期で行い、それぞれについて、温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1を一旦求め、さらに、その周波数−電圧変換後の荷重信号F3に温度変化量補正用係数aによる温度変化量補正を施した再補正後の荷重信号F5を求めたところ、次のような結果が得られた。
【0059】
即ち、車両の停車時点をゼロとしてそれぞれの時間変動を表した図6のグラフに示すように、通常の周期でサンプリングした温度直線補正後の荷重センサ11の荷重信号F1を周波数−電圧変換した後の荷重信号F3によって算出した車両の積載重量W3は、車両の停車後30分経過した辺りでほぼ飽和し安定するが、さらにその荷重信号F3に温度変化量補正を施した再補正後の荷重信号F5によって算出した車両の積載重量W5(1)〜(3)は、上記した(1)〜(3)のいずれのサンプリング周期でも、車両の停車後15分経過した辺りで既にほぼ飽和し安定する。
【0060】
したがって、温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1の周波数−電圧変換後の荷重信号F3に、温度変化量補正用係数aによる温度変化量補正を加えて行うことで、荷重センサ11の周辺温度の変化に対する荷重信号Fの変動の追従性を改善するための補正が、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化量ΔTを割り出すのに用いる上述した時間間隔Δtに依存することなく行われることが分かる。
【0061】
尚、図6のグラフに示した車両の積載重量W5を、荷重センサ11の温度直線補正、周波数−電圧変換、及び、温度変化量補正後の荷重信号F5から算出する方法は、後述するメインユニット20が行う処理と同様であり、車両の積載重量W3を、荷重センサ11の温度直線補正後の荷重信号F1を周波数−電圧変換した後の荷重信号F3から算出する方法も、積載重量W5を算出する方法と基本的に同様である。
【0062】
そして、後述するメインユニット20においては、荷重センサ11の温度直線補正、周波数−電圧変換、及び、温度変化量補正後の荷重信号F5の算出と、それを用いた車両の積載重量W5の算出とを行う訳であるが、図5のグラフに示すように、車両の停車後15分経過するまでの間は、算出される積載重量W5が飽和、安定しないことから、この車両の停車から15分経過するまでに相当する期間が、各センサユニット10のEEPROMに、積載重量の算出を禁止するアイドリングタイムtとして予め格納される。
【0063】
この、荷重センサ11の温度直線補正、周波数−電圧変換、及び、温度変化量補正後の荷重信号F5から算出される積載重量W5が飽和、安定するまでに要する停車時からの時間は、各荷重センサ11自身の特性やアクスルシャフトの取付箇所の構造に起因して荷重センサ11毎に異なるので、各センサユニット10のEEPROMには、各荷重センサ11について、温度直線補正、周波数−電圧変換、及び、温度変化量補正後の荷重信号F5から算出される積載重量W5が飽和、安定するまでに要する停車時からの時間が、その荷重センサ11(センサユニット10)固有のアイドリングタイムtとして格納される。
【0064】
ちなみに、時間間隔Δtは温度変化量補正用係数aの値によって一義的に定まるので、温度変化量補正用係数aの値さえ格納しておけば、その荷重センサ11(センサユニット10)固有の値として各センサユニット10のEEPROMに時間間隔Δtを、温度変化量補正用係数aの値とは別個に単独で格納しておく必要はない。
【0065】
以上のようにして決定される温度変化量補正用係数aや温度直線補正用係数m、基準温度、アイドリングタイムtが格納されたEEPROMを内蔵するμCOM17のCPUは、電源の供給の開始に伴い、ROMに格納された制御プログラムにしたがって、図7のフローチャートに示すような処理を行う。
【0066】
まず、バスライン40からの自己を対象にした(自センサユニット10の荷重センサ11のアドレスをテキスト部に含む)収集要求データが、I/F19を介して入力されたか否かを確認し(ステップS1)、入力された場合は(ステップS1でY)、RAMのシフトレジスタにバッファされている過去複数回分のうち最新の、V/F変換回路15から取り込んだ荷重センサ11の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3と、それに関連づけてRAMに格納された、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tや、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔT、及び、EEPROMに格納された温度変化量補正用係数aを、バスライン40に返送して(ステップS3)、ステップS1にリターンする。
【0067】
一方、収集要求データが入力されていない場合は(ステップS1でN)、荷重センサ11の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3のV/F変換回路15からの取り込みと、温度センサ13aの温度信号のカスタムIC13からの取り込みとを周期的に行い(ステップS5)、取り込んだ荷重信号F3と、取り込んだ温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとを、少なくとも前記時間間隔Δtに相当する最新の過去複数回分格納するRAMのシフトレジスタに時系列順にバッファリングする(ステップS7)。
【0068】
そして、シフトレジスタに格納された最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tと、その温度信号のサンプリングタイミングから前記時間間隔Δtだけ前にサンプリングされてシフトレジスタに格納された過去の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとの差、つまり温度変化量ΔTを求めて、この温度変化量ΔTと、シフトレジスタに格納された最新の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3と、シフトレジスタに格納された最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとを、EEPROMに格納された温度変化量補正用係数aに関連づけてRAMに格納した後(ステップS9)、ステップS1にリターンする。
【0069】
尚、電源の供給の開始後、外部接続ユニット30で求められた温度直線補正用係数m(「1」以外の値)がEEPROMに格納されてから、EEPROMに格納されているアイドリングタイムtから時間間隔Δtを減じた時間が経過するまでの間に到来するステップS3の処理では、RAMに格納された最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔTとして、ΔT=0がバスライン40に返送される。
【0070】
ちなみに、各センサユニット10とメインユニット20とのバスライン40を介したデータの授受は、請求項中の電文を構成する図8のフレームが用いられ、このうちテキスト部(text)において、通信方向(上り:メインユニット20→各センサユニット10、下り:各センサユニット10→メインユニット20)や、収集要求対象の荷重センサ11のアドレス、データ要求のコマンドが伝送されると共に、各センサユニット10からメインユニット20への返送時には、収集要求対象のアドレスに対応する荷重センサ11の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3と、それに関連づけてRAMに格納された最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tや、これと時間間隔Δt前の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとの温度変化量ΔT、及び、EEPROMに格納された温度変化量補正用係数aとの各値等が、追加して伝送される。
【0071】
また、STXに続くテキスト部の冒頭の1ビットは、各センサユニット10とメインユニット20とのバスライン40を介したデータの授受においては使用されず、ブランクとなる。
【0072】
前記メインユニット20は、前記各センサユニット10の電源回路Pに電源を供給する電源供給回路PS、各センサユニット10から収集される信号等を基に車両の積載重量を算出するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)21、先に説明したアイドリングタイムtや、各センサユニット10のレイアウトに応じた重み付け係数が格納される不揮発性メモリNVM、マイコン21をバスライン40に接続するI/F23、算出された積載重量等を表示するディスプレイ25、外部接続ユニット30との無線によるデータ通信を可能とするための無線I/F26等を有している。
【0073】
前記マイコン21は、CPU、RAM、ROMを有しており、このうちCPUには、RAM、ROM、及び、不揮発性メモリNVMの他、不図示の走行センサ及びイグニッションスイッチが接続されている。
【0074】
尚、メインユニット20と外部接続ユニット30との無線によるデータの授受には、各センサユニット10とメインユニット20とのバスライン40を介したデータの授受に用いられるのと同じ図8のフレームが用いられる。
【0075】
具体的には、図8のフレームのうちテキスト部(text)において、通信方向(上り:外部接続ユニット30→メインユニット20、下り:メインユニット20→外部接続ユニット30)や、収集要求対象の荷重センサ11のアドレス、データ要求のコマンドが伝送されると共に、メインユニット20から外部接続ユニット30への返送時には、収集要求対象のアドレスに対応する荷重センサ11の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3と、それに関連づけてRAMに格納された最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tや、これと時間間隔Δt前の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量Tとの温度変化量ΔT、及び、EEPROMに格納された温度変化量補正用係数aとの各値等が、追加して伝送される。
【0076】
また、メインユニット20と外部接続ユニット30との無線によるデータの授受の際には、各センサユニット10とメインユニット20とのバスライン40を介したデータの授受においてはブランクとされた、STXに続くテキスト部の冒頭の1ビットに、外部接続ユニット30からメインユニット20に対する(温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるために用いる)データの収集要求である旨や、温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるために収集要求された、メインユニット20から外部接続ユニット30へのデータの返送である旨を示すための「@」が挿入される。
【0077】
そして、マイコン21は、ROMに格納された制御プログラムにしたがって、図9のフローチャートに示す処理を行う。
【0078】
まず、STXに続くテキスト部の冒頭の1ビットに「@」が挿入された図8のフレームによる収集要求データを、無線I/F26を介して外部接続ユニット30から受信したか否かを確認し(ステップS10)、受信していない場合は(ステップS10でN)、後述するステップS14に進む。
【0079】
一方、外部接続ユニット30からの収集要求データを受信した場合は(ステップS10でY)、受信した収集要求データ中の、図8のフレームにおけるテキスト部の、冒頭の1ビットを「@」からブランクに変えた他は全て内容をコピーしたフレームを生成して、収集要求データとしてバスライン40に送出し(ステップS11)、送出した収集要求データに呼応した、過去複数回分のうち最新の、温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔT、及び、温度変化量補正用係数aをテキスト部に含む返送データが、I/F23を介してバスライン40から受信されるのを待機する(ステップS12)。
【0080】
返送データをバスライン40から受信したならば(ステップS12でY)、受信した返送データ中の、図8のフレームにおけるテキスト部の、冒頭の1ビットをブランクから「@」に変えた他は全て内容をコピーしたフレームを生成して、外部接続ユニット30に対する返送データとして無線I/F26を介して外部接続ユニット30に送信した後(ステップS13)、ステップS10にリターンする。
【0081】
また、ステップS10において外部接続ユニット30からの収集要求データを受信していない場合(N)に進むステップS14では、不図示の走行センサからの走行パルスの入力が停止しているか否かと、イグニッションスイッチがON以外のポジションにあるか否かとによって、車両が停車しているか否かを確認し、停車していない場合は(ステップS14でN)、ステップS10にリターンし、停車している場合は(ステップS14でY)、車両の積載重量の最新値を算出してディスプレイ25の表示を更新する周期(0.5〜1sec)が到来したか否かを確認し(ステップS15)、到来していない場合は(ステップS15でN)、ステップS10にリターンする。
【0082】
一方、車両の積載重量の最新値を算出してディスプレイ25の表示を更新する周期が到来した場合は(ステップS15でY)、図8のフレームにおけるテキスト部の、冒頭の1ビットをブランクとし、テキスト部に通信方向(上り:メインユニット20→各センサユニット10)や、収集要求対象の荷重センサ11のアドレス、データ要求のコマンドを有するフレームを生成して、収集要求データとしてバスライン40に送出し(ステップS16)、送出した収集要求データに呼応した、過去複数回分のうち最新の、温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔT、及び、温度変化量補正用係数aをテキスト部に追加した返送データが、I/F23を介してバスライン40から受信されるのを待機する(ステップS17)。
【0083】
尚、ステップS16の収集要求データのバスライン40への送出と、これに呼応したバスライン40からの返送データの受信とは、図8のフレームにおけるテキスト部の収集要求対象の荷重センサ11のアドレスを、前1軸後2軸の6つの車輪(図示せず)に対応してアクスルシャフト(図示せず)に取り付けられる6つのセンサユニット10,…,10の各荷重センサ11のアドレスに順次入れ替えつつ、全荷重センサ11について行われる。
【0084】
そして、全荷重センサ11についての返送データをバスライン40から受信したならば(ステップS17でY)、受信した返送データのテキスト部中にある、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔT=0でない限り(そのセンサユニット10のEEPROMに格納されているアイドリングタイムtが未経過でない限り)、各センサユニット10毎に、受信した温度変化量ΔTに温度変化量補正用係数aを乗じ、その値に最新の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3を加えることで、荷重センサ11の温度直線補正、周波数−電圧変換、及び、温度変化量補正後の荷重信号F5を、各センサユニット10についてそれぞれ算出する(ステップS18)。
【0085】
そして、算出した各センサユニット10毎の荷重信号F5に、それぞれのセンサユニット10に対応して不揮発性メモリNVMに格納された重み付け係数を乗じて、それらを足し合わせ、その合計から、積載重量=0の場合のオフセット値を差し引いて、重量換算係数を乗じることで、積載重量Wを算出し(ステップS19)、ディスプレイ25の積載重量表示を更新した後(ステップS20)、ステップS10にリターンする。
【0086】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態に係る車両の積載重量算出システムでは、図9のフローチャートにおけるステップS11、ステップS12、ステップS16、及び、ステップS17が、請求項中のデータ収集手段21Aに対応する処理となっていると共に、図9中のステップS11が、請求項中のデータ要求中継手段21Bに対応する処理となっており、また、図9中のステップS12が、請求項中のデータ収集中継手段21Cに対応する処理となっている。
【0087】
前記外部接続ユニット30は、例えば、無線通信機能を有するノート型パソコンからなり、前記メインユニット20を経て前記各センサユニット10から収集される信号等が書き込み、読み出しされる可搬型記憶媒体33(請求項中のデータ保持手段Bに相当)用のスロット32、可搬型記憶媒体33に書き込まれ、その後読み出された各センサユニット10からの収集信号等を基に、先に説明した温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるマイコン31、各種表示を行うディスプレイ34、キーボード35、外部接続ユニット30との無線によるデータ通信を可能とするための無線I/F36、求めた温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aが格納される不揮発性メモリNVM等を有している。
【0088】
前記マイコン31は、CPU、RAM、ROMを有しており、このうちCPUには、RAM、ROM、及び、不揮発性メモリNVM等が接続されている。
【0089】
そして、マイコン31は、ROMに格納された制御プログラムにしたがって、図10のフローチャートに示す処理を行う。
【0090】
まず、無線I/F36を介してメインユニット20との間の無線通信が確立されているものとして、キーボード35の操作等により温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aの設定要求が入力されるのを待機する(ステップS31)。
【0091】
設定要求が入力されたならば(ステップS31でY)、図8のフレームにおけるSTXに続くテキスト部の冒頭の1ビットに「@」を挿入し、他のテキスト部に通信方向(上り:メインユニット20→各センサユニット10)や、収集要求対象の荷重センサ11のアドレス、データ要求のコマンドを有するフレームを生成して、収集要求データとして無線I/F36を介してメインユニット20の無線I/F26に送出して(ステップS32)、送出した収集要求データに呼応した、過去複数回分のうち最新の、温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔT、及び、温度変化量補正用係数aをテキスト部に含む返送データが、無線I/F36を介してメインユニット20から受信されるのを待機する(ステップS33)。
【0092】
メインユニット20からの返送データを受信したならば(ステップS33でY)、受信した返送データ中の、図8のフレームにおけるテキスト部の、過去複数回分のうち最新の、温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、及び、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔTを、スロット32にセットされている可搬型記憶媒体33に書き込む(ステップS34)。
【0093】
尚、ステップS32の収集要求データのメインユニット20への送出と、これに呼応したメインユニット20からの返送データの受信とは、図8のフレームにおけるテキスト部の収集要求対象の荷重センサ11のアドレスを、前1軸後2軸の6つの車輪(図示せず)に対応してアクスルシャフト(図示せず)に取り付けられる6つのセンサユニット10,…,10の各荷重センサ11のアドレスに順次入れ替えつつ、全荷重センサ11について行われる。
【0094】
そして、全荷重センサ11についての返送データをメインユニット20から受信して可搬型記憶媒体33に書き込んだならば、可搬型記憶媒体33に書き込まれた荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、及び、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔTが、温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるのに必要なサンプル数に達したか否かを、収集した荷重信号Fの温度パターン数(温度直線補正用係数mの設定要求の場合)や、ステップS31の設定の入力からの経過時間(温度変化量補正用係数aの設定要求の場合;例えば3〜10時間)等によって確認し(ステップS35)、必要なサンプル数に達していない場合は(ステップS35でN)、次の収集要求データの出力周期(例えば1分)が到来したか否かを確認する(ステップS36)。
【0095】
次の収集要求データの出力周期が到来していない場合は(ステップS36でN)、ステップS36をリピートし、到来した場合は(ステップS36でY)、ステップS32にリターンする。
【0096】
一方、ステップS35において、必要なサンプル数に達した場合(Y)は、可搬型記憶媒体33に書き込まれている荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、及び、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔTを読み出し、これらを用いて、冒頭で説明した方法により温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求め(ステップS37)、求めた温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを用いて荷重信号Fや荷重信号F3の補正を行う対象の荷重センサ11に対応付けて、不揮発性メモリNVMに格納した後(ステップS38)、ステップS31にリターンする。
【0097】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態に係る車両の積載重量算出システムでは、図10のフローチャートにおけるステップS32が、請求項中のデータ要求手段31Aに対応する処理となっていると共に、図10中のステップS33及びステップS34が、請求項中のデータ格納手段Aに対応する処理となっている。
【0098】
上述のように構成された本実施形態の車両の積載重量算出システムにおいては、メインユニット20に外部接続ユニット30を無線により接続して、外部接続ユニット30のキーボード35の操作等により温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aの設定要求を入力すると、積載重量算出のためのデータ収集の際にメインユニット20から各センサユニット10に伝送されるのと同じ、通信方向(上り:メインユニット20→各センサユニット10)や、収集要求対象の荷重センサ11のアドレス、データ要求のコマンドをテキスト部に有する図8のフレームが、テキスト部の冒頭に「@」を挿入した内容で、収集要求データとして、外部接続ユニット30からメインユニット20に無線で送信される。
【0099】
すると、これを受信したメインユニット20において、受信した収集要求データ中の冒頭の1ビットを除く他のビット部分の内容を、図8のフレームにおけるテキスト部にコピーしたフレームが生成されて、積載重量算出のためのデータ収集の際と同じくメインユニット20から各センサユニット10に順次伝送され、これに呼応して各センサユニット10から伝送された返送データ中の冒頭の1ビットを除く他のビット部分の内容を、図8のフレームにおけるテキスト部にコピーし、テキスト部の冒頭に「@」を挿入したフレームが生成されて、返送データとして、メインユニット20から外部接続ユニット30に無線で送信される。
【0100】
メインユニット20からの返送データを受信した外部接続ユニット30では、そのフレームのテキスト部にある、各荷重センサ11の温度直線補正後の周波数−電圧変換された荷重信号F3、最新の温度センサ13aの温度信号によって示される温度の基準温度からの温度変化量T、及び、最新の温度センサ13aの温度信号の温度変化量ΔTの各値が、可搬型記憶媒体33に書き込まれる。
【0101】
尚、この時点では温度直線補正用係数mの値がデフォルトの「1」であることから、各センサユニット10からメインユニット20を経て外部接続ユニット30に返送されて、可搬型記憶媒体33に書き込まれるデータ中の荷重信号F3の値は、各荷重センサ11の荷重信号Fをそのまま周波数−電圧変換した値となる。
【0102】
この、外部接続ユニット30からメインユニット20への収集要求データの無線による送信から、メインユニット20から受信した返送データ中の荷重信号F3、温度変化量T、及び、温度変化量ΔTの各値の可搬型記憶媒体33への書き込みまでの一連のデータ収集動作は、可搬型記憶媒体33に書き込まれた各値が温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるのに必要なサンプル数に達するまで、例えば1分毎に行われ、かつ、メインユニット20と各センサユニット10との間における、積載重量算出のためのデータ収集とは別個に独立して行われる。
【0103】
そして、可搬型記憶媒体33に書き込まれた温度直線補正用係数mされていない荷重信号F3、温度変化量T、及び、温度変化量ΔTの各値が温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるのに必要なサンプル数に達すると、そのサンプル数の荷重信号F3、温度変化量T、及び、温度変化量ΔTの各値を用いて、各荷重センサ11毎の温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aが外部接続ユニット30においてそれぞれ求められる。
【0104】
求められた各荷重センサ11毎の温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aは、μCOM17に接続した不図示の設定器によって各センサユニット10のEEPROMに各荷重センサ11毎に格納され、以後、これら温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを用いて、メインユニット20における車両の積載重量の算出、表示が行われる。
【0105】
尚、μCOM17に接続した不図示の設定器に代えて、外部接続ユニット30からメインユニット20を介して各センサユニット10に、求められた各荷重センサ11毎の温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを伝送して、人的操作を伴わずに各センサユニット10のEEPROMに、各荷重センサ11毎の温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aが格納されるようにしてもよい。
【0106】
このように本実施形態の車両の積載重量算出システムによれば、各荷重センサ11毎の温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを外部接続ユニット30において求めるために必要となるデータを、積載重量の算出のためにメインユニット20と各センサユニット10との間のデータ伝送に使用しているフレームを基本的に用いて要求、収集するようにしたので、積載重量の算出のためにメインユニット20とセンサユニット10との間で行われているデータの授受の枠組みをそのまま利用して、荷重センサ11の取付箇所の温度に応じた荷重信号Fの補正値(温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数a)を決定するのに用いる荷重信号Fや温度センサ13aの出力に関するデータを、効率よく要求、収集することができる。
【0107】
尚、上述した温度変化量補正用係数aは、本実施形態で説明した内容のものに限らず、例えば、次のような内容のものに変えてもよい。
【0108】
即ち、μCOM17のCPUが、車両の停止時に荷物の積み卸しのない状態で、アクスルシャフトに取り付けた荷重センサ11から実際に周期的に(例えば0.25〜0.5sec毎に)サンプリングした荷重信号FをカスタムIC13で温度直線補正後の荷重信号F1とし、V/F変換回路15で周波数−電圧変換した後の荷重信号F3の、一定時間経過前後の2回のサンプリング値の差、つまり荷重信号変化量ΔFと、μCOM17のCPUが周期的に(例えば0.25〜0.5sec毎に)サンプリングするカスタムIC13の温度センサ13aの出力のうち、荷重信号変化量ΔFを求めるのに用いた一定時間経過前後の2つの荷重信号Fと同じタイミングでサンプリングされた前後2回のサンプリング値の差、つまり温度変化量ΔTとが、比例関係を有する条件を満たした時の、両者の比ΔF/ΔTを示す係数を、温度変化量補正用係数aとして用いることもできる。
【0109】
ここで、上述した荷重信号変化量ΔFと温度変化量ΔTとが比例関係を有する条件をどのようにして定めるかについて説明する。
【0110】
まず、図3のグラフを用いて先に説明したように、荷重センサ11(センサユニット10)が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変化に対して荷重信号Fの周波数の変化は、比例関係を持たない。
【0111】
尚、先に説明した温度直線補正係数mを用いて荷重信号Fの周波数に施される温度ドリフトのキャンセルのための補正量は、上述した式からも明らかなように、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の基準温度からの温度変化量に対して比例関係を有しているので、荷重信号Fの周波数に温度直線補正係数mによる温度ドリフトのキャンセルのための補正を施して温度直線補正後の荷重信号F1としても、その周波数の変動量が、荷重信号Fの周波数の変動量と同様に、荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度変化量に対して比例関係を持たないことには変わりがない。
【0112】
ところが、荷重センサ11の荷重信号Fの周波数の変動量や荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変化量を求める時間間隔を色々と変えてみると、荷重信号Fに上述した温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1の周波数の変化量、つまり周波数変化量ΔHzと、温度センサ13aの温度信号によって表される荷重センサ11が取り付けられたアクスルシャフト箇所の温度の変化量、つまり温度変化量ΔTとが、図11のグラフに示すように、比例関係を有すると見て良い許容範囲内に収まる時間間隔Δt(請求項中の一定時間に相当)が存在する。
【0113】
そこで、図11に示す、温度変化量ΔTと比例関係を有すると見て良い温度直線補正後の荷重信号F1の、その時間間隔Δtの前後(請求項中の一定時間経過前後に相当)のサンプリング値間での周波数変化量ΔHzを、実際にはV/F変換回路15による周波数−電圧変換後の荷重信号F3の、時間間隔Δtの前後における変化量ΔFとして求め、これと、荷重センサ11の荷重信号F1と同じタイミングでサンプリングされた時間間隔Δtの前後における温度センサ13aの温度信号変化量である温度変化量ΔTとの関係から、比例関係を有すると見て良い許容範囲内にある両者の比ΔF/ΔTを、温度変化量補正用係数aとして求める。
【0114】
尚、この場合にも、温度変化量補正用係数aを求める際に用いる時間間隔Δtは、μCOM17のCPUが荷重センサ11から荷重信号Fをサンプリングする周期や、これと等しい、カスタムIC13の温度センサ13aから温度信号をサンプリングする周期(例えばいずれも0.25〜0.5sec毎)とか、それらの値を用いて算出した車両の積載重量の表示を後述するメインユニット20において更新する周期(例えばいずれも0.5〜1sec毎)に比べて、相当に長い時間となる(例えば数分単位)。
【0115】
そして、温度変化量補正用係数aを用いた温度変化量補正後(及び温度直線補正後)の荷重信号F5(但し、周波数−電圧変換後)は、次式、
F5=F3+a×ΔT
によって求められる。
【0116】
ちなみに、図11に周波数変化量ΔHzと温度変化量ΔTとの関係を示した時間間隔Δt以外の時間間隔では、図11には示していないが、周波数変化量ΔHzと温度変化量ΔTとの関係は拡散してしまって、周波数変化量ΔHz乃至荷重信号変化量ΔFと温度変化量ΔTとの関係は、比例関係を有すると見て良い許容範囲内にはおよそ収まらない。
【0117】
尚、車両の停車後積載重量を変えずに、荷重センサ11の荷重信号Fと温度センサ13aの温度信号とを周期的にサンプリングし、温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1を一旦求め、さらに、その周波数−電圧変換後の荷重信号F3に、比例関係を有する荷重信号変化量ΔFと温度変化量ΔTとの比ΔF/ΔTを示す係数で示される温度変化量補正用係数aによる温度変化量補正を施した再補正後の荷重信号F5を求めたところ、次のような結果が得られた。
【0118】
即ち、車両の停車時点をゼロとしてそれぞれの時間変動を表した図12のグラフに示すように、荷重センサ11の荷重信号Fの周波数−電圧変換後の値によって算出した車両の積載重量W1は、車両の停車後40分経過した辺りで上限を迎え、その後緩やかに下降を辿るが、停車後2時間を経過してもまだ安定しない。
【0119】
これに対して、温度直線補正後の荷重信号F1を周波数−電圧変換した後の荷重信号F3によって算出した車両の積載重量W3は、車両の停車後30分経過した辺りでほぼ飽和し安定するが、さらにその荷重信号F3に温度変化量補正を施した再補正後の荷重信号F5によって算出した車両の積載重量W5は、車両の停車後15分経過した辺りで既にほぼ飽和し安定する。
【0120】
したがって、温度直線補正係数mによる温度直線補正を施した補正後の荷重信号F1の周波数−電圧変換後の荷重信号F3に、温度変化量補正用係数aによる温度変化量補正を加えて行うことで、荷重センサ11の周辺温度の変化に対する荷重信号Fの変動の追従性を改善するための補正が行われることが分かる。
【0121】
温度変化量補正用係数aの内容を上記のように変えた場合にも、各センサユニット10、メインユニット20、及び、外部接続ユニット30においてそれぞれ行われる制御、動作には、基本的に変更はない。
【0122】
また、本実施形態では、温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求める外部接続ユニット30を、メインユニット20から分離して無線によって接続されるものとしたが、外部接続ユニット30の機能をメインユニット20に内蔵させて車両に据付けとする構成にしてもよい。
【0123】
しかし、本実施形態のように外部接続ユニット30をメインユニット20から分離する構成とすれば、温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるためにのみ必要な構成を車両から分離させて、ある車両の各荷重センサ11についての温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求め終わって不要となった後に、他の車両のメインユニット20と無線で接続して、その車両の各荷重センサ11についての温度直線補正用係数mや温度変化量補正用係数aを求めるのに外部接続ユニット30を利用することができるので、有利である。
【0124】
さらに、外部接続ユニット30をメインユニット20から分離する場合、両者の接続は、本実施形態のように無線によって行ってもよく、シリアル等の有線接続によって行ってもよい。
【0125】
また、メインユニット20側においても可搬型記憶媒体33に対するデータの書き込み、読み出しを行えるように構成して、各センサユニット10からの返送データを、テキスト部の冒頭に「@」を挿入したフレームを用いて外部接続ユニット30に無線で送信せず、メインユニット20において可搬型記憶媒体33に書き込むようにしてもよく、その場合、請求項中のデータ格納手段Aは、メインユニット20側にも設けられることになる。
【0126】
このように構成すると、積載重量算出時にも必要なデータ収集に関する動作はメインユニット20の既存の構成を利用し、新たに加わる補正値決定に関する動作を別ユニット30において行うようにして、メインユニット20及び別ユニット30の双方の処理上の負担を、それぞれ軽減することができるので、有利である。
【0127】
さらに、本実施形態では、車両の荷重に応じた周波数の荷重信号Fを出力する荷重センサ11を用いる場合について説明したが、例えば特開2000−28423号公報のように、荷重の変化に伴う自身のインピーダンス(インダクタンス+損失抵抗)変化によって荷重に応じた出力を得るセンサを用いる場合等、荷重の変化に応じた周波数以外の物理量の変化によって荷重に応じた出力を得る荷重センサを用いる場合にも、本発明は適用可能である。
【0128】
その場合、EEPROMに格納される温度変化量補正用係数aは、温度変化量ΔTを求めるのに用いた一定時間経過前後の温度センサ13aの出力のうち、一定時間経過後の出力と同じタイミングでその荷重センサからサンプリングされた出力、つまり、荷重に応じた物理量に対応する電圧値に対して、温度直線補正用係数mによる温度直線補正を行った補正後の電圧値と、温度変化量ΔTとが、比例関係を有する条件を満たした時の、両者の比を示す係数や、温度変化量ΔTを求めるのに用いた一定時間経過前後の温度センサ13aの出力と同じタイミングでその荷重センサからサンプリングされた、一定時間経過前後の2回のサンプリング値、つまり、それぞれのサンプリングタイミングにおける荷重に応じた物理量に対応する電圧値に対して、温度直線補正用係数mによる温度直線補正をそれぞれ行った、補正後の2つの電圧値の差と、温度変化量ΔTとが、比例関係を有する条件を満たした時の、両者の比を示す係数となる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明に係る車両の積載重量算出システムの基本構成図である。
【図2】本発明を適用した本発明の一実施形態に係る車両の積載重量算出システムの概略構成を示す説明図である。
【図3】車両の停車時点をゼロとして図2の荷重センサの周辺温度や荷重信号の周波数の時間変化を表したグラフである。
【図4】図2の荷重センサの周辺温度の変化量と、荷重センサの荷重信号の周波数及び荷重センサの荷重信号に温度直線補正を施した補正後の荷重信号の周波数との関係を、任意のサンプリング周期についてそれぞれ示すグラフである。
【図5】図2の荷重センサの周辺温度の変化量と、荷重センサの荷重信号に温度直線補正を施した補正後の荷重信号の周波数との関係を、異なる3つのサンプリング周期についてそれぞれ示すグラフである。
【図6】図2の荷重センサからの荷重信号に温度直線補正を加えた荷重信号と、これにさらに温度変化量補正を加えた荷重信号との、周波数−電圧変換後の値によって算出した車両の積載重量の時間変動を示し、特に、温度直線補正及び温度変化量補正を加えた荷重信号の周波数−電圧変換後の値によって算出した車両の積載重量の時間変動については、図5に示す3つのサンプリング周期について示すグラフである。
【図7】図2のセンサユニットのワンチップマイクロコンピュータが内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】図2の各センサユニットとメインユニットとの間の無線通信に用いられるフレームの説明図である。
【図9】図2のメインユニットのマイクロコンピュータがROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理を示すフローチャートである。
【図10】図2の外部接続ユニットのマイクロコンピュータがROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】図2の荷重センサの荷重信号に温度直線補正を施した補正後の荷重信号の周波数の変化量と荷重センサの周辺温度の変化量との関係を特定のサンプリング周期について示すグラフである。
【図12】図2の荷重センサからの荷重信号と、これに温度直線補正を加えた荷重信号と、これにさらに温度変化量補正を加えた荷重信号との、周波数−電圧変換後の値によって算出した車両の積載重量の時間変動を示すグラフである。
【符号の説明】
【0130】
10 センサユニット
11 荷重センサ
13a 温度センサ
20 メインユニット
21A データ収集手段
21B データ要求中継手段
21C データ収集中継手段
30 別ユニット
31A データ要求手段
32 可搬性記憶媒体
A データ格納手段
B データ保持手段
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
【出願日】 平成18年9月7日(2006.9.7)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄

【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男

【識別番号】100075421
【弁理士】
【氏名又は名称】垣内 勇


【公開番号】 特開2008−64593(P2008−64593A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242545(P2006−242545)