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【発明の名称】 高圧下における液体酸素液面計
【発明者】 【氏名】中内 正彦

【氏名】宮崎 佳樹

【氏名】岩松 勝

【氏名】古澤 孝之

【要約】 【課題】高圧下における液体酸素の液位を精確に検出できる高圧下における液体酸素液面計を提供する。

【解決手段】高圧下における液体酸素液面計において、高圧下で不純物としての液体酸素が存在する不純物分離タンク11の近傍に配置される検出コイル12Aと外部磁場を付与する磁石12Bを備えた液体酸素の液面を検知する検出装置12を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧下で不純物としての液体酸素が存在する不純物分離タンクの近傍に配置される検出コイルと外部磁場を付与する磁石を備えた液体酸素の液面を検知する検出装置を具備することを特徴とする高圧下における液体酸素液面計。
【請求項2】
請求項1記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記検出コイルを前記不純物分離タンクの外周に配置し、前記外部磁場を付与する磁石を前記不純物分離タンクの底部に配置することを特徴とする高圧下における液体酸素液面計。
【請求項3】
請求項1記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記不純物分離タンクの下部から上部に延びる枝管を設け、前記検出コイル及び前記外部磁場を付与する磁石を前記枝管に配置するようにしたことを特徴とする高圧下における液体酸素液面計。
【請求項4】
請求項1記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記不純物分離タンクのレベルに応じて水平方向に延びる複数の枝管を設け、前記検出コイル及び前記外部磁場を付与する磁石を前記複数の枝管に配置するようにしたことを特徴とする高圧下における液体酸素液面計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧下における液体酸素液面計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘリウム液化システムにおいては、図5に示すようなサイクルでヘリウムを液化している。蒸発したヘリウムガスを回収圧縮機107で圧縮し、乾燥機101で圧縮ガス中の水分を除去する。水分を除去した圧縮ガスは精製機102に送られ、含まれる不純ガス(主に空気)を除去する。ヘリウムを液化しないで貯蔵する場合にはバッファタンク104に貯めておき、液化する場合には、バッファタンクにヘリウムガスを液化用圧縮機103で圧縮し、ヘリウム冷凍機105で液化する。このとき精製機102で精製作業をしながら液化作業をしてもよい。生成された液体ヘリウムは液体ヘリウム貯槽106に貯められる。ここで蒸発したヘリウムガスと上記回収圧縮機へと導かれ、循環使用される。
【0003】
上記精製機102の内部は、図6のような構成となっている。乾燥機から導入された乾燥ヘリウムガスは、不純物分離タンク201にて周囲に貯められた液体窒素202により冷却されて、不純物(主に空気)が除去される。除去しきれなかった不純物は低温吸着機203にて除去され、精製ヘリウムガスとなり後工程ヘと送られる。
【0004】
なお、本願出願人は、低温容器内の配管のガス漏れ箇所を正確に、しかも迅速に測定することができる低温容器内の配管のガス漏れ箇所検査システムを既に出願している(下記特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−064601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記精製機において、現状どれだけの不純物が分離・吸着されているかわからないため、吸着能力がオーバーフローする前に予防保全として一定時間毎に系全体を停止し、再生作業を実施している。再生作業とは、精製機内部に溜まっている液体窒素を全て放出のうえ、吸着機のベーキングと真空排気を実施することで、系内の清浄性を回復することである。よって、再生作業にともない、不純物のみならず、系内に溜まった大量のヘリウムガスも同時に放出されるたとになるとともに、系を止めることによる時間的ロスも発生することになる。
【0006】
このように、精製機内部のような高圧になる箇所で、その内部に溜まった不純物の量を検知できれば適切な間隔で再生作業を実施することができ、ガスのロス、時間ロスを最小限とすることができるが、その検出を信頼性をもって行える手段がないのが現状である。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みて、高圧下における液体酸素の液位を精確に検出できる高圧下における液体酸素液面計を提供することを目的とする。
【0008】
これは、本システムの不純物が空気であり、液体酸素の量がわかれば液体窒素も推計できることになり、常磁性をもち、検出が容易な液体酸素を検出の対象としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕高圧下における液体酸素液面計において、高圧下で不純物としての液体酸素が存在する不純物分離タンクの近傍に配置される検出コイルと外部磁場を付与する磁石を備えた液体酸素の液面を検知する検出装置を具備することを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記検出コイルを前記不純物分離タンクの外周に配置し、前記外部磁場を付与する磁石を前記不純物分離タンクの底部に配置することを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記不純物分離タンクの下部から上部に延びる枝管を設け、前記検出コイル及び前記外部磁場を付与する磁石を前記枝管に配置するようにしたことを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔1〕記載の高圧下における液体酸素液面計において、前記不純物分離タンクのレベルに応じて水平方向に延びる複数の枝管を設け、前記検出コイル及び前記外部磁場を付与する磁石を前記複数の枝管に配置するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高圧下でも安全かつ、高信頼に、液体酸素の液量のみを選択的に検知することができるため、再生作業を最適なタイミングで実施することができ、系の停止によるロスを抑えることが可能である。
【0014】
また、高圧下における液体酸素の液面を精確に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の高圧下における液体酸素液面計は、高圧下で不純物としての液体酸素が存在する不純物分離タンクの近傍に配置される検出コイルと外部磁場を付与する磁石を備えた液体酸素の液面を検知する検出装置を具備する。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の液体酸素の検知装置の原理図である。
【0018】
この図において、1は液体酸素2が流れる非磁性配管、例えば、テフロン(登録商標)、銅、ステンレススチールSUSなど、3はその非磁性配管1の外周に配置されるコイル4を有する電磁石(ソレノイド)、5は電磁石3に接続される電源、6はその電磁石3のコイル4に接続される自己インダクタンスの測定器である。
【0019】
このように、液体酸素2を電磁石(ソレノイド)3中に通過させる。
【0020】
そこで、電磁石(ソレノイド)3内に何もない、つまり、液体酸素2が流れない場合の自己インダクタンスL0 は次式のように表現される。
【0021】
0 =K×μ0 πa2 (N2 /l)
ここで、K:長岡係数、a:ソレノイドの半径、N:巻数、l:コイル長である。
【0022】
そして、透磁率μは、以下の式で書き表される。
【0023】
μ=μ0 (1+X)
ここで、Xは磁化率である。液体酸素のXは、3.46×10-3 である。
【0024】
ここで、液体酸素2が流路断面積S1で流れており、電磁石(ソレノイド)3の断面積をS2と仮定する。その場合の自己インダクタンスLは次のように表現できる。
【0025】
L={1+(S1/S2)X}L0
液体酸素2の量によって電磁石(ソレノイド)3の断面積S2が異なり、それに伴って自己インダクタンスLが変化する。それ以外の量は既知であることから、自己インダクタンスLを測定することにより、液体酸素2の流量が把握できる。
【0026】
図2は本発明の第1実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【0027】
この図において、11は不純物としての液体酸素が存在する不純物分離タンク、12はその不純物分離タンク11の外周及び底部に配置される液体酸素の液面の検出装置であり、この液体酸素の液面の検出装置12は、不純物分離タンク11の外周に配置される液体酸素の検出コイル12Aおよび不純物分離タンク11の底部に配置される外部磁場を付与する磁石(永久磁石又は電磁石)12Bとからなる。
【0028】
このように、液体酸素の検出コイル12Aを不純物分離タンク11の外周に、外部磁場を付与する磁石(永久磁石又は電磁石)12Bを不純物分離タンク11の底部に配置し、自己インダクタンスの変化を液体酸素の検出コイル12Aで検出することにより、不純物分離タンク11内の液体酸素の液面を検出することができる。
【0029】
図3は本発明の第2実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【0030】
上記第1実施例では、不純物分離タンクの径が大きい場合には、液体酸素の検出コイルの径も大きくなり、その分大型化してコストも上昇することになる。そこで、この実施例では、不純物分離タンク21にはその不純物分離タンク21の下部から上部へと延びる枝管22を配置して、その不純物分離タンク21の下部から上部へと延びる枝管22の所定位置に液体酸素の検出コイル23Aと磁石23Bからなる液体酸素の液面の検出装置23を配置するようにしている。
【0031】
このように、液体酸素の検出コイル23Aと外部磁場を付与する磁石23Bを有する液体酸素の液面の検出装置23を不純物分離タンク21の下部から上部へと延びる枝管22に配置するようにしたので、自己インダクタンスの変化を液体酸素の検出コイル23Aで検出することにより、不純物分離タンク21内の液体酸素の液面を検出することができる。
【0032】
図4は本発明の第3実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【0033】
この実施例では、不純物分離タンク31にはその不純物分離タンク31のレベルに応じて、水平方向に突出する枝管32,33,34を配置し、それらの枝管32,33,34にそれぞれ液体酸素を検出する検出コイルと外部磁場を付与する磁石を備える液体酸素の液面の検出装置35,36,37を配置するように構成する。
【0034】
このように、液体酸素の検出コイルと外部磁場を付与する磁石を有する液体酸素の液面の検出装置35,36,37を不純物分離タンク31のレベルに応じて水平方向に突出する枝管32,33,34に配置するようにしたので、自己インダクタンスの変化を液体酸素の検出コイルで検出することにより、不純物分離タンク31内の液体酸素の液面を検出することができる。
【0035】
上記したように、不純物分離タンクそのもの、あるいは検知のために取り付けた枝管に検出コイルを取り付け、磁場をかけておく。常磁性体である液体酸素が溜まると、コイルのインダクタンスが変わるため、それを検知できる装置を組み合わせることにより、その地点まで液体酸素の液面が来ていることを判別できる。
【0036】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の高圧下における液体酸素液面計は、タンクの内部に溜まった液体酸素の液位を精確に検知する液体酸素液面計として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の液体酸素の検知装置の原理図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す高圧下における液体酸素液面計を示す模式図である。
【図5】従来のヘリウム液化システムにおけるヘリウムを液化するサイクルを示す図である。
【図6】従来のヘリウム液化システムにおける精製機の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 非磁性配管
2 液体酸素
3 電磁石(ソレノイド)
4 コイル
5 電源
6 自己インダクタンスの測定器
11,21,31 不純物分離タンク
12,23,35,36,37 液体酸素の液面の検出装置
12A,23A 液体酸素の検出コイル
12B,23B 外部磁場を付与する磁石(永久磁石又は電磁石)
22 不純物分離タンクの下部から上部へと延びる枝管
32,33,34 不純物分離タンクのレベルに応じて、水平方向に突出する枝管
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【出願日】 平成19年2月13日(2007.2.13)
【代理人】 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守

【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠


【公開番号】 特開2008−196942(P2008−196942A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−31792(P2007−31792)