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【発明の名称】 変換器
【発明者】 【氏名】中村 宗和

【要約】 【課題】高温環境下において、端子台本体と端子間の一定値以上の絶縁抵抗値を保持し、流量計としての性能を維持させることができる耐圧防爆型変換器を提供する。

【解決手段】変換器は、筒状の側壁と該側壁の中央部分に設けられた隔壁とを有し、前記隔壁に取付けられている端子台本体を備える端子室とアンプ室とを構成するケースであり、前記端子台本体が取付けられる前記隔壁の位置であって、前記アンプ室に至るまで開口された端子貫通孔に、前記端子台本体に装着されている端子と電気的に接続されて組付けられている導電板を貫通させ、その前記端子貫通孔に貫通させた導電板に対して、エポキシ樹脂を充填させて耐圧防爆型隔壁を形成する変換器であって、前記エポキシ樹脂を充填する際の導電板に対して、前記端子台本体を形成する部材を、エポキシ樹脂を充填する位置まで延長させて、前記導電板を覆うようにしたことである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の側壁と該側壁の中央部分に設けられた隔壁とを有し、前記隔壁に取付けられている端子台本体を備える端子室とアンプ室とを構成するケースであり、
前記端子台本体が取付けられる前記隔壁の位置であって、前記アンプ室に至るまで開口された端子貫通孔に、前記端子台本体に装着されている端子と電気的に接続されて組付けられている導電板を貫通させ、その前記端子貫通孔に貫通させた導電板に対して、第1樹脂を充填させて耐圧防爆型隔壁を形成する変換器であって、
前記第1樹脂を充填する際の導電板に対して、前記端子台本体を形成する部材を、前記第1樹脂を充填する位置まで延長させて、前記導電板を覆うようにしたことを特徴とする変換器。
【請求項2】
前記端子台本体を形成する部材はプラスチック部材であり、前記第1樹脂はエポキシ樹脂である請求項1に記載の変換器。
【請求項3】
前記端子台本体を形成する部材で前記導電板を覆った端部に第2樹脂を充填させたことを特徴とする請求項1に記載の変換器。
【請求項4】
前記第2樹脂は、シリコーンである請求項3に記載の変換器
【請求項5】
筒状の側壁と該側壁の中央部分に設けられた隔壁とを有し、前記隔壁に取付けられている端子台本体を備える端子室とアンプ室とを構成するケースであり、
前記端子台本体が取付けられる前記隔壁の位置であって、前記アンプ室に至るまで開口された端子貫通孔に、前記端子台本体に装着されている端子と電気的に接続されて組付けられている導電板を貫通させ、その前記端子貫通孔に貫通させた導電板に対して、第1樹脂を充填させて耐圧防爆型隔壁を形成する変換器であって、
前記第1樹脂を充填する位置の導電板に対して第3樹脂でコーティングしたことを特徴とする変換器。
【請求項6】
前記第1樹脂はエポキシ樹脂であり、前記第3樹脂はシリコーンである請求項5に記載の変換器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば流量計の変換器に関し、詳しくは、防爆型変換器の端子台接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における防爆型流量計変換器端子台接続部において、その変換器ケース10は、図9〜図12に示すように、筒状の側壁11とこの側壁11の中央部分に設けられた隔壁12とを有し、この隔壁12に取付けられている端子台本体13を備える端子室14とアンプ室15とを構成する。
【0003】
アンプ室15は、螺合係合するアンプ蓋16によって空間が遮蔽され、その遮蔽された空間内部にアンプを形成するプリント板17が配設され、隔壁12には端子室14から導通されている導電板に接続する接続板18を配設した構成になっている。
【0004】
端子室14は、螺合係合する端子蓋19によって空間が遮蔽され、その遮蔽された中央位置であって隔壁12に直線状に複数の端子21を装着した端子台本体13を備えた構成になっている。
【0005】
この端子台本体13が取付けられる隔壁12の位置であって、アンプ室15に至るまで開口された端子貫通孔22を設けた構成になっている。
【0006】
端子台本体13は、プラスチック部材で形成され、装着されている複数の端子21のそれぞれに電気的に接続されて組み付けられている導電板23を備えた構成になっている。
このような端子台本体13は、隔壁12に設けた端子貫通孔22に被せるようにしてガスケット24を介在して取り付けられ、端子貫通孔22に導電板23を貫通させる。そして、隔壁12の端子貫通孔22の端部と端子台本体13の間にはシリコーン25が充填されて気密構造を保持している。
この端子貫通孔22には導電板23を貫通させた状態でエポキシ樹脂26を充填させることにより隔壁12の耐圧防爆に耐える構造としている。
【0007】
以上のような構成における防爆型流量計変換器端子台接続部において、以下に示す3つの機能を有している。
(1)流量計の入出力端子
流量計の入出力用端子台として機能するために、端子台端子間(端子21と導電板23)において一定値以上の絶縁抵抗値を保持している。
(2)防爆隔壁
隔壁12の端子貫通孔22に充填したエポキシ樹脂26により耐圧防爆隔壁を実現している。
(3)気密隔壁
気密構造を保つために端子台本体13と隔壁12の間にガスケット24、端子台本体13と導電板23の間にはシリコーン25が充填されている。
【特許文献1】特開2004−251758号公報(第4頁乃至6頁 第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術で説明した端子台接続部において、エポキシ樹脂と端子台の導電板が直接接触した構造となっている。
そのため、エポキシ樹脂には吸湿性があり、高温環境下において空気中の水分をエポキシ樹脂が吸収し絶縁抵抗が劣化する。その結果、端子台本体の各端子間の絶縁抵抗が一定値以上を保持できなくなり流量計としての性能が維持できなくなるという問題がある。
【0009】
従って、高温環境下において、流量計の性能、防爆耐圧隔壁、気密性の3つの機能を保持する流量計変換器端子台接続部を実現することに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本願発明の変換器は、次に示す構成にしたことである。
【0011】
(1)変換器は、筒状の側壁と該側壁の中央部分に設けられた隔壁とを有し、前記隔壁に取付けられている端子台本体を備える端子室とアンプ室とを構成するケースであり、前記端子台本体が取付けられる前記隔壁の位置であって、前記アンプ室に至るまで開口された端子貫通孔に、前記端子台本体に装着されている端子と電気的に接続されて組付けられている導電板を貫通させ、その前記端子貫通孔に貫通させた導電板に対して、第1樹脂を充填させて耐圧防爆型隔壁を形成する変換器であって、前記第1樹脂を充填する際の導電板に対して、前記端子台本体を形成する部材を、前記第1樹脂を充填する位置まで延長させて、前記導電板を覆うようにしたことである。
(2)前記端子台本体を形成する部材はプラスチック部材であり、前記第1樹脂はエポキシ樹脂である(1)に記載の変換器。
(3)前記端子台本体を形成する部材で前記導電板を覆った端部に第2樹脂を充填させたことを特徴とする(1)に記載の変換器。
(4)前記第2樹脂は、シリコーンである(3)に記載の変換器
【0012】
(5)変換器は、筒状の側壁と該側壁の中央部分に設けられた隔壁とを有し、前記隔壁に取付けられている端子台本体を備える端子室とアンプ室とを構成するケースであり、前記端子台本体が取付けられる前記隔壁の位置であって、前記アンプ室に至るまで開口された端子貫通孔に、前記端子台本体に装着されている端子と電気的に接続されて組付けられている導電板を貫通させ、その前記端子貫通孔に貫通させた導電板に対して、第1樹脂を充填させて耐圧防爆型隔壁を形成する変換器であって、前記第1樹脂を充填する位置の導電板に対して第3樹脂でコーティングしたことである。
(6)前記第1樹脂はエポキシ樹脂であり、前記第3樹脂はシリコーンである(5)に記載の変換器。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、端子台本体に取り付けられている導電板とエポキシ樹脂(第1樹脂)を直接接触させないようにすることにより、高温環境下においてエポキシ樹脂の吸湿性の影響を排除することができるため、端子台本体と端子間の一定値以上の絶縁抵抗値を保持し、流量計としての性能を維持させることができる。
【0014】
又、導電板を覆うプラスチック部材の先端にシリコーン(第2樹脂)を充填させることにより、端子台本体の単体としての気密性を維持させることができると共に、端部にシリコーンを充填させることで、シリコーンの充填量を必要最小限にすることができる。
【0015】
更に、エポキシ樹脂(第1樹脂)は従来と同じく端子貫通孔に充填させるようにしたことで従来の構造と同様の防爆型隔壁構造を維持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本願発明に係る流量計の変換器の実施例について図面を参照して説明する。尚、従来技術で説明したものと同じものには同一符号を付与して説明する。
【0017】
本願発明の第1実施例の流量計の変換器は、図1〜図4に示すように、防爆型流量計変換器端子台接続部において、その変換器ケース10は、筒状の側壁11とこの側壁11の中央部分に設けられた隔壁12とを有し、この隔壁12に取付けられている端子台本体13を備える端子室14とアンプ室15とを構成する。
【0018】
アンプ室15は、螺合係合するアンプ蓋16によって空間が遮蔽され、その遮蔽された空間内部にアンプを形成するプリント板17が配設され、隔壁12には端子室14から導通されている導電板23に接続する接続板18を配設した構成になっている。
【0019】
端子室14は、螺合係合する端子蓋19によって空間が遮蔽され、その遮蔽された中央位置であって隔壁12に直線状に複数の端子21を装着した端子台本体13を備えた構成になっている。
【0020】
隔壁12の一部には端子室14からアンプ室15に至るまで開口され、導電板23を連通させるための端子貫通孔22を設けた構成になっている。この端子貫通孔22にはエポキシ樹脂(第1樹脂)が充填される構成になっている。
【0021】
端子台本体13は、プラスチック部材で形成され、装着されている複数の端子21のそれぞれに電気的に接続されて組み付けられている導電板23を備えた構成になっている。
この導電板23は、端子台本体13を形成するプラスチック部材を、エポキシ樹脂を充填する位置まで延長させた導通管27により覆われる構成になっている。
【0022】
このような構造の端子台本体13は、隔壁12に設けた端子貫通孔22に被せるようにしてガスケット24を介在して取り付ける。
この端子貫通孔22には導通管27で覆われた導電板23を貫通させた状態で第1樹脂であるエポキシ樹脂26を充填させることにより耐圧防爆に耐える構造としている。
そして、導通管27の先端の端部には第2樹脂であるシリコーン28が充填され、端子台本体13の単体としての気密性を維持させることができると共に、シリコーン28の充填量を必要最小限にすることができる。
【0023】
このように、エポキシ樹脂26で充填される端子貫通孔22に貫通されている導電板23に対して端子台本体13と同部材のプラスチック部材(導通管27)で覆うようにしたことで、エポキシ樹脂26が直接導電板23に接触することを回避することができ、エポキシ樹脂26が空気中の水分を吸収しても、その水分が直接導電板23に影響を与えないため、絶縁抵抗の劣化を防止し、一定値以上の絶縁抵抗を保持することができるのである。
【0024】
次に、本願発明の第2実施例の流量計の変換器について、図面を参照して説明する。
【0025】
本願発明の第2実施例の流量計の変換器は、図5〜図8に示すように、防爆型流量計変換器端子台接続部において、その変換器ケース10は、筒状の側壁11とこの側壁11の中央部分に設けられた隔壁12とを有し、この隔壁12に取付けられている端子台本体13を備える端子室14とアンプ室15とを構成する。
【0026】
アンプ室15は、螺合係合するアンプ蓋16によって空間が遮蔽され、その遮蔽された空間内部にアンプを形成するプリント板17が配設され、隔壁12には端子室14に配置された端子21に接続されている導電板23の端部と接続する接続板18を配設した構成になっている。
【0027】
端子室14は、螺合係合する端子蓋19によって空間が遮蔽され、その遮蔽された中央位置であって隔壁12に直線状に複数の端子21を装着した端子台本体13を備えた構成になっている。
【0028】
隔壁12の一部には端子室14からアンプ室15に至るまで開口され、導電板23を連通させるための端子貫通孔22を設けた構成になっている。
【0029】
端子台本体13は、プラスチック部材で形成され、隔壁12に設けた端子貫通孔22に被せるようにしてガスケット24を介在して取り付けられ、導電板23をアンプ室15にまで貫通させた構成になっている。そして、端子貫通孔22に収まっている導電板23に対して第3樹脂であるシリコーン28がコーティングされている。
この端子貫通孔22にはシリコーン28で覆われた導電板23を貫通させた状態で第1樹脂であるエポキシ樹脂26を充填させることにより耐圧防爆に耐える構造としている。
【0030】
このように、エポキシ樹脂26で充填される端子貫通孔22に貫通されている導電板23に対してシリコーン28をコーティングすることで、エポキシ樹脂26が直接導電板23に接触することを回避することができ、エポキシ樹脂26が空気中の水分を吸収しても、その水分が直接導電板23に影響を与えないため、絶縁抵抗の劣化を防止し、一定値以上の絶縁抵抗を保持することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
端子台本体に取り付けられている導電板とエポキシ樹脂を直接接触させないようにすることにより、高温環境下においてエポキシ樹脂の吸湿性の影響を排除することができるため、端子台本体と端子間の一定値以上の絶縁抵抗値を保持し、流量計としての性能を維持させることができる流量計の変換器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本願発明の第1実施例の流量計の変換器の断面図である。
【図2】同、端子台本体の部分を拡大して示した断面図である。
【図3】同、端子台本体の導電板の状態を示す平面図である。
【図4】同、図3におけるA―A線断面図である。
【図5】本願発明の第2実施例の流量計の変換器の断面図である。
【図6】同、端子台本体の部分を拡大して示した断面図である。
【図7】同、端子台本体の導電板の状態を示す平面図である。
【図8】同、図7におけるB―B線断面図である。
【図9】従来技術における流量計の変換器の断面図である。
【図10】同、端子台本体の部分を拡大して示した断面図である。
【図11】同、端子台本体の導電板の状態を示す平面図である。
【図12】同、図11におけるC―C線断面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 ケース
11 側壁
12 隔壁
13 端子台本体
14 端子室
15 アンプ室
16 アンプ蓋
17 プリント板
18 接続板
19 端子蓋
21 端子
22 端子貫通孔
23 導電板
24 ガスケット
25 シリコーン
26 エポキシ樹脂
27 導通管
28 シリコーン。
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成19年2月5日(2007.2.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−191000(P2008−191000A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−25686(P2007−25686)