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【発明の名称】 サーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造
【発明者】 【氏名】若松 武史

【要約】 【課題】差圧検出の精度向上を図ることが可能であるとともに、小型化を図ることが可能なサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造を提供する。

【解決手段】一方の差圧検出用導圧路71及び他方の差圧検出用導圧路72は、前後方向に所定の間隔で並ぶように形成されている。また、一方の差圧検出用導圧路71が第二流入通路67及び第一流入通路43の連続中心位置70よりも手前で連続するようになっている。さらに、他方の差圧検出用導圧路72が第二流出通路66及び第一流出通路44の連続中心位置69よりも後側で連続するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子軸の軸方向を前後と定義すると、この回転子軸を有する第一回転子及び第二回転子の噛み合わせ部分の上下となるように計量室に被測定流体流出口及び被測定流体流入口を形成し、
上側の前記被測定流体流出口に続くように前記軸方向にのびる第一流出通路を本体ケーシングに形成し、
下側の前記被測定流体流入口に続くように前記軸方向にのびる第一流入通路を前記本体ケーシングに形成し、
平行となる前記第一流出通路及び前記第一流入通路のうち、前記第一流出通路に連続するように前記軸方向に対して直交方向にのびる第二流出通路を本体ケーシングに形成するとともに、前記第一流入通路に連続するように前記直交方向にのびて前記第二流出通路に平行な第二流入通路を本体ケーシングに形成し、
前記第一流入通路及び前記第二流入通路の連続中心位置と前記被測定流体流入口との間の位置で前記第一流入通路に一端が開口するとともに前記第二流入通路に対して重ならないようにのびる一方の差圧検出用導圧路を前記本体ケーシングに形成し、
前記第一流出通路及び前記第二流出通路の連続中心位置よりも前記被測定流体流出口から離れる位置で前記第一流出通路に一端が開口するとともに前記第二流出通路に対して重ならないようにのび且つ前記一方の差圧検出用導圧路に対して平行となる他方の差圧検出用導圧路を前記本体ケーシングに形成し、
さらに、前記一方の差圧検出用導圧路の他端と前記他方の差圧検出用導圧路の他端とに連続するように差圧検出部を前記本体ケーシングに形成する
ことを特徴とするサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造。
【請求項2】
請求項1に記載のサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造において、
前記第二流出通路及び前記第二流入通路を左方向又は右方向にのびるように形成するとともに、前記一方の差圧検出用導圧路及び前記他方の差圧検出用導圧路を下方向又は上方向にのびるように形成する
ことを特徴とするサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボ型容積流量計に関し、詳しくは、このサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
容積流量計は、この構成の一つにポンプ部を有している。ポンプ部は、流路内に設けられる計量室と、この計量室内で回転毎に一定体積の被測定流体を流出する一対の回転子とを備えて構成されている。容積流量計は、回転子の回転から流量を計測することができるように構成されている。具体的には、計量室と回転子とで形成される容積を基準容積とし、計量室内に流入する被測定流体を回転子の回転に応じて排出しつつ回転子の回転数から流量を求めることができるように構成されている。
【0003】
容積流量計は、体積流量が直接測定できて精度も高いことから、産業用、取り引き用の流量計として広く使用されている。
【0004】
ところで、被測定流体の粘度や密度などの物性値に影響されずに安定した高精度の流量の測定が可能となるように、流量計の流出入口間の圧力損失を正確に検出して、この圧力損失が常にゼロとなるよう回転子に外部からサーボモータで駆動力を与えてやり、このときの回転子の動作回転数から流量を測定することができるように構成される容積流量計としては、下記特許文献1に開示されるようなサーボ型容積流量計が知られている。
【特許文献1】特許第3331212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のサーボ型容積流量計にあっては、流出入口間の差圧を検出するような構造及び構成になっているが、差圧検出位置が計量室から比較的離れた位置に設定されているため、精度の高い検出をすることができないという問題点を有している(特許文献1の容積流量計に限るものではない)。
【0006】
また、差圧計が計量室を有するケーシングから離れた位置に設置されており、導圧管を用いてケーシングから圧力を取り出す構造となっているが、これによって応答性の低下が懸念され、精度の高い検出をすることができないという問題点を有している(特許文献1の容積流量計に限るものではない)。尚、差圧計がケーシングから離れた位置に設置されることから、容積流量計が大きくなってしまうという問題点も有している。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、差圧検出の精度向上を図ることが可能であるとともに、小型化を図ることが可能なサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造は、回転子軸の軸方向を前後と定義すると、この回転子軸を有する第一回転子及び第二回転子の噛み合わせ部分の上下となるように計量室に被測定流体流出口及び被測定流体流入口を形成し、上側の前記被測定流体流出口に続くように前記軸方向にのびる第一流出通路を本体ケーシングに形成し、下側の前記被測定流体流入口に続くように前記軸方向にのびる第一流入通路を前記本体ケーシングに形成し、平行となる前記第一流出通路及び前記第一流入通路のうち、前記第一流出通路に連続するように前記軸方向に対して直交方向にのびる第二流出通路を本体ケーシングに形成するとともに、前記第一流入通路に連続するように前記直交方向にのびて前記第二流出通路に平行な第二流入通路を本体ケーシングに形成し、前記第一流入通路及び前記第二流入通路の連続中心位置と前記被測定流体流入口との間の位置で前記第一流入通路に一端が開口するとともに前記第二流入通路に対して重ならないようにのびる一方の差圧検出用導圧路を前記本体ケーシングに形成し、前記第一流出通路及び前記第二流出通路の連続中心位置よりも前記被測定流体流出口から離れる位置で前記第一流出通路に一端が開口するとともに前記第二流出通路に対して重ならないようにのび且つ前記一方の差圧検出用導圧路に対して平行となる他方の差圧検出用導圧路を前記本体ケーシングに形成し、さらに、前記一方の差圧検出用導圧路の他端と前記他方の差圧検出用導圧路の他端とに連続するように差圧検出部を前記本体ケーシングに形成することを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載の本発明のサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造は、請求項1に記載のサーボ型容積流量計における被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造において、前記第二流出通路及び前記第二流入通路を左方向又は右方向にのびるように形成するとともに、前記一方の差圧検出用導圧路及び前記他方の差圧検出用導圧路を下方向又は上方向にのびるように形成することを特徴としている。
【0010】
このような特徴を有する本発明によれば、差圧を取り出す位置がポンプ部に近い構造になる。従って、差圧検出の精度を高めることが可能になる。また、差圧を検出する手段が本体ケーシングに一体化するような構造のサーボ型容積流量計になる。従って、差圧を検出する位置がポンプ部に対してより近い構造になり、結果、差圧検出の精度を一層高めることが可能になる。
【0011】
本発明によれば、被測定流体の流入の経路と流出の経路とが回転子の噛み合わせ部分の上下間隔を維持した状態で平行な経路に形成される。そして、これら経路がそれぞれL字状の経路となるように形成される。また、このような経路からのびる差圧検出に係る経路も回転子軸の軸方向に対し直交方向で且つ平行な経路に形成される。従って本発明によれば、容積流量計自体を回転子軸の軸方向に短くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、差圧検出の精度を従来よりも格段に向上させることができるという効果を奏する。また、サーボ型容積流量計の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るサーボ型容積流量計の一実施の形態を示す図である。また、図2はサーボ型容積流量計の左側面図、図3はサーボ型容積流量計の平面図、図4はシステム構成図、図5は正面側から見た場合の構成説明図、図6は左側面側から見た場合の構成説明図、図7は駆動位置で見た場合の構成説明図、図8はポンプユニットの構成説明図、図9はポンプユニットの分解斜視図、図10は本体ケーシングに一つである前側本体ケーシングの正面図、図11は前側本体ケーシングの断面図、図12は導圧路を形成した状態の前側本体ケーシングの断面図、図13は図10のA視の図、図14は図13のB−B線断面図、図15は駆動位置での前側本体ケーシングの断面図である。尚、単純な断面で示すことのできない部分は、図中において「破って」表示するものとする。この「破って」の表示に関しては、厳密な位置と異なっているものとする。全図面にわたり断面部分にハッチングを示してないのは細部が見難くなるのを避けるためである。
【0014】
図1ないし図3において、引用符号1は本発明に係るサーボ型容積流量計(以下、容積流量計1と略記する)を示している。容積流量計1は、ポンプユニット2を備え、このポンプユニット2を着脱自在にすることができるような構成を有している。また、容積流量計1は、特にポンプユニット2を備える場合に好適な、被測定流体の流れと差圧検出とに係る経路構造を有している。
【0015】
容積流量計1の構成についてもう少し具体的に説明すると、容積流量計1は上記ポンプユニット2を備えるとともに、このポンプユニット2を格納する本体ケーシング3と、蓋体4とを備えて構成されている。また、容積流量計1は、図4以降の図に示す如く、軸駆動手段5と、差圧検出手段6と、制御手段7とをさらに備えて構成されている。
【0016】
ここで図1ないし図3中の矢印について説明すると、矢印Pは上下方向を示している。また、矢印Qは左右方向を、矢印Rは前後方向を示している。尚、これらの方向は容積流量計1の取り付け時における方向に対し、一致、不一致のいずれであっても良いものとする(但し、後述するピストン17が上下方向になるような取り付け方向は許容されないものとする)。
【0017】
図6において、本体ケーシング3は、ポンプユニット2を格納する構造を有するとともに差圧検出手段6を一体化する構造を有する前側本体ケーシング8と、この前側本体ケーシング8に連結し軸駆動手段5の本体となるサーボモータ9を内部に取り付けすることが可能な後側本体ケーシング10とを備えて構成されている。
【0018】
前側本体ケーシング8の前面には、ポンプユニット2を格納するためのユニット格納凹部11が形成されている。ポンプユニット2は、ユニット格納凹部11に差し込まれ、この後に蓋体4により覆われることによって完全に格納されるようになっている。容積流量計1は、蓋体4を取り外すことによりポンプユニット2のメンテナンスや交換等をすることができるようになっている。
【0019】
先ず、図4を参照しながらシステム構成について簡単に説明をすることにする。そして次に、図1ないし図15の各図を参照しながら各構成部材について説明をすることにする。
【0020】
図4において、引用符号12はポンプ部を示している。このポンプ部12は、計量室13と、一対の回転子14とを有している。一対の回転子14は互いに噛み合うように配置されており、このうちの一つはサーボモータ9によって駆動されるようになっている。差圧検出手段6は、一対の差圧検出用導圧路15と、差圧検出部16とを有している。また、ここではピストン17と、発光側光電センサ(発光素子)18と、受光側光電センサ(受光素子)19とを有している。制御手段7は、演算回路20と、制御回路21と、出力回路22とを有している。
【0021】
上記構成において、流入口23から入った被測定流体(図中では右から左に流れる)は、ポンプ部12の一対の回転子14を経て流出口24に至るようになっている。一対の回転子14の前後(図4中では左右に相当する)には、一対の差圧検出用導圧路15が設けられており、差圧が発生した場合には、差圧検出部16に収納されるピストン17が左右に動作するようになっている。このピストン17の動きは、発光側光電センサ18や受光側光電センサ19により観測され、ピストン17の位置情報が演算回路20に伝えられるようになっている。
【0022】
演算回路20では、差圧を常にゼロとするように、言い換えればピストン17を停止させるように、制御回路21へ伝えるための信号が生成されるようになっている。制御回路21では、演算回路20からの信号に基づいてサーボモータ9を駆動するようになっている。制御回路21には、サーボモータ9からフィードバックされるエンコーダ信号が伝えられるようになっている。このエンコーダ信号は出力回路22へ伝えられ、出力回路22はエンコーダ信号を流量信号(パルス出力)として外部へ出力するようになっている。
【0023】
容積流量計1の各構成部材について説明する。
【0024】
ポンプユニット2は、ポンプ部ケーシング25の内部にポンプ部12を設けてなる構造を有している(例えば図8及び図9参照)。ポンプ部ケーシング25は、前後方向の厚みが比較的小さな略円柱状に形成されている。本形態においては、流量範囲変更時の交換容易性にまで配慮するために、上記厚みが一定となるように設定されている。尚、略円柱状の形状は一例であるものとする(ポンプ部12の形成が可能で、ユニット格納凹部11(図6参照)に対する着脱が容易であれば特に形状は限定されないものとする)。
【0025】
図9において、ポンプ部ケーシング25は、三枚のプレートを有している。前側から順に名称を挙げると、蓋体側プレート26、真ん中プレート27、及び回転子軸延長側プレート28の分割可能な円形の三枚のプレートを有している。これら三枚のプレートは、重ねて合わせて複数のビス(符号省略)により固定されるようになっている。
【0026】
このような構成のポンプ部ケーシング25は、後方に突出する位置決めピン29を有している(位置決めピン29の設定は任意であるものとする)。位置決めピン29は、ポンプユニット2をユニット格納凹部11(図6参照)に差し込んで格納する際にスムーズに位置合わせをすることができるようにするために設けられている。
【0027】
尚、ユニット格納凹部11において位置決めされた後のポンプユニット2は、ポンプ部ケーシング25を介してねじ込みがなされるユニット取り付けビス30によって固定されるようになっている(図6参照)。
【0028】
三枚のプレートの主要な部分について説明すると、真ん中プレート27は、計量室13(図8参照)の形状に合わせて貫通形成される(前面から後面にかけて貫通する)計量室形成部31を有している。本形態の真ん中プレート27は、回転子14の厚みよりも極僅かに大きくなる厚みに設定されている。
【0029】
蓋体側プレート26は、計量室形成部31の前側の開口を覆う平坦な面(後面)を有している。このような蓋体側プレート26には、後述する被測定流体流入口32の位置に合わせて貫通する導圧口33が形成されている(図8参照)。導圧口33は、被測定流体流入口32から流入する被測定流体の一部をユニット格納凹部11(図6参照)に導くために形成されている。蓋体側プレート26の後面には、軸受け34が二つ、左右方向に所定の間隔で並ぶように設けられている。
【0030】
回転子軸延長側プレート28は、計量室形成部31の後側の開口を覆う平坦な面(前面)を有している(尚、流量範囲を変更する場合、前面を凹ませて計量室形成部31の一部を形成するようにしても良いものとする。この場合、回転子軸延長側プレート28は交換部品として幾つかの種類が用意されるものとする)。
【0031】
このような回転子軸延長側プレート28には、計量室形成部31に連通するような、言い換えれば計量室13に連通するような被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35が貫通形成されている。また、回転子軸延長側プレート28には、後方にのびる後述する回転子軸36に対する駆動軸用貫通口37も貫通形成されている。
【0032】
回転子軸延長側プレート28の前面には、軸受け38が二つ、左右方向に所定の間隔で並ぶように設けられている。軸受け38のうち一つは、駆動軸用貫通口37(図7参照)に設けられている。回転子軸延長側プレート28の軸受け38と、蓋体側プレート26の軸受け34とによって回転子14の回転子軸36、39は両持ち構造で回転自在に支持されるようになっている。
【0033】
図8において、ポンプ部12は、計量室13と、一対の回転子14と、回転子軸36、39とを有している。一対の回転子14は互いに噛み合うように配置されており、このうちの一つに設けられる回転子軸36が駆動軸となって駆動軸用貫通口37(図7参照)を介して外側までのびる(後方へのびる)ようになっている。被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35は、一対の回転子14の噛み合い部分の上下に配置形成されている。図において、下側が被測定流体流入口32となっており、上側が被測定流体流出口35となっている。被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35は、噛み合い部分の極力近くに開口するように配置形成されている。
【0034】
駆動軸用貫通口37(図7参照)は、サーボモータ9(図6参照)の位置に合わせて配置形成されている。本形態においては、この中心が本体ケーシング3(図6参照)の中心軸上に位置するように配置形成されている。
【0035】
図5、図6において、本体ケーシング3を構成する前側本体ケーシング8は、この前面にポンプユニット2を格納するためのユニット格納凹部11を有している。また、前側本体ケーシング8は、この左側面に被測定流体の流れに係る経路の部分を有している。この被測定流体の流れに係る経路の部分は、ユニット格納凹部11に連通するように形成されている。さらに、前側本体ケーシング8は、この下方に差圧検出手段6を一体化するための部分を有している。この部分は、差圧検出に係る経路がユニット格納凹部11の近傍に連続するように形成されている。さらにまた、前側本体ケーシング8は、この後面に後側本体ケーシング10の連結部分と、駆動力伝達部40(図7参照)に係る部分とを有している。駆動力伝達部40に係る部分は、ユニット格納凹部11に連続するように形成されている。
【0036】
ユニット格納凹部11は、前側本体ケーシング8の前面において円形の凹みとなるような形状に形成されている。ユニット格納凹部11の開口縁部の外側には、Oリング41が取り付けられている。前側本体ケーシング8の前面には、ユニット格納凹部11の開口を覆うようにして蓋体4が取り付けられている。この蓋体4の取り付けに関しては、ボルト42を四箇所締め付けることによって行われている。
【0037】
蓋体4を取り付けた状態において、前側本体ケーシング8(ユニット格納凹部11)及び蓋体4は、圧力容器としての機能を有するようになっている。つまり、容積流量計1においては、ポンプユニット2自身が圧力容器としての機能を必要としないものになっている。尚、圧力容器として機能させる理由は、ポンプユニット2の導圧口33(図8参照)を介して被測定流体の一部をユニット格納凹部11に流れ込ませ、ポンプユニット2の外側も充満した流体によって接液する状態にするためである(ポンプユニット2の内外に掛かる流体圧が均圧化する)。
【0038】
ユニット格納凹部11の奥(底)には、ポンプユニット2の被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35の位置に合わせて第一流入通路43及び第一流出通路44が形成されている。この第一流入通路43及び第一流出通路44は、上記の被測定流体の流れに係る経路の部分として形成されている。第一流入通路43は下側、第一流出通路44は上側となるように配置形成されている。第一流出通路44の開口縁部の周囲には、Oリング45が取り付けられている(図10参照)。被測定流体の流れに係る経路の部分に関しては後に詳細に説明するものとする。
【0039】
また、ユニット格納凹部11の奥(底)には、ポンプユニット2からのびる回転子軸36の位置に合わせて回転子軸用貫通穴46が形成されている(図15参照)。この回転子軸用貫通穴46は、前側本体ケーシング8の後面に開口する耐圧隔板取付用凹部47(図7参照)に連続するように形成されている。図7において、耐圧隔板取付用凹部47には、耐圧隔板48が液密状態(被測定流体を遮断する状態)に取り付けられている。この耐圧隔板48によってユニット格納凹部11側とサーボモータ9側とが隔離されている(図6参照)。回転子軸用貫通穴46や耐圧隔板取付用凹部47や耐圧隔板48は、上記の駆動力伝達部40に係る部分を構成するようになっている。
【0040】
ここで、図6及び図7を参照しながら駆動力伝達部40に係る部分などの各構成を列挙することにする(前側本体ケーシング8の構成でユニット格納凹部11側から順に構成を列挙した後、サーボモータ9側の構成を列挙するものとする)。尚、作用等の具体的な説明に関しては省略するものとする。
【0041】
引用符号49は軸継手を示している。引用符号50は軸継手回り止めピンを示している。引用符号51は従動磁石軸を示している。引用符号52は従動磁石回り止めピンを示している。引用符号53は従動磁石を示している。引用符号54はEリングを示している。引用符号55は玉軸受けを示している。
【0042】
引用符号56は主動磁石部を示している。引用符号57は主動磁石取付ビスを示している。引用符号58はモーターアダプタを示している。引用符号59はモータアダプタビスを示している。引用符号60はモーター取付金具を示している。引用符号61は減速器取付ボルトを示している。引用符号62はモーター部取付ボルトを示している。
【0043】
駆動力伝達部40に係る部分の構成から分かるように、本形態においては、主動磁石部56と従動磁石53による磁気継手63によってポンプユニット2からのびる回転子軸36を駆動するようになっている。本形態において、磁気継手63を用いて回転子軸36を駆動する方法を採用していることから、液漏れの心配がないのは勿論のこと、回転子軸36をスムーズに回転させることができるようになっている。
【0044】
駆動力伝達部40に係る部分の後方に存在するサーボモータ9は、後側本体ケーシング10の内部に形成される本体取付部64に格納されるような状態で取り付けられている。尚、本体取付部64が形成される後側本体ケーシング10は、容積流量計1を所定位置に設置するための設置用ベース65を有しており、前側本体ケーシング8の下方に形成される、差圧検出手段6を一体化するための部分にまでのびてこれを固定することができるようになっている。
【0045】
図10ないし図14を主に参照しながら、上記の被測定流体の流れに係る経路の部分と、上記の差圧検出に係る経路の部分とに関して説明する。先ず、被測定流体の流れに係る経路の部分に関して説明する。
【0046】
上側の第一流出通路44は、この一端がポンプユニット2の被測定流体流出口35に続くように形成されている。第一流出通路44は、ユニット格納凹部11の奥(底)からこの後方に真っ直ぐのびるように、すなわちポンプユニット2からのびる回転子軸36の軸方向に対して平行にのびるように形成されている。このような第一流出通路44の長さは、容積流量計1の前後方向のコンパクト化を図るため、極力長さが短くなるように設定されている。本形態においては、第一流出通路44の他端位置が前側本体ケーシング8の前後方向中央位置よりも手前となるように長さが設定されている。
【0047】
下側の第一流入通路43は、この一端がポンプユニット2の被測定流体流入口32に続くように形成されている。第一流入通路43は、ユニット格納凹部11の奥(底)からこの後方に真っ直ぐのびるように、すなわちポンプユニット2からのびる回転子軸36の軸方向に対して平行にのびるように形成されている。また、第一流入通路43は、上側の第一流出通路44と平行になるように形成されている。このような第一流入通路43の長さは、上側の第一流出通路44よりも若干短くなるように形成されている。
【0048】
第一流入通路43及び第一流出通路44についてまとめると、この第一流入通路43及び第一流出通路44は、被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35の大きさで開口し、また、これらの間隔を保ったままで平行となり、さらに、第一流出通路44の方が若干長く後方にのびるように形成されている。
【0049】
上側の第一流出通路44(図12、14参照)には、これに連続するように第二流出通路66が形成されている。第二流出通路66は、ポンプユニット2からのびる回転子軸36の軸方向に対して直交方向(本形態では左方向)に真っ直ぐのびるように形成されている。第二流出通路66は、この一端が第一流出通路44に連続するとともに他端が前側本体ケーシング8の左側面に開口するように形成されている。第二流出通路66は、第一流出通路44と同じ大きさで開口するように形成されている。第二流出通路66及び第一流出通路44は、略L字状の経路となるように形成されている。
【0050】
下側の第一流入通路43には、これに連続するように第二流入通路67が形成されている。第二流入通路67は、ポンプユニット2からのびる回転子軸36の軸方向に対して直交方向(本形態では左方向)に真っ直ぐのびるように形成されている。また、第二流入通路67は、第二流出通路66と平行になるように形成されている。第二流入通路67は、この一端が第一流入通路43に連続するとともに他端が前側本体ケーシング8の左側面に開口するように形成されている。第二流入通路67は、第一流入通路43と同じ大きさで開口するように形成されている。第二流入通路67及び第一流入通路43は、略L字状の経路となるように形成されている。
【0051】
第二流入通路67及び第二流出通路66についてまとめると、この第二流入通路67及び第二流出通路66は、被測定流体流入口32及び被測定流体流出口35の大きさで開口し、また、これらの間隔を保ったままで平行となり、ともに同じ長さで前側本体ケーシング8の左側面に開口するように形成されている。
【0052】
被測定流体の流れに係る経路の部分は、第二流出通路66及び第一流出通路44の略L字状の経路と、第二流入通路67及び第一流入通路43の略L字状の経路とからなっている。尚、前側本体ケーシング8の左側面の第二流出通路66及び第二流入通路67の各開口部分には、継手68がそれぞれ取り付けられている。本形態において、第一流出通路44は、ユニット格納凹部11に開口する流出通路の開口端部に相当するものとする。また、第一流入通路43もユニット格納凹部11に開口する流入通路の開口端部に相当するものとする。
【0053】
図12において、第二流出通路66及び第一流出通路44の連続中心位置69と、第二流入通路67及び第一流入通路43の連続中心位置70は、上下に並ぶように設定されている。本形態においては、連続中心位置70が第一流入通路43の他端位置に合わせて設定されている。従って、第一流出通路44は、連続中心位置69よりも後方に若干のスペースを有するようになっている。このスペースは、差圧検出のために用いられるスペースとなっている。第一流出通路44の方が第一流入通路43よりも若干長さを長く設定しているのはこのためである。
【0054】
次に、差圧検出に係る経路の部分に関しての説明をする。
【0055】
下側となる第一流入通路43には、一方の差圧検出用導圧路71(図4の差圧検出用導圧路15に相当)が連続するように形成されている。一方の差圧検出用導圧路71は、この一端が第二流入通路67及び第一流入通路43の連続中心位置70と、第一流入通路43の一端との間に開口するように形成されている。一方の差圧検出用導圧路71の一端は、差圧取出口としての機能を有している。一方の差圧検出用導圧路71は、下方に真っ直ぐにのびるように形成されている。一方の差圧検出用導圧路71は、差圧を検出するための通路であって、第一流入通路43よりも細くなるように直径が設定されている。
【0056】
上側となる第一流出通路44には、他方の差圧検出用導圧路72(図4の差圧検出用導圧路15に相当)が連続するように形成されている。他方の差圧検出用導圧路72は、この一端が第二流出通路66及び第一流出通路44の連続中心位置69よりも被測定流体流出口35から離れる位置に開口するように形成されている。他方の差圧検出用導圧路72の一端は、差圧取出口としての機能を有している。本形態において、他方の差圧検出用導圧路72は第一流出通路44の端部位置に合わせて形成されている。他方の差圧検出用導圧路72は、下方に真っ直ぐにのびるように形成されている。他方の差圧検出用導圧路72は、一方の差圧検出用導圧路71と平行になるように形成されている。他方の差圧検出用導圧路72は、差圧を検出するための通路であって、第一流出通路44よりも細くなるように直径が設定されている。
【0057】
一方の差圧検出用導圧路71及び他方の差圧検出用導圧路72についてまとめると、この一方の差圧検出用導圧路71及び他方の差圧検出用導圧路72は、前後方向に所定の間隔で並ぶように形成されている。また、一方の差圧検出用導圧路71が第二流入通路67及び第一流入通路43の連続中心位置70よりも手前で連続するようになっており、他方の差圧検出用導圧路72が第二流出通路66及び第一流出通路44の連続中心位置69よりも後側で連続するようになっている。尚、この連続位置は、差圧検出手段6のピストン17等の効率の良い配置をねらって設定されている(これにより、差圧検出手段6を前側本体ケーシング8に一体化しても容積流量計1を前後方向にコンパクト化することができるという利点を有する(例えば、一方の差圧検出用導圧路71を後方にずらせば、このずらした分だけ差圧検出手段6の各構成の配置を後方にずらす必要性があり、この場合、後方に大きなものとなってしまうからである))。
【0058】
一方の差圧検出用導圧路71及び他方の差圧検出用導圧路72の各他端には、これに連続するように差圧検出部73(図4の差圧検出部16に相当)が形成されている。
【0059】
ここで、差圧検出手段6の具体的な各構成と関連する部分とを列挙することにする。尚、作用等の説明に関しては省略するものとする(図4の説明が参考になる)。
【0060】
引用符号17はピストンを示している。引用符号18は発光側光電センサを示している。引用符号19は受光側光電センサを示している。これらは図4で示したものと基本的に同じものが用いられている。
【0061】
引用符号74は光電センサケースを示している(図5参照)。引用符号75は光電センサ取付板を示している。引用符号76は光電センサパッキンを示している。引用符号77はガラス窓パッキンを示している。引用符号78は光電センサ取付ボルトを示している。引用符号79は強化ガラスを示している。引用符号80は強化ガラス用Oリングを示している。引用符号81は光電センサ位置決めピンを示している。引用符号82は光電センサケース取付ボルトを示している。
【0062】
引用符号83はシリンダ前側蓋を示している。引用符号84はスリーブを示している(図6参照)。引用符号85はシリンダ蓋用Oリングを示している。引用符号86はシリンダ後側蓋を示している。尚、スリーブ84には、他方の差圧検出用導圧路72の一部をピストン17の位置に合わせるような部分87が形成されている。
【0063】
以上、図1ないし図15を参照しながら説明してきたように、容積流量計1は、上記の被測定流体の流れに係る経路の部分と上記の差圧検出に係る経路の部分とを特徴的な構造にするとともに、差圧検出手段6を本体ケーシング3(前側本体ケーシング8)に一体化する構造を採用することから、差圧検出の精度を従来よりも格段に高めることができるようになっている。また、このような特徴的な構造を採用することにより、容積流量計1自体を前後方向に短くすることができるようになっている。
【0064】
この他、容積流量計1に関する効果等を挙げると、容積流量計1は、ポンプ部12を有するポンプユニット2が本体ケーシング3(前側本体ケーシング8)のユニット格納凹部11に格納されて蓋体4で覆われるような構造であり、ユニット格納凹部11と蓋体4とで圧力容器として機能する部分が形成されるようになっている。ポンプユニット2は、この内部に被測定流体が流れるとともに外側全体も被測定流体が充満する構造となるようになっている。ポンプユニット2は、この内外に掛かる流体圧が均圧化するような構造になっている。
【0065】
容積流量計1において、流体圧によって仮に変形が生じるのは例えば圧力容器として機能する蓋体4であり、ポンプユニット2自体に変形が生じるようなことはない。従って、容積流量計1は高精度な測定をすることができるようになっている。
【0066】
容積流量計1は、ポンプユニット2のポンプ部ケーシング25を耐圧容器にする必要性がない構造になっていることから、例えばポンプ部ケーシング25の肉厚を薄くすることができるようになっている。従って、ポンプユニット2を比較的小さなものとすることができるようになっている(ポンプユニット2の大きさを比較的小さなものとすると、交換時の作業性を良好にすることもできる)。
【0067】
また、容積流量計1は、磁気継手63を介して回転子軸36を駆動する構造になっていることから、液漏れの心配がないのは勿論のこと、回転子軸36の回転をスムーズにすることができるようになっている。従って、容積流量計1は従来よりも性能面やメンテナンス面の向上を図ることができるようになっている(このような効果が得られないが、従来のようなシール部材を用いて駆動する構造を採用しても良いものとする)。
【0068】
また、容積流量計1は、回転子軸36、39を両持ちにする構造となっていることから、回転子14の回転を安定させることができるようになっている。回転子軸36、39を両持ち構造にすることにより、片持ち構造のような軸長を長く設定する必要性がなくなり、結果、ポンプ部12を小さくすることができるようになっている。
【0069】
また、容積流量計1は、ポンプユニット2のポンプ部ケーシング25を分割可能な三枚のプレートで構成するとともに、三枚のプレートのうち一枚を回転子14のサイズに合わせて交換可能な構造にしていることから、流量範囲変更時の交換容易性にまで配慮することができるようになっている。
【0070】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係るサーボ型容積流量計の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】サーボ型容積流量計の左側面図である。
【図3】サーボ型容積流量計の平面図である。
【図4】システム構成図である。
【図5】正面側から見た場合の構成説明図である。
【図6】左側面側から見た場合の構成説明図である。
【図7】駆動位置で見た場合の構成説明図である。
【図8】ポンプユニットの構成説明図である。
【図9】ポンプユニットの分解斜視図である。
【図10】本体ケーシングに一つである前側本体ケーシングの正面図である。
【図11】前側本体ケーシングの断面図である。
【図12】導圧路を形成した状態の前側本体ケーシングの断面図である。
【図13】図10のA視の図である。
【図14】図13のB−B線断面図である。
【図15】駆動位置での前側本体ケーシングの断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 サーボ型容積流量計
2 ポンプユニット
3 本体ケーシング
4 蓋体
5 軸駆動手段
6 差圧検出手段
7 制御手段
8 前側本体ケーシング
9 サーボモータ(本体)
10 後側本体ケーシング
11 ユニット格納凹部
12 ポンプ部
13 計量室
14 回転子
15 差圧検出用導圧路
16 差圧検出部
17 ピストン
18 発光側光電センサ
19 受光側光電センサ
20 演算回路
21 制御回路
22 出力回路
25 ポンプ部ケーシング
26 蓋体側プレート
27 真ん中プレート
28 回転子軸延長側プレート
31 計量室形成部
32 被測定流体流入口
33 導圧口
34、38 軸受け
35 被測定流体流出口
36、39 回転子軸
37 駆動軸用貫通口
40 駆動力伝達部
43 第一流入通路
44 第一流出通路
46 回転子軸用貫通穴
47 耐圧隔板取付用凹部
48 耐圧隔板
53 従動磁石
56 主動磁石部
63 磁気継手
64 本体取付部
66 第二流出通路
67 第二流入通路
69、70 連続中心位置
71 一方の差圧検出用導圧路
72 他方の差圧検出用導圧路
73 差圧検出部
84 スリーブ
【出願人】 【識別番号】000103574
【氏名又は名称】株式会社オーバル
【出願日】 平成19年2月5日(2007.2.5)
【代理人】 【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保


【公開番号】 特開2008−190983(P2008−190983A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−25187(P2007−25187)