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【発明の名称】 ガスメータ異常検出方法、ガスメータ検針端末、及び、ガスメータ異常検出システム
【発明者】 【氏名】小畑 滋男

【氏名】松井 巧

【氏名】高林 亘

【氏名】田中 彰一

【氏名】大江 英城

【要約】 【課題】ガスメータの設置された場所で、ガスメータが発生した異常データをガスメータ検針時に的確にガス検針員に報せ、ガスの使用環境の保安チェックを容易に行えるようなガスメータ異常検出方法、ガスメータ検針端末、及び、ガスメータ異常検出システムを提供する。

【解決手段】ガスメータの検針データを収集するガス検針端末に、ガスメータのデータを収集しているガスメータデータ収集装置とデータのやりとりを行う送受信手段を備えることで、ガス検針時にガスメータの発生した異常データを収集させる。そして、ガス検針端末に異常データの解析手段を備えることで、得られた異常データを解析させる。さらに、ガス検針端末に出力手段を備えることで、得られた異常データ及び/又は解析結果を出力させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータの検針データを収集するガス検針端末に、
前記検針データの収集時にセキュリティデータを収集させ、
収集された前記セキュリティデータを解析させ、
前記解析により得られた解析結果を出力させることを特徴とするガスメータ異常検出方法。
【請求項2】
ガスメータの検針データとセキュリティデータとを収集するデータ収集手段に対して検針データ要求を送信する送信手段と、
前記検針データ要求に応答して前記データ収集装置から送信された前記検針データと前記セキュリティーデータとを受信する受信手段と、
受信した前記セキュリティデータを解析し保安点検用の解析結果が得られる解析手段と、
前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするガスメータ検針端末。
【請求項3】
前記出力手段が前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を表示する表示装置であることを特徴とする請求項2に記載のガスメータ検針端末。
【請求項4】
前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果をセンターへ通報する通報手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスメータ検針端末。
【請求項5】
前記データ収集装置の収集データに、訪問希望のメッセージデータが含まれることを特徴とする請求項2〜4いずれか1項に記載のガスメータ検針端末。
【請求項6】
ガス使用環境の異常を検出してセキュリティデータを発生するガスメータと、
前記ガスメータに接続されて、データを取得するデータ収集装置と、
前記データ収集装置と交信して、データを取得する検針端末とが備えられたガスメータ異常検出システムにおいて、前記検針端末が請求項2〜5のいずれか1項に記載の検針端末であることを特徴とするガスメータ異常検出システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータ異常検出方法、ガスメータ検針端末、及び、ガスメータ異常検出システムに係るもので、より詳細には、所定のセキュリティ機能を備えたガスメータからの検針データ及びセキュリティデータをデータ収集装置を介して携帯型の検針端末が取得し、検針端末においてセキュリティデータの解析を行う検針端末、この検針端末を用いる検針員による安全なガス使用環境の整備をサポートするガスメータ異常検出方法、及びこの検針端末を用いたガスメータ異常検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロパンガスは、都市ガスと異なり、地域別の販売店を介して一般需要家に販売されている。現在、販売店は全国で2万社程度存在し、そのうち大半は中小の販売店で構成されている。これら多数の販売店では、需要家の開拓、ガスボンベの交換、設備の外観検査、ガスメータの検針、料金の回収業務などの雑多な業務を販売店別に行っており、その日常業務は極めて煩雑なものとなっている。上記業務中、課金に直接関連する検針について、従来、ガスの需要家別に設置したLPガスメータの検針値をガスメータの近傍で電磁誘導を使って取得する方法が提案され、読み取りに伴う人為的な誤りを無くすことで課金の誤りを無くし同時に検針に掛ける時間も削減することが行われている( 特許文献1 参照)。しかし、セキュリティデータの取得はされていない。
【特許文献1】特開平5−101293号公報
【0003】
ところで、プロパンガスはその比重が空気より重いためガス漏れがあるとガスが床下に溜まり引火すると大きな事故につながることから、ガスの安全管理が非常に重要であるが、上記の販売店の業務負担が大きいことから、ガスの異常検出をガスメータで行うマイコンを内蔵したガスメータ、通称マイコンメータが広く使われるようになってきている。そして、マイコンメータに付属した通信回線との通信機能を用い、従来の検針業務だけでなく、ガス使用環境のセキュリティ管理もセンター側で行うことが行われている。(特許文献2参照)
【特許文献2】特開平1−194740号公報
【0004】
上記のように、ガスの使用量を調べる検針やガスメータから発生されるガス使用環境の異常情報をセンターで集中管理することは、検針や保安に掛ける人手を減らすことができるのでガス販売に伴う経費削減の観点からは好ましい。しかし、異常情報をセンターで集めたとしても異常情報が検出された後の対応は人手に頼らざるを得ず、異常情報の取得と異常に対する対応との間に時間的なギャップが存在するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロパンガスの安全な使用環境は、図10に示す屋外設備はガス提供会社、屋内設備は使用者が責任を持つことなっていて、図11に示すように、ガスメータにはガス遮断に至らないガスメータ異常の警告機能も備えられている。しかしながら、通常、宅内に居るガス使用者に屋外のガスメータに表示された異常情報を常に監視することを期待することは無理が有り、使用者には老齢者などガスについのて知識の乏しい人も多いことから、ガス使用者にガスの安全使用環境整備の過重な任務を負わせることは現実的ではない。
【0006】
また、ガスメータは必ずしも外から見やすい場所に設置されているとは限らないため、検針員がガスメータに表示された異常情報を見逃すという問題もある。さらに、ガス検針員も必ずしも経験豊かな人だけではないこともあるという実情もある。上記を踏まえると、ガス提供会社が安全なガス使用環境を容易に作れる仕組みを提供することが望まれる。
【0007】
前記の特許文献1で提案されている技術を利用すると、プロパンガスの使用量の積算値を図8に示す検針用端末で知ることができるが、この端末ではガスメータ異常に関するデータは取得できず、異常に対する対応は検針員に期待されていない。また、特許文献2で提案されている技術を利用すると、図9に示す情報センターで、集中してガスメータ異常に関するデータを取得することができるが、ガスメータ異常に関するデータを検出してもセンターでの対応は限界があり、現地に人を派遣する必要があり、現地での問題に即応することが出来ない。また、ガスメータからのガスメータ異常に関するデータを頼りにする安全管理は、ガスメータ異常に関するデータ発生後の事後的な対応となるので、事故防止の観点からすると問題が残る。ここで、ガスメータ異常というのは、ガス使用環境の安全に関わる異常を検出したガスメータの状態をいう。
【0008】
また、ガスメータにおいては、ガス遮断に至らないガスメータ異常に至ったときも、図11に示すようにガスメータの筐体前面にLCDやLEDなどによる警告表示を行うものもある。そして、この表示は2月に1回以上の頻度で警告表示の確認をすることが保安上必要である。しかしながら、ほとんどのガスメータは交流配線からの電源供給を受けないで電池駆動されているので、表示に消費される電力は電池の寿命にとっては大きな問題となる。表示用電力の削減を図ると、表示の明るさ又はコントラストの削減となり外部からの観測がし難く、特に外光が当たる場所での、警告表示の正確な認識が難しい場合もある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ガスメータが設置された場所で、ガスメータからのガスメータ異常に関するデータを正確に取得し、ガス使用環境の異常状態に対応して的確に安全なガス使用環境を整え、かつ、ガス使用者が希望すればユーザ宅内のガス使用環境のチェックなどを行うことで、より安全性の高いガス使用環境の構築をサポートするガスメータ異常検出方法、ガス検針端末、及び、ガスメータ異常検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた、請求項1に記載されたガスメータ異常検出方法の発明は、ガスメータの検針データを収集するガス検針端末に、前期検針データの収集時にガスメータ異常データを含むセキュリティデータを収集させ、収集された前記セキュリティデータを解析させ、前記解析により得られた解析結果を出力させることを特徴とするガスメータ異常検出方法である。ここで、ガスメータ異常データとは異常を検出したガスメータの発生するデータをいい、キュリティデータとは、ガスメータ異常データ及びガスメータ異常の発生の有無に関する情報を含む経時データをいう。
【0011】
請求項1に記載されたガスメータ異常検出方法の発明によれば、ガスメータの検針データを収集するガス検針端末に、前期検針データの収集時にセキュリティデータを収集させ、収集された前記セキュリティデータを解析させ、前記解析により得られた解析結果を出力させるので、ガス検針員が容易にガスメータ異常を知ることができ、従来、十分に利用されなかったガスメータに表示される異常情報が検針時に定期的にガス検針端末経由で確実にチェックされこととなるので、前述の課題が容易に解決されることとなる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた、請求項2に記載されたガスメータ検針端末の発明は、ガスメータ検針端末が、ガスメータの検針データとセキュリティデータとを収集するデータ収集手段に対して検針データ要求を送信する送信手段と、前記検針データ要求に応答して前記データ収集装置から送信された前記検針データと前記セキュリティデータとを受信する受信手段と、受信した前記セキュリティデータを解析し保安点検用の解析結果が得られる解析手段と、前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載されたガスメータ検針端末の発明によれば、ガスメータ検針端末が、ガスメータの検針データとセキュリティデータとを収集するデータ収集手段に対して検針データ要求を送信する送信手段と、前記検針データ要求に応答して前記データ収集装置から送信された前記検針データと前記セキュリティデータとを受信する受信手段と、受信した前記セキュリティデータを解析し保安点検用の解析結果が得られる解析手段と、前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を出力する出力手段と、を備えているので、ガス検針データの送信要求をデータ収集手段に送ることでデータ収集手段に取り込まれたガスメータのセキュリティデータを受信し、受信したセキュリティデータを解析して結果を出力することとなり、検針員がその出力を使って保安点検を従来に比べ容易に行うことができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた、請求項3に記載されたガスメータ検針端末の発明は、請求項2に記載のガスメータ検針端末において、ガスメータ検針端末の前記出力手段が前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を表示する表示装置であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載されたガスメータ検針端末の発明によれば、請求項2に記載のガスメータ検針端末において、ガスメータ検針端末の前記出力手段が前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果を表示する表示装置であるので、従来のガスメータの筐体上の表示にくらべ、はるかに見やすい表示をすることができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた、請求項4に記載されたガスメータ検針端末の発明は、請求項2又は3に記載のガスメータ検針端末において、前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果をセンターへ通報する通報手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載されたガスメータ検針端末の発明によれば、請求項2又は3に記載のガスメータ検針端末において、前記セキュリティデータ、及び/又は、前記解析結果をセンターへ通報する通報手段を備えているので、従来、通信回線に未接続のためガスメータのデータを集中管理することが出来なかった需要家のガスメータも、検針員の持参した検針端末を通じて集中管理をすることができる。また、通報手段を複数のガスメータで共有する形となり個々のガスメータに通報手段を備えることと比べてコスト的にもメリットがある。
【0018】
上記課題を解決するためになされた、請求項5に記載されたガスメータ検針端末の発明は、請求項2〜4いずれか1項に記載のガスメータ検針端末において、前記データ収集装置の収集データに、訪問希望のメッセージデータが含まれることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載されたガスメータ検針端末の発明によれば、請求項2〜4いずれか1項に記載のガスメータ検針端末において、前記データ収集装置の収集データに、訪問希望のメッセージデータが含まれるので、ガス検針員に確実に、ガス使用者からのガス検針員の訪問希望の意思の伝達をすることができる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた、請求項6に記載された異常検出システムの発明は、ガス使用環境の異常を検出してセキュリティデータを発生するガスメータと、前記ガスメータに接続されて、データを取得するデータ収集装置と、前記データ収集装置と交信して、データを取得する検針端末とが備えられたガスメータ異常検出システムにおいて、前記検針端末が請求項2〜5のいずれか1項に記載の検針端末であることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載されたガスメータ検針端末の発明によれば、ガス使用環境の異常を検出してセキュリティデータを発生するガスメータと、前記ガスメータに接続されて、データを取得するデータ収集装置と、前記データ収集装置と交信して、データを取得する検針端末とが備えられたガスメータ異常検出システムにおいて、前記検針端末が請求項2〜5のいずれか1項に記載の検針端末であるであるので、ガスメータ、データ収集装置及びガス検針端末が有機的に結合されて、ガスの保安点検を効率的に進めることができる。
【発明の効果】
【0022】
上記に説明したように、本発明の実施形態によれば、ガス検針員によるガスメータからの異常データを参考にした、ガス使用状況の定期的なチェックが行われることとなり、ガスの使用環境の安全性を大きく高めることとなる。ガス使用者にとっては、ガス遮断が起こらない程度のガスの異常には、なかなか気がつかないが、本願発明によれば、ガス検針端末にセキュリティデータが収集されるので、ガス遮断に至らないガスメータ異常も確実に認識することができる。特に、従来、セキュリティデータをセンターで集中管理していた場合には、対応は異常データを感知した後に取られることとなるが、本願発明によれば検針員が検針時に定期的にガス使用環境をチェックすることとなるので、事故の予防効果が大きい、さらに、ガス検針員は、ガス検針端末によるガスメータ異常データの解析結果を踏まえてチェックを行うので、ガスメータ異常データの発生に関係する部分の重点的なチェックが行える。また、必要に応じて対応策も表示されるので、高度の訓練を受けたり、深い知識を持たない人もガス検針員として配置することが出来、ガス使用環境の安全性確保がより容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明に係るシステムの実施の形態を示すシステム構成図であり、セキュリティデータを発生するガスメータからデータ収集装置を介して無線でデータを検針用端末に取得して、データの解析を検針用端末で行う。そして、その結果を検針用端末の表示部に表示し、検針員にガスメータ異常を報せる。
【0024】
図2のシステムに於いては、さらに、検針員の訪問を希望する旨を表示するガス使用者の家に宅内スイッチが付設されており、ガスメータが設置された家の宅内に検針員の訪問を希望する際には宅内スイッチを入れることで、データ収集装置を介して、訪問希望のメッセージが検針用端末に表示されるので検針員が、検針時に訪問希望のあった使用者宅を訪れ、使用者からのガス使用に関する相談に乗り、必要であれば宅内のガス器具の安全点検などを行う。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図3に、各種センサを備えたセキュリティデータ発生可能なガスメータを示す。示すブロック図である 図3において、ガスメータは、マイクロコンピュータ( 単に、マイコンともよぶ) 、操作部、表示部 、圧力センサ、流量センサ、感震センサ、I/Oポート メモリ、電磁遮断弁を含んで構成される。これらの操作部、表示部、圧力センサ、流量センサ、感震センサ、及びI/Oポート は、図示しないインターフェースを介してマイコンに接続される。また、電磁遮断弁は図示しない遮断弁駆動部を介してマイコンに接続されている。
【0026】
上記マイコンは、CPU 、メモリを含む。CPU は、メモリ中のROMに格納される制御プログラムにしたがって、基本制御、流量及び圧力検出、電池電圧チェック、並びに後述の本実施形態に関わる制御を実行する。ROMには、基本制御プログラム、流量検出、積算流量計算及び圧力検出のための制御プログラム、電池電圧チェックのためのプログラムや後述の本実施形態に関わる制御プログラム等が予め格納される。メモリ中のRAMは、基本的にCPU が行う処理の過程で発生する変数やデータを一時的に格納するワーキングエリアとして機能する。
【0027】
操作部は、このガスメータを開始又は終了させたり、異常警報を停止させたり、表示部 の表示を変更させたりする指令を入力するためのスイッチ群から構成される。これらの指令は、操作部が手動操作されることによりマイコンに入力される。
【0028】
表示部 は、インターフェースを介してマイコンからの指令を受信し、これに応答して積算流量表示や、感震、ガス漏洩、電池電圧低下等の各種異常警報表示を行う。表示部に含まれるLEDは複数の素子から構成され、これらの発光の組み合わせを変えることで異種の警報を表示することができる。例えば、電磁遮断弁が弁閉状態である時には、全ての素子が所定周期で点滅するようにする。
【0029】
ガスメータにおける、セキュリティデータの発生について説明すると、流量センサは、ガス流路に配設された膜式又は超音波センサ等が利用される。
【0030】
超音波センサの場合、周知のように、超音波振動子間の超音波信号到達時間に基づいて、ガス流路を通過するガスの流速、流量が算出される。流量に関する異常は、ガスの流量が予め定められた値を超えて大きくなったとき、ガス器具の口火使用の登録が無いにも関わらず、微小流量が常時観測されるときなど、想定されるガス使用の状態から乖離している場合にガスの使用状態の異常発生に関連付けられるデータがガスメータ異常データとして発生する。
【0031】
圧力センサは、ガス流による圧力値に応じた電圧を出力してマイコンに供給する公知の圧力検出素子が用いられる。ガス圧に関する異常は、ガス圧力調整器の故障又は、ガス圧力調整器からガスメータに至る配管からのガス漏れなどにより発生する。規定のガス圧からガス圧が予め定められた範囲を超えて乖離したときにガスメータ異常データが発生する。
【0032】
感震センサは、地震等による揺れに応じてオンオフ信号を生成して、インターフェー
スを介してこれをマイコンに供給する公知の感震素子から構成される。マイコンは、例えば、所定時間内に受信したオンオフ信号の回数から揺れ具合を判定して、予め定めれた値を超えた揺れを感震センサが感知したときにセキュリティデータが発生しこの揺れが大きい場合には遮断弁の弁閉制御等の異常処理を行うと共に感震センサの動作経歴すなわち、揺れの大きさとタイムスタンプを感震についてのガスメータ異常データとしてCPUを介してメモリに蓄積される。
【0033】
前記の各センサからの異常データは、マイコンにより日付などを付加されてセキュリティデータとしてメモリに蓄えられ、データ収集装置からの送信要求を受けて、データ収集装置へ送信される。また所定の期間各センサからの異常データの発生が無いということもセキュリティデータとして、メモリに蓄積され、データ収集装置へ送信される。
【0034】
I/Oポート は、データ収集装置のI/Oポートと接続され、データの交換を行う。接続方式は有線でも無線でもよく、無線と有線の組み合わせにより行われてもよい。
【0035】
メモリ中のフラッシュメモリは、マイコンで算出された流量積算値、セキュリティデータ等を格納する。なお、ここに格納されるデータは電池からの電源供給が停止しても保持されるものとする。なお、本発明に係る制御プログラムは、ここに格納されていてもよい。その場合には、制御プログラムが改変されたときは、後述するデータ収集装置及び検針端末を介して新しい制御プログラムがを格納することも出来る。なお、検針端末は公衆通信網などを通じてセンターに接続される場合には、新しい制御プログラムをセンター経由でダウンロードするこも可能である。
【0036】
電磁遮断弁は、弁駆動ソレノイドコイルを含み、このソレノイドコイルの駆動回路である図示しない遮断弁駆動部に接続される。遮断弁駆動部はマイコンに指令されて、ソレノイドコイル駆動信号を生成して、これを電磁遮断弁に供給する。これに応答して電磁遮断弁は、弁開又は弁閉してガス流路が遮断制御される。
【0037】
電池は、マイコンや遮断弁駆動部等の駆動電源となるもので、ガス積算流量を表示部に表示する際の電源としても利用される。図示しないインターフェース部は、マイコンとこれに接続される各構成要素との間の電圧変換機能を有する。
【0038】
次に、図4に示すデータ収集装置について説明をする。データ収集装置には、データ処理を行うCPUを中心にして一つ又は複数のI/Oポート、、メモリ、無線入出力部及び電池が備えられてている。図2の態様では、ガスメータとデータ収集装置は別筐体であるが、ガス検針端末にデータ収集装置を内臓してもよいことはもちろんである。
【0039】
複数のI/Oポートを備えている場合には複数のガスメータとのデータのやり取りが可能となる。その場合は各ガスメータは固有のIDを有しており、ガスメータからのデータには、その固有のIDが付加されているので、データ収集装置においては、各ガスメータを識別して、そのデータをメモリに蓄える。
【0040】
無線入出力部は後述の検針端末との無線交信で検針データを検針端末から要求を受信し、予め蓄えてあるガスメータの検針データ及びセキュリティデータ等を無線で検針端末へ送信するために使われる。そして、電池は、データ収集装置に備えられた構成要素への電源供給源となる。
【0041】
次に、検針用端末について、図5を用いて説明する。図5に示す検針用端末には、データ処理を行うCPUを中心にして、メモリ、操作部、表示部、無線入出力部、外部通報手段、及び、全体に電力を供給する電池が備えられている。
【0042】
CPUは、無線入出力部を介してデータ収集装置とデータのやり取りを行い、外部通報手段を介して、公衆通信網に接続されたセンターとのデータのやり取りを行う。CPUへの指示は、操作部を介して行われ、外部へ情報を報せるために、セキュリティデータやセキュリティデータの解析結果を出力する出力手段を備えている。具体的には、LEDやLCDによる表示部へ必要なデータが表示されたり、ハードコピーが必要な場合には、ガス検針端末に内臓又は外付けのプリンタへデータ送られてデータの印刷が行われる。
【0043】
ここで、検針員の検針及び保安チェックが前記、検針端末を用いてどのように行われるかを検針用端末の処理フローを示す図6を用いて説明する。検針員が、検針業務を開始すると、担当するガスメータに接続されたデータ収集装置の近傍で、検針用端末の操作部が操作され、操作部からの信号が検針用端末のCPUへ送られて、検針用端末のID及び検針員の氏名などが必要に応じて付加されて検針データの要求がデータ収集装置へ無線入出力部を介してデータ収集装置へ送られるステップS1が実行される。無線入出力部を介して検針データの要求を受信したデータ収集装置からは、データ収集装置へ接続されているガスメータの検針データ及びセキュリティデータが、必要に応じて付加されるガスメータのIDなどのデータと共に無線入出力部を介して検針用端末へ送信され、検針用端末はデータ収集装置からの検針データとセキュリティデータを受信するステップS2を実行する。
【0044】
次に、セキュリティデータを受信した検針用端末は先ず、セキュリティデータ中に異常データを受信しているか否かを調べるS3。ここで、異常データが有る場合には、次に述べる異常データの解析のステップS4が実行される。各センサからのセキュリティデータを解析する順番は任意であるので、ここではその一例を示す。
【0045】
異常データは、ガスメータの備えられた各種センサからの出力が予め定められた範囲を超えるなど異常を示すデータとして検針用端末へ送信されるので、検針用端末では、異常データの内容を解析し、その結果を表示して検針員に報せ、必要であれば対応策を表示して(S5)検針員の保安業務を助けることとなる。特に、ガス遮断に至らないガスメータ異常のデータも必要に応じて出力されて、ガス検針員によるガス保安点検に役立たせることができる。
【0046】
異常データの解析フローを図7に示す。実施例においては、ガスメータに備えられたセンサは、流量センサ、圧力センサ及び感震センサであるので、検針用端末においては、順番に各センサからの異常データの内容を調べ異常データに対応した原因と対策を検針端末のメモリに蓄えられたデータベースからリストアップすることとなる。なお、異常データに対応した原因と対策のデータベースがセンターに置かれていて、公衆通信網を介してそれを検針端末が利用してもよいことは、もちろんである。
【0047】
図7に示すフローでは、先ず、流量センサからの異常データの有無が判断される(S21)。流量異常データが有る場合はその内容がさらに調べられる。具体的には、微小なガス流量が常時観測されている場合には、ガス器具の口火による流量か、ガス漏れの可能性がある。そうすると、対応策としては、口火でガスを消費しているガス器具の有無と、ガス漏れの値チェックがリストアップされることとなる。また、季節外れに大きなガス使用量の増加があったときは、家族の増員か新しいガス器具の使用開始が想定されるので、使用者のプライバシーに配慮しつつ使用者への注意喚起が対応策としてリストアップされる(S22)。
【0048】
次に圧力異常の有無が調べられ(S23)、圧力異常は、主にガスボンベとガスメータの間に設置された圧力調整器の異常動作が想定されるので、対応策としては、圧量調整器の再設定、交換などがリストアップされる。また、ガス調整器が正常であれば、ガスボンベのガス残量が少なくなっていることも考えられるので、ガスボンベのチェックもリストアップされる(S24)。
【0049】
次に、感震異常の有無が調べられ(S25)、感震異常の場合は、地震によるものか、通りを通るトラックなどからの振動かをガスメータの置かれた状況を踏まえて判断する必要があり、これはガスメータの置かれた現場でなくては判断が難しいが、検針用端末の処理フローとしては、感震センサからの異常データの持続時間と大きさにより、推定される振動原因をリストアップして(S26)必要に応じて出力する。また、対応策として、大規模振動の場合は、地中配管のチェックなど、ガス会社が専門家を派遣する必要がある。小規模振動の場合は、目視によるガスボンベの支持チェーンの緩み、嗅覚によるガス漏れの有無の判断などがリストアップされ(S26)必要に応じて対応策として出力される。
【0050】
全くセキュリティデータ中に異常データを含んでいない場合は、ガスメータによる異常の検出は無いこととなり、その旨が表示されるが、必要に応じて、検針員の五感による、ガスボンベ、圧量調整器、配管、ガスメータの外観及チェック、及び、異臭、異音の有無などの結果が入力されるステップを含んでも良い(S7)。
【0051】
さらに、表示部に宅内のガス使用者からの訪問希望スイッチが押されている場合はその旨のメッセージが表示されることとなる(S9)。ガス検針員は、その表示を見て、使用者宅を訪問し、使用者の相談にのることができる。
【0052】
最後に、データ送信の指示が検針員から与えられると検針用端末から外部通報手段を通じてガス会社のセンターへ、ガスメータのID,検針員の氏名などと共に、ガス検針データ、セキュリティデータ、検針員により入力された対応策などが送信される(S11)。
【0053】
その後、必要があれば、上記の送信内容を使用者向けに分かり易くしたものをプリントして、郵便受けなどへ入れる、あるいは、手渡しするなどして、ガス使用状態の安全確保への使用者の注意を喚起する(S12)。
【0054】
本願発明は、プロパンガスにおける実施例を説明したが、ガス設備の保安点検が必要な環境であれば、様々なガス使用環境においても有用である。検針端末に大容量のメモリを備えて蓄積データを増やしたり、ネットワーク経由でデータの取り込みが可能な環境を作ることは容易であり、ガスメータ異常データを解析することのできる本願発明のガスメータ検針端末によるガスメータ異常データの解析とその出力は現場でのガスメータ異常への対応を今後、強力に進めるものとなる。特に、本願発明のガス検針端末を用いて、ガス事故につながる異常を現場で事前に見出し、対応することができるのでガス使用環境の安全性向上に大きくつながる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の基本構成を示す構成図である。
【図2】図1の構成に、宅内の訪問希望を報せる訪問希望宅内スイッチを加えた構成図である。
【図3】ガスメータの構成図である。
【図4】データ収集装置の構成図である。
【図5】検針用端末の構成図である。
【図6】検針用端末における処理フロー図である。
【図7】検針用端末における異常データの処理フロー図である。
【図8】従来の、検針用端末の構成図である。
【図9】従来の、ガスメータ異常データの集中管理システムの構成図である。
【図10】プロパンガスの屋外及び屋内設備の構成図である。
【図11】ガスメータの筐体に前面の表示例を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成19年2月1日(2007.2.1)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄

【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男

【識別番号】100075421
【弁理士】
【氏名又は名称】垣内 勇

【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄


【公開番号】 特開2008−190917(P2008−190917A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−23552(P2007−23552)