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【発明の名称】 ガス配管交換方法
【発明者】 【氏名】片桐 滋

【氏名】田内 幸一

【氏名】扇 秀樹

【氏名】長通 宏明

【要約】 【課題】留守宅であっても、管内のガス置換と気密検査を行うことができ、しかも交換工事で使用するガスの費用を需要者負担としないガス配管交換方法を提供すること。

【解決手段】一次側配管7の接続口71とガスメータ10の一次側口金11とを切り離すとともに、一次側配管7の接続口71には接続プラグ21を装着し、ガスメータ10の一次側口金11には、接続キャップ22を装着する。接続プラグ21に開閉弁23を装着して計測装置16に接続し、接続キャップ22に開閉弁24を装着して計測装置16に接続する。一次側配管7において、新管に交換する前に、気密検査工程、空気パージ工程を行った後、一次側配管7内を閉ループにした状態で、本支管1からガスを供給することによって一次側配管7のガス置換を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭内に供給されるガス配管は、ガスメータを間にして、ガス供給源から前記ガスメータまで接続される一次側配管と前記ガスメータから家庭内に接続される二次側配管とに分割され、前記一次側配管の一部を交換するガス配管交換方法において、
前記一次側配管と前記ガスメータとを切り離した状態で、前記一次側配管の前記ガスメータとの接続口に計測装置を接続させて、前記一次側配管内におけるガス配管交換に伴う混入空気をガスに置換するガス置換を行うことを特徴とするガス配管交換方法。
【請求項2】
家庭内に供給されるガス配管は、ガスメータを間にして、ガス供給源から前記ガスメータまで接続される一次側配管と前記ガスメータから家庭内に接続される二次側配管とに分割され、前記一次側配管の一部を交換するガス配管交換方法において、
前記一次側配管と前記ガスメータとを切り離した状態で、前記一次側配管及び前記ガスメータに計測装置を接続させて、管内における気体の漏れが無いかどうかの気密検査を行うことを特徴とするガス配管交換方法。
【請求項3】
前記計測装置には、管内の気体を大気に排出できる開閉弁が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のガス配管交換方法。
【請求項4】
前記計測装置には、管内のガスを回収可能な昇圧キットを備え、前記一次側配管の一部の配管を交換する前に、前記一次側配管内を閉ループにした上で、管内に前記昇圧キットからのガスを供給して、一次側配管における所定の配管以外の配管の気密検査を行う気密検査工程を含むことを特徴とする請求項2又は3記載のガス配管交換方法。
【請求項5】
前記計測装置に接続された前記一次側配管の接続口には前記計測装置を接続する接続プラグを装着し、前記計測装置に接続された前記ガスメータの一次側口金には前記計測装置を接続する接続キャップを装着して、前記計測装置と前記接続キャップとの間に開閉弁を介在させたことを特徴とする請求項3又は4記載のガス配管交換方法。
【請求項6】
前記一次側配管の一部を新管に交換する前に、前記一次側配管内に空気を送り込んで残留ガスを排出する空気パージ工程を含むことを特徴とする請求項1,3又は5のいずれかに記載のガス配管交換方法。
【請求項7】
前記一次側配管の一部を新管に交換した後、前記一次側配管と前記ガスメータとを前記計測装置に接続した状態で、前記ガスメータの一次側口金から混入した空気を、前記二次側配管内の残留ガス圧力によって排出するガスメータ内のガスパージ工程を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載のガス配管交換方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ガスメータの一次側配管として構成する灯内管又は灯外管あるいは本支管から灯外管までのガス供給管等の一部の配管を交換するガス配管交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、本支管から各家庭内までに接続される都市ガスの配管は、本支管から枝分かれして敷地境界線まで延設する供給管と、各家庭内の敷地内地下に埋設されてガス栓まで配管される灯外管と、ガス栓からガスメータを通って家庭内まで配管される灯内管とで構成されている。通常、ガスメータは灯内管の中間部に配置され、ガスメータの上流側では本支管から灯内管の一部まで接続された一次側配管として配管され、ガスメータの下流側では灯内管から家庭内のガス器具に接続された二次側配管として配管されている。
【0003】
この一次側配管の一部、特に、本支管から枝分かれをする供給管又は灯外管の劣化による新管交換工事を行う場合或いは本支管を新規なPE管等に入れ換える入換工事を行う場合、ガス配管内に空気が混入するため、空気を排出する必要があった。従来、この空気の混入は、ガス配管の最終位置、つまり家庭内におけるガス器具を使って排出していた。
【0004】
しかし、最近では、家を留守にしたり家庭内への入室を拒否したりして、家庭内に入ることが困難な状態になってきた。特に、家を留守にしている場合には、住人が帰宅するまで待機する必要があり、入室拒否の場合には、工事そのものが施工できなかった。
【0005】
従来、ガスメータを交換する際において、上記の課題を解決すべき対策が特許文献1及び特許文献2によってなされていた。
【0006】
特許文献1では、住人が留守であっても、ガスメータを新規に交換するとともに屋外で気密検査及びガス置換ができる方法が開示され、また、特許文献2では改良されたガスメータの交換方法が記載されている。
【特許文献1】特開2002−310766公報
【特許文献2】特開2006−145277公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載されている内容は、いずれもガスメータの交換に関するものであるから、新規ガスメータ交換に伴う気密検査及びガス置換は家庭内に接続される二次側配管内で行われることになっていた。つまり、気密検査とガス置換を行うことができる計測装置をガスメータの二次側口金と二次側配管との間に配置して行われるものであった。この場合、ガスメータは新規に交換することからガスメータの指針が回っても需要者負担にはならなかった。
【0008】
ところで、一次側配管の新管交換工事の場合、この場合においても新管を入れ換えることによって管内には空気が混入することになる。そのため空気が混入することによって家庭内のガス器具が即座に点火できないことがあるとともに、点火していたガス器具が失火してしまう可能性があった。特に旧式のガス器具を使用していて一旦燃焼していたものが失火した場合には、供給されたガスが室内に充満する可能性があった。さらに、一次側配管の一部を新管に交換する場合には、ガスメータは既設のもので行うことからガスが通ることによってガスメータが回って指針が進んでしまう。この場合、指針が進んだ分の費用が需要者の負担になることから苦情の要因となっていた。従って、一次側配管の一部を交換する場合でも、ガスメータの指針を回すことなく、特に、家を留守にしている場合には、住人が帰宅するまで待機する必要がなく、また入室拒否の場合であっても工事そのものが施工できるガス配管交換方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、一次側配管の一部の配管を交換する場合に、管内に混入した空気を排出するとともに気密検査を行って気体の漏れがないかどうかを調べ、また、ガスメータの指針を回すことなく交換工事を行うことができるガス配管交換方法を提供することを目的とする。そのために、以下のように行うものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、家庭内に供給されるガス配管は、ガスメータを間にして、ガス供給源から前記ガスメータまで接続される一次側配管と前記ガスメータから家庭内に接続される二次側配管とに分割され、前記一次側配管の一部を交換するガス配管交換方法において、前記一次側配管と前記ガスメータとを切り離した状態で、前記一次側配管の前記ガスメータとの接続口に計測装置を接続させて、前記一次側配管内におけるガス配管交換に伴う混入空気をガスに置換するガス置換を行うことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明では、家庭内に供給されるガス配管は、ガスメータを間にして、ガス供給源から前記ガスメータまで接続される一次側配管と前記ガスメータから家庭内に接続される二次側配管とに分割され、前記一次側配管の一部を交換するガス配管交換方法において、前記一次側配管と前記ガスメータとを切り離した状態で、前記一次側配管及び前記ガスメータに計測装置を接続させて、管内における気体の漏れが無いかどうかの気密検査を行うことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の発明では、前記計測装置には、管内の気体を大気に排出できる開閉弁が配設されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明では、前記計測装置には、管内のガスを回収可能な昇圧キットを備え、前記一次側配管の一部の配管を交換する前に、前記一次側配管内を閉ループにした上で、管内に前記昇圧キットからのガスを供給して、一次側配管における所定の配管以外の配管の気密検査を行う気密検査工程を含むことを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明では、前記計測装置に接続された前記一次側配管の接続口には前記計測装置を接続する接続プラグを装着し、前記計測装置に接続された前記ガスメータの一次側口金には前記計測装置を接続する接続キャップを装着して、前記計測装置と前記接続キャップとの間に開閉弁を介在させたことを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明では、前記一次側配管の一部を新管に交換する前に、前記一次側配管内に空気を送り込んで残留ガスを排出する空気パージ工程を含むことを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の発明では、前記一次側配管の一部を新管に交換した後、前記一次側配管と前記ガスメータとを前記計測装置に接続した状態で、前記ガスメータの一次側口金から混入した空気を、前記二次側配管内の残留ガス圧力によって排出するガスメータ内ガスパージ工程を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本支管からガスメータの一次側口金に接続する一次側配管の一部を新管に交換する場合、切断する前に、まずガスメータを一次側配管の接続口から切り離して計測装置に接続する。そして、交換すべき既設の配管の一部を切断し新管に交換する。新管に交換すると本支管からのガスが一次側配管内に供給され、既設の配管を切断する際に管内に混入した空気が新たに供給されたガスによって押し出され一次側配管から計測装置を通ることになる。計測装置では酸素濃度を計測することによって、供給されたガスで管内に残された空気が完全に押出されたかどうかを確認することができる。酸素濃度が所定の範囲以内であれば、ガス置換が行われたと判定される。これによって一次側配管においては、ガスメータを通すことなくガス置換が行えることから、ガスメータのメータ指針を回すことがない。従って、需要者の負担にはならず、これに対する需要者からの苦情もない。
【0017】
また、本発明は、まずガスメータを一次側配管の接続口から切り離して一次側配管の接続口及びガスメータの一次側口金を計測装置に接続し、新管の交換工事を行った後に、管内の気体の漏れがないかどうかの気密検査を行う。気密検査においては、ガス栓を閉じて二次側配管を含む灯内管を閉ループにした上で灯内管内を昇圧する。昇圧後、所定の時間内で変化がなければ、管内における気体の漏れがないと判定される。従って、一次側配管の一部のガス配管を交換する場合であっても、二次側配管とガスメータとを接続した状態で気密検査を行うことができることから、ガス置換を行った状態で作業をすることができ作業性を低下させることはない。また、屋外での気密検査ができるので、留守宅であったり入室拒否された場合であったりしても工事を終了することができる。
【0018】
また、本発明では、ガス置換や気密検査を行う場合に、計測装置に開閉弁を装着することによって、簡単に管内を閉塞したり開放したりすることができることから、計測装置を一次側配管とガスメータとの間に装着した状態で、各種の作業を手間のかからないように行うことができる。
【0019】
また、この発明では、一次側配管の一部を新管に交換する前に、一次側配管における、交換する配管以外の配管に気体の漏れがないかどうかの一次側配管の気密検査を行う。これは、一次側配管とガスメータとを切り離した後、それぞれ計測装置に接続した状態で、既設配管の切断口から計測装置までを閉ループにし、計測装置の昇圧キットに回収されたガスを管内に供給することによって行われる。所定の時間内で圧力の変化がなければ、気体の漏れがないと判定される。従って、新管を交換する前に一次側配管の気密検査を行うことによって、もし、漏れがある場合には、即座に新たなガス配管に交換することができることから、効率のよいガス配管の交換工事を行うことができる。
【0020】
また、ガスメータには、通常、一次側口金に最も近い位置に磁気遮断弁が配置されていて磁気遮断弁を強制遮断することによって、一次側口金を一次側配管から外してもガスメータ内部の磁気遮断弁から下流側には空気が混入しない。しかし磁気遮断弁は、耐圧が低いことから、例えば、一次側配管内の圧力を上げて気密検査を行う場合に、管内を昇圧させることによって昇圧された気体が弁部から漏洩して二次側配管内へ流入する。この場合ではガスメータの一次側口金から混入した空気が磁気遮断弁を通過してガスメータ内に流入することになる。このため、本発明では、ガスメータの一次側接続口には開閉弁を装着しているから、一次側配管内が昇圧されても、二次側配管側には空気が混入することがない。
【0021】
さらに、この発明では、ガスメータ内の一次側口金から磁気遮断弁までの間に混入した空気をガスに置換するガスパージ工程を行う。つまり、ガス配管交換工事の際に二次側配管とガスメータとは接続した状態にあり、一次側配管とガスメータとは計測器を介して接続されている。つまり、一次側配管の開閉弁を閉じて計測装置の開閉弁を開ける。さらにガスメータの磁気遮断弁を遮断解除することによって、ガスメータの一次側口金から混入した空気は、二次側配管内の残留ガス圧力によって押し出されて計測装置の開閉弁を通って外部に排出される。従って、二次側配管とガスメータとを切り離すことなくガスメータのガス置換を行うことから、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明のガス配管交換方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。第1の形態は、一戸住宅の屋外に配置されたガスメータに接続する一次側配管側における一部の配管(実施形態では灯外管の一部で説明)を交換することについて説明する。
【0023】
図1〜2に示すように、家庭内に供給される都市ガスは、敷地外に埋設された本支管1、本支管1から敷地境界線L内まで配管される供給管2、敷地内に埋設されてガス栓4まで接続された灯外管3、ガス栓4からガスメータ10を通り家庭内のガス器具5に接続される灯内管6を通ってガス器具5に供給されている。
【0024】
ガスメータ10には、上面に、一次側口金11と二次側口金12とが形成され、一次側口金11にはガス供給源(本支管1)からガス栓4を介して一次側配管7が接続され、二次側口金には屋内に配置される各種のガス器具5に配管する二次側配管8が接続されている。
【0025】
なお、一次側配管7からガスメータ10の一次側口金11を切り離した後、図2に示すように、一次側配管7の接続口71とガスメータ10の一次側口金11とは、Y字状に形成された計測装置用ホース15を介して計測装置16に接続することができる。計測装置16は、酸素濃度の計測や管内の圧力変動の計測等の実行またはそれらの結果を記録できる測定器17と、管内のガスや空気を回収するガス回収バッグ(以下、昇圧キットという。)18と、を備えている。又、測定器17には開閉バルブ19が配置され、昇圧キット18には昇圧キット用開閉バルブ20が配置されている。
【0026】
次に、灯外管3の一部の配管を交換する工事の手順について説明する。
【0027】
まず、新管交換工程の前に準備工程を行う。準備工程において、測定器17内に配置された開閉バルブ21を開く。昇圧キット18の昇圧キット用開閉バルブ19は「閉」の状態にしておく。又、一次側配管7と二次側配管8とは、一次側配管の接続口からガスメータ10の一次側口金11を取り外した際に、2管の距離がずれる虞がある場合には、図示しない2管固定装置(特開2006-170711参照)で固定をしておく。そして、ガス栓4を閉じる。
【0028】
ガスメータ10には、遮断磁石25(図4参照)または復帰ボタン13aを操作することによって開閉可能に構成された磁気遮断弁13が配置されている。この時点で、磁気遮断弁13付近に遮断磁石25を当てることによって磁気遮断弁13を強制遮断する。磁気遮断弁13を閉じた後、ガスメータ10の一次側口金11を一次側配管7の接続口71より切り離す。
【0029】
ガスメータ10の一次側口金11を切り離すと、一次側配管7の接続口71には接続プラグ21を装着し、ガスメータ10の一次側口金11には、接続キャップ22を装着する。接続プラグ21は、一次側配管7の接続口71を塞ぐように装着されるとともに、計測装置16に配管する計測装置用ホース15と接続している。また、接続プラグ21には開閉弁23が装着されている。
【0030】
接続キャップ22は、図2〜3に示すように、ガスメータ10の一次側口金11の開口部を塞ぐように装着するとともに、開閉弁24を介して計測装置用ホース15と接続している。これによって、接続プラグ21及び接続キャップ22は計測装置16に接続されることとなる。
【0031】
この状態において、計測器17には、メータ型式や号数或いは指針等の必要な事項の入力をしておく。そして、計測器17の開閉バルブ19を閉じ、ガス栓4を開いた上で、昇圧キット用開閉バルブ20を開いて供給ガスを昇圧キット18内に取り込む。昇圧キット18はガスの流入によって膨潤可能に形成されているため、所定の膨らみ(所定の圧力)に達したら、昇圧キット用開閉バルブ20を閉じる。
【0032】
そして、計測器17の開閉バルブ19を開けた後、交換する対象となっている灯外管3の一部を切断撤去する。もちろん地面は掘削されて切断撤去できる状態にある。
【0033】
切断撤去して残された灯外管3の切断口には、図示しない閉塞プラグを装着して切断口を塞ぐ。計測器17の開閉バルブ19を閉じた後、昇圧キット用バルブ20を開いて昇圧キット18を圧縮すると、昇圧キット18内のガスが管内に流れ管内を昇圧(例えば、約5.0kPa以上)させる。昇圧後に昇圧キット用バルブ20を閉じる。そして計測器17を実行して一次側配管(灯外管)7内の気密検査を行う。この気密検査は、灯外管3における切断撤去部分以外の配管部分に腐食或いは劣化による漏れがないかどうかを検査するものであり、昇圧状態において数分間昇圧状態を維持できれば合格と判定するものである。もちろん漏れが確認されたら、漏れの部分を探して同時に交換工事を行う。この結果は、計測器17に記録されることになる。この際、接続キャップ22の開閉弁24が閉じていることを確認する必要がある。ガスメータ10の磁気遮断弁13は耐圧が低いため、5.0kPaでは、弁部から漏洩することとなり、一次配管側の7内のガスが二次側配管8内に流れ込む虞を生じる事から、開閉弁24を閉じることによって、二次側配管8に流れることを防止する。
【0034】
そして、昇圧キット用バルブ20を開いて昇圧キット18に管内のガスを回収することになる。昇圧キット18が所定の膨らみ(所定の圧力)に達したら昇圧キット用バルブ20を閉じる。
【0035】
次にガスメータ10内のガスパージ工程を行う。このガスパージ工程は、ガスメータ10の磁気遮断弁13以降のガス残圧を使用して磁気遮断弁13からガスメータ10の一次側口金11までの空気を外部に排出するものである。つまり、まず計測器17の開閉バルブ19を開いて接続キャップ22から計測器17までの管内を大気圧にする。その後、一次側配管7の接続口71に装着された接続プラグ21の開閉弁23を閉じて、ガスメータ10側の接続キャップ22に装着された開閉弁24を開く。さらに、計測器17の開閉バルブ19を閉じて二次側配管8を計測器17まで連接して管内を閉ループにする。
【0036】
磁気遮断弁13の復帰ボタン13aを押すことによって磁気遮断弁13が開き、磁気遮断弁13が開くことによって、ガスメータ10の一次側口金11を一次側配管7の接続口71から切り離した際にガスメータ10の一次側口金11内から磁気遮断弁13までに混入した空気を、計測装置用ホース15に送ることができる。そして、計測器17の開閉バルブ19を開けることによって、計測装置用ホース15内に送られた空気は、計測器17内に設けられている脱臭機能によって無臭で外部に排出することになる。この際、計測器17を実行することによって計測器17の指針が大気圧であることを確認する。そして、接続キャップ22の開閉弁24を閉じて計測器17への通路を遮断する。
【0037】
ガスメータ10内のガスパージ工程が終了すると、新管を交換する前に接続プラグ21の開閉弁23を開いて灯外管3内の空気パージ工程を行う。この状態では、灯外管3を含む一次側配管7は計測器17に通じていて、二次側配管8は計測器17とは遮断されている。この空気パージ工程は、新管に交換するために切断撤去された切断口(実際には切断口に装着された図示しない閉塞プラグ)に図示しない手動ポンプを接続し、切断口から一次側配管内に空気を供給することによって管内に残されている残留ガスを外部に排出するものである。これは、計測器17で酸素濃度を測定する際、切断撤去する際に混入した空気が管内に残っているにもかかわらず、残留ガスを検知することによって合格の判定を降すという誤動作を防止するために、一旦管内の残留ガスを全て排出するものである。
【0038】
切断口から空気を供給し、計測器17で酸素濃度を計測する。所定の酸素濃度以上であれば、管内の残留ガスは排出されたと判定する。残留ガスが排出されれば、計測器17の開閉バルブ19を閉じ、切断口の閉塞プラグを外して新管を取付ける。
【0039】
この状態では、前工程の空気パージ工程により一次側配管7内には空気が混入されている。また、二次側配管8内には、前述のガスメータ10内のガスパージ工程によってガスが充満されている。従って、次に、一次側配管7内においてガスパージ工程を行う。ここで、計測器17には、再びメータ型式・号数・指針を入力しておく。
【0040】
新管を取付けることによって、一次側配管7には新たに本支管1からガスが供給される。ガスは一次側配管7内の空気を押し出しながら一次側配管7の接続口71から接続プラグ21を通って計測器17に向かって送られる。計測器17の開閉バルブ19を開けることによって管内の空気は大気に排出される。そして、計測器17を実行することによって、所定以下の酸素濃度(例えば、酸素濃度0.9%以下)が所定の時間経過して変わりなければ、空気は大気に排出されたことになり、その時点で、計測器17の開閉バルブ19を閉じることによって、ガスの大気への排出を停止させる。これによって、一次側配管7内はガスで充満されることとなる。二次側配管8内では、ガスが充満されていることから、本支管1から家庭内のガス器具5までがガスで充満されていることになる。
【0041】
次に二次側配管8内の気密検査を行う。接続キャップ22の開閉弁24を開け、ガスメータ10の復帰ボタン13を押して磁気遮断弁13が開くことによって磁気遮断弁13の遮断を解除する。接続プラグ21の開閉弁23と接続キャップ22の開閉弁24は共に開いているから、磁気遮断弁13を開通させることによって一次側配管7と二次側配管8とは連通することになり、一次側配管7内のガスはガスメータ10を通って二次側配管8内に供給される。
【0042】
ガス栓4を閉じて本支管1からの供給ガスを遮断した後、昇圧キット18の昇圧キット用開閉バルブ20を開ける。昇圧キット18はガスが回収されていて膨らんだ状態にあるから、昇圧キットを圧縮することによって、ガス栓4より下流側の一次側配管7及び二次側配管8内の圧力が上がる。昇圧後、昇圧キット用開閉バルブ20を閉じておく。
【0043】
この圧力は、例えば、約3.0kPa以上とする。計測器17を実行させて、例えば、3.0〜3.5KPaを所定時間経過させて変化なければ、二次側配管8内では漏れがないと判断し、合格の判定が表示される。
【0044】
磁気遮断弁13が解除されている(開いている状態)ことを確認した上で、訂正がなければ計測器17で登録し、その後、計測器17の開閉バルブ19を開け、昇圧キット用開閉バルブ22を開けて昇圧キット18を圧縮して残りのガスを大気に排出する。これによって、管内の圧力を大気圧まで降圧する。ガスが排出されると昇圧キット用バルブ20を閉じる。
【0045】
次に、磁気遮断弁13を遮断させた後、管内の圧力が大気圧であることを確認し、計測装置用ホース15を取り外す。そして、接続プラグ21、接続キャップ22を夫々取り外してガスメータ10の一次側口金11を一次側配管7の接続口71に接続する。この際、必要なパッキンを新規に取り換える。ガス栓4を開き、ガスメータ10の磁気遮断弁13を開通させてガス配管の交換工事を終了する。
【0046】
上述のように、実施形態のガス配管交換方法では、本支管1から接続される一次側配管7内で配管の交換工事を行う際、一次側配管7とガスメータ10とを切り離して、一次側配管7とガスメータ10とをそれぞれ計測装置16に接続する。これによって、本支管1と家庭内のガス器具5とを一次側配管7、計測装置16、二次側配管8と順に接続することになる。そして、一次側配管7と計測装置16との間及びガスメータと計測装置16との間、さらに計測装置と大気との間にそれぞれ開閉弁を装着することによって、一次側配管7内のガス置換や気密検査或いは一次側配管7と二次側配管8を含めた気密検査を行うことができる。
【0047】
これによって、本支管1から一次側配管の接続口の間の既設の配管を新管に交換する際、付帯するガス置換パージ作業・気密検査を屋外で行うことができ、留守宅であっても帰宅するまで待機することなく、また入室拒否されても交換工事を行うことができるとともに、ガス器具を安全に使用することができる。しかも、ガス置換を行う際に、ガスメータ10を通さずに行えることから、ガスメータ10の指針を回すことなくそのために需要者への費用を発生させない。
【0048】
さらに、ガスメータ10と計測装置16との間に開閉弁24を設けることによって、一次側配管7内を昇圧しても開閉弁を閉じておけば、昇圧されたガスがガスメータ10内への流入を防止することができる。
【0049】
また、ガスメータ10には磁気遮断弁13が配置されていて、一次側口金11と磁気遮断弁13との間には、ガスメータ10を一次側配管7から切り離す際に、空気が混入する。この空気の混入は、ガスメータ10を一次側配管7から遮断した状態で二次側配管8内の残留ガスを計測装置16から大気側に排出させることによって、ガスメータ10内のガス置換を行える。そのため、従来、ガスメータ交換作業で行われていたような二次側配管8とガスメータ10とを切り離すことなく、ガス置換と気密検査を行えることになって、作業性を低下させることなく効率のよい作業を行うことができる。
【0050】
さらに、一次側配管7の接続口71に測定器17と昇圧キット18を備えた計測装置16を接続することによって、閉ループを形成した一次側配管7内での気密検査を行うことができる。
【0051】
また、既設の配管を切断撤去して新管を取り付ける前には、切断口から新たに空気を導入することによって一次側配管7内の残留ガスを排出するようにしている。このため、残留ガスの上流側に空気があっても、計測器17を実行する際に、検知された残留ガスを新たに供給されたガスと間違えて合格とする計測器17の誤動作を防止することができる。
【0052】
なお、一次側配管7において、新管に交換するガス配管は、本支管1であってもよく、供給管2又は灯外管3のいずれでも良い。さらに、ガス栓4とガスメータ10との間の灯内管6であっても同様に交換することは可能である。
【0053】
また、本発明のガス配管交換方法は、上記の形態に限定するものではない。例えば、第2の形態として、図5に示すように、集合住宅においても同様に行うことができる。集合住宅では、灯外管3から接続されるガス栓26は、各戸別に配置されるガス栓4より大容量のものが使用され、ガス栓26から各戸に分岐されている。この大容量のガス栓26に一番近いところのガスメータ10を使用して、前述と同様の作用を行えば、集合住宅の場合であっても、本支管1から灯外管3までの既設の配管を新管に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】一戸住宅に配管されるガス配管の一形態を示す簡略図である。
【図2】一次側配管とガスメータを切り離して夫々計測装置に連結した状態を示す斜視図である。
【図3】接続キャップを示す一部正面断面図である。
【図4】ガスメータの磁気遮断弁を遮断解除するための作用図である。
【図5】集合住宅における一次側配管の一部を示す簡略図である。
【符号の説明】
【0055】
1、本支管
2、供給管
3、灯外管
4、ガス栓
5、ガス器具
6、灯内管
7、一次側配管
71、接続口
8、二次側配管
10、ガスメータ
11、一次側口金
12、二次側口金
13、磁気遮断弁
15、計測装置用ホース
16、計測装置
17、測定器
18、昇圧キット
19、開閉バルブ
20、昇圧キット用開閉バルブ
21、接続プラグ
22、接続キャップ
23、開閉弁
24、開閉弁
26、ガス栓


【出願人】 【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
【識別番号】591031142
【氏名又は名称】アサヒ精機株式会社
【出願日】 平成19年2月1日(2007.2.1)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫


【公開番号】 特開2008−190915(P2008−190915A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−23513(P2007−23513)