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【発明の名称】 流量計測装置
【発明者】 【氏名】江口 修

【氏名】黄地 謙三

【要約】 【課題】オフセット量を測定し、それ以降の流量計測から減算キャンセルすることにより流量計測精度の高い流量計測装置を提供する。

【解決手段】流量検出手段2の測定流量値が所定時間継続してガス使用機器の最小使用流量以下である場合には、流路開閉手段1を閉じて流量をゼロにした状態で流量検出手段2の測定流量値の変動より、漏洩またはオフセットの判定を行なう。これによって、適切なタイミングで漏洩及びオフセット量の計測が精度よく行なうことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を開閉する流路開閉手段と、流体の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段の測定値が所定時間継続して、所定流量値以下の際に前記流路開閉手段を閉じて前記流量検出手段の測定値より漏洩判断を行う制御手段とを備えた流量計測装置において、
前記制御手段は前記流路開閉手段を閉じ漏洩判断時に複数回の測定値の平均値を求め、前記流路開閉手段を開き流量計測を再開した際の前記流量検出手段の測定値から前記平均値を減算するようにした流量計測装置。
【請求項2】
制御手段は流路開閉手段を閉じ漏洩判断時に流量検出手段の測定値の変動が所定の幅内である場合、前記流路開閉手段を少なくとも1回は再度閉制御するようにした請求項1に記載の流量計測装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はガスなどの流量を計測する流量計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の流量計測装置は図5に示すように流体管路6の一部に熱式のフローセンサのような流量検出部2を備え、制御手段7の信号によって流量計測を開始し、その出力信号を信号処理手段10で増幅あるいはデジタル化し、流量算出手段4により流量を算出する。このように電子的に流量を計測する際、流路を流れる実際の流量がゼロでも信号処理手段10を構成する電子部品の様々な要因(特性、バラツキ、温度変化、経年変化等)により、その流量算出結果がある値(オフセット量)を示すことがある。
【0003】
この値は本来の流量値に上乗せされて出力され、その値自体が誤差となり流量計測の精度を低下させる。そのため、これを補正し精度を確保するために一般に流路の上流側に設けられる流路開閉手段1を閉じて流路の流量をゼロにして計測した流量測定値を、以後(流路開閉手段を開に戻した状態)の流量測定値からキャンセルしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば家庭用のガス消費量を計量するガスメーターでは、ガスメーターとガス使用器具との間で漏洩が発生する場合がある。このような漏洩がある場合、ある流量計測値が継続して検知され前記のオフセットが発生している状態との区別がつかなくなる。漏洩が発生している場合には、それを検知し早急に流路開閉手段を閉じガスの供給を停止する必要があり、逆にオフセットが発生している場合にはガスの使用は継続して出来るものの、流量計測の精度を確保するため、オフセット量を測定し以降の流量計測からキャンセルする必要がある。また、このようなオフセット量の測定はガスが不使用で流量ゼロの時に実行する必要があるので、その実行には適切なタイミングを計り行う必要がある。このように漏洩の発生か、オフセットの発生かを正しく適切な時期に判定し、それぞれに応じた処理を行うことが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、流路を開閉する流路開閉手段と、流体の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段の測定値が所定時間継続して所定流量値以下の際に前記流路開閉手段を閉じて前記流量検出手段の測定値より漏洩判断を行う制御手段とを有した流量計測装置において、前記制御手段は前記流路開閉手段を閉じ漏洩判断時に複数回の測定値の平均値を求め、前記流路開閉手段を開き流量計測を再開した際の前記流量検出手段の測定値から前記平均値を減算するようにしたものである。
【0006】
上記発明によれば所定時間以上、一般のガス使用機器の最小使用流量(種火等)以下の流量値が、計測された場合に流路開閉手段を閉じて流量をゼロにした状態で漏洩またはオフセットの判定を行うものであり、適切なタイミングで漏洩及びオフセット量の計測が精度よく行え以降の流量測定において回路のオフセット量をキャンセル出来、流量計測の精度を向上することが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の流量計測装置によれば、流量検出手段の測定値が所定時間以上、所定流量値以下の際に流路開閉手段を閉後、流量検出手段からの流量値に大きな変化がない場合に平均算出手段により、複数回の平均値を求めこの平均値をオフセット量とし、以降の計測した
流量値を補正することで流量計測の精度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る流量計測装置は、流路を開閉する流路開閉手段と、流体の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段の測定値が所定時間継続して所定流量値以下の際に前記流路開閉手段を閉じて前記流量検出手段の測定値より漏洩判断を行う制御手段とを有し、前記制御手段は前記流路開閉手段を閉じ漏洩判断時に複数回の測定値の平均値を求め、この平均値を前記流路開閉手段を開き流量計測を再開した際の前記流量検出手段の測定値から減算するようにしたものである。そして、流量ゼロ時の平均値を用いてオフセットの補正を行うことにより、流量計測の精度を確保することができる。
【0009】
また、制御手段は流路開閉手段を閉じ漏洩判断時に流量検出手段の測定値の変動が所定の幅内である場合、流路開閉手段を少なくとも1回は再度閉制御するようにすることにより、漏洩判定時の流量にほとんど変化がない場合に再度流路開閉手段を閉じることで、何らかの原因で流路開閉手段が閉じいままでオフセット量を計測し、それにより以降の流量計測の精度を低下させることを防ぐことができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の流量計測装置を説明する上で必要な基本構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、流路6の途中に超音波を送信する第1送受信器21と受信する第2送受信器22が流れ方向に配置されている。23は第1送受信器21への送信手段、24は第2送受信器22で受信した信号の増幅手段で、この増幅された信号は基準信号と比較手段25で比較され、基準信号以上の信号が検出されたとき予め設定された回数だけ繰り返し手段27により、制御手段7を通じて送信手段23で超音波信号を繰り返し発信する。そして繰り返し手段27の予め設定された回数が繰り返されたときの時間をタイマカウンタのような第1計時手段28で求める。
【0013】
次に切操手段26で第1送受信器21と第2送受信器22の送受信を切り換えて、第2送受信器22から第1送受信器21すなわち下流から上流に向かって超音波信号を送信し、この送信を前述のように繰り返し、その時間を計時する。そしてその時間差から流路の大きさや流れの状態を考慮して流量算出手段29で流量値を求める(前記第1送受信器21から流量算出手段29により流量検出手段を構成している)。
【0014】
さらに制御手段4では、検出された流量値と設定記憶手段5に記憶されている設定値とを比較し、流量値が設定値以下であれば第2計時手段3が計時する時間を基に流量値が設定値以下の継続時間を計測する。そしてこの継続時間が予め設定された時間(例えば10日間)以上あったか否かを判定する。設定記憶手段5が記憶する設定値をガス使用機器の最小使用流量(種火等、都市ガスで20〜30L/h)以下に設定し、設定時間以上継続して前記設定流量以下であった場合、流量計測装置よりガス使用機器側で、機器の正常な使用流量以下の微量の漏れの発生もしくはオフセットが発生している可能性がある。
【0015】
そこで制御手段4ではこの様な場合、流量開閉手段1を閉じて流量算出手段29の流量値の変化を監視し、漏れまたはオフセット発生を判定する。これはガスの漏洩が発生している場合、図2に示すように流量開閉手段1を閉じた後は流量算出手段29の検知する流量値が次第に減少し最終的にほぼゼロとなり、オフセットの場合、流量開閉手段1を閉じ
た後でも流量算出手段29の検知する流量には変化がほとんど見られないことより、ガス漏洩とオフセット発生を判定している。制御手段4ではガス漏洩と判定した場合には流路開閉手段1を閉じたまま、漏洩である旨を本体の表示または報知手段等により報知し、オフセット発生であれば流量開閉手段1を閉じた後、算出した流量値をオフセット量として、以降の流量算出値より減算して流量計測の精度を確保する。つまり前述したように、漏洩の発生か、オフセットの発生かを正しく判定し、それぞれに応じた処理を行うことができる。
【0016】
図3は本実施の形態の流量計測装置のブロック図である。前記基本構成と異なるところは、流路開閉手段1よりガス使用機器側に圧力センサ7を設けた点にある。すなわち、前記基本構成のように設定時間以上継続して設定記憶手段5に記憶されている設定流量以下であった場合、制御手段4は流路開閉手段1を閉じ圧力センサ7の出力を監視する。圧力センサ7の出力はガスの漏洩が発生している場合、流量開閉手段1を閉じた後は次第に減少し最終的に大気圧程度になる。漏洩がなくオフセットである場合、流量開閉手段1を閉じた後でも圧力センサ7の出力はほとんど変化しない。これらのことより制御手段4は漏洩とオフセット発生を判定し、漏洩と判定した場合には流路開閉手段1を閉じたまま、漏洩である旨を本体の表示または報知手段等により報知し、オフセット発生であれば流量開閉手段1を閉じた後の流量値をオフセット量として、以降の流量計測値より減算して流量計測の精度を確保する。
【0017】
このように漏洩の発生か、オフセットの発生かを正しく判定し、それぞれに応じた処理を行うことができる。
【0018】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2の流量計測装置のブロック図である。実施の形態1と異なるところは、漏洩判断時に流量算出手段の複数回の流量値の平均値を算出する平均算出手段8を設けた点にある。すなわち、実施の形態1のように設定時間以上継続して設定記憶手段5に記憶されている設定流量以下であった場合、制御手段4は流路開閉手段1を閉じ流量算出手段29の流量値を監視し、漏洩またはオフセット発生を判定する。流量開閉手段1を閉じた後でも流量算出手段29の検知する流量には変化がほとんど見られない場合、平均算出手段8により複数回の流量算出値の平均値を求める。そしてこの平均値をオフセット量として、以降の流量算出値より減算して流量計測の精度を確保する。また、実施の形態1と同様に流量開閉手段1を閉じた後、流量値が減少し漏洩と判断した場合には漏洩である旨を本体の表示または報知手段等により報知する。このように漏洩か、オフセットの発生かを正しく判定し、それぞれに応じた処理を行うことができる。
【0019】
そして、設定時間以上継続して設定記憶手段5に記憶されている設定流量以下であった場合、制御手段4は流路開閉手段1を閉じ流量算出手段29の流量値を監視し、流量算出手段29の算出する流量に変化がほとんど見られない場合、制御手段4が再度流路開閉手段1を閉制御するところである。
【0020】
このように流路開閉手段1を閉じ漏洩の判定中、流量にほとんど変化がない場合、何らかの機構的な要因で流路開閉手段1が完全に閉じなかったことが考えられる。つまり、何らかの機構的な要因で流路開閉手段1が閉じなかった場合に制御手段4により再度、閉制御することで確実に流路開閉手段1を閉じようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における流量計測装置を説明するための基本構成を示すブロック図
【図2】同流量計測装置における流路開閉手段閉時の流量特性図
【図3】本発明の実施の形態1における流量計測装置のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における流量計測装置のブロック図
【図5】従来の流量計測装置のブロック図
【符号の説明】
【0022】
1 流路開閉手段
2 流量検出手段
3 第2計時手段
4 制御手段
5 設定記憶手段
6 流路
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−180741(P2008−180741A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2008−113578(P2008−113578)