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【発明の名称】 流量計測装置およびそのプログラム
【発明者】 【氏名】賀門 健一

【氏名】梅景 康裕

【氏名】宮田 肇

【氏名】伊藤 陽一

【要約】 【課題】動作したガス器具を判別するための判別情報を登録する作業は、登録者に煩雑とっては煩雑であるとともに、余計なガスを消費してしまう。

【解決手段】ガス流量を計測する流量計測手段3と、器具情報記憶手段と、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記計測の度に計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)と前記時刻a後、前記差分値の絶対値が前記閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を計算する第2の演算手段と、前記流量計測手段の下流に接続されるガス器具が1台で動作させた時の前記流量差若しくは、前記差分値を前記器具情報記憶手段に登録する登録手段と、前記登録手段が、前記器具情報記憶手段への登録が完了すると報知する報知手段とを備える構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、器具情報記憶手段と、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記流量計測手段の計測ごとに計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)と時刻a後において前記差分値の絶対値が前記閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を計算する第2の演算手段と、前記流量計測手段の下流に接続されるガス器具が1台で動作させた時の前記流量差若しくは、前記差分値を前記器具情報記憶手段に登録する登録手段と、前記登録手段が、前記器具情報記憶手段への登録が完了すると報知する報知手段とを備える流量計側装置。
【請求項2】
前記報知手段とは、音声または、音データを再生することで登録完了を報知する請求項1に記載の流量計測装置。
【請求項3】
前記流量計測装置は、前記流量計測手段の下流側の流量を遮断する遮断手段を備え、前記報知手段とは、前記登録が完了すると前記遮断手段を使って、前記下流側への流量を一定時間遮断することで前記登録者に前記登録が完了したことを報知する請求項1に記載の流量計測装置。
【請求項4】
前記流量計測装置は、下流に接続される前記ガス器具自身が報知するエラー通知によって前記登録者に前記登録が完了したことを報知する請求項3に記載の流量計測装置。
【請求項5】
流量計測手段は、瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた請求項1〜4のいずれか1項に記載の流量計測装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の流量計測装置の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、各家庭でのガス供給管の入り口部分に設置され、ガス流量を計測するガスメータにおいて、ガス器具別料金等の使用器具やその使い方に合わせた新料金やサービスを提供するために使用中のガス器具を判別検知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の流量計測装置の事例としては、以下に示すような構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般的に各家庭にはガス供給ラインの入り口にガスの流量計を内蔵したガスメータが取り付けられている。
【0004】
従来のガスメータにおいて器具別料金を実施する場合、ガスメータに接続された複数の積算装置を用い、特定の時間使用された場合の積算流量や特定の範囲の流量が使用されている場合の積算値を求め、すなわち時間区分別流量や流量区分別流量を求め、その積算値でもって料金体系を決めるものである。図8をもとに料金体系の1例について説明を加える。予め所定の割引流量区分、及び所定の割引時間帯を設定し、その割引流量区分かつ割引時間帯に該当する流量のガス料金を割引対象とする。すなわち図8の斜線で区分された部分が対象となる。しかしながら、この方法では、器具の特定判断が曖昧であり、特定器具に対して料金を課金する等のより消費者にわかりやすく利便性のある料金設定を行うことは困難である。そこで、特定の器具を判別するための方法として、以下に示すような提案がなされている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
提案例の動作について説明する。図8には、あるガス器具の起動時のガス流量変化パターンとそのパターンをもとにパターンマッチングを行うための参照値(パターンテーブル)を示す。1つのガス器具についてこのパターンテーブルはガス器具の燃焼制御に伴って発生する一連のガスの流量変化パターン分用意する必要があり、また各家庭で使われているガス器具の総台数分必要になる。ガスメータの流量計測装置により計測された流量値の変化とこれらのパターンテーブルを常に比較しながらマッチングするものを抽出し、器具を特定するものである。
【特許文献1】特開2002−71421号公報
【特許文献2】特開2003−149027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、世の中にはあらゆる種類のガス器具が存在するため、そして、ユーザが使用するガス器具を予め知っておくことができないために予め全ガス器具を判別するためのガス流量変化パターンをパターンテーブル(記憶手段)に記憶させておかなくてはいけない。
【0007】
また、流量計測装置をユーザ宅に設置する際に、ユーザが保有する器具について判別を行うための判別情報(従来例でいうと、ガス流量パターン)を流量計測装置で収集する方法が容易に考えられる。しかしガス器具多くは、宅内に有ることが多く、更に流量計測装置はガス使用量を点検員が収集する必要があるので、用意に収集できるように宅外、もっといえば宅地に入らなくてもすむような道路に面したところに設置されていることが多い。
【0008】
そうすると、判別を行うための判別情報を収集する登録作業を行うために、宅外に流量計測装置を操作する人と、宅内にいてガス器具を操作する人の2人必要となる。これは、ガス事業者から見るとコストがかかることになる。
【0009】
更に、流量計測装置は、通常流量を計測することが通常の機能であるため、上記判別を行うための判別情報を登録させるような動作をさせようとした場合には、流量計測装置に対してある特別な状態にさせる必要がある。そのため、1人でこの登録作業を行おうとすると、登録を行う登録者は、まず(1)宅外にある流量計測装置を登録が行える状態に移行させ、それから、(2)宅内に戻りガス器具を動作させてガス器具が点火されたことを確認し、そして、(3)更に宅外へ行き流量計測装置に正しく判別情報が登録されたか確認し、最後に、(4)宅内に戻ってガス器具を停止させる必要がある。
【0010】
これは、登録者にとってかなり煩雑であり、やはり複数人で作業した方が効率的であるといえる。そして、登録者が(3)の作業を行っている間には登録は完了していることになるので、登録者が(4)の作業を行っている間は、無駄にガスが燃焼していることになり、ユーザにとって、無駄なガスをガス事業者から請求されることになってしまう。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、1人の登録者で流量計測装置に判別を行うための判別情報を登録する登録作業を行う場合でも、登録者にとって煩雑でなく、且つ、無駄なガス消費をなくす流量計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、器具情報記憶手段と、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記計測の度に計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)と前記時刻a後、前記差分値の絶対値が前記閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を計算する第2の演算手段と、前記流量計測手段の下流に接続されるガス器具が1台で動作させた時の前記流量差若しくは、前記差分値を前記器具情報記憶手段に登録する登録手段と、前記登録手段が、前記器具情報記憶手段への登録が完了すると報知する報知手段とを備えるようにしたものである。
【0013】
これによって、流量計測装置に自信の下流に接続されるガス器具の動作を判別させるための情報を1人の登録者で登録しようとした場合に、わざわざ宅外に赴いて判別情報である前記ガス器具が1台で動作させた時の前記流量値若しくは、前記差分値が、流量計測装置の前記器具情報記憶手段に登録されているか確認しなくても報知手段によって登録者が認識することができるので、登録者が上述の(3)、(4)の作業を行うために宅内、宅外を移動することを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の流量計測装置は、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、器具情報記憶手段と、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記計測の度に計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)と前記時刻a後、前記差分値の絶対値が前記閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を計算する第2の演算手段と、前記流量計測手段の下流に接続されるガス器具が1台で動作させた時の前記流量差若しくは、前記差分値を前記器具情報記憶手段に登録する登録手段と、前記登録手段が、前記器具情報記憶手段への登録が完了すると報知する報知手段とを備えるようにしたものである。
【0015】
これによって、流量計測装置に、自身の下流に接続されるガス器具の動作を判別させるための情報を1人の登録者で登録しようとした場合に、わざわざ宅外に赴いて判別情報である前記ガス器具が1台で動作させた時の前記流量値若しくは、前記差分値が、流量計測装置の前記器具情報記憶手段に登録されているか確認しなくても報知手段によって登録者が認識することができるので、登録者が上述の(3)、(4)の作業を行うために宅内、宅外を移動することを回避することができる。
【0016】
第2の発明は、請求項1に記載の報知手段とは、音声または、音データを再生することで登録完了を報知することによって、以下の効果をえることができる。
【0017】
それは、宅外にある流量計測装置から距離を隔てた宅内にあるガス器具付近にいる登録者が、音声によって判別情報が登録されたことを確認することができるので、登録者が上述の(3)、(4)の作業を行うために宅内、宅外を移動することを回避することができ、登録者が感じる煩雑を軽減することができる。また、登録者が確認するために移動する間の無駄なガスの消費をなくすこともできる。
【0018】
第3の発明は、請求項1に記載の流量計測装置は、前記流量計測手段の下流側の流量を遮断する遮断手段を備え、前記報知手段とは、前記登録が完了すると前記遮断手段を使って、前記下流側への流量を一定時間遮断することで前記登録者に前記登録が完了したことを報知することによって、以下の効果をえることができる。
【0019】
それは、前記器具情報記憶手段に判別情報を登録する際には、必ず登録を行いたいガス器具を動作させてガスを燃焼させる。だから、前記遮断手段によって判別情報の登録が完了するとガスを遮断すれば、登録を行いたいガス器具へのガス供給も停止するので、登録者が失火を確認すれば、登録作業が完了したことが確認することができるので、流量計測装置に音声や音データなどを記憶させる必要がなくなる。
【0020】
また、既存の流量計測装置には、現状ガス漏れ時や異常使用時の対策の為に、遮断手段が内蔵されているので、既存の流量計測装置に対して特別な変更を施すことなく、登録者に登録完了を報知することができる。
【0021】
第4の発明は、請求項3に記載の流量計測装置は、下流に接続される前記ガス器具自身が報知するエラー通知によって前記登録者に前記登録が完了したことを報知するようにすることによって、以下の効果をえることができる。
【0022】
それは、通常前記遮断手段によってガスが遮断されてもガステーブルやガスストーブなどを除き、直接炎を確認することができないので、給湯器やファンヒータなどのガス器具自身が本来備えている失火したときのエラー報知によって、登録者が登録完了を確認することができる。
【0023】
第5の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の流量計測装置の流量計測手段は、瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた構成により流量が変化した瞬間に器具判別動作や学習動作を作動させることができ細かく流量変化を捉えることで器具判別精度を向上することができる。
【0024】
第6の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の流量計測装置の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムとすることにより、パソコンなどで容易に実現することができ、そのプログラムを記録した記録媒体を用いることでソフトウェアを各利用者の家庭でインストールする作業も容易になる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流量計測装置の構成を示すものである。
【0027】
図1において、1は流量計測装置であり、ガス供給管の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。流量計測装置内部はガス管に接続されたガスの流路内に設けられた遮断手段であるガス遮断弁2と、流量計測手段3と、使用ガス流量を表示する表示部4と、地震などの振動を検出する感震器5と、本発明に関わる器具判別を行うための器具情報記憶手段6と、第1の演算手段7と、第2の演算手段8と、器具判別手段9と、登録手段10と、報知手段11と、感震器5の作動や器具判別機能、保安機能を統括制御する制御回路12及びそれらの動力源となる電池(図示せず)を内蔵している。
【0028】
ここで、流量計測手段3の動作について図2を用いて説明する。図2において、計測流路13は矩形断面を持っており、計測流路13のガスの流れる方向と直角方向にある壁面には計測流路13を挟んで一対の超音波送受信器14、15が流路の上流側と下流側で角度φを有して斜めに対向して装着されている。超音波送受信器14、15間で交互に超音波を送受信させて流体の流れに対して順方向と逆方向の超音波の伝搬時間の差を一定間隔を置いて計り、伝搬時間差信号として出力する働きを持つ。この伝搬時間差信号を受けて計算手段(図示せず)により被計測流体の流速及び流量を算出するものである。
【0029】
算出式を下記に示す。
【0030】
図2においてLは測定距離であり、t1を上流からの伝達時間、t2を下流からの伝達時間、Cを音速とすると、計測ポイントの時刻Tでの流速Vは
式(1) V=(L/2cosφ)((1/t1)−(1/t2))
である。更に、流速を計測するポイントによって計測流路13に流れるガスは突発的に変化するので、流路全体からみた流速よりも大きかったり、小さかったりする場合があるので、その影響を小さくするために前回計測した流速Vとの平均を流量計測手段3が計測する計測流量(以下、流量と呼ぶ)としている。なお、本発明の流量計測手段3に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが、計測方式としては、他の流量計測方式でもフルディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であれば使用可能である。
【0031】
本実施の形態における計測の時間間隔は超音波の送受信が可能な範囲で設定できるが、本発明では2秒間隔の計測を行っている。更に時間間隔を小さくすることは測定原理上可能であり、ガス器具によっては2秒より短時間で起動する器具もあるため、測定時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時に行う点では有利となるが、計測間隔を短くすると電池の消耗が大きくなるなどの課題がある、また計測時間を従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の計測間隔が2桁オーダーの秒数間隔になると、本発明のアルゴリズムの流量変化の差分を見て判断することが困難になり、コストや器具判別の性能面からバランスの良い時間として本発明では2秒間隔計測で行っている。
【0032】
器具情報記憶手段6は、図3に示すように器具を動作させたときの最大の流量と器具を動作させたときの最小の流量とが器具毎に判別値として記憶する半導体メモリである。この判別値は、登録手段10によって登録されるものである。登録手段10が判別値を登録する方法については、実際に器具を動作させて数値を収集することによって登録されるものとする。
【0033】
ここで、最大の流量とは、ファンヒータでいうと、スイッチをONして動作させた時にファンヒータが使用するガス消費量と等しい。ガスストーブならば全開設定で動作させた時に使用するガス消費量と等しい。ガステーブル(プッシュ式点火のガステーブル)ならば、点火して火力調節レバーを動かさない場合に使用するガス消費量と等しい。なお、記録の追加、書き換えができるものであれば、磁気記憶媒体その他でもよい。
【0034】
器具判別手段9は、第1の演算手段7が計算する差分値を監視し、必要なときに第2の演算手段8が計算する流量差と器具情報記憶手段6に記憶されている判定値とを比較して、動作を開始した器具を判別する処理部である。また、判別した器具について、2秒ごとに動作している器具毎のガス使用量を算出する。更に、動作中の器具が停止したときにおいても、第1の演算手段7が計算する差分値を監視し、必要なときに第2の演算手段8が計算する流量差と器具毎のガス使用量とを比較して停止した器具を特定するものである。また、動作している器具の使用している流量を管理する処理部である。
【0035】
以上を踏まえて、本実施の形態における流量計測装置の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。また、図5は、登録者が後で説明する登録モードへ流量計測装置を移行させた後の時刻T01でファンヒータを動作させた時に流量計測手段3が計測する流量の時間変化を示すグラフである。起動には若干の時間がかかることと、流量が2秒前の流速と現在の流速の平均から流量を求めていることによって、グラフから分かるように流量が安定するまでに時間がかかる。更に、器具毎に起動にかかる時間が異なるので、器具毎に流量が安定するまでの時間が異なる。
【0036】
まず登録者によって流量計測装置が判別情報を登録できるように動作のモードを変更する(登録モードへ移行させる)(S401)。本実施の形態では流量計測装置が登録モードにない場合の動作については、詳細な説明を行わないが、流量計測装置が登録モードでない時は、単に流量計測装置より下流に流れるガスの流量を計測し、必要ならば使用された器具を判別する(S402)。本実施の形態では、この処理のことを通常の計測と呼ぶ。
【0037】
その後、登録者が宅内に戻り、時刻T01から時刻T05の間でファンヒータが動作を開始したとすると、時刻T01で流量計測手段3が計測する流量は40[L/h](S403)で、第1の演算手段7が計算する差分値は40[L/h]となり3[L/h]より大きいので(S404)、現在までに登録実施は確定していないので(S405)、以後初めて差分値が3[L/h]以下になった時刻で流量変化を発生させた器具を判別することが確定する。更に差分値が正なので(S406)、動作を開始した器具の判別情報を登録することが確定する(S407)。
【0038】
なお、本実施の形態では第1の演算手段が計算する差分値は、現時刻より4秒前の差分値のこととする。また、第1の演算手段7が計算する差分の時間間隔を4秒としたのは、以下のことを考慮したためである。それは図4においては、ガス流量の変化が流量計測手段3の計測タイミングに合わせて変化していると仮定しているが、本来ならば、そういうことはない。つまり、計測タイミングとは無関係にガス器具が起動・停止する。図6は、流量計測手段3が計測するタイミングと器具が動作して流量変化が発生するタイミングが異なっている場合の流量計測手段3が計測する流量を示す図である。
【0039】
そうすると、差分値の時間間隔を2秒にした場合の第2の演算手段8が計算する流量は、時刻T00’から時刻T06’の間に変化した流量変化と見なすことになるので、128[L/h]となり、正確に器具の流量変化を捕まえることができない。更に、流量計測手段3が計測する流量は、現時点と2秒前の流速との平均なので、現在の流量は2秒前の流量の影響を受ける。だから、何ら影響を受けない4秒前の流量を差分値の基準に取るこ
とにする。
【0040】
更に、第1の演算手段7が計算する差分値が負の場合には、器具が動作したと見なすことができないので、登録不可を登録者に知らせる表示を表示部4によって行い(S408)、流量計測装置は登録モードからぬけ(S409)、通常の計測を実施する。
【0041】
次に時刻T02からT05までは、ファンヒータの動作開始のために流量計測手段3が計測する(S403)流量が徐々に増加し差分値も3[L/h]以上で(S404)、更に既に判別情報を登録することも確定しているので(S405)、次の(2秒後の)計測を待つ。時刻T06についても流量計測手段3が計測する(S403)流量は、時刻T05の時の流量と同じ流量130[L/h]であるが、第1の演算手段7が計算する差分値が3[L/h]以上で(S404)、更に既に判別情報を登録することも確定しているので(S405)、次の(2秒後の)計測を待つ。
【0042】
時刻T07において、流量計測手段3が計測する(S403)流量は、時刻T05の時の流量と同じ流量(130[L/h])で、第1の演算手段7が計算する差分値は0[L/h]で3[L/h]より低い(S404)。ここで、時刻T01で判別情報を登録することが確定しているので(S410)、第2の演算手段8は、現在の時刻T07の流量(130[L/h])と判別することが確定した時刻T01より4秒前の時刻T0の流量(0[L/h])との流量差(130[L/h])を計算し(S411)、その流量差を器具情報記憶手段6に書き込む(S412)。
【0043】
そして、ガス遮断弁2を閉じ、自身の下流に接続されるガス器具へのガス供給を遮断する(S413)。そうすると、ガス器具がガステーブルであれば、今まで炎を出して燃焼している状態から炎が消えた状態になるので、登録者が目で見て判別情報が登録されたことが分かる。また、ガス器具が給湯器であれば、登録者が直接炎を確認することが難しいが、給湯器自身が予め備えている失火を知らせる通知で、登録者がこの通知を給湯器の表示画面もしくは、給湯器から再生される音声データで判別情報が登録されたことが分かる。登録が完了すると流量計測装置は登録モードからぬけ(S409)、通常の計測を実施する。
【0044】
なお、本実施の形態においては、ガス器具1台が動作した時の第2の演算手段8が計算する流量差を登録したが、差分値が閾値である3[L/h]を超えてから再び3[L/h]以下になるまでの間の差分値の最大値を登録するようにしてもよい。そして、誤って流量計測装置が操作されて、流量計測装置が登録モードに移行する場合も考慮して、このモードになってから1分間、第1の演算手段7が計算する差分値が閾値を超えなかった場合には、器具情報記憶手段6に判別情報を記憶していなくても、通常の計測を行う。
【0045】
また報知の方法は、本実施の形態ではガスを遮断することで登録完了を報知したが、流量計測装置が音声データなどを記憶していて、そのデータを再生することによって登録完了を報知するようにしてもよい。
【0046】
ファンヒータの判別情報を登録することによって、器具情報記憶手段6の情報は、図7のようにかわり、以後ファンヒータを動作した時には、流量計測装置の器具判別手段9によって判別することができる。器具判別手段9の詳細な判別方法については、本発明と直接的な関係がないので、説明を省略する。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては流量計測装置が、下流に接続されるガス器具の動作を判別するための判別情報を登録したことを登録者に知らせることを、器具情報記憶部6に判別情報が記憶されるとガス遮断弁を閉じることによって行うことにより、ガステ
ーブルでいえば登録者は、炎が見えているか否かで登録完了が確認できるようになる。
【0048】
そして、自身の下流に接続されるガス器具の判別情報を1人の登録者で登録しようとした場合に、わざわざ宅外に赴いて判別情報である前記ガス器具が1台で動作させた時の前記流量値若しくは、前記差分値が、流量計測装置の前記器具情報記憶手段に登録されているか確認しなくても報知手段によって登録者が認識することができるので、登録者の煩雑度軽減することができる。
【0049】
流量計測装置は、通常流量を計測することが通常の機能であるため、上記判別を行うための判別情報を登録させるような動作をさせようとした場合には、流量計測装置に対してある特別な状態にさせる必要がある。そのため、1人でこの登録作業を行おうとすると、登録を行う登録者は、まず(1)宅外にある流量計測装置を登録が行える状態に移行させ、それから、(2)宅内に戻りガス器具を動作させてガス器具が点火されたことを確認し、そして、(3)更に宅外へ行き流量計測装置に正しく判別情報が登録されたか確認し、最後に、(4)宅内に戻ってガス器具を停止させる必要がある。だから、(3)、(4)の作業を行うためにかかる時間無駄に燃焼していたガスをなくすことができる。
【0050】
以上で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信したりすることで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかる流量計測装置及びそのプログラムは、ガスメータの下流に接続されたガス器具が各時刻におけるガス使用量(流量)の計算を精度よく行うことができるので、ガス器具が適正に使用されているか監視する保安等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1における流量計測装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態1における流量計測部構成図
【図3】本発明の実施の形態1における器具情報記憶手段に記憶されるデータ構成図
【図4】本発明の実施の形態1における流量計測手段が計測する流量の時間変化を示す特性図
【図5】本発明の実施の形態1における流量計測装置のフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1における流量計測手段が計測する流量の時間変化を示す特性図
【図7】本発明の実施の形態1における登録完了後の器具情報記憶手段に記憶されるデータ構成図
【図8】従来の流量計測装置の判別方法概念図
【符号の説明】
【0053】
1 流量計測装置
2 ガス遮断弁
3 流量計測手段
4 表示部
5 感震器
6 器具情報記憶手段
7 第1の演算手段
8 第2の演算手段
9 器具判別手段
10 登録手段
11 報知手段
12 制御回路
13 計測流路
14,15 超音波送受信器
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−175669(P2008−175669A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−8802(P2007−8802)