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流速測定システム - 特開2008−175631 | j-tokkyo
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【発明の名称】 流速測定システム
【発明者】 【氏名】出雲 正樹

【氏名】嘉本 健治

【氏名】原田 敏郎

【氏名】大阪 昂資

【要約】 【課題】センサや流路に経年変化があっても信頼性の高い流速測定が可能な流速測定システムを提供する。

【解決手段】流路に設置された流速センサ101及び水位センサ102と、流速センサの設置位置及び流路条件を複数変えて事前に決定した複数の流速対水位相関曲線を記憶する記憶手段111と、流速センサ101の設置位置及び流路条件に基づいて記憶手段111から流速対水位相関曲線を一つ選択する相関曲線選択手段112と、相関曲線選択手段112で選択された流速対水位相関曲線と水位センサ102から入力した水位測定値とに基づいて、流速センサ101から入力した流速測定値に対する補正量を算出し、この補正量で流速測定値を補正する補正手段113とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に設置され流水の流速を測定する流速センサと、
前記流路の水位を測定する水位センサと、
前記流速センサの設置位置及び前記設置位置周辺における前記流路の状態(以下流路条件という)に基づいて決定される流速対水位相関曲線が、前記設置位置及び前記流路条件を変えて事前に複数作成され記憶される記憶手段と、
前記流速センサの前記設置位置及び前記流路の前記流路条件に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記流速対水位相関曲線のいずれか一つを選択する相関曲線選択手段と、
前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線と前記水位センサから入力した水位測定値とに基づいて、前記流速センサから入力した流速測定値に対する補正量を算出し、前記補正量で前記流速測定値を補正する補正手段と、を備える
ことを特徴とする流速測定システム。
【請求項2】
さらに、前記流速測定値と前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線とから水位算出値を求める水位算出手段と、
前記水位算出値と前記水位測定値との差の絶対値が所定の閾値を超えるか否かを判定する誤差判定手段と、を備え、
前記誤差判定手段で前記閾値を超えると判定されたときに、前記補正手段による前記補正量の算出を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の流速測定システム。
【請求項3】
さらに、前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線と前記水位測定値とから流速算出値を求める流速算出手段を備え、
前記補正手段は、前記流速算出手段で算出された前記流速算出値と前記流速測定値とが一致するよう前記補正量を算出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流速測定システム。
【請求項4】
前記流速センサは、前記流水の速度圧による抗力を測定する力センサである
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流速測定システム。
【請求項5】
前記流速測定値に代えて前記力センサで測定される前記抗力の測定値を用い、
前記流速対水位相関曲線が前記抗力と前記水位との相関曲線となるよう前記抗力から前記流速への換算補正値を前記流速対水位相関曲線に含めている
ことを特徴とする請求項4に記載の流速測定システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、下水管等の開流路内を流れる流体の流速を測定する流速測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水管等の開水路では、管内から汚水等が溢れるのを防止するためにポンプによる流量制御が行われているが、この流量を測定するために管内に流速計が設置されている。例えば、特許文献1では、水位計と流速計とを備えた測定装置が、図7に示すように下水管の底部に設置された例が示されている。
図7では、下水が水面912を形成しながら下水管911内を右手から左手に流れる例が示されている。この下水の流速及び水面912までの水位を測定するための測定装置901が、下水管911の管底から高さSの位置にセンサホルダ914を用いて設置されている。
【0003】
下水管911内を流れる下水の流速は、流量が一定であっても下水管911の径方向では一定でなく、例えば図8の下水管911の断面図に示すような流速分布915を形成している。図8に示す流速分布915は、流速の等しい等流速線の分布を示しており、これより径方向に流速が変化していくことがわかる。このように、流量が一定であっても下水管911の径方向位置で流速が異なることから、測定装置901の設置位置によって測定される流速の値が異なってしまう。
【0004】
下水管911内の流速は、上記のような径方向の変化だけでなく、管内の水位(図8に示す水面の高さH)によっても変化する。図8では、水位が高いときの流速分布915を(a)に、また水位が低いときの流速分布915を(b)に示しているが、同図より水位が流速分布に大きく影響することがわかる。
【0005】
流速は、上記の径方向位置及び水位によって変化するのに加えて、下水管911の設置状態や内壁の状態によっても変化する。例えば、下水管911が勾配を設けて設置されている場合には、その勾配の大きさによって流速が変化する。また、下水管911の内壁面の粗さや曲がりの大きさ、くぼみの有無等によっても流速分布915が変化する。
【0006】
特許文献2では、下水管911の勾配や内壁面の粗さが異なるときの流速対水位の関係の例が示されており、例えば下水管911の勾配が小さく(低勾配)、内壁面が粗い(高い粗さ)ときの流速対水位の関係は図9に示すようになる。同図では、下水管911の管底から高さSが異なる(径方向位置が異なる)ときの流速と水位との関係が複数示されており、各グラフに付された数字は測定装置901の設置高さSの値を示している。また、この例では、流速を測定する測定装置901が、管底から1インチ(S=1)の高さに設置されている。従って、測定装置901で測定される流速は、各水位のグラフ上の□印で示す値となる。
【0007】
下水管等の開流路で流量制御を行うためには、流速を精度よく測定することが重要であるが、管内の流速は、上記のように流量が一定であっても測定装置の設置位置、水位、流路の状態等によって異なってしまう。そこで、特許文献1及び2では測定装置で測定された局所流速から断面全体の平均流速を求める方法が開示されている。これにより、測定装置で測定された局所流速をもとに平均流速を求め、さらに流水の断面積を乗ずることで流量を算出して制御に用いるようにしている。なお、流速センサとして、従来は電磁式や超音波式が利用されている。
【特許文献1】特許第2119012号公報
【特許文献2】特許第3202992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、下水管等の開流路では、流速センサを長期間使用中にドリフト等によりセンサの特性が変化してしまうことがあった。センサの特性が変化してしまうと、流速センサで測定した流速値に常に所定の誤差が生じてしまうといった問題があった。
【0009】
また、流路内のセンサ近傍に汚泥等が堆積して流路の断面積が減少してしまうといったこともあった。その結果、流速と水位との関係が変化してしまい、例えば水位が同じであっても流速が異なってしまうといった問題があった。
さらに、流速センサとして電磁式や超音波式のセンサを用いると、流体に気泡やゴミが含まれている場合には安定した流速測定が出来ず、流量測定の誤差が大きくなってしまうといった問題があった。
【0010】
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、センサや流路に経年変化があっても信頼性の高い流速測定が可能な流速測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の流速測定システムの第1の態様は、流路に設置され流水の流速を測定する流速センサと、前記流路の水位を測定する水位センサと、前記流速センサの設置位置及び前記設置位置周辺における前記流路の状態(以下流路条件という)に基づいて決定される流速対水位相関曲線が、前記設置位置及び前記流路条件を変えて事前に複数作成され記憶される記憶手段と、前記流速センサの前記設置位置及び前記流路の前記流路条件に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記流速対水位相関曲線のいずれか一つを選択する相関曲線選択手段と、前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線と前記水位センサから入力した水位測定値とに基づいて、前記流速センサから入力した流速測定値に対する補正量を算出し、前記補正量で前記流速測定値を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の流速測定システムの他の態様は、さらに、前記流速測定値と前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線とから水位算出値を求める水位算出手段と、前記水位算出値と前記水位測定値との差の絶対値が所定の閾値を超えるか否かを判定する誤差判定手段と、を備え、前記誤差判定手段で前記閾値を超えると判定されたときに、前記補正手段による前記補正量の算出を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の流速測定システムの他の態様は、さらに、前記相関曲線選択手段で選択された前記流速対水位相関曲線と前記水位測定値とから流速算出値を求める流速算出手段を備え、前記補正手段は、前記流速算出手段で算出された前記流速算出値と前記流速測定値とが一致するよう前記補正量を算出することを特徴とする。
【0014】
本発明の流速測定システムの他の態様は、前記流速センサは、前記流水の速度圧による抗力を測定する力センサであることを特徴とする。
【0015】
本発明の流速測定システムの他の態様は、前記流速測定値に代えて前記力センサで測定される前記抗力の測定値を用い、前記流速対水位相関曲線が前記抗力と前記水位との相関曲線となるよう前記抗力から前記流速への換算補正値を前記流速対水位相関曲線に含めていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、センサ設置場所近傍の流路に汚泥堆積等があって流路の状態が変化したり、流速センサ本体の長期ドリフト等が発生しても、その影響を補正して信頼性の高い流速測定が可能な流速測定システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい実施の形態におけるFFCと端子との接続方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0018】
本発明の第1の実施の形態に係る流速測定システムを、図1に示す実施例を用いて説明する。同図は、本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例の流速測定システム100は、流路に設置される流速センサ101及び水位センサ102と、各種演算処理を行う処理装置103と、処理結果を表示する表示装置104とから構成されている。
【0019】
流速センサ101及び水位センサ102を流路に設置した状態を図2に示す。同図では、流路121の中を流体123が図面左から右方向に流れるものとしている。流路121中の流体123は、水面124を形成しており、流路121の底部122から水面124までの高さが水位Lとなる。流速センサ101と水位センサ102とは、流路121の底部122の近傍にあって、両者は近接して設置されている。流速センサ101及び水位センサ102と処理装置103とは、それぞれ信号ケーブル125及び126で接続されており、各センサで測定された流速測定値及び水位測定値が信号ケーブル125及び126を介して処理装置103に伝送される。
【0020】
図2に示す実施例では、流速センサ101として力センサを用いるものとしているが、これに限らず別の形態の流速センサを用いてもよい。力センサを用いた流速センサでは、流れにより受ける抗力を測定し、この抗力を流速に変換している。流速測定に力センサを用いることにより、流体中に気泡や流動物等が混じっている場合でも、流れによる抗力は気泡や流動物からも力センサに伝達することから、流れによる抗力を高精度に測定することが可能となる。
【0021】
処理装置103は、流速センサ101及び水位センサ102からそれぞれ流速測定値及び水位測定値を入力し、入力した流速測定値の精度を判定し、流速測定値の精度が不十分な場合には適切な補正を行うことにより、高精度な流速値を出力するものである。このような処理を行うために、処理装置103はまず記憶手段111に事前に作成された流速対水位相関曲線を記憶させている。
【0022】
流速対水位相関曲線は、流路121を流れる流体123の流速と水位124との関係を示す曲線である。流速対水位相関曲線の例を図3に示す。同図は、横軸を流速(m/s)とし、縦軸を水位(m)としたときの流速と水位との相関を曲線1〜9で表わしている。流速は、流体123の断面において均一でなく流速分布を形成していることから、図3に示す流速は、流速センサによる測定点における値を用いている。すなわち、流速対水位相関曲線は、流速センサの設置位置によって異なることになる。図3では、流速センサの設置位置が異なる3ケースをS1〜S3で表わし、各ケースの流速対水位相関曲線の例を示している。
【0023】
流速対水位相関曲線は、さらに流路121の各種条件によっても異なってくる。流速対水位相関曲線に影響する流路121の条件としては、流路121の形状、寸法、内壁面の粗さ、及び流れ方向の勾配等がある。以下では、これらの条件を流路条件と記載するものとする。図3では、流路条件の異なる3ケースをP1〜P3で表わし、流路条件の異なるケースP1〜P3毎に流速センサの設置位置が異なるS1〜S3の3ケースの流速対水位相関曲線1〜9の例を示している。
【0024】
流速対水位相関曲線を用いることにより、流速センサの設置位置及び流路条件が決まれば、流速センサで取得されるべき流速と水位センサで取得されるべき水位とが1対1で決定される。例えば、流速センサの設置位置及び流路条件から相関曲線7が選択されたとすると、水位がH1のときは流速V1が測定されるべき値となる。同様に、相関曲線6が選択された場合には、水位H1に対し流速V2が測定されるべき値となる。
【0025】
本実施形態で用いる流速対水位相関曲線は、事前のシミュレーション計算により、流速センサの設置位置及び流路条件を適宜設定して算出することができる。例えば、流路121に複数の流速センサ101が設置されている場合、各流速センサ101の設置位置及び各設置位置における流路121の流路条件をそれぞれ設定してシミュレーション計算を行う。各シミュレーション計算より、各流速センサ101に対する流速対水位相関曲線を求めることができる。
【0026】
このように、流路121に設置されている複数の流速センサ101に対応した流速対水位相関曲線を記憶手段111に記憶させておくことで、1つのシステムで全ての流速センサ101に対応することが可能となる。
【0027】
上記の流速対水位相関曲線を求めるためのシミュレーション計算として、例えば有限体積法により流路断面の流速分布を導出し、これから水位と流速との相関を求めるといった手法を用いることができる。ここで、有限体積法とは、流体を微小領域に分割し、それぞれの微小領域間の流体の出入りや力を計算して全体の流れの運動を解く手法である。
【0028】
記憶手段111は、図3に示すような事前に作成された流速対水位相関曲線を記憶している。そして、相関曲線選択手段112は、記憶手段111から流速センサ101の設置位置及び流路条件が適合する流速対水位相関曲線を選択して入力する。また、流路121の複数個所に流速センサ101及び水位センサ102が設置されている場合には、設置箇所毎に記憶手段111から流速センサ101の設置位置及び流路条件が適合する流速対水位相関曲線を選択する。
【0029】
水位算出手段114は、相関曲線選択手段112で選択された流速対水位相関曲線を入力すると同時に、流速センサ101から補正手段113を介して流速測定値を入力する。補正手段113は、それまでに流速センサ101の測定値に補正が必要と判定されている場合にその補正を行うものである。補正が不要な場合には、流速センサ101の測定値をそのまま出力する。
【0030】
流路121の複数個所に流速センサ101及び水位センサ102が設置されている場合には、水位算出手段114における流速測定値の入力と流速対水位相関曲線の入力とが対応するようにしておく必要がある。すなわち、流速測定値を入力する流速センサ101の設置位置及び流路条件に一致する流速対水位相関曲線が、相関曲線選択手段112で選択されるようにしておく。
【0031】
水位算出手段114では、相関曲線選択手段112から入力した流速対水位相関曲線をもとに流速測定値に対応する水位を算出する。水位をHとし流速をVとしたとき、水位Hは、流速対水位相関曲線を例えば次式で近似し、流速Vに流速測定値を代入することで算出することができる。
[数1]
H=a×V+b×V (式1)
ここで、a、bはフィッティングパラメータである。この水位算出値Hは、流速センサ101から入力した流速測定値、あるいは補正手段113で流速測定値に補正が加えられた流速値が正しければ、水位センサ102で測定した水位測定値と一致すべきものである。
【0032】
そこで、誤差判定手段115において、水位算出手段114で求めた水位算出値と、水位センサ102で測定した水位測定値とをそれぞれ入力し、水位算出値と水位測定値との誤差が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。すなわち、水位算出値と水位測定値との差の絶対値を算出し、これが所定の閾値より大きい場合には流速測定値の誤差が大きいと判定する。所定の閾値として、例えば0.03mの値を設定することができる。
【0033】
水位算出値と水位測定値との誤差が大きくなる原因として、流速センサ101が長期間の使用中にドリフト等が生じて特性が変化してしまうことが考えられる。このような経年変化が生じると、流速センサ101は常に所定の誤差をもつことになってしまう。そこで、本実施形態の流速測定システム100では、誤差判定手段115で流速測定値の誤差が大きいと判定された場合には、以下で説明するような処理を行って流速センサ101で測定された流速測定値に所定の補正を行うようにしている。
【0034】
誤差判定手段115において流速測定値の誤差が大きいと判定された場合には、流速算出手段116の実行を要求する。流速算出手段116は、水位センサ102から水位測定値を入力するとともに、相関曲線選択手段112から流速対水位相関曲線を入力する。そして、流速対水位相関曲線から水位測定値に対応する流速算出値を求める。流速算出値Vは、流速対水位相関曲線を例えば次式で近似し、水位Hに水位測定値を代入することで算出することができる。
[数2]
V=c×H+d×H (式2)
ここで、c、dはフィッティングパラメータである。この流速算出値Vは、流速対水位相関曲線から判断して正しいと考えられる流速真値である。
【0035】
誤差判定手段115で流速測定値の誤差が大きいと判定され、流速算出手段116で流速真値が算出されると、次に補正手段113において、流速センサ101から入力する流速測定値に対する補正値を算出する。この補正値は、例えば流速算出手段116から入力した流速真値と流速センサ101から入力した流速測定値との差(以下では補正加算値という)とすることができる。あるいは、流速真値と流速測定値との比(以下では補正比率という)とすることができる。このように算出された補正加算値又は補正比率は、流速センサ101から入力する流速測定値に常に加算あるいは乗算されることになる。
【0036】
上記のように、流速センサ101から入力する流速測定値に対し、補正手段113で常に補正を行うようにすることで、補正手段113から出力される補正後の流速測定値は、水位センサ102から入力される水位測定値と整合性の取れた正しい流速値となる。水位測定値と補正手段113で補正された流速測定値は表示手段119に出力され、表示手段119が表示装置104に伝送して表示させる。表示装置104に流速や水位等を表示することで、流路121から流水が溢れることのないよう監視することができる。また、誤差判定手段115で流速測定値の誤差が大きいと判定された場合には、その判定結果を表示装置104に表示させるようにしてもよい。
【0037】
本実施形態の流速測定システム100では、流速値として、流速センサ101で測定され補正手段113で補正された流速測定値と、流速算出手段116で算出された流速真値の2種類を有することになる。ポンプ等を用いて流路121内の流量を制御している場合には、ポンプを制御するための流量制御装置が、リアルタイムで流量をフィードバックして制御する必要があることから、流量の算出に必要な流速をリアルタイムで測定して提供する必要がある。このようなリアルタイムの制御に用いる流速は、流速センサ101で測定され補正手段113で補正された流速測定値を用いるのが好ましい。
【0038】
流速測定システム100で測定された流速測定値及び水位測定値を用いて流路121内の流量を制御する流量制御装置の1例を図4に示す。制御装置201は、流速測定システム100から流速測定値及び水位測定値を入力し、例えば流路121内の水位を所定の範囲に維持するのに要求される流量目標値を算出する。そして、流速測定システム100から入力した流速測定値をもとに現在の流量を算出し、これと流量目標値とからポンプ202の制御量を算出してポンプ202を制御するようにすることができる。
【0039】
上記で説明した相関曲線選択手段112から流速算出手段116までの処理、及び補正手段113における補正値の算出は、例えば1日1回実施するようにするのがよい。流速測定値の誤差の原因は、流路121内の汚泥等の堆積による流路条件の変化や、流速センサ101のドリフト等による経年変化によるものであることから、流速測定値の補正値の算出は、上記のように1日1回、あるいはより長い周期で実施させるようにしてもよい。
【0040】
次に、処理装置103が有する各手段111〜116の処理の流れを、図5に示す流れ図を用いて以下に説明する。図5に示す流れ図は、所定の周期(例えば1日1回の所定の時刻)で実行される流速測定値の補正に係る処理の流れを示すものである。この処理を行う周期以外では、補正された流速測定値と水位測定値を表示装置104に表示したり、制御装置201にリアルタイムで伝送する処理を行っている。
【0041】
図5の流れ図において、まずステップS1で流速センサ101及び水位センサ102からそれぞれ流速測定値及び水位測定値を入力する。この処理は、それぞれ流速入力手段117及び水位入力手段118で行われる。次にステップS2では、流速入力手段117で入力した流速測定値に対し、補正手段113で所定の補正が行われる。但し、補正が必要ない場合には、補正手段113は入力した流速測定値をそのまま出力する。
【0042】
ステップS3では、相関曲線選択手段112において、ステップS1で入力した測定値の入力先であるセンサ101、102に対応する流速対水位相関曲線を記憶手段111から選択して入力する。
【0043】
ステップS4では、水位算出手段114において、相関曲線選択手段112で選択された流速対水位相関曲線を用いて補正後の流速測定値に対応する水位を算出する。続いてステップS5では、誤差判定手段115において、水位算出手段114で算出された水位算出値と水位入力手段118で入力した水位測定値とを比較し、両者の差の絶対値があらかじめ設定された閾値ΔLより大きいか否かを判定する。
【0044】
ステップS5で水位算出値と水位測定値との差の絶対値があらかじめ設定された閾値ΔLより大きいと判定された場合には、流速算出手段116において相関曲線選択手段112で選択された流速対水位相関曲線と水位測定値とから流速を算出する(ステップS6)。ここで得られた流速算出値は、水位測定値に対し流速対水位相関曲線から判断して妥当と考えられる流速である。
【0045】
次のステップS7では、補正手段113において、流速測定値とステップS6で求めた流速算出値とから、流速測定値に対する補正値を算出する。そして、流速センサ101から入力した流速測定値に対する補正にそれまで用いていた補正値を、新たに求めた補正値に更新する。最後に、表示手段119により、新たな補正値で補正された流速測定値と水位測定値等の必要な情報が表示装置104に伝送されて表示される(ステップS8)。
【0046】
一方、ステップS5において、水位算出値と水位測定値との差の絶対値が閾値ΔLと等しいか小さいと判定された場合には、表示手段119により、ステップS9でそれまでの補正値で補正された流速測定値と、水位測定値等の必要な情報が表示装置104に伝送されて表示される(ステップS9)。なお、水位算出値と水位測定値との差の絶対値が閾値ΔLを超えることが1度もない場合には、流速測定値は流速センサ101で測定された値がそのまま表示される。
【0047】
本実施形態の別の実施例として、水位算出値と水位測定値との差の絶対値が閾値ΔLを超え、さらに閾値ΔLより大きな別の閾値を超える場合には、流速センサ101に異常が発生した、あるいは大きな流動物等で流路121の状態が大きく変化した、等の原因が考えられることから、表示手段119により異常を通知させるための警報を表示装置104に表示させるようにすることができる。このような異常通知により、流速センサの交換や流動物の除去等、速やかに対応して正常状態に復帰させることが可能となる。
【0048】
上記の本実施形態では、汚泥の堆積等による流速測定値の変化も、補正手段113で算出される補正値に含まれるようにしたが、汚泥の堆積等による流速センサ101の設置位置及び流路条件の変動量が明らかな場合には、この変動量を反映した流速センサ101の設置位置及び流路条件で流速対水位相関曲線を選択させるようにすることができる。これにより、補正手段113で算出される補正値は、流速センサ101のドリフト等による経年変化のみを補正することになる。
【0049】
また、流速センサ101として力センサを用いた場合には、流速測定値に代えて力センサで測定された抗力の測定値をそのまま用いるようにすることもできる。この場合には、記憶手段111に記憶させる流速対水位相関曲線を、抗力と水位との相関曲線に変換しておく必要がある。すなわち、もとの流速対水位相関曲線に対し、抗力から流速への換算補正値を含ませるようにすることで、抗力と水位との相関曲線に変換することができる。
【0050】
本発明の第2の実施の形態に係る流速測定システムを、図6に示す実施例を用いて説明する。同図は、本実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態の流速測定システム300は、第1の実施形態の流速測定システム100に補正処理判定手段311と切替手段312、313を追加している。補正処理判定手段311は、水位入力手段118を介して水位センサ102から入力した水位測定値が所定の閾値より高いか否かを判定するものである。所定の閾値として、例えば0.2mとすることができる。
【0051】
水位測定値が高すぎる場合には、流速センサ101で測定される流速測定値が十分な精度を有していないと考えられることから、本実施形態では水位測定値が高すぎる場合には、流速測定値の補正を行わないようにしている。すなわち、補正処理判定手段311において、水位測定値が所定の閾値より高いか否かを判定し、水位測定値が所定の閾値より高いと判定された場合には、切替手段312及び313に対し、それぞれが入力した流速測定値及び水位測定値を、それぞれ312b及び313b側に出力させるようにする。この場合には、流速測定値及び水位測定値が表示手段119に直接出力される。
【0052】
一方、水位測定値が所定の閾値より高くないと判定された場合には、切替手段312及び313に対し、それぞれが入力した流速測定値及び水位測定値を、それぞれ312a及び313a側に出力させるようにする。
【0053】
本実施形態の流速測定システム300を上記のように構成することにより、水位が高く流速測定値として十分な精度が得られない場合には、流速測定値に対する補正を行わずに測定値をそのまま表示させることができる。これにより、精度が不十分な流速測定値で補正量を算出してしまい、この補正量で流速測定値を補正することで流速測定値の精度をかえって低下させてしまうといった事態を回避することが可能となる。
【0054】
なお、本実施の各形態における記述は、本発明に係る流速測定システムの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の各形態における流速測定システムの細部構成等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る流速測定システムのブロック図である。
【図2】流速センサ及び水位センサを流路に設置した状態を示す図である。
【図3】流速対水位相関曲線の1例を示す図である。
【図4】流路内の流量を制御する流量制御装置の1例を示す図である。
【図5】流速測定値の補正に係る処理の流れを示す流れ図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る流速測定システムのブロック図である。
【図7】下水管の底部に設置された従来の測定装置の例を示す図である。
【図8】流路内の流速分布を示す断面図である。
【図9】下水管の勾配が小さく内壁面が粗いときの流速対水位の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
100 流速測定システム
101 流速センサ
102 水位センサ
103 処理装置103
104 表示装置
111 記憶手段
112 相関曲線選択手段
113 補正手段
114 水位算出手段
115 誤差判定手段
116 流速算出手段
117 流速入力手段
118 水位入力手段
119 表示手段
121 流路
122 底部
123 流体
124 水面
125、126 信号ケーブル
201 制御装置
202 ポンプ
901 測定装置
911 下水管
912 水面
914 センサホルダ
915 流速分布
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【識別番号】000220675
【氏名又は名称】東京都下水道サービス株式会社
【出願日】 平成19年1月17日(2007.1.17)
【代理人】 【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮


【公開番号】 特開2008−175631(P2008−175631A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−8137(P2007−8137)