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【発明の名称】 超音波流量計
【発明者】 【氏名】鮫田 芳富

【氏名】鷹箸 幸夫

【氏名】松尾 和哉

【氏名】廣山 徹

【氏名】石田 宏

【氏名】堀 逸郎

【要約】 【課題】電磁ノイズによる影響を排除して高精度の流量測定が可能な超音波流量計を提供する。

【構成】流体が流れる流体管路1の上流側と下流側とに一定の距離をおいて配置された一対の超音波振動子2、3の間で、流体の流れの順方向および逆方向に相互に超音波を送受信し、各方向における超音波の到達時間の差に基づき流量を算出する超音波流量計であって、送信側超音波振動子を駆動する駆動部5と、駆動部5により駆動された送信側超音波振動子からの超音波を受信した受信側超音波振動子から出力される信号を増幅する増幅部6と、送信側超音波振動子から送信された超音波が受信側超音波振動子で受信されるまでの時間を計測する計時部7と、計時部7で計測された時間に基づき流量を計算する演算部8とを備え、増幅部6は、一対の超音波振動子2、3の各々から出力される1組の信号を差動増幅する差動増幅器からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる流体管路の上流側と下流側とに一定の距離をおいて配置された一対の超音波振動子の間で、流体の流れの順方向および逆方向に相互に超音波を送受信し、各方向における超音波の到達時間の差に基づき流量を算出する超音波流量計であって、
送信側超音波振動子を駆動する駆動部と、
前記駆動部により駆動された送信側超音波振動子からの超音波を受信した受信側超音波振動子から出力される信号を増幅する増幅部と、
前記送信側超音波振動子から送信された超音波が前記受信側超音波振動子で受信されるまでの時間を計測する計時部と、
前記計時部で計測された時間に基づき流量を計算する演算部とを備え、
前記増幅部は、前記一対の超音波振動子の各々から出力される1組の信号を差動増幅する差動増幅器から構成されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
前記増幅部は、前記一対の超音波振動子の各々から出力される1組の信号を差動増幅する差動電流電圧変換回路から構成されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項3】
前記差動電流電圧変換回路は、前記受信側超音波振動子から出力される信号を増幅する増幅器と該増幅器の出力をフィードバックするフィードバックコンデンサを含み、該フィードバックコンデンサの静電容量は、前記受信側超音波振動子が有する静電容量の1/5〜1/40であることを特徴とする請求項2記載の超音波流量計。
【請求項4】
前記一対の超音波振動子と、前記増幅部が搭載された回路基板とを接続する信号線は、前記流体管路に沿って配線されていることを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
【請求項5】
前記一対の超音波振動子のうちの一方と前記回路基板とを接続する信号線の長さは、前記一対の超音波振動子のうちの他方と前記回路基板とを接続する信号線の長さと略等しいことを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項6】
前記回路基板は、該回路基板から引き出された信号線が前記流体管路に至るまでの距離が最小になるように配置されていることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項7】
前記一対の超音波振動子と前記回路基板とを接続する信号線は、撚り線から成ることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項8】
前記一対の超音波振動子と前記回路基板とを接続する信号線は、撚り線がシールドされたシールド撚り線から成ることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項9】
前記一対の超音波振動子と前記回路基板とを接続する信号線は、2つの導体が絶縁体によってシールドされた2芯シールド線から成ることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項10】
前記一対の超音波振動子と前記回路基板とを接続する信号線は、2つの導体が絶縁体を挟んで同心円状に多重に配置された同軸シールド線から成ることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して流体の流量を計測する超音波流量計に関し、特にノイズを低減して計測精度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体の流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子を配置し、一対の超音波振動子の間で相互に超音波信号を繰り返し送受信し、上流側の超音波振動子から下流側の超音波振動子への超音波信号の伝播積算時間と、下流側の超音波振動子から上流側の超音波振動子への超音波信号の伝播積算時間の差に基づいて流速を求め、この求めた流速に基づき流量を求める超音波流量計が知られている。
【0003】
このような従来の超音波流量計では、一対の超音波振動子は、該一対の超音波振動子を制御する制御回路が搭載された回路基板から比較的離れた位置に配置する必要があるため、受信側の超音波振動子から出力される信号に電磁ノイズが重畳され、計測誤差が発生するという問題があった。
【0004】
このような問題を改善するために、受信側の超音波振動子から出力される信号の増幅部にチャージアンプ(電荷検出器)を採用することにより、増幅部のインピーダンスを小さくし、計測誤差を軽減する超音波流量計が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載された超音波流量計は、測定される流体が流れる流体管路の上流側および下流側に対向して配設された一対の送受波器を交互に切換えて超音波の送波および受波を行い流体の流量を測定する超音波流量計において、送受波器に用いられる圧電振動子の直列共振インピーダンスより小さい出力インピーダンスを呈し一方の送受波器を付勢する送信回路と、送信回路の出力インピーダンスに略等しい入力インピーダンスを呈し他方の送受波器からの信号を受信する受信回路とを備え、各送受波器は直列共振状態近傍にて作動するように構成されている。
【特許文献1】実公平7−10253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された超音波流量計では、送信回路と受信回路は、低インピーダンスにて作動するので、干渉雑音の影響を抑制でき、受信回路における信号レベルの低下や熱雑音の発生を抑えることはできるが、受信側の超音波振動子から出力される信号に重畳されるコモンモードノイズを除去できないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、コモンモードノイズを含む各種の電磁ノイズによる影響を排除して高精度の流量測定が可能な超音波流量計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る超音波流量計は、流体が流れる流体管路の上流側と下流側とに一定の距離をおいて配置された一対の超音波振動子の間で、流体の流れの順方向および逆方向に相互に超音波を送受信し、各方向における超音波の到達時間の差に基づき流量を算出する超音波流量計であって、送信側超音波振動子を駆動する駆動部と、駆動部により駆動された送信側超音波振動子からの超音波を受信した受信側超音波振動子から出力される信号を増幅する増幅部と、送信側超音波振動子から送信された超音波が受信側超音波振動子で受信されるまでの時間を計測する計時部と、計時部で計測された時間に基づき流量を計算する演算部とを備え、増幅部は、一対の超音波振動子の各々から出力される1組の信号を差動増幅する差動増幅器から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る超音波流量計によれば、受信側超音波振動子からの信号を増幅部で差動増幅するように構成したので、コモンモードノイズが除去され、電磁ノイズによる影響を排除して高精度の流量測定が可能な超音波流量計を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の超音波流量計の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。この超音波流量計は、測定対象となる流体が流れる流体管路1の内部に対向して配置された一対の超音波振動子、すなわち第1超音波振動子2および第2超音波振動子3と、これら第1超音波振動子2および第2超音波振動子3を制御するための切替部4、駆動部5、増幅部6、計時部7、演算部8および制御部9とから構成されている。
【0012】
第1超音波振動子2は、切替部4から送られてくる駆動信号に応じて超音波を発生し、第2超音波振動子3に向けて送信するとともに、第2超音波振動子3から送信された超音波を受信して電気信号に変換し、受信信号として切替部4に送る。
【0013】
第2超音波振動子3は、切替部4から送られてくる駆動信号に応じて超音波を発生し、第1超音波振動子2に向けて送信するとともに、第1超音波振動子2から送信された超音波を受信して電気信号に変換し、受信信号として切替部4に送る。
【0014】
切替部4は、制御部9から送られてくる制御信号に応じて、超音波を順方向に伝播させるか逆方向に伝播させるかを切り替える。なお、この明細書では、超音波が第1超音波振動子2から第2超音波振動子3に向けて伝播する方向を順方向といい、第2超音波振動子3から第1超音波振動子2に向けて伝播する方向を逆方向という。
【0015】
駆動部5は、制御部9からの指示に応じて駆動信号を生成し、切替部4を介して送信側超音波振動子に送る。これにより、送信側超音波振動子が駆動されて超音波を発生する。
【0016】
増幅部6は、差動増幅器から構成されており、受信側超音波振動子から切替部4を介して送られてくる1組の受信信号を差動増幅し、計時部7および制御部9に送る。この増幅部6の詳細は後述する。
【0017】
計時部7は、送信側超音波振動子から超音波が送信されてから受信側超音波振動子で受信されるまでの時間、すなわち、第1超音波振動子2と第2超音波振動子3との間を超音波が伝播する時間を計測する。具体的には、計時部7は、制御部9から送られてくるスタート信号に応答して計時を開始し、ストップ信号に応答して計時を停止する。この計時部7で計測された超音波の伝播時間は、演算部8に送られる。
【0018】
演算部8は、計時部7から送られてくる順方向の超音波の伝播時間および逆方向の超音波の伝播時間に基づき、流体管路1を流れる流体の流速を算出し、さらに、この流速に基づいて流量を算出する。この演算部8で算出された流量が、例えば図示しない表示器に表示され、また課金に使用される。
【0019】
制御部9は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この超音波流量計の全体を制御する。この制御部9による制御動作は、以下で詳細に説明する。
【0020】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る超音波流量計の動作を説明する。制御部9は、まず、切替部4に制御信号を送ることにより、第1超音波振動子2が送信側になり第2超音波振動子3が受信側になるように、つまり超音波が順方向に伝播されるように設定する。その後、制御部9は、駆動部5に駆動信号の生成を指示するとともに、計時部7にスタート信号を送る。これにより、計時部7は伝播時間の測定を開始する。
【0021】
駆動部5は、制御部9からの指示に応答して駆動信号を生成し、切替部4を経由して第1超音波振動子2に送る。これにより、第1超音波振動子2は超音波を発生し、第2超音波振動子3に送信する。この超音波を受信した第2超音波振動子3において発生された信号は、受信信号として切替部4を経由して増幅部6に送られる。そして、増幅部6で増幅されて計時部7および制御部9に送られる。
【0022】
制御部9は、増幅部6から受信信号を受け取ると、再び駆動部5に駆動信号の生成を指示する。以上の動作が所定回数だけ繰り返される。そして、制御部9は、最後の(所定回数目の)受信信号を受け取ると、計時部7へストップ信号を送る。これにより計時部7における順方向の伝播時間の測定が終了し、計時部7で計時された伝播時間は演算部8に送られる。
【0023】
次に、制御部9は、切替部4に制御信号を送ることにより、第2超音波振動子3が送信側になり第1超音波振動子2が受信側になるように、つまり超音波が逆方向に伝播されるように設定する。その後、上述した順方向の場合と同様の動作が行われる。
【0024】
計時部7における逆方向の伝播時間の測定が終了し、計時部7で計時された伝播時間が演算部8に送られると、演算部8は、順方向の超音波の伝播時間と逆方向の超音波の伝播時間との差に基づき、流体管路1の中を流れるガスの流速を算出し、さらに、この流速に基づいて流量を算出する。以上により、流体の流量の計測は終了する。
【0025】
次に、増幅部6の詳細を説明する。実施例1に係る超音波流量計の増幅部6は、差動増幅器から構成されている。図2は、増幅部6の構成を示す回路図である。増幅部6は、第1オペアンプ10、第2オペアンプ11および抵抗R1〜R4から構成されている。受信側超音波振動子から出力される1組の信号は、切替部4を経由して、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’として増幅部6の第1入力端子IN1および第2入力端子IN2にそれぞれ入力される。
【0026】
第1入力端子IN1は、抵抗R1を介して第1オペアンプ10の反転入力端子(−)に接続されている。第1オペアンプ10の出力端子は、抵抗R2を介して反転入力端子(−)に接続されるとともに、第1出力端子OUT1に接続されている。第1オペアンプ10の非反転入力端子(+)は接地されている。この第1オペアンプ10の出力が、第1出力端子OUT1を介して、一方の信号として外部に出力される。
【0027】
第2入力端子IN2は、抵抗R3を介して第2オペアンプ11の反転入力端子(−)に接続されている。第2オペアンプ11の出力端子は、抵抗R4を介して反転入力端子(−)に接続されるとともに、第2出力端子OUT2に接続されている。第2オペアンプ11の非反転入力端子(+)は接地されている。この第2オペアンプ11の出力が、第2出力端子OUT2を介して、他方の信号として外部に出力される。なお、上述した抵抗R3と抵抗R4の分圧比は、抵抗R1と抵抗R2の分圧比と同じになるように設定される。
【0028】
上記のように構成される増幅部6では、抵抗R1と抵抗R2の接続点aの電位、つまり第1オペアンプ10の反転入力端子(−)の電位と、抵抗R3と抵抗R4の接続点bの電位、つまり第2オペアンプ11の反転入力端子(−)の電位とは等しくなる。これは、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’にコモンモードノイズが重畳された場合であっても同じであり、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’に重畳されるコモンモードノイズのレベルも同じになる。
【0029】
したがって、増幅部6に入力された増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’は差動増幅されて、コモンモードノイズが打ち消された信号が第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から出力される。
【0030】
以上のように増幅部6を差動増幅器で構成したことにより、増幅部6への増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’にコモンモードノイズが重畳されたとしても、それを除去することができるので、高精度の流量測定が可能になる。
【実施例2】
【0031】
本発明の実施例2に係る超音波流量計は、実施例1における増幅部6を、差動電流電圧変換回路(以下、「差動チャージアンプ」という)によって構成したものである。
【0032】
図3は、増幅部6の構成を示す回路図である。増幅部6は、第1オペアンプ10、第2オペアンプ11、フィードバック抵抗Rf1、フィードバック抵抗Rf2、フィードバックコンデンサCf1およびフィードバックコンデンサCf2から構成されている。受信側超音波振動子から出力される1組の信号は、切替部4を経由して、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’として増幅部6の第1入力端子IN1および第2入力端子IN2にそれぞれ入力される。
【0033】
第1入力端子IN1は、第1オペアンプ10の反転入力端子(−)に接続されている。第1オペアンプ10の出力は、フィードバックコンデンサCf1とフィードバック抵抗Rf1とから成る並列回路を介して反転入力端子(−)に接続されるとともに、第1出力端子OUT1に接続されている。第1オペアンプ10の非反転入力端子(+)は接地されている。
【0034】
第2入力端子IN2は、第2オペアンプ11の反転入力端子(−)に接続されている。第2オペアンプ11の出力は、フィードバックコンデンサCf2とフィードバック抵抗Rf2とから成る並列回路を介して反転入力端子(−)に接続されるとともに、第2出力端子OUT2に接続されている。第2オペアンプ11の非反転入力端子(+)は接地されている。
【0035】
上記のように構成される増幅部6では、第1オペアンプ10の反転入力端子(−)aの電位と、第2オペアンプ11の反転入力端子(−)bの電位とは等しくなる。これは、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’にコモンモードノイズが重畳された場合であっても同じであり、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’に重畳されるコモンモードノイズのレベルも同じになる。
【0036】
したがって、増幅部6に入力された増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’は差動増幅されて、コモンモードノイズが打ち消された信号が第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から出力される。また、増幅部6はチャージアンプによって構成されているので電流動作し、入力インピーダンスが小さくなるので、電磁ノイズの影響が軽減される。
【0037】
ここで、フィードバックコンデンサCf1およびCf2の容量は、次のようにして決定することができる。図4は、超音波振動子の等価回路を示す図である。この等価回路は、インダクタLs、コンデンサCs0および抵抗Rsから成る直列回路にコンデンサCs1と電圧源とから成る直列回路が並列に接続されて構成されている。
【0038】
ここで、コンデンサCs1の静電容量は、コンデンサCs0の静電容量に較べて十分に大きい。したがって、コンデンサCs0の静電容量は無視することができるので、第1オペアンプ10の増幅率は、コンデンサCs1とフィードバックコンデンサCf1との容量比によって、第2オペアンプ11の増幅率は、コンデンサCs1とフィードバックコンデンサCf2との容量比によってそれぞれ決定される。
【0039】
超音波振動子としては、その発振周波数が人の可聴領域である20kHzを越えた100KHzから工業的に製作が容易な1MHz程度の帯域のものを採用するのが好ましい。したがって、第1オペアンプ10および第2オペアンプ11に高性能化を求めない実用的な増幅率を得るためには、フィードバックコンデンサCf1およびCf2の静電容量は、超音波振動子が有する静電容量の1/5〜1/40程度とするのが好ましい。
【0040】
なお、上述した増幅部6として使用される差動チャージアンプは、トランジスタによって構成することができる。図5は、増幅部6をトランジスタによって構成した例を示す回路図である。
【0041】
増幅部6は、トランジスタQ1〜Q4、抵抗r1〜r7、抵抗Rf1〜Rf2ならびにフィードバックコンデンサCf1およびCf2から構成されている。受信側超音波振動子から出力される1組の信号は、切替部4を経由して、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’として増幅部6の第1入力端子IN1および第2入力端子IN2にそれぞれ入力される。
【0042】
第1入力端子IN1は、トランジスタQ1のベースに接続され、第2入力端子IN2は、トランジスタQ2のベースに接続されている。トランジスタQ1のコレクタは抵抗r1を介してプラス電源に接続され、トランジスタQ2のコレクタは抵抗r3を介してプラス電源に接続されている。また、トランジスタQ1のエミッタは抵抗r2を介して抵抗r5の一端に接続され、トランジスタQ2のエミッタは抵抗r4を介して抵抗r5の一端に接続され、抵抗r5の他端はマイナス電源に接続されている。
【0043】
また、トランジスタQ1のコレクタはトランジスタQ3のベースに接続され、トランジスタQ3のコレクタはプラス電源に接続されている。また、トランジスタQ3のエミッタは、抵抗r6を介してマイナス電源に接続されるとともに、フィードバックコンデンサCf1とフィードバック抵抗Rf1とから成る並列回路を介してトランジスタQ1のベースに接続され、さらに、第1出力端子OUT1に接続されている。
【0044】
また、トランジスタQ2のコレクタはトランジスタQ4のベースに接続され、トランジスタQ4のコレクタはプラス電源に接続されている。また、トランジスタQ4のエミッタは、抵抗r7を介してマイナス電源に接続されるとともに、フィードバックコンデンサCf2とフィードバック抵抗Rf2とから成る並列回路を介してトランジスタQ2のベースに接続され、さらに、第2出力端子OUT2に接続されている。
【0045】
上記のように構成される増幅部6では、トランジスタQ1のベースの電位と、トランジスタQ2のベースの電位とは等しくなる。これは、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’にコモンモードノイズが重畳された場合であっても同じであり、増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’に重畳されるコモンモードノイズのレベルも同じになる。したがって、入力された増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8’は差動増幅されて、コモンモードノイズが打ち消された信号が第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から出力される。また、増幅部6はチャージアンプによって構成されているので電流動作し、入力インピーダンスが小さくなるので、電磁ノイズの影響が軽減される。
【実施例3】
【0046】
本発明の実施例3に係る超音波流量計は、一対の超音波振動子と増幅部6が搭載された回路基板とを接続する信号線を撚り線で構成したものである。
【0047】
図6は、本発明の実施例3に係る超音波流量計の構成を示す図である。切替部4および増幅部6は、1つの回路基板10に搭載されている。なお、他の構成要素(駆動部5、計時部7、演算部8および制御部9)も回路基板10に搭載されているが、図6では記載を省略してある。そして、第1超音波振動子2および第2超音波振動子3と回路基板10とは撚り線から成る信号線20によって接続されている。
【0048】
図7は、図6に示した超音波流量計の構造を概略的に示す図である。超音波流量計は、金属のケース30の内部に形成された凹状の流体管路1を有し、流体入口から導入された流体は、流体管路1を通って流体出口から排出される。流体管路1の一部(凹状の底部)には、上流側の第1超音波振動子2と下流側の第2超音波振動子3とが対向するように配置されている。
【0049】
また、ケース30の内部には、回路基板10が配置されている。そして、第1超音波振動子2と回路基板10との間、および、第2超音波振動子3と回路基板10との間は、流体管路1の内壁に沿って配置された撚り線から成る信号線20によって接続されている。この信号線20の撚り数(ターン数)は、偶数とすることが好ましい。
【0050】
このように、第1超音波振動子2および第2超音波振動子3と回路基板10との間を接続する信号線20を撚り線で構成したので、信号線20が受ける電磁ノイズの影響を小さくすることができる。
【0051】
また、信号線20を、金属で構成された流体管路1に沿って配置したので、流体管路1によるシールド効果によって電磁ノイズによる電位が発生しにくくなり、電磁ノイズが信号線20に重畳しにくくなるという利点がある。なお、信号線20は、流体管路1の外壁に沿って配置することもでき、この場合も上述した電磁ノイズが重畳しにくくなるという効果を奏する。
【0052】
また、第1超音波センサ2と回路基板10との間を接続する信号線20の長さa1は、第2超音波センサ3と回路基板10との間を接続する信号線20の長さa2と略等しくなるように構成されている。このような構成により、信号線20を流れる増幅部入力信号+側S8に重畳される電磁ノイズの電位と増幅部入力信号−側S8’に重畳される電磁ノイズの電位とが略等しくなるので、これらの電磁ノイズを増幅部6における差動増幅により打ち消すことができる。
【0053】
また、回路基板10は、該回路基板10から引き出された信号線20が流体管路1の内壁または外壁に至る距離bが最小になるように配置されている。これにより、回路基板10から流体管路1までの信号線20(距離bに相当する部分)が受ける電磁ノイズの影響を小さくすることができるので、電磁ノイズが信号線20に重畳しにくくなるという利点がある。
【0054】
また、信号線20としては、撚り線がさらにシールドされたシールドより線を用いることができる。この構成によれば、信号線20が外部から受ける電磁ノイズの影響を、単なる撚り線を使用する場合に較べて、さらに小さくすることができる。
【実施例4】
【0055】
本発明の実施例4に係る超音波流量計は、一対の超音波振動子と増幅部6が搭載された回路基板10とを接続する信号線をシールド線で構成したものである。
【0056】
図8は、本発明の実施例4に係る超音波流量計の構成を示す図である。切替部4および増幅部6は、1つの回路基板10に搭載されている。なお、他の構成要素(駆動部5、計時部7、演算部8および制御部9)も回路基板10に搭載されているが、図8では記載を省略してある。そして、第1超音波振動子2および第2超音波振動子3と回路基板10との間を接続する信号線20’は、シールド線から構成されている。
【0057】
信号線20’を構成するシールド線としては、2つの導体が樹脂等の絶縁体によって囲まれ、さらに外層に設けられた導体によりシールドされる2芯シールド線を用いることができる。この場合、外層の導体は接地される。
【0058】
また、信号線20’を構成するシールド線として、3つの導体が樹脂等の絶縁体を挟んで同心円状に多重に配置され、最外層に設けられた導体によりシールドされる同軸シールド線から構成することもできる。この場合、最外層の導体は接地される。
【0059】
この実施例4に係る超音波流量計によれば、信号線20’が外部から受ける電磁ノイズの影響を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る超音波流量計は、超音波ガスメータのような気体の流量を計測するメータや水道メータのような液体の流量を計測するメータに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る超音波流量計の増幅部の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施例2に係る超音波流量計の増幅部の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例2に係る超音波流量計で使用される超音波振動子の等価回路を示す図である。
【図5】本発明の実施例2に係る超音波流量計の増幅部をトランジスタで構成した場合の回路図である。
【図6】本発明の実施例3に係る超音波流量計の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例3に係る超音波流量計の増幅部の構造を概略的に示す回路図である。
【図8】本発明の実施例4に係る超音波流量計の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 流体管路
2 第1超音波振動子
3 第2超音波振動子
4 切替部
5 駆動部
6 増幅部
7 計時部
8 制御部
9 演算部
10 回路基板
20、20’ 信号線
30 ケース
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100108707
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 友之

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−14841(P2008−14841A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187178(P2006−187178)