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【発明の名称】 超音波流量計
【発明者】 【氏名】長谷部 臣哉

【氏名】鮫田 芳富

【氏名】鷹箸 幸夫

【氏名】藤本 龍雄

【氏名】鈴木 守

【氏名】甲野 祥子

【氏名】長井 望

【氏名】湯浅 健一郎

【氏名】廣山 徹

【氏名】石田 宏

【氏名】鍋島 徳行

【氏名】堀 逸郎

【要約】 【課題】測定誤差をなくして流量の計測精度を上げることができる超音波流量計。

【構成】流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子2a及び2bを設け、順方向と逆方向とに送受方向を切り替えて超音波を送受し、各方向における超音波の到達時間に基づき流量を求める超音波流量計であって、一方の超音波振動子に送る送信信号を生成する送信回路4と、他方の超音波振動子からの受信信号を検知する受信検知回路5と、一方の超音波振動子及び他方の超音波振動子を相互に切り替える送受信切替スイッチ3を備え、超音波を順方向に送受する時の送信信号の経路の抵抗値と、超音波を順方向に送受する時の受信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受する時の送信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受する時の受信信号の経路の抵抗値とを等しくした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子を設け、流体の流れに沿った順方向と流れに逆らった逆方向とに送受方向を切り替えて超音波を送受し、各方向における超音波の到達時間に基づき流量を求める超音波流量計であって、
一方の超音波振動子に送る送信信号を生成する送信回路と、
他方の超音波振動子からの受信信号を検知する受信検知回路と、
前記一方の超音波振動子及び前記他方の超音波振動子を相互に切り替えるための送受信切替スイッチとを備え、
超音波を順方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を順方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値とを等しくしたことを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
前記送受信切替スイッチは、前記送信回路からの送信信号の一方の超音波振動子への送信を制御する第1スイッチと、前記送信回路からの送信信号の他方の超音波振動子への送信を制御する第2スイッチと、前記一方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第3スイッチと、前記他方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第4スイッチとを備え、
前記第1スイッチの内部抵抗値と前記第1スイッチから前記一方の超音波振動子までの配線抵抗値の和と、前記第2スイッチの内部抵抗値と前記第2スイッチから前記他方の超音波振動子までの配線抵抗値の和と、前記第3スイッチの内部抵抗値と前記第3スイッチから前記一方の超音波振動子までの配線抵抗値の和と、前記第4スイッチの内部抵抗値と前記第4スイッチから前記他方の超音波振動子までの配線抵抗値の和とを等しくしたことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
【請求項3】
前記送受信切替スイッチは、前記送信回路からの送信信号の一方の超音波振動子への送信を制御する第1スイッチと、前記送信回路からの送信信号の他方の超音波振動子への送信を制御する第2スイッチと、前記一方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第3スイッチと、前記他方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第4スイッチとを備え、
前記第1スイッチと前記一方の超音波振動子との間に第1可変抵抗を設け、前記第2スイッチと前記他方の超音波振動子との間に第2可変抵抗を設け、前記第3スイッチと前記一方の超音波振動子との間に第3可変抵抗を設け、前記第4スイッチと前記他方の超音波振動子との間に第4可変抵抗を設け、
前記第1可変抵抗、第2可変抵抗、第3可変抵抗及び第4可変抵抗を可変することにより、前記第1スイッチの内部抵抗値と前記第1スイッチから前記一方の超音波振動子までの抵抗値の和と、前記第2スイッチの内部抵抗値と前記第2スイッチから前記他方の超音波振動子までの抵抗値の和と、前記第3スイッチの内部抵抗値と前記第3スイッチから前記一方の超音波振動子までの抵抗値の和と、前記第4スイッチの内部抵抗値と前記第4スイッチから前記他方の超音波振動子までの抵抗値の和とを等しくしたことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
【請求項4】
流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子を設け、流体の流れに沿った順方向と流れに逆らった逆方向とに送受方向を切り替えて超音波を送受し、各方向における超音波の到達時間に基づき流量を求める超音波流量計であって、
一方の超音波振動子に送る送信信号を生成する送信回路と、
他方の超音波振動子からの受信信号を検知する受信検知回路と、
前記一方の超音波振動子及び前記他方の超音波振動子を相互に切り替えるための送受信切替スイッチとを備え、
超音波を順方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と超音波を順方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値との和と、超音波を逆方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と超音波を逆方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値との和とを等しくしたことを特徴とする超音波流量計。
【請求項5】
前記送受信切替スイッチは、前記送信回路からの送信信号の一方の超音波振動子への送信を制御する第1スイッチと、前記送信回路からの送信信号の他方の超音波振動子への送信を制御する第2スイッチと、前記一方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第3スイッチと、前記他方の超音波振動子からの受信信号の前記受信検知回路への送信を制御する第4スイッチとを備え、
前記第1スイッチの内部抵抗値と前記第1スイッチから前記一方の超音波振動子までの配線抵抗値と前記第4スイッチの内部抵抗値と前記第4スイッチから前記他方の超音波振動子までの配線抵抗値との和が、前記第2スイッチの内部抵抗値と前記第2スイッチから前記他方の超音波振動子までの配線抵抗値と前記第3スイッチの内部抵抗値と前記第3スイッチから前記一方の超音波振動子までの配線抵抗値との和に等しくしたことを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
【請求項6】
流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子を設け、流体の流れに沿った順方向と流れに逆らった逆方向とに送受方向を切り替えて超音波を送受し、各方向における超音波の到達時間に基づき流量を求める超音波流量計であって、
一方の超音波振動子に送る送信信号を生成する送信回路と、
他方の超音波振動子からの受信信号を検知する受信検知回路と、
前記一方の超音波振動子及び前記他方の超音波振動子を相互に切り替えるための送受信切替スイッチとを備え、
前記一対の超音波振動子の各々に並列に接続され且つ各々の超音波振動子の内部容量の温度特性と逆特性を有するコンデンサを備えたことを特徴とする超音波流量計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用してガスなどの流量を計測する超音波流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の超音波流量計の構成を示す図である。この超音波流量計は、流路1、一対の超音波振動子2a及び2b、送受信切替スイッチ3、送信回路4、受信検知回路5ならびに制御回路6から構成されている。
【0003】
流路1には測定対象となる流体が流れる。一対の超音波振動子2a及び2bは、流路1の上流側と下流側に一定の距離をおいてそれぞれ配置されており、超音波振動子2aは、超音波振動子2bへ向けて(以下、「順方向」という)超音波を送信するとともに、超音波振動子2bから送信されてくる超音波を受信する。また、超音波振動子2bは、超音波振動子2aへ向けて(以下、「逆方向」という)超音波を送信するとともに、超音波振動子2aから送信されてくる超音波を受信する。
【0004】
送受信切替スイッチ3は、超音波を順方向に送信するか逆方向に送信するかを切り替える。具体的には、送受信切替スイッチ3は、送信回路4から送られてきた送信信号を超音波振動子2aに送って超音波振動子2bから得られる受信信号を受信検知回路5に送るか、または、送信回路4から送られてきた送信信号を超音波振動子2bに送って超音波振動子2aから得られる受信信号を受信検知回路5に送るかを切り替える。
【0005】
図7は、送受信切替スイッチ3の具体的な構成を示す回路図である。送受信切替スイッチ3は、4個の第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34から構成されている。第1スイッチ31は、送信回路4と超音波振動子2aとの間に配置されており、送信回路4からの送信信号の超音波振動子2aへの送信を制御する。第2スイッチ32は、送信回路4と超音波振動子2bとの間に配置されており、送信回路4からの送信信号の超音波振動子2bへの送信を制御する。第3スイッチ33は、受信検知回路5と超音波振動子2aとの間に配置されており、超音波振動子2aからの受信信号の受信検知回路5への送信を制御する。第4スイッチ34は、受信検知回路5と超音波振動子2bとの間に配置されており、超音波振動子2bからの受信信号の受信検知回路5への送信を制御する。
【0006】
送信回路4は、制御回路6からのトリガ信号に応じて、送信側の超音波振動子2aまたは2bに送信信号を送って駆動する。受信検知回路5は受信側の超音波振動子2aまたは2bで受信された受信信号を検知し、制御回路6へ送る。制御回路6では、送信信号が送出されてから受信信号が受信されるまでの伝播時間を計測する。すなわち、流路1内の流体の流れが順方向であるか逆方向であるかによって超音波の伝播時間差が生じるので、制御回路6は、順方向と逆方向の伝播時間差を測定することにより流体の流速を求め、この求めた流速に基づいて流量を計測する。
【0007】
ところで、超音波振動子2a及び2bの製造ばらつきにより、流体が流れていない場合であっても、超音波を順方向に送信する場合と逆方向に送信する場合とで超音波の伝播時間に差が生じる。
【0008】
このような問題を解消するために、特許文献1は、測定される流体が流れる管路の上流側及び下流側に対向してそれぞれ配設された送受波器を交互に切換えて超音波の送波ならびに受波を行い流体の流量を測定する超音波流量計において、送受波器に用いられる圧電振動子の直列共振インピーダンスより小さい出力インピーダンスを呈し一方の送受波器を付勢する送信回路と、送信回路の出力インピーダンスに略等しい入力インピーダンスを呈し他方の送受波器からの信号を受信する受信回路とを備え、各送受波器は直列共振状態近傍にて作動する超音波流量計を開示している。
【0009】
この超音波流量計においては、送受波器に係る送信回路及び受信回路のインピーダンスは共に圧電振動子の直列共振インピーダンスより小さく、各送受波器は直列共振状態近傍にて作動する。したがって、送受波器に用いられる圧電振動子の周波数特性、温度特性及びバッキング材の構造などによりその特性が相違しても、超音波の伝搬方向切換えによる伝搬時間差に基づくオフセット量を小さくできる。
【0010】
特に送信回路と受信回路とのインピーダンス整合がとれるとオフセット量は最少になる。また、直列共振状態においては送信回路と受信回路は共に低インピーダンスになるので、干渉雑音の影響が軽減され信号対雑音比が改善される。さらに、受信回路には入力抵抗器を用いていないので、信号レベルの低下や熱雑音の発生がなく信号対雑音比の優れた信号が加えられ、口径の小さい管路における各種流体に用いて再現性や安定性が向上し測定誤差が低減した流量測定ができる。
【特許文献1】実公平7−10253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来の超音波流量計では、特許文献1に示すように受信検知回路5(特許文献1では受信回路)の入力インピーダンスが低い場合は、超音波振動子の内部容量、送受信切替スイッチ3の内部抵抗及び送受信切替スイッチから超音波振動子までの配線抵抗によって信号の遅延時間が決定される。
【0012】
ところで、図7に示した送受信切替スイッチ3を構成する第1スイッチ31〜第4スイッチ34の各々は、内部抵抗を有する。また、第1スイッチ31または第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線は、配線抵抗を有する。同様に、第2スイッチ32または第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線は、配線抵抗を有する。
【0013】
今、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和をR、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和をR+Ra、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和をR+Rb、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和をR+Rcとする。また、超音波振動子2aの内部容量をC+Ca、超音波振動子2bの内部容量をCとする。
【0014】
順方向に超音波を送受する場合、第1スイッチ31及び第4スイッチ34がオンにされ、逆方向に超音波を送受する場合、第2スイッチ32及び第3スイッチ33がオンにされるので、順方向遅れ時間及び逆方向遅れ時間はそれぞれ下記で表すことができる。
【0015】
順方向遅れ時間∝(C+Ca)R+C(R+Rc)
逆方向遅れ時間∝C(R+Ra)+(C+Ca)(R+Rb)
したがって、順方向遅れ時間と逆方向遅れ時間との間には、
順逆の遅れ時間の差∝C(Ra+Rb−Rc)+CaRb
が生じる。
【0016】
この順逆の遅れ時間の差が一定であれば測定誤差は生じないが、超音波振動子2a及び2bの内部容量、送受信切替スイッチ3の内部抵抗値、及び送受信切替スイッチ3と超音波振動子2aまたは2bとの間の配線抵抗値は、たとえば温度によって変化するので、従来の超音波流量計では、温度による内部容量、内部抵抗値及び配線抵抗値の変化が測定誤差になって現れるという問題がある。
【0017】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、温度変化による測定誤差をなくして流量の計測精度を向上させることができる超音波流量計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明は、流路の上流側と下流側に一定の距離をおいて一対の超音波振動子を設け、流体の流れに沿った順方向と流れに逆らった逆方向とに送受方向を切り替えて超音波を送受し、各方向における超音波の到達時間に基づき流量を求める超音波流量計であって、一方の超音波振動子に送る送信信号を生成する送信回路と、他方の超音波振動子からの受信信号を検知する受信検知回路と、一方の超音波振動子及び他方の超音波振動子を相互に切り替えるための送受信切替スイッチとを備え、超音波を順方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を順方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値とを等しくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、超音波を順方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を順方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの送信信号の経路の抵抗値と、超音波を逆方向に送受するときの受信信号の経路の抵抗値とを等しくしたので、超音波振動子の特性の違いに関係なく順逆の遅れ時間の差をゼロにすることができ、測定誤差を低減することができる。また、温度変化によって超音波振動子の内部容量が変化しても、また、送受信切替スイッチの内部抵抗及び送受信切替スイッチと超音波振動子との間の配線抵抗が変化しても順逆の遅れ時間の差が生じることがなく、測定誤差を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、背景技術の欄で説明した超音波流量計と同一または相当する構成部分には、背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る超音波流量計の構成及び動作は、送受信切替スイッチ3を除けば、背景技術の欄において図6を参照しながら説明した従来の超音波流量計の構成及び動作と同じである。以下では、従来の超音波流量計と異なる部分を中心に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチ3の構成を示す回路図である。この送受信切替スイッチ3は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34から構成されている。
【0023】
送受信切替スイッチ3を構成する第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34の各々は内部抵抗を有する。また、第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線、第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線、第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線及び第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線は、それぞれ配線抵抗を有する。
【0024】
実施例1に係る超音波流量計では、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34として、内部抵抗の温度特性が揃ったスイッチが採用されている。また、第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線、第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線、第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線及び第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線の各々は、配線長が揃えられており、各配線は略同一の配線抵抗値を有するように構成されている。
【0025】
図2は、上記内部抵抗の温度特性及び配線長を揃えるために、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、送信回路4及び受信検知回路5を集積回路51(以下、「IC」と略する)で構成し、このIC51と超音波振動子2a及び2bとを基板に搭載して超音波流量計の一部を構成した例を示す。図2において、52はIC内の上層配線禁止領域を示し、53は基板上の配線を示し、54はIC内の上層配線を示し、55はIC内の下層配線を示す。
【0026】
第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34は半導体スイッチから構成されており、同じ半導体ウエハ上に形成されている。これにより、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34の各々の内部抵抗及び温度特性を略等しくすることができる。
【0027】
また、IC51では、上層配線抵抗、下層配線抵抗、上層と下層との接続抵抗はそれぞれ異なるので、上層配線54の長さ、下層配線55の長さ及び配線幅が、第1スイッチ31から超音波振動子2aへの接続端子に至る経路、第2スイッチ32から超音波振動子2bへの接続端子に至る経路、第3スイッチ33から超音波振動子2aへの接続端子に至る経路及び第4スイッチ34から超音波振動子2bへの接続端子に至る経路の各々で略等しくなるように構成されている。
【0028】
また、上層と下層との接続数も、第1スイッチ31から超音波振動子2aへの接続端子に至る経路、第2スイッチ32から超音波振動子2bへの接続端子に至る経路、第3スイッチ33から超音波振動子2aへの接続端子に至る経路及び第4スイッチ34から超音波振動子2bへの接続端子に至る経路の各々で同じ数になるように構成されている。
【0029】
さらに、IC51の超音波振動子2aへの接続端子から超音波振動子2aまでの基板上の配線53の長さ及び配線幅は、IC51の超音波振動子2bへの接続端子から超音波振動子2bまでの基板上の配線53の長さ及び配線幅とそれぞれ略等しくなるように構成されている。
【0030】
以上の構成により、第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの送信信号の経路の配線抵抗値、第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの送信信号の経路の配線抵抗値、第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの受信信号の経路の配線抵抗値及び第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの受信信号の経路の配線抵抗値の各々は、略同一の抵抗値Rを有するように調整されている。
【0031】
今、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和のすべてが抵抗値Rに調整されたものとする。また、超音波振動子2aの内部容量をC+Ca、超音波振動子2bの内部容量をCとする。
【0032】
順方向に超音波を送受する場合、第1スイッチ31及び第4スイッチ34がオンにされ、逆方向に超音波を送受する場合、第2スイッチ32及び第3スイッチ33がオンにされるので、順方向遅れ時間及び逆方向遅れ時間はそれぞれ下記で表すことができる。
【0033】
順方向遅れ時間∝(C+Ca)R+CR
逆方向遅れ時間∝CR+(C+Ca)R
したがって、順方向遅れ時間と逆方向遅れ時間との差は、
順逆の遅れ時間の差=0
となる。
【0034】
したがって、超音波振動子2a及び2bの特性の違いに関係なく順逆の遅れ時間の差をゼロにすることができるので、測定誤差を低減することができる。また、温度変化によって超音波振動子2a及び2bの内部容量が変化しても、また、第1スイッチ31〜第4スイッチ34の内部抵抗及び送受信切替スイッチ3と超音波振動子2a及び2bとの間の配線抵抗が変化しても順逆の遅れ時間の差が生じることがなく、測定誤差を低減することができる。
【実施例2】
【0035】
図3は、本発明の実施例2に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチ3の構成を示す回路図である。この送受信切替スイッチ3は、実施例1の送受信切替スイッチに、第1可変抵抗R1、第2可変抵抗R2、第3可変抵抗R3及び第4可変抵抗R4が追加されて構成されている。
【0036】
第1可変抵抗R1は、第1スイッチ31と超音波振動子2aとの間に配置されており、第1スイッチ31から超音波振動子2aに至る経路の配線抵抗値を調整するために使用される。第2可変抵抗R2は、第2スイッチ32と超音波振動子2bとの間に配置されており、第2スイッチ32から超音波振動子2bに至る経路の配線抵抗値を調整するために使用される。第3可変抵抗R3は、第3スイッチ33と超音波振動子2aとの間に配置されており、第3スイッチ33から超音波振動子2aに至る経路の配線抵抗値を調整するために使用される。第4可変抵抗R4は、第4スイッチ34と超音波振動子2bとの間に配置されており、第4スイッチ34から超音波振動子2bに至る経路の配線抵抗値を調整するために使用される。
【0037】
第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33及び第4スイッチ34の各々は内部抵抗を有する。また、第1スイッチ31から超音波振動子2aに至る経路、第2スイッチ32から超音波振動子2bに至る経路、第3スイッチ33から超音波振動子2aに至る経路及び第4スイッチ34から超音波振動子2bに至る経路は、配線抵抗を有する。また、第1可変抵抗R1、第2可変抵抗R2、第3可変抵抗R3及び第4可変抵抗R4としては、抵抗の温度特性が揃ったものが採用される。
【0038】
今、背景技術の欄で説明した超音波流量計と同様に、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Ra、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR+Rb、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Rcであるとする。
【0039】
また、第1可変抵抗R1が抵抗値R、第2可変抵抗R2が抵抗値R−Ra、第3可変抵抗R3が抵抗値R−Rb及び第4可変抵抗R4が抵抗値R−Rcに調整されているものとする。さらに、超音波振動子2aの内部容量をC+Ca、超音波振動子2bの内部容量をCとする。
【0040】
順方向に超音波を送受する場合、第1スイッチ31及び第4スイッチ34がオンにされ、逆方向に超音波を送受する場合、第2スイッチ32及び第3スイッチ33がオンにされるので、順方向遅れ時間及び逆方向遅れ時間はそれぞれ下記で表すことができる。
【0041】
順方向遅れ時間∝2(C+Ca)R+2CR
逆方向遅れ時間∝2CR+2(C+Ca)R
したがって、順方向遅れ時間と逆方向遅れ時間との差は、
順逆の遅れ時間の差=0
となる。
【0042】
したがって、超音波振動子2a及び2bの特性の違いに関係なく順逆の遅れ時間の差をゼロにすることができ、測定誤差を低減することができる。また、温度変化によって超音波振動子2a及び2bの内部容量が変化しても、また、第1スイッチ31〜第4スイッチ34の内部抵抗及び第1可変抵抗R1〜第4可変抵抗R4の値が変化しても順逆の遅れ時間に差が生じることがないので、測定誤差を低減することができる。
【実施例3】
【0043】
図4は、本発明の実施例3に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチ3の構成を示す回路図である。この送受信切替スイッチ3は、実施例1において、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Ra、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Raになるように構成されている。
【0044】
すなわち、この実施例3に係る超音波流量計では、第1スイッチ31及び第3スイッチ33として、内部抵抗の温度特性が揃ったスイッチが採用され、第2スイッチ32及び第4スイッチ34として、内部抵抗の温度特性が揃ったスイッチが採用されている。また、第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線及び第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線の配線長が揃えられており、各配線は略同一の配線抵抗値を有するように構成されるとともに、第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線及び第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線の配線長が揃えられており、各配線は略同一の配線抵抗値を有するように構成されている。
【0045】
今、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Ra、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和がR、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和がR+Raであり、また、超音波振動子2aの内部容量をC+Ca、超音波振動子2bの内部容量をCとする。
【0046】
順方向に超音波を送受する場合、第1スイッチ31及び第4スイッチ34がオンにされ、逆方向に超音波を送受する場合、第2スイッチ32及び第3スイッチ33がオンにされるので、順方向遅れ時間及び逆方向遅れ時間はそれぞれ下記で表すことができる。
【0047】
順方向遅れ時間∝(C+Ca)R+C(R+Ra)
逆方向遅れ時間∝C(R+Ra)+(C+Ca)R
したがって、順方向遅れ時間と逆方向遅れ時間との差は、
順逆の遅れ時間の差=0
となる。
【0048】
したがって、超音波振動子2a及び2bの特性の違いに関係なく順逆の遅れ時間の差をゼロにすることができ、測定誤差を低減することができる。また、送受信切替スイッチ、温度変化によって超音波振動子2a及び2bの内部容量が変化しても、また、第1スイッチ31〜第4スイッチ34の内部抵抗及び送受信切替スイッチ3と超音波振動子2a及び2bとの間の配線抵抗が変化しても順逆の遅れ時間に差が生じることがないので、測定誤差を低減することができる。
【実施例4】
【0049】
図5は、本発明の実施例4に係る超音波流量計の一部の構成を示す回路図である。この超音波流量計3は、従来の超音波流量計において、超音波振動子2aに並列に第1コンデンサC1が接続されるとともに、超音波振動子2bに並列に第2コンデンサC2が接続されて構成されている。
【0050】
第1コンデンサC1は、超音波振動子2aの内部容量と同一の容量であって、その温度特性の逆特性を有する。ここで、逆特性とは、温度の上昇に伴って容量が増加する特性に対し、温度の上昇に伴って容量が減少する特性をいう。同様に、第2コンデンサC2は、超音波振動子2bの内部容量と同一の容量であって、その温度特性の逆特性を有する。
【0051】
今、第1スイッチ31の内部抵抗値と第1スイッチ31から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和をR、第2スイッチ32の内部抵抗値と第2スイッチ32から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和をR+Ra、第3スイッチ33の内部抵抗値と第3スイッチ33から超音波振動子2aまでの配線抵抗値との和をR、第4スイッチ34の内部抵抗値と第4スイッチ34から超音波振動子2bまでの配線抵抗値との和をR+Raとする。また、超音波振動子2aの内部容量をC+Ca、超音波振動子2bの内部容量をC、第1コンデンサの容量をC+Ca、第2コンデンサの容量をCとする。
【0052】
順方向に超音波を送受する場合、第1スイッチ31及び第4スイッチ34がオンにされ、逆方向に超音波を送受する場合、第2スイッチ32及び第3スイッチ33がオンにされるので、順方向遅れ時間及び逆方向遅れ時間はそれぞれ下記で表すことができる。
【0053】
順方向遅れ時間∝(2C+2Ca)R+2C(R+Rc)
逆方向遅れ時間∝2C(R+Ra)+(2C+2Ca)(R+Rb)
したがって、順方向遅れ時間と逆方向遅れ時間との差は、
順逆の遅れ時間の差∝2C(Ra+Rb−Rc)+2CaRb
≒2C(Ra+Rb−Rc) (但し、C≫Ca)
となる。
【0054】
ここで、温度などによって超音波振動子2a及び2bの内部容量が変化しても、超音波振動子2a及び2bと並列に、その内部容量の温度特性と逆特性をもつ第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2をそれぞれ接続することにより、2Cは温度によって変化しないので、測定誤差を低減することができる。
【0055】
なお、この実施例4に係る超音波流量計では、従来の超音波流量計の超音波振動子2aに並列に第1コンデンサC1を接続し、超音波振動子2bに並列に第2コンデンサC2を接続して構成したが、上述した実施例1〜実施例3に係る超音波流量計の超音波振動子2aに並列に第1コンデンサC1を接続し、超音波振動子2bに並列に第2コンデンサC2を接続して構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る超音波流量計は、ガスメータや水道メータといった流体の流量を測定する流量計に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチの構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施例1に係る超音波流量計において、送受信切替スイッチ、送信回路及び受信検知回路とをICで構成した例を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチの構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例3に係る超音波流量計に適用される送受信切替スイッチの構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施例4に係る超音波流量計の一部の構成を示す回路図である。
【図6】従来の超音波流量計の構成を示す図である。
【図7】図6に示した送受信切替スイッチの具体的な構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0058】
1 流路
2a、2b 超音波振動子
3 送受信切替スイッチ
4 送信回路
5 受信検知回路
6 制御回路
31〜34 第1スイッチ〜第4スイッチ
R1〜R4 第1可変抵抗〜第4可変抵抗
C1 第1コンデンサ
C2 第2コンデンサ
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100108707
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 友之

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−14840(P2008−14840A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187175(P2006−187175)