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【発明の名称】 超音波ガスメータ
【発明者】 【氏名】宇山 浩人

【氏名】毛利 文隆

【氏名】鷹箸 幸夫

【氏名】藤本 龍雄

【氏名】鈴木 守

【氏名】甲野 祥子

【氏名】長井 望

【氏名】湯浅 健一郎

【氏名】廣山 徹

【氏名】石田 宏

【氏名】鍋島 徳行

【氏名】花村 浩二

【要約】 【課題】電池電圧の低下による送信および受信の性能の変動を小さくできるとともに、消費電流を抑えることができる超音波ガスメータ。

【構成】一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路23と、発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路25と、送信信号の出力から受信信号が検出されるまでの時間を計測して得られた超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路10と、計算されたガスの流量を表示する表示部60と、制御回路に電源を供給する電池70と、電池の出力電圧を昇圧する昇圧回路90a〜90cと、昇圧回路の出力電圧を送信回路、受信回路および表示部の最低動作電圧に安定化させ、該安定化させた電圧を電源として送信回路、受信回路および表示部に供給する電圧安定化回路110a〜110cとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、
前記一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、
前記送信回路で送信信号を出力してから前記受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、
前記制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、
前記制御回路に電源を供給する電池と、
前記電池の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路の出力電圧を前記送信回路、前記受信回路および前記表示部の最低動作電圧に安定化させ、該安定化させた電圧を電源として前記送信回路、前記受信回路および前記表示部に供給する電圧安定化回路と、
を備えたことを特徴とする超音波ガスメータ。
【請求項2】
ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、
前記一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、
前記送信回路で送信信号を出力してから前記受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、
前記制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、
前記制御回路に電源を供給する電池と、
前記制御回路から間欠的に出力される動作開始信号に応じて開閉する入力側スイッチと、
前記電池から前記入力側スイッチを介して送られてくる電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路の出力電圧を前記送信回路、前記受信回路および前記表示部の最低動作電圧に安定化させる電圧安定化回路と、
前記制御回路から間欠的に出力される動作開始信号を、前記送信回路および前記受信回路を動作させる時間に応じて遅延させ、電源供給スイッチ制御信号として出力する遅延回路と、
前記遅延回路からの電源供給スイッチ制御信号に応じて開閉することにより、前記電圧安定化回路の出力を電源として前記送信回路および前記受信回路に供給するかどうかを制御する出力側スイッチと、
を備えたことを特徴とする超音波ガスメータ。
【請求項3】
前記電池の出力電圧を安定化させ、該安定化させた電圧を電源として前記制御回路に送る低電圧安定化回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波ガスメータ。
【請求項4】
ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、
前記一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、
前記送信回路で送信信号を出力してから前記受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、
前記制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、
前記制御回路に電源を供給する電池と、
前記電池の出力電圧を安定化させる低電圧安定化回路と、
前記低電圧安定化回路で安定化された電圧を昇圧し、該昇圧された電圧を電源として前記送信回路、前記受信回路および前記表示部に供給する昇圧回路と、
を備えたことを特徴とする超音波ガスメータ。
【請求項5】
ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、
前記一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、
前記送信回路で送信信号を出力してから前記受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、
前記制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、
前記制御回路に電源を供給する電池と、
前記電池の出力電圧を安定化させる低電圧安定化回路と、
前記低電圧安定化回路で安定化された電圧を昇圧し、該昇圧された電圧を電源として前記送信回路および前記受信回路に供給する昇圧回路と、
前記電池の出力を低電流および低電圧化させる低電流低電圧化回路と、
前記低電流低電圧化回路で低電流および低電圧化された電流および電圧を電源として前記表示部に供給する他の昇圧回路と、
を備えたことを特徴とする超音波ガスメータ。
【請求項6】
前記昇圧回路の入力側に設けられ、前記制御回路から間欠的に出力される動作開始信号に応じて開閉する入力側スイッチと、
前記制御回路から間欠的に出力される動作開始信号を、前記送信回路および前記受信回路を動作させる時間に応じて遅延させ、電源供給スイッチ制御信号として出力する遅延回路と、
前記遅延回路からの電源供給スイッチ制御信号に応じて開閉することにより、前記送信回路および前記受信回路に電源を供給するかどうかを制御する出力側スイッチと、
を備えた請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の超音波ガスメータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を電源として動作する超音波ガスメータに関し、特に、電池の消耗を抑えて性能を高く維持する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスの流路に配置された一対の超音波センサで送受される超音波の伝搬時間に基づいてガスの流量を測定する超音波ガスメータが知られている。超音波ガスメータは、制御回路の制御によって、送信回路で生成した送信信号を送信側の超音波センサに送ることにより超音波を発生させて送信し、送信側の超音波センサから送信されてくる超音波を受信側の超音波センサで受信して受信回路で受信信号を検出する。そして、制御回路は、受信回路で検出された信号に基づき、一対の超音波センサ間の超音波の伝播時間を測定し、測定した伝播時間に基づき流量を計算して表示部に表示する。また、制御回路は、必要に応じて遮断弁の開閉を制御する。
【0003】
このような従来の超音波ガスメータでは、送信時に送信回路から送信側の超音波センサに印加される送信信号の電圧によって超音波の出力音圧が大きくなる。同様に、受信回路は、そのアンプの電源電圧が大きいほど、小さい音圧の超音波を受信することができる。しかしながら、従来の超音波ガスメータは、電池を駆動電源としているため、所定の電圧しか加えることができなかった。
【0004】
そこで、このような問題を解消するために、特許文献1は、電池駆動の電子式水道メータに使用できる磁気検出回路を開示している。この磁気検出回路においては、電池から供給される電流は電流制限回路で抑制され、電池の電圧は外部の制御信号により切り換わる電源スイッチがオフ状態の時にDC/DCコンバータにより昇圧される。電源スイッチがオン状態の時には、昇圧された信号が検出回路の磁気センサに加えられる。これにより、低消費電流で高精度に磁気を検出できる磁気検出回路が得られる。
【0005】
また、特許文献2は、1個の電池電源を昇圧して供給し、流量検出の信頼性を向上する流量計を開示している。この流量計では、流量計全体に供給する電源供給手段の電源レベルを昇圧手段によって昇圧し、流量検出手段に供給している。これによって信頼性の高い流量計測ができ、更に実装密度を小さくできる。
【0006】
図17は、特許文献1や特許文献2に開示された従来の装置の電源系統の構成を示す図である。電池70の出力は、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略する)やその他のデジタル回路から成る制御回路10と遮断弁50には直接に供給されるが、送信回路23、受信回路25および表示部60には、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cにおいて、それぞれ昇圧された後に供給される。
【0007】
今、電池70の出力電圧(以下、「電池電圧」という)が3Vであるとし、送信回路23の動作電圧が9V、受信回路25の動作電圧が6V、表示部60の動作電圧が4.5Vとすると、第1昇圧回路90aは、電池電圧を3倍に昇圧した電圧を電源として送信回路23に供給し、第2昇圧回路90bは、電池電圧を2倍に昇圧した電圧を電源として受信回路25に供給し、第3昇圧回路90cは、電池電圧を1.5倍に昇圧した電圧を電源として表示部60に供給するように調整されている。
【特許文献1】特開平6−174504号公報(図1)
【特許文献2】特許第3206211号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術では、電池70から第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cを介して送信回路23、受信回路25および表示部60にそれぞれ電源を供給しているので、周辺温度の変化や長時間の使用によって電池電圧が徐々に低下すると、昇圧後の電圧も変動する。例えば、電池70の出力電圧が3Vから2Vに低下すると、送信回路23には6V、受信回路25には4V、表示部60には3Vの電圧が供給されるように変化する。したがって、送信時に送信回路23から超音波センサに送られる送信信号の電圧が低下して超音波の出力音圧が変動したり、受信性能が低下してしまうという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、電池にて動作する超音波ガスメータにおいて、電池電圧の低下による送信および受信の性能の変動を小さくできるとともに、消費電流を抑えることができる超音波ガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、送信回路で送信信号を出力してから受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、制御回路に電源を供給する電池と、電池の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路の出力電圧を送信回路、受信回路および表示部の最低動作電圧に安定化させ、該安定化させた電圧を電源として送信回路、受信回路および表示部に供給する電圧安定化回路とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、ガスの流路に配置された一対の超音波センサのうちの一方の超音波センサに送信信号を送って超音波を発生させる送信回路と、一方の超音波センサで発生された超音波を受信した他方の超音波センサからの受信信号を検出する受信回路と、送信回路で送信信号を出力してから受信回路で受信信号が検出されるまでの時間を計測することにより超音波の伝播時間を計測し、該計測された超音波の伝播時間に基づきガスの流量を計算する制御回路と、制御回路で計算されたガスの流量を表示する表示部と、制御回路に電源を供給する電池と、制御回路から間欠的に出力される動作開始信号に応じて開閉する入力側スイッチと、電池から入力側スイッチを介して送られてくる電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路の出力電圧を送信回路、受信回路および表示部の最低動作電圧に安定化させる電圧安定化回路と、制御回路から間欠的に出力される動作開始信号を、送信回路および受信回路を動作させる時間に応じて遅延させ、電源供給スイッチ制御信号として出力する遅延回路と、遅延回路からの電源供給スイッチ制御信号に応じて開閉することにより、電圧安定化回路の出力を電源として送信回路および受信回路に供給するかどうかを制御する出力側スイッチとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、送信回路、受信回路および表示部には、電圧安定化回路から各々の最低動作電圧が供給されるので、電池電圧が変動しても送信回路、受信回路および表示部の特性に変化はない。また、送信回路、受信回路および表示部には、各々の最低動作電圧が供給されるので消費電流を少なくすることができる。その結果、超音波ガスメータの消費電流が抑えられ、超音波ガスメータの寿命を延ばすことができるとともに、電池の容量を抑えることもできる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、送信回路および受信回路の消費電力は、超音波の測定回数により変化するため、消費電力が多いときは、遅延回路による遅延時間を長く設定し、消費電力が少ないときは遅延時間を短く設定することにより、超音波ガスメータの電池の消費を、より抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、背景技術の欄で説明した超音波ガスメータと同一または相当する構成部分には、背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る超音波ガスメータの構成を示す図である。この超音波ガスメータは、外部から供給されるガスをガス流入口1から内部に導き、内部に形成されたガス流路3を経由してガス流出口5から需要家のガス機器(図示しない)に送り出すように構成されている。
【0016】
ガス流路3には、上流側から遮断弁50、第1超音波センサ21、第2超音波センサ22および圧力センサ30が順次配置されている。また、超音波ガスメータの内部には、制御回路10が設けられており、制御回路10に、第1超音波センサ21、第2超音波センサ22、圧力センサ30、感振器40、遮断弁50、表示部60、電池70および通信回路80(図2参照)が接続されている。第1超音波センサ21および第2超音波センサ22は、後述する計量回路20の一部を構成する。感振器40は超音波ガスメータの所定部位に、表示部60は前面にそれぞれ配置されている。
【0017】
図2は、本発明の実施例1に係る超音波ガスメータの電気的な構成を示すブロック図である。この超音波ガスメータは、電気的には、制御回路10、計量回路20、圧力センサ30、感震器40、遮断弁50、表示部60、電池70および通信回路80から構成されている。
【0018】
制御回路10は、例えばマイコンやその他のデジタル回路から構成されており、超音波ガスメータの全体を制御する。計量回路20は、ガスの使用量を積算する。計量回路20の詳細は後述する。圧力センサ30は、ガス流路3の内部の圧力を検出し、圧力信号として出力する。圧力センサ30は、遮断弁50が開放されている通常の状態では、外部から需要家のガス機器に至るガス流路3の圧力を検出し、遮断弁50が閉じられている状態では、超音波ガスメータから需要家のガス機器に至るガス流路3の圧力を検出する。
【0019】
感震器40は、超音波ガスメータに加えられた振動を検出し、感震信号として出力する。遮断弁50は、ガス流路3の途中であって、第1超音波センサ21の上流側に設けられている。遮断弁50は、制御回路10からの制御信号に応じて開閉され、ガス流路3内を流れるガスの遮断および通過を制御する。
【0020】
表示部60は、LED(発光ダイオード)、LCD(液晶表示素子)といった表示部材から構成されている。表示部60は、制御回路10からの制御信号に応じて、ガスの使用量や、ガス漏れ等の異常が生じた場合に、その旨を表すメッセージを表示する。電池70は、超音波ガスメータの各部に電力を供給する。通信回路80は、制御回路10からの制御信号に応じて、通常は、需要家によるガスの積算使用量をセンタに送り、ガス漏れ等の異常が生じた場合に、その旨を表すメッセージをセンタに送る。
【0021】
次に、計量回路20の詳細を説明する。計量回路20は、図2に示すように、第1超音波センサ21、第2超音波センサ22、送信回路23、受信回路25、時間測定回路26、第1切替スイッチ27aおよび第2切替スイッチ27bから構成されている。
【0022】
第1超音波センサ21および第2超音波センサ22は、圧電素子から構成されており、ガス流路3の内部に対向して設置されている。第1超音波センサ21は、送信信号としての電気信号が印加されると超音波を発生する。第1超音波センサ21で発生された超音波は、ガス流路3を通って第2超音波センサ22に達する。第2超音波センサ22は、受信した超音波を電気信号に変換して受信信号として出力する。同様に、第2超音波センサ22は、送信信号としての電気信号が印加されると超音波を発生する。第2超音波センサ22で発生された超音波は、ガス流路3を通って第1超音波センサ21に達する。第1超音波センサ21は、受信した超音波を電気信号に変換して受信信号として出力する。
【0023】
ガス流路3を超音波が伝搬する時、ガス流路3にガスが流れていると、超音波の伝播は、ガスの流速に重畳される。したがって、第1超音波センサ21と第2超音波センサ22との間の超音波の伝搬時間はガスの流速に依存して差が生じる。制御回路10は、伝搬時間の差に基づいてガスの流速および流量を算出し、ガス使用量の積算や異常の検出を行う。
【0024】
送信回路23は、制御回路10からの指示に応答して送信信号およびクロック開始信号を生成する。送信信号が第1超音波センサ21および第2超音波センサ22の何れに送られるかは、制御回路10からの指示によって切り換えられる第1切替スイッチ27aまたは第2切替スイッチ27bの設定状態によって決定される。送信回路23で生成されたクロック開始信号は、時間測定回路26に送られる。
【0025】
受信回路25は、第1超音波センサ21または第2超音波センサ22から送られてくる受信信号を受け取る。第1超音波センサ21および第2超音波センサ22の何れから受信信号を受け取るかは、制御回路10からの指示によって切り換えられる第1切替スイッチ27aまたは第2切替スイッチ27bの設定状態によって決定される。受信信号を受け取った受信回路25は、カウンタ停止信号を生成し、時間計測回路26に送る。
【0026】
時間測定回路26は、送信回路23から送信信号が出力されてから、受信回路25で受信信号が得られるまでの時間を測定する。具体的には、時間測定回路26は、送信回路23からクロック開始信号を受け取ることにより、図示しないカウンタで計時を開始し、受信回路25からカウンタ停止信号を受け取ることによりカウンタでの計時を停止する。時間測定回路26で測定された時間、つまりカウンタの内容を表す計量信号は、制御回路10に送られる。
【0027】
第1切替スイッチ27aおよび第2切替スイッチ27bは、制御回路10からの指示にしたがって、超音波の伝播方向を切り替えるために、送信回路23および受信回路25と第1超音波センサ21および第2超音波センサ22との組み合わせを切り替える。これにより、ガスの流れ方向に伝搬する超音波の伝搬時間とガスの流れと逆方向に伝搬する超音波の伝搬時間とを測定でき、両者から算出されるガスの流速から、音速の影響を排除できる。
【0028】
計量回路20においては、送信回路23からの送信信号によって第1超音波センサ21(または第2超音波センサ22)で発生された超音波がガス流路3を伝搬し、第2超音波センサ22(または第1超音波センサ21)で受信されることにより発生された受信信号を受信回路25で受信するまでの時間が測定される。制御回路10は、計量回路20から送られてくる超音波の伝播時間を表す計量信号からガス流路3を流れるガスの流速および流量を算出する。超音波ガスメータは、以上の動作を繰り返して、所謂シングアラウンド法により流量の測定を行う。なお、上記各構成要素は、間欠的に駆動されることにより、超音波ガスメータにおける消費電流の低減が図られている。
【0029】
図3は、本発明の実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。以下では、電池70の出力電圧(電池電圧)は3Vであるものとし、送信回路23の最低動作電圧は6V、受信回路25の最低動作電圧は4V、表示部60の最低動作電圧は3Vであるものとする。
【0030】
この超音波ガスメータの電源系統は、制御回路10、送信回路23、受信回路25、遮断弁50、表示部60、電池70、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第3昇圧回路90c、第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cから構成されている。第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cを単に昇圧回路と総称する場合もある。また、第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cを単に電圧安定化回路と総称する場合もある。
【0031】
電池70から出力される電池電圧は、制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第3昇圧回路90cおよび遮断弁50の各電源ラインに供給される。第1昇圧回路90aは、電池70からの電池電圧を、送信回路23の最低動作電圧である6Vより高い電圧、例えば3倍の9Vに昇圧して第1電圧安定化回路110aに送る。第1電圧安定化回路110aは、第1昇圧回路90aからの電圧を、送信回路23の最低動作電圧である6Vに変換して該送信回路23の電源ラインに供給する。
【0032】
第2昇圧回路90bは、電池70からの電池電圧を、受信回路25の最低動作電圧である4Vより高い電圧、例えば2倍の6Vに昇圧して第2電圧安定化回路110bに送る。第2電圧安定化回路110bは、第2昇圧回路90bからの電圧を、受信回路25の最低動作電圧である4Vに変換して該受信回路25の電源ラインに供給する。
【0033】
第3昇圧回路90cは、電池70からの電池電圧を、表示部60の最低動作電圧である3Vより高い電圧、例えば1.5倍の4.5Vに昇圧して第3電圧安定化回路110cに送る。第3電圧安定化回路110cは、第3昇圧回路90cからの電圧を、表示部60の最低動作電圧である3Vに変換して該表示部60の電源ラインに供給する。
【0034】
送信回路23、受信回路35および表示部60の各電源ラインには、前段の第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cから最低動作電圧がそれぞれ供給されるので、電池電圧が変動しても送信回路23、受信回路35および表示部60の特性に変化はない。また、送信回路23、受信回路35および表示部60には、各々の最低動作電圧が供給されるので消費電流も少なくなっている。
【0035】
図4は、図3に示した第1昇圧回路90aの詳細な構成を示す回路図である。第1昇圧回路90aは、チャージポンプ方式を採用した昇圧回路であり、発振回路91、反転ロジック回路92、ドライブ回路93、ドライブ回路94、ドライブ回路95、コンデンサ96、ダイオード97、ダイオード98、コンデンサ99、ダイオード100およびコンデンサ101から構成されている。
【0036】
発振回路91は、グランド電圧(0V)と電池電圧(3V)とが交番する発振信号を発生し、反転ロジック回路92、ドライブ回路94およびドライブ回路95に送る。反転ロジック回路92は、入力された発振信号を反転してドライブ回路93に送る。ドライブ回路93は、電池70の正極とグランドとの間に配置されており、反転ロジック回路92から送られてくる信号に応じて、グランド電圧または電池電圧をコンデンサ96の一端に送る。
【0037】
ドライブ回路94は、電池70の正極とグランドとの間に配置されており、発振回路91から送られてくる発振信号に応じて、グランド電圧または電池電圧をダイオード97のアノードに送る。ドライブ回路95は、電池70の正極とグランドとの間に配置されており、発振回路91から送られてくる発振信号に応じて、グランド電圧または電池電圧をコンデンサ99の一端に送る。
【0038】
コンデンサ96の他端は、ダイオード98のアノードに接続されている。また、ダイオード97のカソードは、コンデンサ96の他端とダイオード98のアノードとの接続点に接続されている。ダイオード98のカソードは、コンデンサ99の他端およびダイオード100のアノードに接続されている。ダイオード100のカソードは、コンデンサ101の一端に接続され、コンデンサ101の他端は接地されている。コンデンサ101の一端の電圧が第1昇圧回路90aの出力として、第1電圧安定化回路110aに送られる。
【0039】
次に、上記のように構成される第1昇圧回路90aの動作を図5に示す各部の電圧の遷移を示す遷移図を参照しながら説明する。
【0040】
まず、初期状態である区間T0では、発振回路91は電池電圧(3V)を出力する。これにより、ドライブ回路93には、発振回路91から出力される電池電圧が反転ロジック回路92で反転されたグランド電圧(0V)が入力されるので、その出力(a点)は3Vになる。また、ドライブ回路94およびドライブ回路95には電池電圧(3V)が入力されるので、ドライブ回路94の出力(b点)およびドライブ回路95の出力(c点)は0Vになる。この状態では、コンデンサ96とダイオード98の接続点であるd点、ダイオード98とダイオード100の接続点であるe点およびダイオードとコンデンサ101の接続点であるf点はいずれも0Vである。
【0041】
次に、区間T1では、発振回路91はグランド電圧(0V)を出力する。これにより、ドライブ回路93には、発振回路91から出力される0Vが反転ロジック回路92で反転された3Vが入力されるので、その出力(a点)は0Vになる。また、ドライブ回路94およびドライブ回路95には0Vが入力されるので、ドライブ回路94の出力(b点)およびドライブ回路95の出力(c点)は3Vになる。この状態において、ドライブ回路94からダイオード97を経由してコンデンサ96に電流が流入し、コンデンサ96が充電される。その結果、d点の電圧は3Vになる。これにより、e点およびf点の電圧も3Vになる。
【0042】
次に、区間T2では、発振回路91は電池電圧(3V)を出力する。これにより、ドライブ回路93の出力(a点)は3Vになり、ドライブ回路94の出力(b点)およびドライブ回路95の出力(c点)は0Vになる。このとき、d点の電圧は、電池電圧の2倍の電圧(6V)に昇圧される。昇圧された電圧は、ダイオード98を介してコンデンサ99に印加され、該コンデンサ99を充電する。これにより、e点の電圧は、6Vになる。また、昇圧された電圧は、ダイオード98およびダイオード100を介してコンデンサ101に印加され、該コンデンサ101を充電する。これにより、f点の電圧も6Vになる。
【0043】
次に、区間T3では、発振回路91はグランド電圧(0V)を出力する。これにより、ドライブ回路93の出力(a点)は0Vになり、ドライブ回路94の出力(b点)およびドライブ回路95の出力(c点)は3Vになる。このとき、d点の電圧は3Vであるが、e点の電圧は、コンデンサ99の電圧(6V)に電池電圧の3Vが重畳されて電池電圧の3倍の電圧(9V)に昇圧される。昇圧された電圧は、ダイオード100を介してコンデンサ101に供給され、該コンデンサ101を充電する。これにより、f点の電圧は、電池電圧の3倍の9Vになる。以下、上述した動作が繰り返されることにより、第1昇圧回路90aに入力された3Vの電池電圧は、3倍の9Vの電圧に昇圧されて出力される。
【0044】
図6は、図3に示した第2昇圧回路90bの詳細な構成を示す回路図である。第2昇圧回路90bは、チャージポンプ方式を採用した昇圧回路であり、発振回路91、反転ロジック回路92、ドライブ回路93、ドライブ回路94、コンデンサ96、ダイオード97、ダイオード100およびコンデンサ101から構成されている。
【0045】
発振回路91、反転ロジック回路92、ドライブ回路93、ドライブ回路94の構成は、図4に示すものと同じである。コンデンサ96の他端は、ダイオード100のアノードに接続されている。ダイオード97のカソードは、コンデンサ96の他端とダイオード100のアノードとの接続点に接続されている。ダイオード100のカソードは、コンデンサ101の一端に接続され、コンデンサ101の他端は接地されている。コンデンサ101の一端の電圧が、第2昇圧回路90bの出力として、第2電圧安定化回路110bに送られる。
【0046】
次に、上記のように構成される第2昇圧回路90bの動作を説明する。発振回路91がグランド電圧(0V)を出力する区間では、ドライブ回路94は、電池電圧(3V)を出力する。また、ドライブ回路93は、発振回路91から出力されるグランド電圧が反転ロジック回路92で反転された電池電圧が入力されるので0Vを出力する。これにより、ドライブ回路94からダイオード97を経由してコンデンサ96に電流が流入し、コンデンサ96が充電される。その結果、コンデンサ96とダイオード100の接続点の電圧は電池電圧の3Vになる。
【0047】
次に、発振回路91が電池電圧を出力する区間になると、ドライブ回路94は、グランド電圧を出力する。また、ドライブ回路93は、発振回路91から出力される電池電圧が反転ロジック回路92で反転されたグランド電圧が入力されるので、電池電圧を出力する。このとき、コンデンサ96とダイオード100の接続点の電圧は、電池電圧の2倍の電圧に昇圧される。昇圧された電圧は、ダイオード100を介してコンデンサ101に供給され、該コンデンサ101を充電する。このようにして、第2昇圧回路90bに入力された電池電圧は、2倍の電圧に昇圧されて出力される。
【0048】
図7は、図3に示した第3昇圧回路90cの詳細な構成を示す回路図である。第3昇圧回路90cは、チャージポンプ方式を採用した昇圧回路であり、上述した第1昇圧回路90aに電圧変換回路102が追加されて構成されている。電圧変換回路102は、抵抗103、抵抗104、コンデンサ105およびコンデンサ106から構成されている。抵抗103および抵抗104は電池70の正極とグランドとの間に直列に接続されており、コンデンサ105およびコンデンサ106は、抵抗103および抵抗104に並列にそれぞれ接続されている。電圧変換回路102は、入力される電池電圧(3V)を、抵抗103および抵抗104による抵抗分割によって半分の1.5Vに変換して出力する。電圧変換回路102から出力される1.5Vの電圧が、上述した第1昇圧回路90aに相当する回路に入力されることにより、3倍の電圧(4.5V)に昇圧されて出力される。
【0049】
図8は、図3に示した第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cの詳細な構成を示す回路図である。これらの各回路は、使用される抵抗の抵抗値(詳細は後述する)を除けば、いずれも同一の構成を有するので、以下では、電圧安定化回路110として説明する。電圧安定化回路110は、オペアンプ回路111、基準電圧源112、抵抗113、抵抗114、トランジスタ115およびコンデンサ116から構成されている。
【0050】
抵抗113と抵抗114とは、電源ラインとグランドとの間に直列に接続されている。オペアンプ回路111の反転入力端子(−)は、基準電圧源112に接続され、非反転入力端子(+)は、抵抗113と抵抗114との接続点に接続されている。オペアンプ回路111の出力端子は、トランジスタ115のベースに接続されている。
【0051】
トランジスタ115のエミッタは、前段の昇圧回路(第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bまたは第3昇圧回路90c)の出力に接続され、コレクタは、電源ラインに接続されている。電源ラインとグランドとの間には、コンデンサ116が設けられ、コンデンサ116の電圧が、送信回路23、受信回路25または表示部60に接続される電源ラインに出力される。
【0052】
次に、上記のように構成される電圧安定化回路110の動作を説明する。電源投入時は、コンデンサ116の電圧は0Vであるので、オペアンプ回路111の非反転入力端子(+)に印加される電圧よりも反転入力端子(−)に印加される電圧が大きい。したがって、オペアンプ回路111の出力は0Vになるので、トランジスタ115のベースから電流を引き込む。その結果、トランジスタ115はオン状態になり、エミッタからコレクタに電流が流れる。トランジスタのコレクタから流出した電流は、電源ラインを通じてコンデンサ116を充電し、その電圧が上昇する。
【0053】
このとき、コンデンサ116の電圧は、抵抗113と抵抗114とによって分割され、オペアンプ回路111の非反転入力端子(+)に印加される。非反転入力端子(+)に印加される電圧が、基準電圧源112から出力される電圧よりも大きくなると、オペアンプ回路111から出力される電圧は高レベル(以下、「Hレベル」という)になり、トランジスタ115のベース電流が流れなくなる。その結果、トランジスタ115はオフ状態になり、そのエミッタからコレクタに電流は流れなくなる。この状態で、コンデンサ116に充電された電荷が送信回路23、受信回路25または表示部60で消費されて電圧が低下すると、オペアンプ回路111の非反転入力端子(+)に印加される電圧よりも反転入力端子(−)に入力される電圧が大きくなり、再び上述した動作を繰り返す。このようにして、電圧安定化回路110の出力電圧が安定される。
【0054】
このとき、電圧安定化回路110の出力電圧は、抵抗113と抵抗114とによる抵抗分割の分圧比で決定される。この分圧比は、第1電圧安定化回路110aの出力が送信回路23の最低動作電圧である6Vになり、第2電圧安定化回路110bの出力が受信回路25の最低動作電圧である4Vになり、第3電圧安定化回路110cの出力が表示部60の最低動作電圧である3Vになるように、それぞれ調整される。
【0055】
また、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cは、上述したように、電池70が消耗した時であっても、送信回路23、受信回路25および表示部60の各最低動作電圧より高い電圧を出力するように昇圧する。すなわち、電池70の出力電圧が3Vから2Vに変化し、送信回路23の最低動作電圧が6V、受信回路25の最低動作電圧が4V、表示部60の最低動作電圧が3Vであるので、送信回路23に接続される第1昇圧回路90aは、6V/2V=3倍の昇圧を行う。同様に、受信回路25に接続される第2昇圧回路90bは、4V/2V=2倍の昇圧を行い、表示部60に接続される第3昇圧回路90cは、3V/2V=1.5倍の昇圧を行う。なお、電池70が初期使用状態であって出力電圧が3Vと高いときは、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cは、それぞれ9V、6V、4.5Vの電圧を出力する。
【0056】
従来の超音波ガスメータでは、送信回路23には9Vから6Vの電圧が供給されるので、9V−6V=3Vの性能変化が現れる。同様に、受信回路25では、6V−4V=2Vの性能変化、表示部60では、4.5V−3V=1.5Vの性能変化がそれぞれ現れる。これに対し、本発明の実施例1に係る超音波ガスメータでは、電圧安定化回路110を備えることによって、送信回路23、受信回路25および表示部60に供給される電圧は各々の最低動作電圧で一定となり、各回路の動作性能は安定となる。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る超音波ガスメータによれば、送信回路23、受信回路25および表示部60には、第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cから最低動作電圧がそれぞれ供給されるので、電池70の出力電圧が変動しても送信回路23、受信回路25および表示部60の特性に変化はない。したがって、送信回路23で送信される超音波の音響出力が一定となるので、電圧による変動を考慮しなくてもよくなる。また、受信回路25では、内蔵される増幅回路や検出回路の性能が安定するので測定結果の変動が小さくなるとともに、消費電流も小さくなる。また、表示部60では、表示の消灯点灯のコントラストが変化せず、見やすくなる。
【実施例2】
【0058】
図9は、本発明の実施例2に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統に、遅延回路120、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3および第4スイッチS4が追加されて構成されている。第1スイッチS1および第2スイッチS2を入力側スイッチと呼び、第3スイッチS3および第4スイッチS4を出力側スイッチと呼ぶ。また、制御回路10には、送信回路23と受信回路25を間欠的に動作させるための動作開始信号を出力する機能が追加されている。
【0059】
制御回路10は、動作開始信号を、第1スイッチS1第2スイッチおよび遅延回路120に送る。遅延回路120は、制御回路10から送られてくる動作開始信号を、設定された時間だけ遅延させ、第3スイッチS3および第4スイッチS4に送る。これにより、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第1電圧安定化回路110aおよび第2電圧安定化回路110bの出力が安定化してから、送信回路23および受信回路25に電源が供給されるように制御される。遅延回路120の詳細は後述する。
【0060】
第1スイッチS1は、制御回路10からの動作開始信号に応じて開閉し、電池70の出力を第1昇圧回路90aに送るかどうかを制御する。第2スイッチS2は、制御回路10からの動作開始信号に応じて開閉し、電池70の出力を第2昇圧回路90bに送るかどうかを制御する。第3スイッチS3は、遅延回路120からの電源供給スイッチ制御信号に応じて、第1電圧安定化回路110aの出力を送信回路23に送るかどうかを制御する。第4スイッチS4は、遅延回路120からの電源供給スイッチ制御信号に応じて、第2電圧安定化回路110bの出力を受信回路25に送るかどうかを制御する。
【0061】
図10は、図9に示す遅延回路120およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。この遅延回路120は、論理積回路121、論理積回路122、論理積回路123、抵抗124、抵抗125、抵抗126、コンデンサ127、基準電圧源128およびコンパレータ129から構成されている。
【0062】
論理積回路121の一方の入力端子には、制御回路10からの動作開始信号が入力され、他方の入力端子には制御回路10からの設定信号が入力される。この設定信号は、論理積回路121をアクディブにするかどうかを設定するための信号である。論理積回路121の出力は、抵抗124を介してコンデンサ127の一方の端子およびコンパレータ129の非反転入力端子(+)に接続される。
【0063】
論理積回路122の一方の入力端子には、制御回路10からの動作開始信号が入力され、他方の入力端子には制御回路10からの設定信号が入力される。この設定信号は、論理積回路122をアクディブにするかどうかを設定するための信号である。論理積回路122の出力は、抵抗125を介してコンデンサ127の一方の端子およびコンパレータ129の非反転入力端子(+)に接続される。
【0064】
論理積回路123の一方の入力端子には、制御回路10からの動作開始信号が入力され、他方の入力端子には制御回路10からの設定信号が入力される。この設定信号は、論理積回路123をアクディブにするかどうかを設定するための信号である。論理積回路123の出力は、抵抗125を介してコンデンサ127の一方の端子およびコンパレータ129の非反転入力端子(+)に接続される。
【0065】
コンデンサ127の他方の端子は接地され、コンパレータ129の反転入力端子(−)には、基準電圧源128から基準電圧が印加される。コンパレータ129は、コンデンサ127の電圧と基準電圧源128からの基準電圧とを比較し、比較の結果、HレベルまたはLレベル(以下、「Lレベル」という)の電源供給スイッチ制御信号を第3スイッチS3および第4スイッチS4に送る。電源供給スイッチ制御信号により、第3スイッチS3および第4スイッチS4の開閉が制御される。
【0066】
次に、上記のように構成される遅延回路120の動作を説明する。制御回路10から送られてくる動作開始信号がHレベルになると、論理積回路121は、制御回路10から他方の入力端子にHレベルの設定信号が入力されることにより、その出力はHレベルになり、抵抗124を介して電流が流れてコンデンサ127の充電を開始する。また、論理積回路122は、制御回路10から他方の入力端子にHレベルの設定信号が入力されることにより、その出力はHレベルになり、抵抗125を介して電流が流れてコンデンサ127の充電を開始する。また、論理積回路123は、制御回路10から他方の入力端子にHレベルの設定信号が入力されることにより、その出力はHレベルになり、抵抗126を介して電流が流れてコンデンサ127の充電を開始する。
【0067】
コンデンサ127の電圧は、抵抗124、抵抗125および抵抗126の各抵抗値とコンデンサ127の容量値とにより決定される時定数にしたがって上昇する。コンパレータ129は、コンデンサ127の電圧が基準電圧源128から印加される基準電圧より大きくなると、Hレベルの電源供給スイッチ制御信号を出力し、第3スイッチS3および第4スイッチS4に送る。これにより、第3スイッチS3および第4スイッチS4がオンされ、第1電圧安定化回路110aおよび第2電圧安定化回路110bから送信回路23および受信回路25に電源がそれぞれ供給される。
【0068】
なお、コンパレータ129は、コンデンサ127の電圧が基準電圧より低くなると、Lレベルの電源供給スイッチ制御信号を第3スイッチS3および第4スイッチS4に送る。これにより、第3スイッチS3および第4スイッチS4がオフされ、送信回路23および受信回路25への電源の供給が遮断される。
【0069】
以上の構成により、制御回路10から動作開始信号が出力されることにより、第1スイッチS1および第2スイッチS2がオンして、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第1電圧安定化回路110aおよび第2電圧安定化回路110bが動作を開始し、遅延回路120のコンデンサ127に電荷が十分に蓄積されてから、送信回路23および受信回路25に電源が供給される。
【0070】
超音波測定の回数が多くなると送信回路23および受信回路25が必要とする電力は大きくなる。そのため、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第1電圧安定化回路110aおよび第2電圧安定化回路110bの出力が充分安定化してから、送信回路23および受信回路25へ電源を供給する必要がある。
【0071】
しかしながら、超音波測定の回数が少ないときは、送信回路23および受信回路25は大きな電力を必要とせず、送信回路23および受信回路25へ電源を供給する時間を短くすることができる。そこで、制御回路10は、超音波測定の回数に応じた設定信号を遅延回路120に送ることにより、不要な電流の消費を抑止することができる。その結果、電池70の消費が抑えられ、超音波ガスメータの寿命を延ばすことができる。
【0072】
以上説明したように、本発明の実施例2に係る超音波ガスメータによれば、送信回路23と受信回路25は、超音波の測定回数により消費電力が変化するため、消費電力が多いときは、遅延時間を長く設定し、消費電力が少ないときは遅延時間を短く設定することで、より電池の消費を抑えることができる。
【0073】
なお、遅延回路120を設ける代わりに、制御回路10において第3スイッチS3および第4スイッチS4の開閉を制御する電源供給スイッチ制御信号を作成するように構成できる。
【0074】
図11は、制御回路10で電源供給スイッチ制御信号を生成する場合に、該制御回路10で行われる処理を示すフローチャートである。制御回路10は、まず、次回の超音波測定回数時間を計算し、ループ回数nを設定する(ステップST11)。次に、制御回路10は、動作開始信号を第1スイッチS1および第2スイッチS2に送る(ステップST12)。これにより、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90b、第1電圧安定化回路110aおよび第2電圧安定化回路110bが動作を開始する。
【0075】
次に、制御回路10は、ループ回数nがゼロであるかどうかを調べる(ステップST13)。ここで、ゼロでないことを判断すると、ループ回数をデクリメント(−1)して(ステップST14)ステップST13に戻る。一方、ステップST13において、制御回路10は、ゼロであることを判断すると、電源供給スイッチ制御信号を第3スイッチS3および第4スイッチS4に送る(ステップST15)。これにより、第3スイッチS3および第4スイッチS4がオンされ、送信回路23および受信回路25に電源が供給される。
【実施例3】
【0076】
図12は、本発明の実施例3に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。この超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統において、電池70と制御回路10との間に低電圧安定化回路130が追加されて構成されている。低電圧安定化回路130は、電池70からの電圧を、制御回路10の最低動作電圧となるように変換し、且つ安定化して制御回路10に供給する。
【0077】
図13は、図12に示す低電圧安定化回路130およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。この低電圧安定化回路130は、抵抗113と抵抗114とによる抵抗分割の分圧比が、コンデンサ116の電圧が制御回路10の最低動作電圧となるように調整される点を除けば、実施例1で説明した図8に示す電圧安定化回路110の構成および動作と同じである。
【0078】
今、制御回路10の最低動作電圧を2Vとする。従来の超音波ガスメータでは、電池70の電圧が初期動作電圧である3Vのときは、制御回路10に3Vの電圧が印加されるので、そこで消費される電流は大きい。これに対し、実施例3に係る超音波ガスメータの場合は、電池70の電圧が3Vとしても、制御回路10に印加される電圧は、その最低動作電圧である2Vであるので、制御回路10で消費される電流は小さい。その結果、電池70の消費が抑えられ、超音波ガスメータの寿命を延ばすことができる。
【0079】
なお、実施例3に係る超音波ガスメータは、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統において、電池70と制御回路10との間に低電圧安定化回路130を追加するように構成したが、実施例2に係る超音波ガスメータの電源系統において、電池70と制御回路10との間に低電圧安定化回路130を追加するように構成することもできる。
【実施例4】
【0080】
図14は、本発明の実施例4に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。この超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cが除去されるとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cとの間に低電圧安定化回路130が追加されて構成されている。低電圧安定化回路130は、実施例3に係る超音波ガスメータで使用されるものと同じである。
【0081】
電池70からの出力電圧は、低電圧安定化回路130で安定化された後に、制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cに供給される。第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cにおいて昇圧された電源は、送信回路23、受信回路および表示部60にそれぞれ供給される。
【0082】
今、電池70の電圧が変化3Vから2Vに変化するものとし、制御回路10の最低動作電圧を2V、送信回路23の最低動作電圧を6V、受信回路25の最低動作電圧を4V、表示部60の最低動作電圧を3Vとする。この場合、低電圧安定化回路130の出力は2Vとなり、送信回路23に接続される第1昇圧回路90aは、6V/2V=3倍の昇圧を行い、受信回路25に接続される第2昇圧回路90bは、4V/2V=2倍の昇圧を行い、表示部60に接続される第3昇圧回路90cは、3V/2V=1.5倍の昇圧を行う。
【0083】
上述したように、低電圧安定化回路130を、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cとの間に挿入することによって、送信回路23、受信回路および表示部60にそれぞれ供給される電圧が最低動作電圧で一定となり、動作性能は安定となる。
【0084】
以上説明したように、本発明の実施例4に係る超音波ガスメータによれば、実施例1に係る超音波ガスメータにおける第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cは不要になるので、少ない回路構成で、送信回路23、受信回路25および表示部60の性能を安定化するとともに、消費電流を抑えることができる。これにより、電池70の消費が抑えられ、超音波ガスメータの寿命を延ばすことができる。
【0085】
なお、実施例4に係る超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cを除去するとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cとの間に低電圧安定化回路130を追加して構成されているが、実施例2に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cを除去するとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90a、第2昇圧回路90bおよび第3昇圧回路90cとの間に低電圧安定化回路130を追加して構成することもできる。
【実施例5】
【0086】
図15は、本発明の実施例5に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。この超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cが除去されるとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90aおよび第2昇圧回路90bとの間に低電圧安定化回路130が追加され、且つ電池70と第3昇圧回路90cとの間に低電流低電圧化回路140およびクロック回路150が追加されて構成されている。クロック回路150は、低電流低電圧化回路140の出力に接続されている。低電流低電圧化回路140は、電池70の出力電圧を降圧して第3昇圧回路90cおよびクロック回路150に供給する。
【0087】
図16は、図15に示す低電流低電圧化回路140およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。低電流低電圧化回路140は、抵抗141とコンデンサ142とから構成されている。クロック回路150は、図示しない発振回路とタイマ回路とから構成されており、時計機能とタイマ機能を有する。
【0088】
制御回路10、送信回路23および受信回路25の動作電流は比較的大きいが、表示部60とクロック回路150は常に動作する必要があることから、極小電流で動作するように構成されている。したがって、この実施例5に係る超音波ガスメータでは、低電圧安定化回路130からは、出力電流を多く取り出し、低電流低電圧化回路140からは、出力電流を少なく取り出すように構成されている。
【0089】
低電流低電圧化回路140は、電池70からの電流をコンデンサ142で平滑化し、ほぼ直流電流として取り出す。このとき、抵抗141が挿入されていることにより、電圧降下が発生し、第3昇圧回路90cおよびクロック回路150へ印加される電圧が小さくなる。
【0090】
電池70の電圧降下は、主に、その内部抵抗の増大に起因するため、回路側の消費電流が大きい場合は電圧の降下が大きいが、回路側の消費電流が極小である場合は降下する電圧は小さい。このため、第3昇圧回路90cおよびクロック回路150における電圧降下は小さい。また、コンデンサ142の容量により、制御回路10、送信回路23および受信回路25が動作することにより電池70の電圧降下が発生しても、超音波測定に要する時間は短時間であるので、第3昇圧回路90cおよびクロック回路150における電圧降下は小さい。このため、常時動作で低電圧安定化回路130を動作させることがないので、全体の消費電流を下げることができる。その結果、電池70の消費が抑えられ、メータの寿命を延ばすことができる。
【0091】
なお、実施例5に係る超音波ガスメータの電源系統は、実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cを除去するとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90aおよび第2昇圧回路90bとの間に低電圧安定化回路130を追加し、さらに、電池70と第3昇圧回路90cとの間に低電流低電圧化回路140およびクロック回路150を追加して構成されているが、実施例2に係る超音波ガスメータの電源系統から第1電圧安定化回路110a、第2電圧安定化回路110bおよび第3電圧安定化回路110cを除去するとともに、電池70と制御回路10、第1昇圧回路90aおよび第2昇圧回路90bとの間に低電圧安定化回路130を追加し、さらに、電池70と第3昇圧回路90cとの間に低電流低電圧化回路140およびクロック回路150を追加して構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る超音波ガスメータは、ガスメータの他に、例えば水道メータなどのような流体の流量を測定する流量計に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施例1に係る超音波ガスメータの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係るガスメータの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。
【図4】図3に示した第1昇圧回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図5】図3に示した第1昇圧回路の動作を説明するための図である。
【図6】図3に示した第2昇圧回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図7】図3に示した第3昇圧回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図8】図3に示した第1電圧安定化回路、第2電圧安定化回路および第3電圧安定化回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図9】本発明の実施例2に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。
【図10】図9に示す遅延回路およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。
【図11】図9に示す遅延回路の代わりに制御回路で電源供給スイッチ制御信号を生成する場合の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。
【図13】図12に示す低電圧安定化回路およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。
【図14】本発明の実施例4に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施例5に係る超音波ガスメータの電源系統を示すブロック図である。
【図16】図15に示す低電流低電圧化回路およびその周辺の詳細な構成を示す回路図である。
【図17】従来の超音波ガスメータの電源系統の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10 制御回路
23 送信回路
25 受信回路
50 遮断弁
60 表示部
70 電池
90a 第1昇圧回路
90b 第2昇圧回路
90c 第3昇圧回路
110a 第1電圧安定化回路
110b 第2電圧安定化回路
110a 第3電圧安定化回路
120 遅延回路
130 低電圧安定化回路
140 低電流低電圧化回路
150 クロック回路
S1、S2、S3、S4 スイッチ
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100108707
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 友之

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−14839(P2008−14839A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187173(P2006−187173)