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【発明の名称】 電池駆動式流量メータ
【発明者】 【氏名】大城 和俊

【要約】 【課題】電池とガス流量測定用のマイクロコンピュータやその周辺回路等との間に介在するヒューズの溶断時に、バックアップ電池からの電源により継続動作させる。

【構成】電池パック30のリチウム電池31,31,…からヒューズ32を介してコントローラ11やディスプレイ12等に電源を供給するための給電用導電パターン14上の分岐箇所aから、第1の分岐導電パターン16を分岐接続して、これに、第1スイッチングトランジスタ18とバックアップ用のリチウム電池22とを直列に介設すると共に、分岐箇所aよりもヒューズ32側の給電用導電パターン14箇所に、コネクタ13側から分岐箇所a側への電流の通過を許容し、分岐箇所a側からコネクタ13側への電流の通過を阻止する向きで、ショットキーバリアダイオード21を介設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池からヒューズを介して供給される電源により動作する電気素子を用いて、流体の流量を測定する電池駆動式の流量メータにおいて、
前記電池に接続された前記ヒューズと前記電気素子とを接続する電源ライン上の分岐箇所から分岐接続されたバックアップ電池と、
前記電源ライン上の、前記分岐箇所と前記ヒューズとの間の電源ライン箇所に介設され、前記ヒューズ側から前記分岐箇所側への電流の通過を許容すると共に、前記分岐箇所側から前記ヒューズ側への電流の通過を阻止する整流素子と、
を備えることを特徴とする電池駆動式流量メータ。
【請求項2】
前記電池は、単一または複数並列に接続されており、前記バックアップ電池と前記電池とは同一スペックの電池体で構成されている請求項1記載の電池駆動式流量メータ。
【請求項3】
少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記電源ライン上における前記電池の電圧を監視する電池電圧監視手段と、前記分岐箇所と前記バックアップ電池との間に介設された第1のスイッチング手段と、少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記電池電圧監視手段により監視された前記電源ライン上における前記電池の電圧が、前記電気素子の動作に必要な下限値電圧まで低下した際に、開放状態にある前記第1のスイッチング手段を閉成させる制御手段と、前記第1のスイッチング手段及び前記バックアップ電池の間の第2分岐箇所と接地電位箇所との間に介設されたダミー抵抗と、該ダミー抵抗と前記第2分岐箇所との間に介設された第2のスイッチング手段と、少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記制御手段が前記第1のスイッチング手段を開放させている間、開放状態にある前記第2のスイッチング手段を間欠的に閉成させる第2の制御手段とをさらに備える請求項1又は2記載の電池駆動式流量メータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電池から供給される電源により動作する電気素子を用いてガス等の流体の流量を測定する電池駆動式の流量メータに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロコンピュータを用いてガス等の流体の流量を測定する電池駆動式の流量メータには、交換可能な電池から供給される電源によってマイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子を動作させるようにしたものがあり、そのような流量メータの中には、電池切れに伴う電池の交換中にメモリの記憶内容を保持したり、流量測定や遮断弁駆動等の最低限の動作を少なくとも保証するバックアップ電池を設けたものも、提案されている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
このような電池交換が可能な流量メータでは、筐体の外から電池を出し入れできるようにする必要上、電池をオンボード化する(マイクロコンピュータチップ耶蘇の周辺回路等の実装基板に直接実装させる)ことができないので、電池を交換可能に収容する電池ホルダと基板とを、コネクタやリード線等の配線を介して接続することになる。
【0004】
そして、リード線には、例えば電池ホルダ部分から浸入した雨水等によって配線がショートした場合の電池保護のために、ヒューズが介設され、実際に配線がショートするとヒューズが溶断して電池の異常発熱等を防ぐことになる。
【特許文献1】特開2003−130708号公報
【特許文献2】特開2005−30827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように電池ホルダと基板との間のリード線上にヒューズが介在する場合には、電池の交換時だけでなく、配線のショートに伴うヒューズの溶断時にも、バックアップ電池からの電源によってマイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子が継続動作できるようにすることが、流量測定や遮断弁駆動等の最低限の動作を少なくとも保証する上で重要である。
【0006】
また、電池からの電源をマイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子に供給する配線上でショートが発生した際に、電池の異常発熱等を防ごうとする場合は、上述したような電池交換が可能な流量メータでなく交換不能な電池を電源とする流量メータであっても、やはり配線上にヒューズを介設することになり、そのような場合にも、ヒューズの溶断時におけるマイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子の継続動作を確保することは、流量測定や遮断弁駆動等の最低限の動作を少なくとも保証する上で重要である。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、電池から供給される電源により動作する電気素子を用いてガス等の流体の流量を測定する電池駆動式の流量メータにおいて、マイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子を実装した実装基板と電池との間の配線上にヒューズが介在する場合に、配線のショートによるヒューズの溶断時にもマイクロコンピュータやその周辺回路等の電気素子を継続動作させることができる電池駆動式流量メータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の電池駆動式流量メータは、電池からヒューズを介して供給される電源により動作する電気素子を用いて、流体の流量を測定する電池駆動式の流量メータにおいて、前記電池に接続された前記ヒューズと前記電気素子とを接続する電源ライン上の分岐箇所から分岐接続されたバックアップ電池と、前記電源ライン上の、前記分岐箇所と前記ヒューズとの間の電源ライン箇所に介設され、前記ヒューズ側から前記分岐箇所側への電流の通過を許容すると共に、前記分岐箇所側から前記ヒューズ側への電流の通過を阻止する整流素子とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載した本発明の電池駆動式流量メータは、請求項1に記載した本発明の電池駆動式流量メータにおいて、前記電池が、単一または複数並列に接続されており、前記バックアップ電池と前記電池とが同一の電池体で構成されているものとした。
【0010】
さらに、請求項3に記載した本発明の電池駆動式流量メータは、請求項1又は2に記載した本発明の電池駆動式流量メータにおいて、少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記電源ライン上における前記電池の電圧を監視する電池電圧監視手段と、前記分岐箇所と前記バックアップ電池との間に介設された第1のスイッチング手段と、少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記電池電圧監視手段により監視された前記電源ライン上における前記電池の電圧が、前記電気素子の動作に必要な下限値電圧まで低下した際に、開放状態にある前記第1のスイッチング手段を閉成させる制御手段と、前記第1スイッチング手段及び前記バックアップ電池の間の第2分岐箇所と接地電位箇所との間に介設されたダミー抵抗と、該ダミー抵抗と前記第2分岐箇所との間に介設された第2のスイッチング手段と、少なくとも前記電池からヒューズを介して供給される電源により動作し、前記制御手段が前記第1のスイッチング手段を開放させている間、開放状態にある前記第2のスイッチング手段を間欠的に閉成させる第2の制御手段とをさらに備える構成とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した本発明の電池駆動式流量メータによれば、電気素子と、この電気素子に対して動作用の電源を供給する電池とを接続する電源ライン上のヒューズが溶断すると、ヒューズを介して電源ラインに接続されている電池からの、電源ラインに連なる電気素子への給電が断たれ、電源ライン上の分岐箇所から分岐接続されたバックアップ電池のみが、電気素子に電気的に接続された状態となる。
【0012】
このとき、分岐箇所とヒューズとの間の電源ライン箇所に介設されて、ヒューズ側から分岐箇所側への電流の通過を許容する整流素子が、分岐箇所側からヒューズ側への電流の通過を阻止することから、バックアップ電池からの電流を、分岐箇所からヒューズ側ではなく電気素子側に流れさせて、ショートによるヒューズの溶断時にも電気素子を継続動作させることができる。
【0013】
尚、ヒューズと電源ラインとの間にコネクタ(実施形態中におけるコネクタ13,34)が介設されて、ヒューズ及び電池が電源ラインから電気的に切り離せるように構成される場合、整流素子はコネクタよりも電気素子側に配置されることが好ましく、そのように配置することで、ヒューズの溶断時にコネクタから電池側を電源ラインから切り離してヒューズ(や電池)の交換を行いつつ、バックアップ電池からの電源供給により電気素子の動作を確実に継続させることができるようになる。
【0014】
また、請求項2に記載した本発明の電池駆動式流量メータによれば、請求項1に記載した本発明の電池駆動式流量メータにおいて、電池が、単一または複数並列に接続されている場合、バックアップ電池が電池と同一の電池体であると、1または複数並列の電池に対してヒューズを介して並列接続された状態にあるバックアップ電池が、ヒューズの非溶断中に、1または複数並列の電池と同じペースで容量を減らしていくことになり、1または複数並列の電池とバックアップ電池との間に電位差が生じないので、1または複数並列の電池から電気素子に向けた電流以外への無駄な、1または複数並列の電池からバックアップ電池への電流が流れるのを防ぎ、バックアップ電池を設けたことによる1または複数並列の電池の無用な消費を阻止することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載した本発明の電池駆動式流量メータによれば、請求項1又は2に記載した本発明の電池駆動式流量メータにおいて、ヒューズの溶断に伴って、電池電圧監視手段により監視される電源ライン上の電池の電圧が、電気素子の動作に必要な下限値電圧まで低下すると、制御手段の制御によって、電源ライン上の分岐箇所とバックアップ電池との間に介設された開放状態の第1のスイッチング手段が閉成される。
【0016】
一方、電池電圧監視手段により監視される電源ライン上の電池の電圧が下限値電圧まで低下していない間、第2の制御手段の制御によって、開放状態の第2のスイッチング手段が間欠的に閉成されると、制御手段の制御によって開放状態とされた第1のスイッチング手段により電源ライン上の分岐箇所から切り離されたバックアップ電池が、第2のスイッチング手段及び第2分岐箇所を介して、ダミー抵抗乃至接地電位箇所に間欠的に接続される。
【0017】
すると、バックアップ電池、第2のスイッチング手段、第2分岐箇所、ダミー抵抗、及び、接地電位箇所の閉ループが間欠的に形成されて、この閉ループをバックアップ電池からの電流が流れる放電動作が間欠的に行われ、この間欠的なバックアップ電池の放電によって、第2のスイッチング手段の開放状態中にバックアップ電池の電極で発生したサルフェーション現象が解消される。
【0018】
このため、電源ライン上の電池の電圧が下限値電圧まで低下した場合や、電源ライン上のヒューズが溶断した場合に、それまで長い間放電していなかったバックアップ電池に、電池に代わって電気素子を継続動作させるのに必要な電源を供給するのに足りる放電を、確実に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の電池駆動式流量メータの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明が適用されるガスメータの電気的な構成の要部を一部ブロックにて示す回路図であり、図1引用符号1で示すガスメータ(請求項中の流量メータに相当)は、そのハウジング2の内部に、コントローラ11や流量表示用のディスプレイ12(請求項中の周辺回路に相当)等を実装した回路基板10と、コントローラ11やディスプレイ12等に電源を供給するための、複数本のリチウム電池31,31,…(請求項中の電池に相当)を収容して並列回路を構成する電池パック30とを有している。
【0021】
前記電池パック30は、ハウジング2の外部からリチウム電池31,31,…を交換できるように構成されており、ヒューズ32が介設されたリード線33とその先端のコネクタ34とを介して、回路基板10上のコネクタ13に接続されている。
【0022】
そして、電池パック30の各リチウム電池31には、内部インピーダンスや端子電圧のスペックを統一して均等放電(劣化度の均等化)を図るために、同一種類のものが用いられている。
【0023】
前記回路基板10には、さらに、コネクタ13からコントローラ11に亘って配線された給電用導電パターン14(請求項中の電源ラインに相当)及びグラウンド用導電パターン15(請求項中の接地電位箇所に相当)と、給電用導電パターン14上の分岐箇所a(請求項中の分岐箇所に相当)とグラウンド用導電パターン15とを接続する第1の分岐導電パターン16と、第1の分岐導電パターン16上の分岐箇所b(請求項中の第2分岐箇所に相当)とグラウンド用導電パターン15とを接続する第2の分岐導電パターン17とが形成されている。
【0024】
また、回路基板10には、第1スイッチングトランジスタ18(請求項中の第1のスイッチング手段に相当)、第2スイッチングトランジスタ19(請求項中の第2のスイッチング手段に相当)、ダミー抵抗20、ショットキーバリアダイオード21(請求項中の整流素子に相当)、及び、コントローラ11やディスプレイ12等に対する電源供給をバックアップするためのリチウム電池22(請求項中のバックアップ電池に相当)が実装固定されている。
【0025】
このうち、リチウム電池22は第1の分岐導電パターン16上に介設されており、第1スイッチングトランジスタ18のエミッターコレクタ間は、第1の分岐導電パターン16上の、給電用導電パターン14及び第1の分岐導電パターン16の分岐箇所aとリチウム電池22との間の箇所に、介設されている。
【0026】
そして、バックアップ電池22には、電池パック30の各リチウム電池31と内部インピーダンスや端子電圧のスペックが同じ、同一の電池体が用いられている。
【0027】
また、ダミー抵抗20は第2の分岐導電パターン17上に介設されており、第2スイッチングトランジスタ19のエミッターコレクタ間は、第2の分岐導電パターン17上の、第1及び第2の分岐導電パターン16,17の分岐箇所bとダミー抵抗20との間の箇所に、介設されている。
【0028】
ちなみに、ダミー抵抗20の抵抗値は、コントローラ11やディスプレイ12等の、電池パック30のリチウム電池31,31,…から電源の供給を受けて動作する負荷の抵抗値に比べて、遙かに大きい値に設定されている。
【0029】
さらに、ショットキーバリアダイオード21は、第1の分岐導電パターン16上の、給電用導電パターン14及び第1の分岐導電パターン16の分岐箇所aとコネクタ13との間の箇所に、コネクタ13側から分岐箇所a側への電流の通過を許容し、分岐箇所a側からコネクタ13側への電流の通過を阻止する向きで介設されている。
【0030】
尚、図1中引用符号23,24は、第1及び第2の各スイッチングトランジスタ18,19のベースに対して、そのエミッターコレクタ間の開閉を制御する制御信号をコントローラ11から出力するための制御用導電パターン、引用符号25は、給電用導電パターン14上の、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の箇所における電圧のアナログ値を内蔵のA/Dコンバータ(図示せず)を介してコントローラ11に取り込むための電圧監視用導電パターンをそれぞれ示す。
【0031】
また、図1中引用符号26は、リード線41及びその先端のコネクタ42を介して遮断弁ユニット40を接続するための、ハウジング2に設けられたコネクタであり、このコネクタ26は、回路基板10上の遮断制御用導電パターン27を介してコントローラ11に接続されている。
【0032】
前記コントローラ11は、RAM及びROM(いずれも図示せず)を内蔵するワンチップマイクロコンピュータμCOM(以下、「マイコン」と略記する。請求項中のマイクロコンピュータに相当)を有しており、このうちRAMは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、ROMには、マイコンμCOMに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0033】
尚、マイコンμCOMは、これに接続された不図示の流量センサから出力される、ガスメータ1内の流路を通過するガス(請求項中の流体に相当)の流量に応じた流量信号を、周期的に取り込み、この流量信号に基づいてガスの流量を周期的に演算して、演算した流量を、コントローラ11に接続されたディスプレイ12に表示させる。
【0034】
そして、演算した流量の変化パターンがガスの漏洩を示すパターンに合致すると判断した場合や、不図示のガス漏れ警報器からガス漏れ検出時に出力される警報信号が入力された場合に、遮断制御用導電パターン27、コネクタ26.42、及び、リード線41を介して、遮断弁ユニット40に対して内部の遮断弁(図示せず)を強制閉弁させるための強制閉弁信号を出力する。
【0035】
次に、ROMに格納された制御プログラムに従いマイコンμCOMが行う主な処理を、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
電池パック30が接続されてマイコンμCOMが起動し、プログラムがスタートすると、マイコンμCOMは、まず、RAMのワークエリア内に設けられた各種フラグエリアのフラグやタイマエリアのタイマ値のリセット、及び、バッファエリアのクリア等を行うと共に、制御用導電パターン23,24を介して第1及び第2の各スイッチングトランジスタ18,19のベースに出力する制御信号を、それらのエミッターコレクタ間をいずれも開放状態にするための内容とする初期設定を実行する(ステップS1)。
【0037】
そして、ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、電圧監視用導電パターン25及び不図示のA/Dコンバータを介して取り込んだ、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧のアナログ値が、予め定められたコントローラ11やディスプレイ12等の動作に必要な下限値電圧まで低下したか否かを確認する(ステップS3)。
【0038】
下限値電圧まで低下していない場合は(ステップS3でN)、後述するステップS11に進み、低下した場合は(ステップS3でY)、制御用導電パターン23を介して第1のスイッチングトランジスタ18のベースに出力する制御信号を、そのエミッターコレクタ間を閉成状態にするための内容に変更した後(ステップS5)、電圧監視用導電パターン25及び不図示のA/Dコンバータを介して取り込んだ、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧のアナログ値が、下限値電圧以上に回復したか否かを確認する(ステップS7)。
【0039】
下限値電圧以上に回復していない場合は(ステップS7でN)、回復するまでステップS7をリピートし、回復した場合は(ステップS7でY)、制御用導電パターン23を介して第1のスイッチングトランジスタ18のベースに出力する制御信号を、そのエミッターコレクタ間を開放状態にするための内容に変更した後(ステップS9)、ステップS3にリターンする。
【0040】
ステップS3において、電圧監視用導電パターン25及び不図示のA/Dコンバータを介して取り込んだ、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧のアナログ値が、下限値電圧まで低下していない場合(N)に進むステップS11では、RAMの監視周期タイマエリアにおけるタイムカウントのタイマ値Taが電池電圧監視周期時間T1に達したか否かを確認する。
【0041】
タイマ値Taが電池電圧監視周期時間T1に達していない場合は(ステップS11でN)、ステップS3にリターンし、達した場合は(ステップS11でY)、制御用導電パターン24を介して第2のスイッチングトランジスタ19のベースに出力する制御信号を、そのエミッターコレクタ間を閉成状態にするための内容に、所定のリフレッシュ時間(例えば700ms)だけ変更するリフレッシュ通電処理を行い(ステップS13)、RAMの監視周期タイマエリアにおけるタイムカウントのタイマ値Taをリセットした後(ステップS15)、ステップS3にリターンする。
【0042】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図2のフローチャートにおけるステップS3及びステップS7が、請求項中の電池電圧監視手段に対応する処理となっており、図2中のステップS3が、請求項中の制御手段に対応する処理となっていると共に、図2中のステップS11乃至ステップS15が、請求項中の第2の制御手段に対応する処理となっている。
【0043】
即ち、本実施形態では、請求項中の電池電圧監視手段、制御手段、及び、第2の制御手段が、いずれもマイコンμCOMによって構成されている。
【0044】
このように構成された本実施形態のガスメータでは、電池パック30のリチウム電池31,31,…が消耗したり、コネクタ13,34やリード線33においてショートが発生すると、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧が下限値電圧まで低下し、それに伴って、コントローラ11やディスプレイ12等に供給される動作用の電源が、電池パック30のリチウム電池31,31,…からバックアップ用のリチウム電池22に切り替えられる。
【0045】
そして、バックアップ用のリチウム電池22から供給される電源によってコントローラ11やディスプレイ12等が動作している間は、給電用導電パターン14の分岐箇所aからコネクタ13,34及びリード線33を介してヒューズ32側に、リチウム電池22からの電流が逆流することが、ショットキーバリアダイオード22によって防止される。
【0046】
このため、電池パック30のリチウム電池31,31,…の消耗に伴う交換の際だけでなく、コネクタ13,34やリード線33においてショートが発生して電池パック30のリチウム電池31,31,…から電源の供給を受けられなくなった場合にも、バックアップ用のリチウム電池22から電源を確実に供給させて、コントローラ11やディスプレイ12等の動作を確実に継続させることができる。
【0047】
また、電池パック30のリチウム電池31,31,…の消耗や、コネクタ13,34やリード線33におけるショートが発生しておらず、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧が下限値電圧まで低下していない状態においては、第2のスイッチングトランジスタ19のエミッターコレクタ間の開放により給電用導電パターン14から電気的に切り離されたバックアップ用のリチウム電池22が、間欠的(電池電圧監視周期時間T1毎)に、所定のリフレッシュ時間(例えば700ms)だけダミー抵抗20に接続されて通電される。
【0048】
このため、第2のスイッチングトランジスタ19のエミッターコレクタ間の開放により給電用導電パターン14から電気的に切り離されている間、リチウム電池22の電極で発生したサルフェーション現象が、ダミー抵抗20への接続による通電で解消され、リチウム電池22が活性化される。
【0049】
これにより、電池パック30のリチウム電池31,31,…の消耗や、コネクタ13,34やリード線33におけるショートの発生に伴い、第2のスイッチングトランジスタ19のエミッターコレクタ間を閉成して、リチウム電池22から供給される電源によってコントローラ11やディスプレイ12等が動作させる際に、それらを動作させるのに必要な電源を供給するのに足りる放電を、リチウム電池22に確実に行わせることができる。
【0050】
尚、バックアップ用のリチウム電池22を間欠的にダミー抵抗20に接続して通電させるための構成は、省略してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、請求項中の電池電圧監視手段、制御手段、及び、第2の制御手段が、いずれもマイコンμCOMによって構成されている場合について説明したが、それぞれ又はそれらの一部が個別の要素によって構成されていてもよい。
【0052】
さらに、請求項中の電池電圧監視手段、制御手段、及び、第2の制御手段を構成する要素は、少なくとも、リチウム電池31,31,…の消耗や、コネクタ13,34やリード線33におけるショートが発生していない正常時に、リチウム電池31,31,…から供給される電源によって動作する要素からなるものであればよく、リチウム電池31,31,…の消耗や、コネクタ13,34やリード線33におけるショートが発生している際に、バックアップ用のリチウム電池22からの電源供給を受けて動作するものでなくてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、コントローラ11やディスプレイ12等に供給される動作用の電源を、電池パック30のリチウム電池31,31,…からバックアップ用のリチウム電池22に切り替えた直後の、給電用導電パターン14の分岐箇所aからコネクタ13,34及びリード線33を介してヒューズ32側に逆流しようとするリチウム電池22からの電流中に含まれる、高周波成分の逆流阻止用に、整流素子としてショットキーバリアダイオード22を用いた。
【0054】
しかし、コントローラ11やディスプレイ12等に供給される動作用の電源がバックアップ用のリチウム電池22である間、ヒューズ32側への電流の逆流を支障なく防止できるのであれば、ショットキーバリアダイオード21以外の素子を整流素子として用いてもよい。
【0055】
さらに、上述した実施形態では、コントローラ11のマイコンμCOMによって、ショットキーバリアダイオード21とコネクタ13との間の給電用導電パターン14箇所における電圧を監視し、その値が、予め定められたコントローラ11やディスプレイ12等の動作に必要な下限値電圧まで低下した場合に、第1のスイッチングトランジスタ18のエミッターコレクタ間を開放状態から閉成状態に切り換えさせて、コントローラ11やディスプレイ12等に供給される動作用の電源を、電池パック30のリチウム電池31,31,…からバックアップ用のリチウム電池22に切り替える構成とした。
【0056】
しかし、これらの構成を省略して、バックアップ電池22を第1の分岐導電パターン16を介して、給電用導電パターン14上の分岐箇所aに直接接続する構成とし、ヒューズ32の非溶断時に、ヒューズ32やコネクタ13,34を介して電池パック30の各リチウム電池31,31,…と並列接続されて、各リチウム電池31,31,…と共にコントローラ11やディスプレイ12等に動作用の電源を供給する構成としてもよい。
【0057】
そして、そのように構成する場合、バックアップ電池22に用いる電池は、電池パック30の各リチウム電池31と内部インピーダンスや端子電圧のスペックが同じ、同一の電池体である必要は、必ずしも無い。
【0058】
しかし、各リチウム電池31と同一の電池体をバックアップ電池22に用いるようにした方が、各リチウム電池31に対してヒューズ32やコネクタ13,34を介して並列接続された状態にあるバックアップ電池22が、ヒューズ32の非溶断中に、各リチウム電池31と同じペースで容量を減らしていくことになり、各リチウム電池31とバックアップ電池22との間に電位差が生じないので、リチウム電池31からコントローラ11やディスプレイ12等に向けた電流以外への無駄な、リチウム電池31からバックアップ電池22への電流が流れるのを防ぎ、バックアップ電池22を設けたことによるリチウム電池31の無用な消費を阻止することができるので、有利である。
【0059】
また、上述した実施形態では、コントローラ11やディスプレイ12等に電源を供給するのが、複数本のリチウム電池31,31,…の並列回路で構成される電池パック30であるものとしたが、単一のリチウム電池31がコントローラ11やディスプレイ12等に電源を供給する構成であっても、本発明は適用可能である。
【0060】
さらに、上述した実施形態では、コネクタ13,34を介して回路基板10側と電池パック30及びヒューズ32とを電気的に切り離して、電池パック30やヒューズ32を交換できる構成や、リチウム電池31をハウジング2の外部から交換できる電池パック30を用いた構成を例に取って説明したが、本発明は、回路基板10側とリチウム電池31及びヒューズ32とが電気的に切り離せない構成のものや、リチウム電池31が交換不能な構成のものについても適用可能である。
【0061】
また、上述した実施形態では、ガスの流量を測定するガスメータ1に本発明を適用した場合を例に取って説明したが、本発明は、電池からの電源供給を受けて流量を測定する電池駆動式の流量メータである限り、例えば液体(純水、超純水、薬液、高腐食性液体等)等を含む流体の流量を測定する流量メータの全般に広く適用可能であり、かつ、流体の流量を測定するのに用いるセンサの種類によって、本発明の適用対象が限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明が適用されるガスメータの電気的な構成の要部を一部ブロックにて示す回路図である。
【図2】図1のROMに格納された制御プログラムに従い中央処理装置が行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 ガスメータ(流量メータ)
12 ディスプレイ(電気素子、周辺回路)
14 給電用導電パターン(電源ライン)
15 グラウンド用導電パターン(接地電位箇所)
18 第1スイッチングトランジスタ(第1のスイッチング手段)
19 第2スイッチングトランジスタ(第2のスイッチング手段)
20 ダミー抵抗
21 ショットキーバリアダイオード(整流素子)
22 リチウム電池(バックアップ電池、電池体)
31 リチウム電池(電池、電池体)
32 ヒューズ
μCOM ワンチップマイクロコンピュータ(電気素子、マイクロコンピュータ、電池電圧監視手段、制御手段、第2の制御手段)
a 分岐箇所(分岐箇所)
b 分岐箇所(第2分岐箇所)
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄

【識別番号】100097858
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 浩史

【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男

【識別番号】100075421
【弁理士】
【氏名又は名称】垣内 勇


【公開番号】 特開2008−2856(P2008−2856A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170759(P2006−170759)