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【発明の名称】 電磁流量計の取付構造
【発明者】 【氏名】佐藤 弘一

【要約】 【課題】ライニングの剥れや変形を防止できる電磁流量計の取付構造を提供する。

【構成】管壁に形成された電極取付孔と該電極取付孔の周囲を取り囲むように前記管壁の外面に突設された筒状の電極取付部とを有する測定管と、前記測定管と前記電極取付孔の内周面を覆うように成形されたライニングと、一端が前記電極取付孔に前記ライニングを介して挿入される電極とを備え、前記電極と前記ライニングとが一体に成形され、前記電極取付孔内部に設けた鍔状の電極載置部の周面に貫通孔が設けられ、該貫通孔内部にライニングが施されて前記ライニングが係止された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管壁に形成された電極取付孔と該電極取付孔の周囲を取り囲むように前記管壁の外面に突設された筒状の電極取付部とを有する測定管と、
前記測定管と前記電極取付孔の内周面を覆うように成形されたライニングと、
一端が前記電極取付孔に前記ライニングを介して挿入される電極とを備え、
前記電極と前記ライニングとが一体に成形され、
前記電極取付孔内部に設けた鍔状の電極載置部の周面に貫通孔が設けられ、
該貫通孔内部にライニングが施されて前記ライニングが係止された
ことを特徴とする電磁流量計の取付構造。
【請求項2】
前記貫通孔は、周面に対して均等に配分された位置に複数個設けられた
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計の取付構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁流量計の取付構造に関し、詳しくは電磁流量計の電極近傍のライニングを係止する構造の電磁流量計の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における磁気流量計は、図10乃至図12に示すように、測定管11と、この測定管11の管壁12に設けられたそれぞれ一対からなる電極13A、13B及び励磁コイル14とで概ね構成されている。
【0003】
測定管11は、直管からなり両端が開放した管本体15と、この管本体15の両端に一体に設けられた左右一対のフランジ16A、16Bとで構成され、管本体15の長手方向中央部で左右両側面に貫通孔からなり各電極13A、13Bが取付けられる2つの電極取付孔17A、17Bが互いに軸線が一致するように、且つ測定管11の軸線と直交するように形成されている。
又、管本体15の管壁12外周面には、各電極取付孔17A、17Bの周囲を取り囲むように筒状の電極取付部18A、18Bが突設されている。
【0004】
そして、各フランジ16A、16Bの外側面、各電極取付孔17A、17Bの内周面及び管本体15の管壁12外周面で電極取付部18A、18Bによって囲まれた部分を含む管本体15の内周面全体にライニング19が一体に成形されている。
又、ライニング19の内部には、測定管11との接合強度を高めるためにパンチプレート21が埋設されている。このパンチプレート21は管本体15の内部に固定リングを介して固定されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−48612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術で説明した電磁流量計において、ライニングの変形や剥れを防止するためのパンチプレートは、以下の理由により電極近傍までのばして設置することができない。
電極とパンチプレートが接触してしまうと正しい流量が測定できない。
パンチプレート端面がライニング表面近くまでくるとその鋭利なエッジによりライニング内部から表面までわたる亀裂が入り、そこに流体が流れ込んで絶縁劣化の恐れがある。
【0007】
このため、図13に示すように、電極13A近傍ではライニング19自身に収縮応力などの応力がかかった場合、ライニング19が変形や管本体15からの剥れ22が発生しやすいという問題がある。
このライニング19の剥れ22による内径の変化は電磁流量計に有害なスパン誤差を発生させる。
【0008】
従って、電極近傍のライニングの変形や剥れを抑制するための係止構造に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明の電磁流量計は、次に示す構成にしたことである。
【0010】
(1)管壁に形成された電極取付孔と該電極取付孔の周囲を取り囲むように前記管壁の外面に突設された筒状の電極取付部とを有する測定管と、前記測定管と前記電極取付孔の内周面を覆うように成形されたライニングと、一端が前記電極取付孔に前記ライニングを介して挿入される電極とを備え、前記電極と前記ライニングとが一体に成形され、前記電極取付孔内部に設けた鍔状の電極載置部の周面に貫通孔が設けられ、該貫通孔内部にライニングが施されて前記ライニングが係止されたことを特徴とする電磁流量計の取付構造。
(2)前記貫通孔は、周面に対して均等に配分された位置に複数個設けられたことを特徴とする(1)に記載の電磁流量計。
【発明の効果】
【0011】
本提案によれば、電極を搭載する電極載置部の周面に貫通孔を開け、この貫通孔にライニングを施すことで、電極近傍のライニングを係止する構造となり、部品を付加することなくパンチプレートと同等のライニング係止効果を有し、ライニングの剥れや変形を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本願発明に係る電磁流量計の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、従来技術で説明したものと同じものには同じ符号を付与して説明する。
【0013】
本願発明の電磁流量計は、図1乃至図3、図4及び図5に示すように、測定管11と、この測定管11の管壁12に設けられたそれぞれ一対からなる電極13A、13B及び励磁コイル14とで概ね構成されている。
【0014】
測定管11は、直管からなり両端が開放した管本体15と、この管本体15の両端に一体に設けられた左右一対のフランジ16A、16Bとで構成され、管本体15の長手方向中央部で左右両側面に貫通孔からなり各電極13A、13Bが取付けられる2つの電極取付孔17A、17Bが互いに軸線が一致するように、且つ測定管11の軸線と直交するように形成されている。
又、管本体15の管壁12外周面には、各電極取付孔17A、17Bの周囲を取り囲むように筒状の電極取付部18A、18Bが突設されている。
【0015】
そして、各フランジ16A、16Bの外側面、各電極取付孔17A、17Bの内周面及び管本体15の管壁12外周面で電極取付部18A、18Bによって囲まれた部分を含む管本体15の内周面全体にライニング19が一体に成形されている。ライニングとしては、例えばPFA(パーフロロアルコキシ樹脂)、ETFE(テトラフルオロエチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン樹脂)等の耐食性と電気絶縁性を有する合成樹脂が用いられる。
又、ライニング19の内部には、測定管11との接合強度を高めるためにパンチプレート21が埋設されている。このパンチプレート21は管本体15の内部に固定リングを介して固定されている。
【0016】
特に図3、図4及び図5に示すように、電極取付孔17A、17Bの内部には孔中心方向に鍔状に突設した電極載置部23が設けられており、この電極載置部23の周面24上に均等に配分された位置に4個の貫通孔25を設けた構造となっている。
この電極取付孔17A(、17B)内部に設けた貫通孔25に電極13A(、13B)と共に一体にライニング19が施されることで、電極13A(、13B)近傍のライニング19を係止する構造となる。
このように、パンチプレート21のない電極13A(、13B)付近の電極載置部23に貫通孔25を設けてライニング19を施すことで、電極13A(、13B)近傍のライニング19を係止する構造となり、電極13A(、13B)近傍のライニング19の変形や剥れを抑制することができるのである。
【0017】
上記電極載置部23に設けた貫通孔25の穴径、穴位置、穴の個数は任意に変更することができる。
【0018】
図6及び図7に示すものは、電極載置部23の周面24上に2個の貫通孔25を設けたもので、互いに対向する位置に貫通孔25を設けた構造となっている。
【0019】
図8及び図9に示すものは、電極載置部23の周面24上に8個の貫通孔25を設けたもので、互いに均等に配分された位置に貫通孔25を設けた構造となっている。
【0020】
電極を搭載する電極載置部の周面に貫通孔を開け、この貫通孔にライニングを施すことで、電極近傍のライニングを係止する構造となり、部品を付加することなくパンチプレートと同等のライニング係止効果を有し、ライニングの剥れや変形を防止できる電磁流量計を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願発明の電磁流量計を構成する測定管の断面図である。
【図2】同、電極を中心にした断面図である。
【図3】本願発明の電磁流量計のうち電極部分の断面図を略示的に示した説明図である。
【図4】同、測定管のみの電極取付孔の上面図である。
【図5】同、図4における測定管のみの電極取付孔の部分の断面を略示的に示した説明図である。
【図6】同、測定管のみの電極取付孔の内部の貫通孔の数が2個の場合の変形例を示した上面図である。
【図7】同、図6における測定管のみの電極取付孔の部分の断面を略示的に示した説明図である。
【図8】同、測定管のみの電極取付孔の内部の貫通孔の数が8個の場合の変形例を示した上面図である。
【図9】同、図8における測定管のみの電極取付孔の部分の断面を略示的に示した説明図である。
【図10】従来技術における測定管の断面図である。
【図11】同、電極を中心にした断面図である。
【図12】同、電極を取り付けた測定管の略示的な断面図である。
【図13】同、電極近傍付近でライニングに剥れが生じた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0022】
11 測定管
12 管壁
13A 電極
13B 電極
14 励磁コイル
15 管本体
16A フランジ
16B フランジ
17A 電極取付孔
17B 電極取付孔
18A 電極取付部
18B 電極取付部
19 ライニング
21 パンチプレート
23 電極載置部
24 周面
25 貫通孔

【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−2814(P2008−2814A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169676(P2006−169676)