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【発明の名称】 計器校正管理システム
【発明者】 【氏名】宇▲高▼ 健司

【氏名】山下 司平

【氏名】荒木 憲司

【氏名】池田 浩明

【要約】 【課題】計器の目盛りの信頼性を確保するために、適切に校正期限を見直すことが可能な計器校正管理システムを提供する。

【構成】コンピュータで読み取り可能なIDを有する計器Mの校正期限を管理する計器校正管理システム1において、前記IDはRFIDタグTに記憶されていて、計器Mを使用する使用場所11に設置されるRFIDタグリーダ5で固有IDを読み取って使用頻度を算出する。さらに、使用場所11の作業環境情報を算出して設定し、前記の使用頻度と前記の作業環境情報とに基づいて、計器Mの校正期限を見直す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
校正を行うべき期限が設定された計器にコンピュータ読取可能なIDを付し、
前記計器が使用される複数の使用場所のそれぞれに前記IDを読み取るリーダを配備し、および/または、前記計器の使用者に前記IDを読み取るリーダを携帯させ、前記使用場所での前記計器の使用ごとに前記リーダに前記IDを読み取らせ、
前記リーダとは有線又は無線で接続される管理装置が、前記リーダが前記IDを読み取った情報に基づいて前記計器の校正期限を管理するようにした計器校正管理システムであって、
前記管理装置は、
前記リーダが前記IDを読み取った情報を収集して、前記IDごとに使用時間または使用回数を含んでなる使用履歴を集計する使用履歴集計部と、
前記IDごとに、前記使用履歴に基づいて使用頻度を算出する使用頻度算出部と、
前記算出された使用頻度が所定の閾値を超えると、前記IDに対応する計器の校正期限の見直しを通知または表示する出力部と、
を備えたことを特徴とする計器校正管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記計器の校正期限に与える影響度を前記使用場所ごとに評価した影響度情報を記憶した記憶部を備え、
前記使用履歴集計部は、前記リーダが前記IDを読み取った情報を収集して、前記IDごとに各使用場所での使用時間または使用回数を含んでなる使用履歴を集計し、
前記使用頻度算出部は、前記影響度情報を参照して使用場所ごとの前記影響度を読み出し、前記IDごとに、各使用場所での使用履歴に前記読み出した使用場所ごとの影響度を適用して使用頻度を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の計器校正管理システム。
【請求項3】
前記使用場所にあっては、前記使用場所ごとの前記計器の校正期限に与える影響度の変化を検出する検出手段を有し、
前記管理装置は、前記検出手段が検出した前記影響度の変化を取得して、
前記取得した前記影響度の変化に基づいて、前記使用場所ごとの前記影響度情報を更新することを特徴とする請求項2に記載の計器校正管理システム。
【請求項4】
前記リーダは、前記計器の使用者を特定する情報を取得して、前記管理装置に送信する機能を備え、
前記管理装置は、前記計器の校正期限に与える人的影響度を前記使用者ごとに評価した人的影響度情報を記憶した記憶部を備え、
前記使用履歴集計部は、前記使用者を特定する情報を加味した使用履歴を集計し、
前記使用頻度集計部は、前記人的影響度情報を参照して、使用者ごとの前記人的影響度を読み出し、読み出した人的影響度をさらに適用して前記使用頻度を算出することを特徴とする請求項2に記載の計器校正管理システム。
【請求項5】
前記IDは、前記計器に付された、電気的に書き換え可能な記憶装置に記憶され、
前記リーダは、前記計器に付された、前記電気的に書き換え可能な記憶装置にデータを書き込む手段をさらに有し、
前記リーダは、前記計器に付された、前記電気的に書き換え可能な記憶装置に見直された前記計器の校正期限を書き込むことを特徴とする請求項1に記載の計器校正管理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、計器校正管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力プラント等では、製造、建設および定期点検の各段階において、配管等の品質管理記録が要求されるので、検査に用いる計器の目盛りの信頼性を確保するために校正管理が重要である。計器の目盛りの校正(以下、校正と称する)は、所定の校正期限までに定期的に実施すればよいが、計器の作業環境や使用頻度によっては、校正期限内であっても目盛りの信頼性を確保するために校正する必要がある。
【0003】
そこで、計器の管理担当者は、計器が保管場所から持ち出されるときに、計器を持ち出す検査担当者と持ち出す計器の情報とを正確に記録して、持ち出された計器の校正期限を常に把握して、校正期限内に確実に校正を実施するように管理している。
【0004】
しかしながら、前記の管理方法は人的な管理であるため、管理する計器が増えると、計器の管理担当者の負担も増え、校正期限を見逃す恐れがある。そこで、計器の管理を自動化してより確実に校正期限を管理する技術が提案されている。
【0005】
例えば、従来、保管場所に設けたリーダ/ライタで計器に付けたタグに管理情報を書き込み、ネットワークに接続されたサーバが計器の校正期限を管理するシステムが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。また、リーダ/ライタのアンテナの配置を調整して、計器につけられたタグの通過方向を検知することで、計器の貸出および返却を管理する技術が開示している(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1および特許文献2で開示されている技術によれば、持ち出された計器の校正期限を確実に管理することができる。
【特許文献1】特開2005−298100号公報(段落0012〜0018、図3〜図8)
【特許文献2】特開2003−146413号公報(段落0010〜0012、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、計器は校正期限内であっても、目盛りの信頼性に疑いが生じた場合には速やかに校正する必要があり、特許文献1および特許文献2に開示されている技術での管理方法には改善の余地がある。
【0008】
そこで、本発明は、適切に校正期限を見直すことが可能な計器校正管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、計器にIDを付して使用場所で読み取って、読み取ったIDから集計される使用回数や使用時間を含んだ使用頻度に基づいて計器の校正期限を見直す計器校正管理システムとした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、適切に校正期限を見直すことが可能な計器校正管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明に記載されるデータの構造、データの項目、データの値、具体的な数値などは、発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
また、計器は、例えばマノメータや圧力計などのように目盛りを有していて、測定時にはその目盛りを使用して測定値を読み取る形式の計器を対象とする。このような計器は、目盛りの信頼性を確保するために、定期的(例えば、1年ごと)に目盛りを校正する必要がある。そこで、前回の校正が有効な期限を校正期限として、校正期限までに再度校正するように管理する。
【0013】
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る計器校正管理システム1は、たとえば電力プラントなどのように、複数のエリアに分割されていて各エリアの出入口において人の出入り及び物の搬入出がチェックされるような施設に用いられる。そして、複数のエリア(図1では3つが示されている)の1つが計器Mの保管場所10であり、他のエリアが計器Mによる検査対象の設備を有する検査対象の使用場所11であって、図1には2つの使用場所11aと使用場所11bとを例示している。なお、図1には2つの使用場所11が示されているが、使用場所11の数は2つに限定されるものではない。
【0014】
また、保管場所10および各使用場所11には、計器Mが有するRFID(Radio Frequency Identification)タグTの情報を読み取るRFIDタグリーダ(リーダ)5と、RFIDタグリーダ5に接続されて、これを制御するRFIDタグリーダ制御装置4とが設置されている。
【0015】
さらに、保管場所10および各使用場所11のRFIDタグリーダ制御装置4は、計器校正期限設定装置(管理装置)12に接続されている。すなわち、計器校正期限設定装置12に複数のRFIDタグリーダ制御装置4が接続され、各RFIDタグリーダ制御装置4にRFIDタグリーダ5が接続されて計器校正管理システム1を構成する。
【0016】
そして、第1の実施形態においては、各使用場所11には入口と出口とがあり、入口にのみRFIDタグリーダ制御装置4およびRFIDタグリーダ5が配置されていることを特徴とする。そして、各使用場所11の設備を検査するために各使用場所11に搬入される計器Mは、すべてRFIDタグTを有している。このような構造によって、計器Mが入口を通って使用場所11に搬入されるときのみ、RFIDタグリーダ5はRFIDタグTの情報を読み取ることができる。
【0017】
RFIDタグTは、データ読み取り専用の不揮発性メモリ(以下、ROM(Read Only Memory)型メモリと称する)を有する。そして、ROM型メモリの情報は、RFIDタグリーダ5で、非接触で読み取ることができる。また、RFIDタグリーダ5の通信範囲内にRFIDタグTを配置または通過すれば情報を送信することができるため、情報の送信が容易であるという特徴を有する。
【0018】
第1の実施形態においては、RFIDタグTのROM型メモリには、固有ID(コンピュータ読取可能なID)があらかじめ記憶してある。固有IDは、例えば「0〜9」の数字と「A〜Z」のアルファベットとからなる符号で、RFIDタグTごとに異なった固有IDが付されてROM型メモリに記憶される。そして、RFIDタグTは、RFIDタグリーダ5からの電波を受信すると応答して、制御回路がROM型メモリに記憶してある固有IDを読み出し、電波受発信器がその読み出された固有IDをRFIDタグリーダ5に送信する。
【0019】
RFIDタグリーダ5は送受信回路を含み、RFIDタグリーダ制御装置4の指示に従ってRFIDタグTを起動する電波を発信し、RFIDタグTから送信される電波を受信する。また、各RFIDタグリーダ5には、RFIDタグTと通信するためのアンテナ5aが接続されている。
【0020】
RFIDタグリーダ制御装置4は、計器校正期限設定装置12との通信インターフェースとCPU(Central Processing Unit) とによって構成された制御部を含み、制御部はRFIDタグリーダ5の送受信動作を制御するとともに、前記の通信インターフェースを介してRFIDタグリーダ制御装置4へのデータの入出力を制御する。なお、RFIDタグリーダ制御装置4は、複数のRFIDタグリーダ5を制御することができる。
【0021】
第1の実施形態において、各使用場所11には、搬入される計器MのRFIDタグTの固有IDを読み取るRFIDタグリーダ5が設置され、RFIDタグリーダ5はRFIDタグリーダ制御装置4によって制御される。
【0022】
計器校正期限設定装置12は、ワークステーションやパソコンなどのコンピュータであり、検査担当者や管理担当者が計器管理などに使用する図示しない端末装置が接続される。端末装置は、少なくともキーボードやマウス等の入力装置、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ等の表示装置を備える。また、端末装置は必要に応じて、入力装置としてCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory) ドライブなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の読取装置を備える。
【0023】
なお、第1の実施形態において、計器校正期限設定装置12、RFIDタグリーダ制御装置4、RFIDタグリーダ5および計器校正期限設定装置12の図示しない端末装置の接続方法については特に限定しないが、例えば、ネットワークを介して接続する方法が考えられる。
【0024】
また、計器校正期限設定装置12には、計器属性情報12aと影響度情報12bとがデータベースとして格納されている。そして、計器校正期限設定装置12は、計器属性情報12aと影響度情報12bとに基づいて、計器Mの校正期限を見直す機能を有する。さらに、計器校正期限設定装置12は、使用履歴集計部12cと使用頻度算出部12dとを有する。使用履歴集計部12cは、計器Mの各使用場所11における使用履歴を集計する。また、使用頻度算出部12dは、使用履歴集計部12cが集計した使用履歴に基づいて、計器Mの使用頻度を算出する。
【0025】
図2に計器属性情報12aのデータ構造の一例を示す(適宜、図1参照)。計器属性情報12aは、計器Mが有するRFIDタグTの固有ID120、管理番号121、計器名122、校正期限123から構成される。なお、管理番号121は、計器Mを管理するために各計器Mにつける固有の番号もしくは符号であって、任意の形態で設定すればよい。
【0026】
さらに、計器Mが使用場所11(図1参照)に搬入されたときに、計器Mが有するRFIDタグTが、使用場所11に設置されるRFIDタグリーダ5に検出され、RFIDタグTの固有IDが読み取られる。そして、RFIDタグリーダ制御装置4を介して計器校正期限設定装置12に送信されると、使用状況124が追加される。使用状況124には、場所124aと日時124bとの各項目があり、場所124aにはRFIDタグTが検出された使用場所11の名称が登録され、日時124bにはRFIDタグTが、使用場所11に設置されるRFIDタグリーダ5に検出された日時(年/月/日、時:分:秒)が登録される。なお、使用状況124は、計器Mが使用場所11に搬入されるごとに追加され、1つの計器Mが複数の使用状況124を有するデータ構造となる。
【0027】
図3に影響度情報のデータ構造の一例を示す。影響度情報12bは、計器Mが使用される使用場所11が計器Mの校正期限に与える影響度を評価した情報である。図3では、計器Mが使用される使用場所11が計器Mに影響を与える要素(以下、負荷要素と称する)として、温度131、湿度132、粉塵133、空間134、計測対象物135を選択して例示している。
【0028】
なお、負荷要素としては、計器Mの目盛りを変形したり腐食したりするような物理的な負担や化学的な負担を、使用する計器Mにかけるような要素を選択すればよく、前記に例示した要素に限定するものではない。
【0029】
そして、影響度情報12bのデータ構造は、計器Mが使用される使用場所11の使用場所名130と、前記した負荷要素とから構成される。図3では、負荷要素として温度131、湿度132、粉塵133、空間134、計測対象物135の各要素が所定のルールに基づいて数値化されている。
【0030】
なお、第1の実施形態においては、計器Mにかける負担が大きく、計器Mの目盛りの信頼性に大きな影響を及ぼす要素には大きな数値を割り当てるというルールを採用している。このルールに基づいて数値化された負荷要素の情報を、以下、環境情報指数と称する。
【0031】
図3に示す例では、各項目の環境情報指数は「0から10」の11段階とする。例えば、使用場所A(11a)(図1参照)が非常に高温多湿で非常に狭い空間である場合、使用場所A(11a)に計器Mを搬入すると高温の影響によって計器Mの目盛りが熱膨張したり、高湿の影響で結露したりするなど、計器Mにかかる負担が大きい。したがって、計器Mの目盛りの信頼性に大きな影響を及ぼすと評価して、温度131と湿度132との環境情報指数は最高値の「10」を当てる。また、非常に狭い空間であることから、空間134にも最高値「10」の環境情報指数を当てる。なお、狭い空間は、計器Mを壁にぶつけたり設置が不安定で落としたりする事故による変形の危険性が高いことから、計器Mにかける負担が大きく、計器Mの目盛りの信頼性に大きな影響を及ぼす要素となる。
【0032】
また、使用場所B(11b)(図1参照)が、温度および湿度は一般環境に近い一定値に管理されているため変動は非常に少ないが空気中の粉塵が多い場合、温度および湿度は計器Mにかかる負担が小さい。したがって、計器Mの目盛りの信頼性に与える影響は非常に小さいと評価して、温度131および湿度132の環境情報指数は最低値の「0」を当てる。また、空気中の粉塵によって計器Mの目盛りが汚れるなどの現象が発生しやすいことから、計器Mにかかる負担が大きい。したがって、計器Mの目盛りの信頼性に与える影響が大きいと評価して、粉塵133の環境情報指数は「8」を当てている。
【0033】
なお、計測対象物の項目は、例えば放射線や紫外線の測定、非常に大きいものの質量測定、非常に高圧の圧力測定など、計器Mにかける負担が大きく、計器Mの目盛りの信頼性に大きな影響を及ぼすと判断される測定の場合に大きな環境情報指数を付す。
【0034】
図4は、使用状況のデータが更新されるフローを示す図である。図1、図2および図4を参照しながら、計器属性情報12aの使用状況124が更新される手順を説明する。
【0035】
検査に使用される計器Mが検査対象の使用場所11に搬入されると、使用場所11に設置されているRFIDタグリーダ5が、搬入された計器Mが有するRFIDタグTを検出してRFIDタグTの固有IDを読み取り、RFIDタグリーダ制御装置4に送信する(S1)。
【0036】
RFIDタグリーダ制御装置4は、受信したRFIDタグTの固有IDに、計器Mが搬入された使用場所11の名称と搬入された日時とを追加して使用場所搬入情報として、計器校正期限設定装置12に送信する(S2)。
【0037】
なお、この時点でRFIDタグリーダ制御装置4が計器校正期限設定装置12の計器属性情報12aの校正期限を照会して(S3)、搬入された計器Mの校正期限までの残存期間が所定の期間より短い場合には校正期限間近と判断して(S4→Yes)、検査担当者に返却要請する(S5)。なお、返却要請する方法として、例えばRFIDタグリーダ制御装置4が制御するインジケータやブザー等による方法が考えられる。
【0038】
校正期限間近でない場合(S4→No)、RFIDタグリーダ制御装置4から、使用場所搬入情報を受信した計器校正期限設定装置12は、使用場所搬入情報のRFIDタグTの固有IDを参照して、使用状況124のデータを追加する対象となる計器Mの計器属性情報12aを抽出する。そして、計器校正期限設定装置12は、使用状況124を追加する対象である計器Mの計器属性情報12aに使用状況124のデータを追加する(S6)。さらに、使用状況124の場所124aに使用場所11の名称を登録して、日時124bに搬入された日時を登録する。
【0039】
以上の手順で、使用場所11に搬入された計器Mの計器属性情報12aが更新される。
【0040】
そして、計器校正期限設定装置12は、計器属性情報12aと影響度情報12bとに基づいて計器Mの校正期限を見直す。図5に計器Mの校正期限を見直すフローを示す。図1、図2、図3および図5を参照しながら、以下に校正期限を見直す手順を示す。
【0041】
計器校正期限設定装置12が、後記する計器校正管理のロジックからの指示によって、校正期限の見直しを開始すると、計器校正期限設定装置12は、計器属性情報12aを参照して校正期限を見直す計器Mの使用状況124のデータを抽出する(S11)。なお、校正期限の見直しは、例えば計器校正管理システム1が管理する計器Mを順次選択していき、すべての計器Mについて校正期限を見直すものとする。
【0042】
抽出された使用状況124のデータには、計器Mを使用したすべての使用場所11の名称と、各使用場所11への搬入日時と、が含まれる。そして、計器校正期限設定装置12に備わる使用履歴集計部12cが、使用状況124のデータに基づいて各使用場所11での使用履歴を集計する(S12)。
【0043】
すなわち、計器校正期限設定装置12は、計器属性情報12aに登録されている使用状況124における場所124aの項目を参照して、同じ使用場所11の名称が登録されている使用状況124の数を、その使用場所11での使用回数として、この値を使用履歴とする。
【0044】
次に、計器校正期限設定装置12は、影響度情報12bを照会して各使用場所11の環境情報指数に基づいた各使用場所11の作業環境情報を算出する(S13)。作業環境情報は、例えば、使用場所11の各環境情報指数を加算して算出する。使用場所A(11a)を例にとると、図3に例示したように、各環境情報指数は、温度131が「10」、湿度132が「10」、粉塵133が「1」、空間134が「10」、計測対象物135が「3」であるので、使用場所A(11a)の作業環境情報は、10+10+1+10+3=34となる。
【0045】
そして、計器校正期限設定装置12は算出された作業環境情報と使用履歴とを乗じて、使用場所11の負荷指数を算出する。例えば、使用場所A(11a)に1回搬入した場合には、使用場所A(11a)における負荷指数は34×1=34となる。
【0046】
そして、計器校正期限設定装置12に備わる使用頻度算出部12dが、前記のように算出される負荷指数を、全ての使用場所11について加算して、計器Mの使用頻度を算出する(S14)。
【0047】
以下に、使用頻度を算出するための式1を示す。
【数1】


【0048】
式1は、計器属性情報2aが、j個の使用場所11を有する場合の使用頻度Uの算出式であり、各使用場所11での負荷指数(作業環境情報Ei×使用履歴Hi)を全ての使用場所11について加算することを示している。
【0049】
そして、計器校正期限設定装置12は、使用頻度が所定の閾値より大きい場合(S15→Yes)、その計器Mについては校正期限を見直して(S16)、計器属性情報12aの校正期限123の値を更新する。
【0050】
校正期限は、例えば、所定の閾値を設定して、使用頻度が設定した閾値より大きくなった場合に、校正期限を所定の期間短縮して校正期限を見直すように設定すればよい(例えば、閾値を「1000」に設定した場合、使用頻度が「1000」を超えるごとに1日短縮するなど)。なお、校正期限が再設定された計器Mに関しては、計器属性情報12aの使用状況124のデータをクリアする(S17)。
【0051】
前記のように計器属性情報12aの使用状況124のデータをクリアすることで、新たに校正期限を見直すときに、一度参照した使用状況124のデータを重複して参照することがなくなる。
【0052】
そして、計器校正期限設定装置12は、校正期限を見直したときには、例えば、計器校正期限設定装置12に接続される図示しない端末に備わる表示装置によって、計器管理者に通知または表示する機能を有することが好ましい。この場合、図示しない端末に備わる表示装置が出力部となる。このような通知または表示によって、計器管理者は校正期限が見直された計器Mを知ることができる。
【0053】
なお、使用頻度が所定の閾値より小さい場合(S15→No)、校正期限の見直しはしない。
【0054】
さらに、計器校正期限設定装置12は、校正期限までの残存期間が所定の期間より短い場合には校正期限間近と判断して(S18→Yes)、例えば、計器校正期限設定装置12に接続される図示しない端末に備わる表示装置によって、計器管理者に通知する(S19)。なお、校正期限までの残存期間が所定の期間より長い場合には(S18→No)そのまま終了する
【0055】
なお、前記の所定の期間としては、例えば、校正期限まで1ヶ月などのように期間を設定して、設定した期間よりも校正期限までの残存期間が短ければ、校正期限間近と判断すればよい。
【0056】
以上のような手順によって、計器校正期限設定装置12は計器Mの校正期限を見直す。
【0057】
図6は、計器校正管理のフローを示す図である。前記のように構成される計器校正管理システム1においては、定期的に、または、計器管理者の指示入力によって、図6に示すフローに従って、計器校正管理をすることができる。図1、図6を参照しながら、計器校正管理のフローを説明する。
【0058】
計器校正期限設定装置12が計器校正管理実行の指示を受けると、保管場所10に設置されているRFIDタグリーダ5で、保管場所10に保管されている計器Mが有するRFIDタグTを確認する(S21)。ここで、RFIDタグTを確認するとは、保管場所10に設置されているRFIDタグリーダ5が、RFIDタグTの情報を読み取ることが可能か否かによって、RFIDタグTの存在を確認することである。
【0059】
すなわち、RFIDタグリーダ5が情報を読み取ることができたRFIDタグTを付している計器Mは、保管場所10に保管されていると判断し、情報を読み取ることができないRFIDタグTを付している計器Mは、保管場所10に保管されていないと判断する。
【0060】
なお、計器校正管理実行の指示は、例えば、計器校正期限設定装置12を動作させるプログラムに組み込まれている、定期的に校正期限を見直すロジックの起動や、計器管理者の図示しない端末の操作等による。
【0061】
計器校正期限設定装置12は、保管場所10に保管されていると判断された計器Mに関しては(S22→Yes)、図5に示すフローに従って校正期限を見直す(S23)。
【0062】
さらに、保管場所10に保管されていないと判断された(S22→No)計器Mに関しては、各使用場所11に設置されているRFIDタグリーダ5で、各使用場所11で使用されている計器Mが有するRFIDタグTを確認する。各使用場所11で、RFIDタグTを確認するとは、各使用場所11に設置されているRFIDタグリーダ5が、RFIDタグTの情報を読み取ることが可能か否かによって、RFIDタグTの存在を確認することである。
【0063】
すなわち、RFIDタグリーダ5が情報を読み取ることができたRFIDタグTを付している計器Mは、RFIDタグTの情報を読み取ることができた使用場所11で使用されていると判断する。
【0064】
各使用場所11で使用されていると判断された(S25→Yes)計器Mに関しても、計器校正期限設定装置12は、図5に示すフローに従って校正期限を見直す(S23)。そして、校正期限間近の計器Mがある場合、管理担当者は該当する計器Mを使用している検査担当者に対して計器Mの早期返却を要求すればよい。
【0065】
全ての使用場所11でRFIDタグTが確認できなかった(S25→No)計器Mに関しては、貸出記録を照会して(S26)、実際に貸し出し中であれば(S27→Yes)、計器校正期限設定装置12は、図5に示すフローに従って校正期限を見直す(S23)。そして、校正期限間近の計器Mがある場合、管理担当者は該当する計器Mを使用している検査担当者に対して計器Mの返却を要求するなどの処置をとればよい。
【0066】
なお、計器Mが貸し出し中か否かの判断は、例えば、別に作成される貸出記録を照会して判断する。貸出記録は、検査担当者が、検査に使用する計器Mを保管場所から持ち出す際に、例えば検査担当者情報(氏名もしくはID番号など)、貸出計器情報(固有ID,管理番号など)、貸出日、返却予定日時等の項目を登録して作成して、計器校正期限設定装置12に保存する。そして、計器Mを返却する際に、返却日を登録する。
【0067】
このような、貸出記録を作成して管理することで、計器校正期限設定装置12は貸し出し中か否かを判断する計器Mの貸出計器情報をキーとして貸出記録を照会することができる。そして、該当する貸出記録の貸出日が設定されていて、返却日が空欄であれば、該当する計器Mは貸し出し中であると判断できる。
【0068】
そして、RFIDタグTが確認できなかった計器Mで、かつ、貸し出し中ではない計器Mに関してはRFIDタグの故障と判断して(S27→No)、例えば、計器校正期限設定装置12に接続される図示しない端末に備わる表示装置によって、RFIDタグの故障を計器管理者に通知する(S28)。
【0069】
そして、保管場所に保管されている計器Mで、かつ、校正期限まで余裕のある計器Mは貸し出し可能な計器Mとして、保管場所に保管される。
【0070】
以上のように、本発明の第1の実施形態によって、定期的に、または、計器管理者の指示によって、保管場所で保管されている計器Mもしくは使用場所11で検査に使用されている計器Mの校正期限を見直すことができる。そして、計器Mの使用状況に応じて校正期限を再設定できることから、計器Mの校正期限を適正に管理することができる。なお、本実施形態においては、RFIDタグTを使用したが、RFIDタグTに限らず、例えば2次元コードと2次元コードの読取器を使用してもよい。
また、第1の実施形態において、計器Mが有するRFIDタグTの情報を読み取るRFIDタグリーダ5は、使用場所11に設置されているものとしたが、計器Mを使用する検査担当者がハンディリーダのようなRFIDタグリーダ5を携帯する態様であってもよい。この場合、検査担当者は、使用場所11に計器Mを搬入するたびに、計器Mが有するRFIDタグTの情報をRFIDタグリーダ5で読み取って、例えば無線によってRFIDタグリーダ制御装置4に送信して、RFIDタグリーダ制御装置4が計器校正期限設定装置12に送信する。なお、この場合、使用場所11に関する情報は、例えば、使用場所11にあらかじめ設置してある、使用場所11の情報が書き込まれたRFIDタグを読み取るようにすれば取得可能である。
【0071】
《第2の実施形態》
図7は、第2の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である(適宜、図2および図3参照)。図7に示すように、第2の実施形態においては、使用場所21に搬入される計器Mが有するRFIDタグTの情報を読み取る、RFIDタグリーダ(リーダ)5bが、使用場所21の入口に設置され、かつ、使用場所21から搬出される計器Mが有するRFIDタグTの情報を読み取る、RFIDタグリーダ(リーダ)5cが、使用場所21の出口に設置されることを特徴とする。そして、入口に設置されるRFIDタグリーダ5bと、出口に設置されるRFIDタグリーダ5cとは、同一のRFIDタグリーダ制御装置4で制御される。
【0072】
なお、図7に示すように、その他の構成は第1の実施形態と同様に、計器属性情報12aおよび影響度12bとをデータベースとして格納している計器校正期限設定装置(管理装置)12に複数のRFIDタグリーダ制御装置4が接続されている。そして、計器校正期限設定装置12は計器属性情報12aと影響度情報12bとに基づいて、計器Mの校正期限を見直す機能を有する。
【0073】
また、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、計器校正期限設定装置12、RFIDタグリーダ制御装置4、RFIDタグリーダ5、5b、5cおよび計器校正期限設定装置12の図示しない端末装置が、ネットワークを介して接続されるシステム構成であってもよいことはいうまでもない。
【0074】
さらに、第2の実施形態においても、RFIDタグTが内蔵するROM型メモリに、固有ID(コンピュータ読取可能なID)があらかじめ記憶してある。
【0075】
図8に第2の実施形態における計器属性情報12aのデータ構成の一例を示す。第2の実施形態に係る計器属性情報12aは、第1の実施形態と同様に、計器Mが有するRFIDタグTの固有ID120、管理番号121、計器名122、校正期限123から構成される。
【0076】
さらに、計器Mが使用場所21(図7参照)に搬入されたときに、計器Mが有するRFIDタグTが、使用場所21の入口に設置されるRFIDタグリーダ5bに検出され、RFIDタグTの固有IDが読み取られる。そして、RFIDタグリーダ制御装置4を介して計器校正期限設定装置12に送信されると、使用状況124が追加される。使用状況124には、場所124a、搬入日時124cおよび搬出日時124dの各項目があり、場所124aにはRFIDタグTが検出された使用場所21の名称が登録され、搬入日時124cには、RFIDタグTが、使用場所21の入口に設置されるRFIDタグリーダ5bに検出された日時(年/月/日、時:分:秒)が登録される。
【0077】
さらに、計器Mを使用場所21から搬出する際に、計器Mが有するRFIDタグTが、使用場所21の出口に設置されるRFIDタグリーダ5cに検出され、RFIDタグTの固有IDが読み取られる。そして、RFIDタグリーダ制御装置4を介して計器校正期限設定装置12に送信されると、使用状況124の搬出日時124dの項目に、RFIDタグTが使用場所21の出口に設置されるRFIDタグリーダ5cに検出された日時(年/月/日、時:分:秒)が登録される。ここで、図8に例示される計器属性情報のうち、計器名が「圧力計」の情報において、使用状況124の場所124aが使用場所Aの搬出日時124dが空欄になっているが、これは、圧力計が使用場所Aから搬出されていないことを示す。
【0078】
なお、使用状況124は、計器Mが使用場所21に搬入されるごとに追加され、1つの計器Mが複数の使用状況124を有するデータ構造となる。
【0079】
図9は、使用状況のデータが更新されるフローを示す図である。図7、図8および図9を参照しながら、計器属性情報12aの使用状況124が更新される手順を説明する。
【0080】
検査に使用される計器Mが検査対象の使用場所21に搬入されると、使用場所21の入口に設置されているRFIDタグリーダ5bが、搬入された計器Mが有するRFIDタグTを検出してRFIDタグTの固有IDを読み取り、RFIDタグリーダ制御装置4に送信する(S31)。
【0081】
そして、RFIDタグリーダ制御装置4が、受信したRFIDタグTの固有IDに、計器Mが搬入された使用場所21の名称と搬入された日時とを追加して使用場所搬入情報として、計器校正期限設定装置12に送信する過程(図9のS32)から、計器校正期限設定装置12が計器属性情報12aに使用状況124を追加する過程(図9のS36)までは、第1の実施形態のS2からS6まで(図4参照)と同等であるため、説明は省略する。
【0082】
第2の実施形態においては、使用場所21での検査終了後に、使用場所21から計器Mを搬出すると、使用場所21の出口に設置されているRFIDタグリーダ5cが、搬出される計器MのRFIDタグTを検出してRFIDタグTの固有IDを読み取り、RFIDタグリーダ制御装置4に送信する(S37)。
【0083】
RFIDタグリーダ制御装置4は、受信したRFIDタグTの固有IDに、計器Mが搬出される使用場所21の名称と搬出される日時とを付加して使用場所搬出情報として、計器校正期限設定装置12に送信する(S38)。
【0084】
RFIDタグリーダ制御装置4から、使用場所搬出情報を受信した計器校正期限設定装置12は、使用場所搬出情報のRFIDタグTの固有IDを参照して、使用状況124のデータを更新する対象となる計器Mの計器属性情報12aを抽出する。
【0085】
そして、計器校正期限設定装置12は、抽出した計器Mの計器属性情報12aの使用状況124の搬出日時124dに搬出日時(年/月/日、時:分:秒)を登録する(S39)。
【0086】
以上の手順で、計器Mが検査対象の使用場所21に搬入されると、計器属性情報12aに使用状況124のデータが追加更新され、かつ、計器Mが使用場所21から搬出されると、使用状況124に搬出日時124dが登録される。
【0087】
そして、計器校正期限設定装置12は計器属性情報12aと影響度情報12bとに基づいて、計器Mの校正期限を見直す。校正期限の再設定の手順そのものは、第1の実施形態と同等であり図5に示すフローに従う。なお、第2の実施形態における影響度情報12bのデータ構成は、第1の実施形態で使用する影響度情報12b(図3参照)ものと同等であるため、説明は省略する。
【0088】
第2の実施形態においては、図5にS12で示される使用履歴の算出方法が第1の実施形態と異なる。
【0089】
すなわち、第2の実施形態においては、図8に示すように計器属性情報12aの使用状況124に計器Mを使用した全ての使用場所21の名称と、各使用場所21への搬入日時124cおよび搬出日時124dと、が登録されているため、計器校正期限設定装置12は、計器Mが使用された使用場所21における搬入日時と搬出日時とから、その使用場所21での1回の使用時間を算出する。そして、計器Mがその使用場所21に搬入された全回数の使用時間を加算した値をその使用場所21の使用履歴として、その使用場所21の作業環境情報と使用履歴とを乗じて、その使用場所21の負荷指数とする。
【0090】
図8に例示するマノメータのデータレコードを例にとると、使用場所A(21a)(図7参照)に2006年3月1日の10時14分24秒に搬入され、同日の17時44分16秒に搬出されている。すなわち、使用場所A(21a)に約7時間30分滞在したことになる。したがって、マノメータの使用場所A(21a)における負荷指数は、例えば使用場所A(21a)の作業環境情報である34(図4参照)と滞在時間(7時間30分を7.5時間に変換して使用)とを乗じて、34×7.5=255と算出する形態が考えられる。
【0091】
ここで、図8の圧力計の場所Aに関する使用状況124に示すように、該計器Mが使用場所11から搬出されていないとき、搬出日時の欄は空欄になるが、この場合は搬入日時から、校正期限を見直す日時までを、その使用場所11への滞在時間とすればよい(図7参照)。
【0092】
なお、前記の算出方法は一例であって、7時間30分を切上げて8時間として算出する形態や、450分として算出する形態など、構成するシステムに最良の形態にすればよい。
【0093】
そして、以降は第1の実施形態と同等の手順によって、計器校正期限設定装置12は各計器Mの校正期限を見直す。
【0094】
このように、本発明の第2の実施形態においても、定期的に、または、計器管理者の指示によって、保管場所10で保管されている計器Mもしくは使用場所21で検査に使用されている計器Mの校正期限を見直すことができる。そして、計器Mの使用状況に応じて校正期限を再設定できることから、計器Mの校正期限を適正に管理することができる。
【0095】
さらに、本発明の第2の実施形態においては、計器Mの使用場所21での滞在時間を管理できることから、計器Mにかかる負担が大きく、計器Mの目盛りの信頼性に大きな影響を及ぼす環境で長時間使用された計器Mは、早めの校正を実施するなど、きめ細かに校正期限を管理できるという効果を奏する。
【0096】
《第3の実施形態》
本発明の第3の実施形態として、使用場所11の作業環境情報がリアルタイムで変化する形態も考えられる。以下、図1を参照しながら説明する。第3の実施形態においては、例えば、使用場所11の温度を、図示しない温度計(検出手段)等で常時監視して、そのデータを例えばタグリーダ制御装置4を介して計器校正期限設定装置12に定期的に送信する。
【0097】
計器校正期限設定装置12は、定期的に送信される温度データに基づいて使用場所11の1日ごとの平均気温を算出して、図4の影響度情報12bの温度131に、算出された平均気温に対応する環境情報指数を登録する。すなわち、第3の実施形態においては、影響度情報12bのデータは1日ごとに蓄積される。なお、算出された平均気温に対応する環境情報指数は、例えば、平均気温が20℃から25℃までの範囲では、環境情報指数を0にする、などのように設定する例が考えられる。
【0098】
そして、計器校正期限設定装置12が計器Mの校正期限を見直すときには、最初に計器属性情報12aの使用状況124の日時124b(図2参照)を参照して、各使用場所11での計器Mの使用日を抽出する。
【0099】
そして、抽出された使用日に該当する影響度情報12bのデータを参照して、使用した日の作業環境情報を算出する。1つの使用場所11における負荷指数は、その使用場所11で使用した全ての日の作業環境情報を加算して算出される。
【0100】
なお、前記では1日単位で平均値を算出したがこれは限定されるものではなく、週単位の平均値や、月単位の平均値などを用いてもよい。
【0101】
さらに、前記では温度を例にしたが、温度に限定されるものではなく、湿度や粉塵など他の項目に関しても同様に対応できることはいうまでもない。
【0102】
第3の実施形態においては、計器Mを使用する使用場所11の作業環境が変化しても、その変化に対応して計器Mの校正期限を再設定できるため、さらにきめ細かに校正期限を管理できるという効果を奏する。
【0103】
《第4の実施形態》
本発明の第4の実施形態として、計器Mを使用する検査担当者(使用者)の情報を、計器属性情報12aに追加して、計器校正期限設定装置12が使用頻度を算出する際に、検査担当者の情報を反映させる形態も考えられる。以下、図1を参照しながら説明する。
【0104】
すなわち、検査担当者は個人の識別情報(氏名、従業員コードなど)が記憶されているRFIDタグを備えるIDカードを所持する。そして、使用場所11に計器Mを搬入する際に、RFIDタグリーダ5は計器MのRFIDタグTに加えて、検査担当者が所持するIDカードのRFIDタグの識別情報も読み取る。前記の構成によって、計器校正期限設定装置12は計器Mを使用する検査担当者を識別することができる。
【0105】
そして、計器校正期限設定装置12の使用履歴集計部12cは、使用履歴を集計する際に検査担当者の識別情報も追加する。
【0106】
一方、計器校正期限設定装置12は、検査担当者が計器Mの校正期限に与える影響(例えば、過去の計器Mの破損経歴など)を人的影響度情報として、検査担当者ごとに記憶部(図示せず)に記憶しておく。
【0107】
そして、計器校正期限設定装置12の使用頻度算出部12dは、計器Mの使用頻度を算出する際に人的影響度情報を読み出して、読み出した人的影響度も適用して使用頻度を算出する。
【0108】
例えば、計器Mを使用する検査担当者が、過去に計器Mを破損した経歴を有する場合、計器校正期限設定装置12は算出した使用頻度に人的影響度を乗じるなどすればよい(例えば、計器の破損経歴が1回の場合は、1.2倍するなど)。
【0109】
第4の実施形態においては、計器Mを使用する検査担当者の人的影響度も反映して計器Mの校正期限を再設定できるため、さらにきめ細かに校正期限を管理できるという効果を奏する。
【0110】
《第5の実施形態》
本発明の第5の実施形態として、計器Mが有するRFIDタグTが、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(以下、書換可能型メモリと称する)を内蔵する形態が考えられる。なお、第5の実施形態においても、RFIDタグTが内蔵する書換可能型メモリに、固有ID(コンピュータ読取可能なID)があらかじめ記憶してある。
【0111】
図10は、第5の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である。図10に示すように、第5の実施形態に係る計器校正管理システム3にも、第1の実施形態と同様に、1つの保管場所30と複数(図10では2つ)の使用場所31a、31bとがある。なお、図10には2つの使用場所31が示されているが、使用場所の31の数は2つに限定されるものではない。
【0112】
そして、第5の実施形態に係る計器校正管理システム3においては、保管場所30にRFIDタグリーダ/ライタ(記憶装置にデータを書き込む手段)50とRFIDタグリーダ/ライタ制御装置40を設置する。そして、各使用場所31の入口にRFIDタグリーダ/ライタ50b、出口にRFIDタグリーダ/ライタ50cを設置する。さらに、RFIDタグリーダ/ライタ50b、50cが接続されて、これらのRFIDタグリーダ/ライタを制御するRFIDタグリーダ/ライタ制御装置40を設置する。RFIDタグリーダ/ライタ50、50b、50cおよびRFIDタグリーダ/ライタ制御装置40を設置することで、RFIDタグの書換可能型メモリに情報を書き込むことが可能になる。
【0113】
第5の実施形態に係る計器校正管理システム3によると、保管場所30から計器Mを持ち出すときや校正期限を見直すときに、計器Mに設定されている校正期限を計器Mが有するRFIDタグTの書換可能型メモリに書き込むことが可能になる。
【0114】
計器MのRFIDタグTの書換可能型メモリに校正期限が書き込まれていると、使用場所31に計器Mを搬入する際に、使用場所31の入口に設置されているRFIDタグリーダ/ライタ50bは、RFIDタグTの情報として、固有IDに加えて搬入する計器Mの校正期限を読み取ることができる。
【0115】
そして、RFIDタグリーダ/ライタ50に接続されているRFIDタグリーダ/ライタ制御装置40が、計器校正期限設定装置(管理装置)12の計器属性情報12aを照会することなく計器Mの校正期限を知ることができることから、RFIDタグリーダ/ライタ制御装置40と計器校正期限設定装置12の通信が必要なくなり、校正期限間近の計器に対しては、使用場所31の入口で、短時間で検査担当者に返却要請することができる。
【0116】
また、第5の実施形態に係る計器校正管理システム3が、計器校正期限設定装置12とRFIDタグリーダ/ライタ制御装置4とがネットワーク経由で接続されるシステムの場合にはネットワーク上のトラフィックを減らすことができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である。
【図2】計器属性情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】影響度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】計器属性情報の使用状況のデータが更新されるフローを示す図である。
【図5】計器の校正期限を見直すフローを示す図である。
【図6】計器校正管理のフローを示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である。
【図8】第2の実施形態における計器属性情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における計器属性情報の使用状況のデータが更新されるフローを示す。
【図10】第5の実施形態に係る計器校正管理システムを示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1,2,3 計器校正管理システム
10,30 保管場所
11,21,31 使用場所
12 計器校正期限設定装置
12a 計器属性情報
12b 影響度情報
4 RFIDタグリーダ制御装置
5、5c、5d RFIDタグリーダ
M 計器
T RFIDタグ
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造

【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫


【公開番号】 特開2008−14740(P2008−14740A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185180(P2006−185180)