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【発明の名称】 金属感を有する車両用表示板
【発明者】 【氏名】馬場 洋子

【要約】 【課題】原材料が安価で、さらに加工コストを低減することができる上に、文字サイズや色を任意に設定でき、金属に近い外観を有する車両用表示板を提供する。

【構成】基材となる被印刷板1として、プラスチックシートやプラスチック板などの透明性を有するフィルム状または板状の基材が用いられる。被印刷板1の裏面には、透明性を有する着色インク層2が形成される。着色インク層2の裏面には、光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層3が形成される。透明性を有する着色インク層2と高輝度インク層3の組合せで、任意に着色された金属光沢を有する地色部分Aを得ることができる。目盛表示部103は、地色部分の一部を白抜きにして形成される。目盛表示部103は、無色もしくは着色された光透過性インク層または無色もしくは着色された光拡散性インク層で、または光透過性インク層と光拡散性インク層との組合せで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性を有する被印刷板と、前記被印刷板の裏面に形成された透明性を有する着色インク層と、該透明性を有する着色インク層の裏面に形成された光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層とを含む
ことを特徴とする金属感を有する車両用表示板。
【請求項2】
高輝度インク層の裏面に不透明インクで形成される隠蔽層が設けられている
請求項1記載の金属感を有する車両表示板。
【請求項3】
少なくとも目盛、数字、文字およびシンボルのいずれかを表示する指標部が、無色または着色された光透過性インク層、無色または着色された光拡散性インク層、もしくは不透明インク層で、または、前記光透過性インク層、前記光拡散性インク層および前記不透明インク層のうちの二つ以上の組合せで形成された
請求項1または請求項2記載の金属感を有する車両表示板。
【請求項4】
被印刷板の表面に意匠を表す表示層が設けられている
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の金属感を有する車両表示板。
【請求項5】
被印刷板の表面に表面コート層が設けられている
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の金属感を有する車両表示板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示板に関し、特に、スクリーン印刷によって形成された金属感を有する車両用表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高級化志向の高まりに伴って、高級乗用車に装備されるスピードメータやタコメータ等の計器用表示板として、重厚な印象や高級感を与える金属製が望まれるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図4は、特許文献1に記載されている車両用表示板を用いた車両用指示装置を示す分解斜視図である。車両用指示装置は、計測値を指示するための指針10と、指針10を回転駆動するムーブメント20aが接続されている基板20と、計測値に応じた指標の外周に沿って切り抜かれた切抜部30aを有する車両用表示板としての金属文字板30とを備えている。また、車両用指示装置は、金属文字板30の背面に配置され、切抜部30aと嵌合する凸部40aが設けられた光透過板40と、光透過板40の背面に配置された光拡散板50とを備えている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−147908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されている車両用表示板は、金属板と複数の光透過板で構成されているため、構造が複雑であり、目盛、数字、文字、シンボルなどの指標部は、エッチングや打ち抜きで金属が加工されることによって形成されるものであり、加工のためのコストも増大する。
【0006】
そこで、本発明は、原材料が安価で、さらに加工コストを低減することができる上に、文字サイズや色を任意に設定でき、金属に近い外観を有する車両用表示板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による金属感を有する車両用表示板は、透明性を有する被印刷板と、その裏面に形成された透明性を有する着色インク層と、光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層とを含むことを特徴とする。透明性を有する着色インク層は、顔料や染料を加えることによって任意の色に着色することが可能である。また、光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層は、スクリーン印刷等の簡便な手段で形成することができる。透明性を有する着色インク層と金属光沢を発する高輝度インク層の組合せで、色のバリエーションに富んだ金属調表現を、安価で実現することができる。
【0008】
目盛、数字、文字、シンボルなどを表示する指標部は、視認者に視認させるために白抜きにされ、光を透過するための光透過性インク層や、指標部に光を拡散するための光拡散性インク層を設けることができる。また、指標部を白抜きにせずに、不透過性インク層で形成することも可能である。
【0009】
高輝度インク層の裏面には、不透明インクで形成される遮蔽層が設けられていてもよい。そのような構造にすることで、光漏れを防止することができる。
【0010】
被印刷板の表面には、きず防止やつや消し等の付加価値を持たせる目的で、表面コート層を設けることができる。また、被印刷板の表面には、加飾および視認性を高める目的で表示層を設けることも可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原材料が安価で、かつ加工コストが安いにもかかわらず、文字サイズや色を任意に設定でき、金属に近い外観を有する車両用表示板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明による車両表示板を示す正面図である。図1に示すように、車両用計器板は、金属感を有する地色部分Aと、目盛、数字、文字、シンボルなどの指標部Bと、指針102とを含む。指標部Bは、少なくとも目盛、数字、文字およびシンボルのいずれかを表示する部分である。
【0013】
図2は、図1に示す車両表示板のA部分の断面を示す断面図である。基材となる被印刷板1として、例えばプラスチックシートやプラスチック板などの透明性を有するフィルム状または板状の基材が用いられる。被印刷板1の表面に意匠を表す表示層が設けられていてもよい。被印刷物の表面(視認者が見る側の面)には、傷防止のためのハードコート処理や、光の映りこみを防止するためのノングレア処理またはマット処理などによる表面コート層5が設けられていてもよい。また、印刷が施される面である裏面(視認者が見る側とは反対の面)は、印刷に支障がない程度に平滑である。
【0014】
被印刷板1の裏面には、透明性を有する着色インク層2が形成される。透明性を有する着色インク層2は、樹脂に少量の顔料または染料を加え、透明性を確保しながら任意の色に着色したインク層である。
【0015】
透明性を有する着色インク層2の裏面には、光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層3が形成される。高輝度インク層3は、アルミニウム、ブロンズ、チタン等の金属粉末を含有するものであり、スクリーン印刷などの簡便な方法で、光の反射により金属光沢を持たせることができる。透明性を有する着色インク層2と高輝度インク層3の組合せで、任意に着色された金属光沢を有する地色部分Aを得ることができる。
【0016】
さらに、高輝度インク層3の裏面に、光漏れ防止のための不透明インク層で形成された遮光層4が設けられる。遮光層4は、地色部分Aのピンホール等による光漏れを防ぐ目的で形成される。
【0017】
図3は、図1に示す車両表示板のB部分の断面を示す断面図である。目盛表示部103は、地色部分の一部を白抜きにして形成される。目盛表示部103は、無色もしくは着色された光透過性インク層6または無色もしくは着色された光拡散性インク層7の単独で、または光透過性インク層6と光拡散性インク層7との組合せで構成される。白抜き部の裏側(視認者が見る側とは反対)には、光源104が設置され、光透過性インク層6、光拡散性インク層7を光が通過することで、夜間でも表示を視認することができる。なお、目盛表示部103は、不透明インク層で形成されてもよいし、光透過性インク層6、光拡散性インク層7および不透明インク層のうちの二つ以上の組み合わせで形成されていてもよい。
【0018】
図1〜図3に示すように、本発明では、一枚の透明な被印刷版1に印刷することにより加飾を行うため、材料コストおよび加工コストを低減することができる。透明性を有する着色インキ層2の色を任意に変えることが可能であり、その裏面に光の反射により金属光沢を発する高輝度インク層3を印刷することにより、着色された金属光沢をもつ表面状態を簡単に得ることができる。また、指標部Bの部分もエッチング設備や金型を必要としないため、寸法変更、色の変更等のデザイン変更にも柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による車両表示板を示す正面図である。
【図2】図1に示す車両表示板のA部分の断面を示す断面図である。
【図3】図1に示す車両表示板のB部分の断面を示す断面図である。
【図4】従来の車両用表示板を用いた車両用指示装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 被印刷板
2 着色インク層
3 高輝度インク層
4 遮光層
5 表面コート層
6 光透過性インク層
7 光拡散性インク層
103 目盛表示部
104 光源
【出願人】 【識別番号】000220686
【氏名又は名称】東京特殊印刷工業株式会社
【出願日】 平成18年7月1日(2006.7.1)
【代理人】 【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹


【公開番号】 特開2008−14639(P2008−14639A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−182890(P2006−182890)