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【発明の名称】 表示装置
【発明者】 【氏名】栗田 康弘

【氏名】布施 由美子

【要約】 【課題】表示板に設けられている表示部の影が背景に映し出されるのを抑制して、視認性を向上させた表示装置を提供する。

【構成】透明な基板に設けられた表示部7を有する表示板8と、この表示板8の背後に表示板8と離間して配置された背景板とを備え、表示部7の周囲に表示部7の周縁側が濃く外周側が薄い縁取り部24を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板に設けられた表示部を有する表示板と、この表示板の背後に前記表示板と離間して配置された背景板とを備え、前記表示部の周囲に前記表示部の周縁側が濃く外周側が薄い縁取り部を設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
透明な基板に設けられた表示部を有する表示板と、この表示板の背後に前記表示板と離間して配置された背景板と、前記表示板を照明する光源とを備え、前記表示部の周囲に前記表示部の周縁側が濃く外周側が薄い縁取り部を設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記縁取り部は印刷によって設けられ、前記印刷の密度が前記表示部の周縁側から外周側にかけて密から徐々に粗となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記縁取り部の前記表示部周囲際にはベタ印刷領域を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記縁取り部の輪郭は前記表示部の輪郭からほぼ一定であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両に備えられる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用の表示装置に於いて、立体感、奥行き感のあるコンビネーションメータを実現したものとして、例えば下記特許文献1がある。特許文献1に記載の車両用計器は、各々の表面に表示部を有する第1の表示盤と第2の表示盤を2枚積層構成することにより、立体感、奥行き感のある斬新な見栄えのする車両用計器が得られるというものである。
【特許文献1】特開2003−247871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1の様に構成した車両用計器であって、第2の表示盤が白系統の色調もしくは反射率の高い色調である場合に、例えば太陽光が差すと第1の表示部2a,2bが設けられた第1の表示盤2が透明材料からなるため、第2の表示盤3上に表示部の影ができて(表示部の形が黒っぽく映って)しまい、表示部が読みにくかったり、見栄えが悪くなるということがある。
【0004】
本発明はこの様な点に鑑みなされたもので、表示板に設けられている表示部の影が背景に映し出されるのを抑制して、視認性を向上させた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記目的を達成するため、透明な基板に設けられた表示部を有する表示板と、この表示板の背後に前記表示板と離間して配置された背景板とを備え、前記表示部の周囲に前記表示部の周縁側が濃く外周側が薄い縁取り部を設けたものである。
【0006】
また、透明な基板に設けられた表示部を有する表示板と、この表示板の背後に前記表示板と離間して配置された背景板と、前記表示板を照明する光源とを備え、前記表示部の周囲に前記表示部の周縁側が濃く外周側が薄い縁取り部を設けたものである。
【0007】
また、前記縁取り部は印刷によって設けられ、前記印刷の密度が前記表示部の周縁側から外周側にかけて密から徐々に粗となるものである。
【0008】
また、前記縁取り部の前記表示部周囲際にはベタ印刷領域を有するものである。
【0009】
また、前記縁取り部の輪郭は前記表示部の輪郭からほぼ一定であるものである。
【発明の効果】
【0010】
表示板に設けられている表示部の影が背景に映し出されるのを抑制して、視認性を向上させた表示装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を各実施形態に基づいて説明する。図1は第1実施形態を示す車両用の表示装置の断面図であり、図2は同表示装置に用いられる表示板の部分正面図である。図3は表示板に設けられている表示部周囲を示す部分詳細図(図2に於けるX部)であり、図4は表示板の部分断面図(図3に於けるA−A断面)である。
【0012】
表示装置は、例えば指針式の回転計1を備えている。回転計1は、硬質な回路基板2と、この回路基板2の裏面側に回路基板2と導通状態で装着され、回路基板2を貫通して前方に延びる回動軸3を有する表示器本体4と、回動軸3に固着された指示部5を有する指針6と、この指針6の後方側に配置され指示部5によって指し示される表示部7を設けた表示板8と、この表示板8の背後に表示板8と離間して配置された例えば白色系の半透明な合成樹脂からなる背景板9と、回路基板2に実装され指針6の指示部5を光輝させる光源としての指針用発光ダイオード10と、背景板9を背後から照射し面発光させる光源としての背景板用発光ダイオード11を備えている。
【0013】
また、表示板8と回路基板2との間に配置され表示板8および背景板9が支持されるケース部材12と、表示板8の周縁前方側に配置され表示板8の可視領域を定める開口部13を有する例えば黒色の合成樹脂からなる見返し部材14と、表示板8や見返し部材14などの前方側を被う無色透明な合成樹脂からなる透視板15と、回路基板2の裏面側を覆う合成樹脂製のカバー16を備えている。
【0014】
指針6は、無色透明な合成樹脂からなる指示部5の他に、指針軸17と、遮光性の合成樹脂からなる指針キャップ18を備えている。指示部5の裏面には例えば白色の箔(図示せず)がホットスタンプされており、昼間など周囲が明るい時は指示部5が白色で視認される。また、夜間など周囲が暗い時に例えば白色で発光する指針用発光ダイオード10が点灯した際も、指示部5に導かれた光が白色の箔に反射して指示部5が白色で光輝されるようになっている。この指針6は指針軸17を表示器本体4の回動軸3の先端側に圧入することによって表示器本体4に固着される。
【0015】
ケース部材12は、遮光性のある例えば白色の合成樹脂からなり、回動軸3の周囲に配置された指針用発光ダイオード10を囲むように配置された筒状の遮光壁19と、周壁20と、遮光壁19および周壁20に設けられた段部21などを有している。この段部21に前述した背景板9が装着されるようになっている。
【0016】
表示板8は、無色透明な合成樹脂からなる基板22の表面側に車両のエンジン回転数を現す目盛,数字などの表示部7となる例えば白色の表示層23を印刷によって設けた後、表示部7の周囲に例えば黒色の縁取り部24が印刷してある(図2に於いて、斜線部が縁取り部24である)。この縁取り部24は、図3に示す目盛表示部7aの様に例えば丸点状の黒色印刷の密度が目盛表示部7aの周縁側から外周側にかけて密から徐々に粗となる様に設けてある。この様に設けることによって、目盛表示部7aの周縁側が濃く外周側が薄い(周縁側の光透過率が低く、外周側の光透過率が高くなるように光透過率が徐々に変化する)縁取り部24となる。なお、縁取り部24を丸点状としたが丸に限定するものではなく、目盛表示部7a(表示部7)の輪郭から遠ざかるに従って縁取り部24の印刷密度が徐々に粗となるようになっていれば良い。また、表示部7および縁取り部24は基板22の裏面側であっても良い。
【0017】
また、本実施形態に於いては縁取り部24の表示部周囲際は表示部7の輪郭に沿って一定幅(周囲約0.3mm幅)を有するベタ印刷領域Sとしてある。また、例えば長方形の目盛表示部7aの場合、図3に示す様に目盛表示部7aの角部に対応した縁取り部24の外形線L(角部)は円弧で結んである。この様にすることによって、縁取り部24の輪郭は目盛表示部7aの輪郭からほぼ一定距離となる。目盛表示部7aに限らず、他の表示部7も同様にすることが望ましい。
【0018】
この様に構成された表示装置に於いて、昼間など周囲が明るい時は、表示板8の表示部7が白色で視認される。この際、表示部7以外の透明箇所を透して表示部7と同色系の背景板9が視認されるが、表示部7の周囲に黒色の縁取り部24が設けてあるためにコントラストがはっきりしており、表示部7の視認性が良い。また、表示部7と表示部7の背景となる背景板9とが離間されて配置されているために、表示装置に奥行き感が得られる。また、ベタ印刷領域Sを有しているため目盛表示部7aの輪郭が直線的となり、表示部7の見栄えが悪くない。
【0019】
また、この様な表示装置に外光が差した場合、表示部7およびベタ印刷領域Sの影が背景板9上に黒っぽく映る可能性があるが、ベタ印刷領域S周囲の印刷密度が徐々に粗となっているために、表示部7の影が背景板9上にくっきりと現れにくい(輪郭がぼやける)。この様に、背景板9が白色系あるいは反射率の高い色調(アルミニウム色や灰色など)であっても表示部7が読みにくかったり、表示装置の見栄えが悪くなったりするということが抑えられる。
【0020】
また、縁取り部24の輪郭を表示部7の輪郭からほぼ一定距離とする(表示部7周囲の縁取り部24の幅を全周ほぼ一定とする)ことによって、全周に渡ってスムーズな除変(密から徐々に粗に変化させること)が実現でき、縁取り部24の見栄えが低下することがない。
【0021】
また、夜間など周囲が暗い時に例えば白色で発光する背景板用発光ダイオード11が点灯すると、背景板用発光ダイオード11からの光は背景板9を透過して表示板8全面を照明する。すると、表示部7および縁取り部24以外の透明箇所を透して視認される白色の背景上に、白色で透過照明された表示部7と、表示部7の周縁側が密で外周側が徐々に粗となる様に設けられた縁取り部24がシルエットとなって視認される。この際、表示部7と表示部7の背景である背景板9とが離間されて配置されているために、表示部7が浮き上がったように視認される。
【0022】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態とは表示板および表示板の照明形態が主に異なる。図5は第2実施形態を示す車両用の表示装置の断面図である。図6は同表示装置に用いられる表示板の部分断面図であり、前記第1実施形態に於ける図3のA−A断面に相当するものである。なお、表示板を正面から見た際は、前記第1実施形態の図2の如く視認されるため、本実施形態に於いては図示を省略する。また、前記第1実施形態と同一もしくは相当箇所については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0023】
表示板7は、ケース部材12に設けられた遮光壁19と筒部25との間に配置された光源としての表示板用発光ダイオード26からの光で照明される様になっている。つまり、表示板7は表示板用発光ダイオード26からの光を受光する受光部27と、この受光部27に入射した光を反射させる反射面28と、この反射面28で反射した光が導かれる平面部29を有しており、平面部29に前記第1実施形態と同様に、車両のエンジン回転数を現す目盛,数字などの表示部7と縁取り部24が設けてある。
【0024】
図6に示す様に、無色透明な基板22の裏面側に表示部7となる例えば白色の表示層23を印刷によって設ける。その後、表示部7の周囲に例えば黒色の縁取り部24を印刷するが、その際表示層23を覆う背後層30を同時に印刷する。縁取り部24は前記第1実施形態と同様に、丸点状の黒色印刷の密度が表示部7の周縁側から外周側にかけて密から徐々に粗となる様に設けてある。また、縁取り部24の表示部周囲際は表示部7の輪郭に沿って一定幅を有するベタ印刷領域Sを有している。
【0025】
なお、図5に示す31は、例えば黒色の合成樹脂からなる化粧板である。この化粧板31は表示板7の反射面28を覆うように配置してある。つまり、表示板用発光ダイオード26からの光がケース部材12に設けられた遮光壁19と筒部25との間から視認者(車両運転者)側に洩れるのを防ぐものである。従って、化粧板31を配置せず、指針キャップ18の径を大きくする、指針キャップ18の下端側(表示板7側)に径大の鍔を設ける、など方法は任意である。また、本実施形態に於ける背景板9はケース部材12の遮光壁19および筒部25に設けられた段部21に装着されている。
【0026】
この様に構成された表示装置に於いて、昼間など周囲が明るい時は、前記第1実施形態と同様に表示板8の表示部7が白色で視認される。この際、表示部7以外の透明箇所を透して表示部7と同色系の背景板9が視認されるが、表示部7の周囲に黒色の縁取り部24が設けてあるためにコントラストがはっきりしており、表示部7の視認性が良い。また、ベタ印刷領域Sを有しているため、表示部7の見栄えが悪くない。
【0027】
また、外光が差した場合であっても前記第1実施形態と同様に、表示部7の影が背景板9上にくっきりと現れにくく(輪郭がぼやける)、視認性が向上する。また、縁取り部24の輪郭を表示部7の輪郭からほぼ一定距離とする(表示部7周囲の縁取り部24の幅を全周ほぼ一定とする)ことによって、全周に渡ってスムーズな除変(密から徐々に粗に変化させること)が実現でき、縁取り部24の見栄えが低下することがない。
【0028】
また、夜間など周囲が暗い時に例えば白色で発光する表示板用発光ダイオード26が点灯すると、平面部29に導かれた光によって表示部7が白色で視認される。この際、表示層23を覆う背後層30が無いと表示部7が背景板9に投影するが、背後層30が設けてあるために映り込みが抑制できる。
【0029】
なお、表示部7および縁取り部24の色調は前記各実施形態に限定されるものではないが、コントラストが明確となる様な色の組み合わせが望ましい。また、ベタ印刷領域Sは必ずしも設ける必要はないが、前述した様に表示部7の輪郭が直線的でくっきりするため、設けた方が良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態を示す表示装置の断面図。
【図2】同表示装置に用いられる表示板の部分正面図。
【図3】同表示板の表示部周囲を示す部分詳細図。
【図4】同表示板の部分断面図(図3に於けるA−A断面)。
【図5】本発明の第2実施形態を示す表示装置の断面図。
【図6】同表示装置に用いられる表示板の部分断面図。
【符号の説明】
【0031】
7 表示部
7a 目盛表示部
8 表示板
9 背景板
22 基板
24 縁取り部
S ベタ印刷領域
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−8818(P2008−8818A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180969(P2006−180969)