トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 指示計器
【発明者】 【氏名】吉田 貴輝

【要約】 【課題】組み付け作業性を向上させることが可能な指示計器を提供すること。

【構成】指針8が表示器D1の後方を迂回して表示板12の前方に至る指示計器において、計器ケース3に前記指針8を位置合わせ可能な目印部(標記部)Mを設けてなることにより、指示計器の組付けに際し、計器ケース3を基準として回路基板4に固定保持された駆動軸(指針軸)7を有する駆動部材6を固定保持し、次いで駆動軸(指針軸)7に対して指針8の組み付け向きを計器ケース3に施した目印部(標記部)Mに沿わせて簡単に位置合わせを行いながら圧入固定することができ、これにより従来に比してその組み付け作業性を向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器と、この表示器の前面側の外周に沿って指標部が施された表示板と、この表示板と前記表示器の後方に設けられ、回動可能な指針軸を有する駆動部材と、この駆動部材に設けられた前記指針軸に固定され、前記表示板に施された前記指標部に沿って回動可能に指示する指針と、前記駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備え、前記指針が前記表示器の後方を迂回して前記表示板の前方に至る指示計器において、前記計器ケースに前記指針を位置合わせ可能な目印部を設けたことを特徴とする指示計器。
【請求項2】
前記目印部は、凹凸により形成してなることを特徴とする請求項1に記載の指示計器求項1に記載の指示計器。
【請求項3】
前記目印部は、表面処理層によって形成してなることを特徴とする請求項1に記載の指示計器。
【請求項4】
表示器と、この表示器の前面側の外周に沿って指標部が施された表示板と、この表示板と前記表示器の後方に設けられ、回動可能な指針軸を有する駆動部材と、この駆動部材に設けられた前記指針軸に固定され、前記表示板に施された前記指標部に沿って回動可能に指示する指針と、前記駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備え、前記指針が前記表示器の後方を迂回して前記表示板の前方に至る指示計器において、前記指針は、前記表示器の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1のエリアに存在する第1の指針部と、前記表示板の前方に位置し実質的に観察者側から視認される第2のエリアに存在する第2の指針部とに分割形成され、前記指示計器の後方外部から前記第1のエリアに連通する連通部を設けたことを特徴とする指示計器。
【請求項5】
前記連通部が前記指針を位置合わせ可能な目印部となることを特徴とする請求項4に記載の指示計器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載する指示計器に関するものであって、指針と表示板とでなる指針式表示部の中央で電子式の表示器による情報表示を行いつつ、指針が表示器の後方を迂回して表示板の前方に至るタイプの指示計器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の指示計器として、たとえば下記特許文献1や特許文献2などに記載されているものが知られている。この指示計器は、液晶パネルなどからなる表示器と、この表示器の外周に沿って指標部が配された表示板と、指標部を指示する指針と、この指針を駆動すべく表示器の背後に配置された駆動部材(回動内機)と、この駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備えている。指針はその回転基部が駆動部材の駆動軸(指針軸)に連結(圧入固定)され、表示器の後方を迂回して自由端側が表示板の前方に至るように屈曲している。このように屈曲した指針の動作を可能とするため、表示器と回路基板との間隔は、指針の作動に影響がない許容できる間隔にて設定されている。
【特許文献1】特開2003−14508号公報
【特許文献2】DE4321146号A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1や特許文献2などにおいては、その指示計器の組付けに際し、通常計器ケースを基準として回路基板に電気的に且つ機械的に組み付けられた駆動部材を取り付け固定し、駆動部材に設けられた駆動軸(指針軸)に指針を圧入固定し、駆動部材の前面側に配置される液晶パネルなどからなる表示器を組み付け固定するようにしている。この際、スペース的な問題あるいは組み付け順序からして表示器を組み付け固定する前に、駆動部材に設けられた駆動軸に対し指針を仮止め状態にして最初に組み付ける必要があり、その後、表示器および表示板をセットし、表示板に施された指標部の所定の位置(基準点)に前記指針の指示位置(指針の向き)を合わせるようにした後に指針を圧入固定する必要があるため、位置合わせをしながら指針を打ち込んで圧入するという工程上、作業効率が低下しやすく厄介なものであった。
【0004】
このため、組み付けや調整作業を簡便に行えるように各構成部品との間の隙間に余裕を持たせた状態にてスペースを確保し組み付け作業を行いやすくすることも考えられるがスペースを確保すればするほど指示計器自体の厚みが増し薄型化を妨げる要因となっていた。
【0005】
加えて、表示器の大きさや配置からして、指針自体を表示器の後方から迂回させて表示器,表示板の前方に至るように屈曲案内するように形成する際に、場合によっては分割して形成しなければ表示器などを組み付けることができなくなることがある。このため、分割した指針を連結固定する必要があり、指針の組み付け時に指針自体が撓んでの組み付け作業が厄介となり、指針を連結固定するに際し指針に負荷を掛けてしまい撓んでしまったり駆動部材側に過重が掛かるなどの問題もある。
【0006】
本発明はこの点に着目してなされたもので、その主たる目的としては、組み付け作業性を向上させることが可能な指示計器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するため、請求項1に記載のように、表示器と、この表示器の前面側の外周に沿って指標部が施された表示板と、この表示板と前記表示器の後方に設けられ、回動可能な指針軸を有する駆動部材と、この駆動部材に設けられた前記指針軸に固定され、前記表示板に施された前記指標部に沿って回動可能に指示する指針と、前記駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備え、前記指針が前記表示器の後方を迂回して前記表示板の前方に至る指示計器において、前記計器ケースに前記指針を位置合わせ可能な目印部を設けたことを特徴とする指示計器である。
【0008】
このように構成することにより、指示計器の組付けに際し、計器ケースを基準として回路基板に固定保持された指針軸を有する駆動部材を固定保持し、次いで駆動部材に設けられた指針軸に対して指針の組み付け向きを計器ケースに施した目印部(標記部)に沿わせて簡単に位置合わせを行いながら圧入固定することができ、これにより従来に比してその組み付け作業効率を高めることができるという効果がある。
【0009】
また、請求項1に記載の指示計器において、請求項2では、前記目印部は、凹凸により形成してなることを特徴とする指示計器である。
【0010】
このように構成することにより、計器ケースの成形時に簡単に指針の打ち込み位置の基準であり、目安(目印)となる目印部(標記部)を施すことができ、目印のための別部品も必要とすることなくコストの低減を図りつつ標記部を形成することができる。
【0011】
また、請求項1に記載の指示計器において、請求項3では、前記目印部は、表面処理層によって形成してなることを特徴とする指示計器である。
【0012】
このように構成することにより、目印部(標記部)を計器ケースの色合いと異なる色にて形成することによって打ち込み位置の判別が良好となる。これにより、指針の組み付け時に指針の向きと目印部(標記部)とを合わせる際に判別しやすくなるという利点がある。また、逆に目印部(標記部)を目立たないように形成する場合にあっては、計器ケースと同系色にて形成することも可能である。
【0013】
また本発明では、請求項4に記載のように、表示器と、この表示器の前面側の外周に沿って指標部が施された表示板と、この表示板と前記表示器の後方に設けられ、回動可能な指針軸を有する駆動部材と、この駆動部材に設けられた前記指針軸に固定され、前記表示板に施された前記指標部に沿って回動可能に指示する指針と、前記駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備え、前記指針が前記表示器の後方を迂回して前記表示板の前方に至る指示計器において、前記指針は、前記表示器の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1のエリアに存在する第1の指針部と、前記表示板の前方に位置し実質的に観察者側から視認される第2のエリアに存在する第2の指針部とに分割形成され、前記指示計器の後方外部から前記第1のエリアに連通する連通部を設けたことを特徴とする指示計器である。
【0014】
このように構成することにより、指示計器の組付けに際し、計器ケースを基準として回路基板に固定保持された指針軸を有する駆動部材を固定保持し、次いで駆動部材に設けられた指針軸に対して第1の指針部を組み付け固定した後、表示器と表示板とをセットして組み付けた後、第2の指針部を前記第1の指針部に対して連結固定するに際し、第1の指針部を連通部(指針受け治具挿入用孔部)から臨ませて配置した治具により支えることによって、第1の指針部に負荷を掛けてしまい撓んでしまったり駆動部材側に過重が掛かるなどの問題も未然に解決することができる。この際、連通部(指針受け治具挿入用孔部)は計器ケースの成形と同時に簡単に形成することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の指示計器において、請求項5では、前記連通部が前記指針を位置合わせ可能な目印部となることを特徴とする請求項4に記載の指示計器である。
【0016】
このように構成することにより、駆動部材に設けられた指針軸に対して第1の指針部の組み付け向きを計器ケースに施した連通部(指針受け治具挿入用孔)を基準にして簡単に位置合わせを行いながら圧入固定することができる。この際、前記連通部(指針受け治具挿入用孔)を、指針軸に対する指針の圧入時に指針の圧入する向きを設定するための目印(目安)となる目印部(標記部)として兼用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による指示計器においては、表示器と、この表示器の前面側の外周に沿って指標部が施された表示板と、この表示板と前記表示器の後方に設けられ、回動可能な指針軸を有する駆動部材と、この駆動部材に設けられた前記指針軸に固定され、前記表示板に施された前記指標部に沿って回動可能に指示する指針と、前記駆動部材と電気的に連結され、機械的に固定保持される回路基板と、この回路基板を固定保持する計器ケースとを備え、前記指針が前記表示器の後方を迂回して前記表示板の前方に至る指示計器において、前記計器ケースに前記指針を位置合わせ可能な目印部(標記部)を設けてなることにより、指示計器の組付けに際し、計器ケースを基準として回路基板に固定保持された指針軸を有する駆動部材を固定保持し、次いで駆動部材に設けられた指針軸に対して指針の組み付け向きを計器ケースに施した目印部(標記部)に沿わせて簡単に位置合わせを行いながら圧入固定することができ、これにより従来に比してその組み付け作業性を向上することができるものであり、初期の目的を達成することができる。
また、指針が表示器の後方を迂回して表示板の前方に至る指示計器において、前記指針は、前記表示器の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1のエリアに存在する第1の指針部と、前記表示板の前方に位置し実質的に観察者側から視認される第2のエリアに存在する第2の指針部とに分割形成され、前記指示計器の後方外部から前記第1のエリアに連通する連通部を設けてなることにより、指示計器の組付けに際し、計器ケースを基準として回路基板に固定保持された指針軸を有する駆動部材を固定保持し、次いで駆動部材に設けられた指針軸に対して第1の指針部を組み付け固定した後、表示器と表示板とをセットして組み付けた後、第2の指針部を前記第1の指針部に対して連結固定するに際し、第1の指針部を連通部(指針受け治具挿入用孔部)から臨ませて配置した治具により支えることによって、第1の指針部に負荷を掛けてしまい撓んでしまったり駆動部材側に過重が掛かるなどの問題も未然に解決することができ、これにより従来に比してその組み付け作業性を向上することができるものであり、初期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明を適用した指示計器の実施形態を説明する。
【0019】
図1から図7は、本発明の第1の実施形態を示す。図1は指示計器の正面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、表示器と指針式計器の概要を示す要部の分解斜視図、図4は計器ケースに施された標記部を示した要部の正面図、図5は計器ケースに対し指針(第1の指針部)の組み付け状態を示した要部構造正面図、図6は計器ケースを基準として指針(第1の指針部)と表示器および指針(第2の指針部)の組み付け状態を示した要部の断面図、図7は、図6に示した指針式計器と表示器の組み付け後に見返し部材(遮蔽部材)とフロントカバーとを組み付けた状態を示す要部の断面図である。
【0020】
本実施形態による指示計器は、例えば自動車のダッシュボードに搭載されるコンビネーションメータからなるもので、図1に示すように、中央に位置した表示器とその回りを取り囲むように配置した指針式計器とを一組にセットした指示計器が、横一列に配列して構成されている。なお図1では中央に位置する指針式計器G1と表示器D1のみ詳細に示し、両脇に位置するそれぞれの指針式計器G2,G3と表示器D2,D3とがそれぞれペアとなって左右にセットされている。
【0021】
各指針式計器G1〜G3と各表示器D1〜D3は、計測する内容や表示する内容(計測値の種類等)が異なるだけでその機械的構成は基本部分で一致しており、その指針式計器G1〜G3,表示器D1〜D3を代表として図1に示すように、中央に配置された表示器D1とその周囲を囲むように配置した指針式計器G1(共に後に詳述)とにより構成されている。
【0022】
これら指針式計器G1〜G3と表示器D1〜D3の前方には、遮蔽部材(見返し部材またはマスク部材)1が配置され、この遮蔽部材1は、例えば遮光性の合成樹脂材料(例えば黒色)からなり、指針式計器D1〜D3の所要部を露出し、不要部(窓枠部)を隠蔽する開口が形成されている。
【0023】
遮蔽部材1の前方には、例えば透光性の合成樹脂材料(例えば無色透明)からなるフロントカバー2が設けられ、埃等の進入を防いでいる。
【0024】
一方、それぞれの表示器D1〜D3の後方(背後)には、計器ケース(剛体)3、回路基板4、リアカバー5がそれぞれ位置している。
【0025】
計器ケース3は、各指針式計器G1〜G3や表示器D1〜D3を組み付け固定する、有底枠体からなる剛体であって、遮蔽部材1、フロントカバー2、回路基板4、リアカバー5を直接的または間接的に装着するコア部品となるものである。
【0026】
回路基板4は、計器ケース3(の底部)の背後に配置される硬質の回路基板であり、その背面には例えば指針式計器G1の一部を構成するステッピングモータからなる駆動部材6が装着され、この駆動部材6に設けられた回動可能な駆動軸7(指針軸)は回路基板4を貫通して前方に延び、その先端部に指針8が圧入固定されている。また回路基板4の前面側であって駆動軸7(指針軸)の周りには、指針8を照明するためのたとえば発光ダイオードからなる指針用光源9が配置されている。
【0027】
リアカバー5は、回路基板4の背面を覆ってこれを保護するものである。
【0028】
以上、リアカバー5、回路基板4、計器ケース3、指針式計器G1〜G3および表示器D1〜D3、遮蔽部材1、フロントカバー2によって、コンビネーションメータが構成される。
【0029】
次に中央に位置した指針式計器G1と表示器D1の詳細構造について説明する。
【0030】
指針式計器G1には、回路基板4の背後側に電気的に連結され、且つ機械的に組み付け固定される前記駆動部材6が設けられているとともに、この駆動部材6に設けられた駆動軸7(指針軸)の先端部には指針8が圧入固定されている。
【0031】
指針8は、前記表示器D1の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1の移動エリアに存在する第1の指針部8Aと、前記表示器D1の前方に位置し実質的に観察者側から視認される第2の移動エリアに存在する第2の指針部8Bとに分割形成され、これら第1の指針部8Aと第2の指針部8Bとを連結するための連結部材8Cとで構成され、第1の指針部8Aと第2の指針部8Bとは共に透明な合成樹脂材料からなり、連結部材8Cはたとえば遮光性の合成樹脂材料(例えば黒色の合成樹脂材料)によって形成されている。
【0032】
第1の指針部8A部分は、表示器D1の側面から背面にかけてクランク形状に迂回して延びる棒状体からなり、指針用光源9から入光した光をその長手方向に向けて反射する反射部(図示せず)と、駆動軸7に沿って延び駆動軸7に圧入固定される第1の指針部8Aのボス部8aとを備え、ボス部8aとは反対側となる自由端部は、第2の指針部8B部分に対向している。
【0033】
第2指針部8B部分は、表示器D1の前面(後述する表示板)に沿って延びる棒状の指示部であり、その背面または前面には、視認色を決定するための図示しないホットスタンプ層からなる着色層が設けられている。
【0034】
連結部材8Cは、第1の指針部8A,第2の指針部8Bとのそれぞれを部分的に収納する概略箱形形状をなしている。
【0035】
このように構成される指針式計器G1は、表示器D1(後述する表示板)の後方を迂回して表示器D1(後述する表示板)の前方に至り、駆動部材6に設けられた駆動軸7の回転に伴い、駆動軸7を基準として表示器D1の外周を回転(回動)移動する。また指針用光源9の点灯時には、第1の指針部8Aを通じて第2の指針部8B部分に光が導かれ、第2の指針部8Bが発光する。
【0036】
表示器D1は、たとえば液晶表示パネル10と、この液晶表示パネル10を保持する枠状のホルダー11と、この枠状ホルダー11の前面側に配置される表示板12と、前記枠状のホルダー11の背後側に配置される光源設置用のプリント基板13と、このプリント基板13上に配置された液晶表示パネル10を照明する液晶表示パネル用光源(光源)14と、表示板12を透過照明するための表示板用光源(光源)15とで構成されている。なお各光源14,15はたとえば発光ダイオードからなるものである。
【0037】
液晶表示パネル10は、例えばSTN(Super Twisted Nematic)やTN(Twisted Nematic)等の液晶表示パネルからなり、表示ユニットUの中央に配置され、様々な情報(例えば外気温情報、走行距離情報、燃費情報からなる車両情報や例えばナビゲーション情報からなる交通情報)を表示する。なお液晶表示パネル10自体は、フロントカバー2側から見て略矩形であるが、台形や円形等、任意形状のパネルを用いることができる。
【0038】
表示板12は、液晶表示パネル10の外周に沿って配置され、指針8の支持対象となる指標部12A(目盛や文字からなるが図1では目盛だけを示し文字は省略する)と、液晶表示パネル10の表示エリアである所要部を露出するための切り欠き形成した窓部12Bとを有し、この窓部12Bから液晶表示パネル10が視認されるものであり、表示板12は、結果として液晶表示パネル10の上側外周に位置して配設されることになる。なお表示板12は、液晶表示パネル10の表示エリアを視認でき、且つ表示板12の指標部12Aが液晶表示パネル10の外周に位置すればよいものであり、切り欠き形成した窓部12Bに替えて透明な透視窓部を設けてもよい。また表示板12自体は、たとえば、指標部12Aが透過性、それ以外が遮光性に形成された通常の透過型印刷表示板が採用され、フロントカバー2側から見た外形形状は、略D字形である。
【0039】
枠状のホルダー11は、たとえば光反射性の良好な白色の合成樹脂材料からなり、フロントカバー2側から見た外形形状は、表示板12の形状に対応する略D字形である。この枠状のホルダー11は壁状の仕切部11Aにより区画され、表示板12に対応する第1の照明室R1と、液晶表示パネル10に対応する第2の照明室R2とが形成されている。
【0040】
第1の照明室R1は、指標部12Aの配列形状に沿った円弧形状に形成され、その前方側には表示板12が配置され、また背面側には表示板用光源15が配置され、さらに表示板12と表示板用光源15との間には、導光体16が配置されている。
【0041】
導光体16は、この例では第1の照明室R1に沿った円弧形状に形成され、表示板用光源15に対応する位置には、表示板用光源15に向けて突出する光導入部16Aと、表示板12の背面側に対応する位置には、表示板12に向けて照射導光するための円錐形状の凹部からなる反射部16Bが形成されている。
【0042】
そして表示板用光源15が点灯すると、その光は光導入部16Aを介して導光体16内に導入され、円錐形状の凹部からなる反射部16Bによって放射状に反射されることで表示板12の板面方向に伝播し、これにより点光源を用いて指標部12Aの比較的広い範囲を照明することができるようにしているものであり、表示板用光源15から表示板12に至る照明経路を第1の照明室R1(仕切部11A)で区画することにより、光の漏洩やロスを抑制することができるように構成している。
【0043】
一方、第2の照明室R2は、この例では、前方側が幅広、その反対側が幅狭の四角錐形状に形成され、幅広となる前方側には液晶表示パネル10が配置され、幅狭となる背面側には液晶表示パネル用光源14が配置されている。
【0044】
そして液晶表示パネル用光源14が点灯すると、その光は第2の照明室R2内を繰り返し反射し、結果として点光源を用いて液晶表示パネル10全域を照明することができるようにしているものであり、液晶表示パネル用光源14から液晶表示パネル10に至る照明経路を第2の照明室R2(仕切部11A)で区画することにより、光の漏洩やロスを抑制することができるように構成している。
【0045】
光源設置用のプリント基板13は、その前面側に液晶表示パネル用光源14と表示板用光源15とが装着されており、枠状のホルダー11の背後にビス17を介して組み付け固定されることで、液晶表示パネル用光源14と表示板用光源15とが各照明室R1,R2内に位置するようになっている。
【0046】
ここで、枠状のホルダー11は、液晶表示パネル10、表示板12、導光体16、プリント基板13(液晶表示パネル用光源14、表示板用光源15)とをそれぞれ結合する中核部品となるものである。なお本例においては、枠状のホルダー11に液晶表示パネル10、表示板12、導光体16、プリント基板13のそれぞれをフックや両面テープ等により直接、結合して表示器D1を構成していたが、他の部材を通じて間接的に結合するものであってもよい。また本例では、プリント基板13と枠状のホルダー11との組み付けに際してネジ17を用いていたが、これら部品同士の結合に限らず、固定部材、固定手段は任意の手段を採用できる。
【0047】
以上のように構成されるユニット化した表示器D1は、図2,図3に示すように、枠状のホルダー11に形成された取付脚部11Bを通じて計器ケース3に片持ち状態で取り付け固定される。
【0048】
すなわち、枠状のホルダー11の背面側であって、指針8の移動領域(範囲)から外れた非移動領域に位置する領域(図1,図3など参照)には、指針8の動作を妨げないように取付脚部11Bが形成してあり、この例では取付脚部11Bは、計器ケース3側に延びる一対の円筒状突出部であって、その内部には例えばセルフタッピングネジからなる固定部材18が螺合する孔部11Cが形成されている。
【0049】
一方、取付脚部11Bに対応する計器ケース3位置には、取付受部3Aが形成してあり、この例では、取付受部3Aは、取付脚部11Bに向けて開口する円筒形状に形成され、その内部には取付脚部11Bを挿入及び位置決め可能な凹部3Bが形成され、この凹部3Bの底部には固定部材18を挿通可能な孔部3Cが形成されている。なお計器ケース3の背後に位置するリアカバー5には、固定部材18を挿通する貫通孔5Aが設けられている。
【0050】
表示器D1の計器ケース3に対する組み付けは、表示器D1の取付脚部11Bを計器ケース3の取付受部3A(凹部3B)内に挿入して仮止めし、その後、計器ケース3の背後にリアケース5を重ねて、計器ケース3およびホルダー11の取付脚部11Bに設けられた各孔部3C,11Cとを位置合わせし、その後、背後(リアカバー5側)から貫通孔5Aと孔部3C内に固定部材18を挿入して、さらに固定部材18の先端側をホルダー11の孔部11Cに螺着することにより行われ、これにより、表示器D1が、指針8の作動を妨げることなく、合成樹脂材料からなる硬質の計器ケース3に片持ち状態で安定的に固定することができるように設けられている。
【0051】
なお表示器D1の計器ケース3に対する組み付けは、指針8の非移動領域において計器ケース3に連結されるものであれば、上記のような取付脚部11Bと取付受部3Aからなる凹凸嵌合に替えて、表示器D1と計器ケース3との間に専用の取付具を介在させてもよい。
【0052】
また、この第1の実施形態にあっては、指示計器の組付けに際し、計器ケース3を基準として回路基板4に固定保持された駆動軸7(指針軸)を有する駆動部材6を固定保持し、次いで駆動部材6に設けられた駆動軸7に対して指針8の組み付け向きを所定の方向に合わせて差し込むようにしている。この時、指針8を打ち込み固定するに際し、計器ケース3側には簡単に位置合わせを行いながら圧入固定することができるように計器ケース3の内側表面部分に凹凸による目安(目印)となる目印部(標記部)Mが形成されている。(図3から図7参照)この第1実施形態では、指針8の長手方向中心線に合わせて三角形状の突部とその両側に指針の幅寸法に合わせて角状(四角形状)の突部からなる第1の目印部(第1の標記部)M1が形成されている。また、指針8の決められた打ち込み方向に沿って指針8の第1の指針部8Aと正対する計器ケース3位置には、第1の指針部8Aの真上から見て、第1の指針部8Aの幅寸法より若干大きめとなる幅を設けた凹み部からなる第2の目印部(第2の標記部)M2が計器ケース3の内側表面部分に形成されている。この際、凹み部からなる第2の目印部M2は指針8の長手方向に沿って溝状に形成されている。なお、指針8の打ち込み位置としては、たとえば指針8に負荷を加えない0目盛を指示している状態(機械的な負荷を加えない状態)を基準にして設定したり、あるいは0目盛を指示する条件(所定の通電状態)に合わせて目印部(標記部)Mを設けている。
【0053】
従って、計器ケース3に施した目印部M(第1の目印部M1,第2の目印部M2)に沿わせて簡単に位置合わせを行いながら指針8(第1の指針部8Aに設けられたボス部8a)箇所を駆動軸(指針軸)7に対して簡単に圧入固定することができ、これにより従来に比してその組み付け作業効率を高めることができるという効果がある。(図3,図4、図5参照)
【0054】
この際、計器ケース3に施した目印部(標記部)M(第1の目印部M1,第2の目印部M2)と指針8(第1の指針部8A)との指示している向きを撮像装置を介して読み取り所定の許容範囲に入った場合に第1の指針部8Aに設けられたボス部8a箇所を駆動軸(指針軸)7に対して自動的に圧入固定するように設けたり、あるいは目視によって目印部(標記部)Mに沿わせて簡単に位置合わせを行いながら圧入固定するようにしてもよいものである。
【0055】
また従来例構造において詳述したように、指針8が表示器D1の後方を迂回して表示板12の前方に至るタイプの指示計器であるため、表示器D1の大きさや配置あるいはスペース的な問題からして、指針8自体を表示器D1の後方から迂回させて表示器D1,表示板12の前方に至るように屈曲案内するように形成する際に、この第1実施形態においても同様にして指針8自体を分割して形成しなければ表示器D1などを組み付けることができなくなることがある。
【0056】
このため、前述したように指針8は、表示器D1の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1の移動エリアに存在する第1の指針部8Aと、表示器D1の前方に位置し実質的に観察者側から視認される第2の移動エリアに存在する第2の指針部8Bとに分割形成され、これら第1の指針部8Aと第2の指針部8Bとを連結するための連結部材8Cとで構成されており、指示計器の組付けに際し、計器ケース3を基準として回路基板4に固定保持された駆動軸7(指針軸)を有する駆動部材6を固定保持し、次いで、前述したように表示器D1の後方に位置し実質的に観察者側から視認されない第1の移動エリアに存在する第1の指針部8Aを駆動部材6に設けられた駆動軸7に対して指針8の組み付け向きを計器ケース3に施した目印部(標記部)M(第1の目印部M1,第2の目印部M2)に沿わせて所定の方向に合わせて差し込むようにしている。(図5参照)
【0057】
続いて駆動軸7側に圧入固定されたL字状に屈曲している第1の指針部8Aの先端部に対して第2の指針部8Bを連結部材8Cを介して差し込んで第1の指針部8Aと第2の指針部8Bとを連結固定するが、この状態にて第1の指針部8Aに向けて第2の指針部8Bを差し込んでしまうと第1の指針部8A側に負荷を掛けてしまい撓んでしまったり駆動部材6側に過重が掛かるなどの問題があるため、この差し込み位置と対向する計器ケース3箇所に丸孔からなる連通部(指針受け治具挿入用孔部)3Dを設けている。なお計器ケース3の背後に位置する回路基板4とリアカバー5のそれぞれには、治具Jを挿入するための治具挿入用孔部4A,5Bが設けられている。
【0058】
従って、第1の指針部8Aを連通部(指針受け治具挿入用孔部)3Dから臨ませて配置した治具Jにより支えることによって、第1の指針部8Aに負荷を掛けてしまい撓んでしまったり駆動部材6側に過重が掛かるなどの問題も未然に防ぐことができ、加えて、連通部(指針受け治具挿入用孔部)3Dは計器ケース3の成形と同時に簡単に形成することができるため、コストアップに繋がるという問題も未然に解決することができる。
【0059】
また、連通部(指針受け治具挿入用孔)3Dを、駆動軸(指針軸)7に対する指針8(第1の指針部8A)の圧入時に第1の指針部8Aの圧入向きを設定するための目印(標記部M)として兼用することができる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでなく本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。たとえば、前述した実施形態においては、計器ケース3の内側表面部分に凹凸による目印となる目印部(標記部)Mとして、指針8の長手方向中心線に合わせて三角形状の突部とその両側に指針の幅寸法に合わせて角状(四角形状)の突部からなる第1の目印部M1を形成するとともに、第1の指針部8Aの真上から見て、第1の指針部8Aの幅寸法より若干大きめとなる幅を設けた凹み部からなる第2の目印部M2を指針8の決められた打ち込み方向に沿って計器ケース3の内側表面部分に形成していたが、指針8の指し示す箇所のみに凹凸による目印となる目印部Mを計器ケース3に形成してもその目印部Mに沿わせて容易に位置合わせを行いながら指針8を圧入固定することができるものであり、また、図示はしないが計器ケース3の表面部分に印刷や蒸着などによる表面処理層によって目印となる目印部(標記部)Mを形成するようにしても第1の実施形態と同様の効果を期待することができる。この際、目印部Mを計器ケース3の色合いと異なる色にて形成することによって打ち込み位置の判別が良好となるものであり、指針8の組み付け時に指針8の向きと目印部Mとを合わせる際に判別しやすくなるという利点がある。また、逆に目印部Mを目立たないように形成する場合にあっては、計器ケース3と同系色にて形成することも可能である。また、凹凸による目印となる目印部(標記部)Mと印刷などによる表面処理からなる目印部(標記部)Mとの組み合わせにより全体の目印部(標記部)Mを形成することにより目印となる箇所を判別しやすく構成することもできる。
【0061】
また指示計器の後方外部から第1のエリアに連通する連通部(指針受け治具挿入用孔部)3Dが設けられているが、この場合、使用条件によっては、連通部3Dはリアカバー5で覆うように構成してもよい。
【0062】
また第1の実施形態では、表示器D1として、液晶表示パネル10を用いて説明したが、LED発光による表示器など任意のものを採用することができるものであり、たとえば液晶表示パネル10に替えて電界発光素子や蛍光表示管のような表示器D1を設けてもよいものであり、前記表示器D1に加えて、他の表示・報知手段を組み込んでもよい。
【0063】
また第1の実施形態では、指針8の第2の指針部8Bが表示器10の外側から中心側に延びる(指針8が表示器D1に対して「コ」字状に迂回する)例を示したが、表示器D1を迂回して指針8が通る(作動可能な)スリット部を設け、このスリット部を介して指針8が動作するように構成することで、指針8を「T」字状または指針8の先端部が外側に沿って引き廻し配設されるようなクランク形状からなる指針8として設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態を示す指示計器の正面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】表示器と指針式計器の概要を示す要部の分解斜視図。
【図4】図4は計器ケースに施された標記部を示した要部の正面図。
【図5】図5は計器ケースに対し指針(第1の指針部)の組み付け状態を示した要部構造正面図。
【図6】図6は計器ケースを基準として指針(第1の指針部)と表示器および指針(第2の指針部)の組み付け状態を示した要部の断面図。
【図7】図7は、図6に示した指針式計器と表示器の組み付け後に見返し板(遮蔽部材)とフロントカバーとを組み付けた状態を示した要部の断面図。
【符号の説明】
【0065】
1 遮蔽部材
2 フロントカバー
3 計器ケース
3A 取付受部
3B 凹部
3C 孔部
3D 連通部(指針受け治具挿入用孔部)
4 回路基板
4A 治具挿入用孔部
5 リアカバー
5A 貫通孔
5B 治具挿入用孔部
6 駆動部材
7 駆動軸(指針軸)
8 指針
8A 第1の指針部
8a ボス部
8B 第2の指針部
8C 連結部材
9 指針用光源
10 液晶表示パネル
11 枠状のホルダー
11A 仕切壁
11B 取付脚部
11C 孔部
12 表示板
12A 指標部
12B 窓部
13 プリント基板
14 液晶表示パネル用光源(光源)
15 表示板用光源(光源)
16 導光体
16A 光導入部
16B 反射部
17 ネジ
18 固定部材
D1,D2,D3 表示器
G1,G2,G3 指針式計器
M 目印部(標記部)
M1 第1の目印部(第1の標記部)
M2 第2の目印部(第2の標記部)
R1 第1の照明室
R2 第2の照明室
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−8812(P2008−8812A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180719(P2006−180719)