トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 回転角度検出装置
【発明者】 【氏名】池田 勉

【要約】 【課題】プリント基板をなくし、かつコンデンサを効果的に配置して回転角度検出装置をコンパクト化すること、及びコンデンサの雑音除去効果を大きくすることを目的とする。

【構成】本発明に係る回転角度検出装置は、回転部側の永久磁石と、固定部側の角度検出手段42、及びコネクタ用導体49a,49b,49cと、コネクタ用導体49a,49b,49cに接続されるコンデンサ48とを備える回転角度検出装置であって、角度検出手段42を構成する磁気検出素子45は、回転部の回転軸心に対して直角に位置決めされており、コネクタ用導体49a,49b,49cは回転軸心に平行な平行部位Hを備えており、磁気検出素子45からコネクタ用導体49a,49b,49cの平行部位Hまでの範囲は、略L字形に成形されており、コンデンサ48は、略L字形に成形された部分の内周側に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部に取付けられており、回転中心を挟んで対向している少なくとも一対の永久磁石と、固定部に取付けられた状態でそれらの永久磁石間に位置決めされており、前記回転部の回転に伴う前記永久磁石間の磁界の変化に基づいて前記回転部の回転角度を求める角度検出手段と、前記角度検出手段の電気接続端子が接続されるコネクタ用導体と、前記コネクタ用導体に接続されるコンデンサとを備える回転角度検出装置であって、
前記角度検出手段を構成する磁気検出素子は、前記回転部の回転軸心に対して直角に位置決めされており、
前記コネクタ用導体は前記回転軸心に平行な平行部位を備えており、
前記角度検出手段の磁気検出素子から前記コネクタ用導体の平行部位までの範囲は、略L字形に成形されており、
前記コンデンサは、略L字形に成形された部分の内周側に設けられていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載された回転角度検出装置であって、
角度検出手段は、永久磁石間の磁界の方向に基づいて回転部の回転角度を求めるように構成されていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された回転角度検出装置であって、
角度検出手段は、回転部における永久磁石間の磁界の変化を検出する磁気検出素子と、その磁気検出素子の出力信号に基づいて前記回転部の回転角度を求める演算部とを備えており、
前記演算部がコネクタ用導体の平行部位と平行に位置決めされていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された回転角度検出装置であって、
角度検出手段は、回転部における永久磁石間の磁界の変化を検出する磁気検出素子と、その磁気検出素子の出力信号に基づいて前記回転部の回転角度を求める演算部とを備えており、
前記磁気検出素子と演算部とがコネクタ用導体の平行部位に対して直角に位置決めされていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項5】
請求項3に記載された回転角度検出装置であって、
角度検出手段の演算部とコネクタ用導体の平行部位とは、隙間を介した状態で重ねられていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された回転角度検出装置であって、
角度検出手段と、その角度検出手段に電気接続端子を介して接続されるコネクタ用導体は、2セット設けられており、
一方の角度検出手段の磁気検出素子に、他方の角度検出手段の磁気検出素子が回転部の回転軸心方向に重ねられた状態で、それらの角度検出手段が前記回転軸心を挟んで対向するように位置決めされていることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載された回転角度検出装置であって、
少なくとも角度検出手段の一部、及び電気接続端子、及びコンデンサ、及びコネクタ用導体の一部が樹脂に埋め込まれていること特徴とする回転角度検出装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部の回転角度を非接触の状態で検出する回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した回転角度検出装置に関する技術が特許文献1に記載されている。
この回転角度検出装置は、回転部と固定部とを備えている。回転部には、回転中心を挟んで対向している一対の永久磁石が取付けられている。また、固定部には、回転部の回転に伴う永久磁石間の磁界の変化に基づいて、その回転部の回転角度を求める角度検出手段が設けられている。角度検出手段には複数本の電気接続端子が設けられており、それらの電気接続端子がプリント基板の導体を介してコネクタ用導体に接続されている。さらに、コネクタ用導体には前記プリント基板の導体を介して雑音防止用のコンデンサが接続されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−91275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した回転角度検出装置によると、角度検出手段の電気接続端子とコネクタ用導体とはプリント基板の導体を介して接続されているため、そのプリント基板を必要とする分だけ回転角度検出装置が大型化する。また、プリント基板の導体に雑音防止用のコンデンサが接続される構成のため、前記コンデンサを角度検出手段の直近に配置するのが難しく、雑音除去効果を十分に発揮させることができない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の技術的課題は、プリント基板をなくし、かつコンデンサを効果的に配置することにより、回転角度検出装置をコンパクトすること、及びコンデンサの雑音除去効果を大きくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、回転部に取付けられており、回転中心を挟んで対向している少なくとも一対の永久磁石と、固定部に取付けられた状態でそれらの永久磁石間に位置決めされており、前記回転部の回転に伴う前記永久磁石間の磁界の変化に基づいて前記回転部の回転角度を求める角度検出手段と、前記角度検出手段の電気接続端子が接続されるコネクタ用導体と、前記コネクタ用導体に接続されるコンデンサとを備える回転角度検出装置であって、前記角度検出手段を構成する磁気検出素子は、前記回転部の回転軸心に対して直角に位置決めされており、前記コネクタ用導体は前記回転軸心に平行な平行部位を備えており、前記角度検出手段の磁気検出素子から前記コネクタ用導体の平行部位までの範囲は、略L字形に成形されており、前記コンデンサは、略L字形に成形された部分の内周側に設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、角度検出手段の電気接続端子と前記コネクタ用導体とを直接的に接続する構成のため、プリント基板が不要になる。さらに、コンデンサは略L字形に成形された部分の内周側に配置されるため、外側に張り出すことがない。このため、角度検出手段の近傍をコンパクトにまとめることができ、回転角度検出装置が大型化しない。
また、コンデンサはコネクタ用導体に直接的に接続される構成のため、角度検出手段の近くに配置することができ、雑音除去効果が大きくなる。
【0008】
請求項2の発明によると、角度検出手段は、永久磁石間の磁界の方向に基づいて回転部の回転角度を求めるように構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明によると、角度検出手段は、回転部における永久磁石間の磁界の変化を検出する磁気検出素子と、その磁気検出素子の出力信号に基づいて前記回転部の回転角度を求める演算部とを備えており、前記演算部がコネクタ用導体の平行部位と平行に位置決めされていることを特徴とする。
このように、角度検出手段の磁気検出素子のみが回転部の回転軸心に対して直角に位置決めされるため、角度検出手段、及びその近傍において永久磁石間に位置決めされる部位の半径方向の寸法を小さくできる。
【0009】
請求項4の発明によると、角度検出手段は、回転部における永久磁石間の磁界の変化を検出する磁気検出素子と、その磁気検出素子の出力信号に基づいて前記回転部の回転角度を求める演算部とを備えており、前記磁気検出素子と演算部とがコネクタ用導体の平行部位に対して直角に位置決めされていることを特徴とする。
このように、角度検出手段の磁気検出素子と演算部とがコネクタ用導体の平行部位に対して直角に位置決めされるため、角度検出手段、及びその近傍において永久磁石間に位置決めされる部位の軸方向の寸法を小さくできる。
【0010】
請求項5の発明によると、角度検出手段の演算部とコネクタ用導体の平行部位とは、隙間を介した状態で重ねられていることを特徴とする。
このように、角度検出手段の演算部とコネクタ用導体の平行部位とが重ねられているため、角度検出手段からコネクタ用導体の平行部位までの回転軸心方向の寸法を小さくできる。さらに、角度検出手段の演算部とコネクタ用導体の平行部位とは隙間を介した状態で重ねられており、接触していない。このため、角度検出手段とコネクタ用導体とを位置決めする際、仮に角度検出手段からコネクタ用導体までの範囲に捩じれ外力が加わった場合でも、その外力が前記角度検出手段の電気接続端子の部分で吸収されて、前記外力が角度検出手段の演算部やコネクタ用導体に集中することがない。このため、例えば、チップコンデンサ等をコネクタ用導体に直接的に接続する構成でも、外力でチップコンデンサ等が損傷することがなくなる。
【0011】
請求項6の発明によると、角度検出手段と、その角度検出手段に電気接続端子を介して接続されるコネクタ用導体は、2セット設けられており、一方の角度検出手段の磁気検出素子に、他方の角度検出手段の磁気検出素子が回転部の回転軸心方向に重ねられた状態で、それらの角度検出手段が前記回転軸心を挟んで対向するように位置決めされていることを特徴とする。
このため、一方の角度検出手段が故障した場合でも角度検出を継続することができ、回転角度検出装置の信頼性が向上する。
請求項7の発明によると、少なくとも角度検出手段の一部、及び電気接続端子、及びコンデンサ、及びコネクタ用導体の一部が樹脂に埋め込まれていること特徴とする。
このため、角度検出手段の位置ずれや破損を防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、回転角度検出装置がコンパクトになるとともに、コンデンサの雑音除去効果が大きくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図12に基づいて本発明の実施形態1に係る回転角度検出装置の説明を行う。ここで、図1は本実施形態に係る回転角度検出装置を備えるスロットル制御装置の平断面図、図2は本実施形態に係る回転角度検出装置の測定原理図、図3、図4は回転角度検出装置の角度検出手段を表す縦断面図、及び斜視図である。図5はスロットル制御装置の側面カバーを表す斜視図、図6は回転角度検出装置のコネクタ用導体を表す斜視図である。図7から図12は回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図である。
【0014】
<スロットル制御装置10の概要について>
回転角度検出装置40の説明を行う前に、この回転角度検出装置40を備えるスロットル制御装置10の概要について説明する。
スロットル制御装置10は、エンジンの吸入空気量の調節に使用される電子制御式装置であり、自動車の運転室内に設置されたアクセルペタル(図示省略)の動作と連動するように構成されている。
スロットル制御装置10は、スロットルボデー12を備えている。スロットルボデー12は、図1に示すように、空気流路であるボア13を形成する中空円筒状のボア壁部14とモータハウジング部17とを一体に有している。ボア壁部14は、上流側がエアクリーナ(図示省略)に接続され、下流側がインテークマニホールド(図示省略)に接続される。
スロットルボデー12のボア壁部14には、前記ボア13を径方向に横切る金属製のスロットルシャフト16が通されている。スロットルシャフト16は、ボア壁部14の左右の設けられた軸受部15によって回転可能に支持されている。
スロットルシャフト16には、ボア13内で回転可能に構成された円板状のスロットルバルブ18がスクリュ18sによって固定されている。
【0015】
また、右側の軸受部15を貫通したスロットルシャフト16の端部には扇形のスロットルギヤ22が回り止めされた状態で同軸に固定されている。スロットルギヤ22は、回転中心位置にある内筒部22eと、その内筒部22eの外側に設けられた外筒部22fと、その外筒部22fの回りに形成された扇形のギヤ部22wとを備えている。そして、スロットルギヤ22の内筒部22eの内壁面に、後記する回転角度検出装置40の筒状のヨーク43(図2(A)参照)と一対の永久磁石41(以下、磁石41という)とが固定されている。
さらに、右側の軸受部15とスロットルギヤ22の外筒部22fとの周囲には、スロットバルブ18を閉じる方向へ付勢されたコイル状のバックスプリング24sが装着されている。
【0016】
前記スロットルボデー12のモータハウジング部17は、スロットルシャフト16の軸線に対してほぼ平行となるように有底円筒状に形成されている。そして、モータハウジング部17内に、例えばDCモータ等からなるモータ17mが収納されている。
また、スロットルボデー12には、ボア壁部14とモータハウジング部17との間の位置にスロットルシャフト16と平行なカウンタシャフト23が設けられている。そして、前記カウンタシャフト23にカウンタギヤ24が回転可能に支持されている。カウンタギヤ24はギヤ径の異なる二つのギヤ部24a,24bを有しており、大径側のギヤ部24aがモータ17mの出力回転軸(図示省略)のモータピニオン17pと噛合しており、小径側のギヤ部24bが前記スロットルギヤ22のギヤ部22wと噛合している。
このため、モータ17mがエンジンコントロールユニット(ECU)(図示省略)からの信号でアクセルペダルの踏み込み量等に基づいて駆動されると、モータ17mの回転力はモータピニオン17p、カウンタギヤ24、スロットルギヤ22を介してスロットルシャフト16に伝達される。これによって、スロットバルブ18がバックスプリング24sのバネ力に抗してボア13内で回転し、ボア13を流れる吸入空気量がコントロールされる。
【0017】
スロットルボデー12の右側面は、側面カバー50によって覆われている。側面カバー50は、モータハウジング部17の開口17kを塞ぐとともに、モータピニオン17p、カウンタギヤ24、スロットルギヤ22等を覆う樹脂製のカバーである。側面カバー50には、回転角度検出装置40の角度検出手段42(図2(B)、図3参照)を備える略円柱形の第1樹脂成形部52が一体化されている。そして、側面カバー50が、図1に示すように、スロットルボデー12の右側面に取付けられた状態で、第1樹脂成形部52の先端部分(角度検出手段42の支持部)がスロットルギヤ22のヨーク43(図2(A)参照)、及び永久磁石41間に同軸、かつ非接触状態で挿入される。
【0018】
<回転角度検出装置40の構成について>
回転角度検出装置40は、スロットルシャフト16の回転角度に基づいてスロットルバルブ18の開度を検出する装置であり、図2(A)(B)に示すように、スロットルギヤ22の内筒部22eに設けられたヨーク43、及び一対の磁石41と、側面カバー50の第1樹脂成形部52に埋め込まれた角度検出手段42とを備えている。
ヨーク43は、磁性材料により円筒形に形成されており、スロットルシャフト16と同軸に位置決めされている。そして、ヨーク43の内壁面にN極とS極とを構成する円弧形の磁石41が中心を挟んで対向する位置に固定されている。一対の磁石41は、図2(A)に示すように、ヨーク43内の空間にほぼ平行な磁界を発生させることができるように、平行着磁されている。
【0019】
一対の磁石41間には、図2(A)(B)に示すように、回転角度検出装置40の角度検出手段42が規定位置に位置決めされている。角度検出手段42は、ヨーク43、及び磁石41がスロットルシャフト16と共に回転することによる磁界の方向の変化を検出し、その磁界の方向の変化に基づいて演算によりスロットルシャフト16、及びスロットルバルブ18(以下、スロットルシャフト16という)の回転角度を求める装置である。角度検出手段42は、フェールセーフを考慮して2台一組で使用され、1台が故障した場合でも他の1台が動作することにより検出不能とならないように配慮されている。
即ち、スロットルシャフト16が本発明の回転部に相当し、第1樹脂成形部52を備える側面カバー50が本発明の固定部に相当する。
【0020】
角度検出手段42は、図3、図4等に示すように、磁界の方向を検出し、その磁界の方向に対応する信号を発生させる磁気検出素子45と、磁気検出素子45の信号に基づいてスロットルシャフト16の回転角度を演算する演算部46とを備えている。
角度検出手段42の演算部46は、半導体集積回路(IC)から構成されており、スロットルシャフト16の回転角度に対応するリニアな電圧信号を出力できるようにプログラムされている。磁気検出素子45と演算部46とは信号線44で電気的に接続(以下、単に接続という)されており、その信号線44の部分が直角に曲げられている。これにより、磁気検出素子45と演算部46とは直角に位置決めされる。磁気検出素子45は、図2(A)(B)に示すように、スロットルシャフト16とほぼ同軸位置に保持されて一対の磁石41間に配置されている。さらに磁気検出素子45の前面(先端面)はスロットルシャフト16の軸線Pと直角に位置決めされている。このため、磁気検出素子45と直角に位置決めされる演算部46は、軸線Pと平行に保持される。
【0021】
演算部46には、図3、図4等に示すように、電源用(入力用)の電気接続端子47a、接地(アース)用の電気接続端子47b、及び信号出力用の電気接続端子47cが設けられており、各々の電気接続端子47a,47b,47cがそれぞれL形導体49a,49b,49cに接続されている。
L形導体49a,49b,49cは、図3に示すように、演算部46と隙間Sを介した状態で平行に位置決めされる平行部位Hと、その平行部位Hに対して直角に曲げられた直角部位Tから構成されている。そして、演算部46の電気接続端子47a,47b,47cが、それぞれL形導体49a,49b,49cの平行部位Hに接続される。ここで、前述のように、角度検出手段42は、信号線44の部分が直角に曲げられて磁気検出素子45と演算部46とが直角に位置決めされている。このため、角度検出手段42の磁気検出素子45から信号線44、演算部46、電気接続端子47a,47b,47c、及びL形導体49a,49b,49cの平行部位Hまでの範囲は、図3に示すように、略L字形に成形されている。そして、略L字形に成形された部分の外周側に、演算部46の電気接続端子47a,47b,47cとL形導体49a,49b,49cの平行部位Hとの接続部が設けられている。さらに、略L字形に成形された部分の内周側には、図4に示すように、電源用のL形導体49aと接地用のL形導体49bとの間、及び接地用のL形導体49bと信号出力用のL形導体49cとの間に、雑音防止用のチップコンデンサ48が接続されている。
【0022】
<第1樹脂成形部52、及び側面カバー50の成形について>
2セットの角度検出手段42、チップコンデンサ48、及びL形導体49a,49b,49cは、第1樹脂成形部52を成形する型内にインサートされる。このとき、2セットの角度検出手段42は、一方の角度検出手段42の磁気検出素子45に、他方の角度検出手段42の磁気検出素子45が略円筒形の型の軸心方向に重ねられた状態で、それらの角度検出手段42が前記軸心を挟んで対向するように位置決めされる。そして、前記型を使用して、図2、図3に示すように、略円柱形の第1樹脂成形部52が成形される。即ち、2台の角度検出手段42等は予め決められた位置関係で第1樹脂成形部52に埋め込まれる。
このようにして、第1樹脂成形部52が成形されると、図6に示すように、その第1樹脂成形部52の基端部から露出した2本の電源用のL形導体49aが、電源用導体53aの一端部に接続される。また、同じく第1樹脂成形部52から突出した2本の接地用のL形導体49bが接地用導体53bの一端部に接続され、2本の信号出力用のL形導体49cがそれぞれ第1信号用導体53e、第2信号用導体53fの一端部に接続される。
【0023】
次に、第1樹脂成形部52の基端部(埋設部位)、L形導体49a,49b,49cの露出部位、電源用導体53a、接地用導体53b、及び第1、第2信号用導体53e,53fが、側面カバー50を成形する型内にインサートされる。そして、前記型を使用して、図5に示すように、側面カバー50が形成される。即ち、第1樹脂成形部52の基端部(埋設部位)が側面カバー50の内壁面の所定位置に固定され、L形導体49a,49b,49cの露出部位、電源用導体53a、接地用導体53b、及び第1、第2信号用導体53e,53fが側面カバー50の壁内に埋め込まれる。そして、電源用導体53a、接地用導体53b、及び第1、第2信号用導体53e,53fの先端部Tが側面カバー50のコネクタ55の端子となる。
このようにして製造された側面カバー50がスロットルボデー12の右側面に取付けられると、前述のように、第1樹脂成形部52の先端部分がスロットルギヤ22のヨーク43(図2(A)参照)、及び永久磁石41間に非接触状態で挿入される。そして、この状態で、2台の角度検出手段42の磁気検出素子45は、図2(A)(B)に示すように、スロットルシャフト16とほぼ同軸状態に保持されて一対の磁石41間に配置され、さらに磁気検出素子45の前面(先端面)はスロットルシャフト16の軸線Pと直角になる。
即ち、L形導体49a,49b,49c、電源用導体53a、接地用導体53b、及び第1、第2信号用導体53e,53fが本発明のコネクタ用導体に相当する。
【0024】
<本実施形態に係る回転角度検出装置40の長所について>
本実施形態に係る回転角度検出装置40では、角度検出手段42の電気接続端子47a,47b,47cとL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)とを直接的に接続する構成のため、プリント基板が不要になる。さらに、コンデンサ48は、略L字形に成形された部分の内周側に配置されるため、外側に張り出すことがない。このため、角度検出手段42の近傍をコンパクトにまとめることができ、回転角度検出装置40が大型化しない。
また、コンデンサ48はL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)に直接的に接続される構成のため、角度検出手段42の近くに配置することができ、雑音除去効果が大きくなる。
【0025】
また、角度検出手段42の演算部46がL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)の平行部位Hと平行に位置決めされている。即ち、角度検出手段42の磁気検出素子45のみがスロットルシャフト16の軸心Pに対して直角に位置決めされるため、第1樹脂成形部52の半径方向の寸法を小さくできる。
また、角度検出手段42の演算部46とL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)の平行部位Hとは、隙間Sを介した状態でスロットルシャフト16の軸心Pに対して直角方向に重ねられている。このため、角度検出手段42の先端からコネクタ用導体の平行部位Hまでの軸心P方向の寸法を小さくできる。さらに、角度検出手段42の演算部46とL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)の平行部位Hとは隙間Sを介した状態で重ねられており、接触していない。このため、第1樹脂成形部52の成形用の型内で、角度検出手段42とL形導体49a,49b,49c(コネクタ用導体)とを位置決めする際に、角度検出手段42からL形導体49a,49b,49cまでの範囲に捩じれ外力が加わった場合でも、その外力が角度検出手段42の電気接続端子47a,47b,47cの部分で吸収される。このため、前記捩じれ外力が角度検出手段42の演算部46やL形導体49a,49b,49cに集中することがなく、チップコンデンサ48をL形導体49a,49b,49cに直接的に接続する構成でも、チップコンデンサ48が損傷することがなくなる。
また、角度検出手段42等は2セット設けられているため、一方の角度検出手段42が故障した場合でも角度検出を継続することができ、回転角度検出装置40の信頼性が向上する。
また、角度検出手段42、及び電気接続端子47a,47b,47c、及びコンデンサ48、及び前記コネクタ用導体が樹脂に埋め込まれているため、角度検出手段42の位置ずれや破損を防止できる。
【0026】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態の回転角度検出装置40では、フェールセーフを考慮して2セットの角度検出手段42、L形導体49a,49b,49c等を設ける例を示したが、フェールセーフを考慮する必要がない場合には、図7に示すように、角度検出手段42、L形導体49a,49b,49c等を1セットとすることも可能である。
また、磁気検出素子45と演算部46とが別体構造の角度検出手段42を使用する例を示したが、図8(A)(B)に示すように、磁気検出素子45と演算部46とが一体構造の角度検出手段422を使用することも可能である。この場合、図8(A)(B)に示すように、角度検出手段422の電気接続端子47a,47b,47cに折り曲げ部Wを構成して角度検出手段422とL形導体49a,49b,49cの平行部位Hとを直角に配置するのが加工上好ましい。しかし、図10に示すように、L形導体49a,49b,49cの先端部を平行部位Hに対して直角に折り曲げ、その先端部に角度検出手段422の直線状の電気接続端子47a,47b,47cを接続することも可能である。
【0027】
また、本実施形態では、隙間Sを介して角度検出手段42の演算部46とL形導体49a,49b,49cの平行部位Hとを重ねる例を示したが、図9(A)(B)に示すように、演算部46とL形導体49a,49b,49cの平行部位Hとを直列に配置することも可能である。
また、本実施形態では、角度検出手段42の磁気検出素子45と演算部46との間の信号線44の部分で直角に曲げる例を示したが、図11(A)(B)に示すように、磁気検出素子45と演算部46とを直線上に配置して、演算部46の電気接続端子47a,47b,47cの部分を直角に曲げてL形導体49a,49b,49cの平行部位Hに接続する構成でも可能である。この場合、図12(A)(B)に示すように、演算部46の電気接続端子47a,47b,47cを曲げる代わりに、L形導体49a,49b,49cの先端部を平行部位Hに対して直角に折り曲げ、その先端部に直線状の電気接続端子47a,47b,47cを接続することも可能である。
このように、角度検出手段42の磁気検出素子45と演算部46とがL形導体49a,49b,49cの平行部位Hに対して直角に位置決めされるため、第1樹脂成形部52の軸方向の寸法を小さくできる。
【0028】
また、L形導体49a,49b,49c(第1導体)と、電源用導体53a、接地用導体53b、及び第1、第2信号用導体53e,53f(第2導体)とに分割する構成を例示したが、第1導体と第2導体とを一体化することも可能である。
また、本実施形態では、回転角度検出装置40でスロットル制御装置10のスロットルシャフト16の回転角度を検出する例を示したが、スロットル制御装置10以外にも適用可能である。例えば、液体用の流量調節弁の開度検出用として本発明に係る回転角度検出装置40を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1に係る回転角度検出装置を備えるスロットル制御装置の平断面図である。
【図2】回転角度検出装置の測定原理を表す正面図(A図)、及び縦断面図(B図)である。
【図3】回転角度検出装置の角度検出手段を表す縦断面図である。
【図4】回転角度検出装置の角度検出手段を表す斜視図である。
【図5】スロットル制御装置の側面カバーを表す斜視図である。
【図6】回転角度検出装置のコネクタ用導体を表す斜視図である。
【図7】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図である。
【図8】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図(A図、B図)である。
【図9】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図(A図、B図)である。
【図10】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図(A図、B図)である。
【図11】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図(A図、B図)である。
【図12】回転角度検出装置の変更例を表す縦断面図(A図、B図)である。
【符号の説明】
【0030】
16 スロットルシャフト(回転部)
18 スロットルバルブ
41 永久磁石
42 角度検出手段
45 磁気検出素子
46 演算部
47a,47b,47c 電気接続端子
48 チップコンデンサ
49a,49b,49c L形導体(コネクタ用導体)
H 平行部位
S 隙間
50 側面カバー
52 第1樹脂成形部
55 コネクタ
53a 電源用導体(コネクタ用導体)
53b 接地用導体(コネクタ用導体)
53e 第1信号用導体(コネクタ用導体)
53f 第2信号用導体(コネクタ用導体)

【出願人】 【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−8756(P2008−8756A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179501(P2006−179501)