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【発明の名称】 ロータリエンコーダ
【発明者】 【氏名】熊谷 隆

【要約】 【課題】回路基板にかかる振動による負荷を低減して誤動作や破損等の発生を防止することで、製品としての信頼性と耐久性の向上を図ったロータリエンコーダを提供する。

【構成】所定のパターンを有する回転符号板を備え測定対象の回転軸に固定されて回転する円板部と、前記所定のパターンを検出する検出手段と、前記測定対象の回転量を検出するべく前記検出手段からの検出信号を処理する電気部品を実装した基板部と、前記円板部を回転可能に収納する円柱型のベース部と、前記基板部を前記ベース部に対して固定するためにこれらの間に配置される基板部固定部材とを備えており、該基板部固定部材は、前記基板部側へ向かって内径が大きくなる形状の環状部材であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパターンを有する回転符号板を備え測定対象の回転軸に固定されて回転する円板部と、
前記所定のパターンを検出する検出手段と、
前記測定対象の回転量を検出するべく前記検出手段からの検出信号を処理する電気部品を実装した基板部と、
前記円板部を回転可能に収納する円柱型のベース部と、
前記基板部を前記ベース部に対して固定するためにこれらの間に配置される基板部固定部材とを備えており、
該基板部固定部材は、前記基板部側へ向かって内径が大きくなる形状の環状部材であることを特徴とするロータリエンコーダ。
【請求項2】
前記基板部固定部材は、中心軸方向の断面が略直角三角形状の環状部材であることを特徴とする請求項1に記載のロータリエンコーダ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリエンコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばモータ等の測定対象に装着されて共に回転する回転符号板を備え、該回転符号板の回転量をセンサによって検出することで前記測定対象の回転量を検出するロータリエンコーダが広く用いられている。斯かるロータリエンコーダは、大きく分けて回転符号板を備えた円板部と、該円板部を収納する円柱型のベース部と、回路基板を備えた基板部とから構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2003−315086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のロータリエンコーダにおいて、一般に基板部はベース部に対して、樹脂等からなり断面がL字形状である円環型の基板部固定部材を介して固定されている。したがって、測定対象の回転等によってロータリエンコーダに振動が加えられた際には、この基板部固定部材が変形を繰り返して振動を増幅してしまうため、基板部ではロータリエンコーダに加えられた振動の数十倍の振動が回路基板上で発生することとなってしまう。このため、回路基板に実装された各電気部品に大きな負荷が加わり、誤動作や破損等の発生を招いてしまうという問題があった。
【0004】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、回路基板にかかる振動による負荷を低減して誤動作や破損等の発生を防止することで、製品としての信頼性と耐久性の向上を図ったロータリエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、
所定のパターンを有する回転符号板を備え測定対象の回転軸に固定されて回転する円板部と、
前記所定のパターンを検出する検出手段と、
前記測定対象の回転量を検出するべく前記検出手段からの検出信号を処理する電気部品を実装した基板部と、
前記円板部を回転可能に収納する円柱型のベース部と、
前記基板部を前記ベース部に対して固定するためにこれらの間に配置される基板部固定部材とを備えており、
該基板部固定部材は、前記基板部側へ向かって内径が大きくなる形状の環状部材であることを特徴とするロータリエンコーダを提供する。
【0006】
また本発明のロータリエンコーダは、
前記基板部固定部材は、中心軸方向の断面が略直角三角形状の環状部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路基板にかかる振動による負荷を低減して誤動作や破損等の発生を防止することで、製品としての信頼性と耐久性の向上を図ったロータリエンコーダを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係るロータリエンコーダを添付図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態に係るロータリエンコーダは、光学式の所謂ホローシャフト型ロータリエンコーダであって、測定対象をモータとして説明する。
図1、及び図2は、本発明の実施形態に係るロータリエンコーダの構成を示す断面図、及び分解図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、本ロータリエンコーダ1は、回転符号板2を備えた円板部3と、該円板部3を回転可能に収納するベース部4と、回路基板5を備えた基板部6と、ベース部4に対して基板部6を固定するためにこれらの間に配置された基板部固定部材7とからなる。
【0010】
本ロータリエンコーダ1において、円板部3は、不図示のモータの回転軸8を挿入するための挿入穴3aが形成された円柱形状の部材である。そして、斯かる形状の円板部3の上側には、上述した回転符号板2が外挿されている。この回転符号板2は、円盤状の部材であってその外周部分にはスリット2aが円周方向に沿って等間隔で形成されている。なお、斯かる構成の円板部3とモータの回転軸8との固定は、図1に示すように円板部3の挿入穴3aにモータの回転軸8を挿入し、上側から止めねじ9によって締め付け固定することで行われる。
【0011】
また本ロータリエンコーダ1において、ベース部4は、円板部3を収納しかつモータに取り付けられて該モータの回転軸8を円板部3の挿入穴3aへ導くための上下方向に貫通した開口部4aを備えた円柱形状の筐体である。ここで、このベース部4の開口部4aを形成する内壁部分にはベアリング5a,5bが備えられており、これによってベース部4は円板部3を回転可能に支持している。また、斯かるベース部4には、上下方向に貫通した貫通孔4bがさらに形成されており、この貫通孔4bには光源10aとコリメータレンズ10bからなる光源ユニット10が備えられている。
【0012】
また本ロータリエンコーダ1において、基板部6は、基板部固定部材7を介してベース部4の上側に取り付けられることで該ベース部4の開口部4aを略閉塞する円形の板状部材である。この基板部6の下面には、上述したベース部4の光源ユニット10からの光を受光するための光センサ5a、及び該光センサ5aからの検出信号を処理するアナログ/デジタル変換器等の電気部品等を実装した上述の回路基板5が備えられている。
【0013】
また、本ロータリエンコーダ1において最も特徴的な基板部固定部材7は、樹脂からなり図2に示すように内径が基板部6側へ向かって大きくなる環状部材、より詳しくは図1に示すように中心軸方向の断面が基板部6側へ向かって細くなる略直角三角形状の環状部材である。このように、基板部固定部材7の断面を基板部6側へ向かって細くなる略直角三角形状とすることで、基板部固定部材7に基板部6を取り付けた際に該基板部6の下面に備えられている回路基板5と当該基板部固定部材7とが干渉してしまうことを防ぎながら、基板部固定部材7の剛性を高めることができる。
【0014】
なお、この基板部固定部材7には4つのねじ穴7aが形成されており、この4つのねじ穴7aに対してベース部4と基板部6にそれぞれ設けられているねじ穴の位置を合わせ、基板部6側から不図示の固定ねじによって締め付け固定することで、基板部固定部材7及び基板部6のベース部4への固定が行われる。
【0015】
斯かる構成の本ロータリエンコーダ1において、光源ユニット10から発せられた光は、モータの回転軸8に連動して回転する回転符号板2に下側から照射される。そしてこの回転符号板2における不図示のスリットを通過した光は、光センサ5aによって受光されてアナログ信号に変換される。このアナログ信号は、回路基板5に実装されたアナログ/デジタル変換器等の電気部品によってデジタル信号に変換される。そしてこのデジタル信号は、回転符号板2の光透過、不透過に対応するパルス信号となっているため、単位時間当たりのパルス数に基づき、モータの回転軸8の回転量を算出することが可能となる。
【0016】
また、本ロータリエンコーダ1において、基板部固定部材7は、上述のようにその断面を基板部6側へ向かって細くなる略直角三角形状としたことで、断面がL字形状であった従来の基板部固定部材に比べて、径方向の厚みを大きくしている。これにより、基板部固定部材7の剛性を高めることができ、モータの回転等によって本ロータリエンコーダ1に振動が加えられても、基板部固定部材7の変形を効果的に抑えることができる。したがって、基板部6において大きな振動が発生することを防ぐことができるため、回路基板5に実装された各電気部品に大きな負荷が加わることがなく、破損や誤動作等の発生を効果的に防止することができる。このようにして本ロータリエンコーダ1は、製品としての信頼性と耐久性の向上を図ることができる。
【0017】
なお、本実施形態では、基板部固定部材7としてその断面を基板部6側へ向かって細くなる略直角三角形状とした環状部材を示している。しかしながら基板部固定部材7の断面形状はこれに限られるものでなく、当該基板部固定部材7に基板部6を取り付けた際に該基板部6の回路基板5と基板部固定部材7とが干渉することなく、基板部固定部材7の剛性を高めることができるものであれば様々な形状を採用することができる。例えば、図3(a)に示すように長方形の内径側上部を切り欠いた形状の断面や、図3(b)に示すように直角三角形の斜辺を撓ませた形状の断面等としても良い。
【0018】
また、本実施形態では、光源ユニットと光センサを用いた光学式のホローシャフト型ロータリエンコーダを示しているが、本発明はこれに限られるものでなく、磁気式のロータリエンコーダや、円板部がベース部の外部へ突出する回転軸を備えた所謂軸付きロータリエンコーダにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るロータリエンコーダの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るロータリエンコーダの構成を示す分解図である。
【図3】本発明の実施形態に係るロータリエンコーダにおける基板部固定部材の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ロータリエンコーダ
2 回転符号板
3 円板部
4 ベース部
5 回路基板
6 基板部
7 基板部固定部材
【出願人】 【識別番号】593152661
【氏名又は名称】株式会社仙台ニコン
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄


【公開番号】 特開2008−3064(P2008−3064A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175766(P2006−175766)