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【発明の名称】 計測装置管理システム
【発明者】 【氏名】上村 光生

【要約】 【課題】複数の計測装置で冗長化して計測する場合でも個々の計測装置の異常を早期に発見することができる計測装置管理システムを提供する。

【構成】計測装置管理システム1は、計測対象105a〜105cのうちで同一の計測対象を計測装置104a〜104cで多重に測定し、管理装置102では計測装置診断基準情報202に基づいてその測定データの夫々が正常領域にあるか否かを計測装置診断手段310で診断し、いずれかの計測データが正常領域にない場合に、その正常領域にない計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一計測対象に対して複数の計測装置を多重接続し、前記計測装置から出力される計測データを管理装置により管理するようにした計測管理システムにおいて、
前記管理装置は、
記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、いずれか一の計測データが正常データでない場合に、当該いずれか一の計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力する計測装置診断手段を備えることを特徴とする計測装置管理システム。
【請求項2】
前記管理装置の計測装置診断手段は、
記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、全ての計測データが正常でない場合に、当該全ての計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の計測装置管理システム。
【請求項3】
前記管理装置の計測装置診断手段は、
記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、全ての計測データが正常である場合、前記計測データ同士を比較して、当該計測データ同士が略同一でない場合に、警告情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の計測装置管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記計測装置診断手段で出力する情報を計測装置保守情報として記憶手段に格納する診断情報記録手段と、
前記記憶手段に格納された計測装置保守情報に基づいて、計測装置に係る異常及び/又は警告情報を表示手段に表示する保守レポート手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計測装置管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
当該管理装置と互いに通信可能に接続する端末からの要求に応じて、計測装置に係る情報を当該端末に出力する計測装置情報参照手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測装置管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記記憶手段に格納された利用者登録情報に基づいて、ログイン認証を行うとともに、当該ログインした利用者のうちで前記利用者登録情報に予め設定されている利用者にのみ、手前記保守レポート手段における表示及び/又は前記計測装置情報参照手段における端末からの要求を受け付けるアクセス管理手段を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の計測装置管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記記憶手段に格納された計測装置保守情報に基づいて、計測装置に係る異常及び又は警告情報を予め設定されたメールアドレス宛に電子メールで送信する診断メール送信手段を更に備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の計測装置管理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業プラントなどでは、高い信頼性のもとで恒常的な処理を行うために、保守員が計測装置を点検することで、各計測ポイントで正しい計測データを取得しているか否かをチェックする保守管理が行われている。例えば計測機器に有限寿命部品が含まれている場合、期限を過ぎて放置していると問題となる可能性が高くなるため、予め決めた時期に点検して交換する必要がある。
【0003】
この計測装置の保守管理について、例えば特許文献1などには、計測装置とその計測装置の保守管理を行うサービス統括センターがネットワークを介して接続されており、遠隔地に設置されている計測装置が異常値を示した場合にも迅速に対応できる計測データ管理システムに関する技術が開示されている。この技術では、計測装置の部分故障などが発生した場合の不正データ出力やデータの欠落の発生をネットワークを介して早期に発見して対応することができる。
【特許文献1】特開2003−324544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、高い信頼性の計測データを取得するためにひとつの計測地点に対して計測装置を二重化又は多重化して冗長化して計測する場合、その二重化又は多重化した計測装置が全て故障しなければ計測地点に係る不正データ出力やデータの欠落が発生しないため、ひとつの計測装置が故障した段階などの早期の段階での異常発見を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の計測装置で冗長化して計測する場合でも個々の計測装置の異常を早期に発見することができる計測装置管理システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、同一計測対象に対して複数の計測装置を多重接続し、前記計測装置から出力される計測データを管理装置により管理するようにした計測管理システムにおいて、前記管理装置は、記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、いずれか一の計測データが正常データでない場合に、当該いずれか一の計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力する計測装置診断手段を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記管理装置の計測装置診断手段は、記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、全ての計測データが正常でない場合に、当該全ての計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記管理装置の計測装置診断手段は、記憶手段に予め格納される基準データと前記同一計測対象に接続する複数の計測装置で取得された計測データの夫々とを比較し、全ての計測データが正常である場合、前記計測データ同士を比較して、当該計測データ同士が略同一でない場合に、警告情報を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記管理装置は、前記計測装置診断手段で出力する情報を計測装置保守情報として記憶手段に格納する診断情報記録手段と、前記記憶手段に格納された計測装置保守情報に基づいて、計測装置に係る異常及び/又は警告情報を表示手段に表示する保守レポート手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記管理装置は、当該管理装置と互いに通信可能に接続する端末からの要求に応じて、計測装置に係る情報を当該端末に出力する計測装置情報参照手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記管理装置は、前記記憶手段に格納された利用者登録情報に基づいて、ログイン認証を行うとともに、当該ログインした利用者のうちで前記利用者登録情報に予め設定されている利用者にのみ、手前記保守レポート手段における表示及び/又は前記計測装置情報参照手段における端末からの要求を受け付けるアクセス管理手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記管理装置は、前記記憶手段に格納された計測装置保守情報に基づいて、計測装置に係る異常及び又は警告情報を予め設定されたメールアドレス宛に電子メールで送信する診断メール送信手段を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、同一計測対象に対して複数の計測装置を多重接続し、前記計測装置から出力される計測データを管理装置により管理するようにした計測管理システムにおいて、当該同一計測対象を複数の計測装置で多重接続して計測し、冗長化して計測を行う場合であっても、個々の計測装置の異常を早期に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定しない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用途や用語はこれに限定するものではない。
【0015】
図1は、本発明である計測装置管理システム1の構成を例示する概念図である。図2〜4は、計測装置104a、104b、104cによる計測対象105a、105b、105cの計測構成を例示する概念図である。図5は、計測装置情報200の概要を例示する概念図である。図6は、計測装置管理システム1の点検処理を示すラダーチャートである。図7〜図10は、管理装置102が行う計測装置診断処理を示すフローチャートである。
【0016】
先ず、計測装置管理システム1の構成について説明する。図1に示すように、計測装置管理システム1は、通信ネットワーク100を介して互いに通信可能に接続する管理装置102、計測装置104a、104b、104c及び端末106を有する構成である。
【0017】
通信ネットワーク100は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)等の所定の規格に準拠した通信を行う通信回線であり、接続する端末間のデータ通信を行う。なお、このデータ通信は、所定の規格に準拠した通信方式であればパラレル通信又はシリアル通信のいずれであってもよく、上述した有線以外に、IEEE802.11a、802.11b、802.11g等の無線LANやBluetooth無線通信などの無線によるものや、IrDA(Infrared Data Association)などの赤外線を介して行うものであってもよく、特に限定しない。
【0018】
通信ネットワーク100を介した機器の通信には、セグメント内の機器と通信ネットワーク100などの外部との通信を中継するファイヤウォール/ルータ101a、101b、101cや、当該セグメント内での通信などを中継するハブ103a、103bなどを介し、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)などの所定の通信プロトコルで行われる。
【0019】
なお、ファイヤウォール/ルータ101a、101b、101cは、セグメント内への通信データやセグメント外への通信データを監視し、予め設定された通信プロトコルの遮断や、予め設定されたネットワークからの通信データのみを通過させるなどの機能を備える。このため、例えば、計測装置104a、104b、104cに係るファイヤウォール/ルータ101bは、管理装置102が属するネットワークセグメントからの通信のみを通過させるなどして、管理装置102以外の情報機器による計測装置の不正な管理を防止する構成であってよい。
【0020】
管理装置102は、特に図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの当該管理装置102の各部を制御する制御部、各種データを格納する光学的・磁気的記憶媒体や半導体メモリなどの記憶部、キーボードやマウスなどからユーザの操作入力を受け付ける操作部、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などの表示部、通信ネットワーク100や外部機器と通信可能に接続する通信インターフェイスなどを有するWS(Work Station)やPC(Personal Computer)などの情報機器である。
【0021】
管理装置102は、上述した記憶部において、後述する計測装置情報200、計測装置保守情報201、計測装置診断基準情報202、利用者登録情報210などの各種情報や、各種制御プログラムを格納する。管理装置102は、この各種制御プログラムを制御部で読み出して順次実行することで、後述する計測装置構成管理手段300、計測装置診断手段310、診断情報記録手段320、保守レポート手段330、計測装置情報参照手段340、アクセス管理手段350、診断メール送信手段360及び装置間通信IF370としての機能を提供する。
【0022】
例えば、管理装置102は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)などを利用して計測装置104a、104b、104cとの間で通信を行い、当該計測装置への計測データ等の要求やその返信を受け付けることで、各計測装置の管理を行う。なお、HTTPを利用した通信では、SOAP(Simple Object Access Protocol)やCORBA(Common Object Request Broker Architecture)などを用いてよい。さらには、IPSec(Security Architecture for Internet Protocol)やHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Security)などを用いて、通信を暗号化してもよい。
【0023】
また、管理装置102は、Webサーバとしての機能、つまり、HTTPを介した外部機器からのデータ要求の受け付けや要求内容に応じた返信機能を有し、外部機器からの要求に応じて各計測装置から取得した計測データなどの管理情報を返信する。具体的には、管理装置102のWebサーバでは、各計測装置に対応するURI(Uniform Resource Identifier)が割り当てられており、このURIを指定した外部からのデータ要求に対して、対応する計測データを返信する。
【0024】
計測装置104a、104b、104cは、計測対象105a、105b、105cに設置された各種センサーと接続し、当該各種センサーの計測値を取得する計測装置である。この計測装置は、特に図示しない制御部、記憶部、通信部などを有し、当該制御部が各部を制御することで、通信ネットワーク100を介して外部機器とデータ通信が可能な構成である。
【0025】
具体的には、上述した計測機器は、Webサーバとしての機能、つまり、HTTPを介した外部機器からのデータ要求の受け付けや要求内容に応じた返信機能を有する。この計測装置のWebサーバにおいては、接続するセンサーに対してURIが割り当てられており、このURIを指定した外部からのデータ要求に対してセンサーから取得した計測値を計測データとして返信する。なお、この計測機器における外部との通信では、IPSecやHTTPSなどを用いて、通信を暗号化してもよい。
【0026】
ここで、計測装置104a、104b、104cによる計測対象105a、105b、105cの計測形態について説明する。各計測対象の計測は、図2に示すように、計測装置104aと計測装置104bとが互いに計測対象105a、105bを計測する二重化構成であってよい。この場合は、一方の計測装置に係るセンサやそのセンサと接続するインターフェイスなどが故障した場合でも、他の計測装置がバックアップすることができる。なお、どちらの計測装置からの計測データを測定対象のデータとして採用するかなどは、後述する管理装置102における計測装置情報200や計測装置保守情報201などで設定される。
【0027】
また、計測対象の計測は、図2に示すように、計測装置104cが計測対象105cを複数のセンサで計測する構成、つまり、1台の計測装置が同一の計測対象を複数のセンサで計測してもよい。この場合は、複数台の計測装置を備える必要なく、計測対象におけるいずれかセンサやそのセンサと計測装置とを接続するインターフェイスの故障などのバックアップを行うことができる。
【0028】
また、各計測対象の計測は、図3に示すように、計測装置104a、104b、104cが互いに計測対象105a、105b、105cを計測する多重化構成であってよい。この場合は、計測対象に設置されたセンサ、それに接続するインターフェイス、計測装置の故障などに対して、前述した二重化構成よりさらに冗長化した計測を行うことができる。
【0029】
また、図4に示すように、計測対象105bは、他の計測対象における測定値を比較して診断の基準とするための計測値を出力する仲介標準媒体であってよい。この計測対象105bにおける標準となる計測値の出力については、予め調整された環境下の計測や予め所定の計測値を常時出力するように調整して行う。計測装置管理システム1では、この計測対象105bと他の計測対象から取得される計測値とを比較することで計測装置104a、104b、104cの計測データの妥当性の判定や校正を行うことができる。
【0030】
図1に戻り、計測装置管理システム1の説明を続ける。端末106は、特に図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの当該端末106の各部を制御する制御部、各種データを格納する光学的・磁気的記憶媒体や半導体メモリなどの記憶部、キーボードやマウスなどからユーザの操作入力を受け付ける操作部、CRTやLCDなどの表示部、通信ネットワーク100や外部機器と通信可能に接続する通信インターフェイスなどを有するPCやPDA(Personal Digital Assistants)等の情報機器である。
【0031】
端末106は、Webブラウザとしての機能を有し、保守員や運用管理者等のユーザからの操作指示に応じ、管理装置102のWebサーバにURIを指定してアクセスすることで、管理装置102で管理している計測装置104a、104b、104cに関する情報や測定データをブラウザ表示する。また、端末106は電子メールを送受信するメーラーとしての機能を有してもよい。
【0032】
次に、管理装置102に格納する計測装置情報200、計測装置保守情報201、計測装置診断基準情報202、利用者登録情報210について詳細に説明する。
【0033】
計測装置情報200は、管理装置102の管理対象である計測装置に関する情報であり、計測装置の固有情報、管理状態を示す情報などを格納している。計測装置の固有情報としては、計測機器を特定するとともに、設置後の保守に必要な履歴などの情報であり、具体的には計測装置毎の情報として、装置管理用ID、ベンダー情報、製品型番、シリアル番号、名称、設置情報、カスタマイズ情報、最終記録日、備考、保守予定日、最終校正日時、初期出荷日などを格納している。
【0034】
計測装置情報200における管理状態を示す情報は、図5に示すように、管理装置102が管理する計測装置104a、104b、104cと計測対象105a、105b、105cに設置されたセンサとの対応関係を示す構成定義などである。具体的には、計測装置に接続するセンサの構成やそのセンサから測定値を取得するためのURIに関する情報、各センサから取得される計測データの優先度に関する情報、測定対象に設置されたセンサの情報などである。
【0035】
管理装置102は、この計測装置情報200の管理状態を示す情報に基づいて、前述した二重化又は多重化した測定装置の計測構成(図2〜図4を参照)における測定対象からの測定データの収集を行うことができる。
【0036】
計測装置保守情報201は、管理対象である計測装置を後述する診断処理で診断した際の結果や補修記録などの保守履歴を格納している。具体的には、記録を更新した日時、異常発生日時、装置管理用ID、発生ステータス、件名、内容、対応、対応日、管理番号などである。
【0037】
計測装置診断基準情報202は、計測装置の診断時に基準となる測定値の閾値や計測装置の特性情報(精度情報などを含む)など、計測装置の診断や保守に必要な情報である。
【0038】
利用者登録情報210は、管理装置102にアクセス(ログイン)可能なユーザとその権限に関するテーブル情報である。具体的には、ログインID、パスワード、アクセス権限、連絡先などの情報である。
【0039】
次に、管理装置102の制御部が記憶部などに格納された各種制御プログラムを実行して実現する、計測装置構成管理手段300、計測装置診断手段310、診断情報記録手段320、保守レポート手段330、計測装置情報参照手段340、アクセス管理手段350、診断メール送信手段360について詳細に説明する。
【0040】
計測装置構成管理手段300は、操作部などからの指示入力を受け付けるとともに、表示部に画面表示を行うなどして、計測装置情報200や計測装置診断基準情報202などを更新し、各計測装置に係る情報の登録や更新を行う。具体的には、計測装置の登録や設定の更新や、その計測装置の保守予定日、保守実施日などの指定を行うことができる。
【0041】
計測装置診断手段310は、計測装置情報200や計測装置診断基準情報202に基づき、各計測装置に対して後述する診断処理を行い、計測対象を多重化して計測する場合の各測定装置やセンサなどが正常であるか否かの診断を行う。
【0042】
診断情報記録手段320は、前述した計測装置診断手段310で診断された結果を計測装置保守情報201に記録する。この診断情報記録手段320による計測装置保守情報201への記録は、診断結果を履歴として記録してよい。この場合は、過去の計測装置の診断結果を順次確認することができる。また、計測装置毎の診断結果を項目分けして記録してもよい。この場合は、計測装置毎の診断結果を容易に確認することができる。
【0043】
保守レポート手段330は、計測装置保守情報201などに記録された各計測装置の診断結果の情報に基づくレポートを表示部などに表示する。具体的には、診断によりアラートや故障などが登録されている計測装置をリストアップして表示する。
【0044】
計測装置情報参照手段340は、通信を介して接続する情報機器、つまり、通信ネットワーク100を介して接続する端末106などからの計測装置の状態や計測データの参照要求に応じた情報を返信する。具体的には、計測装置情報参照手段340は、Webサーバなどであり、CGI(Common Gateway Interface)などで前述した計測装置診断手段310、診断情報記録手段320、保守レポート手段330を利用して取得された各種データをWebページデータとしてアクセス元である情報機器へ出力する。
【0045】
アクセス管理手段350は、利用者登録情報210に基づいて管理装置102へのログイン認証を行うとともに、予め許可されたユーザ(アカウント)に対してのみ管理装置102の機能を制限する。具体的には、ユーザが管理者である場合は計測装置構成管理手段300による管理装置102で管理する計測装置の追加や変更などを行うことの許可、ユーザが保守担当者である場合は保守レポート手段330による計測装置の保守情報の参照や計測装置保守情報201を編集することによる修理情報の追加を行うことの許可、ユーザが一般利用者である場合は計測データの取得のみの許可などを行う。なお、このアクセス管理手段350によるアクセス制限は、上述した計測装置情報参照手段340による端末106からのアクセスについても同様に行われる。
【0046】
診断メール送信手段360は、計測装置に関する診断結果を電子メールで送信する機能であり、具体的には、前述した保守レポート手段330などで作成されたレポートを本文として利用者登録情報210などに予め設定された利用者のメールアドレス宛に電子メールを送信する。これにより、例えば端末106などの電子メールを受信することが可能な情報端末では、電子メールで計測装置に関する診断結果を確認することができる。
【0047】
装置間通信IF370は、通信ネットワーク100を介することなく、計測装置104aとの間でシリアル/パラレル通信などでデータ通信可能に接続する通信インターフェイスである。管理装置102は、この装置間通信IF370などにより、通信ネットワーク100を介することのない専用線などで計測装置と通信可能に接続する構成であってよい。
【0048】
次に、計測装置管理システム1における計測性能の診断処理について詳細に説明する。図6に示すように、計測装置管理システム1におけるユーザからの指示や管理情報の確認は、端末106から管理装置102のアカウントへログインして行う。
【0049】
計測装置管理システム1において、ログイン後の端末106から管理装置102に対しては、各測定対象に係る計測装置を診断するシナリオ(2台構成、3台構成、仲介標準媒体を用いるか否かなどの保守の設定情報)に関する情報の要求、計測装置を診断するシナリオの指示、選択した計測装置に関する診断記録の要求などを行う。
【0050】
管理装置102は、端末106から要求されたシナリオ情報の返信や要求があった計測装置の診断記録を計測装置保守情報201から読み出して返信する。また、管理装置102は、端末106などから指示された計測装置の診断シナリオに応じて、計測装置104a、104b、104cから計測データを要求し、後述する計測装置診断処理を行う。
【0051】
ここで、管理装置102の制御部が順次実行しておこなう計測装置判断処理について説明する。
【0052】
計測対象に係る計測装置が二重化構成(図2を参照)の場合は、図7に示すように、二つの計測装置から計測データが取得され(ステップS11)、両方の計測データが、計測装置診断基準情報202に格納されている基準となる閾値などに基づいて、正常領域にあるか否かが判定される(ステップS12)。
【0053】
ステップS12において両方の計測データが正常領域にある場合は、その計測データが計測装置の精度の範囲内で等しいか否かが判定される(ステップS13)。等しい場合は、計測対象に係る計測装置が正常であることを示す正常状態として、計測装置が正常である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測装置情報200に基づいて優先度の高い計測装置に係る計測データが計測結果として出力されて(ステップS14)、終了する。
【0054】
ステップS13において両方の計測データが精度の範囲内で等しくないと判定された場合は、計測装置の測定精度が低下していることを示すアラーム状態として、両方の計測装置がアラーム状態であることを示す情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、優先度の高い測定装置に係る測定データが計測結果として出力されて(ステップS15)、終了する。
【0055】
ステップS12において両方の計測データが正常領域にないと判定された場合は、一方の計測データが正常領域にあるか否かが判定される(ステップS16)。一方の計測データが正常領域にあると判定された場合は、正常領域にない計測データに係る計測装置が故障である半故障状態として、正常領域の計測データに係る計測装置がアラーム状態であり、正常領域に計測データがない計測装置が故障状態とする情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、正常領域の計測データが測定結果として出力されて(ステップS17)、終了する。
【0056】
ステップS16において一方の計測データが正常領域にない、つまり、両方の計測データが異常である場合は、計測対象にかかる全ての計測装置が故障である状態として、全ての計測装置が故障状態である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測結果がエラーであることを示すデータが出力されて(ステップS18)、終了する。
【0057】
多重化(三重化)構成(図3を参照)の場合は、図8に示すように、端末106や管理装置102の操作部などで指定された診断を行う計測対象に対応する計測装置の構成定義が計測装置情報200から読み出され(ステップS21)、その構成定義に基づいて、指定された計測対象に係る計測装置の全てで計測が行われる(ステップS22、S23)。
【0058】
次いで、全ての計測データが正常領域にあるか否かが判定され(ステップS24)、正常領域にある場合は、その全ての計測データが計測装置の精度の範囲内で等しいか否かが判定される(ステップS25)。このステップS25で等しいと判定された場合は、計測対象に係る全ての計測装置が正常であるとして、各計測装置が正常である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測装置情報200に基づいて優先度の高い計測装置に係る計測データが計測結果として出力されて(ステップS26)、終了する。
【0059】
ステップS25において全ての計測データが精度の範囲内で等しくないと判定された場合は、いずれか二つの計測データが精度内で一致するか否かが判定される(ステップS27)。このステップS27で一致すると判定された場合は、多重化構成の一部であっていずれか二つの計測装置が正常であることを示す半正常状態として、一致する計測データに係る計測装置が正常であり、他の計測装置が測定精度が低下したアラーム状態であることを示す情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、一致する計測データのうちで優先度の高い計測装置に係る計測データが計測結果として出力されて(ステップS28)、終了する。
【0060】
ステップS27において一致しないと判定された場合は、全ての計測装置がアラーム状態として、全ての測定装置がアラーム状態であることを示す情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、優先度の高い計測装置に係る計測データが計測結果として出力され(ステップS29)、終了する。
【0061】
なお、ステップS24において全ての計測データが正常領域にないと判定された場合は、いずれか二つの計測データが正常領域であるか否かが判定される(ステップS30)。このステップS30で正常領域の二つの計測データがあると判定された場合は、その二つの計測データが精度内で一致するか否かが判定される(ステップS31)。このステップS31で一致すると判定された場合は前述のステップS28の処理が行われ、一致しないと判定された場合は正常/故障が不明のアラーム状態として、正常領域の計測データに係る計測装置がアラーム状態であり、他の計測装置が故障状態とする情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、正常領域の計測データのうちで優先度の高い計測装置に係る計測データが計測結果として出力されて(ステップS32)、終了する。
【0062】
ステップS30において正常領域の二つの計測データが無いと判定された場合は、いずれか一つの測定データが正常領域であるか否かが判定される(ステップS33)。このステップS33で正常領域の一つの計測データがあると判定された場合は、半故障状態として、正常領域の計測データに係る計測装置がアラーム状態であり、他の計測装置が故障とする情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、正常領域の計測データが計測結果として出力されて(ステップS34)、終了する。
【0063】
ステップS33においていずれか一つの測定データが正常領域にない、つまり、全ての測定データが異常である場合は、故障状態として、計測対象に係る全ての計測装置が故障状態である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測結果がエラーであることを示すデータが出力されて(ステップS35)、終了する。
【0064】
計測対象を計測する際に仲介標準媒体の計測値を利用する構成(図4を参照)の場合は、図9に示すように、端末106や管理装置102の操作部などで指定された診断を行う計測対象に対応する計測装置の構成定義が読み出され(ステップS41)、その計測装置に係る仲介標準媒体の計測データが取得され(ステップS42)、読み出された構成定義に基づいて、指定された計測対象に係る計測装置での計測が順次計測が行われる(ステップS43)。
【0065】
次いで、ステップS43で計測が行われた計測装置における仲介標準媒体の計測データと計測対象の計測データとが比較され、計測対象の計測データが正常であるか否かが判定され(ステップS44)、正常である場合は、計測装置が正常である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、測定結果として計測データが出力される(ステップS45)。このステップS44で正常でないと判定された場合は、計測装置の測定精度が低下していることを示すアラーム状態である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測結果として計測データが出力される(ステップS46)。
【0066】
次いで、計測対象に係る全ての計測装置での計測が終了したか否かが判定され(ステップS47)、終了していない場合はステップS43へ戻り、計測が終了している場合は処理を終了する。
【0067】
計測対象に係る計測装置が二重化や多重化構成であり、優先度の低い計測装置をバックアップとして利用する場合の診断については、図10に示すように、端末106や管理装置102の操作部などで指定された診断を行う計測対象に対応する計測装置の構成定義が計測装置情報200から読み出され(ステップS51)、その構成定義に基づいて、計測対象に係る計測装置であって優先度の高い計測装置で計測対象が計測され(ステップS52)、その計測データが正常領域にあるか否かが判定される(ステップS53)。このステップS53で計測データが正常領域であると判定された場合は、正常状態として計測装置が正常である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、その計測データが計測結果として出力されて(ステップS54)、終了する。
【0068】
ステップS53において優先度の高い計測装置における計測データが正常領域にないと判定された場合は、計測対象に係る計測装置であって優先度の低い計測装置で計測対象が計測され(ステップS55)、その計測データが正常領域にあるか否かが判定される(ステップS56)。
【0069】
ステップS56において正常領域にあると判定された場合は、アラーム状態として、優先度の高い計測装置が故障状態であり、優先度の低い計測装置が正常状態とする情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、優先度の低い計測装置の計測データが計測結果として出力されて(ステップS57)、終了する。
【0070】
ステップS56において正常領域にないと判定された場合は、故障状態として、全ての計測装置が故障状態である情報が出力されて計測装置保守情報201に格納されるとともに、計測結果がエラーであることを示すデータが出力されて(ステップS58)、終了する。
【0071】
以上のように、計測装置管理システム1は、計測対象105a〜105cのうちで同一の計測対象を計測装置104a〜104cで多重に測定し、管理装置102では計測装置診断基準情報202に基づいてその測定データの夫々が正常領域にあるか否かを計測装置診断手段310で診断し、いずれかの計測データが正常領域にない場合に、その正常領域にない計測データに係る計測装置が異常であることを示す情報を出力する構成である。
【0072】
このため、計測装置管理システム1は、同一計測対象を複数の計測装置で多重接続して計測し、冗長化して計測を行う場合であり、正常に稼動する計測装置が存在するために計測対象を計測した場合の計測データが正常に出力される場合であっても、個々の計測装置の異常を早期に発見することができる。
【0073】
また、計測装置管理システム1は、管理装置102の計測装置診断手段310での同一の計測対象に係る計測装置の診断時であって、すべての計測データが正常領域にない場合に、故障状態を示す全ての計測装置が故障である情報を出力する。このため、計測装置管理システム1は、多重化して計測する計測装置が全て異常である場合に、的確にその状態を把握することができる。
【0074】
また、計測装置管理システム1は、管理装置102の計測装置診断手段310での同一の計測対象に係る計測装置の診断時であって、すべての計測データが正常領域である場合に、計測データ同士を比較して、略同一でない場合には計測装置の測定精度が低下しているアラーム状態を示す情報を出力する。このため、計測装置管理システム1は、計測装置が誤差を生じだす程度の異常段階を的確に把握することができる。
【0075】
また、計測装置管理システム1は、計測装置診断手段310で出力する情報を計測装置保守情報201に格納し、その計測装置保守情報201に基づいて、アラートや故障が登録されている計測装置をリストアップして表示部などに表示する保守レポート手段330を有する構成である。このため、計測装置管理システム1は、保守員などのユーザに対して計測装置の状態を的確に知らしめることができ、その保守員が保守計画を立案する際の補助を行うことができる。
【0076】
また、計測装置管理システム1の管理装置102は、当該管理装置102と通信ネットワーク100を介して通信可能に接続する端末106からの要求に応じて、計測装置に係る情報を出力する計測装置情報参照手段340を備える構成である。このため、計測装置管理システム1は、通信ネットワーク100を介して遠隔地から接続する端末106などからも、計測装置に関する情報の確認を行うことができる。
【0077】
また、計測装置管理システム1の管理装置102は、利用者登録情報210に予め設定された利用者にのみ、保守レポート手段330や計測装置情報参照手段340による計測装置の保守情報の参照や修理情報の追加の許可等のアクセスを制限するアクセス管理手段350を備える構成である。このため、計測装置管理システム1は、権限のない利用者、つまり、意図しない者に対して、計測装置の保守情報などの閲覧制限などを行うことができ、セキュリティを向上させることができる。
【0078】
また、計測装置管理システム1の管理装置102は、計測装置保守情報201に格納された計測装置のアラーム状態や故障状態に関する情報を利用者登録情報210などに設定された利用者のメールアドレス宛に電子メールを送信する診断メール送信手段360を備える構成である。このため、計測装置管理システム1は、電子メールを受信することが可能な情報端末からも計測装置に関する情報の確認を行うことができる。
【0079】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。本発明における計測装置管理システム1の細部構成や動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0080】
例えば、計測装置の数や計測対象の数、接続レイアウトなどは、管理するプラントなどに応じたものであり、特に上述した実施の形態に限定しない。
【0081】
また、本実施の形態における各機器間のデータ通信は、HTTPで各機器が提供するWebサーバへアクセスして行う構成を主として説明したが、FTP(File Transfer Protocol)やFTPサーバなどの構成であってよく、特に限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明である計測装置管理システム1の構成を例示する概念図である。
【図2】計測装置104a、104b、104cによる計測対象105a、105b、105cの計測構成を例示する概念図である。
【図3】計測装置104a、104b、104cによる計測対象105a、105b、105cの計測構成を例示する概念図である。
【図4】計測装置104a、104b、104cによる計測対象105a、105b、105cの計測構成を例示する概念図である。
【図5】計測装置情報200における管理状態を示す情報の概要を例示する概念図である。
【図6】計測装置管理システム1における計測装置の診断処理を示すラダーチャートである。
【図7】管理装置102が行う計測装置診断処理を示すフローチャートである。
【図8】管理装置102が行う計測装置診断処理を示すフローチャートである。
【図9】管理装置102が行う計測装置診断処理を示すフローチャートである。
【図10】管理装置102が行う計測装置診断処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 計測装置管理システム
100 通信ネットワーク
101a、101b、101c ファイヤウォール/ルータ
102 管理装置
200 計測装置情報
201 計測装置保守情報
202 計測装置診断基準情報
210 利用者登録情報
300 計測装置構成管理手段
310 計測装置診断手段
320 診断情報記録手段
330 保守レポート手段
340 計測装置情報参照手段
350 アクセス管理手段
360 診断メール送信手段
103a、103b ハブ
104a、104b、104c 計測装置
105a、105b、105c 計測対象
106 端末
370 装置間通信IF
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司

【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男


【公開番号】 特開2008−2890(P2008−2890A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171481(P2006−171481)