トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 棒材の検査装置
【発明者】 【氏名】小久保 浩一

【要約】 【課題】厳しい横断面形状を保証するための検査を、曲がり矯正後の判別ライン内で行えるようにする。

【構成】棒材1の曲がり検査のための許容値を加味した内径の3個のスリーブ12a〜12cと、これらのスリーブ12a〜12cを固定する、その軸中心に沿った断面が形成するように分割した第1のハウジング12dと、前記許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径の1個の円筒ゲージ13aと、この円筒ゲージ13aを固定する第2のハウジング13bからなる棒材の検査装置11である。第1と第2のハウジング12d,13bを、棒材1の搬送方向に所定の間隔を存して配置する。スリーブ12a〜12cの軸中心と円筒ゲージ13aの軸中心が同一線上にあるように、円筒ゲージ13aをスリーブ12a〜12cの上流側に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査材の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する複数個のスリーブと、
これら複数個のスリーブを固定する第1のハウジングと、
前記曲がり検査のための許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有する1個のゲージと、
このゲージを固定する第2のハウジングとからなる棒材の検査装置であって、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングは、被検査材の搬送方向に所定の間隔を存して配置されており、
前記複数個のスリーブの軸中心と前記ゲージの軸中心が同一線上にあるように、前記ゲージが前記複数個のスリーブの上流側に設けられていることを特徴とする棒材の検査装置。
【請求項2】
被検査材の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する1個のスリーブと、
このスリーブを固定する第1のハウジングと、
前記曲がり検査のための許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有するとともに前記スリーブよりも長さの短い1個のゲージと、
このゲージを固定する第2のハウジングとからなる棒材の検査装置であって、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングは、被検査材の搬送方向に所定の間隔を存して配置されており、
前記スリーブの軸中心と前記ゲージの軸中心が同一線上にあるように、前記ゲージが前記スリーブの上流側に設けられていることを特徴とする棒材の検査装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、棒材の横断面形状の検査と長手方向の曲がり検査を同時に行なう装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
条鋼製品である棒材は、熱間の圧延ライン内で切断された後、冷間で曲がりが矯正され、形状検査をされた後、客先に出荷される。
従来、このような形状検査は、特許文献1のような装置で行われていた。
【特許文献1】実開昭61−72608 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
出荷後の棒材1は、客先で、図3に示す円筒バイト2aと上バイト2bによって切断されるものがある。図3中の3は棒材1の切断長さ調整用ストッパーである。
このような円筒バイトを用いて切断しようとした場合、棒材1の切断端部断面の真円度が劣ると、切断しようとする棒材が、円筒バイトの中で詰まってしまうという不具合が発生する。
【0004】
一方、出荷前の棒材の切断は熱間において剪断加工で行われるため、その切断された端部は楕円形状になり易く、棒材の長手方向中央部の真円度は良好であっても、その端部の真円度が劣るために、その横断面形状を厳しく管理する必要があった。
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示された技術は、曲がり(真直性)検査のためのものであるため、ある程度余裕をもった外径許容値を確保せざるを得ず、そのため、厳しい横断面形状の検査を曲がり(真直性)検査と同時に要求される場合には、対応することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、曲がりだけでなく、厳しい横断面形状を保証するための検査を行なうことができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の棒材の検査装置は、
1) 被検査材の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する複数個のスリーブと、
これら複数個のスリーブを固定する第1のハウジングと、
前記曲がり検査のための許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有する1個のゲージと、
このゲージを固定する第2のハウジングとからなる棒材の検査装置であって、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングは、被検査材の搬送方向に所定の間隔を存して配置されており、
前記複数個のスリーブの軸中心と前記ゲージの軸中心が同一線上にあるように、前記ゲージが前記複数個のスリーブの上流側に設けられている、
2) 被検査材の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する1個のスリーブと、
このスリーブを固定する第1のハウジングと、
前記曲がり検査のための許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有するとともに前記スリーブよりも長さの短い1個のゲージと、
このゲージを固定する第2のハウジングとからなる棒材の検査装置であって、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングは、被検査材の搬送方向に所定の間隔を存して配置されており、
前記スリーブの軸中心と前記ゲージの軸中心が同一線上にあるように、前記ゲージが前記スリーブの上流側に設けられている、
ことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、スリーブの上流側に、スリーブよりも外径許容値の小さい1個のゲージを設置することにより、横断面形状、すなわち外径の上限寸法を保証するための検査と曲がり矯正後の曲がり検査を、オンラインで同時に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための一形態と共に最良の形態について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の棒材の検査装置の最良の形態を説明する図、図2は本発明の棒材の検査装置の他の形態を説明する図である。
【0010】
図1及び図2において、11は被検査材である棒材1の、曲がり矯正後の曲がり検査と、横断面形状、すなわち外径の上限寸法を保証するための検査を同時に行なう本発明の棒材の検査装置であり、以下のような構成である。
【0011】
12は棒材1の曲がり矯正後の曲がり検査部(以下、曲がり検査部という。)、13は外径の上限寸法を保証するための検査部(以下、外径上限寸法検査部という。)である。そして、本発明の棒材の検査装置11は、これら両検査部12,13が、棒材1の搬送方向に所定の間隔を存して、かつ外径上限寸法検査部13が搬送方向上流側となるように配置された構成である。
【0012】
このうち、曲がり検査部12は、図1に示すものは、棒材1の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する、例えば長さの短い3個のスリーブ12a〜12cを、所定の間隔を存して第1のハウジング12d内に、それぞれの軸中心が同一線上に位置するように固定した構成である。
【0013】
このように、棒材1の曲がり検査のためのスリーブを棒材1の長手方向に複数に分割した場合には、棒材1がスリーブ12a又は12b又は12cに詰まった場合、第1のハウジング12dを取り外せば、容易に棒材1をスリーブ12a,12bおよび12cから取り外すことができる。この際、第1のハウジング12dをスリーブ12a,12bおよび12cの軸中心に沿った断面が形成するように分割しておけば、前記取り外しがより容易に行えるようになる。
【0014】
一方、図2に示すものは、第1のハウジング12d内に、棒材1の曲がり検査のための許容値を加味した内径を有する、図1のスリーブ12a〜12cよりも長さの長い1個のスリーブ12eを固定した構成であり、この図2の例では、スリーブ12eは、その軸中心に沿った断面が形成するように2分割し、位置決めピン12eaで一体にするようにしている。
【0015】
このようにスリーブ12eをその軸中心に沿った断面が形成するように分割可能な構成にすれば、スリーブ12eの長さが長い場合も、棒材1がスリーブ12eに詰まった場合の処理が容易に行える。
【0016】
なお、曲がり検査のための許容値を加味した内径とは、棒材1の外径によっても変化するが、例えば製品の外径許容値+0.8〜1.0mm程度である。
【0017】
また、外径上限寸法検査部13は、図1に示すものは、前記曲がり検査のための許容値よりも小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有する1個の円筒ゲージ13aを、第2のハウジング13b内に固定した構成である。
【0018】
一方、図2に示すものは、前記曲がり検査のための許容値より小さい、外径検査のための許容値を加味した内径を有するとともに、前記スリーブ12eよりも長さの短い1個の円筒ゲージ13cを、第2のハウジング13b内に固定した構成である。
【0019】
なお、曲がり検査のための許容値より小さい外径検査のための許容値を加味した内径とは、例えば先に説明した例では、内径を小さくした円筒バイトの当該内径で、棒材1の外径によっても変化するが、例えば製品の外径許容値+0.2〜0.4mm程度である。
【0020】
そして、本発明の棒材の検査装置11は、前記スリーブ12a〜12c又は12eの軸中心と前記円筒ゲージ13a又は13cの軸中心が同一線上にあるように設けている。
【0021】
また、図1及び図2に示した例では、両検査部12,13の間にV字状の搬送ローラ14を配置し、これら両検査部12,13と搬送ローラ14を、シリンダ12f,13d,15によって昇降可能に構成し、棒材1の径が異なる場合に対応できるものを示している。
【0022】
以上の本発明の棒材の検査装置11によれば、横断面形状、すなわち外径の上限寸法を保証するための検査と曲がり矯正後の曲がり検査を同時に行なうことができる。そして、仮に棒材1がスリーブ12a〜12c又は12eに詰まった場合も容易に処理することができる。
【0023】
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇内で、適宜実施の形態を変更しても良い。
【0024】
例えば、検査する棒材1の径が1種類であれば、図1や図2のように両検査部12,13と搬送ローラ14を、シリンダ12f,13d,15によって昇降可能に構成する必要はない。
【0025】
また、図1や図2の例では、前記スリーブ12a〜12c,12eや前記円筒ゲージ13a,13cは、入側と出側がラッパ状に拡がったものを示しているが、入側のみラッパ状に拡がったものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の棒材の検査装置は、横断面が円形の棒材に限らず、多角形状の棒材などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の棒材の検査装置の最良の形態を説明する図で、(a)は概略全体図、(b)は曲がり検査部の拡大縦断面図である。
【図2】本発明の棒材の検査装置の他の形態を説明する図、(a)は概略全体図、(b)は曲がり検査部の拡大縦断面図である。
【図3】円筒バイトと上バイトによって切断する切断装置の概略説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 棒材
11 棒材の検査装置
12 曲がり検査部
1a〜12c,12e スリーブ
12d 第1のハウジング
12 外径上限寸法検査部
13a,13c 円筒ゲージ
13b 第2のハウジング

【出願人】 【識別番号】000002118
【氏名又は名称】住友金属工業株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100060829
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 満好

【識別番号】100089462
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 哲也

【識別番号】100116344
【弁理士】
【氏名又は名称】岩原 義則


【公開番号】 特開2008−8847(P2008−8847A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181791(P2006−181791)