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【発明の名称】 孔間距離測定装置
【発明者】 【氏名】河添 浩巳

【氏名】安田 昭一

【氏名】鳴瀬 聖剛

【氏名】大和田 英光

【氏名】青木 博之

【要約】 【課題】単独の作業者によって被測定物に形成した両透孔間の間隔を容易に、しかも正確に測定できるようにする。

【構成】主にボス部を構成する透孔6〜8に挿通されるシャフト12を有する測定点設定手段11と主にブラケット9,10の透孔9a,10aに挿通される測定点設定手段21と、メジャー30とから孔間距離測定装置が構成され、それぞれのシャフト12,22は同じ長さを有し、シャフト12,22には、4箇所の円錐形状曲面13a,23aと切り欠き部13b,23bとが交互に形成されたセンタリング部材13,23を相対向させて2箇所装着され、円錐形状曲面13a,23aの作用でシャフト12,22はセンタリングされる。ボス部同士またはボス部と透孔とに挿通させたシャフト12,22の一方と他方との両端面にメジャー30を固定的に保持させてその間の距離を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の透孔を有する被測定物に対して、一方の透孔の中心から他方の透孔の中心までの距離を測定する孔間距離測定装置において、
前記透孔に挿入可能なシャフトと、このシャフトに嵌合されるように装着され、外面に少なくとも3箇所の円錐状曲面を形成したセンタリング部材と、このセンタリング部材を前記シャフトの軸線方向における任意の位置に固定される固定手段とを有する測定点設定手段と、
前記一対の透孔にそれぞれ前記測定点設定手段を装着して、これら両測定点設定手段の前記シャフトの端面の中心位置間の距離を測定する測距手段とから
構成したことを特徴とする孔間距離測定装置。
【請求項2】
前記シャフトには、前記センタリング部材を前記透孔の両側から嵌合させるように一対装着し、前記シャフトの外面には少なくとも1箇所の平坦面部を形成し、前記センタリング部材には止めねじを装着して、この止めねじの先端を前記平坦面部に圧接させることによって、前記シャフトに固定される構成としたことを特徴とする請求項1記載の孔間距離測定装置。
【請求項3】
前記測距手段は、前記一方のシャフトの端面に着脱可能に固定され、他方のシャフトの端面にまで延在可能なメジャーであることを特徴とする請求項1記載の孔間距離測定装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンが挿通されるボス部等の透孔を少なくとも一対穿設されている被測定物において、透孔間の距離を測定する孔間距離測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、土砂の掘削作業を行う建設機械としての油圧ショベルは、ブーム,アーム及びバケットからなる掘削作業手段を備えるものである。ブームやアームには、複数個所にわたって連結ピンの装着部が形成されている。例えばアームは、その端部乃至端部近傍位置にボス部が形成されており、このボス部に連結ピンが装着されて、ブームやバケットが相対回動可能に連結される。また、所定の位置にブラケットを設け、このブラケットに透孔を形成して、油圧シリンダを構成するシリンダチューブやロッドの連結部が形成される。
【0003】
ここで、ブームやアーム等の構造部材、例えばアームは、特許文献1に示されているように、平板や曲げ板等といった所定の形状を有する鋼板を溶接手段で組み立てた缶組み構造から構成される。この缶組み構造部材には、ボス部を有する連結部材が溶接手段により連結されることになる。さらに、油圧シリンダの連結部を有するブラケットや、必要に応じて補強板等といった部材も溶接される。このように、アームを構成する構造部材にはブーム及びバケットへの連結部と、油圧シリンダの取付部とが設けられるが、これら各取付部は透孔を有する構成となっている。
【特許文献1】特開2005−29984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した構造部材において、缶組み及びブラケットの取り付けを含め、組み立ては主に溶接により行われるので、溶接時に生じる熱の作用で各部の収縮や曲がり,変形等が生じる可能性がある。従って、各部における鋼板等の部材からなる部品の寸法を高精度に形成したとしても、溶接時に生じる変形等に起因して、組立精度が維持できなくなる。特に、前述した各透孔の位置及び状態は極めて重要であり、透孔の位置が正規の位置からずれていると、この構造部材を油圧ショベルの作業手段として組み付けたときに、その動作の円滑性が損なわれるおそれがある。
【0005】
そこで、溶接時に生じる各構成部材の変形等を予測して、これらの透孔形成部の位置ずれを予め見込んで、構成各部の製造,組み立て及び透孔の加工等を行うようにすれば、構造部材そのものの組立精度を高めることができる。このように、溶接時における位置ずれや変形等の検出はアームやブーム等の各所に形成されている透孔を基準として行うことができる。即ち、所定の部材における2箇所の透孔間の間隔を測定すれば、本来の設計値に対する溶接時の変形度合いを検出することは可能である。2箇所の透孔間の間隔を測定するために種々の方式があるが、どのような方式を採用するにしても、これら各透孔の中心位置を検出しなければならない。
【0006】
前述した各透孔の中心位置を正確に検出するのは困難を伴う場合が多く、2箇所の透孔間の間隔が短いものであれば、両透孔間にメジャーを差し渡すことによって、一人の作業者により孔間距離を測定することができるが、特に油圧ショベルのアームやブーム等といった大型の部材では、2箇所の透孔間にメジャーを差し渡すために少なくとも2人の作業者が必要となる。しかも、構造部材はボックス形状となっているので、測定を高精度に行うには、2箇所穿設された透孔において、一方側の壁面への開口部間の間隔を測定するだけでなく、他方側の壁面への開口部間の間隔をも測定する必要があり、これら両開口部側の測定精度に対する信頼性が十分得られない可能性がある。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、構造部材に形成した2箇所の透孔間の間隔を、極めて容易に、しかも正確に測定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明は、少なくとも一対の透孔を有する被測定物に対して、一方の透孔の中心から他方の透孔の中心までの距離を測定する孔間距離測定装置であって、前記透孔に挿入可能なシャフトと、このシャフトに嵌合されるように装着され、外面に少なくとも3箇所の円錐状曲面を形成したセンタリング部材と、このセンタリング部材を前記シャフトの軸線方向における任意の位置に固定される固定手段とを有する測定点設定手段と、前記一対の透孔にそれぞれ前記測定点設定手段を装着して、これら両測定点設定手段の前記シャフトの端面の中心位置間の距離を測定する測距手段とから構成したことをその特徴とするものである。
【0009】
ここで、被測定物としては、前述した油圧ショベルのアームやブーム等を対象とすることができるが、本発明による孔間距離測定装置は、これに限定されるものではない。要するに、各種の構造部材、特に1人では測定できないような大型の構造部材において、ボス部を含む透孔が複数個所設けられているものに適用することができる。そして、缶組み構造のように、溶接手段で組み立てられる関係から、部材の変形が生じる場合に特に好適に適用される。
【0010】
溶接により組み立てられる缶組み構造部材にあっては、溶接時の熱で曲がりや捻じれ等の変形が生じることがある。この缶組み構造部材においては、ボス部やその他の透孔の両端開口部間にはある程度の間隔がある。そこで、シャフトを透孔に挿通させて、このシャフトに透孔の両側から一対のセンタリング部材を嵌合させるようになし、これらのセンタリング部材によりシャフトを透孔に対してセンタリングすることができる。そして、この状態でシャフトをセンタリング部材に対して安定的に固定するために、シャフトの外面には少なくとも1箇所の平坦面部を形成し、センタリング部材を止めねじによりシャフトの平坦面部に固定することができる。センタリング部材には円錐形状曲面が形成されており、これら相隣接する円錐形状曲面の間の部位は切り欠き部となっている。即ち、センタリング部材は底面が透孔より大径で、小径部側端面が透孔より小さい寸法を有する円錐台形状の部材からなり、その円錐形状の曲面からなる側面部に一定の間隔毎に切り欠き部を形成したものである。円錐形状曲面は、円周方向において、少なくとも3箇所設けられるが、製作の容易性の観点からは、4箇所の円錐形状曲面を形成するのが望ましい。また、円錐形状曲面の幅寸法は透孔に嵌合させたときに、安定的に保持されることを条件として、できるだけ細い幅とするのが望ましい。これによって、透孔の寸法に多少の誤差があっても、また構造部材を構成する鋼板等の板材における透孔の形成部乃至その近傍の部位が熱の作用で変形していたとしても、つまり透孔の状況の如何に拘らず、この透孔における実質的に中心となる位置を検出することができるようになる。
【0011】
センタリング部材により透孔の中心位置に装着した2箇所のシャフト間の距離を測定する測距手段としては、一方のシャフトの端面に着脱可能に固定され、他方のシャフトの端面にまで延在できるメジャーで構成することができる。また、両シャフトの端部中心位置にピンポイント導電性コンタクト部を設け、これらコンタクト部間にワイヤを張り渡して設け、このワイヤ間に一定の電流を流すようになし、これらコンタクト部間の電圧を測定し、この測定値に対して、単位長さ当たりの電圧値を基準電圧として、測定電圧と基準電圧との比に基づいてシャフト間の距離を測定することもできる。さらに、各シャフトの端部における中心位置に発光ダイオード等からなる点光源を配設して、これら両光源を測定点としてその間の距離を三角測量により算出する等の手法を採用することもできる。
【発明の効果】
【0012】
このように構成することによって、缶組み構造物における孔間距離を、単独の作業者により容易に、しかも正確に測定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1及び図2に缶組み構造物の一例として、油圧ショベルの作業手段におけるアームにおけるアーム本体構造部材1の構成を示す。なお、本発明の孔間距離測定装置が適用される被測定物としては、このアーム本体構造部材1に限定されるものではない。
【0014】
これらの図において、アーム本体構造部材1は、左右の側板2,2と、上板3,下板4及び曲げ板5とから構成される缶組み構造としたものである。これら各部材は鋼板等の板体から構成されて、溶接手段により相互に連結するようにして組み立てられる。また、この缶組み構造部材には、その一端側にバケットへの連結用のボス部を構成する透孔6及びリンク部材への連結用のボス部を構成する透孔7が溶接手段により装着されている。さらに、他端近傍位置には下板4と曲げ板5との連結部の位置にブームへの連結用のボス部を構成する透孔8が溶接手段により装着されている。さらにまた、上板3には一対のブラケット9,9が溶接されており、これらブラケット9には透孔9aが穿設されており、曲げ板5にも一対のブラケット10,10が溶接されており、これらのブラケット10にも透孔10aが穿設されている。そして、これら透孔9a及び10aには、油圧シリンダのロッドの先端部またはシリンダチューブの基端部に連結した連結ピンが装着される。
【0015】
アーム本体構造部材1は以上のように構成されるが、このアーム本体構造部材1を構成する各部は溶接手段により組み付けられるものであり、溶接時に発生する熱の影響による変形等、各部の組み付け精度に誤差が生じることがある。このような誤差が発生すると、アームやバケットを連結し、駆動用の油圧シリンダを装着したときに、その作動に円滑性が損なわれることから、各部の製造及び組み付け時に、予め変形による誤差を見込んでおくことによって、組み付け状態での精度を向上させることができる。ここで、量産に当っては、アーム本体構造部材1を構成する各部の材質が一定で、全ての寸法関係が同じであって、全て同一の条件で溶接したとすると、当然、設計値に対する誤差はほぼ一定の状態となる。
【0016】
以上のことから、アーム本体構造部材1の量産化に入る前の段階で、複数の試作品を製造して、その製造後における各部の寸法を測定し、組み付け時に生じる誤差を補正するように各部の寸法及び組み立て条件を調整することにより、溶接時の誤差が補正されて、高精度のアーム本体構造部材1を製造することができる。このために、前述した試作品における各部の寸法精度を測定する必要がある。ここで、アーム本体構造部材1として最も重要な寸法精度は、前述した各透孔6〜8,9a,10aとの各位置及び軸心である。このためには、これら透孔6〜8,9a,10aの位置関係を測定する。
【0017】
このために用いられるのが、図3乃至図8に示したように、孔間距離測定装置を構成する測定点設定手段である。そこで、以下において、測定点設定手段の構成について説明する。図3乃至図5には大口径用の測定点設定手段11が、また図6乃至図8には小口径用の測定点設定手段21が示されている。
【0018】
まず、図3乃至図5において、12は金属製のシャフトであり、このシャフト12は丸棒状のものであって、その側面には両端側から中心方向に向けて所定の幅分の平坦面部12a,12aが形成されている。シャフト12にはセンタリング部材13が嵌合して設けられている。センタリング部材13は中央にシャフト12の外径と概略一致する孔径の貫通孔14を設けた概略円錐台形状の部材であって、円周方向において、90度毎に円錐形状曲面13aが4箇所形成されており、これら相隣接する円錐形状曲面13a,13a間の部位は切り欠き部13bとなっている。また、センタリング部材13の底面部、つまり最大径部には、カラー部15が連設されており、このカラー部15にはセンタリング部材13をシャフト12の軸線方向における任意の位置に固定するための固定手段としてのストッパ用ねじ16が螺挿されている。
【0019】
ストッパ用ねじ16は蝶ねじから構成されて、その先端は平面形状となっている。従って、ストッパ用ねじ16を締め付けるに当っては、格別の工具を使用することなく、その先端をシャフト12の平坦面部12aに圧接させることによって、センタリング部材13を軸線方向に動かないように固定される。即ち、シャフト12の両端からセンタリング部材13を嵌合させて、ストッパ用ねじ16でシャフト12の軸線方向における所望の位置で固定できるようになる。また、シャフト12の両端部には、半円形状の段差部17が形成されており、この段差部17の鉛直壁には後述するメジャー30を着脱可能に固定する手段として、クランプ用のマグネット18が着脱可能に装着できるようになっている。
【0020】
アーム本体構造部材1に設けたボス部を構成する透孔6〜8は大口径のものであり、バケット,リンク部材及びブームの各部材に対してピンにより相対回動可能に連結するためのものである。また、ブラケット9,10に設けた透孔9a,10aは透孔6〜8より口径の小さい小口径のものであり、油圧シリンダの端部がピンを用いて相対回動可能に連結される。測定点設定手段11を構成するセンタリング部材13は、口径の大きい透孔6〜8と小さい口径の透孔9a,10aに装着可能なものとすると、大型化し、かつ重量物となり、さらにブラケット9,9間及び10,10間の間隔はボス部を構成する側板2,2間の間隔より狭いものであり、両センタリング部材が相互に干渉しないようにして透孔に挿入できるようにする必要がある。そこで、小口径からなる透孔9a,10aに装着される測定点設定手段21は、図6乃至図8に示したように、センタリング部材23が小型のものを使用する。ただし、測定点設定手段11と測定点設定手段21とでは、少なくともセンタリング部材のサイズが異なるだけで、相似形状とする。また、シャフト12とシャフト22とは少なくとも長さは同じものとする。そして、太さは同じであっても良く、また小口径用のシャフト22の方を細いものとすることもできる。そして、シャフト22には平坦面部22aが形成され、センタリング部材23には4箇所の円錐形状曲面23aと切り欠き部23bとが交互に形成されており、かつその中心部にはシャフト22の外径とほぼ同じ孔径の貫通孔24が形成され、カラー部25に装着したストッパ用ねじ26によりセンタリング部材23はシャフト22の任意の位置に固定されるようになっている。さらに、シャフト22の両端部には半円部分の段差27が形成され、かつその鉛直壁に着脱されるマグネット28を設けている。
【0021】
例えば大口径の透孔6と大口径の透孔8との間の距離を測定する場合には、図9に示したように、共に大口径用の測定点設定手段11を両透孔6,8に装着して、その間の距離を測定する。また、透孔6とブラケット9の小口径の透孔9aとの間の距離を測定する場合には、図10に示したように、透孔6には大口径用の測定点設定手段11を装着し、透孔9aには小口径用の測定点設定手段21を装着する。そして、これら2点間の距離を測定するが、その測距手段としては、例えばメジャー30を用いることができる。しかも、この距離の測定は、アーム本体構造部材1の両側の測定が行われる。
【0022】
まず、両側板2,2に形成した透孔6にセンタリング部材13を脱着したシャフト12を挿通させる。そして、透孔6の両端からの左右への突出部分の長さをほぼ等しくする。次いで、このようにして透孔6に挿通させたシャフト12の両端から両側板2,2に向けて一対からなるセンタリング部材13を挿入する。ここで、センタリング部材13はその縮径部側を側板2に向けるようにして、シャフト12に嵌合させて、透孔6のエッジ部分にセンタリング部材13の円錐形状曲面13aを当接させる。ここで、円錐形状曲面13aは4箇所設けられているので、透孔6の内部に向けて両側からセンタリング部材13を押し込むと、このセンタリング部材13の軸心が透孔6の孔径の中心位置と一致するように自動調芯され、シャフト12が透孔6の軸心位置に配置される。この状態で、ストッパ用ねじ16をセンタリング部材13に螺挿することによって、このストッパ用ねじ16の先端をシャフト12の平坦面部12aに圧接させて、センタリング部材13をシャフト12に固定する。
【0023】
また、透孔8にも同様の手法で測定点設定手段11を装着する。そして、例えば透孔6に装着した測定点設定手段11におけるシャフト12の端面に形成した段差部17にメジャー30の一端を当接させて、固定手段としてのマグネット18を用いてこのメジャー30の一端部を固定する。そして、メジャー30の他端を透孔8に装着した測定点設定手段11を構成するシャフト12の端面における段差部17の位置に押し当てて、目盛りを読み取ることにより透孔6−8間の距離が測定される。ここで、距離測定を正確に行うために、透孔6に装着したシャフト12と透孔8に装着したシャフト12との側板2からの突出長さを等しくする。シャフト12の突出量を目測によっても概ね判断でき、またメジャーにより測定できるが、シャフト12に目盛りを設けておけば、両側への突出量をより正確に、しかも容易に検出することができる。また、シャフト12は透孔6,8間の中心位置と調芯され、しかもシャフト12の端面には半円状の段差部17が形成されているので、シャフト12の軸中心位置を容易に検出できるようになり、透孔6と透孔8との中心位置間の距離を正確に測定できる。そして、作業者はメジャー30の一方の端部を保持する必要がないので、この距離の測定を容易に行うことができる。なお、メジャー30の端部を着脱可能に固定するための手段として、クランプ用のマグネット18に代えて、蝶ボルト等、適宜の固定手段を用いることもできる。
【0024】
ここで、センタリング部材13が部分的に挿入される限り、透孔6,8の孔径が異なっていても、測定点設定手段11によって、これら透孔6,8の中心位置を確実に検出することができる。即ち、透孔の中心位置に配置されるのはシャフト12であり、センタリング部材13は透孔の大きさ如何に拘らず、シャフト12をセンタリングするための機能を発揮するものである。従って、透孔6と透孔8との孔径が異なっていても、またこれら透孔6,8における加工精度等に多少のばらつきがあっても、シャフト12の中心位置は実質的に透孔6,8の中心位置に配置されることになる。このために、2本のシャフト12,12の中心位置間をメジャー30で掛け渡すことによって、極めて正確に、しかも容易に孔間距離を測定することができる。
【0025】
そして、2箇所挿通させたシャフト12の両端が透孔6,8の両側から、つまり両側板2,2から実質的に同じ長さだけ突出しているので、透孔6,8におけるアーム本体構造部材1の左右の側板2の両側開口端間の距離をそれぞれ測定できる。その結果、透孔6と透孔8との中心位置間の間隔をその両側の開口部において正確に測定することができ、この測定値に基づいて、アーム本体構造部材1における透孔6,8間の部位の曲がり,反り,捻じれ,歪み等といった変形の有無も検出することができる。
【0026】
さらに、図10におけるように、透孔6とブラケット9の透孔9aとの間の距離を測定するには、透孔9aには測定点設定手段21を装着する。この測定点設定手段21の装着方法及びそれと透孔6に装着した測定点設定手段11との間の距離測定も前述と同様にして行うことができる。ここで、透孔6の幅寸法と、一対からなるブラケット9,9の間隔とでは、ブラケット9,9間の間隔の方が短いが、測定点設定手段21のシャフト22の長さ寸法は測定点設定手段11のシャフト12と同じものであるから、透孔6の中心と透孔9aの中心との間の直線的距離を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】アーム本体構造部材の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】大口径用の測定点設定手段の正面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】図3の側面図である。
【図6】小口径用の測定点設定手段の正面図である。
【図7】図6のY−Y断面図である。
【図8】図6の側面図である。
【図9】ボス部とボス部との間の距離を測定している状態を示す説明図である。
【図10】ボス部と透孔との間の距離を測定している状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 アーム本体構造部材
2 側板
3 上板
4 下板
5 曲げ板
6〜8 ボス部の透孔
9,10 ブラケット
9a,10a 透孔
11 大口径用の測定点設定手段
21 小口径用の測定点設定手段
12,22 シャフト
12a,22a 平坦面部
13,23 センタリング部材
13a,23a 円錐形状曲面
16,26 ストッパ用ねじ
18,28 マグネット
30 メジャー
【出願人】 【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100089749
【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次


【公開番号】 特開2008−2931(P2008−2931A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172368(P2006−172368)