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【発明の名称】 照明装置、照明方法及びパターン検査装置
【発明者】 【氏名】小川 力

【氏名】鈴木 等

【氏名】長濱 博幸

【要約】 【課題】コヒーレント光を使用した照明装置において、干渉を低減し、均一な照明光を得ること。

【構成】コヒーレント光の光束を反射により複数に分割する第1分割部と、分割された光束が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第1迂回光路と、少なくとも1つの第1迂回光路の一部に配置され、配置されない該第1迂回光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる光路差形成材と、第1迂回光路を通過してきた複数の光束を一体にする第1合成部と、を備え、一体になった光束を照明対象物に照射する、照明装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コヒーレント光の光束を反射により複数に分割する第1分割部と、
分割された光束が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第1迂回光路と、
少なくとも1つの第1迂回光路の一部に配置され、配置されない該第1迂回光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる光路差形成材と、
第1迂回光路を通過してきた複数の光束を一体にする第1合成部と、を備え、
一体になった光束を照明対象物に照射する、照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
第1合成部で一体になった光束を、第1分割部による光束の分割方向とは別方向に、複数に分割する第2分割部と、
第2分割部で分割された光束が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第2迂回光路と、
第2迂回光路を通過してきた光束を一体にする第2合成部と、を備え、
第2合成部で一体になった光束を照明対象物に照射する、照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置において、
照明対象物の前方の光路に配置される、オプティカルインテグレータとコンデンサレンズとを備える、照明装置。
【請求項4】
コヒーレント光の光束を複数に分割する第1分割ステップと、
分割された複数の光束に対して、光路の長短により可干渉距離以上の光路差を発生させる第1迂回ステップと、
分割された少なくとも1つの光束の光路の一部に配置し、配置しない光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる第1光路差形成ステップと、
第1分割ステップで分割された光束を一体にする第1合成ステップと、を備え、
一体になった光束を照明対象物に照射する、照明方法。
【請求項5】
請求項4に記載の照明方法において、
第1合成ステップで一体になった光束を、第1分割ステップによる光束の分割方向とは別方向に、複数に分割する第2分割ステップと、
第2分割ステップで分割された複数の光束に対して、光路の長短により可干渉距離以上の光路差を発生させる第2迂回ステップと、
第2分割ステップで分割された光束を一体にする第2合成ステップと、を備え、
第2合成ステップで一体になった光束を照明対象物に照射する、照明方法。
【請求項6】
マスクのパターンを検査するパターン検査装置において、
コヒーレント光の光束を出力する光源と、
該光束を反射により複数に分割する第1分割部と、
分割された光束が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第1迂回光路と、
少なくとも1つの第1迂回光路の一部に配置され、配置されない該第1迂回光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる光路差形成材と、
第1迂回光路を通過してきた複数の光束を一体にする第1合成部と、
一体になった光束が照射される、パターンを有するマスクと、
パターン画像を受光するセンサと、
センサで受光した画像と基準画像とを比較する比較部と、を備える、パターン検査装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コヒーレント光源を使用し、レチクルなどの照明対象物に光を照射する照明装置、照明方法、及び、照明装置を備えたパターン検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーラー照明では、オプティカルインテグレータにて光束を分割し、これらをコンデンサレンズにて照射対象物面に重畳する構成をとるのが一般的である。このような照明光学系の光源として、例えばレーザのようなコヒーレンシーの高い光源を使用すると、照射対象物面での波面の重ね合わせにより干渉縞が生じ、均一な照明が実現できない問題がある。このような干渉縞の低減を目的として、光源から発した光を複数の領域に分割し、各々の光路中にミラーで迂回光路を形成し、可干渉距離以上の光路差を与えたのちに、それらを合成することでコヒーレンシー(干渉性)を低減する光学系が既に提案されている(特許文献1参照)。また、同様の迂回光路を高屈折率材によって実現する光学系についても提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
しかし、コヒーレンシー低減効果を上げるためには、光束の分割数を増やす必要があるが、ミラーのみで構成する場合、角度、位置合わせ作業が困難となり、生産性が落ちることがある。また、高屈折率材のみで構成する場合、光路差を与えるために長くする必要があり、また、紫外光源の場合は光量損失や高屈折率材のダメージが起こり易くなる。
【特許文献1】特開平11−344683
【特許文献2】特開2005−337851
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)本発明は、コヒーレント光を使用して、均一な照明を行えるようにすることにある。
(2)又は、本発明は、コヒーレント光による干渉を低減することにある。
(3)又は、本発明は、コヒーレント光の光束の分割数を簡単な構成で増大できるようにすることにある。
(4)又は、本発明は、コヒーレント光を使用した照明装置やパターン検査装置において、調整が容易な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、コヒーレント光の光束を反射により複数に分割する第1分割部と、分割された光束が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第1迂回光路と、少なくとも1つの第1迂回光路の一部に配置され、配置されない該第1迂回光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる光路差形成材と、第1迂回光路を通過してきた複数の光束を一体にする第1合成部と、を備え、一体になった光束を照明対象物に照射する、照明装置にある。
(2)また、本発明は、コヒーレント光の光束を複数に分割する第1分割ステップと、分割された複数の光束に対して、光路の長短により可干渉距離以上の光路差を発生させる第1迂回ステップと、分割された少なくとも1つの光束の光路の一部に配置し、配置しない光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる第1光路差形成ステップと、第1分割ステップで分割された光束を一体にする第1合成ステップと、を備え、一体になった光束を照明対象物に照射する、照明方法にある。
(3)また、本発明は、マスクのパターンを検査するパターン検査装置において、コヒーレント光の光束を出力する光源と、該光束を反射により複数に分割する第1分割部と、分割された光が通り、可干渉距離以上の光路差を有する複数の第1迂回光路と、少なくとも1つの第1迂回光路の一部に配置され、配置されない該第1迂回光路との間で可干渉距離以上の光路差を生じさせる光路差形成材と、第1迂回光路を通過してきた複数の光束を一体にする第1合成部と、一体になった光束が照射される、パターンを有するマスクと、パターン画像を受光するセンサと、センサで受光した画像と基準画像とを比較する比較部と、を備える、パターン検査装置にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態による照明装置、照明方法とパターン検査装置について説明する。
【0007】
(照明装置)
照明装置は、レチクルなどの照明対象物に光を照射する装置である。照明装置は、例えば、レチクルなどの検査対象物のパターンを検査するパターン検査装置、半導体ウェーハや液晶用ガラスにパターンを形成する露光装置に使用される。
【0008】
図1は、照明装置10のブロック図を示している。照明装置10は、レーザ光源12、第1光学系16、第1分割部18、複数の第1迂回光路20、第1迂回光路20に配置された光路差形成材22、第1合成部24、第2光学系26を備え、照明対象物28に光を照射する。レーザ光源12は、コヒーレント光の光束14を出力するものである。第1光学系16は、レーザ光源12から出力された光束14を処理する光学系であり、例えば、コリメータレンズを備え、光束14を拡大するものである。第1分割部18は、光束14を複数の光束に分割するものである。複数の第1迂回光路20は、各光路を光が通過すると、可干渉距離(l)以上の光路差(L)を生じさせるものである。第1迂回光路20は、光路の一部に光路差形成材22を配置する。光路差形成材22を配置してある光路と、光路差形成材22を配置していない光路との間で、可干渉距離以上の光路差(L)を生じている。第1合成部24は、第1迂回光路20を通過し、一部光路差形成材22を通過し、可干渉距離以上の光路差(L)を生じた複数の光束を分割前の状態に一体にし、合成光束140を作成するものである。第2光学系26は、可干渉距離以上の光路差(L)を生じた光を照明対象物28に照射するものであり、例えば、インテグレータやコンデンサレンズから成っている。インテグレータは、フライアイレンズなどにより合成光束140を混合するものである。コンデンサレンズは、混合された光を集光して、照明光束として照明対象物28に照射するものである。このようにして、コヒーレンス光の光束を分割し、コヒーレンシー(干渉性)を低減し、混合して、照射対象物面に重畳することができる。
【0009】
図2は、コヒーレンス光の光束14、第1分割部18、複数の第1迂回光路20、第1合成部24、合成光束140などを示している。図2(A)は、第1迂回光路20の側面の摸式図を示している。図2(B)は、図2(A)の右方向から光路を見た時の合成光束140の断面摸式図を示している。光束14は、第1分割部18により第1迂回光路20aと20bに分割される。第1迂回光路20bは、光路長を調整するミラー30a、30bを備えている。そのため、第1迂回光路20bは、第1迂回光路20aよりも光路が長くなり、第1迂回光路20aとの光路差は、可干渉距離よりも長くなっている。図2のミラー30a、30bの配置により、第1迂回光路20bは、第1迂回光路20aに比して、2倍の可干渉距離以上の光路差(2L)を持っている。なお、第1分割部18は、光束を複数に分けることができる部材であれば、どのようなものでもよく、例えばミラーを使用することができる。ミラーの端部を光束14の途中に配置し、一部の光束14は、反射することなく第1迂回光路20aを通り、他の光束14は、第1迂回光路20bを通る。
【0010】
第1迂回光路20aと20bの少なくとも一方の光路の一部に光路差形成材22を配置する。図2では、第1迂回光路20aと20bの両方に光路差形成材22a、22bを配置する。光路差形成材22は、第1迂回光路20に配置した光路と配置していない光路との間で、可干渉距離以上の光路差(L)が生ずるものであればよい。光路差形成材22は、例えば、第1迂回光路20が真空や空気中などの屈折率の小さな空間であれば、石英板など屈折率の大きい透明材料を使用できる。その場合、屈折率が大きいほど、短い光路差形成材22を使用することができる。
【0011】
第1迂回光路20aと20bを通過してきた複数の光束は、第1合成部24により一体化され、合成光束140となる。合成光束140の断面は、分割領域150a〜150dを有している。分割領域150aは、第1迂回光路20aを通過し、光路差形成材22aを通過しない光束を示している。そのため、分割領域150aの光束は、最短の光路を通過している。分割領域150bは、第1迂回光路20aを通過し、光路差形成材22aを通過した光束を示している。そのため、分割領域150aの光束は、光路差形成材22aを通過した分、分割領域150aの光束に比して、可干渉距離より長い光路差(L)を余分に伝播している。分割領域150cは、第2迂回光路20bを通過し、光路差形成材22bを通過しない光束を示している。そのため、分割領域150cの光束は、分割領域150aの光束に比して、2倍の可干渉距離以上の光路差(2L)を余分に伝播している。分割領域150dは、第2迂回光路20bを通過し、光路差形成材22bを通過した光束を示している。そのため、分割領域150dの光線は、光路差形成材22bを通過した分、分割領域150aの光束に比して、可干渉距離より長い光路差(3L)を余分に伝播している。このように、光路分割領域150a〜150dの光束は、相互に可干渉距離以上の光路差の光路を通過しているため、相互の干渉の低減が図られている。なお、第1合成部24は、複数の光束を一体にできるものであればよく、例えば、ミラーを使用することができる。
【0012】
図2において、第1迂回光路20a、20bは、ミラーによる空間の光路であり、ミラーの角度や位置を調整することにより、光路差を任意に設定することができる。また、光路差形成材22a、22bは、光が通過する距離と屈折率によって、光路差を容易に設定することができる。これらを組み合わせることにより、ミラーの個数や位置や角度の調整を少なくでき、単純な構成で多数の分割領域150a〜150dを作成することができる。このようにして、光束の分割数を容易に増やすことができ、ミラーの使用枚数を減らせるので角度、位置合わせ作業が容易になり、また、高屈折率材の使用量を減らせるので、光量損失や高屈折率材のダメージを少なくできる。また、第1分割部20a、20b、光路差形成材22a、22bの配置方法を変化させることにより、分割領域150a〜150dの各光束の光量を均等にすることができる。これにより、コヒーレント光の干渉性をより良く低減することができる。
【0013】
(第2迂回光路を備えた照明装置)
図3と図4は、図1と図2の照明装置10に第2分割部32、第2迂回光路34、第2合成部38を備えた照明装置10の例を示している。図4(A)は、第1迂回光路20と第2迂回光路34の側面の摸式図側面を示している。図4(B)は、図4(A)の右方向から光路を見た時の合成光束140と合成光束142の断面摸式図を示している。
【0014】
図4において、第2分割部32は、第1分割部18による分割方向とは異なった方向に合成光束140を分割している。即ち、第2分割部32は、第1分割部18に対して、光束140を回転軸として所定の回転角度で回転した状態を示している。所定の回転角度は、例えば90度とする。その場合、図4(A)の第1迂回光路20bは、第2迂回光路34bとは、直交している。図4(B)の合成光束142の断面は、合成光束140に対して左に90度、回転した状態を示している。
【0015】
図4の第2分割部32は、合成光束140をミラーなどの光束分割手段により複数に分割する。分割された光束は、第2迂回光路34aと34bを通過する。第2迂回光路34bは、ミラー30cと30dを備えている。第2迂回光路34bを通過する光束は、ミラー30cと30dで反射して第2合成部38に到達する。ミラー30cと30dの配置を調整することにより、第2迂回光路34aと34bの光路差を任意に設定でき、図4では、光路差を4Lとしている。第2合成部38では、第2迂回光路34aと34bを通過してきた光束が一体となり、合成光束142が作成される。このように第2迂回光路34aと34bとの間の光路差を4Lとすることにより、合成光束140の分割領域150a〜150dを合成光束142の分割領域152a〜152hとして、分割領域を2倍に増加することができる。合成光束142の分割領域152bは、分割領域152aに対して、可干渉距離(l)以上の光路差(L)を備えている。同様に、分割領域152c〜152hは、分割領域152aに対して、可干渉距離以上の光路差(2L〜7L)を備えている。このように、コヒーレント光の光束14は、干渉性が低い多数の分割領域を有することになり、全体としても、干渉性を低減することができる。なお、図示していないが、第2迂回光路34aと34bに第1迂回光路20aと20bと同様に、光路差形成材22を配置すると、更に多くの分割領域を作成することができる。
【0016】
図5は、第2分割部32a、32b、32c、第2迂回光路34a、34b、34c、34d、第2合成部38a、38b、38cとしたものである。光束140は、第2分割部32aにより第2迂回光路34aと第2迂回光路34b〜34dを通る2つの光束に分割される。第2分割部32bは、第2迂回光路34bと第2迂回光路34c〜34dを通る2つの光束に分割する。第2分割部32cは、第2迂回光路34cと第2迂回光路34dを通る2つの光束に分割する。第2迂回光路34dは、ミラー30cと30dを備え、第2合成部38cに光束を導く。第2合成部38cは、第2迂回光路34cと34dの光束を合成する。第2合成部38bは、第2迂回光路34cと34dの光束と第2迂回光路34bの光束を合成する。第2合成部38aは、第2迂回光路34b〜34dの光束と第2迂回光路34aの光束を合成する。このようにして、第2分割部32で分割した光束は、第2合成部38で一体に合成され、合成光束144が形成される。第2分割部32と第2合成部38は、光束を分割し、合成するものであれば、どのようなものでも良いが、例えばミラーを使用することができる。ミラーの配置や角度の調整により、第2迂回光路34a、34b、34c、34dの光路差を任意に設定できるが、図5では、各々の光路差を4Lとしている。
【0017】
図5(B)において、光束144は、光束140を左に90度回転した図である。図5の第1迂回光路20で得られた4個の分割領域150a〜150dは、第2迂回光路34により16個の分割領域154a〜154pとなる。各分割領域の光束が通過してきた光路は、各々、光路差(L)となり、分割領域154a〜154pの光路は、分割領域154aに対して、光路差(L〜15L)となる。
【0018】
図6は、図5の照明装置10の第1迂回光路20において、迂回光路を2本から4本に増加したものである。第1分割部18は、分割部18a〜18cを備え、第1迂回光路20は、迂回光路20a〜20dを備え、第1合成部24は、合成部24a〜24dを備えている。第1迂回光路20a〜20dの各光路差は、第1分割部18、ミラー30aと30b、第1合成部24の配置により、任意の値に設定できるが、図6では、光路差2Lとしてある。各第1迂回光路20a〜20dには、各々、光路差形成材22a〜22dを配置する。合成光束146は、分割領域156a〜156hの8分割になる。分割領域156b〜156hの光路は、分割領域156aに対して、光路差(L〜7L)となっている。図6の第2迂回光路34は、合成光束146を更に4分割して、分割領域158a〜158z、158z1、・・、158z6の32個となる。各分割領域の光束が通過してきた光路は、各々、光路差(L)となり、分割領域の光路は、分割領域158aに対して、光路差(L〜31L)となっている。
【0019】
(照明方法)
図7は、照明対象物28に照明光を照射する方法を示している。レーザ光源12によりコヒーレント光の光束14が出力される。光束14は、第1光学系16により拡大される。拡大された光束14は、分割部18により複数の分割領域に分割される(第1分割ステップS10)。分割された複数の光束は、可干渉距離(l)以上の光路差(L)を備えた第1迂回光路を通過することにより、干渉性が弱められる(第1迂回ステップS11)。第1迂回ステップS11では、分割された光束は光路差形成材22を配置してある光路と配置していない光路を通過して、相互の干渉性が更に弱められる(第1光路差形成ステップS111)。可干渉距離以上の光路差を有する光路を通過した複数の光束は、第1合成部24により合成されて、一体の合成光束となる(第1合成ステップS12)。図1の照明装置10の場合、この合成光束は第2光学系36を通して、混合され、重畳されて、照明光として照明対象物28に照射される。
【0020】
図3の照明装置10の場合、合成光束は、再度、複数に分割される(第2分割ステップS13)。第2分割ステップS13は、第1分割ステップによる分割方向とは異なった方向に合成光束140を分割する。即ち、第2分割ステップS13は、第1分割ステップに対して、合成光束140を回転軸として所定の回転角度で回転する。所定の回転角度は、例えば90度とする。第2分割ステップS13で分割された複数の光束は、可干渉距離以上の光路差を有する光路を通過する(第2迂回ステップS14)。第2迂回ステップS14において、必要に応じて、分割された光束は光路差形成材22を配置してある光路と配置していない光路を通過して、相互の干渉性が更に弱められる(第2光路差形成ステップS141)。第2光路差形成ステップS141により、更に可干渉距離以上の光路差Lを付与することができる。可干渉距離以上の光路差を有する光路を通過した複数の光束は、第2合成部38により合成されて、一体の合成光束となる(第2合成ステップS15)。合成光束は、第2光学系26を通して混合され、重畳されて、照明対象物28に照射される。以上のように各ステップ(S10〜S15)を取ることにより、コヒーレント光を干渉性の弱い照明光にすることができる。
【0021】
(パターン検査装置)
図8は、照明装置10を備えたパターン検査装置50を示している。パターン検査装置50は、レチクルなどマスクパターンを有する被検査対象物のパターンの欠陥を検査するものである。パターン検査装置50は、照明装置10、マスク52、対物光学系54、センサ56、パターン画像58と基準画像64を比較し、欠陥を検出する比較部66を備えている。マスク52は、移動制御可能なXYθテーブルなどの載置台に載置され、照明装置10の照射対象物28である。対物光学系54は、センサ56の受光領域にマスクパターンを投影する拡大光学系である。センサ56は、フォトダイオードアレイ、CCDカメラなどマスクパターンを受光して、パターン画像を電気的に取得するものである。パターン画像58は、メモリに記憶されている。基準画像64は、CADデータ60をデータ展開部62で展開してパターン画像58に類似した画像として作成される。又は、基準画像64は、パターン画像58を基準用として使用することもできる。パターン検査装置50は、コンピュータなど制御系装置と光学画像取得装置を備えている。制御系装置は光学画像取得装置を制御してパターン画像を取得し、また、基準画像64を作成し、メモリに保存し、比較部66でパターン画像58と基準画像64を比較して、パターンの欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】照明装置のブロック図
【図2】照明装置の光路図と光束の断面図
【図3】第2迂回光路を有する照明装置のブロック図
【図4】第2迂回光路を有する照明装置の光路図と光束の断面図
【図5】第2迂回光路を有する他の照明装置の光路図と光束の断面図
【図6】第2迂回光路を有する他の照明装置の光路図と光束の断面図
【図7】照明対象物に照射光を照射する方法の流れ図
【図8】パターン検査装置のブロック図
【符号の説明】
【0023】
10・・照明装置
12・・レーザ光源
14・・コヒーレント光の光束
140〜148・合成光束
150〜158・合成光束の分割領域
16・・第1光学系
18・・第1分割部
20・・第1迂回光路
22・・光路差形成材
24・・第1合成部
26・・第2光学系
28・・照明対象物
30・・ミラー
32・・第2分割部
34・・第2迂回光路
36・・第2光路差形成材
38・・第2合成部
50・・パターン検査装置
52・・マスク
54・・対物光学系
56・・センサ
58・・パターン画像
60・・CADデータ
62・・データ展開部
64・・基準画像
66・・比較部
【出願人】 【識別番号】305008983
【氏名又は名称】アドバンスド・マスク・インスペクション・テクノロジー株式会社
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100088487
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 允之

【識別番号】100099450
【弁理士】
【氏名又は名称】河西 祐一

【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真


【公開番号】 特開2008−2807(P2008−2807A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169513(P2006−169513)