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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】柴田 豊

【氏名】兵頭 孝之

【氏名】大宅 秀雄

【要約】 【課題】空気調和機用室内機等の空気熱交換器における伝熱フィン部分で生じる霧吹きを防止する。

【解決手段】伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部を延設し流入気流の整流を図るとともに、同延設部12c,12c・・・、12d,12d・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・を設けて温湿度の不均一さを解消し、霧吹きを生ぜしめないようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部を延設し、同延設部12c,12c・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の後縁部を延設し、同延設部12d,12d・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部および後縁部をそれぞれ延設し、同延設部12c,12c・・・、12d,12d・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・、21,21・・・を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
断熱部21,21・・・が当該フィン長手方向に延びる切り込みであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の熱交換器。
【請求項5】
断熱部21,21・・・が当該フィン長手方向に延びるスリットであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、空気調和機用室内機等の熱交換器の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば空気調和機用室内機の熱交換器としては、一般に図10に示すような、前後2列の伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で伝熱管長手方向に多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・、12b,12b・・・とからなるクロスフィンコイル型の空気熱交換器が採用されており、冷房運転時に熱交換器(蒸発器)表面で生じた凝縮水は、重力により当該熱交換器の伝熱フィン12b,12b・・・表面に沿って流下し、その下方に設けられている図示しないドレンパン部分に集められて室外に排出されるようになっている。
【0003】
今、このような熱交換器を備えて構成された従来の空気調和機用室内機の幾つかの形態を図6〜図10に示す。
【0004】
(1) 第1の形態(ラウンドフロータイプ)
先ず図6および図7は、天井埋込式ラウンドフロータイプの空気調和機用室内機の構成を示している。
【0005】
図中、先ず符号2は、当該天井埋込式空気調和機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その吸気・吹出パネル(下面パネル部)4が天井3と略同一平面状に連続するようにして、天井3内に埋設されている。
【0006】
そして、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4には、中央部に方形の空気吸込口5が設けられ、さらに、その内側に送風機として遠心ファンの一例であるターボファン11と該ターボファン11用のベルマウス6が連設されている。
【0007】
また、上記本体ケーシング2の吸気・吹出パネル4の上記空気吸込口5の外周部4方には、所定の幅の空気吹出口9,9・・が設けられている。
【0008】
そして、上記本体ケーシング2内には、上記空気吸込口5から上記ベルマウス6を経て上記空気吹出口9,9・・方向に到る全周方向の通風路10が形成されており、該通風路10の上記ベルマウス6の背後(図示上部)中央に位置して、その空気吸込側(後述する側板15側)が上記ベルマウス6に対応するターボファン11がファンモータ13およびファンモータ13の回転駆動軸13aを介して上記本体ケーシング2の天板2a部分に吊設されている。
【0009】
また、同通風路10には、例えば図7に示すように、当該ターボファン11の全周を囲む状態で方形環状の空気熱交換器12が設けられている。
【0010】
上記空気熱交換器12は、その下端をドレンパン8内に固定することによって支持されている。
【0011】
上記空気熱交換器12の熱交部は、例えば図10に示されるように、空気流Fの上流から下流方向に前後2列で、それぞれ交互に位置をズラせて配設された伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・の各々に対して所定のピッチを保って長手方向に多数枚嵌装並設された伝熱フィン12b,12b・・・と、該伝熱フィン12b,12b・・・並設方向の両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0012】
一方、上記ターボファン11は、上記ファンモータ13の回転駆動軸13aに対してボス部14aを介して固定された円形の主板14とターボファン羽根車内遠心方向への空気吸込口を形成する他端側筒状の側板15との間に多数枚の羽根(動翼羽根)16,16・・・を所定の翼角、所定の翼間隔で周方向に並設して構成されている。他方、その側板15の浅筒状の空気吸込側端部内側には、上記ベルマウス6の下流側筒状の空気流出口側端部が所定の隙間を保って相対回転可能に所定寸法遊嵌されている。
【0013】
上記ベルマウス6は、上記ターボファン羽根車の空気吸込口を形成している側板15の空気吸込側端部に対して上記本体ケーシング2側空気吸込口5からの空気を羽根車内遠心方向にスムーズに流入させるために、図示のように吸気・吹出パネル4への取付縁部から内方に延び、その空気流上流側から空気流下流側にかけて次第に開口径が縮小した所定曲率半径の空気流入口部と空気流出口部とからなる気流ガイド面を有して構成されている。
【0014】
そして、その形状により上記ターボファン羽根車の側板15に対応して、上記ターボファン羽根車の吸込側の空気を当該吸込側において吹出側遠心方向にスムーズに吸込ガイドすることによって送風時に生じる空力騒音を低減するようにしている(特許文献1を参照)。
【0015】
(2) 第2の形態(壁掛け形タイプ)
次に、図8は、図10のような空気熱交換器を採用して構成した壁掛け形空気調和機用室内機の構成を示している。
【0016】
すなわち、この第2の形態のものでは、上方側から下方側にλ字状に折り曲げられた所謂ラムダ形の空気熱交換器12とクロスフローファン11とを用いて上面側および前面側吸込み、斜め下方吹きの壁掛け型空気調和機用室内機1を構成しており、符号2は、当該壁掛け型空気調和機用室内機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その背面側パネル部分が当該部屋の壁面に当接するようにして、同壁面に設置されるようになっている。
【0017】
そして、上記本体ケーシング2の前面側から上面側には、空気吸込口2a〜2cが設けられ、その内側にはラムダ型の空気熱交換器12とクロスフローファン11が設けられている。ラムダ型の空気熱交換器12は、前部側上下2組の熱交部121,122と後部側1組の熱交部123とからなり、それらの内側下方にクロスフローファン11を設けて設置されている。クロスフローファン11は、スクロール構造の温調用送風通路10を介して上記本体ケーシング2の前面側底部の空気吹出口9から斜め下方に温調空気を吹出すようになっている。
【0018】
上記空気熱交換器12は、その前部側下部熱交部122および後部側熱交部123各々の下端を各々ドレンパン8a,8b内に固定することによって支持されている。
【0019】
上記空気熱交換器12の各熱交部121,122,123は、例えば図10に示されるように、空気流Fの上流から下流方向に前後2列で、それぞれ交互に位置をズラせて配設された伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・の各々に対して所定のピッチを保って長手方向に多数枚嵌装並設された伝熱フィン12b,12b・・・と、該伝熱フィン12b,12b・・・の並設方向の両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0020】
そして、該構成の場合、例えば冷房又は暖房運転時において、送風手段である上記クロスフローファン11が駆動されると、上記空気吸込口2a〜2cから室内の空気が吸込まれ、上記全体としてλ形状で熱交面積が大きく、しかも空気吸込領域が広い上述のような空気熱交換器12を介して低圧損で均一かつ効果的に熱交換された温調空気(冷気又は暖気)が、前面部下方の空気吹出口9から吹き出され、同温調空気が下方に降下して行くことによってユーザーに対する快適な冷房又は暖房空調環境が実現される(特許文献2を参照)。
【0021】
(3) 第3の形態(シングルフロータイプ)
さらに図9は、単一の送風通路10、単一のクロスフローファン11、単一の空気熱交換器12、単一の空気吹出口9を備えたシングルフロー型の天井埋込式空気調和機用室内機の構成が示されている。
【0022】
図9中、先ず符号2は、当該天井埋込式空気調和機内室内機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その吸気・吹出パネル(下面パネル部)6が天井3と略同一平面状に連続するようにして、天井3内に埋設されている。
【0023】
そして、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル6には、その左右方向一側部に長方形状の空気吸込口5が前後方向に延びて設けられ、さらに、その内側上方に熱交換器12が前後方向に延び、かつ、その左右幅方向の全体が一側部側第3,第2のドレンパン17c,17bから他側部側第1のドレンパン17a方向に下降傾斜する状態で配設されている(大傾斜部12a、小傾斜部12b)。
【0024】
また、上記本体ケーシング2の吸気・吹出パネル6における上記上記空気吸込口5の他方側(図示左側)位置には、所定の幅の空気吹出口9が前後方向に延びて設けられている。
【0025】
そして、それとともに上記本体ケーシング2内には上記空気吸込口5から上記空気吹出口9方向に到るスクロール構造の単一の送風通路10が形成されており、該送風通路10の上記熱交換器12の下流側背後(図示上部左側方)に位置してクロスフローファン11が設けられている。
【0026】
そして、同クロスフローファン11が回転すると、図示の矢印のように、空気吸込口5から吸込まれた空気が空気熱交換器12を通って冷却(又は加温)された後にクロスフローファン11を貫流して空気吹出口9から吹き出される。
【0027】
そして、この形態の場合にも、上記空気熱交換器12の各熱交部12a,12bは、例えば図10のように構成されている(熱交部の傾斜について、特許文献3を参照)。
【0028】
【特許文献1】特開2001−65493号公報(明細書1−10頁、図1−10)
【特許文献2】特開2004−353914号公報(明細書1−13頁、図1−4)
【特許文献3】特開2005−337571号公報(明細書1−16頁、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ところで、以上のような各空気調和機用室内機に適用された上記空気熱交換器12では、例えば同熱交換器12が蒸発器となる冷房運転時の場合、上記伝熱フィン12b,12b・・・の伝熱面上で空気中の水分が凝縮し、同伝熱面上に上述のように結露が生じる。
【0030】
さらに、それに加えて、同空気調和機用室内機の冷房運転時、例えば上記第1の形態などでは、図7中に矢印で示すように、熱交換器12への空気の流入が伝熱フィン(熱交フィン)12b,12b・・・に平行ではなく、所定値以上の流入角度が存在する。そのため、例えば図11に示すように、伝熱フィン12b,12b・・・間において、伝熱フィン12b,12b・・・から剥離する流れと伝熱フィン12b,12b・・・に衝突する流れとの2つの流れが生じる。この場合、前者は冷却が不良となるのに対し、後者では冷却が良好となる。そして、伝熱フィン12b,12b・・・間でこの両者が混合されると、高温高湿な空気と低温で飽和に近い空気とが混合されることになり、霧吹きが発生しやすくなる。
【0031】
また、上記第2,第3の形態のように、熱交換器12からの空気の流出が伝熱フィン12b,12b・・・に平行ではなく、所定値以上の流出角度が存在したり、熱交換器12からの流出直後に流れの乱れがある場合(図8、図9中の矢印部を参照)、例えば図12に示すように、伝熱フィン12b,12b・・・面近傍の冷却された空気と、伝熱フィン12b,12b・・・間中央部の冷却不十分な空気とが混合されることになり、同様に霧吹きが発生しやすくなる。
【0032】
そこで、本願発明は、このような霧吹きの問題を解決するために、上述のような熱交換器において、その伝熱フィンの前縁部又は後縁部、さらには前後両縁部を所定長さ延設するとともに、該延設部と元のフィンとの間に断熱部を設けることによって、延設部での整流作用により空気流入角の解消を図るとともに、断熱部で温度差を解消し、それぞれ有効に霧吹きの発生を防止し得るようにした熱交換器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0034】
(1) 請求項1の発明
この発明の熱交換器は、伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部を延設し、同延設部12c,12c・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0035】
このような構成によれば、上記前縁側延設部12c,12c・・・での整流作用によって空気流入角を解消することができ、さらに断熱部21,21・・・で温度差を解消することができ、それによって、霧吹きの発生を防止することが可能となる。
【0036】
(2) 請求項2の発明
この発明の熱交換器は、伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の後縁部を延設し、同延設部12d,12d・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、上記後縁側延設部12d,12d・・・での整流作用によって空気流入角を解消することができ、さらに断熱部21,21・・・で温度差を解消することができ、それによって、霧吹きの発生を防止することが可能となる。
【0038】
(3) 請求項3の発明
この発明の熱交換器は、伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・に対してクロスする状態で多数枚並設された伝熱フィン12b,12b・・・とからなる熱交換器であって、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部および後縁部をそれぞれ延設し、同延設部12c,12c・・・、12d,12d・・・と元のフィンとの間に断熱部21,21・・・、21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0039】
このような構成によれば、上記前縁側延設部12c,12c・・・および後縁側延設部12d,12d・・・での各整流作用によって、それぞれ空気の流入角を解消することができ、さらに各々の断熱部21,21・・・、21,21・・・で温度差を解消することができ、それによって、霧吹きの発生を防止することが可能となる。
【0040】
(4) 請求項4の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、断熱部21,21・・・が当該フィン長手方向に延びる切り込みであることを特徴としている。
【0041】
このような切り込みによると、伝熱フィン12b,12b・・・表面の平面度や伝熱面積を変えることなく、つまりフィン面上の空気の流れを乱すことなく、また伝熱性能を低下させることなく、有効な整流および断熱作用を発揮させることができる。
【0042】
(5) 請求項5の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、断熱部21,21・・・が当該フィン長手方向に延びるスリットであることを特徴としている。
【0043】
このようなスリットによると、フィン表面積の平面度や伝熱面積を大きく変えることなく、したがって空気の流れを乱すことなく、また伝熱性能を低下させることなく、有効な整流および断熱作用を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0044】
以上の結果、本願発明によると、霧吹き等が生じない空気調和機用の室内機に適した空気熱交換器を簡単かつ低コストに提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(最良の実施の形態1)
図1および図2は、本願発明の最良の実施の形態1に係る空気調和機用室内機に適した空気熱交換器の構成および作用を示している。
【0046】
すなわち、この空気熱交換器は、例えば空気流(矢印参照)の上流側から下流側方向に前後2列で、それぞれ交互に位置をズラせて千鳥状に配設された伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・の各々に対して所定のピッチを保って長手方向に多数枚嵌装並設された上下方向に長い伝熱フィン12b,12b・・・と、該伝熱フィン12b,12b・・・の並設方向両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0047】
そして、この実施の形態の場合、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部を本来の長さ(幅)よりも所定の長さlだけ前方(上流側)に延設し、同延設部12c,12c・・・と元のフィン前縁との間に上下方向に延びる所定の長さの間欠的な切り込みよりなる断熱部21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0048】
このような構成によると、例えば図2に詳細に示されるように、熱交換器への空気の流入が伝熱フィン12b,12b・・・に平行ではなく、所定の流入角度(傾斜角)が存在するような場合でも、延設部12c,12c・・・で整流されて流入角度が解消される。また、同切り込みよりなる断熱部21,21・・・の存在により延設部12c,12c・・・は、伝熱管12a,12a・・・から断熱されているため、冷却の良・不良が生じず、霧吹きが発生しにくくなる。
【0049】
また、同構成では、上記断熱部21,21・・・が当該伝熱フィン12b,12b・・・の長手方向に延びる切り込みにより形成されている。
【0050】
このような切り込みによると、伝熱フィン12b,12b・・・表面の平面度や伝熱面積を変えることなく、したがって空気の流れを乱すことなく、また伝熱性能を低下させることなく、有効な整流および断熱作用を発揮させることができる。
【0051】
これらの結果、この実施の形態によると、霧吹き等が生じない空気調和機用の室内機に適した熱交換器を簡単かつ低コストに提供することができるようになる。
【0052】
(最良の実施の形態2)
図3および図4は、本願発明の最良の実施の形態2に係る空気調和機用室内機に適した空気熱交換器の構成および作用を示している。
【0053】
すなわち、この実施の形態の空気熱交換器は、例えば空気流(矢印参照)の上流側から下流側方向に前後2列で、それぞれ交互に位置をズラせて千鳥状に配設された伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・の各々に対して所定のピッチを保って長手方向に多数枚嵌装並設された上下方向に長い伝熱フィン12b,12b・・・と、該伝熱フィン12b,12b・・・の並設方向両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0054】
そして、この実施の形態の場合、上記伝熱フィン12b,12b・・・の後縁部を本来の長さ(幅)よりも所定の長さlだけ後方(下流側)に延設し、同延設部12d,12d・・・と元の伝熱フィン12b,12b・・・後縁との間に上下方向に延びる所定の長さの間欠的な切り込みよりなる断熱部21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0055】
このような構成によると、例えば図4に詳細に示すように、伝熱フィン12b,12b・・・の伝熱面近傍の冷却された空気と、伝熱フィン12b,12b・・・間の中央部の冷却不十分な空気との、温度・湿度の不均一さが、実質的に素材として分断された切り込みよりなる断熱部21,21・・・により伝熱管12a,12a・・・から断熱された延設部12d,12d・・・の存在によって確実に解消される。
【0056】
また、同構成では、断熱部21,21・・・が当該伝熱フィン12b,12b・・・の長手方向に延びる切り込みにより形成されている。
【0057】
このような切り込みによると、伝熱フィン12b,12b・・・自体の表面の平面度や伝熱面積を変えることなく、また空気の流れを乱すことなく、有効な整流および断熱作用を発揮させることができる。
【0058】
これらの結果、この実施の形態によると、霧吹き等が生じない空気調和機用の室内機に適した熱交換器を簡単かつ低コストに提供することができるようになる。
【0059】
(最良の実施の形態3)
図5は、本願発明の最良の実施の形態3に係る空気調和機用室内機に適した空気熱交換器の構成および作用を示している。
【0060】
すなわち、この空気熱交換器は、例えば空気流(矢印参照)の上流側から下流側方向に前後2列で、それぞれ交互に位置をズラせて千鳥状に配設された伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・と、該伝熱管12a,12a・・・、12a,12a・・・の各々に対して所定のピッチを保って長手方向に多数枚嵌装並設された上下方向に長い伝熱フィン12b,12b・・・と、該伝熱フィン12b,12b・・・の並設方向両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0061】
そして、この実施の形態の場合、上記伝熱フィン12b,12b・・・の前縁部と後縁部の両方を本来の長さ(幅)よりも所定の長さlだけ各々前方(上流側)および後方(下流側)の両方にそれぞれ延設し、同延設部12c,12c・・・、12d,12d・・・と元のフィン前縁、後縁との間に上下方向に延びる上に各実施の形態の場合と同様の所定の長さの間欠的な切り込みよりなる断熱部21,21・・・、21,21・・・を設けたことを特徴としている。
【0062】
このような構成によると、上述した最良の実施の形態1と最良の実施の形態2の両方の作用効果を併せ持たせることができ、より霧吹きが発生しにくくなる。
【0063】
(その他の形態)
なお、上述の断熱部21,21・・・の構成としては、以上に述べた切り込みのほかに、例えば幅の狭いスリットに変更してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本願発明の最良の実施の形態1に係る空気熱交換器の構成を示す一部切欠正面図である。
【図2】同空気熱交換器の要部の構成を拡大して、その作用を示す一部切欠断面図(水平断面図)である。
【図3】本願発明の最良の実施の形態2に係る空気熱交換器の構成を示す一部切欠正面図(水平断面図)である。
【図4】同空気熱交換器の要部の構成を拡大して、その作用を示す一部切欠断面図である。
【図5】本願発明の最良の実施の形態3に係る空気熱交換器の構成を示す一部切欠正面図である。
【図6】従来の第1の形態に係る空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図7】同第1の形態の空気調和機用室内機における熱交換器に対する空気の流入状態を示す図である。
【図8】従来の第2の形態に係る空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図9】従来の第3の形態に係る空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図10】図6、図8、図9の各形態の空気調和機用室内機における熱交換器の構成を示す一部切欠正面図である。
【図11】図10の熱交換器の伝熱フィンに対して所定の流入角を有して空気が流入する場合の問題点を示す説明図である。
【図12】図10の熱交換器において、伝熱フィン間下流に流れの乱れがある場合の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1は空気調和機用室内機、12は熱交換器、12a,12a・・・は伝熱管、12b,12b・・・は伝熱フィン、12c,12c・・・、12d,12d・・・は延設部、21,21・・・は断熱部である。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成19年3月7日(2007.3.7)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博


【公開番号】 特開2008−215758(P2008−215758A)
【公開日】 平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願番号】 特願2007−56623(P2007−56623)