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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】柴田 豊

【氏名】兵頭 孝之

【氏名】大宅 秀雄

【要約】 【課題】空気調和機用室内機等の空気熱交換器からの水飛びおよび霧吹きを防止する。

【解決手段】その一部又は全部が、送風通路中において水平方向に所定角以上傾けた状態で設置される空気調和機用等の熱交換器において、同水平方向に所定角以上傾斜した熱交換器部分の下側端面の鉛直方向に凝縮水ガイド用のスリット又はルーバー等切起し片のない水通路を形成し、同水通路を介して伝熱フィンのフィン面に生じた凝縮水をスムーズかつ速やかに下方側ドレンパン内に流下させることにより、水飛びや霧吹きの発生を防止した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱管11,11・・・、12,12・・・と、該伝熱管11,11・・・、12,12・・・に対してクロスする状態で、伝熱管11,11・・・、12,12・・・方向に多数枚並設された伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・と、該伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面に設けられた切起し片13,13・・・、14,14・・・とからなる熱交換器であって、同熱交換器の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の、同熱交換器を水平方向に所定角以上傾けて設置した際に鉛直になる方向に沿って所定の幅だけ切起し片13,13・・・、14,14・・・のない水通路部15,15・・・、16,16・・・を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
切起し片13,13・・・、14,14・・・のない水通路部15,15・・・、16,16・・・には、同水通路部15,15・・・、16,16・・・に沿って凝縮水排出用の水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・が設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・を伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の前後両端までは伸ばさず、前後両端面部に水ガイド溝のない溝非形成部を設けたことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
水ガイド溝17a,17a・・・、17b,17b・・・と溝非形成部を、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・のフィン列ごとに設けたことを特徴とする請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
熱交換器は、天井埋込型空気調和機用室内機の熱交換器であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、空気調和機用室内機等の熱交換器の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば空気調和機用室内機の熱交換器としては、一般にクロスフィンコイル型の空気熱交換器が採用されており、冷房運転時に熱交換器(蒸発器)表面で生じた凝縮水は、重力により熱交換器の伝熱フィン表面に沿って流下し、その下方に設けられているドレンパン部分に集められて室外に排出されるようになっている(第1の従来例)。
【0003】
今、このような熱交換器を備えて構成された従来の空気調和機用室内機の構成を、図10および図11に示す。
【0004】
すなわち、この従来例では、上方側から下方側にλ字状に折り曲げられた所謂ラムダ形の空気熱交換器32とクロスフローファン31とを用いて上面側および前面側吸込み、斜め下方吹きの壁掛け型空気調和機用室内機1を構成しており、符号20は、当該壁掛け型空気調和機用室内機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング20は、その背面側パネル部分が当該部屋の壁面に当接するようにして、同壁面に設置されるようになっている。
【0005】
そして、上記本体ケーシング20の前面側から上面側には、空気吸込口25が設けられ、その内側にはラムダ型の空気熱交換器32とクロスフローファン31が設けられている。ラムダ型の空気熱交換器32は、前部側長尺部32aと後部側短尺部32bとからなり、それらの内側下方にクロスフローファン31を設けて設置されている。クロスフローファン31は、スクロール構造の温調用送風通路30を介して本体ケーシング20の前面側底部の空気吹出口29から斜め下方に温調空気を吹出すようになっている。
【0006】
上記空気熱交換器32は、その前部側長尺部32aおよび後部側短尺部32b各々の下端を各々ドレンパン28a,28b内に固定することによって支持されている。
【0007】
上記空気熱交換器32の熱交部は、図11に示されるように、例えば前後2列で、交互に位置をズラせて配設された伝熱管11,11・・・、12,12・・・と、該伝熱管11,11・・・、12,12・・・の各々に対して所定のピッチを保って多数枚嵌装並設された伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・と、該伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面上の各伝熱管11,11・・・、12,12・・・間の上下スペース領域において設けられた前後複数列のスリット(又はルーバー)よりなる切り起し片13,13・・・、14,14・・・と、これらの両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0008】
したがって、該構成の場合、例えば冷房又は暖房運転時において、送風手段である上記クロスフローファン31が駆動されると、上記λ形状の熱交面積が大きく、しかも空気吸込領域の広い空気熱交換器32を介して低圧損で均一かつ効果的に熱交換された温調空気(冷気又は暖気)が、前面部下方の空気吹出口29から吹き出され、同空気が下方に降下して行くことによってユーザーに対する快適な冷房又は暖房空調環境が実現される。
【0009】
そして、このような壁掛け型の空気調和機用室内機に適用された上記空気熱交換器32では、特に同熱交換器32が蒸発器となる冷房運転時の場合、上記伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面上で空気中の水分が凝縮し、同伝熱面上に多数の結露が生じるとともに、それらが上記スリット(又はルーバー)よりなる切り起し片13,13・・・、14,14・・・の内側にも入り込む。
【0010】
しかし、同構成の場合、上記空気熱交換器32は、例えば図10からも明らかなように、略鉛直状態に近い極めて小さな傾斜角(水平方向を最大として)で設置されている。
【0011】
したがって、それら結露水は重力によつてスムーズにフィン面に沿って斜め下方に流れ落ち、ドレンパン28a,28b内に集められる。その結果、風量が大きいような時にも、そのまま空気吹出口29方向に吹き飛ばされて水飛びを生じさせたり、霧状の水分を吹き出すようなことは生じない。
【0012】
ところが、空気調和機用室内機の機種によっては、例えば図12に示されるように、その構造上、空気熱交換器42が風上側を鉛直方向から下向きに大きく傾けて設置されているものがあり、そのような場合、重力の向きと風の向きが逆になるため、上述した凝縮水の挙動が不安定となり、空気吹出口49からの水飛びや霧吹きが生じることがある(第2の従来例)。
【0013】
この図12の空気調和機用室内機は、単一の送風通路40、単一のクロスフローファン41、単一の空気熱交換器42、単一の空気吹出口49を備えたシングルフロー型の天井埋込式の空気調和機用室内機となっている。
【0014】
図中、先ず符号50は、当該天井埋込式空気調和機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング50は、その吸気・吹出パネル(下面パネル部)44が天井3と略同一平面状に連続するようにして、天井3内に埋設されている。
【0015】
そして、上記本体ケーシング50の上記吸気・吹出パネル44には、その左右方向一側部に長方形状の空気吸込口45が前後方向に延びて設けられ、さらに、その内側上方に図11のものと同様の熱交換器42が前後方向に延び、かつ、その左右幅方向の全体が一側部側から他側部側第1のドレンパン(メインドレンパン)48a方向に下降傾斜する状態で配設されている。
【0016】
また、上記本体ケーシング50の吸気・吹出パネル44における上記上記空気吸込口45の他方側(図示左側)位置には、所定の幅の空気吹出口49が前後方向(紙面貫通方向)に延びて設けられている。
【0017】
そして、それとともに上記本体ケーシング50内には上記空気吸込口45から上記空気吹出口49方向に到るスクロール構造の単一の送風通路40が形成されており、該送風通路40の上記熱交換器42の下流側背後(図示上部左側方)に位置してクロスフローファン41が設けられている。そして、同クロスフローファン41が回転すると、図示の矢印のように、空気吸込口45から吸込まれた空気が空気熱交換器42を通って冷却された後にクロスフローファン41を貫流して空気吹出口49から吹き出される。
【0018】
このような空気調和機用室内機に適用された上記空気熱交換器42では、同熱交換器42が蒸発器となる冷房運転時の場合、上記図11の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面上で空気中の水分が凝縮し、同伝熱面上に多数の結露が生じるとともに、それらがスリット(又はルーバー)よりなる切り起し片13,13・・・、14,14・・・の内側にも入り込む。
【0019】
しかも、同構成の場合、上記空気熱交換器42は、図12から明らかなように、略水平状態に近い大きな傾斜角で設置されている。
【0020】
したがって、このような場合、重力の向きと風の向きが逆になるため、上述した凝縮水の挙動が不安定となり、空気吹出口49からの水飛びや霧吹きが生じる。
【0021】
このような凝縮水対策の問題に関連して、例えば上記同様の平行に配置された前後2列の伝熱管と、該伝熱管に対して直交状態で嵌挿配置された板状の伝熱フィンとからなる空気熱交換器において、上記伝熱フィンに、上記伝熱管の後流側における伝熱管からフィン後縁端に至るフィン幅がフィン前縁端から伝熱管に至るフィン幅よりも広くなるように面積拡大部を一体形成したものがある(例えば最も近い第3の従来例として、特許文献1の内容を参照)。
【0022】
このような構成によれば、当該熱交換器を上述のうように蒸発器として使用したような場合(特に油煙の多い厨房等において蒸発器として使用した場合)に、伝熱管の後流側は他の部分(例えば伝熱管相互間)より温度が低くなる傾向があるが、当該部分に面積拡大部が形成されているので、温度の高い伝熱管相互間からの熱影響を受け易くなり、温度の均一化が進むことになる。
【0023】
したがって、それにより伝熱管の後流側を流れる空気流の温度低下が緩和され、同部分では空気流の温度が露点温度以下になりにくくなるので、霧成分の発生を抑制することができる。
【0024】
【特許文献1】特開平10−185476号公報(明細書1−3頁、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかし、この従来例の構成の場合、上述のように伝熱管の後流側を流れる空気流の温度低下を緩和するだけであるから、厨房の油煙等に起因する霧吹きを防止することはできるとしても、上述した挙動不安定な結露水の滞留による水飛びや霧吹きまでは防止することができない。
【0026】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、所定角以上水平方向に傾斜した熱交換器伝熱フィンのフィン面の鉛直方向に凝縮水流下用の水通路部を形成し、同水通路部を介してフィン面に生じた結露水を速やかに下方側ドレンパン内に流下させることにより、水飛びや霧吹きの発生を防止できるようにした空気調和機用室内機等に適した熱交換器を提供することを目的とするものである。。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0028】
(1) 請求項1の発明
この発明の熱交換器は、伝熱管11,11・・・、12,12・・・と、該伝熱管11,11・・・、12,12・・・に対してクロスする状態で、伝熱管11,11・・・、12,12・・・方向に多数枚並設された伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・と、該伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面に設けられた切起し片13,13・・・、14,14・・・とからなる熱交換器であって、同熱交換器の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の、同熱交換器を水平方向に所定角以上傾けて設置した際に鉛直になる方向に沿って所定の幅だけ切起し片13,13・・・、14,14・・・のない水通路部15,15・・・、16,16・・・を設けたことを特徴としている。
【0029】
このような構成によれば、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の表面に生じた凝縮水が鉛直方向に延びる水通路部15,15・・・、16,16・・・によってガイドされ、スムーズにフィン下縁側に流れるようになり、フィン下縁部を介して下方のドレンパン内に速やかに導入されるようになる。
【0030】
その結果、伝熱フィン途中のフィン面やスリット(又はルーバー)部分に滞留する結露水がなくなり、略確実に水飛びおよび霧吹き現象を防止することができる。
【0031】
(2) 請求項2の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項1の発明の構成において、切起し片13,13・・・、14,14・・・のない水通路部15,15・・・、16,16・・・には、同水通路部15,15・・・、16,16・・・に沿って凝縮水排出用の水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・が設けられていることを特徴としている。
【0032】
このように、スリット又はルーバー等の切起し片13,13・・・、14,14・・・を無くした水通路部15,15・・・、16,16・・・に、同水通路部15,15・・・、16,16・・・部に沿って凝縮水排出用の水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・を設けると、同水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・によって上記凝縮水が集合され、その流下が促進される。その結果、挙動不安定な凝縮水の滞留を防いで、水飛び、霧吹き現象を、一層有効に防止することができるようになる。
【0033】
(3) 請求項3の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項2の発明の構成において、水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・を伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の前後両端までは伸ばさず、前後両端面部に水ガイド溝のない溝非形成部を設けたことを特徴としている。
【0034】
このように凝縮水排出用の水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・を伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の前後両端までは伸ばさず、前後両端面部に水ガイド溝のない溝非形成部を設けるようにしても、上記の場合と同様に凝縮水の流下を促進し、挙動不安定な凝縮水の滞留を防いで、より効果的に水飛び、霧吹き現象を防止することができるようになる。
【0035】
(4) 請求項4の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項3の発明の構成において、水ガイド溝17a,17a・・・、17b,17b・・・と溝非形成部を、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・のフィン列ごとに設けたことを特徴としている。
【0036】
このように凝縮水排出用の水ガイド溝17,17・・・、17a,17a・・・、17b,17b・・・と同水ガイド溝の非形成部を、複数列の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の各列ごとに設けるようにしても、略上述の場合と同様に凝縮水の流下を促進し、凝縮水の滞留を防いで水飛び、霧吹き現象を有効に防止することができる。
【0037】
(5) 請求項5の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項1,2,3又は4の発明の構成において、熱交換器は、天井埋込型空気調和機用室内機の熱交換器であることを特徴としている。
【0038】
以上の各発明の構成の熱交換器によれば、当該熱交換器が空気調和機用室内機の熱交換器であり、その一部又は全部が同空気調和機用室内機の送風通路中において所定角以上水平方向に傾けた状態で設置され、同所定角以上傾斜した熱交換器の伝熱フィン部分に切起し片のない凝縮水ガイド用の水通路部、水ガイド溝を有し、水飛びや霧吹き現象を生じさせない空気調和機用室内機が適切に構成される。
【発明の効果】
【0039】
以上の結果、本願発明によると、水飛びや霧吹き現象が生じることなく、快適性が高い空気調和機用の室内機に特に適した熱交換器を簡単かつ低コストに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(最良の実施の形態1)
図1および図2は、本願発明の最良の実施の形態1に係る空気調和機用室内機および同室内機の熱交換器部分の構成を示している。この実施の形態では、例えば空気調和機用室内機として、単一の送風通路40、単一のクロスフローファン41、単一の空気熱交換器42、単一の空気吹出口49を備えたシングルフロー型の天井埋込式空気調和機が採用されている。
【0041】
図1中、先ず符号50は、当該天井埋込式空気調和機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング50は、その吸気・吹出パネル(下面パネル部)44が天井3と略同一平面状に連続するようにして、天井3内に埋設されている。
【0042】
そして、上記本体ケーシング50の上記吸気・吹出パネル44には、その左右方向一側部に長方形状の空気吸込口45が前後方向に延びて設けられ、さらに、その内側上方に熱交換器42が前後方向に延び、かつ、その左右幅方向の全体が一側部側から他側部側第1のドレンパン48方向に下降傾斜する状態で配設されている。
【0043】
また、上記本体ケーシング50の吸気・吹出パネル44における上記上記空気吸込口45の他方側(図示左側)位置には、所定の幅の空気吹出口49が前後方向に延びて設けられている。
【0044】
そして、それとともに上記本体ケーシング50内には上記空気吸込口45から上記空気吹出口49方向に到るスクロール構造の単一の送風通路40が形成されており、該送風通路40の上記熱交換器42の下流側背後(図示上部左側方)に位置してクロスフローファン41が設けられている。
【0045】
そして、同クロスフローファン41が回転すると、図示の矢印のように、空気吸込口45から吸込まれた空気が空気熱交換器42を通って冷却(又は加温)された後にクロスフローファン41を貫流して空気吹出口49から吹き出される。
【0046】
ところで、この実施の形態の場合、上記空気熱交換器42は、例えば図2のように構成されている。
【0047】
すなわち空気熱交換器42は、例えば2列で、交互に位置をズラせて配設された伝熱管11,11・・・(下流側)、12,12・・・(上流側)と、該伝熱管11,11・・・、12,12・・・の各々に対して所定のピッチを保って多数枚嵌装並設された伝熱フィンA,A・・・(下流側)、B,B・・・(上流側)と、該伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の伝熱面上の各伝熱管11,11・・・、12,12・・・間の上下スペース領域において設けられた前後複数列のスリット(又はルーバー)よりなる切り起し片13,13・・・、14,14・・・と、これらの両端側に設けられた図示しない管板とから構成されている。
【0048】
そして、同熱交換器42の上記伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の各伝熱面には、同熱交換器42を例えば水平方向に近く所定角以上傾けて設置した際に鉛直になる方向に沿って、図示のように所定の幅だけ切起し片13,13・・・、14,14・・・のない(切起し片13,13・・・、14,14・・・を分割した)水通路部15,15・・・、16,16・・・が設けられている。
【0049】
このような構成によれば、伝熱フィン表面に生じた結露水が鉛直方向に延びる切起し片13,13・・・、14,14・・・のないフラットな水通路部15,15・・・、16,16・・・によってガイドされ、スムーズに図1のような該設置状態において下部側となる(図2の右側の)上流側の伝熱フィンB,B・・・の下縁側に流れるようになり、同伝熱フィンB,B・・・の下縁部を通して下方の熱交換器幅方向の各部をカバーするように設けられた第1〜第3の各ドレンパン48a,48b,48c内に導入されるようになる。
【0050】
その結果、上記伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・途中のフィン面やスリット(又はルーバー)等切起し片13,13・・・、14,14・・・部分に滞留する凝縮水がなくなり、略確実に水飛びおよび霧吹き現象を防止することができるようになる。
【0051】
その結果、同実施形態の構成によると、水飛びおよび霧吹きの生じににくい快適性の高い空気調和機用室内機を低コストに実現することができる。
【0052】
なお、以上の説明および図示の形態における切り起し片13,13・・・、14,14・・・のスリット又はルーバーについては、もちろん各種の形態および個数、列数のものを採用することができる。
【0053】
(最良の実施の形態2)
次に図3および図4は、本願発明の熱交換器を採用して構成した最良の実施の形態2に係る空気調和機用室内機および同室内機の熱交換器の伝熱フィン部分の構成を示している。
【0054】
この実施の形態では、上記最良の実施の形態1のものと同様の熱交換器構造を採用したシングルフロータイプの空気調和機用室内機において、同熱交換器42の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・伝熱面上の上述した相互に連続する水通路部15,15・・・、16,16・・・の中央に同水通路部15,15・・・、16,16・・・の全長に亘って延びる、例えば図5の(a),(b),(c)に示すような断面形状(a:半円形状、b:三角形状、c:角形形状)の水ガイド溝17,17・・・を設けて、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の表面に生じた凝縮水を溝部に集めて、下方に効率良く流下させるようにしたことを特徴とするものである。
【0055】
このような構成によると、上述した最良の実施の形態1の場合のように、上部側伝熱フィンA,A・・・の第1の水通路15,15・・・から下部側伝熱フィンB,B・・・の第2の水通路16,16・・・に向かう凝縮水が、上記水ガイド溝17,17・・・内に引き込まれて1本の筋状の流れとなり、切起し片14,14・・・方向に広がることなく、より確実に伝熱フィンB,B・・・の下縁側に集中して下方の第1〜第3の各ドレンパン48a,48b,48c内に速やかに導入される。
【0056】
その結果、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・途中のフィン面やスリット(又はルーバー)等切起し片13,13・・・、14,14・・・部分に滞留する凝縮水がなくなり、略確実に水飛びおよび霧吹き現象を防止することができる。
【0057】
(変形例)
なお、以上のような水ガイド溝17,17・・・は、必ずしも上記のように2列の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の水通路部15,15・・・、16,16・・・の全長に亘って設ける必要はなく、例えば図6のように並設一体化された伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の上下両端側で縁部の一部を残して形成するようにしてもよい。またその場合、さらに図7に示すように、各列の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・毎に個別に水通路17a,17a・・・,17b,17b・・・を設けるようにしてもよい。
【0058】
これらの各構成を採用した場合にも、上述した最良の実施の形態1の場合のように、上部側伝熱フィンA,A・・・の第1の水通路15,15・・・から下部側伝熱フィンB,B・・・の第2の水通路16,16・・・に向かう凝縮水が上記実施の形態2のように、上記各水通路17,17・・・および17a,17a・・・,17b,17b・・・内に引き込まれて1本の筋状の流れとなり、切起し片14,14・・・方向に広がることなく、より確実に伝熱フィンB,B・・・の下縁側に集中して下方の第1〜第3のの各ドレンパン48a,48b,48c内に速やかに導入される。
【0059】
その結果、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・途中のフィン面やスリット(又はルーバー)等切起し片13,13・・・、14,14・・・部分に滞留する凝縮水がなくなり、確実に水飛びおよび霧吹き現象を防止することができる。
【0060】
(最良の実施の形態3)
次に図8および図9は、本願発明の熱交換器を採用して構成した最良の実施の形態3に係る空気調和機用室内機および同室内機の熱交換器の伝熱フィン部分の構成を示している。
【0061】
この実施の形態では、上記最良の実施の形態1のものと同様の熱交換器構造を採用したシングルフロータイプの空気調和機用室内機において、同様に熱交換器42の2列の伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・の各フィン面のスリット(又はルーバー)よりなる切起し片13,13・・・、14,14・・・を上下に分割して切起し片のない水通路15,15・・・、16,16・・・を形成する一方、同水通路15,15・・・、16,16・・・の内の下部側伝熱フィンB,B・・・の水通路16,16・・・部分に、同水通路16,16・・・方向に沿った所定の深さの切込み18,18・・・を入れたことを特徴とするものである。
【0062】
この切込み18,18・・・の深さは、同下部側伝熱フィンB,B・・・のフィン幅程度のものとなっている。
【0063】
このような構成によると、上述した最良の実施の形態1の場合のように、上部側伝熱フィンA,A・・・の第1の水通路15,15・・・から下部側伝熱フィンB,B・・・の第2の水通路16,16・・・に向かう凝縮水が、下部側第2の水通路16,16・・・部分に入ると、上記切込み18,18・・・部分に引き寄せられて1本の筋状の流れとなり、切起し片14,14・・・方向に広がることなく、確実に伝熱フィンB,B・・・の下縁側に集中して下方の第1〜第3の各ドレンパン48a,48b,48c内に速やかに導入される。
【0064】
その結果、伝熱フィンA,A・・・、B,B・・・途中のフィン面やスリット(又はルーバー)等切起し片13,13・・・、14,14・・・部分に滞留する凝縮水がなくなり、確実に水飛びおよび霧吹き現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本願発明の最良の実施の形態1に係る空気熱交換器を採用して構成した空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図2】同空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す一部切欠正面図である。
【図3】本願発明の最良の実施の形態2に係る空気熱交換器を採用して構成した空気調和機要部室内機の構成を示す断面図である。
【図4】同空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す一部切欠断面図である。
【図5】図4に示された水ガイド用溝部の具体的な断面形状の3つの例(a)〜(c)を示す断面図である。
【図6】本願発明の最良の実施の形態2の第1の変形例に係る空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す正面図である。
【図7】本願発明の最良の実施の形態2の第2の変形例に係る空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す正面図である。
【図8】本願発明の最良の実施の形態3に係る空気熱交換器を採用して構成した空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図9】同空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す一部切欠正面図である。
【図10】第1の従来例に係る空気熱交換器を採用して構成した空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【図11】同空気熱交換器の要部(フィン部)の構成を示す一部切欠断面図である。
【図12】第2の従来例に係る空気熱交換器を採用して構成した空気調和機用室内機の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1は空気調和機用室内機、3は天井、11,12は伝熱管、13,14は切起し片、15,16は水通路、17は水ガイド用の溝部、17aは水ガイド用の第1の溝部、17bは水ガイド用の第2の溝部、18は切込み部、40は送風通路、44は天井パネル、45は空気吸込口、49は空気吹出口、48a〜48cは第1〜第3のドレンパンである。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成19年2月21日(2007.2.21)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博


【公開番号】 特開2008−202872(P2008−202872A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−40264(P2007−40264)