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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】端 聖一

【要約】 【課題】冷媒流路が蛇行状に曲折される空調用熱交換器等であって、各チューブ間を連結する連結部の構造が簡単で、その流路抵抗の少ないものの提供。

【解決手段】一対の第1プレート5および第2プレート8に夫々線対称に多数の第1凹部4、第2凹部6を配置するとともに、第2凹部6に複数のチューブ挿通孔7およびその口縁部に小筒部10を設ける。そして、第1プレート5と第2プレート8とを一体に接合して連結部材9を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のチューブ(1) が互いに平行に並列されると共に、チューブ(1) の外面に多数のフィン(2) を接触固定してコア(3) が構成され、その各チューブ(1) の端部間を連結して蛇行状の流路が形成される熱交換器において、
多数の第1凹部(4) が互いに離間して形成された第1プレート部(5) と、前記各第1凹部(4) に整合する多数の第2凹部(6) が互いに離間して形成され且つ、その各第2凹部(6) に前記チューブ(1) の端部に整合する複数のチューブ 連通孔(7) が互いに離間して形成された第2プレート部(8) と、を具備し、
夫々の第1凹部(4) と第2凹部(6) とが互いに対向するように両プレート部(6)(8) が重ね合わされて夫々の凹部(4)(6) 内に小タンク部(16) を形成するとともに、その各小タンク部(16) 以外の部分が一体に液密に接合されて、多数の小タンク部(16) 付きの偏平な連結部材(9) を構成し、
その連結部材(9) が前記コア(3) の側面に配置されて、夫々の小タンク部(16) の各チューブ挿通孔(7) に前記各チューブ(1) の端部が液密に挿通固定されてなる熱交換器。
【請求項2】
請求項1において、
一枚の金属板により第1プレート部(5) の各第1凹部(4) と第2プレート部(8) の各第2凹部(6) とが線対称に一体にプレス成形され、その対称線(11) の位置で金属板が折り返されて、偏平な前記連結部材(9) を構成した熱交換器。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第2凹部(6) の各チューブ挿通孔(7) の孔縁部を外面側に突設して小筒部(10) が形成されてなる熱交換器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3において、
前記各チューブ(1) は、その軸線がU字状に形成されたものからなり、前記連結部材(9) が前記コア(3) の一側のみに配置された熱交換器。
【請求項5】
請求項1〜請求項3において、
前記各チューブ(1) は、その軸線が直線状に形成されたものからなり、一対の前記連結部材(9) が前記コア(3) の両側に配置された熱交換器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
第2プレート部(8) が第1プレート部(5) の縁より突出し、その突出部が断面L字状に形成されて熱交換器取付け用側板を兼ねる熱交換器。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒が蛇行状に流通する主として空調用熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調用の熱交換器は、主としてクロスフィンタイプのものである。この熱交換器は、多数のチューブ挿通孔を有するプレートフィンを並列し、それにヘアピンチューブを多数挿通し、そのチューブの端部間をUベンドチューブで連結することにより、冷媒流路を蛇行状に形成したものである。
また、Uベンドチューブを多数使用する代わりに、下記特許文献においては、第1プレート部に多数の凹部を形成しておき、その第1プレートに平坦な第2プレートを接合し、その第2プレートに多数のチューブ挿通孔を穿設しておく。そして、熱交換器コアの各チューブ端を第2プレートの孔に挿通し、各凹部によってチューブ端間を流路接続したものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−240468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各チューブの端部間をUベンドチューブで接続する従来の熱交換器は、熱交換器のコンパクト性に欠けるとともに、部品点数が多く組立作業性に欠ける欠点があった。また、上記特許文献に記載の発明の場合には、第1プレートをプレス成形して連結用の凹部を形成し、第2プレートは平坦に形成している。そのため、それらによる流路の深さが浅くならざるを得ず、冷媒の流路抵抗が増大するおそれがある。また、第1プレートにより深い凹部を形成するとすれば、冷媒の耐圧性に欠ける欠点がある。
そこで、本発明は係る問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、多数のチューブ(1) が互いに平行に並列されると共に、チューブ(1) の外面に多数のフィン(2) を接触固定してコア(3) が構成され、その各チューブ(1) の端部間を連結して蛇行状の流路が形成される熱交換器において、
多数の第1凹部(4) が互いに離間して形成された第1プレート部(5) と、前記各第1凹部(4) に整合する多数の第2凹部(6) が互いに離間して形成され且つ、その各第2凹部(6) に前記チューブ(1) の端部に整合する複数のチューブ 連通孔(7) が互いに離間して形成された第2プレート部(8) と、を具備し、
夫々の第1凹部(4) と第2凹部(6) とが互いに対向するように両プレート部(6)(8) が重ね合わされて夫々の凹部(4)(6) 内に小タンク部(16) を形成するとともに、その各小タンク部(16) 以外の部分が一体に液密に接合されて、多数の小タンク部(16) 付きの偏平な連結部材(9) を構成し、
その連結部材(9) が前記コア(3) の側面に配置されて、夫々の小タンク部(16) の各チューブ挿通孔(7) に前記各チューブ(1) の端部が液密に挿通固定されてなる熱交換器である。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、
一枚の金属板により第1プレート部(5) の各第1凹部(4) と第2プレート部(8) の各第2凹部(6) とが線対称に一体にプレス成形され、その対称線(11) の位置で金属板が折り返されて、偏平な前記連結部材(9) を構成した熱交換器である。
【0007】
請求項3記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
前記第2凹部(6) の各チューブ挿通孔(7) の孔縁部を外面側に突設して小筒部(10) が形成されてなる熱交換器である。
【0008】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜請求項3において、
前記各チューブ(1) は、その軸線がU字状に形成されたものからなり、前記連結部材(9) が前記コア(3) の一側のみに配置された熱交換器である。
【0009】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜請求項3において、
前記各チューブ(1) は、その軸線が直線状に形成されたものからなり、一対の前記連結部材(9) が前記コア(3) の両側に配置された熱交換器である。
【0010】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
第2プレート部(8) が第1プレート部(5) の縁より突出し、その突出部が断面L字状に形成されて熱交換器取付け用側板を兼ねる熱交換器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の熱交換器は、多数のチューブ1が並列され、その流路が蛇行状に形成されたものにおいて、一対の第1プレート部5、第2プレート部8を重ね合せて、多数の小タンク部16付きの偏平な連結部材9を構成し、その小タンク部16のチューブ挿通孔7にチューブ1の端部が液密に挿通固定されてなるものであるから、多数のチューブ1間を連結部材9により同時に一体的に連結することができる。しかも、各チューブ1の端部は小タンク部16のチューブ挿通孔7に挿通されて液密に挿通固定されるものであるから、それらの接続部の信頼性が向上する。
また、夫々の小タンク部16は、第1プレート部5の第1凹部4とそれに整合する第2プレート部8の第2凹部6とが対向してなり、各プレート部はプレス成形体からなるため、無理なく第1凹部4、第2凹部6を形成し、十分な容量の各小タンク部16を形成できる。それにより各チューブ1の接続部における流体抵抗を減少し、熱交換性能のよいものを提供できる。
【0012】
上記構成において、一枚の金属板をプレス成形により第1凹部4と第2凹部6とを線対称に設けた第1プレート部5と第2プレート部8とを一体に形成し、その対称線11の位置で金属板を折り返して偏平な連結部材9を構成した場合には、部品点数を少なくし、製造しやすく精度の高い熱交換器を提供できる。
上記いずれかの構成において、第2凹部6の各チューブ挿通孔7の孔縁部を外面側に突出させて、小筒部10を形成した場合には、その小筒部10とチューブ1との接続部の液密性をさらに向上しうる。
【0013】
上記いずれかの構成において、チューブ1としてその軸線がU字状に形成されたものを使用する場合には、連結部材9をコア3の一側面のみに配置することができ、構造の簡単な、信頼性の高い熱交換器を提供できる。
上記いずれかの構成において、チューブ1としてその軸線が直線状に形成されたものを使用する場合には、一対の連結部材9によって多数の各チューブ1間を連結することができる。
上記いずれかの構成において、第2プレート部8の端部を第1プレート部5の縁より突出し、その突出部を断面L字状に形成し、それを熱交換器取付け用側板とする場合には、全体として部品点数が少なく、強度の高い熱交換器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に図面に基づいて本発明の各実施の形態につき説明する。図1は本発明の熱交換器に用いられる連結部材9の要部を示し、(A)はその正面図、(B)はその展開図、(C)は同縦断面図であって、(B)のC−C上におけるものである。また、図2は同熱交換器の一部分解正面図を示し、図3は同要部正面図および同側面図である。
【0015】
この熱交換器は、図2および図3に示す如く、多数のプレート型のフィン2が小隙を有して並列され、そのチューブ挿通孔に多数のチューブ1が貫通しチューブ1とフィン2とが接触固定されたものである。この例ではチューブ1はその軸線がU字状に形成されている、いわゆるヘアピンチューブが用いられている。そして、そのヘアピンチューブは図2において左側にU字部1bが位置し、右側に端部1aが開口してコア3を構成する。またこの例ではチューブ1は図3(B)に示す如く、コア3の長手方向に対して斜めに配置されている。係るコア3自体は公知のものである。
【0016】
ここにおいて、本発明の特徴は連結部材9にある。連結部材9は一枚の金属板のプレス成形体からなり、図1(B)に示す如く展開状態で、長手方向に平行な中心線である対称線11の両側に第1プレート部5と第2プレート部8とを有し、その同一平面側に第1凹部4と第2凹部6とが対称線11に対して対称にプレス形成されている。
そして、第1凹部4の外周に隣接し、互いに離間した複数のスリット12が穿設されている。このスリット12は、ろう付けの際のろうまわりを良好に行うものである。また、第2プレート部8の第2凹部6両端部には一対のチューブ挿通孔7が設けられている。その孔縁部がバーリング加工されて、外面側に小筒部10を形成する。
そして、対称線11を中心とし第1凹部4と第2凹部6とが対向するように折り返され、図1に示す如く第1プレート部5と第2プレート部8とが接触して連結部材9を構成する。なお、この金属板の内面側には予めろう材が被覆されたものが用いられる。
【0017】
このようにしてなる連結部材9は、夫々の第1凹部4、第2凹部6内に小タンク部16を形成するとともに、その小タンク部16以外の部分が接触固定され、多数の小タンク部16を有し偏平に形成される。そしてこの連結部材9が、図2および図3に示す如くコア3の右側に位置し、チューブ1の端部1aが連結部材9の小筒部10に夫々嵌着し、両者間が一体にろう付け固定されるとともに、第1プレート部5と第2プレート部8の平面間も一体にろう付け固定される。そして、一対の接続管14の端部がコア3の上下両端に位置するチューブ1の端部1aに結合され、熱交換器を完成する。
そして、一方の接続管14から冷媒13が供給され、各チューブ1内を蛇行状に流通して、他方の接続管14からそれが流出する。そして、コア3の厚み方向に空気が流通し、それと冷媒13との間に熱交換が行われるものである。
【0018】
なお、ろう付けの際、連結部材9の第1プレート部5側に設けられたスリット12は、特に小タンク部16の長手方向端部におけるろう付け不良を防止する。すなわち、第1プレート部5と第2プレート部8との接触部のろう付けにおいて、小タンク部16の長手方向両端部に、平面どうしの非接触部が生じやすく、その部分にろう付け不良が起こりがちであるが、スリット12の存在によって、平面どうしを接触し易くしかつ、スリット12にろう材を保持してろう付け不良を防止するものである。
【0019】
次に図4および図5は本発明の第2の実施例であり、図4はその連結部材9の要部を示す正面図および展開図であり、図5は同熱交換器の側面図である。
この熱交換器が図3のそれと異なる点は、図3ではチューブ1が斜め配列であるのに対し、図5ではそれが縦に配列されている。そして、この例では、チューブ1がコア3の幅方向に2列に配置されている。そのチューブ1の配列に整合するように、連結部材9はこの例では下端を除いて2列に配置されている。そして、図4(B)の最下端において第2凹部6、第1凹部4は斜めに配列され、それらが図5の如く重ね合わされて、前列と後列とをそれによって連結している。
【0020】
この例において、第1プレート部5におけるスリット12は最下端を除いて一対の第1凹部4間に縦に配置され、最下単においては図1(B)と同様に形成されている。これは縦列においては幅方向に離間した一対の第1凹部4の中間部に、平面どうしの接触不良およびろう付け不良が生じやすいのを補っているものである。
この例でも図4(B)において、対称線11を中心にして第1プレート部5と第2プレート部8とが折り曲げられ、両者が一体に接合され、図4(A)に示す如く形成される。そして、その連結部材9が図5に示す如くコア3の各チューブ1間を縦方向に連結するものである。
この例では、最上端に位置する一対のチューブ1に夫々接続管14が接続され、一方の接続管14から冷媒13が流入し、各チューブ1をコア3の前面側において蛇行状に流通し、最下端において、それが後列に移動し、後列の各チューブ1を蛇行状に流通して接続管14から放出される。そして、空気はコア3の厚み方向に流通し、それと冷媒13との間に熱交換が行われるものである。
【0021】
次に図6および図7は本発明の第3の実施の形態を示し、この例は、複数の混合部15用の小タンク部16が並列されたものである。そして、二系列に流通する冷媒13が各小タンク部16に合流して混合され、ついで再度二系列に分流する。そしてそれが繰り返されるものである。なお、この小タンク部16の外周にもスリット12が形成され、それによって第1プレート部5、第2プレート部8を張り合わせる際のろうまわりの安定性を確保する。また、これら各実施例のスリット12の位置は、連結部材9の強度とろうまわりの状況に応じて適宜設計変更することができる。
【0022】
次に図8は本発明の第4の実施の形態を示すものであって、コア3の上面側から見た熱交換器の分解平面図である。
この例が図2のそれと異なる点は、図2ではチューブ1としてヘアピンチューブを用いたものに対し、図8の例はチューブ1として直線管を用いたものである。そのために、一対の連結部材9をコア3の両側に配置し、各チューブ1間を連結したものである。この例ではチューブ1はコア3の厚み方向に4列配置されている。また、連結部材9を構成する第1プレート部5、第2プレート部8はその長手方向一端(紙面で裏面側、図示せず)で折り返され、両者が接触固定されたものである。
さらに、第2プレート部8の幅方向両端部は第1プレート部5のそれよりも突出され、その突出部が断面L字状に形成されて補強部18を構成する。そして、この補強部18を介して熱交換器全体が適宜な図示しない支持材に取付けられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態における熱交換器に用いられる連結部材9の要部を示し、(A)はその正面図、(B)は同展開図、(C)は横断面図であって、(B)のC−C線上におけるものである。
【図2】同熱交換器の一部分解正面図。
【図3】同熱交換器の要部正面図および同側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す熱交換器の連結部材9の正面図および展開図。
【0024】
【図5】同熱交換器の側面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す熱交換器の連結部材9の要部正面図および展開図。
【図7】同熱交換器の要部側面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す熱交換器の要部分解平面図。
【符号の説明】
【0025】
1 チューブ
1a 端部
1b U字部
2 フィン
3 コア
4 第1凹部
5 第1プレート部
【0026】
6 第2凹部
7 チューブ挿通孔
8 第2プレート部
9 連結部材
10 小筒部
11 対称線
12 スリット
【0027】
13 冷媒
14 接続管
15 混合部
16 小タンク部
17 ろう材
18 補強部
19 空気
【出願人】 【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
【出願日】 平成19年2月6日(2007.2.6)
【代理人】 【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美


【公開番号】 特開2008−190797(P2008−190797A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−26591(P2007−26591)