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【発明の名称】 冷却塔の冷却水給排水構造及びこれを用いた冷却塔群の冷却水給排水構造
【発明者】 【氏名】小川 敏明

【氏名】中村 哲生

【要約】 【課題】簡単な構造で、冷却塔の貯水槽内の冷却水の入れ替え効率を向上して補給水の節水を図ることができ、各冷却塔に冷却水の電導度や水位を計測するための機器を設置することを不要とし、一括して管理可能な冷却塔の冷却水給排水構造及びこれを用いた冷却塔群の冷却水給排水構造を提供する。

【解決手段】冷却塔2と、冷却水を溜める貯水槽3と、貯水槽3から冷却水を排水するための排水管27と、貯水槽3の上側から冷却水の補給水を供給するための給水管8とを備えた冷却塔2の冷却水排水構造であって、排水管27は、立ち上がり部28と下がり部29で構成され、立ち上がり部28の端部には、貯水槽3の下部に配設される排水口32が備わり、下がり部29の端部には、貯水槽3の外部に配設される排出口33が備わり、立ち上がり部28と下がり部29は、排水口32より高い位置で、かつ、貯水槽3の側壁高さより低い位置で連結される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍機に供給する冷却水を冷却するための冷却塔と、
当該冷却塔の下部に備わり、前記冷却水を溜める貯水槽と、
当該貯水槽から前記冷却水を排水するための排水管と、
前記貯水槽の上側から前記冷却水の補給水を供給するための給水管とを備えた冷却塔の冷却水排水構造であって、
前記排水管は、立ち上がり部と下がり部で構成され、
前記立ち上がり部の端部には、前記貯水槽の下部に配設される排水口が備わり、
前記下がり部の端部には、前記貯水槽の外部に配設される排出口が備わり、
前記立ち上がり部と前記下がり部は、前記排水口より高い位置で、かつ、前記貯水槽の側壁高さより低い位置で連結されることを特徴とする冷却塔の冷却水給排水構造。
【請求項2】
前記排水口は、前記貯水槽の底面又は下部の側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の冷却水給排水構造。
【請求項3】
前記下がり部の上端には、前記排水管内のサイフォン現象を防止するための開口部が備わることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却塔の冷却水給排水構造。
【請求項4】
前記冷却塔が複数個配設された冷却塔群に適用され、
前記冷却塔の上部に備わる冷却水散水管と、
前記冷却塔と冷凍機の間に配設される冷却水の往き配管及び還り配管と、
前記複数個の冷却塔の還り配管同士を連通させる還り共通ヘッダとを備えた冷却塔群の冷却水給排水構造であって、
前記還り共通ヘッダ内の冷却水の電導度を計測する制御装置と、
前記還り共通ヘッダと連通する補給水供給管と、
当該補給水供給管に備わり、前記制御装置の計測結果に基づいて前記還り共通ヘッダに対する給水量を調整するための電動バルブとを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却塔の冷却水排水構造を用いた冷却塔群の冷却水給排水構造。
【請求項5】
前記複数個の冷却塔の貯水槽には、当該貯水槽同士を連通させる連通管が備わり、
当該連通管に前記貯水槽内の水位を計測するための水位計が配設され、
前記制御装置は、前記水位計の計測結果に基づいて前記電動バルブの開度を調整することを特徴とする請求項4に記載の冷却塔群の冷却水給排水構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔における冷却水の給排水に関する構造と、複数台の開放型冷却塔を連結した冷却塔群における冷却水の給排水に関する構造であって、冷却塔の冷却水給排水構造及びこれを用いた冷却塔群の冷却水給排水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は従来の冷却塔群の冷却水給排水構造の概略図である。
【0003】
図示したように、冷却塔群101は、複数個の開放型冷却塔102を並列に並べて形成される。各冷却塔102は、貯水槽103と、これを覆う冷却塔本体104で構成される。貯水槽103は、冷凍機105と往き配管106及び還り配管107で接続される。往き配管106には、貯水槽103内の冷却水を冷凍機105に送水するためのポンプ121が備わる。還り配管107は、冷却塔本体104の上部に備わる冷却水散水管108と接続される。冷却塔本体104の上部には、冷却水散水管108から散水された冷却水を冷却するためのファン109が備わる。
【0004】
貯水槽103には、貯水槽103内の冷却水を排水するためのオーバーフロー管110が備わる。各冷却塔102の貯水槽103に備わるオーバーフロー管110は、共通排水管111に接続される。貯水槽103の底部には、貯水槽103内の清掃時等に冷却水を排水するためのバルブ112により開閉する清掃用排水管113が備わる。
【0005】
貯水槽103には、貯水槽103内の冷却水の電導度を計測するためのブロー装置114がセンサ115を介して接続される。ブロー装置114は、給水管116に備わる電動バルブ117の開度調整を行う。貯水槽103には、前述した給水管116と別に設けられた給水管118に取り付けられたボールタップ119が備わる。各冷却塔102の貯水槽103に備わる給水管116,118は、共通給水管120に接続される。
【0006】
このような冷却塔群101において、各冷凍機105で使用された冷却水は、還り配管107から冷却水散水管108を通り、ファン109により冷却塔本体104内で冷却され、貯水槽103に溜められる。このとき、貯水槽103内の冷却水は、冷却塔本体104での冷却中の蒸発等により水分量が減少する。このため、冷却水は濃縮され、電導度が高くなる。電導度が高くなると、水中のイオンが徐々に結晶化して析出し、スケール化が起こる。このようなスケール化が生じた冷却水を放置すると、冷却塔102の腐食や、冷凍機105による冷却効率の低下が生じる。
【0007】
そこで、貯水槽103内の冷却水電導度を低くするため、電導度の高くなった冷却水を貯水槽103から排水し、新たな補給水を貯水槽103に給水している。
【0008】
貯水槽103への給水は、貯水槽103内の冷却水の電導度をセンサ115を介してブロー装置114により計測し、所定の電導度以上であれば、電動バルブ117を開いて給水管116から貯水槽103に補給水を給水する。また、貯水槽103内の水位が減少して、所定水位以下になればボールタップ119が開状態となり、給水管118から新たな補給水を給水する。貯水槽103からの排水は、上述した給水管116,118からの給水により、貯水槽103内の水位を上昇させ、オーバーフロー管110によりオーバーフローされて排水が行われる。
【0009】
このような作用により、貯水槽103内の冷却水が、所定の電導度又は所定の水位となるまで、給水管116又は118から新たな補給水を給水し続ける。
【0010】
しかし、上述した従来の冷却塔群の冷却水給排水構造では、給水管116,118からの給水が貯水槽103の上方から行われ、オーバーフロー管110の排水口も貯水槽103の上側にある。このため、排水される冷却水には、給水された新たな補給水が多く含まれることになる。したがって、冷却水の入れ替え効率が悪く、よって無駄な給水がされることになる。さらに、開放型冷却塔102の貯水槽103の下部には、砂塵等の塵埃や、枯葉等の異物が溜まっているが、オーバーフロー管110ではこれらを直接排出させることは困難である。また、各冷却塔ごとにブロー装置114、ボールタップ119を設置する必要があるため、装置が複雑化し、多大な設備費用が必要となる。
【0011】
このような構成を採用した冷却塔の給排水制御装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の給排水構造も、貯水槽の上部からオーバーフローにより排水するものであり、また冷却塔ごとに給水手段を備えるものであり、同様の問題点を有するものである。
【0012】
図4は、従来の別の冷却塔の給排水構造の概略図である。
【0013】
図4は、図3で示した冷却塔102の例として、別の冷却塔を示したものである。図示したように、ブロー装置114は、貯水槽103の底面に接続された排水管113の電動バルブ122と接続される。貯水槽103内の冷却水の電導度が所定値以上である場合、ブロー装置114は電動バルブ122を開いて貯水槽103の下部の冷却水を排水する。冷却水が排水されると、水位が減少するため、ボールタップ119の給水管118から補給水が給水される。あるいは、バルブ123を手動で開いて給水管116から給水される。このような構成として、新たな補給水を貯水槽の上方から供給し、電導度の高い貯水槽103の下部の冷却水を、貯水槽103の底面から排水して、冷却水の入れ替え効率を向上させようとしていた。
【0014】
しかし、上述した従来の冷却塔の排水構造では、貯水槽103内の冷却水の電導度や水位により電動バルブ122の開閉動作が行われる。上述したように、開放型冷却塔102の貯水槽103内の冷却水には、砂塵等の塵埃や、枯葉等の異物が混入していることがあり、これがバルブ122に噛みやすく、電動バルブ122の動作不良が生じる可能性が高い。
【0015】
このような構成を採用した冷却塔給水方法及び装置が特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の冷却塔の排水構造も、貯水槽の下部から土砂とともに冷却水を排出するものであり、その排水管の開閉動作はバルブで行われるため、やはりこの土砂がバルブに噛みやすく、同様の問題点を有するものである。
【0016】
図5は従来のさらに別の冷却塔群の給排水構造の概略図である。
【0017】
図示したように、各冷却塔102の往き配管106及び還り配管107がそれぞれ共通ヘッダ124、125で連結される。このように共通ヘッダ124,125を設けて、各冷却塔102を個別に制御するのではなく、複数個の冷却塔102からなる冷却塔群101をまとめて制御するものである。これにより、冷凍機105で使用される往きと還りの冷却水を共通ヘッダ124,125で共通し、各冷却塔102間での冷却水導電率を均一化して冷却塔群101としてまとめて管理するものである。
【0018】
また、各貯水槽103同士は連通管126で連結される。これにより、さらに各貯水槽103間での冷却水の導電率を均一化して、各貯水槽103間での冷却水の水位を揃えるものである。なお、その他の構成は図3と同様である。
【0019】
しかし、上述した冷却塔群の給排水構造においても、やはりオーバーフロー管110による排水構造であり、入れ替え効率の向上を図ることはできない。またブロー装置114も各貯水槽103に備えることが必要であり、さらに水位を計測するにも各貯水槽103ごとにボールタップ119を配設する必要がある。
【0020】
【特許文献1】特開2005−61680号公報
【特許文献2】特開平9−138094号公報
【特許文献3】特開平7−91878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
共通ヘッダを用いた冷却塔水槽の水位制御方法及び水位制御装置が特許文献3に開示されている。この水位の制御は、各冷却塔内の水位を連通管を用いて揃えるのではなく、水位が異なることを前提として運転台数等のパラメータから計算により求めた水位を水位計に示すものである。すなわち、冷却塔通水基数の各ブロック間での差異を許容限度以内におさめるよう、通水する冷却塔を選ぶとともに、同通水基数がゼロのブロックの水槽と水位が等しい水位計による設定水位を冷却塔の全通水基数に対応させて変更すべく、制御弁等によって補給水量を調整するものであり、通水基数に応じて冷却水往きヘッダに取り付けた水位計の設定値を変えるものである。このような制御は、演算手法が複雑であり、そのための機構も複雑となり、制御方法全体としても複雑である。また、特許文献3には排水についての機構が明記されていない。
【0022】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、簡単な構造で、冷却塔の貯水槽内の冷却水の入れ替え効率を向上して補給水の節水を図ることができ、各冷却塔ごとに冷却水の電導度や水位を計測するための機器を設置することを不要とし、一括して管理可能な冷却塔の冷却水給排水構造及びこれを用いた冷却塔群の冷却水給排水構造の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、冷凍機に供給する冷却水を冷却するための冷却塔と、当該冷却塔の下部に備わり、前記冷却水を溜める貯水槽と、当該貯水槽から前記冷却水を排水するための排水管と、前記貯水槽の上側から前記冷却水の補給水を供給するための給水管とを備えた冷却塔の冷却水排水構造であって、前記排水管は、立ち上がり部と下がり部で構成され、前記立ち上がり部の端部には、前記貯水槽の下部に配設される排水口が備わり、前記下がり部の端部には、前記貯水槽の外部に配設される排出口が備わり、前記立ち上がり部と前記下がり部は、前記排水口より高い位置で、かつ、前記貯水槽の側壁高さより低い位置で連結されることを特徴とする冷却塔の冷却水給排水構造を提供する。
【0024】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記排水口は、前記貯水槽の底面又は下部の側面に形成されることを特徴としている。
【0025】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記下がり部の上端には、前記排水管内のサイフォン現象を防止するための開口部が備わることを特徴としている。
【0026】
さらに、請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の冷却塔の給排水構造を用いた発明において、前記冷却塔が複数個配設された冷却塔群に適用され、前記冷却塔の上部に備わる冷却水散水管と、前記冷却塔と冷凍機の間に配設される冷却水の往き配管及び還り配管と、前記複数個の冷却塔の還り配管同士を連通させる還り共通ヘッダとを備えた冷却塔群の冷却水給排水構造であって、前記還り共通ヘッダ内の冷却水の電導度を計測する制御装置と、前記還り共通ヘッダと連通する補給水供給管と、当該補給水供給管に備わり、前記制御装置の計測結果に基づいて前記還り共通ヘッダに対する給水量を調整するための電動バルブとを備えたことを特徴とする冷却塔群の冷却水給排水構造を提供する。
【0027】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、前記複数個の冷却塔の貯水槽には、当該貯水槽同士を連通させる連通管が備わり、当該連通管に前記貯水槽内の水位を計測するための水位計が配設され、前記制御装置は、前記水位計の計測結果に基づいて前記電動バルブの開度を調整することを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、貯水槽から冷却水を排水するために、立ち上がり部と下がり部で構成される排水管を用いるため、貯水槽内の冷却水は、排水口から立ち上がり部に浸入し、貯水槽内の冷却水の水位の上昇とともに、立ち上がり部内を上昇し、下がり部に備わる排水口から排出することができる。この立ち上がり部に備わる排水口は、貯水槽の下部に配設されるため、貯水槽の上側から補給水が供給された場合に、貯水槽下部から冷却水を排水できる。したがって、貯水槽の上側から供給される新たな補給水がすぐに排水されることを抑制でき、使用により電導度の高くなった冷却水と新たな補給水との入れ替え効率を向上することができ、無駄な給水を抑制できる。
【0029】
また、請求項2の発明によれば、排水口が、貯水槽の底面又は下部の側面に形成されるため、貯水槽底部に溜まった砂塵等の塵埃や、枯葉等の異物を排水口から容易に排出させることができる。この排出は、立ち上がり部と下がり部からなる排水管を利用して排水を行うものであるため、排水管にバルブを必要としない。このため、塵埃や異物がバルブに噛まれて、バルブの動作不良が生じることはない。
【0030】
また、請求項3の発明によれば、下がり部の上端には、排水管内のサイフォン現象を防止するための開口部が備わるため、下がり部の排出口が立ち上がり部の排水口より低い位置にある場合に、サイフォン現象が発生して貯水槽内の冷却水が排水され続けることを防止できる。なお、この開口部は、サイフォン現象を防止できればよいので、貯水槽の水位より高い位置であれば、排水管のいずれの位置に設けてもよい。
【0031】
また、請求項4の発明によれば、各冷却塔への還り配管と接続される還り共通ヘッダに電導度を計測するための制御装置が備わるため、個々の冷却塔に備わる貯水槽に電導度を計測するための機器を配設することが不要となる。このため、装置が簡略化し、多大な設備費用を必要としない。また、この制御装置による計測結果から、還り共通ヘッダを利用して、補給水供給管から電動バルブにより補給水量を調整するため、一括して冷却塔群の冷却水の電導度の管理を行うことができる。
【0032】
また、請求項5の発明によれば、連通管により、各貯水槽の水位を揃えることができる。したがって、連通管に水位計を設けることにより、各貯水槽の水位を把握することができる。このため、個々の貯水槽に水位計やボールタップ等を設ける必要がなく、簡単な構造で各貯水槽の水位を計測し、補給水供給管に備わる電動バルブを調整して水位の制御を行うことができる。したがって、バルブ制御に関し、複雑な演算や制御方法を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、冷凍機に供給する冷却水を冷却するための冷却塔と、当該冷却塔の下部に備わり、前記冷却水を溜める貯水槽と、当該貯水槽から前記冷却水を排水するための排水管と、前記貯水槽の上側から前記冷却水の補給水を供給するための給水管とを備えた冷却塔の冷却水排水構造であって、前記排水管は、立ち上がり部と下がり部で構成され、前記立ち上がり部の端部には、前記貯水槽の下部に配設される排水口が備わり、前記下がり部の端部には、前記貯水槽の外部に配設される排出口が備わり、前記立ち上がり部と前記下がり部は、前記排水口より高い位置で、かつ、前記貯水槽の側壁高さより低い位置で連結さし、簡単な構造で、冷却塔の貯水槽内の冷却水の入れ替え効率を向上して補給水の節水を図ることができ、各冷却塔ごとに冷却水の電導度や水位を計測するための機器を設置することを不要とし、一括して管理可能とした冷却塔の冷却水給排水構造及びこれを用いた冷却塔群の給排水構造である。
【実施例】
【0034】
図1は本発明に係る冷却塔の冷却水給排水構造の概略断面図である。
【0035】
図示したように、冷却塔2は、冷却水が溜められる貯水槽3と、これを上方から覆う冷却塔本体4で構成される。冷却塔本体4には、冷凍機5(図2参照)から還ってくる冷却水が供給される冷却水散水管8と、この冷却水を冷却するためのファン9及び充填材10が備わる。充填材10の外側には、ルーバ11が配設される。冷却された冷却水は、貯水槽3に溜められる。溜められた冷却水は、貯水槽3に接続された往き配管6(図2参照)から冷凍機5(図2参照)に送水される。
【0036】
貯水槽3には、排水管27が備わる。排水管27は、立ち上がり部となる立ち上がり管28と、下がり部となる下がり管29と、これらを連結する連結管30で構成される。立ち上がり管28には、引き込み管31が連結され、その端部に排水口32が開口する。立ち上がり管28には、貯水槽3内の清掃時等に冷却水を排水するためのバルブ12により開閉する清掃用排水管13が接続される。なお、この清掃用排水管13は貯水槽3の底部に直接接続して設けてもよい。
【0037】
立ち上がり管28は、その上端部が排水口32より上側であって貯水槽3の側壁高さより低い位置となるように配設される。下がり管29は、その端部に排出口33を備え、この排出口33は貯水槽3の外部に配される。下がり管29の、排出口33と反対側の端部は、排出口33より上側であって貯水槽3の側壁高さより低い位置となるように配設される。これにより、後述するように、サイフォン現象を防止できる。連結管30は、貯水槽3の側壁高さより低い位置で立ち上がり管28と下がり管29の上端を相互に略水平に連結する。
【0038】
冷却塔2内への給水は、後述するように、冷却水散水管8から行われる。すなわち、冷却水散水管8からは、冷凍機5(図2参照)からの冷却水と、新たな補給水が供給される。したがって、冷却水散水管8が本発明における給水管となる。
【0039】
このような構造において、冷却塔2における給排水は以下のように行われる。貯水槽3内の冷却水の電導度が高くなる、あるいは水位が低くなる(すなわち給水開始水位Sまで水位が下がる)と、冷却水散水管8から補給水が給水される。これにより、貯水槽3内の水位が上昇する。これとともに、立ち上がり管28内の水位も上昇する。電導度が高い場合は、オーバーフロー水位Uを超える高さまで給水される。したがって、立ち上がり管28内の水位が連結管30まで到達するため、冷却水は連結管30を通り、下がり管29内を通って排出口33より排出される。電導度が所定値以内であって、単に水位が低い場合は、給水終了水位Tまで給水される。
【0040】
排水口32は、貯水槽3の下部に配設されるため、貯水槽3の上側から補給水が給水しても、給水された新たな補給水がすぐに排水されることはない。したがって、使用により電導度の高くなった冷却水と新たな補給水との入れ替え効率を向上することができ、無駄な給水を抑制できる。すなわち、補給水の節水を図ることができる。
【0041】
また、この排水口32は、貯水槽3の底面(図の点線)又は下部の側面(図の実線)に形成されるため、貯水槽3の底部に溜まった砂塵等の塵埃や、枯葉等の異物を流水の力で引き込み管31から排出させることができる。この排出に関し、排水管27にはバルブが形成されないため、塵埃や異物がバルブに噛まれて、バルブの動作不良が生じることはない。排水口32を貯水槽3の底面や下部の側面のいずれに形成するかは、適宜選択可能である。また、流水の力で排出できない大きな砂塵等は清掃用排水管側に溜まり、定期的な清掃時に排水される。
【0042】
また、下がり管29の上端には、排水管27内のサイフォン現象を防止するための開口部34が備わる。これにより、下がり管29の排出口33が、立ち上がり管28の排水口32より低い位置にある場合、サイフォン現象が発生して貯水槽3内の冷却水が排水され続けることを防止できる。
【0043】
図2は本発明に係る冷却塔群の給排水構造の概略図である。
【0044】
図示したように、冷却塔群1は、複数個の開放型冷却塔2を並列に並べて形成される。各冷却塔2は、上述したように、貯水槽3と、これを覆う冷却塔本体4で構成される。この冷却塔2の冷却水散水管8及び排水管27を用いた給排水構造は、図1で示した例と同様である。貯水槽3は、冷凍機5と往き配管6及び還り配管7で接続される。往き配管6には、貯水槽3内の冷却水を冷凍機5に送水するためのポンプ21が備わる。還り配管7は、冷却塔本体4の上部に備わる冷却水散水管8と接続される。各冷却塔2の往き配管6及び還り配管7は、それぞれ往き共通ヘッダ24及び還り共通ヘッダ25で連結される。
【0045】
還り共通ヘッダ25からは、サンプリング配管35が分岐する。このサンプリング配管35には、サンプリング配管35内の冷却水の電導度を計測するためのセンサ15が備わる。センサ15は、制御装置14と接続される。このように、サンプリング配管35内の冷却水の電導度を計測することにより、これと連通する各冷却塔2に供給される冷却水の電導度を計測できる。
【0046】
還り共通ヘッダ25には、これと連通する補給水供給管36が備わる。補給水供給管36には、制御装置14の計測結果に基づいて還り共通ヘッダ25に対する給水量を調整するための電動バルブ17が備わる。この電動バルブ17は、制御装置14と接続され、制御装置14により開度調整される。
【0047】
これにより、冷却水が濃縮されて電導度が高くなった場合に、これをセンサ15で計測し、制御装置14にて電動バルブ17を開けて、補給水を供給できる。補給水は、冷却水散水管8から貯水槽3に供給され、貯水槽3内の水位の上昇とともに、排水管27から冷却水が排水される。このようにして、補給水と冷却水の入れ替えが行われる。貯水槽3内の冷却水の電導度が、所定値まで下がると、制御装置14は電動バルブ17を閉じ、補給水の供給を止める。これにより、各冷却塔2に電導度の計測装置を設けずに、冷却塔群1内を流通する冷却水の電導度を、一括して管理することができる。
【0048】
各貯水槽3同士は連通管26で連結される。この連通管26には、水位計37が備わる。連通管26を配設したことにより、各貯水槽3内の水位が揃うため、この連通管26に水位計37を備えることにより、貯水槽3全ての水位を計測することができる。したがって、個々の貯水槽3に水位計やボールタップ等を設ける必要がない。水位計37は、制御装置14と接続される。各貯水槽3内の水位が低下すると、制御装置14により電動バルブ17を開けて、補給水が給水される。したがって、簡単な構造で、複雑な演算や制御方法を必要とせずに、水位の制御を行うことができる。なお、水位計37は、連結管26に設けなくても、いずれか一個の貯水槽3に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る冷却塔の冷却水給排水構造の概略断面図である。
【図2】本発明に係る冷却塔群の給排水構造の概略図である。
【図3】従来の冷却塔群の冷却水給排水構造の概略図である。
【図4】従来の別の冷却塔の給排水構造の概略図である。
【図5】従来のさらに別の冷却塔群の給排水構造の概略図である。
【符号の説明】
【0050】
1:冷却塔群、2:冷却塔、3:貯水槽、4:冷却塔本体、5:冷凍機、6:往き配管、7:還り配管、8:冷却水散水管、9:ファン、10:充填材、11:ルーバ、12:バルブ、13:清掃用排水管、14:制御装置、15:センサ、17:電動バルブ、21:ポンプ、24:往き共通ヘッダ、25:還り共通ヘッダ、26:連通管、27:排水管、28:立ち上がり管、29:下がり管、30:連結管、31:引き込み管、32:排水口、33:排出口、34:開口部、35:サンプリング配管、36:補給水供給管、37:水位計、101:冷却塔群、102:冷却塔、103:貯水槽、104:冷却塔本体、105:冷凍機、106:往き配管、107:還り配管、108:冷却水散水管、109:ファン、110:オーバーフロー管、111:共通排水管、112:バルブ、113:清掃用排水管、114:ブロー装置、115:センサ、116:給水管、117:電動バルブ、118:給水管、119:ボールタップ、120:共通給水管、121:ポンプ、122:電動バルブ、123:バルブ、124:往き共通ヘッダ、125:還り共通ヘッダ、126:連通管
【出願人】 【識別番号】000222956
【氏名又は名称】東洋熱工業株式会社
【出願日】 平成19年2月1日(2007.2.1)
【代理人】 【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭

【識別番号】100064311
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 正則

【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎


【公開番号】 特開2008−190731(P2008−190731A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−22713(P2007−22713)