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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】杉戸 肇

【氏名】長賀部 博之

【氏名】広瀬 弘和

【氏名】宇野 孝博

【要約】 【課題】チューブのチューブ巾方向の両端部への応力集中を防止しつつ、リブの成形性を向上させる。

【構成】チューブ積層方向Yに見たときに、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの端部とリブ223とがオーバーラップするようにして、チューブ間に温度差が発生した場合の、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部の変形をリブ223により防止し、チューブのチューブ巾方向Zの両端部への応力集中を防止する。また、リブ223のチューブ巾方向Zの長さを、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの長さよりも短くして、リブ223の成形性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数積層配置された扁平形状のチューブ(10)と、
前記チューブ(10)のチューブ長手方向(X)の端部に配置され、前記多数のチューブ(10)と連通するタンク(2、3)とを備え、
前記チューブ(10)のチューブ長手方向(X)の端部を、前記タンク(2、3)におけるチューブ接合面(22)のチューブ挿入穴(221)に挿入して接合した熱交換器において、
チューブ積層方向(Y)およびチューブ長手方向(X)に対してともに直交する方向をチューブ巾方向(Z)としたとき、
前記チューブ接合面(22)にはチューブ巾方向(Z)に延びる複数のリブ(223)が形成され、
前記リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の長さは、前記チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の長さよりも短く、
チューブ積層方向(Y)に見たときに、前記チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の端部と前記リブ(223)とがオーバーラップし、
さらに、前記チューブ接合面(22)には、前記リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の端部よりも外側の部位に、前記チューブ接合面(22)のチューブ長手方向(X)への変形を容易にする変形許容部(224)が存在することを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記チューブ挿入穴(221)におけるチューブ巾方向(Z)端部から前記リブ(223)におけるチューブ巾方向(Z)端部までの、チューブ巾方向(Z)の長さ(L3)は、3〜8mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記チューブ接合面(22)において隣接する前記チューブ挿入穴(221)間の部位を挿入穴間部位としたとき、全ての前記挿入穴間部位に前記リブ(223)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記チューブ接合面(22)において隣接する前記チューブ挿入穴(221)間の部位を挿入穴間部位としたとき、全ての前記挿入穴間部位のうち一部の挿入穴間部位にのみ前記リブ(223)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記リブ(223)が設けられた前記挿入穴間部位と、前記リブ(223)が設けられていない前記挿入穴間部位とが、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記リブ(223)が設けられた1つの前記挿入穴間部位と、前記リブ(223)が設けられていない2つの前記挿入穴間部位とが、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記チューブ接合面(22)において隣接する前記チューブ挿入穴(221)間の部位を挿入穴間部位としたとき、前記チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の一端側にのみ前記リブ(223)が設けられた前記挿入穴間部位と、前記チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の他端側にのみ前記リブ(223)が設けられた前記挿入穴間部位とが、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
【請求項8】
多数積層配置された扁平形状のチューブ(10)と、
前記チューブ(10)のチューブ長手方向(X)の端部に配置され、前記多数のチューブ(10)と連通するタンク(2、3)とを備え、
前記チューブ(10)のチューブ長手方向(X)の端部を、前記タンク(2、3)におけるチューブ接合面(22)のチューブ挿入穴(221)に挿入して接合した熱交換器において、
チューブ積層方向(Y)およびチューブ長手方向(X)に対してともに直交する方向をチューブ巾方向(Z)としたとき、
前記チューブ接合面(22)には複数のリブ(223)が形成され、
前記リブ(223)は、前記チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端よりもチューブ巾方向(Z)の外側に配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項9】
前記リブ(223)と前記チューブ挿入穴(221)は、チューブ巾方向(Z)に沿って直列に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関するもので、水冷式内燃機関の冷却水と空気とを熱交換して冷却水を冷却するラジエータに適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換器は、多数のチューブと多数のコルゲートフィンとを交互に積層してコア部を構成している。そして、チューブのチューブ長手方向の端部にタンクが配置されている。このタンクは、チューブが挿入されるコアプレートと、コアプレートにかしめ固定されてコアプレートとともにタンク内の空間を形成するタンク部とで構成されている。
【0003】
コアプレートは、チューブが挿入されるチューブ挿入穴がチューブ接合面に形成され、チューブ接合面の外周部にはチューブ接合面に対して略垂直に折り曲げられた壁部が形成されている。さらに、コアプレートのチューブ接合面にはチューブ挿入穴と平行にリブを形成するとともに、このリブの両端を壁部に接続させることにより、コアプレートの剛性を高め、主に内圧によるコアプレートの変形を抑制するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−219044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図10に示すように、コアプレート20にリブが形成されていない熱交換器においては、隣接するチューブ10間に温度差が発生した場合、コアプレート20のチューブ接合面22がチューブ長手方向Xに弓なりに変形し、屈曲点部位であるチューブ付根部(すなわち、チューブ10のチューブ巾方向Zの両端部)に応力が集中するという問題がある。
【0005】
一方、特許文献1に記載された熱交換器のように、コアプレートにリブが形成されている場合は、上記した屈曲点部位への応力の集中は避けられるが、コアプレートがチューブ長手方向に変形し難いため、チューブのチューブ巾方向全域に高い応力が発生するという問題がある。また、特許文献1に記載された熱交換器のようにリブの両端を壁部に接続させている場合は、リブのチューブ巾方向長さが長くなり、コアプレートを例えばプレス加工によって形成する場合リブの成形性が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、チューブのチューブ巾方向両端部への応力集中を防止しつつ、リブの成形性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴では、チューブ接合面(22)のチューブ挿入穴(221)に扁平形状のチューブ(10)を挿入して接合した熱交換器において、チューブ接合面(22)に複数のリブ(223)が形成され、リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の長さは、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の長さよりも短く、チューブ積層方向(Y)に見たときに、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の端部とリブ(223)とがオーバーラップし、さらに、チューブ接合面(22)には、リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の端部よりも外側の部位に、チューブ接合面(22)のチューブ長手方向(X)への変形を容易にする変形許容部(224)が存在する構成としている。
【0008】
このような構成では、チューブ(10)間に温度差が発生した場合、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端部の変形がリブ(223)により防止されるため、チューブ(10)のチューブ巾方向(Z)の両端部への応力集中を防止することができる。
【0009】
また、チューブ(10)間に温度差が発生した場合、変形許容部(224)が容易に変形することによってチューブ(10)の熱歪が吸収される。
【0010】
さらに、リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の長さを短くしているため、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0011】
この場合、チューブ挿入穴(221)におけるチューブ巾方向(Z)端部からリブ(223)におけるチューブ巾方向(Z)端部までの、チューブ巾方向(Z)の長さ(L3)は、3〜8mmの範囲内とすることができる。
【0012】
このようにすれば、チューブ(10)間に温度差が発生した場合、チューブ(10)のチューブ巾方向(Z)の両端部への応力集中を確実に防止することができる。
【0013】
また、この場合、チューブ接合面(22)において隣接するチューブ挿入穴(221)間の部位を挿入穴間部位としたとき、全ての挿入穴間部位にリブ(223)を設けることができる。
【0014】
このようにすれば、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端部の変形をより確実に防止することができる。
【0015】
また、この場合、全ての挿入穴間部位のうち一部の挿入穴間部位にのみリブ(223)を設けることができる。
【0016】
このようにすれば、全ての挿入穴間部位にリブ(223)を設ける場合よりも、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0017】
また、この場合、リブ(223)が設けられた挿入穴間部位と、リブ(223)が設けられていない挿入穴間部位とを、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置することができる。
【0018】
このようにすれば、リブ(223)の数が少なくなるため、全ての挿入穴間部位にリブ(223)を設ける場合よりも、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0019】
また、この場合、リブ(223)が設けられた1つの挿入穴間部位と、リブ(223)が設けられていない2つの挿入穴間部位とを、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置することができる。
【0020】
このようにすれば、リブ(223)の数が少なくなるため、全ての挿入穴間部位にリブ(223)を設ける場合よりも、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0021】
また、この場合、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の一端側にのみリブ(223)が設けられた挿入穴間部位と、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の他端側にのみリブ(223)が設けられた挿入穴間部位とを、チューブ積層方向(Y)に沿って交互に配置することができる。
【0022】
このようにすれば、リブ(223)の数が少なくなるため、全ての挿入穴間部位にリブ(223)を2つ設ける場合よりも、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0023】
本発明の第2の特徴では、チューブ接合面(22)のチューブ挿入穴(221)に扁平形状のチューブ(10)を挿入して接合した熱交換器において、チューブ接合面(22)に複数のリブ(223)が形成され、リブ(223)は、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端よりもチューブ巾方向(Z)の外側に配置されている。
【0024】
このような構成では、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端部近傍に発生する応力がリブ(223)に分散されるため、チューブ(10)間に温度差が発生した場合の、チューブ挿入穴(221)のチューブ巾方向(Z)の両端部の変形がリブ(223)により防止され、ひいてはチューブ(10)のチューブ巾方向(Z)の両端部への応力集中を防止することができる。また、リブ(223)のチューブ巾方向(Z)の長さを短くすることができるため、リブ(223)の成形性を向上させることができる。
【0025】
また、この場合、リブ(223)とチューブ挿入穴(221)を、チューブ巾方向(Z)に沿って直列に配置することができる。
【0026】
このような構成では、隣接するチューブ挿入穴(221)間のピッチが狭い場合でも、リブ(223)を容易に配置することができる。
【0027】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る熱交換器を、水冷式内燃機関を冷却するラジエータに適用したものであって、図1は本発明の第1実施形態に係る熱交換器の正面図、図2は図1の熱交換器におけるタンクおよびチューブの斜視断面図、図3(a)は図2のコアプレート単体の正面図、図3(b)は図3(a)の下面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図、図5は図3のB−B線に沿う断面図である。
【0029】
図1、図2に示すように、熱交換器は直方体形状のコア部1を備えており、コア部1は、多数のチューブ10と多数のコルゲートフィン11が上下方向に沿って交互に積層されて構成されている。なお、チューブ10およびコルゲートフィン11の積層方向を、以下、チューブ積層方向Yという。
【0030】
コルゲートフィン11は、アルミニウム合金製であり、コルゲート状に形成されて空気と冷却水との熱交換を促進するものである。
【0031】
チューブ10は、車両に搭載された水冷式内燃機関(図示せず)の冷却水が流通する通路を内部に有し、アルミニウム合金製板材を所定の形状に折り曲げ後、溶接またはろう付けして形成される。
【0032】
本実施形態では、チューブ10は、その長手方向(以下、チューブ長手方向Xという)が水平方向と一致し、かつ、その断面形状は長径方向が空気の流通方向Cと一致するような扁平形状に形成されている。なお、チューブ積層方向Yおよびチューブ長手方向Xに対してともに直交する方向を、以下、チューブ巾方向Zという。因みに、チューブ巾方向Zは、チューブ10の長径方向および空気の流通方向Cと一致する。
【0033】
チューブ10のチューブ長手方向Xの両端部には、チューブ長手方向Xと略直交する方向に延びるとともに内部に空間が形成されたタンク2、3が配置されている。タンク2、3には、チューブ10のチューブ長手方向Xの端部がチューブ挿入穴(詳細後述)に挿入して接合されており、多数のチューブ10の各内部通路とタンク2、3内の空間とが連通している。
【0034】
一方のタンク2は、エンジンから流出した高温の冷却水を多数のチューブ10に分配供給するものである。この一方のタンク2には、ホース(図示せず)を介して内燃機関の冷却水出口側に接続される流入口パイプ2aが配置されている。
【0035】
他方のタンク3は、空気との熱交換により冷却された冷却水を集合回収して内燃機関に向けて排水するものである。この他方のタンク3には、ホースを介して内燃機関の冷却水入口側に接続される流出口パイプ3aが配置されている。
【0036】
コア部1におけるチューブ積層方向Yの両端部には、コア部1を補強するサイドプレート4が配置されている。サイドプレート4は、アルミニウム合金製であり、チューブ長手方向Xと平行な方向に延びてその両端がタンク2、3に接続されている。
【0037】
タンク2、3は、チューブ10およびサイドプレート4が挿入固定されたコアプレート20、コアプレート20と共にタンク2、3内の空間2bを形成するタンク部21、およびパッキン(図示せず)を有して構成されている。
【0038】
そして、本実施形態では、コアプレート20をアルミニウム合金製とし、タンク部21をガラス繊維強化ナイロン66等の樹脂製として、密閉性を保つためのゴム製のパッキンをコアプレート20とタンク部21との間に挟んだ状態で、後述するコアプレート20の突起片をタンク部21に押し付けるように塑性変形させてタンク部21をコアプレート20にカシメ固定している。
【0039】
図3〜図5に示すように、コアプレート20は、チューブが接合されるチューブ接合面22を有し、チューブ接合面22の周囲に、タンク部21の端部およびパッキンが挿入される断面略矩形状の溝20aが全周に亘って形成されている。
【0040】
溝20aは、3つの面で形成されている。すなわち、チューブ接合面22の外周部から略垂直に折り曲げられてチューブ長手方向Xに延びる内側壁部23と、内側壁部23から略垂直に折り曲げられてチューブ積層方向Yに延びる底壁部24と、底壁部24から略垂直に折り曲げられてチューブ長手方向Xに延びる外側壁部25とによって、溝20aが形成されている。また、外側壁部25の端部には、突起片251が多数形成されている。
【0041】
コアプレート20のチューブ接合面22には、チューブ10が挿入してろう付けされるチューブ挿入穴221がチューブ積層方向Yに沿って多数形成されている。また、サイドプレート4が挿入してろう付けされるサイドプレート挿入穴222が、チューブ接合面22におけるチューブ積層方向Yの両端側に1つずつ形成されている。チューブ挿入穴221およびサイドプレート挿入穴222は、チューブ巾方向Zに細長い形状であり、打ち抜き加工によって形成される。
【0042】
さらに、チューブ接合面22には、隣接するチューブ挿入穴221間、およびチューブ挿入穴221とサイドプレート挿入穴222との間に、チューブ巾方向Zに細長い形状で且つチューブ接合面22からタンク外側に凸となるリブ223が例えばプレス加工によって形成されている。また、チューブ接合面22において隣接するチューブ挿入穴221間の部位を挿入穴間部位としたとき、全ての挿入穴間部位にリブ223が2つ設けられている。
【0043】
リブ223のチューブ巾方向長さL1は、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向長さL2よりも短くなっている。また、チューブ積層方向Yに見たときに、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの端部とリブ223とがオーバーラップしている。
【0044】
さらに、リブ223のチューブ巾方向Zの端部は、内側壁部23まで到達していない。したがって、チューブ接合面22には、各挿入穴221、222やリブ223のチューブ巾方向Zの端部よりも外側で、且つ、チューブ積層方向Yの全域に亘って、平坦な面224が存在する。平坦な面224は、後述するようにチューブ接合面22のチューブ長手方向Xへの変形を容易にするものであり、本発明の変形許容部に相当する。
【0045】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0046】
本実施形態では、チューブ積層方向Yに見たときに、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの端部と、剛性の高いリブ223とがオーバーラップしているため、チューブ10間に温度差が発生した場合でも、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部の変形がリブ223により防止され、チューブ10のチューブ巾方向Zの両端部への応力集中を防止することができる。
【0047】
また、各挿入穴221、222やリブ223のチューブ巾方向Zの端部よりも外側に存在する平坦な面224は、チューブ長手方向Xに容易に変形可能である。したがって、チューブ10間の温度差が大きい場合は、平坦な面224の変形によってコアプレート20がチューブ長手方向Xに変形し、その変形によりチューブ10の熱歪が吸収される。
【0048】
また、リブ223のチューブ巾方向長さL1は、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部の変形を防止するために必要な分の長さにしている。すなわち、リブ223のチューブ巾方向長さL1を短くしているため、リブ223の成形性を向上させることができる。
【0049】
因みに、リブ223のチューブ巾方向長さをL1と、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向長さL2との関係を、0.08・L2≦L1≦0.2・L2とすることにより、チューブ10のチューブ巾方向Zの両端部への応力集中を防止する効果と、リブ223の成形性を向上させる効果を、両立させることができる。
【0050】
また、全ての挿入穴間部位にリブ223を2つ設けているため、換言すると、全てのチューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部に近接してリブ223を配置しているため、全てのチューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部の変形を確実に防止することができる。
【0051】
ここで、上記構成になる本実施形態のラジエータについて、チューブ挿入穴221におけるチューブ巾方向Zの端部からリブ223におけるチューブ巾方向Z外側の端部までの、チューブ巾方向Zの長さを、リブ突き出し長さL3としたとき、リブ突き出し長さL3の望ましい範囲について検討を行った。
【0052】
図6は検討結果を示すもので、横軸はリブ突き出し長さL3であり、縦軸はリブ223を設けないときにチューブ10の根付部に発生する応力を100%とする発生応力比である。
【0053】
図6から明らかなように、リブ突き出し長さL3を3〜8mmの範囲内にした場合、リブ223が設けられていないものと比較してチューブ10の根付部に発生する応力が低減される。したがって、チューブ10間に温度差が発生した場合、チューブ10のチューブ巾方向Zの両端部への応力集中を確実に防止することができる。さらに、リブ突き出し長さL3を4〜8mmの範囲内にすることにより、チューブ10間に温度差が発生した場合、チューブ10のチューブ巾方向Zの両端部への応力集中をより確実に防止することができる。
【0054】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図7は本発明の第2実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
第1実施形態では、全ての挿入穴間部位にリブ223を2つ設けたが、本実施形態では、全ての挿入穴間部位のうち一部の挿入穴間部位にのみリブ223を設けている。具体的には、図6に示すように、リブ223が2つ設けられた挿入穴間部位と、リブ223が設けられていない挿入穴間部位とを、チューブ積層方向Yに沿って交互に配置している。換言すると、挿入穴間部位に1つおきにリブ223を設けている。
【0056】
なお、図示しないが、リブ223が2つ設けられた1つの挿入穴間部位と、リブ223が設けられていない2つの挿入穴間部位とを、チューブ積層方向Yに沿って交互に配置してもよい。換言すると、隣接する3つの挿入穴間部位のうち1つの挿入穴間部位にのみリブ223を設けてもよい。
【0057】
このようにすれば、リブ223の数が少なくなるため、全ての挿入穴間部位にリブ223を設ける場合よりも、リブ223の成形性を向上させることができる。
【0058】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図8は本発明の第3実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
第1実施形態では、各挿入穴間部位にリブ223を2つ設けたが、本実施形態では、各挿入穴間部位にリブ223を1つずつ設けている。具体的には、図7に示すように、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの一端側にのみリブ223が設けられた挿入穴間部位と、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの他端側にのみリブ223が設けられた挿入穴間部位とを、チューブ積層方向Yに沿って交互に配置している。
【0060】
このようにすれば、リブ223の数が少なくなるため、全ての挿入穴間部位にリブ223を2つ設ける場合よりも、リブ223の成形性を向上させることができる。
【0061】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図9は本発明の第4実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
第1実施形態では、チューブ積層方向Yに見たときに、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの端部とリブ223とがオーバーラップするようにしたが、それらはオーバーラップしていなくてもよい。
【0063】
すなわち、本実施形態では、図9に示すように、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端よりもチューブ巾方向Z外側に、チューブ挿入穴221に近接してリブ223を配置している。より詳細には、全てのチューブ挿入穴221の両端側に、1つずつリブ223を配置している。また、リブ223とチューブ挿入穴221を、チューブ巾方向Zに沿って直列に配置している。
【0064】
このようにすれば、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部近傍に発生する応力がリブ223に分散されるため、チューブ10間に温度差が発生した場合の、チューブ挿入穴221のチューブ巾方向Zの両端部の変形がリブ223により防止され、ひいてはチューブ10のチューブ巾方向Zの両端部への応力集中を防止することができる。
【0065】
また、リブ223のチューブ巾方向Z長さを短くすることができるため、リブ223の成形性を向上させることができる。
【0066】
また、隣接するチューブ挿入穴221間のピッチが狭い場合でも、リブ223を容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱交換器の正面図である。
【図2】図1の熱交換器におけるタンクおよびチューブの斜視断面図である。
【図3】(a)は図2のコアプレート単体の正面図、(b)は(a)の下面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図6】リブ突き出し長さL3とチューブ10の根付部に発生する応力との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る熱交換器におけるコアプレート単体を示す模式的な図である。
【図10】従来の熱交換器におけるコアプレートおよびチューブの変形状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0068】
2、3…タンク、10…チューブ、22…チューブ接合面、221…チューブ挿入穴、223…リブ、224…平坦な面(変形許容部)、X…チューブ長手方向、Y…チューブ積層方向、Z…チューブ巾方向。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二

【識別番号】100108198
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 高広

【識別番号】100111578
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 史博


【公開番号】 特開2008−32384(P2008−32384A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−165151(P2007−165151)