トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F28 熱交換一般

【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】一柳 茂治

【要約】 【課題】すべての熱交換管内を流れる冷媒量のさらなる均一化を図ることができる熱交換器を提供する。

【構成】熱交換器30の外側プレート36に左右方向にのびる前後2つの外方膨出部54A,54Bを形成する。下ヘッダタンク32の各外方膨出部54A,54Bが冷媒流通用外方膨出部となる。冷媒流通用外方膨出部内に冷媒を左右方向に流す第1冷媒流通部55A,55Bを形成する。外方膨出部54A,54Bの第1冷媒流通部55A,55Bに通じる中間プレート38の連通穴44を連通部46により連通させ、第1冷媒流通部55A,55Bに通じる連通穴44および連通部46によって、中間プレート38に、冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部60A,60Bを形成する。下ヘッダタンク32の各外方膨出部54A,54B内に、第1冷媒流通部55A,55Bおよび第2冷媒流通部60A,60Bの合計断面積を減少させる絞り部61A,61Bを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に間隔をおいて配置されかつ左右方向にのびる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、上下両ヘッダタンクの外側プレートに、それぞれ左右方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された複数の外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、内側プレートの各管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの内側プレートの管挿入穴内に挿入されて内側プレートにろう付されており、下ヘッダタンクの少なくとも1つの外方膨出部が冷媒流通用外方膨出部となっているとともに、冷媒流通用外方膨出部内に、冷媒を左右方向に流す第1冷媒流通部が形成され、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部の第1冷媒流通部に通じる中間プレートの連通穴が、中間プレートにおける隣り合う連通穴どうしの間に形成された連通部により連通させられるとともに、第1冷媒流通部に通じる連通穴および連通部によって、中間プレートに、冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部が形成されている熱交換器であって、
下ヘッダタンクの冷媒流通用外方膨出部内に、第1冷媒流通部および第2冷媒流通部の合計断面積を減少させる絞り部が設けられている熱交換器。
【請求項2】
絞り部が、冷媒流通用外方膨出部の少なくとも一部分を潰すことにより形成されている請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
絞り部が、冷媒流通用外方膨出部内に設けられ、かつ第1冷媒流通部を長さ方向に分断する分断部よりなる請求項1記載の熱交換器。
【請求項4】
分断部が、冷媒流通用外方膨出部の一部分に設けられた非膨出部からなる請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
絞り部が、冷媒流通用外方膨出部の第1冷媒流通部における冷媒流れ方向下流側に設けられている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項6】
上側ヘッダタンクの外側プレートに、前後方向に間隔をおいて形成された2つの外方膨出部からなる組が左右方向に間隔をおいて2組設けられ、下側ヘッダタンクの外側プレートに、その前後方向に間隔をおいて並んだ2つの外方膨出部が、それぞれ上側ヘッダタンクの左右方向に隣り合う2つの外方膨出部にまたがるように形成され、
各ヘッダタンクの内側プレートにおける前後両側部分にそれぞれ複数の管挿入穴が形成されるとともに、中間プレートにおける前後両側部分にそれぞれ複数の連通穴が形成され、
上側ヘッダタンクにおいて、一方の組の2つの外方膨出部のうちいずれか一方が冷媒流入用外方膨出部となるとともに、同他方が冷媒流出用外方膨出部となり、他方の組の2つの外方膨出部のうちいずれか一方の外方膨出部に通じる中間プレートの連通穴と、他方の外方膨出部に通じる中間プレートの連通穴とが、中間プレートに形成された冷媒ターン用連通部により連通させられることにより、当該2つの外方膨出部が相互に通じ合わせられ、
下側ヘッダタンクにおいて、2つの外方膨出部がそれぞれ冷媒流通用外方膨出部となっている請求項1〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項7】
圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、エバポレータが請求項1〜6のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
【請求項8】
超臨界冷媒が二酸化炭素である請求項7記載の超臨界冷凍サイクル。
【請求項9】
請求項7または8記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのエバポレータとして好適に使用される熱交換器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「超臨界冷凍サイクル」とは、高圧側において、冷媒が臨界圧力を超えた超臨界状態となる冷凍サイクルを意味するものとし、「超臨界冷媒」とは、超臨界冷凍サイクルに用いられる冷媒を意味するものとする。また、この明細書および特許請求の範囲において、図1および図2の上下、左右を上下、左右というものとし、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1および図11に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。
【背景技術】
【0003】
たとえばカーエアコンとして使用される超臨界冷凍サイクルのエバポレータに用いられる熱交換器として、本出願人は、先に、上下方向に間隔をおいて配置されかつ左右方向にのびる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、上下両ヘッダタンクの外側プレートに、それぞれ左右方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された複数の外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、内側プレートの各管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの内側プレートの管挿入穴内に挿入されて内側プレートにろう付されており、下ヘッダタンクの少なくとも1つの外方膨出部が冷媒流通用外方膨出部となっているとともに、冷媒流通用外方膨出部内に、冷媒を左右方向に流す第1冷媒流通部が形成され、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部の第1冷媒流通部に通じる中間プレートの連通穴が、中間プレートにおける隣り合う連通穴どうしの間に形成された連通部により連通させられるとともに、第1冷媒流通部に通じる連通穴および連通部によって、中間プレートに、冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部が形成されている熱交換器を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
一般に、カーエアコンのエバポレータにおいて、カーエアコンが搭載された車両の車室内の快適性を向上させることを目的として、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を通過してきた吹き出し空気温度をエバポレータの各部において均一にすることが望まれるが、そのために、エバポレータ内を流れる冷媒の分流状態を調節してすべての熱交換管内を流れる冷媒流通量の均一化を図る必要がある。
【0005】
ところで、特許文献1記載の熱交換器からなるエバポレータにおいて、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を通過してきた吹き出し空気温度をエバポレータの各部においてさらに均一化するには、すべての熱交換管内を流れる冷媒量のさらなる均一化を図る必要がある。しかしながら、特許文献1記載の熱交換器の場合、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部内の第1冷媒流通部および中間プレートの第2冷媒流通部において、冷媒は慣性力により下流端側に流れやすくなるので、第1冷媒流通部および第2冷媒流通部における下流端側の冷媒流量が偏って増加するおそれがある。その結果、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部内の第1冷媒流通部および中間プレートの第2冷媒流通部に通じるすべての熱交換管のうち、両冷媒流通部の下流端側に通じる熱交換管を流れる冷媒量が、他の熱交換管を流れる冷媒量よりも多くなるおそれがある。
【特許文献1】特開2005−300135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、すべての熱交換管内を流れる冷媒量のさらなる均一化を図ることができる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)上下方向に間隔をおいて配置されかつ左右方向にのびる1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に並列状に配置されかつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクが、外側プレートと、内側プレートと、これら両プレート間に介在させられた中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、上下両ヘッダタンクの外側プレートに、それぞれ左右方向にのびかつ中間プレートにより開口が閉鎖された複数の外方膨出部が形成され、内側プレートにおける外方膨出部と対応する部分に、複数の管挿入穴が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、内側プレートの各管挿入穴を外側プレートの外方膨出部内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、熱交換管の両端部が両ヘッダタンクの内側プレートの管挿入穴内に挿入されて内側プレートにろう付されており、下ヘッダタンクの少なくとも1つの外方膨出部が冷媒流通用外方膨出部となっているとともに、冷媒流通用外方膨出部内に、冷媒を左右方向に流す第1冷媒流通部が形成され、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部の第1冷媒流通部に通じる中間プレートの連通穴が、中間プレートにおける隣り合う連通穴どうしの間に形成された連通部により連通させられるとともに、第1冷媒流通部に通じる連通穴および連通部によって、中間プレートに、冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部が形成されている熱交換器であって、
下ヘッダタンクの冷媒流通用外方膨出部内に、第1冷媒流通部および第2冷媒流通部の合計断面積を減少させる絞り部が設けられている熱交換器。
【0009】
2)絞り部が、冷媒流通用外方膨出部の少なくとも一部分を潰すことにより形成されている上記1)記載の熱交換器。
【0010】
3)絞り部が、冷媒流通用外方膨出部内に設けられ、かつ第1冷媒流通部を長さ方向に分断する分断部よりなる上記1)記載の熱交換器。
【0011】
4)分断部が、冷媒流通用外方膨出部の一部分に設けられた非膨出部からなる上記3)記載の熱交換器。
【0012】
5)絞り部が、冷媒流通用外方膨出部の第1冷媒流通部における冷媒流れ方向下流側に設けられている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0013】
6)上側ヘッダタンクの外側プレートに、前後方向に間隔をおいて形成された2つの外方膨出部からなる組が左右方向に間隔をおいて2組設けられ、下側ヘッダタンクの外側プレートに、その前後方向に間隔をおいて並んだ2つの外方膨出部が、それぞれ上側ヘッダタンクの左右方向に隣り合う2つの外方膨出部にまたがるように形成され、
各ヘッダタンクの内側プレートにおける前後両側部分にそれぞれ複数の管挿入穴が形成されるとともに、中間プレートにおける前後両側部分にそれぞれ複数の連通穴が形成され、
上側ヘッダタンクにおいて、一方の組の2つの外方膨出部のうちいずれか一方が冷媒流入用外方膨出部となるとともに、同他方が冷媒流出用外方膨出部となり、他方の組の2つの外方膨出部のうちいずれか一方の外方膨出部に通じる中間プレートの連通穴と、他方の外方膨出部に通じる中間プレートの連通穴とが、中間プレートに形成された冷媒ターン用連通部により連通させられることにより、当該2つの外方膨出部が相互に通じ合わせられ、
下側ヘッダタンクにおいて、2つの外方膨出部がそれぞれ冷媒流通用外方膨出部となっている上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0014】
7)圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルであって、エバポレータが上記1)〜6)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる超臨界冷凍サイクル。
【0015】
8)超臨界冷媒が二酸化炭素である上記7)記載の超臨界冷凍サイクル。
【0016】
9)上記7)または8)記載の超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
【発明の効果】
【0017】
上記1)の熱交換器によれば、下ヘッダタンクの冷媒流通用外方膨出部内に、第1冷媒流通部および第2冷媒流通部の合計断面積を減少させる絞り部が設けられているので、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部内の第1冷媒流通部および中間プレートの第2冷媒流通部において、冷媒が慣性力により下流端側に流れやすくなっていたとしても、絞り部の働きにより、両冷媒流通部の下流端側での冷媒流量の偏った増加を防止することができる。したがって、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部内の第1冷媒流通部および中間プレートの第2冷媒流通部に通じるすべての熱交換管を流れる冷媒量のさらなる均一化を図ることができる。したがって、たとえばカーエアコンのエバポレータとして用いた場合、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を通過してきた吹き出し空気温度をエバポレータの各部において均一にすることが可能となり、その結果カーエアコンが搭載された車両の車室内の快適性が向上する。
【0018】
上記2)の熱交換器によれば、絞り部が、冷媒流通用外方膨出部の少なくとも一部分を潰すことにより形成されているので、冷媒流制御用部材などの別部材を用いる必要がなくなる。また、絞り部を比較的簡単に形成することができる。
【0019】
上記3)の熱交換器によれば、絞り部が、冷媒流通用外方膨出部内に設けられ、かつ第1冷媒流通部を長さ方向に分断する分断部よりなるので、冷媒流制御用部材などの別部材を用いる必要がなくなる。
【0020】
上記4)の熱交換器によれば、分断部を比較的簡単に形成することができる。
【0021】
上記5)の熱交換器によれば、下ヘッダタンクにおける外側プレートの冷媒流通用外方膨出部内の第1冷媒流通部および中間プレートの第2冷媒流通部の下流端側での冷媒流量の偏った増加を、効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を超臨界冷凍サイクルのエバポレータに適用したものである。
【0023】
図1〜図3はこの発明を適用したエバポレータの全体構成を示し、図4〜図10はエバポレータの要部の構成を示し、図11は図1のエバポレータにおける冷媒の流れを示す。
【0024】
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0025】
図1〜図3において、超臨界冷媒、たとえばCOを使用する超臨界冷凍サイクルのエバポレータ(30)は、上下方向に間隔をおいて配置されかつ左右方向にのびる2つのヘッダタンク(31)(32)と、両ヘッダタンク(31)(32)間に、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の扁平状熱交換管(33)と、隣接する熱交換管(33)どうしの間の通風間隙、および左右両端の熱交換管(33)の外側に配置されて熱交換管(33)にろう付されたコルゲートフィン(34)と、左右両端のコルゲートフィン(34)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(34)にろう付されたアルミニウムベア製サイドプレート(35)とを備えている。なお、この実施形態において、上側のヘッダタンク(31)を第1ヘッダタンク、下側のヘッダタンク(32)を第2ヘッダタンクというものとする。
【0026】
第1ヘッダタンク(31)は、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された外側プレート(36)と、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成された内側プレート(37)と、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材からなりかつ外側プレート(36)と内側プレート(37)との間に介在させられた中間プレート(38)とが、積層されて互いにろう付されることにより構成されている。
【0027】
第1ヘッダタンク(31)の外側プレート(36)の右側部分および左側部分に、それぞれ左右方向にのびる2つの外方膨出部(39A)(39B)(39C)(39D)が前後方向に間隔をおいて形成されている。各外方膨出部(39A)〜(39D)の膨出高さ、長さおよび幅は等しくなっている。以下、この実施形態において、右側前部分の外方膨出部(39A)を第1外方膨出部、右側後部分の外方膨出部(39B)を第2外方膨出部、左側前部分の外方膨出部(39C)を第3外方膨出部、左側後部分の外方膨出部(39D)を第4外方膨出部というものとする。第1外方膨出部(39A)と第2外方膨出部(39B)とが組をなし、第3外方膨出部(39C)と第4外方膨出部(39D)とが組をなしている。ここで、第1および第2外方膨出部(39A)(39B)の内部空間は、それぞれCOを左右方向に流す第1冷媒流通部(40A)(40B)となっており、第1および第2外方膨出部(39A)(39B)が冷媒流通用外方膨出部となっている。外側プレート(36)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施することにより形成されている。
【0028】
内側プレート(37)の前後両側部分に、それぞれ前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(41)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前側の右半部における複数の管挿入穴(41)は、外側プレート(36)の第1外方膨出部(39A)の左右方向の範囲内に形成され、後側の右半部における複数の管挿入穴(41)は、第2外方膨出部(39B)の左右方向の範囲内に形成され、前側の左半部における複数の管挿入穴(41)は、第3外方膨出部(39C)の左右方向の範囲内に形成され、後側の左半部における複数の管挿入穴(41)は、第4外方膨出部(39D)の左右方向の範囲内に形成されている。また、各管挿入穴(41)の長さは、各外方膨出部(39A)〜(39D)の前後方向の幅よりも若干長く、管挿入穴(41)の前後両端部は各外方膨出部(39A)〜(39D)の前後両側縁よりも外方に突出している(図3参照)。
【0029】
内側プレート(37)の前後両側縁部に、それぞれ上方に突出して先端が外側プレート(36)の外面まで至り、かつ外側プレート(36)と中間プレート(38)との境界部分を全長にわたって覆う被覆壁(42)が一体に形成され、外側プレート(36)および中間プレート(38)の前後両側面にろう付されている。各被覆壁(42)の突出端に、外側プレート(36)の外面に係合する複数の係合部(43)が、左右方向に間隔をおいて一体に形成され、外側プレート(36)にろう付されている。内側プレート(37)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
【0030】
中間プレート(38)における管挿入穴(41)と対応する位置に、内側プレート(37)の管挿入穴(41)を外側プレート(36)の外方膨出部(39A)〜(39D)内に通じさせる貫通状連通穴(44)が、管挿入穴(41)と同じ数だけ形成されている。連通穴(44)は管挿入穴(41)よりも一回り大きくなっている。そして、内側プレート(37)の前側の右半部における複数の管挿入穴(41)は、中間プレート(38)の前側の右半部における複数の連通穴(44)を介して第1外方膨出部(39A)内に通じさせられ、同じく後側の右半部における複数の管挿入穴(41)は、中間プレート(38)の後側の右半部における複数の連通穴(44)を介して第2外方膨出部(39B)内に通じさせられ、同じく前側の左半部における複数の管挿入穴(41)は、中間プレート(38)の前側の左半部における複数の連通穴(44)を介して第3外方膨出部(39C)内に通じさせられ、同じく後側の左半部における複数の管挿入穴(41)は、中間プレート(38)の後側の左半部における複数の連通穴(44)を介して第4外方膨出部(39D)内に通じさせられている。
【0031】
図3および図4に示すように、中間プレート(38)における外側プレート(36)の第1外方膨出部(39A)内の第1冷媒流通部(40A)に通じるすべての連通穴(44)および第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)に通じるすべての連通穴(44)は、それぞれ中間プレート(38)における左右方向に隣り合う連通穴(44)間の前後方向中央部分を切除することにより形成された連通部(46)により連通させられている。そして、外側プレート(36)の第1および第2外方膨出部(39A)(39B)内の第1冷媒流通部(40A)(40B)に通じるすべての連通穴(44)およびこれらの連通穴(44)を連通させる連通部(46)により、中間プレート(38)に冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部(50A)(50B)が形成されている。図4および図5に示すように、中間プレート(38)における外側プレート(36)の第3外方膨出部(39C)の内部空間に通じる各連通穴(44)と第4外方膨出部(39D)の内部空間に通じる各連通穴(44)とは、中間プレート(38)における前後方向に隣り合う連通穴(44)間の部分を切除することにより形成された冷媒ターン用連通部(45)により連通させられ、これにより外側プレート(36)の第3および第4外方膨出部(39C)(39D)の内部空間どうしが相互に通じ合っている。中間プレート(38)は、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより形成されている。
【0032】
図4および図6に示すように、3つのプレート(36)(37)(38)の右端部には、それぞれ前後方向に間隔をおいて2つの右方突出部(36a)(37a)(38a)が形成されている。中間プレート(38)には、前後2つの外方突出部(38a)の先端から右端部の連通穴(44)に通じる切り欠き(47)が形成されており、これにより第1ヘッダタンク(31)に、中間プレート(38)の前側の第2冷媒流通部(50A)および外側プレート(36)の第1外方膨出部(39A)内の第1冷媒流通部(40A)に通じる冷媒入口(48)と、中間プレート(38)の後側の第2冷媒流通部(50B)および外側プレート(36)の第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)に通じる冷媒出口(49)とが形成されている。3つのプレート(36)(37)(38)の2つの右方突出部(36a)(37a)(38a)にまたがるように、冷媒入口(48)に通じる冷媒流入路(52)および冷媒出口(49)に通じる冷媒流出路(53)を有する冷媒入出部材(51)が、両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシート(57)により第1ヘッダタンク(31)にろう付されている。冷媒入出部材(51)は、金属ベア材、ここではアルミニウムベア材からなる。
【0033】
図1〜図3、図7および図8に示すように、第2ヘッダタンク(32)は、第1ヘッダタンク(31)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す。両ヘッダタンク(31)(32)は、内側プレート(37)どうしが対向するように配置されている。第2ヘッダタンク(32)の第1ヘッダタンク(31)との相違点は以下に述べるとおりである。
【0034】
第2ヘッダタンク(32)の外側プレート(36)に、左右方向にのびる2つの外方膨出部(54A)(54B)が前後方向に間隔をおいて形成されている。両外方膨出部(54A)(54B)は、それぞれ第1ヘッダタンク(31)の外側プレート(36)の第1外方膨出部(39A)と第3外方膨出部(39C)、および第2外方膨出部(39B)と第4外方膨出部(39D)とにそれぞれまたがるように外側プレート(36)の右端部から左端部にかけて形成されている。前後両外方膨出部(54A)(54B)の膨出高さおよび幅は、第1ヘッダタンク(31)の外側プレート(36)の外方膨出部(39A)〜(39D)の膨出高さおよび幅と等しくなっている。ここで、前後両外方膨出部(54A)(54B)の内部空間は、それぞれCOを左右方向に流す第1冷媒流通部(55A)(55B)となっており、前後両外方膨出部(54A)(54B)がいずれも冷媒流通用外方膨出部となっている。COは、前側外方膨出部(54A)内の第1冷媒流通部(55A)を右から左に流れ、後側外方膨出部(54B)内の第1冷媒流通部(55B)を左から右に流れるようになっている。なお、両外方膨出部(54A)(54B)は連通させられていない。
【0035】
内側プレート(37)の前後両側部分に、それぞれ前後方向に長い複数の貫通状管挿入穴(41)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前側のすべての管挿入穴(41)は、外側プレート(36)の前側外方膨出部(54A)の左右方向の範囲内に形成され、後側のすべての管挿入穴(41)は、後側外方膨出部(54B)の左右方向の範囲内に形成されている。
【0036】
中間プレート(38)における内側プレート(37)の管挿入穴(41)と対応する位置に形成され、かつ管挿入穴(41)を各外方膨出部(54A)(54B)内に通じさせるすべての連通穴(44)が、中間プレート(38)における左右方向に隣り合う連通穴(44)間の部分を切除することによって形成された連通部(46)により連通させられている。そして、外側プレート(36)の前後両外方膨出部(54A)(54B)内の第1冷媒流通部(55A)(55B)に通じるすべての連通穴(44)およびこれらの連通穴(44)を連通させる連通部(46)により、中間プレート(38)に冷媒を左右方向に流す第2冷媒流通部(60A)(60B)が形成されている。
【0037】
なお、第2ヘッダタンク(32)には冷媒入口および冷媒出口は形成されていない。
【0038】
図2および図8に示すように、第2ヘッダタンク(32)の外側プレート(36)における前側外方膨出部(54A)内の左端寄りの部分(冷媒流れ方向下流側部分)および後側外方膨出部(54B)内の右端寄りの部分(冷媒流れ方向下流側部分)に、それぞれ外側プレート(36)の第1冷媒流通部(55A)(55B)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(60A)(60B)の合計断面積を減少させる絞り部(61A)(61B)が設けられている。両絞り部(61A)(61B)は、それぞれ前後両外方膨出部(54A)(54B)を潰すことにより形成されている。換言すれば、両絞り部(61A)(61B)は、それぞれ外側プレート(36)をプレス成形する際に一体に形成され、かつ前後両外方膨出部(54A)(54B)内の第1冷媒流通部(55)を長さ方向に分断する非膨出部(62A)(62B)(分断部)からなる。
【0039】
両ヘッダタンク(31)(32)は、図9および図10に示すようにして製造されている。
【0040】
まず、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、外方膨出部(39A)(39B)(39C)(39D)(54A)(54B)、第1冷媒流通部(40A)(40B)(55A)(55B)および非膨出部(62A)(62B)を有する外側プレート(36)を形成する。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより、管挿入穴(41)、被覆壁(42)および被覆壁(42)に真っ直ぐに連なった係合部形成用突片(43A)を有する内側プレート(37)を形成する。さらに、アルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより、連通穴(44)、連通部(45)(46)および第2冷媒流通部(50A)(50B)(60A)(60B)を有する中間プレート(38)を形成する。第1ヘッダタンク(31)の外側プレート(36)、中間プレート(38)および内側プレート(37)には、それぞれ右方突出部(36a)(37a)(38a)を形成し、さらに中間プレート(38)には切り欠き(47)を形成しておく。
【0041】
ついで、3つのプレート(36)(37)(38)を積層状に組み合わせた後、突片(43A)を曲げて係合部(43)を形成し、係合部(43)を外側プレート(36)に係合させて仮止め体をつくる。その後、外側プレート(36)のろう材層および内側プレート(37)のろう材層を利用して3つのプレート(36)(37)(38)を相互にろう付するとともに、被覆壁(42)を中間プレート(38)および外側プレート(36)の前後両側面にろう付し、さらに係合部(43)を外側プレート(36)にろう付する。こうして、両ヘッダタンク(31)(32)が製造されている。
【0042】
熱交換管(33)は、金属のベア材、ここではアルミニウム製押出形材からなり、前後方向に幅広の扁平状で、その内部に長さ方向にのびる複数の冷媒通路(33a)が並列状に形成されている。熱交換管(33)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(31)(32)の管挿入穴(41)に挿入された状態で、内側プレート(37)のろう材層を利用して内側プレート(37)にろう付されている。なお、熱交換管(33)の両端は中間プレート(38)の厚さ方向の中間部まで連通穴(44)内に入り込んでおり、中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50A)(50B)(60A)(60B)内に臨んでいる(図3参照)。両ヘッダタンク(31)(32)間には、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管(33)からなる熱交換管群(56)が、前後方向に並んで複数列、ここでは2列配置されている。前側熱交換管群(56)の右半部に位置する複数の熱交換管(33)の上下両端部は第1外方膨出部(39A)内および前側外方膨出部(54A)内に通じるように両ヘッダタンク(31)(32)に接続され、同じく左半部に位置する複数の熱交換管(33)の上下両端部は第3外方膨出部(39C)内および前側外方膨出部(54A)内に通じるように両ヘッダタンク(31)(32)に接続されている。また、後側熱交換管群(56)の右半部に位置する複数の熱交換管(33)の上下両端部は第2外方膨出部(39B)内および後側外方膨出部(54B)内に通じるように両ヘッダタンク(31)(32)に接続され、同じく左半部に位置する複数の熱交換管(33)の上下両端部は第4外方膨出部(39D)内および後側外方膨出部(54B)内に通じるように両ヘッダタンク(31)(32)に接続されている。
【0043】
なお、熱交換管(33)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より隆起状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ隆起状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。
【0044】
コルゲートフィン(34)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、その波頭部と波底部を連結する連結部に、前後方向に並列状に複数のルーバが形成されている。コルゲートフィン(34)は前後両熱交換管群(56)に共有されており、その前後方向の幅は前側熱交換管群(56)の熱交換管(33)の前側縁と後側熱交換管群(56)の熱交換管(33)の後側縁との間隔をほぼ等しくなっている。なお、1つのコルゲートフィン(34)が前後両熱交換管群(56)に共有される代わりに、両熱交換管群(56)の隣り合う熱交換管(33)どうしの間にそれぞれコルゲートフィンが配置されていてもよい。
【0045】
エバポレータ(30)は、ヘッダタンク(31)(32)を製造する際の上述した2つの仮止め体と、複数の熱交換管(33)およびコルゲートフィン(34)とを用意すること、2つの仮止め体を、内側プレート(37)どうしが対向するように間隔をおいて配置すること、複数の熱交換管(33)とコルゲートフィン(34)とを交互に配置すること、熱交換管(33)の両端部をそれぞれ両仮止め体の内側プレート(37)の管挿入穴(41)内に挿入すること、両端のコルゲートフィン(34)の外側にサイドプレート(35)を配置すること、3つのプレート(36)(37)(38)にまたがるように、ブレージングシート(57)を介して冷媒入出部材(51)を配置すること、ならびに仮止め体の3つのプレート(36)(37)(38)を相互にろう付してヘッダタンク(31)(32)を形成すると同時に、熱交換管(33)をヘッダタンク(31)(32)に、フィン(34)を熱交換管(33)に、サイドプレート(35)をフィン(34)に、入出部材(51)を第1ヘッダタンク(31)にそれぞれろう付することによって製造される。
【0046】
エバポレータ(30)は、圧縮機、ガスクーラ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
【0047】
上述したエバポレータ(30)において、図11に示すように、減圧器としての膨張弁を通過して減圧されたCO が、入出部材(51)の冷媒流入路(52)を通って冷媒入口(48)から第1ヘッダタンク(31)の中間プレート(38)の前側の第2冷媒流通部(50A)および第1外方膨出部(39A)内の第1冷媒流通部(40A)に入り、第1冷媒流通部(40A)および第2冷媒流通部(50A)を左方に流れ、第1外方膨出部(39A)内の第1冷媒流通部(40A)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50A)に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入する。
【0048】
第1外方膨出部(39A)内の第1冷媒流通部(40A)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50A)に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入したCOは、冷媒通路(33a)内を下方に流れて第2ヘッダタンク(32)の中間プレート(38)の前側の第2冷媒流通部(60A)および前側外方膨出部(54A)内の第1冷媒流通部(55A)に流入し、第1冷媒流通部(55A)および第2冷媒流通部(60A)を左方に流れ、分流して第1ヘッダタンク(31)の第3外方膨出部(39C)内に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入する。
【0049】
第2ヘッダタンク(32)の第1冷媒流通部(55A)および第2冷媒流通部(60A)においては、COは慣性力により左方(冷媒流れ方向下流端側)に流れやすくなっているので、左端側の熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入しやすくなっている。しかしながら、絞り部(61A)の働きにより、COの流れに抵抗が付与されることになり、両冷媒流通部(55A)(60A)の左端側での冷媒流量の偏った増加を防止することができる。したがって、第2ヘッダタンク(32)における外側プレート(36)の前側外方膨出部(54A)内の第1冷媒流通部(55A)および中間プレート(38)の前側第2冷媒流通部(60A)に通じる前側熱交換管群(56)におけるすべての熱交換管(33)の冷媒流通量の均一化を図ることができる。
【0050】
第1ヘッダタンク(31)の第3外方膨出部(39C)内に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入したCOは、流れ方向を変えて冷媒通路(33a)内を上方に流れて第1ヘッダタンク(31)の第3外方膨出部(39C)内に入る。第3外方膨出部(39C)内に流入したCOは、第1ヘッダタンク(31)の中間プレート(38)の冷媒ターン用連通部(45)を通って第4外方膨出部(39D)内に入り、分流して第4外方膨出部(39D)に接続されているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(33a)内を下方に流れて第2ヘッダタンク(32)の中間プレート(38)の後側の第2冷媒流通部(60B)および後側外方膨出部(54B)内の第1冷媒流通部(55B)に流入し、第1冷媒流通部(55B)および第2冷媒流通部(60B)を右方に流れ、分流して第1ヘッダタンク(31)の第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50B)に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入する。
【0051】
第2ヘッダタンク(32)の第1冷媒流通部(55B)および第2冷媒流通部(60B)においては、COは慣性力により右方(冷媒流れ方向下流端側)に流れやすくなっているので、右端側の熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入しやすくなっている。しかしながら、絞り部(61B)の働きにより、COの流れに抵抗が付与されることになり、両冷媒流通部(55B)(60B)の右端側での冷媒流量の偏った増加を防止することができる。したがって、第2ヘッダタンク(32)における外側プレート(36)の後側外方膨出部(54B)内の第1冷媒流通部(55B)および中間プレート(38)の後側第2冷媒流通部(60B)に通じる後側熱交換管群(56)におけるすべての熱交換管(33)の冷媒流通量の均一化を図ることができる。
【0052】
第1ヘッダタンク(31)の第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50B)に通じているすべての熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内に流入したCOは、流れ方向を変えて冷媒通路(33a)内を上方に流れて第1ヘッダタンク(31)の第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50B)に入る。その後、COは、第2外方膨出部(39B)内の第1冷媒流通部(40B)および中間プレート(38)の第2冷媒流通部(50B)を右方に流れ、冷媒出口(49)および入出部材(51)の冷媒流出路(53)を通って流出する。そして、COが熱交換管(33)の冷媒通路(33a)内を流れる間に、通風間隙を図1および図11に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換をし、気相となって流出する。ここで、上述したように、前後両熱交換管群(56)におけるすべての熱交換管(33)の冷媒流通量の均一化が図られているので、隣接する熱交換管(33)どうしの間の通風間隙を通過してきた吹き出し空気温度を、エバポレータ(30)の各部において均一にすることが可能になり、超臨界冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載された車両の車室の快適性が向上する。
【0053】
上記実施形態では、中間プレート(38)の数は1であるが、これに限定されるものではなく、外側プレート(36)と内側プレート(37)との間に、複数の中間プレート(38)が積層状に介在させられていてもよい。この場合、各中間プレート(38)に連通穴(44)、連通部(45)(46)などが形成される。
【0054】
また、上記実施形態においては、この発明による熱交換器が超臨界冷凍サイクルのエバポレータに適用されているが、これに限るものではなく、この発明による熱交換器は、他の用途に供されることもある。
【0055】
さらに、上記実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、COが使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明による熱交換器を適用したエバポレータの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のガスクーラの後方から前方を見た一部省略垂直断面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】図2のC−C線拡大断面図である。
【図6】図1のエバポレータにおける第1ヘッダタンクの右端部を示す分解斜視図である。
【図7】図2のD−D線断面図である。
【図8】図7のE−E線断面図である。
【図9】図1のエバポレータの第1ヘッダタンクの部分を示す分解斜視図である。
【図10】図1のエバポレータの第2ヘッダタンクの部分を示す分解斜視図である。
【図11】図1のエバポレータにおける冷媒の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0057】
(30):エバポレータ(熱交換器)
(31)(32):ヘッダタンク
(33):熱交換管
(36):外側プレート
(37):内側プレート
(38):中間プレート
(39A)〜(39D):外方膨出部
(41):管挿入穴
(44):連通穴
(55A)(55B):第1冷媒流通部
(60A)(60B):第2冷媒流通部
(61A)(61B):絞り部
(62A)(62B):非膨出部(分断部)
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子


【公開番号】 特開2008−20090(P2008−20090A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190151(P2006−190151)