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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】早坂 厚

【氏名】真田 良一

【要約】 【課題】チューブとサイドプレートにおけるコアプレートとの接合部の破損を防止可能な、製造容易な熱交換器であって、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付けを安定して実施可能なサイドプレートを有する熱交換器を提供する。

【構成】内部を熱交換媒体が通過する複数本のチューブ2と、チューブ2と交互に積層されて熱交換媒体の熱伝達を増大させる複数のフィン3と、チューブ2の両端部が接続されるコアプレート5aと、フィン3の積層方向において最も外側に配置される端部フィン3aよりも積層方向外側に配設されてコアプレート5aに接続される細長いサイドプレート7と、を備えた熱交換器であって、サイドプレート7の少なくとも一つは、長手方向の中間箇所において複数の架橋部7c、7dを有しており、架橋部の少なくとも1箇所7dは、チューブとフィンのろう付け後に切断されて設けられたスリット7eを有している熱交換器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を熱交換媒体が通過する複数本のチューブ(2)と、
該チューブ(2)と交互に積層されて前記熱交換媒体の熱伝達を増大させる複数のフィン(3)と、
前記チューブ(2)の両端部が接続されるコアプレート(5a)と、
前記フィン(3)の積層方向において最も外側に配置される端部フィン(3a)よりも積層方向外側に配設されて前記コアプレート(5a)に接続される細長いサイドプレート(7)と、を備えた熱交換器であって、
前記サイドプレート(7)の少なくとも一つは、長手方向の中間箇所において複数の架橋部(7c、7d)を有しており、
前記架橋部(7c、7d)の少なくとも1箇所(7d)は、前記チューブ(2)と前記フィン(3)のろう付け後に切断されて設けられたスリット(7e)を有していることを特徴とする熱交換器(100、200)。
【請求項2】
前記スリット(7e)は、前記熱交換器に組み付けられた前記サイドプレート(7)の外周に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器(100、200)。
【請求項3】
切断されていない前記架橋部の少なくとも1箇所(7c)は、前記サイドプレート(7)長手方向に対して斜めに架橋していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器(100)。
【請求項4】
前記サイドプレート(7)の断面は略コの字形をしており、前記断面内側に配管(6)が伸びて配設され、該配管(6)は、前記架橋部(7c、7d)近傍で前記断面内側から外部へ突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器(100)。
【請求項5】
一つの前記熱交換器(200)内に複数の別経路が構成され、該別経路内を複数の前記熱交換媒体が各々通過することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器(200)。
【請求項6】
複数の前記熱交換媒体の一方は高温媒体であり、他方は低温媒体であって、
前記サイドプレートは、前記高温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたもの(7)と、前記低温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたもの(71)とから構成され、
前記高温媒体が通過するチューブ近傍側に配設された前記サイドプレート(7)は、前記スリット(7e)を有する架橋部(7d)を有しており、
前記低温媒体が通過するチューブ近傍側に配設された前記サイドプレート(71)は、前記架橋部(7c、7d)を全く有していないことを特徴とする請求項5に記載の熱交換器(200)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器に関し、特に、車両用エンジンの冷却水を冷却するラジエータ、車両用トランスミッションのオイルクーラ、および一つの熱交換器の別経路内を複数の熱交換媒体が各々通過する熱交換器に適用すると有効である。
【背景技術】
【0002】
従来、内部を熱交換媒体が通過する複数本のチューブ2と、該チューブと交互に積層されて前記熱交換媒体の熱伝達を増大させる複数のフィン3と、チューブの両端部が接続されるコアプレート5aと、フィンの積層方向において最も外側に配置される端部フィン3aよりも積層方向外側に配設されてコアプレート5aに接続されるサイドプレート7と、により構成される熱交換器のコア部構造(図1参照)が周知である。
【0003】
この種の熱交換器のコア部構造では、所定間隔をおいて対向配置される二つのコアプレート5aの間にチューブ2とコルゲートフィン3が交互に配置され、二つのコアプレート5aの両端部がサイドプレート7により架橋されている。そして、チューブ2及びサイドプレート7の両端部が、コアプレート5aに配設されるチューブ穴及びサイドプレート穴にそれぞれ挿入されて、その挿入部がろう付けされている(図2参照)。
【0004】
しかし、上記熱交換器において、チューブ2内に熱交換媒体が通過し始めると、熱交換媒体の影響を直接受けるチューブ2およびコアプレート5aの熱膨張量と、熱交換媒体の影響を直接受けないサイドプレート7の熱膨張量との差により、チューブ2とサイドプレート7には熱歪みにともなう熱応力が発生する。そして、熱応力が繰り返し発生すると、チューブ2とサイドプレート7におけるコアプレート5aとの接合部(挿入部)近傍7zが疲労破壊するという問題がある。
【0005】
この対策として特許文献1に記載された技術がある。これは、サイドプレートの一部を屈曲させてサイドプレートがその長手方向に容易に伸縮可能にし、チューブとサイドプレートとの熱膨張量差を吸収することにより、チューブおよびサイドプレートが接合された部位が疲労破壊することを未然に防止するようにしたものである。また、特許文献2に記載された技術では、サイドプレートに千鳥状のスリットを設け、その長手方向に直角に容易に伸縮可能にしている。しかし、これらの技術では、サイドプレートの構造が複雑であるため、製造が容易ではなくコストの高いものとなっていた。
【0006】
また、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付け時には、例えばワイヤー等の治具によりサイドプレートをチューブとフィン組立体の両外側に配置して、これらを複数のワイヤーにより同時に加圧してろう付けを実施する。(このワイヤーの設置位置を図1において仮想線Jで示す。)この加圧時に、特許文献1、2に記載された技術のサイドプレートを使用した場合、サイドプレートの剛性が低いため、チューブとフィンとサイドプレートを均一に圧縮できず安定したろう付けができない恐れがある。
【0007】
【特許文献1】欧州特許公開第1001241号公報
【特許文献2】特開2005−156068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、チューブおよびサイドプレートにおけるコアプレートとの接合部の破損を防止可能な、製造容易でコストを低減した熱交換器であって、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付けを安定して実施可能なサイドプレートを有する熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、熱交換器は、サイドプレート7の少なくとも一つは、長手方向の中間箇所において複数の架橋部7c、7dを有しており、架橋部の少なくとも1箇所7dは、チューブ2とフィン3のろう付け後に切断されて設けられたスリット7eを有していることを特徴としている。
【0010】
これにより、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付け時には、サイドプレートの剛性が確保され(たわみにくく)、チューブとフィンとサイドプレートを均一に圧縮できる。このため、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付けを安定して実施可能となる。そして、ろう付け後は、架橋部の少なくとも1箇所が切断される。これにより、熱交換器を使用中にサイドプレートが熱膨張をしても、その剛性が低いためその長手方向に容易に伸縮可能となり、熱応力を低減可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、熱交換器は、スリット7eが、前記熱交換器に組み付けられた前記サイドプレート7の外周に設けられていることを特徴としている。これにより、切断が容易になる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、熱交換器は、切断されていない架橋部の少なくとも1箇所7cは、前記サイドプレート7長手方向に対して斜めに架橋していることを特徴としている。これにより、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付け時には、サイドプレートの剛性が確保され、熱膨張時には、その剛性がより低いためその長手方向により容易に伸縮可能となり、熱応力を一層低減可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、熱交換器は、サイドプレート7の断面が略コの字形をしており、前記断面内側に配管6が伸びて配設され、該配管は、架橋部7c、7d近傍で前記断面内側から外部へ突出していることを特徴としている。これにより、切断箇所近傍の空間が確保されて切断が容易になる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、熱交換器は、一つの熱交換器200内に複数の別経路が構成され、該別経路内を複数の熱交換媒体が各々通過することを特徴としている。これにより、複数の熱交換媒体用の熱交換器を小型化することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、熱交換器は、複数の熱交換媒体の一方が高温媒体であり、他方が低温媒体であって、サイドプレートは、高温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたもの7と、低温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたもの71とから構成され、高温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたサイドプレート7は、スリット7eを有する架橋部7dを有しており、低温媒体が通過するチューブ近傍側に配設されたサイドプレート71は、架橋部7c、7dを全く有していないことを特徴としている。熱膨張の影響を受けにくいサイドプレートには架橋部を具備する必要がないため、これにより、必要の無い加工を省略可能となる。
なお、上記各部位の符号は、後述する実施形態に記載の具体的部位との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜4に基づいて説明する。第1実施形態は、車両用トランスミッション用オイルと大気(空気)とを熱交換する本発明に係る熱交換器(オイルクーラ)100である。図1は第1実施形態に係るオイルクーラ100の全体図であり、図2は図1のX部の拡大断面図である。図3は図1のY部の拡大斜視図であって、ろう付け前の本発明に係るサイドプレート(架橋部切断なし)である。図4はろう付け後の本発明に係るサイドプレート(架橋部切断あり)である。なお、図5は、従来例のサイドプレートである。
【0017】
図1に示すように、本発明の熱交換器は、車両用トランスミッション(図示せず)のオイルを空冷するオイルクーラ100である。本発明の熱交換器100は、従来形の熱交換器とは、サイドプレート7のみが異なり、他の部分は全く同一である。
【0018】
オイルクーラ100は、内部をトランスミッションオイルが通過する複数本のチューブ2と、該チューブと交互に積層されてオイルの熱伝達を増大させる複数のフィン3と、チューブ2の両端部が接続されるコアプレート5aと、チューブの積層方向において最も外側に配置されるチューブよりもさらに外側に配置される端部フィン3aよりも積層方向外側に配設されてコアプレート5aに接続されるサイドプレート7と、により構成されている。そして、図2に示すように、チューブ2及びサイドプレート7の両端部が、コアプレート5aに配設されるチューブ穴及びサイドプレート穴にそれぞれ挿入されて、その挿入部がろう付けされている。
【0019】
図1において、チューブ2はオイルが流れる管であり、このチューブ2は、空気の流通方向(紙面垂直方向)が長径方向と一致するように扁平状に形成されているとともに、その軸方向が水平方向に一致するように、複数本が、上下方向(チューブの積層方向)に互いに平行に配置されている。
チューブ2の両側の扁平面2a(図2参照)には波状に成形されたコルゲートフィン3がろう付け接合されており、このフィン3により空気との伝熱面積を増大させてトランスミッションオイルと空気との熱交換を促進している。なお、以下、チューブ2およびフィン3からなる略矩形状の熱交換部をコア部4と呼ぶ。
【0020】
ヘッダタンク5は、チューブ2の軸方向端部(本実施形態では、左右端)にてチューブ2の軸方向と直交する方向(本実施形態では、上下方向)に延びて複数のチューブ2と連通するもので、このヘッダタンク5は、チューブ2が挿入接合されたコアプレート5aと、コアプレート5aとともにタンク内空間を構成するタンク本体5bとを有して構成されている。
【0021】
また、タンク5には、トランスミッションに設けられたオイル通路(図示せず)とオイルクーラ100とを繋ぐオイル配管(図示せず)が接続される配管接続部5dが設けられている。配管接続部5dは、オイルがトランスミッション側から流入するオイル入口である。そして、戻り配管6の一部である配管接続部6aは、オイルがオイルクーラ100からトランスミッション側へ流出するオイル出口である。ただし、オイルの出入り口は逆になることもありえる。
【0022】
図1に示すように、配管接続部5dから熱交換器100内へ流入するオイルは、まず右側ヘッダタンク5b内へ流入する。そして、右側ヘッダタンク5b内へ流入したオイルは、チューブ2内を通過して大気と熱交換しながら左方向へ進み、左側ヘッダタンク5b内へ流入する。左側ヘッダタンク5b内で貯留されたオイルは、左側ヘッダタンク5bの戻り配管6との接続口6bを経由して、戻り配管6内へ流入する。オイルは、さらに戻り配管6内を右方向へ通過して、配管接続部6aからトランスミッション側へ流出する。
【0023】
一方、コア部4の両端部(本実施形態では、上下端)には、チューブ2の軸方向と略平行に延びてコア部4を補強するサイドプレート7が設けられている。図3に示すように、このサイドプレート7は、チューブ2の扁平面2a(図2参照)と略平行な面を有してチューブ2の軸方向と略平行に延びるベース部7aと、ベース部7aに対して略直角な方向に突出してチューブ2の軸方向と略平行に(本実施形態では、水平方向)延びる立壁部7bとを有している。
【0024】
サイドプレート7において、立壁部7bは、ベース部7aのうちベース部7aの幅方向の両端にそれぞれに設けられているため、サイドプレート7の断面形状は、コア部4と反対側が開いた略コの字状断面となっている。サイドプレート7の断面形状を略コの字状断面とする理由は、サイドプレート7の剛性を確保することにある。前記断面の内側に戻り配管6が伸びて配設され、配管6は、架橋部7c、7d近傍で前記断面内側から外部へ湾曲しながら突出している。これにより架橋部7d近傍に空間が確保されるため、ろう付け完了後に架橋部7dを切断する作業が容易になる。また、サイドプレート7は、フィン3aとろう付けされることによりコア部4と当接しており、コア部4との間で熱伝導が行われるようになっている。
【0025】
図1、図3に示すように、サイドプレート7の長手方向の略中央部には、架橋部7c、7dが設けられている。ちなみに、これらの架橋部は、サイドプレート7の長手方向の中間部であればどの位置に設けられても良い。架橋部7cは、サイドプレート7の長手方向に対して斜めに架橋している。図3は、チューブ2とフィン3とサイドプレート7とのろう付け前およびろう付け時の状態を示したものである。このろう付けが完了したとき、両側の架橋部7dは、図4に示すように、切断されてスリット7eが設けられる。なお、架橋部7dをサイドプレート7(組立後の)の外周側に配置することにより、架橋部7dの切断が容易になる。
【0026】
上記架橋部7c、7dやスリット7eが設けられる理由を、図6、図7に基づいて説明する。図6、図7はサイドプレート7に架橋部7c、7dおよび架橋部スリット7eを設けた場合の梁変形に関するシミュレーション計算を説明するための図である。詳細には、図6は、計算条件を模式図で表した図であり、(a)は計算対象となるサイドプレート7の3面図、(b)はたわみ量を計算する計算条件を表した図、(c)はサイドプレート7に強制変位させるときの力を表した図である。図7は、図6の計算条件の下での各型式のシミュレーション計算結果である。
【0027】
計算対象となるサイドプレートは、三つの型式とした。第1型式は本発明の第1実施形態(斜め架橋部付き)、第2型式は第1実施形態の変形例(真直架橋部付き)、第3型式は架橋部の無い従来形である。これらの型式のサイドプレートに関して、まず、図6(b)に示すように、サイドプレートに0.065MPaの等分布荷重を掛けたときのたわみδを求めた。このとき、サイドプレートは両端固定梁とした。0.065MPaの等分布荷重は、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付け時のワイヤー加圧を想定したものである。たわみδが小さい方が、ろう付け時のフィン変形量に関してフィン位置の相違によるバラツキが少ないため、安定してろう付けが実施できることとなる。
【0028】
次に、図6(c)に示すように、サイドプレートを長手方向に強制的に0.2mm変位させるのに必要な力(以下、「強制変位力」と言う)を求めた。このとき、サイドプレートは片側を固定した梁とした。これは、サイドプレートが熱膨張したときに掛かる力を想定したものである。この力が小さいほうが、熱応力が小さいこととなり好ましい。この計算に関しては、架橋部7dの切断の有無の各場合について行った。
【0029】
以上の計算条件でシミュレーション計算をした結果が図7に表されている。本発明に係る第1実施形態である型式1が、ろう付け時の安定性および熱膨張時の熱応力を総合的に考慮した場合、最も適したものであることがこの図7の計算結果より判明した。すなわち、型式1と従来形である型式3を比較すると、型式1は、たわみ量δが型式3に対し26%しか大きくないのに対し、強制変位力(架橋部切断における)は型式3に対し21%しか必要ではない。また型式1と型式2を比較すると、型式1は、たわみ量δが型式3に対し9%弱しか大きくないのに対し、強制変位力(架橋部切断における)は型式2に対し60%弱しか必要ではない。
【0030】
すなわち、型式1のサイドプレートは、型式2、3に比し、たわみ量はそれほど増加しないが、強制変位力(架橋部切断における)は大幅に低減している。ということは、型式1は、ろう付け時の安定性は従来形よりそれほどは阻害されずに熱応力が大幅に低減可能となることが分かる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8に基づいて説明する。なお、第1実施形態と実質的に同じ機能を有する部分は同一参照符号を付することにより、その説明を省略する。第2実施形態は、一つの熱交換器の別経路内を複数の熱交換媒体が各々通過する熱交換器200である。複数の熱交換媒体とは、例えば、車両用トランスミッション用オイル(以下、単に「オイル」と言う)と空調用冷媒である。オイルの熱交換器入口温度は約140℃であり、冷媒の熱交換器入口温度は約70℃である。
【0032】
図8は、第2実施形態に係る熱交換器200の全体図である。8は空調用冷媒を貯留するモジュレータであり、71は架橋部の全く無い従来形のサイドプレートである。5dはオイル入口であり、5eはオイル出口である。5fは冷媒入口であり、5gは冷媒出口である。なお、オイルおよび冷媒の出入り口は、各々逆になることがあり得る。5xは、熱交換媒体は存在せず空気のみ存在する小室であり、オイルと冷媒が混じり合う不具合を防止するため、オイルおよび冷媒の漏れを検出するためのものである。5zは、ヘッダタンク5内を複数の小室に仕切る仕切板(セパレータ)である。
【0033】
サイドプレート7は、高温熱交換媒体であるオイルが通過するチューブ2の近傍に配設されており熱膨張の影響を受けやすいため、架橋部7c、7dを有するが、サイドプレート71は、低温熱交換媒体である冷媒が通過するチューブ2の近傍に配設されており熱膨張の影響を受けにくいため、架橋部を有する必要はない。
【0034】
まず、高温熱交換媒体であるオイルの流通経路を説明する。トランスミッション(図示せず)からオイル入口5dを介して熱交換器200へ流入したオイルは、ヘッダタンク小室5hからチューブ2内を左方向へ通過し、ヘッダタンク小室5iに至り、そして今度は上部のチューブ2内を逆に右方向へ通過して、ヘッダタンク小室5jに至り、さらにオイル出口5eを介してトランスミッション(図示せず)へと流出する。
【0035】
次に、低温熱交換媒体である冷媒の流通経路を説明する。冷媒ポンプ(図示せず)により圧縮された冷媒は、冷媒入口5fから熱交換器200へ流入し、ヘッダタンク小室5kからチューブ2内を左方向へ通過し、ヘッダタンク小室5lに至り、さらにモジュレータ入口8bを介してモジュレータ8内へ流入する。モジュレータ8内へ流入した冷媒は、モジュレータ出口8cからヘッダタンク小室5mへ流入し、そして今度は上部のチューブ2内を逆に右方向へ通過して、ヘッダタンク小室5nに至り、さらに上部のチューブ2内を左方向へ通過してヘッダタンク小室5pに至る。ヘッダタンク小室5pへ流入した冷媒は、上部のチューブ2内を逆に右方向へ通過して、ヘッダタンク小室5qに至り、冷媒出口5gから膨張弁(図示せず)へと流出する。
【0036】
第2実施形態は熱交換器が一つのため、複数の熱交換媒体用の熱交換器を小型化することができる。また、熱膨張の影響を受けにくいサイドプレートには架橋部を具備する必要がないため、これに架橋部の全く無い従来形のサイドプレート71を採用することにより、必要の無い加工を省略することが可能となる。
【0037】
(第3実施形態)
複数の熱交換媒体として、オイルとエンジン冷却水を使用することもできる。エンジン冷却水の熱交換器入口温度は約100℃と高温である。このため、図8において、下側のサイドプレート71(架橋部なし)を上側のサイドプレート7(架橋部あり)と同一にしたほうが好ましい。すなわち、両側のサイドプレートは、いずれも架橋部を有するものとなる。
【0038】
(他の実施形態)
本発明に係る熱交換器として、ハイブリッド車両における電動モータの制御を行うインバータ等の電子部品冷却用のラジエータ等を対象とすることもできる。
【0039】
以上のように、本発明に係る実施形態により、チューブおよびサイドプレートにおけるコアプレートとの接合部の破損を防止可能な、製造容易でコストを低減した熱交換器であって、チューブとフィンとサイドプレートとのろう付けを安定して実施可能なサイドプレートを有する熱交換器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱交換器の全体図である。
【図2】図1のX部の拡大断面図である。
【図3】図1のY部を拡大した図であって、ろう付け前の本発明に係るサイドプレート(架橋部切断なし)を示す斜視図である。
【図4】ろう付け後の本発明に係るサイドプレート(架橋部切断あり)である。
【図5】従来例のサイドプレートである。
【図6】シミュレーション計算の計算条件を表した図であり、(a)は計算対象となるサイドプレートの3面図、(b)はたわみ量を計算する計算条件を表した図、(c)はサイドプレートに強制変位させるときの力を表した図である。
【図7】図6の計算条件の下での各型式のシミュレーション計算結果である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る熱交換器の全体図である。
【符号の説明】
【0041】
100 オイルクーラ
2 チューブ
3 フィン
4 コア

特許の図
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100133008
【弁理士】
【氏名又は名称】谷光 正晴


【公開番号】 特開2008−20085(P2008−20085A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−189821(P2006−189821)