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【発明の名称】 冷蔵庫用熱交換器及びその製造方法
【発明者】 【氏名】春日 司

【氏名】細見 和弘

【要約】 【課題】近年の高機能型家庭用冷蔵庫において、十分満足できる耐食性及び親水性の機能を有する冷蔵庫用熱交換器を提供すること。

【構成】銅あるいは銅合金からなる冷媒配管1をアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなるフィン材2に設けられた円筒状のカラー部21内に挿入配設することにより冷媒配管1とフィン材2とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器である。上記カラー部21と上記冷媒配管1との接合部分12の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面には、合成樹脂からなる第1塗膜層3が形成され、第1塗膜層3の表面には、親水性樹脂からなる第2塗膜層4が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅あるいは銅合金(以下、銅合金)からなる冷媒配管をアルミニウムあるいはアルミニウム合金(以下、アルミニウム合金)からなるフィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィン材とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器であって、
上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面には、合成樹脂からなる第1塗膜層が形成され、
該第1塗膜層の表面には、親水性樹脂からなる第2塗膜層が形成されていることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器。
【請求項2】
請求項1において、上記第1塗膜層を形成する上記合成樹脂は、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂であることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器。
【請求項3】
請求項1または2において、上記第1塗膜層の塗膜量は、10〜100mg/dm2であることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記第2塗膜層の塗膜量は、1〜50mg/dm2であることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記第2塗膜層は、主成分として、ポリビニルアルコール及びシリカを含有することを特徴とする冷蔵庫用熱交換器。
【請求項6】
銅合金からなる冷媒配管をアルミニウム合金からなるフィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィン材とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器の製造方法であって、
上記冷媒配管を上記フィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入して両者を一体化させた上記クロスフィンチューブを組み立てる組立工程と、
上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面に合成樹脂を塗布し、第1塗膜層を形成する第1塗装工程と、
上記第1塗膜層の表面に、さらに、親水性樹脂を塗布し、第2塗膜層を形成する第2塗装工程とを有することを特徴とする冷蔵庫用熱交換器の製造方法。
【請求項7】
請求項6において、上記第1塗膜層を形成する上記合成樹脂は、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂であることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器の製造方法。
【請求項8】
請求項6または7において、上記第1塗装工程における合成樹脂の塗布は、外合成樹脂を蓄えた浸漬槽に、上記クロスフィンチューブを浸漬することにより行うことを特徴とする冷蔵庫用熱交換器の製造方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項において、上記第2塗装工程における親水性樹脂の塗布は、親水性樹脂を蓄えた浸漬槽に、上記第1塗膜層を形成したクロスフィンチューブを浸漬することにより行うことを特徴とする冷蔵庫用熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫用熱交換器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には、熱交換器として、クロスフィンチューブ熱交換器が一般的に用いられている。このクロスフィンチューブ熱交換器を構成するクロスフィンチューブは、空気側のアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなるフィン材と、冷媒側の銅または銅合金からなる冷媒配管とから構成されている。クロスフィンチューブは、所定のカラー部が形成されたフィン材を積層した後、上記の円筒状のカラー部内に冷媒配管を挿入し、その後、冷媒配管をフィン材に拡張固着することにより得ることができる。
【0003】
近年、高機能型家庭用冷蔵庫として、野菜室が氷温室や冷凍庫の間にある形態や、観音開きドア等の仕様や、温度補償用ヒーター、製氷用給水経路凍結防止用ヒーター等の機能を有する高機能型家庭用電気冷蔵庫が普及してきた。
その普及に呼応して、JIS C 9801(家庭用電気冷蔵庫及び電気冷蔵庫の特性及び試験方法)も改正された。
【0004】
これら近年の動きにより、冷蔵庫に用いられる熱交換器において、冷蔵庫内の食品から出るガスにより、冷媒配管とフィン材との間に電食が発生しやすくなる状況となることから、より高度な耐食性が必要となった。また、フィン材表面の氷結により粒状の氷が固着し、風路の狭小化を招き、熱交換機能の低下がより発生しやすくなることから、より高度な親水性が必要となった。また、熱交換器の小型化が求められている。このような状況下において、従来の熱交換器では、耐食性及び親水性において十分満足できるものではなくなってきた。
【0005】
熱交換器としては、ルームエアコンやパッケージエアコン等に多用されているプレコート型フィン(特許文献1〜4)が報告されている。これらの技術では、板材の状態で塗装し、その後冷媒配管を挿入固定するためにカラーをプレス成形し、冷媒配管を挿入し拡張固着するため、冷媒配管はむき出しのままとなる。そのような状態では、一般のエアコンでは必要十分な耐食性が得られるとしても、上述した過酷な環境で用いられる冷蔵庫用熱交換器としては、十分に満足できる耐食性を得ることはできない。
【0006】
また、熱交換器に組み立てた後に塗装するポストコート型フィン(特許文献5)が報告されている。この技術は、一度の表面処理で、耐食性及び親水性の機能を持たせるものであるが、耐食性及び親水性を満足できるものではなかった。
【0007】
【特許文献1】特開平11−211377号公報
【特許文献2】特開平10−298776号公報
【特許文献3】特開平10−103885号公報
【特許文献4】特開昭63−170492号公報
【特許文献5】特開昭63−318496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、近年の高機能型家庭用冷蔵庫において、十分満足できる耐食性及び親水性の機能を有する冷蔵庫用熱交換器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、銅あるいは銅合金(以下、銅合金)からなる冷媒配管をアルミニウムあるいはアルミニウム合金(以下、アルミニウム合金)からなるフィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィン材とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器であって、
上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面には、合成樹脂からなる第1塗膜層が形成され、
該第1塗膜層の表面には、親水性樹脂からなる第2塗膜層が形成されていることを特徴とする冷蔵庫用熱交換器にある(請求項1)。
【0010】
本発明の冷蔵庫用熱交換器は、上述したごとく、クロスフィンチューブを組み立てた後に、上記クロスフィンチューブの上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む実質的に全表面に上記第1塗膜層を形成する。そのため、特に、上記冷媒配管と上記フィン材との接合部分が外部に露出しないように、上記合成樹脂が接合部分全体を外側から被覆する。そのため、食品から発生するガス等が上記冷媒配管と上記フィン材との間の接合部分に侵入することを防ぐ役割を担うことで、耐食性が格段に向上する。
【0011】
また、上記第1塗膜層の表面に、上記第2塗膜層を形成する。そのため、高度な親水性を保つことができ、フィン材表面において、粒状の氷が生成し難くなり、十分な風路を確保することができ、熱交換機能の低下を防ぐことができる。
それ故、近年の高機能型家庭用冷蔵庫において、十分満足できる耐食性及び親水性の機能を有する冷蔵庫用熱交換器を得ることができる。
【0012】
第2の発明は、銅合金からなる冷媒配管をアルミニウム合金からなるフィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記冷媒配管と上記フィン材とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器の製造方法であって、
上記冷媒配管を上記フィン材に設けられた円筒状のカラー部内に挿入して両者を一体化させた上記クロスフィンチューブを組み立てる組立工程と、
上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面に合成樹脂を塗布し、第1塗膜層を形成する第1塗装工程と、
上記第1塗膜層の表面に、さらに、親水性樹脂を塗布し、第2塗膜層を形成する第2塗装工程とを有することを特徴とする冷蔵庫用熱交換器の製造方法にある(請求項6)。
【0013】
本発明の冷蔵庫用熱交換器の製造方法は、上述したごとく、組立工程、第1塗装工程、第2塗装工程の順に行われるものであり、熱交換器を構成するクロスフィンチューブを組み付けた後に、第1塗装工程で耐食性を与える第1塗膜層を形成し、その後、第1塗膜層の表面に第2塗装工程で親水性を与える第2塗膜層を形成する。そのため、上記冷媒配管と上記フィン材との接合部分が外部に露出しないように、その接合部分全体を外側から上記合成樹脂により被覆することができ、近年の高機能型家庭用冷蔵庫において、十分満足できる耐食性及び親水性の機能を有する冷蔵庫用熱交換器を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の発明の冷蔵庫用熱交換器は、上記クロスフィンチューブの上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分の外表面を含む実質的に全表面には、合成樹脂からなる第1塗膜層が形成される。上記合成樹脂を塗布して、上記第1塗膜層を形成する方法としては、例えば、シャワー、スプレー、ディッピング等が挙げられる。
【0015】
また、上記合成樹脂を塗布した後、焼き付けを行うことが好ましい。焼き付け温度は100〜180℃が好ましく、焼き付け時間は5〜30分が好ましい。上記焼き付け温度が100℃を下回ると、焼き付けが不十分となって樹脂の硬化が十分に進まないおそれがあり、一方、上記焼き付け温度が180℃を上回ると、塗装割れが発生するおそれがある。また、上記焼き付け時間が5分を下回ると、焼き付けが不十分となるおそれがあり、一方、上記焼き付け時間が30分を上回ると、塗装割れが発生するおそれがある。
【0016】
上記合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
また、合成樹脂としては、水溶性、溶媒系のいずれも使用することができる。
【0017】
また、上記冷蔵庫用熱交換器は、上記第1塗膜層の表面に、親水性樹脂からなる第2塗膜層が形成されている。上記第2塗膜層を形成するための、親水性樹脂の塗布方法としては、例えば、シャワー、スプレー、ディッピング等が挙げられる。
【0018】
また、上記親水性樹脂を塗布した後、焼き付けを行うことが好ましい。焼き付け温度は130〜200℃が好ましく、焼き付け時間は5〜30分が好ましい。上記焼き付け温度が130℃を下回ると、焼き付けが不十分となり親水性が低下するおそれがあり、一方、上記焼き付け温度が200℃を上回ると、焼きすぎで親水性が低下するおそれがある。また、上記焼き付け時間が5分を下回ると、焼き付けが不十分となり、親水性が低下するおそれがあり、一方、上記焼き付け時間が30分を上回ると、焼き過ぎとなり、親水性が低下するおそれがある。
【0019】
また、上記親水性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリルアミド系樹脂等が挙げられる。
また、親水性樹脂は、水溶性、溶媒系のいずれも使用することができる。
また、上記第2塗膜層には、界面活性剤等の種々の添加物を添加することも可能である。その含有量は、全体の1%以下であることが好ましい。
【0020】
上記第1塗膜層を形成する上記合成樹脂は、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂が優れた耐食性を有するため、さらに優れた耐食性を有する上記第1塗膜層を形成することができる。
【0021】
上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0022】
また、上記第1塗膜層の塗膜量は、10〜100mg/dm2であることが好ましい(請求項3)。
上記第1塗膜層の塗膜量が10mg/dm2未満の場合には、十分な耐食性を得ることができないおそれがあり、一方、上記第1塗膜層の塗膜量が100mg/dm2を超える場合には、耐食性の向上効果が得られないとともに、焼き付けが不十分となり、長時間の耐食性を発揮できなくなるおそれがある。
【0023】
また、上記第2塗膜層の塗膜量は、1〜50mg/dm2であることが好ましい(請求項4)。
上記第2塗膜層の塗膜量が1〜50mg/dm2未満である場合には、十分な親水性を得ることができないというおそれがあり、一方、第2塗膜層の塗膜量が50mg/dm2を超える場合には、親水性の効果に向上が得られなくなるとともに、焼き付けが不十分となり、第1塗膜層との密着性が損なわれるというおそれがある。
【0024】
また、上記第2塗膜層は、主成分として、ポリビニルアルコール及びシリカを含有することが好ましい(請求項5)。
この場合には、特に高度な親水性を有することができる。
また、上記第2塗膜層形成後の固形分において、上記ポリビニルアルコールは、全体の5〜90%の範囲であることが好ましく、また、上記シリカは、全体の10〜95%の範囲にあることが好ましい。
【0025】
第2の発明の冷蔵庫用熱交換器の製造方法において、上記第1塗膜層を形成する上記合成樹脂は、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂であることが好ましい(請求項7)。
この場合には、耐食性に優れた第1塗膜層を有する冷蔵庫用熱交換器を製造することができる。
【0026】
また、上記第1塗装工程における合成樹脂の塗布は、該合成樹脂を蓄えた浸漬槽に、上記クロスフィンチューブを浸漬すること、すなわちディッピングにより行うことが好ましい(請求項8)。
この場合には、浸漬によって塗装を行うため、合成樹脂をクロスフィンチューブの実質的に全表面の隅々まで容易に行き渡らせることができ、電食が発生しやすい上記クロスフィンチューブの上記カラー部と上記冷媒配管との接合部分外表面において、合成樹脂が存在し、この接触界面に腐食性のガスが侵入しないように蓋をする役割を果たすことができるため、優れた耐食性を得ることができる。
【0027】
また、上記第2塗装工程における親水性樹脂の塗布は、親水性樹脂を蓄えた浸漬槽に、上記第1塗膜層を形成したクロスフィンチューブを浸漬すること、すなわちディッピングにより行うことが好ましい(請求項9)。
この場合には、浸漬によって塗装を行うため、親水性樹脂をクロスフィンチューブの実質的に全表面の隅々まで容易に行き渡らせることができ、優れた親水性を得ることができる。
【実施例】
【0028】
(実施例1)
本例では、本発明の冷蔵庫用熱交換器にかかる実施例について図1〜図3を用いて説明する。
図1、図2に示すごとく、銅合金からなる冷媒配管1をアルミニウム合金からなるフィン材2に設けられた円筒状のカラー部21内に挿入配設することにより上記冷媒配管1と上記フィン材2とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる冷蔵庫用熱交換器である。
上記カラー部21と上記冷媒配管1との接合部分12の外表面を含む上記クロスフィンチューブの表面には、合成樹脂からなる第1塗膜層3が形成されている。
上記第1塗膜層3の表面には、親水性樹脂からなる第2塗膜層4が形成されている。
以下、これを詳説する。
【0029】
本例では、表1に示すごとく、本発明の実施例として複数種類の試料(熱交換器)を作製し、その特性を評価した。
各試料について、用いた合成樹脂及びその塗膜量、親水性樹脂及びその塗膜量を表1に示す。
【0030】
【表1】


【0031】
各試料を製作するに当たっては、図3に示すフローチャートに従って、組立工程S1、第1塗装工程S2、第2塗装工程S3を行った。
熱交換器の作製方法を、図1〜図3を用いて説明する。
【0032】
まず、組立工程S1では、銅合金からなる冷媒配管1と、アルミニウム合金からなるフィン材2とを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブ5を作製した。具体的には、まず、ステップ101において、上記フィン材2に設けられた円筒状のカラー部21内に上記冷媒配管1を挿入した。次いで、ステップ102において、冷媒配管1を拡張し、フィン材2と冷媒配管1とを固着することによりクロスフィンチューブ5を作製した。
冷媒配管1に用いる銅合金として、φ6.35mmの内面溝付き管を用い、フィン材2に用いるアルミニウム合金として、板厚135mmのA1050−H24アルミニウム合金板を用いた。
【0033】
次に、第1塗装工程S2では、上記カラー部21と上記冷媒配管1との接合部分12の外表面を含む上記クロスフィンチューブ5の実質的に全表面(図2のMの範囲)に合成樹脂を塗布し、第1塗膜層3を形成した。
まず、ステップS201において、上記組立工程S1で作製したクロスフィンチューブ5を合成樹脂を蓄えた浸漬槽に浸漬するディッピングにより塗装を行った。その後、ステップS202において、140℃で30分焼き付けを行うことで第1塗膜層3を形成した。
上記合成樹脂としては、溶媒系のアクリル樹脂あるいはエポキシ樹脂を用いた。
【0034】
次に、第2塗装工程S3について説明する。形成した第1塗膜層3の表面(図2のMの範囲)に、さらに、親水性樹脂を塗布し、第2塗膜層4を形成する。
まず、ステップS301において、上記第1塗膜層3を形成したクロスフィンチューブ5を、親水性樹脂を蓄えた浸漬槽に浸漬するディッピングにより塗装を行った。その後、ステップS302において、170℃で17分焼き付けを行い、第2塗膜層を形成した。
上記親水性樹脂としては、固形分でポリビニルアルコール54%、シリカ45%、界面活性剤0.75%、キレート材0.25%である水溶性塗料を用いた。
【0035】
次に、各試料について、2種類の耐食性、着除霜性についての評価を実施した。結果を表2に示す。
<耐食性1>
作製した試料に塩水を噴霧し240時間経過した後のカラー部の残存状況を目視にて確認し、第1の耐食性評価項目としての耐食性1を評価した。評価が○及び△の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とした。
(評価基準)
○:80%以上のカラー部が残存している場合
△:50%以上80%未満のカラー部が残存している場合
×:50%未満のカラー部が残存している場合
【0036】
<耐食性2>
各試料を1%のギ酸雰囲気に4週間放置した後の腐食状況を目視で確認し、第2の耐食性評価項目としての耐食性2を評価した。評価が○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とした。
(評価基準)
○:変色が見られない場合
×:変色が見られる場合
【0037】
<着除霜性>
実機に各試料を取り付け、通常運転を行った場合の、着除霜性を目視で確認し、評価した。評価が○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とした。
(評価基準)
○:着除霜運転時に、粒状の氷の生成が見られない場合
×:着除霜運転時に、粒状の氷の生成が見られる場合
【0038】
表2に示すごとく、本例の実施例としての試料E1〜試料E3は、2種類の耐食性、着除霜性のすべての項目において、良好な結果を示した。これより、十分満足できる耐食性及び親水性の機能を有する冷蔵庫用熱交換器を得ることができた。
【0039】
(比較例1)
本例では、本発明の冷蔵庫用熱交換器にかかる比較例について説明する。表1に示すごとく、複数種類の試料(試料C1〜試料C4)を作製し、その特性を評価した。
各試料について、用いた合成樹脂及びその塗膜量、親水性樹脂及びその塗膜量を表1に示す。
【0040】
試料C1は、実施例1の第2塗装工程を行わない例である。その他は、実施例1と同様に作製した。
また、試料C2は、実施例1の第1塗装工程を行わない例である。その他は、実施例1と同様に作製した。
【0041】
また、試料C3は、実施例1の第1塗装工程及び第2塗装工程を行わない例である。その他は、実施例1と同様に作製した。
また、試料C4は、板材の状態で、実施例1と同様のアクリル樹脂からなる塗膜量40mg/dm2の耐食性樹脂塗膜と、実施例1と同様の水溶性塗料からなる塗膜量15mg/dm2の親水性塗膜を塗装し、プレコートアルミニウム合金板とした後、該プレコートアルミニウム合金板に円筒状のカラー部をプレス成形した。その後、冷媒配管を上記フィン材に設けられたカラー部内に挿入し、該冷媒配管をフィン材に拡張固着することで作製した。
【0042】
次に、実施例1と同様に、試料C1〜試料C4について、2種類の耐食性、着除霜性についての評価を実施した。結果を表2に示す。
本例の比較例としての試料C1は、第2塗膜層を有していないため、親水性を有しておらず、着除霜性が不合格であった。
【0043】
また、本例の比較例としての試料C2は、第1塗膜層を有していないため、耐食性を得ることができず、耐食性1及び耐食性2が不合格であった。
また、本例の比較例としての試料C3は、第1塗膜層及び第2塗膜層を有していないため、耐食性及び親水性が得られず、すべての評価項目において、不合格であった。
【0044】
また、本例の比較例としての試料C4は、塗装工程の後に組み立て工程を行ってあるため、銅管外表面に塗膜がなく、耐食性が十分でなくなるため、耐食性2が不合格であった。
【0045】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1における、冷媒配管とフィン材との固着部及び第1、2塗膜層を示す説明図。
【図2】実施例1における、クロスフィンチューブを示す説明図。
【図3】実施例1における、フローチャート。
【符号の説明】
【0047】
1 冷媒配管
12 接合部分
2 フィン材
21 カラー部
3 第1塗膜層
4 第2塗膜層











【出願人】 【識別番号】000002277
【氏名又は名称】住友軽金属工業株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰

【識別番号】100110700
【弁理士】
【氏名又は名称】岩倉 民芳

【識別番号】100130155
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥起


【公開番号】 特開2008−14571(P2008−14571A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186490(P2006−186490)