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【発明の名称】 熱交換器用チューブの製造方法および熱交換器
【発明者】 【氏名】八重沢 啓和

【要約】 【課題】長尺のチューブ材部材を切断する際に使用する切断工具の磨耗や欠損を防止して長寿命化を達成する。

【構成】長尺の板材1を、一方の面に冷媒通路15となる溝部1aを圧延加工した状態で幅方向中央部の折り曲げ部1bで折り曲げてチューブ状部材1Aとし、このチューブ状部材1Aの加工硬化している折り曲げ部1bに対応する部位に、切り欠き部を設ける。チューブ状部材1Aの切り欠き部に対応する部位を切断刃で切断して規定長さのチューブを製造する。切り欠き部については、折り曲げ加工前に折り曲げ部1bに対して孔開け加工してもよく、また折り曲げ加工後に切り欠いてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に冷媒通路(15)となる溝部(1a)を備えた長尺の板材(1)を、前記溝部(1a)が内側面に位置するよう幅方向中央の折り曲げ部(1b)で折り曲げ接合して扁平のチューブ状部材(1A)とし、このチューブ状部材(1A)の前記折り曲げ部(1b)側の縁部と、折り曲げ部(1b)と反対側の縁部とのいずれか一方から他方に向けて切断手段(19)により切断して規定長さのチューブ(1B)を製造する熱交換器用チューブの製造方法であって、前記折り曲げ部(1b)に切り欠き部(1f,29)を設けた後、前記チューブ状部材(1A)の前記切り欠き部(1f,29)に対応する部位を前記切断手段(19)により切断することを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
【請求項2】
前記折り曲げ部(1b)に切り欠き孔(1f)を設けた後、前記板材(1)を前記折り曲げ部(1b)で折り曲げることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
【請求項3】
前記板材(1)を前記折り曲げ部(1b)で折り曲げた後、この折り曲げた状態の折り曲げ部(1b)に切り欠き部(29)を設けることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
【請求項4】
前記折り曲げ部(1b)は、折り曲げ前にて前記板材(1)の長手方向に延びる凹部(1d,1e)を備え、この凹部(1d,1e)を、圧延加工により形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱交換器用チューブの製造方法によって製造した熱交換器用チューブ(1B)を、ヘッダタンクのチューブ挿入孔(31a)に挿入固定する熱交換器において、前記熱交換器用チューブ(1B)の前記切り欠き部(29)に対応する部位を前記ヘッダタンクのチューブ挿入孔(31a)に挿入固定することを特徴とする熱交換器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の面に冷媒通路となる溝部を備えた長尺の板材を、その幅方向中央部にて折り曲げ接合して扁平のチューブ状部材とした後、規定長さに切断する熱交換器用チューブの製造方法および熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
扁平形状の熱交換器用チューブは、下記特許文献1,2に記載されているように、例えば自動車用熱交換器において、その両端をヘッダタンクに接続して使用する。
【特許文献1】実登第25657075号公報
【特許文献2】特開2000−154995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような扁平の熱交換器用チューブとして、一方の面に冷媒通路となる溝部を設けた長尺の板材を、幅方向中央部にて折り曲げ重ね合わせるようにして接合して内側面に冷媒通路を有する構成とした後、規定長さに切断する製造手法がある。
【0004】
ところが、上記した切断作業の際には、特に折り曲げ部は、折り曲げ加工によって他の部位に比較して硬化していることから、切断工具の磨耗や欠損が発生しやすく、このため切断工具の交換頻度が高くなって製造コストの上昇を招く。
【0005】
そこで、本発明は、長尺のチューブ状部材を規定長さに切断する際に使用する切断手段の磨耗や欠損を防止して長寿命化を達成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一方の面に冷媒通路(15)となる溝部(1a)を備えた長尺の板材(1)を、前記溝部(1a)が内側面に位置するよう幅方向中央の折り曲げ部(1b)で折り曲げ接合して扁平のチューブ状部材(1A)とし、このチューブ状部材(1A)の前記折り曲げ部(1b)側の縁部と、折り曲げ部(1b)と反対側の縁部とのいずれか一方から他方に向けて切断手段(19)により切断して規定長さのチューブ(1B)を製造する熱交換器用チューブの製造方法であって、前記折り曲げ部(1b)に切り欠き部(1f,29)を設けた後、前記チューブ状部材(1A)の前記切り欠き部(1f,29)に対応する部位を前記切断手段(19)により切断することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折り曲げによって他の部位に比較して加工硬化する折り曲げ部に切り欠き部を設けた後、この切り欠き部に対応する部位を切断手段により切断するようにしたので、切断の際に切断手段の磨耗や欠損の発生を防止することができ、このため切断手段は長寿命化して交換頻度が低くなり、製造コストの上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係わる熱交換器用チューブの製造装置の簡略化した正面図である。この製造装置は、自動車などにおける空調装置の熱交換器に使用する冷媒流通用のチューブを製造するもので、該チューブの素材となる長尺の板材1を、材料供給源に設けてあるコア部2にコイル材として巻回している。このコイル材を、長尺の板材1として、図示しない駆動機構によって矢印A方向に順次送り出す。
【0010】
送り出した板材1は、ガイドローラ3を経て、冷媒通路となる溝部1a(図2,図3参照)を圧延成形する溝成形部5に送られ、この溝成形部5の下流側には、折り曲げ部1b(図2,図3参照)に切り欠き部としての切り欠き孔1f(図4,図5参照)を成形する切欠成形部7,板材1を折り曲げ部1bにて折り曲げ加工してチューブ状部材1Aとする折曲成形部9,チューブ状部材1Aを規定長さに切断してチューブ1Bとする切断加工部11を順次設置してある。
【0011】
溝成形部5は、図1中で上下に配置したローラ対5a,5bを、図1中で紙面に直交する方向に複数設けるか、あるいは円柱状のものを一対設けてその外周面に環状の溝部成形用突起を軸方向に沿って複数設けることで構成する。このようなローラ対5a,5bが板材1を上下から加圧しつつ回転することで、図2に成形加工後の板材1を平面図で示すように、送り方向Aに沿った溝部1aを複数形成する。
【0012】
この際、板材1の幅方向(図2中で上下方向)中央部が折り曲げ部1bであり、この折り曲げ部1bを中心として板材1の幅方向両側の縁部1c相互を重ね合わせるようにして折り曲げることで、内側面に後述する冷媒通路15(図6参照)となる溝部1aを備えた長尺のチューブ状部材1Aとなる。
【0013】
また、上記した溝成形部5は、溝部1aを圧延成形するほかに、図2のB−B断面図である図3(a)に示すように、折り曲げ部1bの裏側(図3(a)中で右側の面)に溝部1aと同方向に延びる溝状の凹部1dを圧延成形するとともに、凹部1dと反対側の面にも、溝部1aと同方向に延びる凹部である切り込み部1eを圧延成形している。
【0014】
これら凹部1dおよび切り込み部1eは、前記した溝部1aを成形するローラ対5a,5bと同様に、板材1の両側にて板材1を加圧しつつ回転する互いに形状の異なるローラ対あるいは環状の成形用突起によって成形する。
【0015】
図3(b)は、図3(a)と異なるタイプのチューブに対応するもので、折り曲げ部1bの形状が図3(a)と異なっている。すなわち、このタイプの折り曲げ部1bは、溝部1aを設けた側の面に、図3(a)の切り込み部1eとは形状の異なる切り込み部1eを圧延成形しており、この切り込み部1eと反対側の面に対しては成形加工を行っていない。以後、図3(a)のチューブをタイプA、図3(b)のチューブをタイプBとする。
【0016】
切欠成形部7は、前記図2に相当する平面図である図4に示すように、折り曲げ部1bに、送り方向Aに沿って長い長方形状の切り欠き部としての切り欠き孔1fを加工するためのローラ対7a,7bを備えている。
【0017】
このローラ対7a,7bは、その一方に長方形状の切刃を、他方にこの切刃を受け入れる受け刃をそれぞれ円周方向規定間隔をおいて設けてあり、板材1の送り方向規定間隔毎に切り欠き孔1fを成形加工する。なお、この切り欠き孔1fの成形については、プレス加工により行ってもよい。
【0018】
なお、プレス加工の場合には、上型と下型とが板材1に対し互いに接近して孔開け加工を行うことから、板材1の送り動作を停止させる必要があるが、この送り動作停止は、後述する切断加工部11での切断作業時に板材1の送り動作を停止するので、この切断時に行うようにすればよい。この際、プレス型の板材送り方向の設置位置としては、切断加工部11での切断位置に対し、製造(切断)後のチューブ1Bの長さの整数倍だけ上流側となる位置とすることで、切断と同時にプレスによる孔開け加工を実施することができる。
【0019】
図5(a)は、図4のC−C断面図であり、図5(b)は、前記図3(b)に示したタイプBのチューブに対応している。
【0020】
折曲加工部9は、折り曲げローラ群13により、板材1を折り曲げ部1bを中心として徐々に折り曲げて、図6(a)に示すように、溝部1aを設けた面相互を突き合わせ、これにより折り曲げた内側面に、一対の溝部1a相互で冷媒通路15を形成してチューブ状となる。この板材1をチューブ状としたものを、チューブ状部材1Aとする。
【0021】
なお、上記した図6(a)は、板材1の送り方向(図1の左右方向)から見た図に相当する。図6(b)は、前記図3(b)のタイプBのチューブ状部材1Aに対応している。
【0022】
上記図6(a)に示すタイプAのチューブ状部材1Aは、図6(b)のタイプBのものに比較して、凹部1dを設けている分、折り曲げ部1bの両側に隣接して位置する溝部1a相互の間隔が広く、溝部1aの数を同等かつ溝部1a相互の間隔を同等とした場合に、板材1自体の幅寸法も大きくなっている。
【0023】
このような図6(a)に示すタイプAのチューブ状部材1Aは、折り曲げ加工した後は、凹部1dを形成した部分が、図6(a)中で下方に突出する突出部17となり、この突出部17は、板材1を折り曲げて接合した状態のチューブ状部材1Aの厚さより薄い厚さとなっている。
【0024】
図7は、切り欠き孔1fの成形後に、板材1を、折り曲げ部1bを中心として徐々に内側に折り曲げてチューブ状部材1Aとする様子を平面図として示している。この際、折り曲げローラ群13は、板材1の幅方向両側に位置して回転しながら、形状の異なる複数のローラ対が板材1を挟むようにして加圧して徐々に折り曲げ、最終的に折り曲げ部1bの両側部分が互いに接合されてチューブ状部材1Aとなる。
【0025】
切断加工部11は、チューブ状部材1Aを、切断手段としての切断刃19により規定長さに切断し、最終的な熱交換器用のチューブ1Bとする。
【0026】
図8は、切断加工部11の詳細を示すもので、図8のD−D断面図である図9(a)に示すように、図1では示していないが、起立した状態のチューブ状部材1Aを、両側からクランプ固定する一対のチューブ保持ブロック23,25を、互いに接近離反移動可能に備えている。図9(a)はクランプした状態、図9(b)はアンクランプした状態である。
【0027】
一方のチューブ保持ブロック23は、他方のチューブ保持ブロック25を移動可能に収容するガイド凹部23aを備え、ガイド凹部23aの底部と、これに対向する部位のチューブ保持ブロック25に、チューブ状部材1Aの外形形状に整合する形状のチューブ状部材収容凹部23b,25aをそれぞれ備えている。
【0028】
図9(a)のようにチューブ状部材1Aを一対のチューブ保持ブロック23,25でクランプ固定した状態で、切断刃19により切断するが、その際、図8に示すように、切断刃19が入り込む切断刃挿入部27を、チューブ保持ブロック23,25に設けている。
【0029】
次に作用を説明する。図1に示すように、コア部2のコイル材を板材1として順次繰り出し、溝成形部5にてローラ対5a,5bの回転により、図2,図3に示したように複数の溝部1aを圧延加工するとともに、折り曲げ部1bにおいては凹部1d(図3(a)のタイプAの場合のみ)および切り込み部1eをそれぞれ圧延加工する。
【0030】
その後、切欠成形部7にてローラ対7a,7bにより、図4,図5に示したように切り欠き孔1fを板材1の送り方向規定間隔毎に孔開け加工する。この際、図5(a)のタイプAにおける切り欠き孔1fの幅寸法aは、図5(b)のタイプBにおける切り欠き孔1fの幅寸法aより大きくなっている。
【0031】
切り欠き孔1fを設けた後は、折曲加工部9にて折り曲げローラ群13により、図6,図7に示したように、折り曲げ部1bを中心として徐々に内側に折り曲げてチューブ状部材1Aとする。図10は、図6(a)のタイプAにおけるチューブ状部材1Aの一部を示す斜視図であり、この際切り欠き孔1fを設けた部位は、図10中で下方側の縁部の一部を矩形状に切り欠いた切り欠き部29となる。
【0032】
なお、上記した折曲加工部9での折り曲げ加工時には、折り曲げによって接合する部位にフラックスを塗布しておく。
【0033】
以上までの加工作業の間は、切欠成形部7での加工をプレスで行う場合を除き、板材1の送り動作を継続して行い、この際次の切断加工部11における前記図8で示すチューブ保持ブロック23,25は、図9(b)に示すように、上記のチューブ状部材1Aをアンクランプするよう互いに離反した状態としている。
【0034】
チューブ状部材1Aが切断加工部11に達し、前記図10に示した切り欠き部29となった部位が、図8のように切断刃挿入部27に達すると、板材1の送り動作を停止し、さらにチューブ保持ブロック23,25を互いに接近移動させて図9(a)のようにチューブ状部材1Aをクランプ保持する。
【0035】
なお、切り欠き部29となった部位が切断刃挿入部27に達した時点での板材1の送り動作停止は、例えば板材1の送り量を図示しない送り機構に設けたエンコーダなどにより検知して行うか、あるいは切り欠き部29自体を切断刃挿入部27の側方から光センサにより検知して行う。
【0036】
そして、このクランプ保持状態で切断刃19を下降させてチューブ状部材1Aを切断する。切断の際には、起立状態のチューブ状部材1Aに対し、折り曲げ部1bと反対側の縁部から折り曲げ部1b側の縁部に向けて切断刃19を移動させる。切断後は、チューブ保持ブロック23,25を図9(b)のように互いに離反させてチューブ状部材1Aのクランプ保持を解除した後、板材1の送り動作を再開する。以後、板材1の送り動作に伴って、切り欠き部29となった部位が切断刃挿入部27に達する毎に、上記と同様にして切断作業を繰り返すことで、規定長さの熱交換器用のチューブ1Bを順次製造する。
【0037】
なお、チューブ状部材1Aを切断する際には、切り欠き部29の中央を切断するように、切り欠き部29の長さ方向(図8中で左右方向)中央位置が切断刃挿入部27の同中央位置にほぼ一致する状態とし、切断刃19もこれに合わせた中央位置で下降する。
【0038】
図11(a)は、切断後のタイプAのチューブ1Bの一方の端部側を示す斜視図、図11(b)は、切断後のタイプBのチューブ1Bの一方の端部側を示す斜視図である。切断前の切り欠き部29の長さを図10のようにbとすると、切断後の切り欠き部29cの長さはほぼb/2となっている。なお、上記の切断後の切り欠き部29cは図示していない反対側の端部にも同様に形成されている。
【0039】
図12は、図11(a)に対し、切り欠き孔1f(切り欠き部29)の長さbをより長くしたものに対応しており、この場合には、切断後の切り欠き部29cの長さb/2も図11(a)に対して長いものとなる。
【0040】
上記したように、チューブ状部材1Aを切断する際には、折り曲げ部1bに図4に示した切り欠き孔1fを設けて図10に示した切り欠き部29とした部位を切断している。ここで、特に折り曲げ部1bについては、凹部1dや切り込み部1eでの圧延加工に加え、折り曲げ加工によって他の部位に比較して硬化しているが、本実施形態では、この硬化している折り曲げ部1bに切り欠き孔1fを設けて折り曲げ部1bの一部を除去し、切り欠き部29とした部位を切断しているので、切断刃19の磨耗や欠損の発生を防止することができ、このため切断刃19は長寿命化して交換頻度が低くなり、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0041】
上記のようにして製造したチューブ1Bは、図13(a)に一端側のみを示すように、ヘッダタンクの一部を構成するヘッダ部材31に形成したチューブ挿入孔31aに端部を挿入固定する。
【0042】
この際、切断刃19は、前述したように磨耗や欠損が発生しにくくなっていることから、切断面の下部に図13(a)に示すようなダレやバリによる突起33が発生しにくくなっているが、仮にこの突起33が発生したとしても、図13(a)に示すように、チューブ挿入孔31aの図13(a)中で上下方向の寸法を、切り欠き部29c以外の部位の幅寸法に合わせ、この切り欠き部29c以外の部位をチューブ挿入孔31aに挿入することで、挿入作業が容易となり、突起33の発生によるチューブ1Bのチューブ挿入孔31aへの挿入不良を防止することができる。
【0043】
すなわち、図13(a)では、切断後の切り欠き部29cの長さb/2と、挿入後のチューブ1Bの先端からの挿入部分の寸法Pとの関係を、少なくともb/2<Pとすればよい。ただし、ここでの寸法Pは、b/2とヘッダ部材31の板厚tとを加えた寸法以上、つまり(b/2)+t≦Pとすることが望ましい。このような寸歩関係のチューブ1Bは、図11(a)に示すものに対応している。
【0044】
また、本実施形態では図13(a)に示したような突起33が発生しにくく、特にこのような突起33が発生していない場合には、図13(b)に示すように、切り欠き部29cの部位に合わせてチューブ挿入孔31aを設け、このチューブ挿入孔31aに切り欠き部29cに対応する部位を挿入することで、ヘッダ部材31の幅寸法を、図13(a)のWに対し、切り欠き部29cの切り込み深さmだけ短いW−mの寸法とすることができ、熱交換器全体として小型化を達成することができる。
【0045】
ここで、上記図13(b)の場合には、図13(a)の場合とは逆に、b/2>Pとしている。なお、ここでのチューブ1Bの先端からのチューブ挿入孔31aへの挿入部分の寸法Pは、ヘッダ部材31の板厚t以上とすることが望ましい。このような寸歩関係のチューブ1Bは、図12に示すものに対応している。
【0046】
上記のようなヘッダ部材31の幅寸法の減少については、特にタイプAに対応するチューブ1Bの場合が、折り曲げによって図6(a)に示すように突出部17が形成されて幅寸法がタイプBに比較して大きくなっているので、この突出部17のない部位をチューブ挿入孔31aに挿入することで、より効果的となる。
【0047】
なお、上記した実施形態では、切り欠き部29となる切り欠き孔1fを、図4,図5に示したように、折曲加工部9での折り曲げ加工前に形成しているが、この切り欠き孔1fを形成する代わりに、折り曲げ加工後でかつ切断加工部11での切断加工前に、つまり図10の状態で示すように、折り曲げた状態で切り欠き部29を例えば側方からプレスなどにより切り抜くようにしてもよい。
【0048】
すなわち、折り曲げ部1bにおける切り欠き部29は、チューブ状部材1Aを切断刃19により切断する前に設けておけばよい。
【0049】
上記したように、チューブ1Bの両端をヘッダ部材31に接続する際には、チューブ1Bと図示しない放熱フィンとを、ヘッダ部材31の長手方向(図13中で紙面に直交する方向)に交互に配置し、またヘッダ部材31には他の図示しないヘッダ部材などを組み付けてヘッダタンクを構成し、これらを一括して炉内にてろう付けにより各接合部を固定して熱交換器を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係わる熱交換器用チューブの製造装置の簡略化した正面図である。
【図2】溝部を成形加工した後の板材の一部を示す平面図である。
【図3】(a)は図2のB−B断面図、(b)は(a)とは異なるタイプのチューブに対応する同断面図である。
【図4】切り欠き孔を成形加工した後の板材の一部を示す平面図である。
【図5】(a)は図4のC−C断面図、(b)は(a)とは異なるタイプのチューブに対応する同断面図である。
【図6】(a)は、板材を折り曲げによりチューブ状とする状態を示す説明図、(b)は、(a)とは異なるタイプのチューブに対応する同説明図である。
【図7】切り欠き孔の成形後に、板材を折り曲げ部を中心として徐々に内側に折り曲げてチューブ状とする様子を示す平面図である。
【図8】切断加工部の詳細を示す正面図である。
【図9】(a)は図8のD−D断面図、(b)は(a)に対しチューブ状部材をアンクランプしている状態を示す断面図である。
【図10】チューブ状部材の一部を示す斜視図である。
【図11】(a)は切断加工後のチューブ状部材の一部を示す斜視図、(b)は(a)とは異なるタイプのチューブ状部材の一部を示す斜視図である。
【図12】図11(a)に対し、切り欠き孔の長さをより長くしたものに対応するチューブ状部材の一部を示す斜視図である。
【図13】(a)は、チューブの端部をヘッダ部材のチューブ挿入孔に挿入固定した状態を示す断面図、(b)は切り欠き部に対応する部位をヘッダ部材のチューブ挿入孔に挿入固定した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 板材
1b 板材の折り曲げ部
1d 板材の折り曲げ部に設けた凹部
1e 切り込み部(板材の折り曲げ部に設けた凹部)
1f 切り欠き孔(切り欠き部)
19 切断刃(切断手段)
29 切り欠き部
31a ヘッダタンクのチューブ挿入孔

特許の図
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−8598(P2008−8598A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182372(P2006−182372)