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【発明の名称】 熱交換器、ヘッダへの仕切板仮止め方法および仮止め装置
【発明者】 【氏名】沼沢 誠

【氏名】真田 浩数

【要約】 【課題】ヘッダ外への冷媒の洩れを防止しうる熱交換器を提供する。

【構成】この発明を適用したコンデンサのヘッダに、仕切板挿入用のスリット15を形成する。仕切板7におけるスリット15からヘッダ2,3外に露出した周縁部に、仕切板7の厚さ方向両側に突出し、かつヘッダ2,.におけるスリット15の両側部分に跨ってスリット15を覆うフランジ部18を形成する。フランジ部18の内面をヘッダ2,3外面にろう付する。仕切板7のフランジ部18外面を円筒面状とし、フランジ部18外面の周方向の中央部に平面部18aを形成するとともに、平面部18aの両側に曲率中心Oが同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部18bをそれぞれ形成する。ヘッダ2,3の横断面において、部分円筒面部18bの曲率中心Oはヘッダ2,3の通風方向の中心線X上に位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板の両側部分にそれぞれヘッダの外面に係合する係合爪が形成され、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪がヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器において、
仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出した周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出し、かつヘッダにおけるスリットの両側部分に跨ってスリットを覆うフランジ部が形成され、フランジ部の内面がヘッダ外面にろう付されている熱交換器。
【請求項2】
仕切板の係合爪がフランジ部に連なって一体に形成されており、係合爪およびフランジ部におけるヘッダの長さ方向の幅が相互に等しくなっている請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
仕切板のフランジ部外面が円筒面状であり、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部が形成されるとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部がそれぞれ形成されており、ヘッダの横断面において、部分円筒面部の曲率中心がヘッダの通風方向の中心線上に位置しているとともに、当該中心線が平面部の垂直2等分線となっている請求項1または2記載の熱交換器。
【請求項4】
仕切板のフランジ部外面における平面部の長さが3mm以上である請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
仕切板のフランジ部内面が1つの部分円筒面からなる請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項6】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板の両側部分にそれぞれヘッダの外面に係合する係合爪が形成され、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪が互いに接近する方向に曲げられてヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器を製造するにあたり、仕切板をヘッダに仮止めする方法であって、
仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出する周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出しかつ外面が円筒面状となったフランジ部を形成するとともに、フランジ部の両端に連なって係合爪を一体に形成し、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部を形成するとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部をそれぞれ形成し、部分円筒面部の曲率中心を平面部の垂直2等分線上に位置させておき、仕切板をヘッダのスリットに外側から挿入した後、仕切板の平面部よりも長い第1平坦面、および第1平坦面の両側に連なるとともに第1平坦面に対して傾斜し、かつ仕切板のフランジ部外面の両部分円筒面部に接触する第2平坦面を有する位置決め部材を、ヘッダに接近させることにより、位置決め部材の第1平坦面を仕切板のフランジ部外面の平面部の全長にわたって接触させるとともに、第2平坦面を部分円筒面部に接触させて姿勢を矯正し、この状態で位置決め部材をさらにヘッダに接近させることにより、仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させ、さらに係合爪をヘッダ外面に係合させることを含むヘッダへの仕切板仮止め方法。
【請求項7】
仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させた後、係合爪を内側に変形させてヘッダ外面に係合させる請求項6記載のヘッダへの仕切板仮止め方法。
【請求項8】
仕切板のフランジ部外面における平面部の長さが3mm以上である請求項6または7記載のヘッダへの仕切板仮止め方法。
【請求項9】
互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出する周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出しかつ外面が円筒面状となったフランジ部が形成されるとともに、フランジ部の両端に連なってヘッダの外面に係合する係合爪が一体に形成され、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部が形成されるとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部がそれぞれ形成され、部分円筒面部の曲率中心が平面部の垂直2等分線上に位置させられており、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪が互いに接近する方向に曲げられてヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器を製造するにあたり、仕切板をヘッダに仮止めする装置であって、
スリットが上方を向くように、スリットの前後両側においてヘッダを水平状態で支持する支持部材と、支持部材に支持されるヘッダのスリットの上方に上下動自在に配置された位置決め部材とを備えており、
位置決め部材の下面に、左右方向の長さが仕切板におけるフランジ部外面の平面部の左右方向の長さよりも長い水平平坦面と、水平平坦面の左右両側に連なるとともに左右方向外方に向かって下方に傾斜し、かつ仕切板におけるフランジ部外面の両部分円筒面部に接触する傾斜平坦面とが形成されているとともに、位置決め部材の下面の形状が位置決め部材の左右方向の中心線に対して線対称となっているヘッダへの仕切板仮止め装置。
【請求項10】
支持部材の下方に、仕切板の係合爪を変形させる爪変形具が配置されており、爪変形具が、ハウジングと、支持部材に支持されるヘッダのスリットと対応する位置において、上端部がヘッダの左右両側に来るように左右方向に間隔をおいて配置され、かつ長さ方向の中間部分において前後方向にのびる軸線のまわりに揺動自在となるようにハウジングに枢着された1対の挟着片と、両挟着片を、その上端部が互いに離隔する方向に付勢する付勢手段と、両挟着片の下方に、上端部が両挟着片間に位置するとともに上下動するように配置され、かつ左右方向の寸法が上方に向かって小さくなったテーパ状の挟着片作動部材とを備えており、位置決め部材の左右方向の中心線と挟着片作動部材の左右方向の中心線とが合致するとともに、これらの中心線に対して両挟着片および挟着片作動部材が線対称となり、挟着片作動部材が上昇させられた際に、当該挟着片作動部材により両挟着片がその下端部が広げられるように揺動して両挟着片の上端部が互いに接近し、両挟着片の上端部により、支持部材に支持されるヘッダのスリットに差し込まれる仕切板の係合爪が内方に変形させられてヘッダの外面に係合するようになっている請求項9記載のヘッダへの仕切板仮止め装置。
【請求項11】
圧縮機、コンデンサ、減圧器およびエバポレータを備えており、かつフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルであって、コンデンサが請求項1〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル。
【請求項12】
請求項11記載の冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、熱交換器、ヘッダへの仕切板仮止め方法および仮止め装置に関し、さらに詳しくは、たとえばカーエアコン用コンデンサに好適に用いられる熱交換器、当該熱交換器のヘッダへの仕切板の仮止め方法および仮止め装置に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図4の上下、左右を上下、左右といい、図5の左側を前、右側を後というものとする。なお、図1および図2に基づいたコンデンサ(熱交換器)に関する説明については、図1の上下、左右を上下、左右というものとする。
【背景技術】
【0003】
たとえば車両のカーエアコンのコンデンサに適用される熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板の両側部分にそれぞれヘッダの外面に係合する係合爪が形成され、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪が互いに接近する方向に曲げられてヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されているものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1記載の熱交換器は、ヘッダのスリットに仕切板を挿入した後、係合爪を互いに接近する方向に曲げてヘッダ外面に係合させることにより仕切板をヘッダに仮止めし、当該ヘッダ、熱交換管、フィン、サイドプレートなどを組み付けた後、適当な治具により仮止めし、炉内で全部品が一括してろう付されることにより製造される。
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器においては、仕切板の外側周縁部とヘッダにおけるスリットの両側面とのろう付すべき面積が小さいので、仕切板のヘッダへの仮止め時に、仕切板がごくわずかに位置ずれした場合にも、仕切板の外側周縁部とヘッダにおけるスリットの両側面との間にろう付不良が発生し、製造された熱交換器において、スリットを通ってヘッダ外に冷媒が洩れるおそれがあった。
【特許文献1】特開2002−267388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダ外への冷媒の洩れを防止しうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0007】
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板の両側部分にそれぞれヘッダの外面に係合する係合爪が形成され、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪がヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器において、
仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出した周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出し、かつヘッダにおけるスリットの両側部分に跨ってスリットを覆うフランジ部が形成され、フランジ部の内面がヘッダ外面にろう付されている熱交換器。
【0008】
2)仕切板の係合爪がフランジ部に連なって一体に形成されており、係合爪およびフランジ部におけるヘッダの長さ方向の幅が相互に等しくなっている上記1)記載の熱交換器。
【0009】
3)仕切板のフランジ部外面が円筒面状であり、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部が形成されるとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部がそれぞれ形成されており、ヘッダの横断面において、部分円筒面部の曲率中心がヘッダの通風方向の中心線上に位置しているとともに、当該中心線が平面部の垂直2等分線となっている上記1)または2)記載の熱交換器。
【0010】
4)仕切板のフランジ部外面における平面部の長さが3mm以上である上記3)記載の熱交換器。
【0011】
5)仕切板のフランジ部内面が1つの部分円筒面からなる上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0012】
6)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板の両側部分にそれぞれヘッダの外面に係合する係合爪が形成され、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪が互いに接近する方向に曲げられてヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器を製造するにあたり、仕切板をヘッダに仮止めする方法であって、
仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出する周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出しかつ外面が円筒面状となったフランジ部を形成するとともに、フランジ部の両端に連なって係合爪を一体に形成し、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部を形成するとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部をそれぞれ形成し、部分円筒面部の曲率中心を平面部の垂直2等分線上に位置させておき、仕切板をヘッダのスリットに外側から挿入した後、仕切板の平面部よりも長い第1平坦面、および第1平坦面の両側に連なるとともに第1平坦面に対して傾斜し、かつ仕切板のフランジ部外面の両部分円筒面部に接触する第2平坦面を有する位置決め部材を、ヘッダに接近させることにより、位置決め部材の第1平坦面を仕切板のフランジ部外面の平面部の全長にわたって接触させるとともに、第2平坦面を部分円筒面部に接触させて姿勢を矯正し、この状態で位置決め部材をさらにヘッダに接近させることにより、仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させ、さらに係合爪をヘッダ外面に係合させることを含むヘッダへの仕切板仮止め方法。
【0013】
7)仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させた後、係合爪を内側に変形させてヘッダ外面に係合させる上記6)記載のヘッダへの仕切板仮止め方法。
【0014】
8)仕切板のフランジ部外面における平面部の長さが3mm以上である上記6)または7)記載のヘッダへの仕切板仮止め方法。
【0015】
9)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダと、両ヘッダ間に配置されて両端部が両ヘッダに接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、少なくともいずれか一方のヘッダ内をヘッダの長さ方向に並んだ複数の空間に仕切る仕切板とを備えており、ヘッダに仕切板挿入用のスリットが形成され、仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出する周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出しかつ外面が円筒面状となったフランジ部が形成されるとともに、フランジ部の両端に連なってヘッダの外面に係合する係合爪が一体に形成され、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部が形成されるとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部がそれぞれ形成され、部分円筒面部の曲率中心が平面部の垂直2等分線上に位置させられており、仕切板がスリットに外側から挿入されるとともに、係合爪が互いに接近する方向に曲げられてヘッダ外面に係合させられることにより仕切板がヘッダに仮止めされた状態でろう付されている熱交換器を製造するにあたり、仕切板をヘッダに仮止めする装置であって、
スリットが上方を向くように、スリットの前後両側においてヘッダを水平状態で支持する支持部材と、支持部材に支持されるヘッダのスリットの上方に上下動自在に配置された位置決め部材とを備えており、
位置決め部材の下面に、左右方向の長さが仕切板におけるフランジ部外面の平面部の左右方向の長さよりも長い水平平坦面と、水平平坦面の左右両側に連なるとともに左右方向外方に向かって下方に傾斜し、かつ仕切板におけるフランジ部外面の両部分円筒面部に接触する傾斜平坦面とが形成されているとともに、位置決め部材の下面の形状が位置決め部材の左右方向の中心線に対して線対称となっているヘッダへの仕切板仮止め装置。
【0016】
10)支持部材の下方に、仕切板の係合爪を変形させる爪変形具が配置されており、爪変形具が、ハウジングと、支持部材に支持されるヘッダのスリットと対応する位置において、上端部がヘッダの左右両側に来るように左右方向に間隔をおいて配置され、かつ長さ方向の中間部分において前後方向にのびる軸線のまわりに揺動自在となるようにハウジングに枢着された1対の挟着片と、両挟着片を、その上端部が互いに離隔する方向に付勢する付勢手段と、両挟着片の下方に、上端部が両挟着片間に位置するとともに上下動するように配置され、かつ左右方向の寸法が上方に向かって小さくなったテーパ状の挟着片作動部材とを備えており、位置決め部材の左右方向の中心線と挟着片作動部材の左右方向の中心線とが合致するとともに、これらの中心線に対して両挟着片および挟着片作動部材が線対称となり、挟着片作動部材が上昇させられた際に、当該挟着片作動部材により両挟着片がその下端部が広げられるように揺動して両挟着片の上端部が互いに接近し、両挟着片の上端部により、支持部材に支持されるヘッダのスリットに差し込まれる仕切板の係合爪が内方に変形させられてヘッダの外面に係合するようになっている上記9)記載のヘッダへの仕切板仮止め装置。
【0017】
11)圧縮機、コンデンサ、減圧器およびエバポレータを備えており、かつフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルであって、コンデンサが上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル。
【0018】
12)上記10)記載の冷凍サイクルがカーエアコンとして搭載されている車両。
【発明の効果】
【0019】
上記1)の熱交換器によれば、仕切板におけるスリットからヘッダ外に露出した周縁部に、仕切板の厚さ方向両側に突出し、かつヘッダにおけるスリットの両側部分に跨ってスリットを覆うフランジ部が形成され、フランジ部の内面がヘッダ外面にろう付されているので、フランジ部の働きにより、冷媒がスリットを通ってヘッダ外に洩れることが確実に防止される。また、ヘッダへの仮止め時に仕切板がごくわずかに位置ずれすることにより、仕切板の両面と、ヘッダにおけるスリットの両側面とのろう付部に、仮にろう付不良が発生した場合であっても、仕切板のフランジ部の内面とヘッダ外面とがろう付されていることによって、ヘッダ外への冷媒の洩れが防止される。
【0020】
上記3)の熱交換器のように、仕切板のフランジ部外面が円筒面状であり、フランジ部外面の周方向の中央部に平面部が形成されるとともに、平面部の両側に曲率中心が同一でかつ曲率半径の等しい部分円筒面部がそれぞれ形成されており、ヘッダの横断面において、部分円筒面部の曲率中心がヘッダの通風方向の中心線上に位置しているとともに、当該中心線が平面部の垂直2等分線となっている場合、この熱交換器の仕切板のヘッダへの仮止めは、上記6)の方法により行われる。そして、ヘッダのスリットに外側から挿入された仕切板が、万一、ヘッダの長さ方向にのびる直線の周りに回転するように傾いていた場合、位置決め部材の第1平坦面が仕切板におけるフランジ部外面の平面部の一端に当たることにより、フランジ部外面の両部分円筒面部がそれぞれ位置決め部材の第2平坦面に摺接しつつ、仕切板が上記傾き方向とは逆方向に回転させられ、仕切板の姿勢が矯正されて平面部が全長にわたって位置決め部材の平坦面に接触する。このとき、仕切板におけるフランジ部外面の両部分円筒面部はそれぞれ位置決め部材の第2平坦面に接触したままの状態である。その結果、位置決め部材をさらにヘッダ側に接近させると、仕切板は正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込まれる。したがって、仕切板は正しい姿勢でヘッダにろう付されることになり、ろう付不良の発生およびろう付不良の発生に起因する冷媒の洩れが防止される。
【0021】
上記4)の熱交換器によれば、上記3)で述べた、位置決め部材による仕切板の姿勢の矯正を、より効果的に行うことができる。
【0022】
上記6)および7)のヘッダへの仕切板仮止め方法によれば、仕切板のヘッダへの仮止めの際の仕切板の位置ずれが防止される。すなわち、ヘッダのスリットに外側から挿入された仕切板が、万一、ヘッダの長さ方向にのびる直線の周りに回転するように傾いていた場合、位置決め部材の第1平坦面が仕切板におけるフランジ部外面の平面部の一端に当たることにより、フランジ部外面の両部分円筒面部がそれぞれ位置決め部材の第2平坦面に摺接しつつ、仕切板が上記傾き方向とは逆方向に回転させられ、仕切板の姿勢が矯正されて平面部が全長にわたって位置決め部材の第1平坦面に接触する。このとき、仕切板におけるフランジ部外面の両部分円筒面部はそれぞれ位置決め部材の第2平坦面に接触したままの状態である。その結果、位置決め部材をさらにヘッダ側に接近させると、仕切板は正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込まれる。したがって、仕切板は正しい姿勢でヘッダにろう付されることになり、ろう付不良の発生およびろう付不良の発生に起因する冷媒の洩れが防止される。
【0023】
上記8)のヘッダへの仕切板仮止め方法によれば、上記6)および7)で述べた、位置決め部材による仕切板の姿勢の矯正を、より効果的に行うことができる。
【0024】
上記9)のヘッダへの仕切板仮止め装置によれば、次のようにしてヘッダへの仕切板の仮止めを行うことができる。すなわち、スリットが上方を向くように、スリットの前後両側において、支持部材によりヘッダを水平状態で支持しておき、ヘッダのスリットに上方から仕切板を挿入した後、位置決め部材を下降させることによりその水平平坦面を仕切板におけるフランジ部外面の平面部の全長にわたって接触させるとともに、傾斜平坦面を部分円筒面部に接触させて姿勢を矯正し、この状態で位置決め部材をさらに下降させることにより、仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させ、さらに係合爪をヘッダ外面に係合させる。こうして、仕切板をヘッダに仮止めする。
【0025】
ここで、ヘッダのスリットに外側から挿入された仕切板が、万一、ヘッダの長さ方向にのびる直線の周りに回転するように傾いていた場合、位置決め部材の水平平坦面が仕切板におけるフランジ部外面の平面部の一端に当たることにより、フランジ部外面の両部分円筒面部がそれぞれ位置決め部材の傾斜平坦面に摺接しつつ、仕切板が上記傾き方向とは逆方向に回転させられ、仕切板の姿勢が矯正されて平面部が全長にわたって位置決め部材の水平平坦面に接触する。このとき、仕切板におけるフランジ部外面の両部分円筒面部はそれぞれ位置決め部材の傾斜平坦面に接触したままの状態である。その結果、位置決め部材をさらにヘッダ側に接近させると、仕切板は正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込まれる。したがって、仕切板は正しい姿勢でヘッダにろう付されることになり、ろう付不良の発生およびろう付不良の発生に起因する冷媒の洩れが防止される。
【0026】
上記10)のヘッダへの仕切板仮止め装置によれば、仕切板を正しい姿勢を保ったままでヘッダ内の最奥部まで差し込むとともに、フランジ部の内面全体をヘッダの外面に面接触させた後、爪変形具の挟着片操作部材を上昇させることにより、両挟着片をその下端部が広がるように揺動させ、これにより両挟着片の上端部を互いに接近させて仕切板の係合爪を内方に変形させてヘッダ外面に係合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、車両用カーエアコンのコンデンサに適用したものである。
【0028】
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0029】
図1において、コンデンサ(1)は、上下方向にのびかつ左右方向に間隔をおいて配置された1対のアルミニウム製ヘッダ(2)(3)と、両ヘッダ(2)(3)間において上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダ(2)(3)に接続された複数のアルミニウム製熱交換管(4)と、隣り合う熱交換管(4)どうしの間、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側に配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたサイドプレート(6)とよりなり、左側ヘッダ(2)が、高さ方向の中央部よりも上方において仕切板(7)により上下2つのヘッダ部(2a)(2b)に仕切られ、右側ヘッダ(3)が、高さ方向の中央部よりも下方において仕切板(7)により上下2つのヘッダ部(3a)(3b)に仕切られ、左側ヘッダ(2)の上ヘッダ部(2a)に入口部材(8)がろう付され、右側ヘッダ(3)の下ヘッダ部(3b)に出口部材(9)がろう付されている。そして、入口部材(8)を通って左側ヘッダ(2)の上ヘッダ部(2a)内に流入した冷媒は、熱交換管(4)内を右方に流れて右側ヘッダ(3)の上ヘッダ部(3a)内の上部に流入し、上ヘッダ部(3a)内を下方に流れて左側ヘッダ(2)の仕切板(7)と右側ヘッダ(3)の仕切板(8)との間の高さ位置にある熱交換管(4)内を左方に流れて左側ヘッダ(2)の下ヘッダ部(2b)内の上部に流入し、下ヘッダ部(2b)内を下方に流れて右側ヘッダ(3)の仕切板(7)よりも下方に位置する熱交換管(4)内を右方に流れて右側ヘッダ(3)の下ヘッダ部(3b)内に流入し、出口部材(9)を通ってコンデンサ(1)の外部に流出する。
【0030】
コンデンサ(1)の左右のヘッダ(2)(3)は、両端が開口したアルミニウム製筒状体(10)と、筒状体(10)の両端にろう付されてその両端開口を閉鎖するアルミニウム製閉鎖部材(11)とからなる。図2および図3に示すように、筒状体(10)は、熱交換管(4)が接続される内側部分(12)と、内側部分(12)に一体に形成された横断面優弧状の外側部分(13)とよりなる。筒状体(10)の内側部分(12)に、熱交換管(4)の端部を挿入する前後方向に長い管挿通穴(14)が上下方向に間隔をおいて形成されている。筒状体(10)の外側部分(13)、すなわちヘッダ(2)(3)に、仕切板挿入用のスリット(15)が形成されている。筒状体(10)はアルミニウム押出形材により形成されたり、あるいは両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる素板が筒状に成形されるとともに両側縁部が部分的に重ね合わされて相互にろう付されることにより形成されたり、あるいは両面にろう材層を有する複数の部材がろう付されることにより形成される。
【0031】
仕切板(7)は、筒状体(10)の外側部分(13)、すなわちヘッダに形成された仕切板挿入用のスリット(15)を通して外側からヘッダ(2)(3)の筒状体(10)内に挿入されて、筒状体(10)にろう付されている。仕切板(7)は、外形が、筒状体(10)の内周面の横断面形状と合致した形状であり、かつ冷媒の流れを遮断する第1部分(16)、および第1部分(16)に一体に形成され、かつ筒状体(10)のスリット(15)内に位置して外側部分(13)におけるスリット(15)の両側面にろう付された第2部分(17)とを有し、第2部分(17)におけるスリット(15)からヘッダ(2)(3)の筒状体(10)外に露出した周縁部に、仕切板(7)の厚さ方向両側(上下方向)に突出し、かつ筒状体(10)におけるスリット(15)の上下両側部分に跨ってスリット(15)を覆うフランジ部(18)が一体に形成されており、フランジ部(18)の内面が筒状体(10)の外面にろう付されている。フランジ部(18)の外面は円筒面状であり、フランジ部(18)外面の周方向の中央部に通風方向(図2の上下方向)にのびる平面部(18a)が形成されるとともに、平面部(18a)の両側に曲率中心が同一であるとともに曲率半径の等しい部分円筒面部(18b)がそれぞれ形成されている。フランジ部(18)における平面部(18a)の通風方向の長さは3mm以上であることが好ましい。また、ヘッダ(2)(3)の筒状体(10)の横断面において、部分円筒面部(18b)の曲率中心(O)が筒状体(10)の通風方向の中心線(X)上に位置しているとともに、当該中心線(X)は平面部(18a)の垂直2等分線となっている。また、仕切板(7)のフランジ部(18)の内面は、筒状体(10)の外側部分(13)の外面の曲率と等しい1つの部分円筒面となっている。
【0032】
仕切板(7)のフランジ部(18)の周方向の両端部に、ヘッダ(2)(3)の外面に係合する係合爪(19)が一体に形成されている。係合爪(19)の上下方向の幅はフランジ部(18)の上下方向の幅と等しくなっている。そして、仕切板(7)の両係合爪(19)が、互いに接近する方向に曲げられて筒状体(10)の内側部分(12)外面に係合させられることにより、仕切板(7)が筒状体(10)に仮止めされた状態で筒状体(10)にろう付されている。なお、スリット(15)を通して外側からヘッダ(2)(3)の筒状体(10)内に挿入される前の状態においては、仕切板(7)の係合爪(19)は、フランジ部(18)の両端に真っ直ぐに連なり、フランジ部(18)の部分円筒面部(18b)における外端部の接線方向にのびている。この真っ直ぐな係合爪を(19A)で示す(図3実線参照)。
【0033】
上述したコンデンサは、圧縮機、減圧器およびエバポレータなどとともに、フロン系冷媒を用いる冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0034】
以下、コンデンサ(1)の製造にあたって、仕切板(7)をヘッダ(2)(3)の筒状体(10)に仮止めする方法について述べる。
【0035】
ヘッダ(2)(3)の筒状体(10)への仕切板(7)の仮止めは、仕切板仮止め装置を用いて行う。
【0036】
仕切板仮止め装置は、スリット(15)が上方を向くように、スリット(15)の前後両側において筒状体(10)を水平状態で支持する支持部材(30)と、支持部材(30)に支持される筒状体(10)のスリット(15)の上方に上下動自在に配置された位置決め部材(31)と、支持部材(30)の下方に配置されかつ仕切板(7)の真っ直ぐな係合爪(19A)を変形させる爪変形具(32)とを備えている。
【0037】
支持部材(30)は、爪変形具(32)の後述するハウジング(33)に固定されている。なお、図5の前後方向外側に、さらに支持部材(30)とともに筒状体(10)を支持する支持部材が配置されていてもよい。
【0038】
位置決め部材(31)の下面に、左右方向の長さが仕切板(7)におけるフランジ部(18)外面の平面部(18a)の左右方向の長さよりも長い水平平坦面(31a)(第1平坦面)と、水平平坦面(31a)の左右両側に連なるとともに左右方向外方に向かって下方に傾斜し、かつ仕切板(7)におけるフランジ部(18)外面の両部分円筒面部(18b)に接触する傾斜平坦面(31b)(第1平坦面)とが形成されている。位置決め部材(31)の水平平坦面(31a)の左右方向の中心線は、支持部材(30)に支持される筒状体(10)の左右方向の中心線と合致している。また、位置決め部材(31)は、その下面の形状を含んだ全体が左右方向の中心線に対して線対称となっている。位置決め部材(31)は、たとえば図示しない流体圧シリンダなどの駆動手段により上下動させられるようになっている。
【0039】
爪変形具(32)は、ハウジング(33)と、前後方向に関して支持部材(30)に支持される筒状体(10)のスリット(15)と対応する位置において、上端部が筒状体(10)の左右両側に来るように左右方向に間隔をおいて配置され、かつ長さ方向の中間部分において前後方向にのびる軸線のまわりに揺動自在となるようにハウジング(33)に枢着された1対の挟着片(34)と、両挟着片(34)を、その上端部が互いに離隔する方向に付勢する圧縮コイルばね(35)(付勢手段)と、両挟着片(34)の下方に、上端部が両挟着片(34)間に位置するとともに上下動するように配置され、かつ左右方向の寸法が上方に向かって小さくなったテーパ状の挟着片作動部材(40)とを備えている。
【0040】
ハウジング(33)は上方に開口した挟着片収容凹所(36)を有する中空状であり、ハウジング(33)の前後両側壁(33a)内面(挟着片収容凹所(36)の前後両側面)の上端部間の間隔は、これよりも下方の部分の間隔よりも狭くなっているとともに、挟着片(34)の前後方向の幅と等しくなっている。また、ハウジング(33)の前後両側壁(33a)の上端部の肉厚は、これよりも下方の部分の肉厚よりも薄くなっている。この薄肉部分を(33b)で示す。両支持部材(30)は、それぞれ上端部がハウジング(33)の上端よりも上方に突出しかつ相互に同一高さ位置に来るように、両薄肉部分(33b)の外面にそれぞれ配置され、ボルト(37)およびナット(38)によりハウジング(33)に固定されている。さらに、ハウジング(33)の底壁(33c)には、上下方向にのびかつ上方から見て方形のガイド穴(39)が貫通状に形成されている。ガイド穴(39)の前後両側面は、ハウジング(33)の前後両側壁(33a)の薄肉部分(33b)を除いた部分の内面と面一になっている。
【0041】
両挟着片(34)は、ハウジング(33)の挟着片収容凹所(36)内に左右方向に間隔をおいて、位置決め部材(31)の左右方向の中心線に対して線対称となるように配置されている。そして、支持部材(30)をハウジング(33)における前後両側壁(33a)の薄肉部分(33b)に固定するボルト(37)を利用して、両挟着片(34)が、前後方向にのびる軸線の周りに揺動自在となるようにハウジング(33)に枢着されている。各挟着片(34)の下端部と、ハウジング(33)の左右両側壁(33d)との間に、両挟着片(34)を、その上端部が互いに離隔する方向に付勢する圧縮コイルばね(35)が配置されている。各挟着片(34)の上端部には上方に突出した係合爪押圧部(34a)が一体に形成されている。係合爪押圧部(34a)の左右方向内面は、上方に向かって左右方向外方に傾斜している。この傾斜面を(34b)で示す。また、各挟着片(34)の下端部の左右方向内面は、下方に向かって左右方向外方に傾斜している。この傾斜面を(34c)で示す。
【0042】
挟着片作動部材(40)は、ハウジング(33)の底壁(33c)のガイド穴(39)内に、その上部がガイド穴(39)よりも上方に突出するように配置されており、ガイド穴(39)に案内されて上下動するようになっている。挟着片作動部材(40)の左右両側面は、それぞれ下端部を除いて上方に向かって左右方向内方に傾斜しており、挟着片作動部材(40)の上端部は両挟着片(34)間に差し込まれている。挟着片作動部材(40)の下端部には、外周面がガイド穴(39)の内周面に摺接する水平断面方形の被案内部(40a)が形成されている。挟着片作動部材(40)の左右方向の中心線が、支持部材(30)に支持される筒状体(10)の左右方向の中心線および位置決め部材(31)の左右方向の中心線と合致しているとともに、挟着片作動部材(40)は左右方向の中心線に対して線対称となっている。なお、挟着片作動部材(40)の前後方向の肉厚は全体に等しくなっている。挟着片作動部材(40)は、たとえば図示しない流体圧シリンダなどの駆動手段により上下動させられるようになっている。
【0043】
上述したような仮止め装置を使用し、まず筒状体(10)を、スリット(15)が上方を向くように支持部材(30)により支持させる。ついで、図6に示すように、フランジ部(18)の両端に真っ直ぐに連なり、フランジ部(18)の部分円筒面部(18b)における外端部の接線方向にのびる係合爪(19A)を有する仕切板(7)を、第2部分(17)の下端側から筒状体(10)のスリット(15)内に挿入する。このとき、仕切板(7)は、第1部分(16)の下端部周縁が筒状体(10)の内側部分(12)内面に密着する最奥部までは挿入されていない(図4および図7(a)参照)。この状態を仮差し込み状態というものとする。図示の例では、仮差し止め状態において、仕切板(7)は筒状体(10)の長さ方向にのびる直線の周りに図7(a)の時計方向に回転するように傾いている。
【0044】
ついで、駆動装置により位置決め部材(31)を下降させる。すると、まず位置決め部材(31)の水平平坦面(31a)が、点Pにおいて仕切板(7)のフランジ部(18)外面の平面部(18a)左端に当接する。このときにも、仕切板(7)のフランジ部(18)外面の両部分円筒面部(18b)は、それぞれ位置決め部材(31)の傾斜平坦面(31b)に線接触している(図7(a)参照)。この状態で、位置決め部材(31)をさらに下降させると、仕切板(7)のフランジ部(18)外面の平面部(18a)左端が位置決め部材(31)の水平平坦面(31a)に押されることにより、仕切板(7)のフランジ部(18)外面の両部分円筒面部(18b)が位置決め部材(31)の傾斜平坦面(31b)に摺接しつつ、仕切板(7)が図7(a)の反時計方向に回転して、フランジ部(18)外面の平面部(18a)全体が位置決め部材(31)の水平平坦面(31a)に接触し、これにより仕切板(7)の姿勢が矯正される。この状態で、位置決め部材(31)をさらに下降させると、仕切板(7)は正しい姿勢を保ったままで筒状体(10)内の最奥部まで差し込まれ、第1部分(16)の下端部周縁が筒状体(10)の内側部分(12)内面に密着する(図7(b)参照)。
【0045】
なお、仮差し止め状態において、仕切板(7)が傾いておらず、正しい姿勢になっている場合には、その姿勢を保ったままで、筒状体(10)内の最奥部まで差し込まれ、第1部分(16)の下端部周縁が筒状体(10)の内側部分(12)内面に密着させられる。
【0046】
その後、駆動装置により挟着片作動部材(40)を上昇させる。すると、挟着片作動部材(40)のくさび作用により、圧縮コイルばね(35)の付勢力に抗して両挟着片(34)が揺動させられてその下端部が左右方向外方に広げられ、当然のことながら両挟着片(34)上端の係合爪押圧部(34a)間の間隔が狭まり、係合爪押圧部(34a)により仕切板(7)の係合爪形成用突片(19A)が左右方向内方に変形させられて係合爪(19)が形成され、係合爪(19)が筒状体(10)の内側部分(12)外面に係合させられる(図7(c)参照)。こうして、仕切板(7)が正しい姿勢で筒状体(10)に仮止めされる。
【0047】
また、コンデンサ(1)は、仕切板(7)が仮止めされた筒状体(10)、閉鎖部材(11)、熱交換管(4)、コルゲートフィン(5)、サイドプレート(6)、入口部材(8)および出口部材(9)を組み付けて適当な治具で仮止めした後、仮止め体を炉中で所定温度に加熱することにより、筒状体(10)と閉鎖部材(11)、筒状体(10)と仕切板(7)、筒状体(10)と熱交換管(4)、熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)、コルゲートフィン(5)とサイドプレート(6)、ならびに筒状体(10)と入口部材(8)および出口部材(9)を同時にろう付することにより製造される。このとき、仕切板(7)は正しい姿勢で筒状体(10)にろう付されることになり、ろう付不良の発生およびろう付不良の発生に起因する冷媒の洩れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明を適用したコンデンサを示す全体斜視図である。
【図2】図1に示すコンデンサのヘッダにおける仕切板の部分での拡大横断面図である。
【図3】図1に示すコンデンサのヘッダにおける仕切板の部分を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すコンデンサのヘッダの筒状体に仕切板を仮止めする装置を示す正面から見た垂直断面図である。
【図5】図4のV−V剪断面図である。
【図6】ヘッダの筒状体に仮止めする前の仕切板を示す正面図である。
【図7】ヘッダの筒状体への仕切板の仮止め方法を順に示す図である。
【符号の説明】
【0049】
(1):コンデンサ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダ
(4):熱交換管
(5):コルゲートフィン
(7):仕切板
(10):筒状体
(15):スリット
(18):フランジ部
(18a):平面部
(18b):部分円筒面部
(19)(19A):係合爪
(30):支持部材
(31):位置決め部材
(31a):水平平坦面(第1平坦面)
(31b):傾斜平坦面(第2平坦面)
(32):爪変形具
(33):ハウジング
(34):挟着片
(35):圧縮コイルばね(付勢手段)
(36):挟着片作動部材

特許の図
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100069338
【弁理士】
【氏名又は名称】清末 康子


【公開番号】 特開2008−8571(P2008−8571A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180878(P2006−180878)