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【発明の名称】 制御装置
【発明者】 【氏名】小川 善朗

【氏名】林 晃弘

【要約】 【課題】設定値の変更によって制御前提条件を満足しなくなった場合にこれを報知するサーモスタット等を提供する。

【構成】負荷となる冷房装置或いは暖房装置をオンさせる入設定温度TonをステップS31で入力すると、サーモスタットがステップS32で動作モードを判定し、ステップS33,S39で、設定温度Tonと負荷をオフさせる設定温度Toffとの関係を判定する。矛盾があると判定した場合には、ステップS34,S40で設定温度Toffを補正させる。そして、サーモスタットは、補正された設定温度Toffに対応する発光素子をステップS35,S41で点滅し、設定温度Toffが補正されていることを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御装置を制御するための第1の設定値と第2の設定値とを記憶する設定値記憶手段と、
センサで測定されたパラメータと前記設定値記憶手段に記憶されている第1及び第2の設定値とに基づいて前記被制御装置を制御するための処理を実行する制御手段と、
ユーザが前記第1及び第2の設定値を変更するための設定値変更手段と、
前記設定値変更手段で第1及び第2の設定値の少なくとも一方が変更されることによって所定の制御前提条件を満足しなくなった場合に、それをユーザに報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記設定値変更手段は、一方の設定値が変更された場合に必要に応じて他方の設定値を変更して前記制御前提条件が満足されるようにする手段を有し、
前記報知手段は、前記他方の設定値が変更されたことを報知する、
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記他方の設定値を変更する手段は、前記他方の設定値を前記一方の設定値に対して所定のオフセット量を持つように変更する、ことを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記センサにより測定されたパラメータが異常値であることをユ一ザに警報するか否かを判別する基準となる警報基準値を記憶する警報基準値記憶手段を備え、
前記設定値変更手段は、前記第1又は第2の設定値が変更された場合に必要に応じて前記警報基準値を変更する手段を有し、
前記報知手段は、前記警報基準値が変更されたことを報知する、
ことを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の設定値のいずれか一方が前記被制御装置をオンするための入基準温度、いずれか他方が前記被制御装置をオフするための切基準温度である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項6】
前記被制御装置は、冷房動作モードと暖房動作モードとを切り替え可能な温調装置であり、
前記制御前提条件は、前記冷房動作モードにおいて、前記入基準温度>前記切基準温度であるとともに、前記暖房動作モードにおいて、前記切基準温度>前記入基準温度であることを特徴とする請求項5記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、ユーザ操作に基づいて前記温調装置の動作モードを設定する手段と、この手段によって設定前と異なる動作モードが設定された場合には前記入基準温度と前記切基準温度とを入れ替える手段とを有し、前記報知手段は、前記入基準温度と前記切基準温度とが入れ替わった場合に、それを報知する、ことを特徴とする請求項6記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1及び第2の設定値に基づいて前記温調装置の動作モードを設定する手段を有し、前記報知手段は、前記第1又は第2の設定値の変更に基づいて前記動作モードが変更された場合に、前記制御前提条件が満たされなくなったとしてそれを報知する、ことを特徴とする請求頃6記載の制御装置。
【請求項9】
前記報知手段による報知は、発光体の点滅、発光、表示装置による表示、該表示の切り換え、音声による報知のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関し、特に、センサで測定されたパラメータとあらかじめ設定された第1の設定値及び第2の設定値とに基づいて被制御装置を制御すると共に設定値を適宜変更可能な制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているサーモスタットは、温度を温度センサで測定し、冷房の場合、測定温度が入設定温度以上になると、出力リレーをオンにして冷房装置を作動させ、温度が切設定温度以下になると出力リレーをオフにして冷房装置を停止させる(ローカット動作)。また、暖房の場合、測定温度が入設定温度以下になると、暖房装置を作動させ、温度が切設定温度以上になると、暖房装置を停止させる(ハイカット動作)。
【0003】
このサーモスタットは、切設定温度と入設定温度を独立に設定可能であり、切設定温度及び入設定温度をそれぞれ設定・調整するときには、設定値をインクリメント又はデクリメントさせる。すなわち、ユーザがファンクションキーにより設定モードを選択し、最初にアップキー又はダウンキーを押すと、サーモスタットの表示部に設定温度と、現在の動作モード(ローカット動作或はハイカット動作)とが交互に表示される。続いてユーザがアップキー又はダウンキーを押すと、設定温度が表示される。このようにすることで、ユーザが設定温度を変更する際に、動作モードを確認でき、設定温度を設定できる。
【特許文献1】特開2001−168701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のサーモスタットでは、動作モード、つまりローカット動作であるか、ハイカット動作であるかは、切設定温度と入設定温度の関係によって定まる。このため、切設定温度及び入設定温度を設定する際に、その高低が入れ替わると、ローカット動作とハイカット動作とが入れ代わり、冷房と暖房とが入れ替わる。即ち、冷房と暖房という制御事項の前提条件(制御前提条件)を満足しなくなる。このサーモスタットでは、動作モードを確認できるのが、設定モードでアップキー又はダウンキーが押されていない場合だけである。また、動作モードの表示が、設定値との交互表示なので、設定値も動作モードもわかりにくく、HiCとLoCの表示も見分けづらい。また、アップキー、ダウンキーを押している間は、動作モードが表示されないため、連続的に設定値を変更する場合は、動作モードを確認することができない。つまり、設定変更開始前と終了後で動作モードが変わった場合、どの時点で変わったかがわからない。従って、一方の設定温度を変更することによって切設定温度と入設定温度の高低が逆転しても、ユーザがそれを認識しづらく、そのままの設定で装置が動作すると、正常に動作しないという不具合があった。また、設定温度の逆転に気付いたとしても、どの時点で、逆転したかがすぐにはわからないという問題があった。
【0005】
また、これを防止するために、あらかじめ動作モードを設定できるようにしたサーモスタットもある。この場合、ユーザが設定温度を変更するとき、冷房時においては入設定温度>切設定温度、暖房時においては入設定温度<切設定温度の条件を維持するべく、この条件から逸脱する設定ができないようにする(即ち、制御前提条件が満たされる範囲内で設定を行う)か、又は、一方の設定値が入力されたときに、この条件が維持されるように他方の設定値を自動的に変更する(即ち、制御前提条件が満たされるように設定値を自動変更する)ようにしている。しかしながら、この場合、他方の設定値が自動的に変更されたことをユーザが認識することができず、そのままの設定で被制御装置が動作すると、正常に動作しないことがあった。換言すれば、設定温度の変更により、制御前提条件が満たされなくなったことをユーザは認識できなかった。
【0006】
同様の問題は、温度に限らず、他のパラメータ(圧力など)を設定する制御装置でも発生することがあった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、センサで測定されたパラメータと、あらかじめ設定された第1及び第2の設定値とに基づいて被制御装置を制御するようにした制御装置であって、設定値を変更することによって所定の制御前提条件を満足しなくなった場合に、被制御装置が正常に動作しなくなるのを防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る制御装置は、
被制御装置を制御するための第1の設定値と第2の設定値とを記憶する設定値記憶手段と、
センサで測定されたパラメータと前記設定値記憶手段に記憶されている第1及び第2の設定値とに基づいて前記被制御装置を制御するための処理を実行する制御手段と、
ユーザが前記第1及び第2の設定値を変更するための設定値変更手段と、
前記設定値変更手段で第1及び第2の設定値の少なくとも一方が変更されることによって所定の制御前提条件を満足しなくなった場合に、それをユーザに報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
例えば、前記設定値変更手段は、一方の設定値が変更された場合に必要に応じて他方の設定値を変更して前記制御前提条件が満足されるようにする手段を有し、前記報知手段は、前記他方の設定値が変更されたことを報知する。
【0010】
例えば、前記他方の設定値を変更する手段は、前記他方の設定値を前記一方の設定値に対して所定のオフセット量を持つように変更する。
【0011】
例えば、前記センサにより測定されたパラメータが異常値であることをユ一ザに警報するか否かを判別する基準となる警報基準値を記憶する警報基準値記憶手段を備え、前記設定値変更手段は、前記第1又は第2の設定値が変更された場合に必要に応じて前記警報基準値を変更する手段を有し、前記報知手段は、前記警報基準値が変更されたことを報知するように構成してもよい。
【0012】
例えば、前記第1及び第2の設定値のいずれか一方が前記被制御装置をオンするための入基準温度、いずれか他方が前記被制御装置をオフするための切基準温度である。
【0013】
例えば、前記被制御装置は、冷房動作モードと暖房動作モードとを切り替え可能な温調装置であり、前記制御前提条件は、前記冷房動作モードにおいて前記入基準温度>前記切基準温度であるとともに、前記暖房動作モードにおいて前記切基準温度>前記入基準温度である。
【0014】
例えば、前記制御手段は、ユーザ操作に基づいて前記温調装置の動作モードを設定する手段と、この手段によって設定前と異なる動作モードが設定された場合には前記入基準温度と前記切基準温度とを入れ替える手段とを有し、前記報知手段は、前記入基準温度と前記切基準温度とが入れ替わった場合に、それを報知する。
【0015】
例えば、前記制御手段は、前記第1及び第2の設定値に基づいて前記温調装置の動作モードを設定する手段を有し、前記報知手段は、前記第1又は第2の設定値の変更に基づいて前記動作モードが変更された場合にそれを報知する。
【0016】
前記報知手段による報知は、発光体の点滅、発光、表示装置による表示、該表示の切り換え、音声による報知のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設定値の変更に伴って制御前提条件を満足しなくなった場合、その旨をユーザに報知する。これによって、ユーザは制御前提条件を満足していないことを知ることができるため、被制御装置を正常に動作させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態に係るサーモスタットについて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本実施の形態は、入設定温度と切設定温度との一方を変更することによって、これらの大小関係が逆転する場合、他方を自動的に変更してユーザに報知するようにしたサーモスタットに関する。
【0019】
このサーモスタット1は、図1に示すように、コントローラ10を備えている。
【0020】
コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、アナログデジタル変換器(以下、A/D変換器という)14、I/Oポート15及びタイマ16等を備え、これらがバスを介して接続されている。CPU11は、コントローラ10を含むサーモスタット全体の動作を制御するものであり、ROM12に記憶されているプログラムに基づき動作する。
【0021】
コントローラ10には、温度センサ部20と,出力部回路21と、表示部22と4個のタクトスイッチ23〜26とが接続されている。
温度センサ部20は、例えばサーミスタを有し、サーミスタの温度変化に対応する抵抗変化を抵抗等の回路でアナログ電圧(電気信号)に変換してコントローラ10に与える。コントローラ10のA/D変換器14がその電気信号(アナログ電圧)をデジタル信号に変換する。
【0022】
表示部22は、図2に示すように、コントローラ10の筐体に取り付けられている。このコントローラ10の筐体には、タクトスイッチ23〜26も取り付けられ、押下が可能になっている。
【0023】
表示部22には、温度センサ部20で測定された制御対象の温度や設定温度を表示する7セグメント表示素子22a,22b,22c、冷房動作時に点灯する発光素子22d、暖房動作時に点灯する発光素子22e、後述する負荷装置30(被制御装置)をオフさせるための切(オフ)設定温度Toffを設定するときに点灯する発光素子22f、負荷装置30をオンさせるための入(オン)設定温度Tonを設定するときに点灯する発光素子22g、冷房と暖房とを切り替えるときに点灯する発光素子22h、負荷装置30がオンしているときに点灯する発光素子22i等が配置されている。
【0024】
各タクトスイッチ23〜26の一端は、コントローラ10に接続されると共に、プルアップ抵抗にそれぞれ接続されている。タクトスイッチ23〜26の他端は、グランドGNDに共通に接続され、各タクトスイッチ23〜26が押下されると、コントローラ10にはLo(ロー)レベルがそれぞれ入力される。
【0025】
タクトスイッチ(選択用タクトスイッチ)23は、設定項目を選択するためのスイッチである。タクトスイッチ24は、設定温度を上昇させるためのスイッチである。タクトスイッチ25は、設定温度を下げるためのスイッチである。タクトスイッチ(確定用タクトスイッチ)26は、設定値を確定させるためのスイッチである。
【0026】
出力部回路21の出力側には負荷装置30が接続されている。出力部回路21は負荷を駆動するためのものであり、リレーを内蔵し、コントローラ10からの指示に基づき、リレーをオン・オフさせ、負荷装置30をオン・オフさせる。負荷装置30は、例えば冷房装置や暖房装置から構成される。
【0027】
1. 次に、上記構成を有するサーモスタット1の通常の動作(負荷制御動作)を説明する。
(1) サーモスタット1が冷房モードの場合:
この場合、負荷装置30として冷房装置が接続される。
切設定温度Toffと入設定温度Tonとは、Ton>Toffの関係にあり、それぞれ、RAM13に格納されている。
温度センサ部20はサーミスタ設置箇所の温度を測定し、測定温度を示す電気信号(アナログ電圧)をコントローラ10に出力する。コントローラ10は、温度センサ部20からの温度を示す電気信号(アナログ電圧)をA/D変換器14でデジタル信号に変換し、CPU11に入力する。
【0028】
CPU11は、測定温度を監視し、図3(a)に示すように、温度センサ部20の測定温度が入設定温度Ton以上になると、出力部回路21により負荷装置(冷房装置)30をオンさせて、作動させる。一方、CPU11は、温度センサ部20の測定温度が切設定温度Toff以下に下がると、負荷装置(冷房装置)30をオフして停止させる。
【0029】
(2) サーモスタット1が暖房モードの場合:
この場合、負荷装置30として暖房装置が接続される。
入設定温度Tonと切設定温度Toffとは、Ton<Toffの関係にあり、それぞれ、RAM13に格納されている。
【0030】
CPU11は、温度センサ部20の測定温度を監視し、図3(b)に示すように、測定温度が入設定温度Ton以下になると、出力部回路21により負荷装置(暖房装置)30をオンさせて、作動させる。一方、CPU11は、温度センサ部20の測定温度が切設定温度Toff以上になると、負荷装置(暖房装置)30をオフして停止させる。
【0031】
2. 次に、サーモスタット1の設定動作を説明する。
サーモスタット1は、動作モード、入設定温度Tonと切設定温度Toffとを変更可能に構成されている。
【0032】
サーモスタット1に設定を行う場合、ユーザは、選択用タクトスイッチ23を押下することにより設定対象項目を選択する。選択用タクトスイッチ23を押下する毎に、冷房と暖房(動作モード)の切り替え設定状態にあることを示す発光素子22h、切設定温度の設定状態にあることを示す発光素子22f、入設定温度の設定状態にあることを示す発光素子22gが順に切り替わって点灯する。
【0033】
何れかの発光素子22h、22f、22gが点灯した状態で、その時点で点灯している発光素子に対応する項目を設定する状態となる。
【0034】
(1) 冷暖切替設定動作:
冷暖切替設定用の発光素子22hが点灯した状態で、コントローラ10のCPU11は、図4のフローチャートに示す冷暖切り替え設定処理を開始する。この処理を開始すると、CPU11は、まず、現動作モードが冷房動作か暖房動作かを判別する(ステップS10)。冷房動作の場合、冷房に対応する発光素子22dを点灯させる(ステップS11)。
【0035】
次に、CPU11は、現動作モードとその時点で設定されている動作モードが同一か否かを判別し(ステップS12)、異なる場合は(ステップS12;NO)、ステップS13に進み、切発光素子22f及び入発光素子22gを点滅させる(ステップS13)。一方、動作モードが同一である場合は(ステップS12;YES)、ステップS14に進み、切発光素子22f及び入発光素子22gが点滅している場合には、点滅を終了させ、ステップS15に進む。
【0036】
続いて、ステップS15で、CPU11は、選択用タクトスイッチ23と確定用タクトスイッチ26のいずれが押下されたかを判別する。
どちらも押下されていなければステップS16に進む。
ステップS16で、UP/DOWNタクトスイッチ24,25が押下されているかを判別し、UP/DOWNタクトスイッチ24,25のどちらも押下されていないと判別されれば、ステップS11に戻る。
一方、ステップS16で、UP/DOWNタクトスイッチ24,25が押下されていると判別されれば、暖房に対応する発光素子22eを点灯する(ステップS17)。
【0037】
次に、CPU11は、現動作モードとその時点で設定されている動作モードが同一か否かを判別し(ステップS18)、異なる場合は(ステップS18;NO)、ステップS19に進み、切発光素子22f及び入発光素子22gを点滅させる。一方、同一動作モードである場合は(ステップS18;YES)、ステップS20に進み、切発光素子22f及び入発光素子22gが点滅している場合には、点滅を終了させて、ステップS21に進む。
【0038】
続いて、ステップS21で、CPU11は、選択用タクトスイッチ23と確定用タクトスイッチ26のいずれが押下されたかを判別する。
いずれも押下されていない場合にはステップS22に進み、UP/DOWNタクトスイッチ24,25が押下されているかを判別する。UPタクトスイッチ24又はDOWNタクトスイッチ25が押下されていれば、ステップS11に戻り、冷房に対応する発光素子22dを点灯する。一方、いずれも押下されていなければステップS17に戻る。
【0039】
このようにして、UP/DOWNタクトスイッチ24,25を押下する度に、冷房に対応する発光素子22dと暖房に対応する発光素子22eとが交互に点灯する。
【0040】
一方、ステップS15,S21で確定タクトスイッチ26が押下されていると判別された場合、ステップS23に進み、その時点で点灯している発光素子に対応する動作モードを特定するフラグ(情報)をRAM13に書き込む。即ち、冷房に対応する発光素子22dが点灯した状態で、確定用タクトスイッチ26が押下されると(ステップS15;確定)、冷房を行う動作モードであることを示すフラグがRAM13に記憶される(ステップS23)。また、暖房に対応する発光素子22eが点灯した状態で、確定用タクトスイッチ26が押下されると(ステップS21;確定)、暖房を行う動作モードであることを示すフラグがRAM13に記憶される(ステップS23)。続いて、点滅している発光素子の点滅を終了し(ステップS24)、今回の冷暖切り替え設定処理を終了する。
【0041】
なお、ステップS10で、現動作モードが暖房モードであると判別された場合には、ステップS17に進み、上記処理を行う。
【0042】
このようにして、ユーザは、UP/DOWNタクトスイッチ24,25を押下して冷房動作モードと暖房動作モードの一方を選択し、希望の動作モードが選択されている状態で、確定用タクトスイッチ26を押下して、動作モードを確定する。その際、その時点で設定されている動作モードが設定前と異なる動作モードであるとき、そのまま確定するとToffとTonとを反転させる必要がある。このため、その時は、発光素子22f、22gを点滅させる。すなわち、CPU11は、そのまま確定されると、動作モードが変更されるため、冷房動作の場合のTon>Toff又は暖房動作の場合のTon<Toffという制御前提条件(TonとToffの大小関係)を逆転する必要がある。つまり、ユーザの操作によって設定モードに入る前の制御前提条件を満足できない状態となるため、発光素子22f、22gを点滅させて、確定前にユーザにそれを報知する。一方、ステップS15,S21で選択用タクトスイッチ23が押下されていると、この図4の処理を終了して、設定モードに入る前の動作モードが維持される。また、確定又は選択スイッチが押された場合、点滅している発光素子は点滅を終了する。
【0043】
(2) 入設定温度Ton及び切設定温度Toffの設定処理:
【0044】
まず、ユーザは、タクトスイッチ(選択)23を必要なだけ押下し、設定したい切設定温度Toff又は入設定温度Tonに対応する発光素子22f又は22gが点灯している状態にする。
【0045】
コントローラ10中のCPU11は、この操作を検出すると、図5に示す設定温度設定処理を開始する。
この処理を開始すると、CPU11は、7セグメント表示素子22a,22b,22cに、設定温度Ton又はToffの現在の設定温度を表示する。なお、初回の登録の場合には、サーモスタット1に事前に設定されている初期値を表示する。
【0046】
ここで、ユーザはサーモスタット1に設定温度を入力する処理を行う(ステップS31)。この設定温度入力処理において、ユーザは、7セグメント表示素子22a,22b,22cに表示されている切設定温度Toff又は入設定温度Tonが所望値になるまで、タクトスイッチ24又はタクトスイッチ25を必要回数押下する。タクトスイッチ24は、7セグメント表示素子22a〜22cの表示をインクリメントするスイッチである。タクトスイッチ25は、7セグメント表示素子22a〜22cの表示をデクリメントするスイッチである。
【0047】
CPU11は、現在、設定されている動作モードが冷房動作であるか否かを判断する(ステップS32)。
【0048】
設定されている動作モードが冷房動作の場合(ステップS32:YES)、その時点で設定(変更)している入設定温度Ton又は切設定温度Toffと、設定(変更)している設定値とは異なる方の補正前の現在の切設定値Toff又は入設定値Tonとの関係を調べ、Ton−Toff<DIFFになっているか否かを判定する(ステップS33)。ここで、DIFFは、TonとToffの最小オフセット値であり、任意の値に設定される。
【0049】
Ton−Toff<DIFFになっている場合(ステップS33:YES)、即ち、Ton>Toffであるがその差がDIFF未満の場合、或いは、TonがToffより小さくなって冷房動作が維持できないような場合、つまり、冷房動作の制御前提条件であるTon≧Toff+DIFF又はTon>Toffが満足できない場合には、変更された設定値とは異なる方の設定値を変更して、Ton−Toff≧DIFFの関係を維持するように補正処理を行う(ステップS34)。
【0050】
図6(a)は、この補正処理の詳細なステップを、図7は、この補正処理の概要を示す説明図である。
【0051】
例えば設定された動作モードが冷房動作であると共にステップS31の設定温度入力処理で設定温度Toffを変更したものとする。
【0052】
冷房動作は、対象を冷す動作になるため、温度が低くなりすぎると、負荷装置30の冷房装置をオフし、温度が高くなるとオンする。よって、Toff<Tonでなくてはならない。ところが、例えば、切設定温度Toffを変更するときに、切設定温度Toffを上げ続けると、ある段階で、Toff≧Tonになり、そのまま設定値Toffを確定してしまうと、制御に矛盾が生じる。つまり、冷房動作の制御前提条件であるTon>Toffが満足できず冷房装置が正常に動作しなくなってしまう。
【0053】
そのため、Ton−Toff<DIFFとなったときには(ステップS33;YES)、図6(a)に示すように、ステップS31で変更されたものが切設定温度Toffか入設定温度Tonであるかを判別し(ステップS341)、切設定温度Toffである場合には(ステップS341;Toff)、変更中のToffと補正前の現在のTonとを比較し、Ton=Toff+DIFF、即ち、ToffにDIFFを加算し、これを新たな入設定温度Tonとする(ステップS342)。このような補正を行うことにより、図7(a)に示すように、新たな入設定温度Tonは、切設定温度Toffから少なくともDIFF分高くなり、制御に矛盾が生じない。つまり、冷房動作の制御前提条件であるTon>Toffを満足することができ、冷房装置が正常に動作することができる。
【0054】
一方、冷房動作モードで、ステップS31で入設定温度Tonを変更した場合(ステップS341;Ton)、同様に変更中の設定温度Tonと補正前の現在のToffとを比較し、Ton−Toff<DIFFとなった場合には、Toff=Ton−DIFF、即ち、設定温度TonからDIFFを減算し、これを新たな設定温度Toffとする(ステップS343)。このような補正を行うことにより、図7(b)に示すように、切設定温度Tonを変更したとしても、新たな切設定温度Toffは、入設定温度Tonから少なくともDIFF分離れて低くなり、制御に矛盾が生じない。つまり、冷房動作の制御前提条件であるTon>Toffを満足することができ、冷房装置が正常に動作することができる。
【0055】
ステップS34の補正処理が行われた場合、その補正処理が行われた設定温度Ton又はToffに対応する発光素子22g又は22fを点滅させる(ステップS35)。即ち、切設定温度Toffが補正(自動変更)された場合には発光素子22fを点滅させ、入設定温度Tonが補正された場合には、発光素子22gを点滅させる。これにより、ユーザは、一方の設定値を設定したことによって、Ton>Toffの制御前提条件が満足されなくなったこと、及び、この条件が満足されるように他方の設定値が自動的に変更されたことを確認できる。
その後、フローは後述するステップS37に進む。
【0056】
次に、ステップS37において、このサーモスタットが警報機能付の機種であるか、警報機能が付いていない機種であるかを判別する。図2に示す構成のサーモスタット1の場合、警報機能を備えていないので(ステップS37;NO)、ステップS45に進み、ステップS38をスキップする。警報機能付の機種については(ステップS37;YES)、ステップS38を実行した後、ステップS45に進む。なお、警報機能付の機種については、第2実施形態でその詳細を説明する。その際、ステップS38(図11(a),A1〜A2の処理)についても詳細を説明する。
機種の設定は、図示しないディップスイッチのCPU10への入力状態などによって電源投入時に行われ、RAM13に機種のフラグとして格納されている。
【0057】
この状態で、ユーザは確定用タクトスイッチ26を押下する。CPU11は、確定用タクトスイッチ26が押下されたことを検出する(ステップS45:確定用タクトスイッチ押下)と、RAM13に設定或いは変更された設定温度Ton又はToffの値を記憶させる(ステップS46)。続いて、発光素子の点滅も終了する(ステップS47)。また、ステップS45で、選択用タクトスイッチ23が押下されたことを検出した場合には、設定状態に入る前の設定値が有効になり、ステップS47にジャンプして発光素子の点滅を終了する。又は、確定、選択のどちらの押下もない場合には、ステップS31へ戻る。
【0058】
一方、設定されている動作モードが冷房動作でない場合(ステップS32:NO)、即ち、暖房動作の場合、その時点で設定(変更)している設定温度Ton、又は、Toffと設定(変更)している設定値とは異なる方の補正前の現在の設定温度Toff、又は、Tonとの関係を調べ、Toff−Ton<DIFFになっているか否かを判定する(ステップS39)。
【0059】
Toff−Ton<DIFFになっている場合(ステップS39:YES)、ステップS40の補正処理を行う。
【0060】
例えば、設定された動作モードが暖房動作であると共にステップS31の処理で切設定温度Toffを変更したものとする。暖房動作は、対象を暖める動作になるため、温度が高くなりすぎると、負荷装置30の暖房装置をオフし、温度が低くなるとオンする。よって、入設定温度Ton<切設定温度Toffでなくてはならない。ところが、切設定温度Toffを変更するときに、切設定温度Toffを下げ続けると、ある段階で、Ton≧Toffになり、そのままToffを確定すると制御に矛盾が生じる。即ち、暖房動作の制御前提条件であるTon<Toffが満たされなくなり、暖房装置としての動作が異常になってしまう。
【0061】
そのため、ステップS39で、設定(変更)中のToffと補正前の現在のTonとを比較し、Toff−Ton<DIFFと判別されたときには、図6(b)に示すように、変更された設定温度が切設定温度Toffであるか、入設定温度Tonであるかを判別し、切設定温度Toffであると判別した場合には(ステップS401;Toff)、Ton=Toff−DIFF、即ち、切設定温度ToffからDIFFを減算し、これを新たな入設定温度Tonとする(ステップS402)。即ち、暖房動作の制御前提条件であるTon<Toffが満たされなくなったので、他方の設定温度Tonを自動変更する。このような補正を行うことにより、図8(a)に示すように、切設定温度Toffを変更したとしても、入設定温度Tonは、切設定温度Toffから少なくともDIFF分低くなり、制御に矛盾が生じない。つまり、暖房動作の制御前提条件であるTon<Toffを満足することができ、暖房装置が正常に動作する。
【0062】
同様に、入設定温度Tonを変更した場合(ステップS401;Ton)、設定(変更)中のTonと補正前の現在のToffと比較し、Toff−Ton<DIFFの場合には、Toff=Ton+DIFF,即ち、変更された入設定温度TonにDIFFを加算し、これを新たな切設定温度Toffとする(ステップS403)。即ち、暖房動作の制御前提条件であるTon<Toffが満たされなくなったので、制御前提条件が満たされるように、他方の設定値Toffを自動変更する。このような補正を行うことにより、図8(b)に示すように、設定温度Toffは、新たな設定温度Tonから少なくともDIFF分離れて高くなり、制御に矛盾が生じない。つまり、暖房動作の制御前提条件であるTon<Toffを満足することができ、暖房装置が正常に動作する。
【0063】
ステップS40の補正処理が行われた場合、その補正された設定温度Ton又はToffに対応する発光素子22g又は22fを点滅させる(ステップS41)。このように、発光素子22g又は22fを点滅させることにより、一方の設定値を設定したことにより、Ton<Toffの制御前提条件が満足されなくなったこと、及び、この条件を満足するように他方の設定値を自動的に補正したことをユーザが目視で確認できる。
【0064】
その後、フローは後述するステップS43に進む。
次に、ステップS43において、このサーモスタットが警報機能付の機種であるか、警報機能が付いていない機種であるかを判別する。図2に示す構成のサーモスタット1の場合、警報機能を備えていないので(ステップS43;NO)、ステップS45に進み、ステップS44をスキップする。警報機能付の機種については(ステップS43;YES)、ステップS44を実行した後、ステップS45に進む。なお、警報機能付の機種については、第2実施形態でその詳細を説明する。その際、ステップS44(図11(b)、B1〜B2の処理)についても詳細を説明する。
機種の設定は、図示しないディップスイッチのCPU10への入力状態などによって電源投入時に行われ、RAM13に機種のフラグとして格納されている。
【0065】
ステップS45で、確定用タクトスイッチ26が押下されたことを検出すると、次にステップS46において、RAM13に設定或いは変更された設定温度が記憶される。その後、ステップS47において、点滅している発光素子の点滅も終了する。また、選択用タクトスイッチ23が押下されると、ステップS45からステップS47に進み、設定或いは変更された設定温度がRAM13に記憶されず、設定状態に入る前の設定値が有効になり、点滅している発光素子の点滅も終了する。また、確定、選択のどちらの押下もない場合には、ステップS31へ戻る。
【0066】
なお、ステップS33でTon−Toff<DIFFになっていないと判断された場合(ステップS33;NO)及びステップS39でToff−Ton<DIFFになっていないと判断された場合(ステップS39;NO)、設定温度の補正処理を行わず、点滅している切発光素子22f又は入発光素子22gの点滅を停止させ(ステップS36,S42)、ステップS37,S43に進む。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のサーモスタット1によれば、一方の設定温度を変更した際に、必要に応じて、つまり、冷房動作ではTon>Toff、暖房動作ではTon<Toffの制御前提条件が満足できない場合には、両設定温度が所定の差DIFFを有するように他方の設定温度が補正され、制御前提条件が満たされる。従って、設定温度(制御前提条件)の逆転を防止でき、制御上の矛盾が生じない。つまり、冷房装置や暖房装置の誤動作や異常な動作を防止でき、常に、正常に動作することができる。また、この場合、発光素子22f又は22gが点滅して報知することで、Ton>Toff又はTon<Toffの条件が満足されなくなったことと、この条件が満足されるように他方の設定温度が自動的に補正されたこと、即ち、制御前提条件が満たされなくなったので、制御前提条件が満たされるように、設定が変更されたことを、ユーザが容易に認識することができる。従って、ユーザが適切な設定値を常に設定することができるため、負荷装置が正常に動作しなくなるのを防止することができる。
【0068】
なお、補正された設定温度を7セグメント表示素子22a乃至22cに表示するようにしてもよい。また、ユーザ操作によって動作モードが設定前と異なるモードに設定された場合には、TonとToffの設定値を入れ替える処理を行うことにより、制御上の矛盾、つまり、制御前提条件を満足できない設定値になることを防止するようにしており、さらに、この場合、TonとToffに対応する発光素子を点滅させることにより、TonとToffの設定値の入れ替えが行われたことをユーザが容易に認識することができるようにしている。従って、ユーザが常に適切な動作モードの設定を行うことができるので、負荷装置が正常に動作しなくなるのを防止することができる。
【0069】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態でも触れたように、サーモスタットのなかには、温度センサ部20の測定温度が警報温度(警報基準温度)を超えたときに、警報を発するタイプのものが存在する。このようなタイプのサーモスタットにおいて、設定温度を手動で、又は、自動的に変更すると、変更後の設定温度が警報基準温度を超えてしまうことが起こりうる。この設定状態のまま実際の制御を行うと、正常な動作を行っているにもかかわらず、警報が発せられる場合が発生する。以下、このような問題を解決した第2の実施の形態のサーモスタット2について説明する。
【0070】
本実施形態のサーモスタット2の表示部22Aの構成を図9に示す。表示部22Aが、図2に示す第1実施形態の表示部22と異なる点は、上限警報用発光素子22jと下限警報用発光素子22kが配置されている点である。
【0071】
本実施形態において、冷房時には、切設定温度Toff、入設定温度Ton、下限警報温度TL、及び上限警報温度THは、図10(a)に示すように、TL<Toff<Ton<THの関係になる。
また、暖房時には、切設定温度Toff、入設定温度Ton、下限警報温度TL、及び上限警報温度THは、図10(b)に示すように、TL<Ton<Toff<THの関係になる。
【0072】
このため、例えば、切設定温度Toff又は入設定温度Tonが変更された場合には、隣接する下限警報温度TL又は上限警報温度THと変更後の設定温度Toff又はTonとを比較し、その差が設定変更前の偏差DFと異なる場合には、差がDFとなるようにTL又はTHを補正する。
【0073】
すなわち、警報機能付きの機種の場合、図5のステップS37,S43でYESとなるので、それぞれ、ステップS38,S44に進み、下限警報温度TL,上限警報温度THを補正する処理を行う。
【0074】
ステップS38の冷房動作時の警報値補正処理においては、図11(a)に示す処理を行い、まず、図5のステップS31及びステップS34において、切設定温度Toffを変更しているか、すなわち、切設定温度Toffと下限警報温度TLとの差(Toff−TL)≠DFであるか否かを判別する(ステップ381)。
【0075】
(Toff−TL)≠DFである(ステップS381;YES)場合、即ち、切設定温度Toffが変更されている場合、TL=Toff−DFに設定し直す(ステップS382)。即ち、切設定温度Toffの変更により、(Toff−TL)=DFという制御前提条件が満たされなくなったので、制御前提条件が満たされるように、下限警報温度TLを自動的に変更する。なお、(Toff−TL)=DFの場合(ステップS381;NO)には、ステップS382をスキップする。
【0076】
次に、入設定温度Tonと上限警報温度THとの差(TH−Ton)≠DFであるか否かを判別する(ステップS383)。
ステップS31及びステップS34において、入設定温度Tonを変更していれば、(TH−Ton)≠DFとなるので(ステップS383;YES)、TH=Ton+DFに設定し直す(ステップS384)。即ち、制御前提条件であるTH=Ton+DFが満足できなくなったとき、制御前提条件を満足するように上限警報温度THを自動的に補正する。なお、(TH−Ton)=DFであれば(ステップS383;NO)、ステップS384をスキップする。
【0077】
その後、自動的に変更された警報温度TH又はTLに対応する発光素子22j、22kを点滅させる(ステップS385)。これにより、ユーザは、設定温度Toff又はTonの操作によって、制御前提条件が満足出来なくなり、警報温度TH又はTLが自動的に補正されたことを容易に知ることができる。
【0078】
暖房動作の場合、図5のステップS44において図11(b)に示す処理を行い、まず、図5のステップS31及びステップS40において、切設定温度Toffを変更しているか否か、即ち、切設定温度Toffと上限警報温度THとの差(TH−Toff)≠DFであるか否かを判別する(ステップS441)。
【0079】
(TH−Toff)≠DFである場合には(ステップS441;YES)、TH=Toff+DFに設定し直す(ステップS442)。一方、(TH−Toff)=DFである場合には(ステップS441;NO)、ステップS442をスキップする。
【0080】
続いて、入設定温度Tonと下限警報値TLとの差(Ton−TL)≠DFであるか否かを判別する(ステップS443)。(Ton−TL)≠DFである場合(ステップS443;YES)、即ち、ステップS31及びステップS40において、入設定温度Tonを変更していれば、TL=Ton−DFに設定し直す(ステップS444)。一方、(Ton−TL)=DFである場合(ステップS443;NO)、ステップS444をスキップする。
【0081】
その後、自動的に変更された警報温度TH又はTLに対応する発光素子22j、22kを点滅させる(ステップS445)。これにより、ユーザは、設定温度Toff又はTonの操作によって、制御前提条件が満足出来なくなり、警報温度TH又はTLが自動的に補正されたことを容易に知ることができる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態のサーモスタット2によれば、切設定温度Toff及び入設定温度Tonを変更又は自動的に補正した際に、隣接する警報温度との差が設定変更前の偏差DFとなるように、隣接する警報温度も自動的に変更する。従って、不必要な警報が発生する事態を防止できる。
【0083】
また、自動的に補正した警報温度に対応する発光素子22j、22kを点滅させることにより冷房動作時のTonとTH、ToffとTL又は暖房動作時のToffとTH、TonとTLの間の所定の条件(設定変更前の偏差)が満足されなくなったこと、即ち、制御前提条件が満たされなくなったために、この条件が満足されるようにTHとTLが自動的に変更されたことをユーザが容易に認識することができる。従って、ユーザが適切な設定を行うことができるので、誤った警報が発報されたり、それにより負荷装置が正常に動作しなくなるのを防止することができる。なお、補正された警報基準温度を7セグメント表示素子22a乃至22cに表示するようにしてもよい。
【0084】
[第3の実施形態]
以上の実施形態では、冷房モードと暖房モードの設定をユーザが行い、それぞれの動作モードで入設定温度と切設定温度の大小関係が逆転しないようにしたタイプの場合について説明したが、他の形態のサーモスタットにおいては、冷暖の動作モードの設定をユーザが行わず、切設定温度Toffと入設定温度Tonとの大小関係により、冷房動作モードと暖房動作モードとが自動的に切り替わるタイプのものがある。
【0085】
このような場合には、ユーザ操作による設定値変更中に切設定温度Toffと入設定温度Tonとの大小関係が設定変更前と逆転した場合、動作モードが自動的に切り替わるため、ユーザは動作モードが切り替わったことに気が付かない場合がある。そこで、以下、この種のサーモスタットにおいて、設定中に自動的に動作モードが切り替わった時に、その旨を報知するようにした例について説明する。
【0086】
まず、本実施の形態のサーモスタット3の表示装置22を図12に示す。図示するように、この表示パネルには、動作モード選択用の発光素子22d、22e、22hは配置されていない。なお、2出力タイプであるために、発光素子22f、22g、22iは、それぞれ2つずつ設けてある。つまり、出力1に対応する発光素子22iと、出力2に対応する発光素子22i’と、出力1のToff,Tonに対応する発光素子22f,22gと、出力2のToff,Tonに対応する発光素子22f’,22g’が設けてある。
【0087】
このサーモスタット3において、切設定温度Toffの設定又は更新を行う場合、ユーザは選択用タクトスイッチ23を押下して、切設定温度の設定に対応する発光素子22fを点灯させる。また、入設定温度Tonの設定又は更新を行う場合、ユーザは選択用タクトスイッチ23を押下して、発光素子22gを点灯させる。
【0088】
発光素子22f又は22gが点灯している状態で、コントローラ10中のCPU11は、図13に示す設定温度設定処理を開始する。
まず、CPU11は、7セグメント表示素子22a,22b,22cに、設定温度Ton又はToffの現在の設定値を表示する。ここで、ユーザはサーモスタットに対して設定温度入力処理を行う(ステップS51)。
設定温度入力処理において、ユーザは、7セグメント表示素子22a,22b,22cに表示されている設定温度Ton又はToffが所望値になるまで、タクトスイッチ24又はタクトスイッチ25を必要回数押下する。
【0089】
次に、CPU11は、切設定温度と入設定温度の大小関係が、今回の設定により変化(反転)したか否かを判別する(ステップS52)。即ち、制御前提条件が満たされなくなったか否かを判別する。
【0090】
大小関係が変化したと判別した場合には(ステップS52;YES)、変化した大小関係に基づいて、内部の冷房動作モードと、暖房動作モードとを切り替え、動作モードを示す動作モードフラグを書き換える(ステップS53)。
【0091】
そして、制御前提条件が満足できなくなったこと、つまり切設定温度と入設定温度の大小関係が逆転し、動作モードが自動的に切り替わることをユーザに報知するため、設定中の温度と逆側の発光素子を点滅させ、動作モードが切り替わったことをユーザに示す(ステップS54)。すなわち、Tonを設定中ならToffに対応する発光素子が点滅し、Toffを設定中ならTonに対応する発光素子が点滅する。
【0092】
この状態でユーザは確定用タクトスイッチ26を押下する。CPU11は、確定用タクトスイッチ26が押下されたか否かを検出し(ステップS56)、押されたことを検出すると(ステップS56;確定用タクトスイッチ押下)、新たな設定温度Ton,Toff,及び動作モードをRAM13に記憶させ(ステップS57)、発光素子の点滅を終了させる(ステップS58)。また、ステップS56で選択用タクトスイッチ23を押下したと検出した場合には(ステップS56;選択用タクトスイッチ押下)、ステップS58にジャンプし、設定状態に入る前の設定温度及び動作モードを有効とし、発光素子の点滅を終了させる。また、確定/選択のどちらの押下もない場合(ステップS56;どちらも無し)には、ステップS51に戻る。
【0093】
一方、TonとToffの大小関係が変化したと判別していない場合には(ステップS52;NO)、ステップS55に進み、切発光素子22f又は入発光素子22gが点滅している場合には、点滅を終了させ、ステップS56に進む。
【0094】
以上の動作を、図14の具体例(a)〜(d)を参照して説明する。例えば、図14(a)に示すように、切設定温度Toffが上昇された結果、入設定温度Tonよりも高くなってしまった場合には、動作モードは、冷房動作モードから暖房動作モードに切り替わる。そして、設定中の温度と逆側の温度の表示素子22gが点滅表示される。
【0095】
図14(b)の例であれば、切設定温度Toffが減少された結果、入設定温度Tonよりも低くなってしまった場合には、動作モードは、暖房動作モードから冷房動作モードに切り替わる。そして、設定中の温度と逆側の温度の表示素子22gが点滅表示される。
【0096】
さらに、図14(c)に示すように、入設定温度Tonが上昇された結果、切設定温度Toffよりも高くなった場合には、動作モードは、暖房動作モードから冷房動作モードに切り替わる。そして、設定中の温度と逆側の温度の表示素子22fが点滅表示される。
【0097】
また、図14(d)に示すように、入設定温度Tonが減少された結果、切設定温度Toffよりも低くなった場合には、動作モードは、冷房動作モードから暖房動作モードに切り替わる。そして、設定中の温度と逆側の温度の表示素子22fが点滅表示される。
【0098】
この状態で、ユーザは確定用タクトスイッチ26を押下する。CPU11は、確定用タクトスイッチ26が押下されたことを検出すると、設定された設定温度Ton又はToffをRAM13に記憶させる(ステップS57)。また、ステップS56で選択用タクトスイッチ23を押下した場合には設定状態に入る前の設定値が有効になる。また、確定/選択のどちらの押下もない場合はS51へ戻る。
【0099】
以上は、出力1(発光素子22f、22g)の説明であるが、このサーモスタット3は同じ機能の出力が2個付いているタイプのものなので、出力2の発光素子22f’、22g’についても上述と同様の動作となる。
【0100】
このような構成とすれば、ユーザによる設定温度の変更により動作モードが自動的に変更された場合、即ち、ユーザが気付かないうちに設定前の入設定温度と切設定温度の大小関係が逆転するという制御前提条件が満たされなくなった場合には、変更中の設定温度とは反対の設定温度の発光素子を点滅させることによって、ユーザはそれを容易に知ることができる。従って、そのままの状態で負荷装置を動作させることなく、ユーザが適切な設定を行うことができるので、負荷装置が正常に動作しなくなるのを防止することができる。
【0101】
なお、上記第1〜第3の実施形態ではサーモスタットを例にこの発明を説明したが、本発明は、これらに限定されず、種々の制御装置に適用できる。
例えば、温度センサ部20を圧力センサ部とし、圧力センサで測定される圧力に基づきリレーをオン・オフさせて、圧力を制御する制御装置に、本発明を適用してもよい。
【0102】
また、本発明の制御装置によって制御される被制御装置は、空調装置に限られるものではなく、例えば、冷凍、冷蔵、製氷、液温調節、床暖房などの種々の温調装置及び圧力調整装置の制御に用いることができる。
【0103】
また、表示の形態も任意であり、所定の制御前提条件を満足しなくなったことを報知するのみでもよく、変更後の数値も報知するようにしてもよい。
さらに、報知の態様としてはLEDや7セグメント表示素子による表示による報知に限定されず、音や音声による報知であってもよく、あるいはこれらを適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0104】
上記の各実施形態で示した構成、動作、数値、関係式などは例示であり、適宜変更可能である。例えば、上記実施の形態において、冷房と暖房とでDIFFの値を異ならせたり、上限警報温度と下限警報温度とでDFを異ならせたりしてもよい。
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上記の各実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るサーモスタットの構成図である。
【図2】サーモスタットの外観を示す図である。
【図3】冷房時と暖房時における切設定温度と入設定温度及び入出力の関係を示す図である。
【図4】冷暖切り替え設定処理(動作モード設定処理)を示すフローチャートである。
【図5】設定温度設定処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS34とステップS40の補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】(a)、(b)は、冷房時における補正処理の概要を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)は、暖房時における補正処理の概要を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るサーモスタットの構成図である。
【図10】冷房時と暖房時における切設定温度と入設定温度及び入出力の関係、さらに、下限警報温度と上限警報温度の関係を示す図である。
【図11】下限警報温度と上限警報温度を補正する動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】この発明の第3の実施形態に係るサーモスタットの外観を示す図である。
【図13】第3の実施形態における設定温度設定処理を示すフローチャートである。
【図14】(a)、(b)は、切設定温度を変更したことにより動作モードが変更される例、(c)、(d)は、入設定温度を変更したために動作モードが変更される例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0106】
1,2,3 サーモスタット
10 コントローラ
11 CPU(制御手段)
12 ROM(制御手段)
13 RAM(制御手段)
20 温度センサ部
21 出力部回路
22 表示部
22a〜22c 7セグメント表示素子
22d〜22h 発光素子
23〜26 タクトスイッチ
30 負荷装置(被制御装置)
【出願人】 【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満

【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典


【公開番号】 特開2008−14512(P2008−14512A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183253(P2006−183253)