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【発明の名称】 床下調湿システム
【発明者】 【氏名】朝桐 大介

【要約】 【課題】空気循環の通気抵抗を減少させて、エネルギ損失の増大を抑制すると共に、必要に応じて、効率的に湿度を上昇させることが出来る床下調湿システムを提供する。

【構成】床下空間Uに設けられた循環調湿装置16は、床面部4に設けられた吸込側通気孔17を介して、室内空間R内から導入された空気を調湿するため、通過する空気の接触により、調湿を行う複数枚の調湿機能ボード18…を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎断熱された建物が、床面部を挟んで、床下空間及び室内空間とに画成されると共に、該床面部の下方に位置する床下空間内には、該床面部に設けられた吸込側通気孔を介して、前記室内空間内から導入された空気を調湿する調湿装置と、該調湿装置によって調湿された空気を、前記床面部に設けられた給気側通気孔を介して、前記室内空間に供給する空気循環装置とを有する床下調湿システムであって、
前記調湿装置は、通過する空気の接触により、調湿を行う複数枚の調湿機能ボードを有し、該各調湿機能ボード間を、前記空気が通過可能となるように、通気方向に沿わせて、該調湿機能ボードを並設したことを特徴とする床下調湿システム。
【請求項2】
前記調湿機能ボードは、含水機能を有すると共に、該調湿機能ボードに水分を供給して、含水させる水供給装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載の床下調湿システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、室内空間の湿度を増加させて、調湿を行う床下調湿システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図2に示すような床下調湿システムを設けた建物1が、知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような建物1では、地盤Gに一部が埋設されて、施工された布基礎2の上部に、壁面部3及び床面部4を設けた上部構造体5が構築されている。
【0004】
この上部構造体5の室内空間Rと、床下空間Uとの間は、前記床面部4によって、略画成されている。
【0005】
この床面部4は、床梁材及び床根太材等によって構成される床構造材4aに、床下地板や断熱材等が設けられると共に、上面が、フローリング材や或いは畳材等の床仕上げ材4bで、覆われることにより、主に構成されている。
【0006】
そして、この床下空間Uには、換気調湿装置6が設けられている。この換気調湿装置6は、扁平な円柱状の容器構造を呈し、複数の不定形な粒塊状の調湿材7…を、ネット状の外周壁8で囲んで形成される調湿材収容室9内に、保持する様に構成されている。
【0007】
この調湿材収容室9の上面部には、前記調湿材7…を覆うビニールシート10が被せられている。
【0008】
また、この調湿材収容室9からは、換気筒11が、前記床面部4を、貫通して、上方に向けて延設されると共に、この換気筒11の室内空間R内に位置する上端部近傍には、換気ファン12が設けられている。
【0009】
この換気ファン12には、回転駆動により、床下空間U内の空気を、前記調湿材収納室9内を通過させて、室内空間R内に導く、図示省略のシロッコファン等が設けられている。
【0010】
このように構成された従来の床下調湿システムでは、屋外から床下空間U内に導入された空気が、前記換気ファン12のシロッコファンを、回転駆動することより、調湿材収納室9内を通過させられて、前記室内空間R内に導かれる。
【0011】
前記調湿材収納室9内を通過する空気は、前記複数の不定形な粒塊状の調湿材7…の表面に接触して、加湿若しくは除湿されることにより、調湿されてから、前記室内空間R内に導かれて、この室内空間内が安定した湿度となるように調湿される。
【特許文献1】特開2003−105879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来の床下調湿システムでは、空気が、前記調湿材収納室9内を通過する際に、調湿材7…に接触する面積が大きく、前記換気ファン12のシロッコファンを、回転駆動する際の駆動力を大きく設定しなければならなかった。
【0013】
また、空気を加湿させて、室内空間Rの湿度を上昇させようとしても、前記調湿材7…の含水量が少ない場合、効率的に湿度を上昇させることが出来なかった。
【0014】
そこで、この発明は、空気循環の通気抵抗を減少させて、エネルギ損失の増大を抑制すると共に、必要に応じて、効率的に湿度を上昇させることが出来る床下調湿システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、基礎断熱された建物が、床面部を挟んで、床下空間及び室内空間とに画成されると共に、該床面部の下方に位置する床下空間内には、該床面部に設けられた吸込側通気孔を介して、前記室内空間内から導入された空気を調湿する調湿装置と、該調湿装置によって調湿された空気を、前記床面部に設けられた給気側通気孔を介して、前記室内空間に供給する空気循環装置とを有する床下調湿システムであって、前記調湿装置は、通過する空気の接触により、調湿を行う複数枚の調湿機能ボードを有し、該各調湿機能ボード間を、前記空気が通過可能となるように、通気方向に沿わせて、該調湿機能ボードを並設した床下調湿システムを特徴としている。
【0016】
また、請求項2に記載されたものは、前記調湿機能ボードは、含水機能を有すると共に、該調湿機能ボードに水分を供給して、含水させる水供給装置が設けられている請求項1記載の床下調湿システムを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
このように構成された請求項1記載のものは、前記空気循環装置の駆動により、前記床面部に設けられた吸込側通気孔を介して、前記室内空間内から導入された空気が、基礎断熱された建物の床下空間内に導かれる。
【0018】
床下空間内に導かれた空気は、通気方向に沿わせて並設された前記調湿機能ボード間を、通過する際、少ない抵抗で通過しながら調湿される。
【0019】
このため、空気循環の通気抵抗が減少して、該調湿装置によって調湿された空気を、前記床面部に設けられた給気側通気孔を介して、前記室内空間に供給する前記空気循環装置の駆動力が小さくても、所望の通気量及び調湿作用を発揮させることができる。
【0020】
しかも、前記空気循環装置により、前記床面部に設けられた吸込側通気孔を介して、前記室内空間内から導入された空気が、基礎断熱された建物の床下空間内に導かれることにより、既に一定の加湿が行われた空気を、再度、前記調湿装置によって調湿するため、屋外から空気を取り入れて調湿する場合に比して、効率的に調湿出来る。
【0021】
従って、更に、例えば、通気抵抗を減少させることに伴い接触面積の減少が生じたり、或いは、省エネルギー化の為に、通気量を減少させても、調湿効率が良好で、所望の調湿性能を発揮出来、エネルギ損失の増大を抑制することが出来る。
【0022】
また、請求項2に記載されたものは、前記水供給装置によって供給された水分が、含水機能を有する前記調湿機能ボードに含水される。
【0023】
このため、通過する空気の湿度を容易に上昇させることが出来、冬場の乾燥時等、必要に応じて、効率的に湿度を上昇させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1は、この発明の最良の実施の形態の床下調湿システムを示すものである。
【0026】
なお、前記実施の形態と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0027】
まず、構成から説明すると、この実施の形態の床下調湿システムが適用される建物13では、地盤Gに一部が埋設されて、施工された断熱基礎14の上部に、壁面部3及び床面部4が設けられた上部構造体5が構築されている。
【0028】
この上部構造体5の室内空間Rと、床下空間Uとの間は、前記床面部4によって、略画成されている。
【0029】
また、この断熱基礎14の内側部には、複数の断熱材15…が貼設されていて、屋外空間OFと前記床下空間Uとの間に、一定の気密性を持たせて、保温機能が発揮されるように構成されている。
【0030】
この床面部4は、床梁材及び床根太材等によって構成される床構造材4aに、床下地板や断熱材等が設けられると共に、上面が、フローリング材や或いは畳材等の床仕上げ材4bで、覆われることにより、主に構成されている。
【0031】
そして、この床下空間Uには、調湿装置としての循環調湿装置16が設けられている。
【0032】
この循環調湿装置16は、床面部4に設けられた吸込側通気孔17を介して、前記室内空間R内から導入された空気を調湿するため、通過する空気の接触により、調湿を行う複数枚の調湿機能ボード18…を有している。
【0033】
これらの各調湿機能ボード18…間は、前記空気が通過可能となるように、一定間隔を置いて、間隙19…が形成されている。
【0034】
この実施の形態では、これらの間隙19…は、各々図示省略のスペーサを挟みながら、前記各調湿機能ボード18…を交互に積層することにより、構成されている。
【0035】
そして、面内,外方向を上下方向に向けた状態で、5枚の調湿機能ボードが積層されて、面延設方向を通気方向に沿わせて、これらの調湿機能ボード18…が、平行に並設されている。
【0036】
そして、この循環調湿装置16の空気通過方向で上流側には、空気循環手段の一つとしての床下ファン装置20が設けられていると共に、この循環調湿装置16によって調湿された空気を、前記床面部4に設けられた給気側通気孔21を介して、前記室内空間Rに供給する空気循環装置の一つとしての床内ファン装置22が、この給気側通気孔21内に位置するように設けられている。
【0037】
この実施の形態では、前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22は、電力を用いて回転駆動するシロッコファン装置によって、主に構成されている。
【0038】
更に、この実施の形態では、前記各調湿機能ボード18…が、含水機能を有している。
【0039】
この実施の形態の各調湿機能ボード18は、珪藻土或いは、珪酸化化合物若しくはこれらの混合物等によって構成されて、1枚1m2あたり2.5L程度の水分を吸収して、保持する含水機能を有している。
【0040】
そして、この床下空間U内には、前記床構造材4aの下面側に沿って配索されて、これらの調湿機能ボード18…に水分Wを供給して、含水させる水供給装置としての水道又は、図示省略の手動給水装置が、連結等されて構成される水供給配管部23が、設けられている。
【0041】
次に、この実施の形態の床下調湿システムの作用効果について説明する。
【0042】
この実施の形態の床下調湿システムでは、前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22の駆動により、前記床面部4に設けられた吸込側通気孔17を介して、前記室内空間R内から導入された空気が、基礎断熱された建物13の床下空間U内に導かれる。
【0043】
床下空間U内に導かれた空気は、前記循環調湿装置16の通気方向に沿わせて並設された前記調湿機能ボード18,18間の各間隙19…を、通過する際、少ない抵抗で通過しながら、これらの調湿機能ボード18…の略平坦な表面側に触れて調湿される。
【0044】
このため、空気循環の通気抵抗が減少して、調湿機能ボード18,18によって調湿された空気が、前記床面部4に設けられた給気側通気孔21を介して、再び前記室内空間Rに供給される際、前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22の駆動力が小さくても、所望の通気量及び調湿作用を発揮させることができる。
【0045】
このため、電力を用いて回転駆動するシロッコファン装置等から構成される前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22の消費電力を減少させて、省電力化を図ることが出来る。
【0046】
この実施の形態の調湿機能ボード18…は、各々平板状に形成された両側面の広い面積で、通過する空気との接触面積を確保することが出来る。
【0047】
しかも、床下空間Uの水平方向に比較的余裕の有るスペースを設置場所として用いて、各調湿機能ボード18…の面内,外方向を上下方向に向けて積層しているので、必要とされる空気との接触面積を容易に確保できる。
【0048】
更に、前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22により、前記床面部4に設けられた吸込側通気孔17を介して、前記室内空間R内から導入された空気が、基礎断熱された建物13の床下空間U内に導かれることにより、既に一定の加湿が行われた空気を、再度、前記循環調湿装置16によって調湿するため、従来のように、屋外OFから空気を取り入れて調湿する場合に比して、効率的に調湿出来る。
【0049】
従って、更に、例えば、通気抵抗を減少させることに伴い接触面積の減少が生じたり、或いは、省エネルギー化の為に、通気量を減少させても、調湿効率が良好で、所望の調湿性能を発揮出来、エネルギ損失の増大を抑制することが出来る。
【0050】
また、前記水供給装置としての水供給配管部23によって、前記室内空間R側から供給された水分Wが、含水機能を有する前記調湿機能ボード18…に含水される。
【0051】
この実施の形態では、前記調湿機能ボード18…が、珪藻土或いは、珪酸化化合物若しくはこれらの混合物等によって構成されて、1枚1m2あたり2.5リットル程度の水分を吸収して、保持する含水機能を有している。
【0052】
そして、全ての調湿機能ボード18…に、前記水供給配管部23から供給された水分Wが、行き渡る。
【0053】
冬季の住宅において室内湿度を40%程度に加湿するために1日10リットル程度の水分Wの補給が必要とされる。
【0054】
この実施の形態では、1枚1m2の調湿機能ボード18…を5枚用いたとしても、1回の水分Wの補給により、1日以上、室内空間Rの湿度を保て、次回の水分の補給までの間隔を広げて、一定期間、加湿機能を維持することが出来る。
【0055】
このため、調湿機能ボード18,18間の各間隙19…を通過する空気の湿度を容易に上昇させることが出来、冬場の乾燥時等、必要に応じて、前記水供給配管部23から、水分Wを供給して、含水機能を有する前記調湿機能ボード18…に含水させることにより、効率的に湿度を上昇させることが出来る。
【0056】
上述してきたように、この実施の形態の床下調湿システムでは、前記床下ファン装置20又は床内ファン装置22のうち、少なくとも何れか一方を常時若しくは、交互に運転させることにより、前記室内空間R内を常時適度な湿度に保つことが出来る。
【0057】
また、通常の加湿器を常時運転させる場合と比較して、電気代が、前記床下ファン装置20及び床内ファン装置22内のシロッコファン装置の回転駆動に用いる電力消費量のみで有るため、省エネルギー化が図れると共に、電気料金の増大が抑制される。
【0058】
更に、前記各調湿機能ボード18が、珪藻土或いは、珪酸化化合物若しくはこれらの混合物等によって構成されているので、ホルムアルデヒド等を含まず、シックハウス対策として用いられる内装壁建材としての建材ボード等を用いることも出来、この点においても、製造コストの増大を抑制できると共に、有害物質を吸着除去して、室内環境の浄化に寄与させることが出来る。
【0059】
そして、小さな駆動力による空気の循環で、調湿を行うので、従来のように、換気筒11の室内空間R内に位置する上端部近傍に、換気ファン12を露出させて設ける必要が無く、室内空間Rからは、見えにくい床下空間U内に、循環調湿装置16及び床下ファン装置20等を設けることが出来る。
【0060】
このため、循環調湿装置16の前記調湿機能ボード18及び床下ファン装置20のシロッコファン装置等の意匠性を考慮する必要が無くなり、施工性が良好であると共に、製造コストの増大が抑制される。
【0061】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0062】
即ち、前記実施の形態の床下調湿システムでは、図1に示すように、模式的に平屋建ての建物13を用いて、1階の室内空間Rの調湿を行うものを示して、説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、壁内換気構造等の他の建物の換気システムや、空調システムとの併用或いは、吹き抜けプラン等を用いた建物のプランニングにより、2階建て以上の建物の全体の室内空間Rの調湿を行うようにしてもよい。
【0063】
更に、この実施の形態の床下調湿システムを、除湿機と併用することにより、梅雨時期から夏季に渡り使用出来、通年における調湿効果を発揮させることができる。
【0064】
そして、この実施の形態の各調湿機能ボード18…間には、前記空気が通過可能となるように、一定間隔を置いて、間隙19…が形成されている。
【0065】
この実施の形態では、これらの間隙19…は、各々図示省略のスペーサを挟みながら、前記各調湿機能ボード18…を交互に積層することにより、構成されているが、特にこれに限らず、例えば、複数の支柱を立てて、各調湿機能ボード18…間に間隙19…が出来るように各調湿機能ボード18…を保持したり、或いは、複数の調湿機能ボード18…を積層して、各調湿機能ボード18の表面に形成される凹凸の間を、前記空気が通過可能としても良く、各調湿機能ボード間を空気が、少ない抵抗で通気出来るように、通気方向に沿わせて、該調湿機能ボードを並設したものであれば、大きさ、形状、数量及び材質が特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の最良の実施の形態の床下調湿システムで、断熱基礎まで含めた建物全体の構成を説明する縦方向の断面図である。
【図2】従来例の床下調湿システムで、要部の構成を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
【0067】
13 建物
14 断熱基礎
16 循環調湿装置(調湿装置)
17 吸込側通気孔
18 調湿機能ボード
20 床下ファン装置(空気循環装置の一つ)
21 給気側通気孔
22 床内ファン装置(空気循環装置の一つ)
23 水供給配管部(水供給装置)
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄


【公開番号】 特開2008−14510(P2008−14510A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183117(P2006−183117)