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【発明の名称】 エンジン駆動式空調システムの筐体
【発明者】 【氏名】布谷 誠二

【氏名】山本 道彦

【氏名】森田 栄治

【要約】 【課題】エンジン駆動式空調システムの筐体における雨水などの排水をよくし、また内部容積を減少させない消音構造を提供する。

【構成】エンジン駆動式空調システムの筐体は、底枠10とその四隅から立ち上がる支柱20とその上に支持された上部枠30よりなる機械室Aの上に熱交換器室Bを設けた構造とする。上部枠30を形成する長方形の上部横部材31,34は溝形部32,35を有し、その上に設けた棚板38上に落ちた雨水などは、各溝形部内に入り、それらの両端から支柱に形成した中空部21内に落ち込んで下端部から排出される。底枠の横部材11,13の一方には全長にわたり空洞部13aを形成するとともにその上側と下側には第1および第2吸入口13b,13cを形成し、これらにより形成される膨張形消音器を介して機械室内に、エンジン燃焼用および冷却用の外気を導入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にコンプレッサおよびこれを駆動するエンジンを収納する機械室を備えたエンジン駆動式空調システムの筐体において、
前記機械室は、各1対の第1横部材と第2横部材の各端部を連結してなる底枠と、この底枠の四隅部に固定されて上方に立ち上がる4本の支柱と、各1対の第1上部横部材と第2上部横部材の各端部を連結してなり四隅部が前記各支柱の上端部に固定した上部枠よりなり、
前記底枠の横部材の少なくとも一つは全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には前記空洞部内を外部に連通する第1吸入口および第2吸入口を形成し、
前記底枠の残りの横部材と連結した状態では前記空洞部の両端を閉じ、
さらに前記底枠の上側は前記第1吸入口が設けられた部分を除き底板により閉じ、
前記機械室の上側は前記上部枠に周縁が支持された棚板により閉じ、
また底枠と支柱と上部枠の間となる前記機械室の4側面はカバー板により閉じた
ことを特徴とするエンジン駆動式空調システムの筐体。
【請求項2】
請求項に記載のエンジン駆動式空調システムの筐体において、
前記底枠は互いに平行に配置した前記1対の第1横部材と、前記各第1横部材の上側に重ねられて連結された前記1対の第2横部材よりなり、前記第2横部材の少なくとも何れか一方を全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には前記空洞部内を外部に連通する前記第1吸入口および第2吸入口を形成した
ことを特徴とするエンジン駆動式空調システムの筐体。
【請求項3】
請求項1または請求項に記載のエンジン駆動式空調システムの筐体において、
前記空洞部が形成された底枠の横部材は主要部の断面形状を長方形としたことを特徴とするエンジン駆動式空調システムの筐体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にコンプレッサおよびこれを駆動するエンジンを収納する機械室を備えたエンジン駆動式空調システムの筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジン駆動式空調システムの筐体には、4本の柱と、方形枠状で各柱の下方に4隅が溶接固定された底枠と、方形枠状で各柱の中程に4隅が溶接固定された中枠と、この中枠に固定される上方の熱交換器室と下方の機械室を分けるドレンパンよりなり、中枠を構成する4つの横部材のうち左右の1対は上方に開口する溝を持つ断面樋形状としてこの溝の中間部の底面に排水管に連なる排水口を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、熱交換器を収納する第1ハウジングと、その下方に配設されてコンプレッサを収納する第2ハウジングと、この両ハウジングの間に配設されたドレンパンからなり、第2ハウジングの外側に配設されて第1ハウジングを支持する支柱をアルミニウム押し出し材からなる中空材としてその上端がドレンパンに連通されるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。この従来技術は図8に示すように、ドレンパン1の四周に上向きのフランジ部2を形成するとともに各隅角に切欠き部3を形成し、ドレンパン1上に落ちた雨水などは切欠き部3に集まって各支柱4の中空部5内に落ち込んで排出されるようになっている。
【0004】
また、エンジン駆動式空気調和機のエンジン室の側壁を構成するパネルを外板と内板よりなる二重構造としてそれらの間に仕切板を配設するとともに外板に空気の流入口を形成し、流入口から外板と内板の間に入った空気を内板上に設けた消音装置を通してエンジンに燃焼用空気を供給するようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実公平6−38253公報(図1、図2、図3)。
【特許文献2】実公平7−12818公報(図1、図2、図3)。
【特許文献3】実公平5−21639公報(図1、図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で述べた従来技術は、筐体の強度を持たせるために溶接構造としており、かなりの重量物になるという問題がある。また、ドレンパン上に落ちた雨水などは左右の中枠を構成する断面樋形状の横部材から機械室内を通る排水管を通って排出されるが、機械室内の容積が限定されていることから排水管は直径が大きくとれなかったり途中で曲げたりする必要があり、ゴミ等の異物により排水管が閉鎖されて樋形状の横部材から溢れてしまうという問題があった。
【0006】
また、特許文献2で述べた従来技術は、支柱をアルミニウム押し出し材からなる中空材としてその中空部を排水管としているので、上述した問題は解決されるが、ドレンパン1上に落ちた枯れ葉などの大きい異物はドレンパン1上の水の流れにより流され各隅角の切欠き部3に集まってつまり、このため排水が悪くなって豪雨の際などにはドレンパン1から水が溢れるという問題がある。
【0007】
また、特許文献3で述べた従来技術によれば、エンジンで生じる吸気音その他の騒音がエンジン室から外部に漏れるのを減少させてエンジン駆動式空気調和機から生じる騒音を低下させることができるが、エンジン室の側壁を構成するパネルを二重構造にするとともにその内部に消音装置を設けているのでエンジン室内の容積が減少し、このためエンジン室内に設けるエンジンその他の機器の配置が困難になるという問題がある。
【0008】
本発明は、エンジン駆動式空調システムの筐体において、熱交換器室を支持する棚板とこれを支持する上部枠ならびに中空部が形成された支柱に対する上部枠の支持構造に改良を加えて上述したような排水上の問題を解決し、また機械室の底枠を利用して機械室内の容積を減少させることなく騒音を減少させる消音構造を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明によるエンジン駆動式空調システムの筐体は、内部にコンプレッサおよびこれを駆動するエンジンを収納する機械室を備えたエンジン駆動式空調システムの筐体において、機械室は、各1対の第1横部材と第2横部材の各端部を連結してなる底枠と、この底枠の四隅部に固定されて上方に立ち上がる4本の支柱と、各1対の第1上部横部材と第2上部横部材の各端部を連結してなり四隅部が各支柱の上端部に固定した上部枠よりなるものとし、底枠の横部材の少なくとも一つは全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には空洞部内を外部に連通する第1吸入口および第2吸入口を形成し、底枠の残りの横部材と連結した状態では空洞部の両端を閉じ、さらに底枠の上側は第1吸入口が設けられた部分を除き底板により閉じ、機械室の上側は上部枠に周縁が支持された棚板により閉じ、また底枠と支柱と上部枠の間となる機械室の4側面はカバー板により閉じたことを特徴とするものである。
【0010】
前項に記載のエンジン駆動式空調システムの筐体の底枠は互いに平行に配置した1対の第1横部材と、各第1横部材の上側に重ねられて連結された1対の第2横部材よりなり、第2横部材の少なくとも何れか一方を全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には空洞部内を外部に連通する第1吸入口および第2吸入口を形成することが好ましい。
【0011】
項に記載のエンジン駆動式空調システムの筐体は、空洞部が形成された底枠の横部材は主要部の断面形状を長方形とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項に記載のエンジン駆動式空調システムの筐体によれば、機械室は、各1対の第1横部材と第2横部材の各端部を連結してなる底枠と、この底枠の四隅部に固定されて上方に立ち上がる4本の支柱と、各1対の第1上部横部材と第2上部横部材の各端部を連結してなり四隅部が各支柱の上端部に固定した上部枠よりなるものとし、底枠の横部材の少なくとも一つは全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には空洞部内を外部に連通する第1吸入口および第2吸入口を形成し、底枠の残りの横部材と連結した状態では空洞部の両端を閉じ、さらに底枠の上側は第1吸入口が設けられた部分を除き底板により閉じ、機械室の上側は上部枠に周縁が支持された棚板により閉じ、また底枠と支柱と上部枠の間となる機械室の4側面はカバー板により閉じたので、底枠を形成する横部材内に形成された空洞部、第1吸入口および第2吸入口により形成される膨張形消音器により、エンジンで生じる吸気騒音、排気騒音、機械騒音などの騒音が機械室から外部に漏れるのを減少させてエンジン駆動式空調システムから生じる騒音を低下させることができ、またこの膨張形消音器は機械室内の容積を減少させることがないので、機械室内に設けるエンジンその他の機器の配置が困難になったり、あるいはこれを解決するため機械室を大型化する必要もなくなる。
【0013】
底枠は互いに平行に配置した1対の第1横部材と、各第1横部材の上側に重ねられて連結された1対の第2横部材よりなるものとし、第2横部材の少なくとも何れか一方を全長にわたり空洞部が形成されたアルミニウム押し出し材により構成するとともにその上側および上側以外の箇所には空洞部内を外部に連通する第1吸入口および第2吸入口を形成するようにしたエンジン駆動式空調システムの筐体によれば、下側となる第1横部材を設置面上に設置すれば空洞部に空気を吸入する第2吸入口を形成した第2横部材は設置面から離れて配置されるので、別体の台座を設けなくても、第2横部材に設けた第2吸入口から外気を吸入することができる。
【0014】
空洞部が形成された底枠の横部材は主要部の断面形状を長方形としたエンジン駆動式空調システムの筐体によれば、空洞部が形成された横部材とその他の横部材の結合構造を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図1〜図7に示す実施の形態により、本発明によるエンジン駆動式空調システムの筐体の説明をする。この実施の形態のエンジン駆動式空調システムの筐体は、図1に示すように、内部にコンプレッサおよびこれを駆動するエンジンを収納する直立方体形状の機械室Aと、その上に設けられて内部に熱交換器が設けられた直立方体形状の熱交換器室Bよりなるものである。
【0016】
先ず図1〜図7により、機械室Aの説明をする。主として図1に示すように、機械室Aのフレームは、長方形の底枠10と、この底枠10の四隅部に下端部が固定されて上方に立ち上がる4本の下支柱(支柱)20と、四隅部が各下支柱20の上端部に固定された長方形の上部枠30よりなるものである。このフレームは、上側が上部枠30に周縁が支持された棚板38により閉じられ、前後両側が第1カバー板26により閉じられ、左右両側は第2カバー板27により閉じられ、また下側が底枠10の上側に設けた底板17により閉じられて、実質的に密閉された機械室Aが形成される。
【0017】
底枠10は前後1対の第1横部材11と左右1対の第2横部材13の各端部を連結してなるもので、各横部材11,13は何れもアルミニウム押し出し材である。各第1横部材11の本体部は、主として図3に示すように、上が開いたE形断面形状で、外側となる一辺には上方に延びる縦フランジ部12aが形成され、また縦フランジ部12aの根本部からは外向きに延びる短いフランジ部22が形成されている。図1および図3に示すように、各第1横部材11の下面の両端に近い部分には、それぞれ2個の取付足15がボルトなどにより固定されている。
【0018】
また各第2横部材13の本体部は、主として図4に示すように、全長にわたり内部に空洞部13aが形成された長方形断面形状で、外側の下縁にはそれぞれ下向きと外向きに延びる短いフランジ部14a,14bが形成されている。各第2横部材13には、図1、図2および図4に示すように、上面の外縁に近い部分には長手方向に沿って細長いスリット状の第1吸入口13bが形成され、また下面の内縁に近い部分には長手方向に沿って第1吸入口13bよりも多少短いスリット状の第2吸入口13cが形成され、この両吸入口13b,13cにより空洞部13aの内部は外部に連通されている。各吸入口13b,13cは複数に分割してもよいし、スリット状以外の形状としてもよい。
【0019】
互いに平行に置かれた各第1横部材11の両端部上には、図1〜図3に示すように、各第2横部材13の両端部を重ね、それぞれの両端部をボルト・ナット16,16aにより連結することにより、長方形の底枠10が形成される。このように連結された状態では、第2横部材13の空洞部13aの両端は、第1横部材11の縦フランジ部12aにより閉じられている。機械室Aの下側を閉じる底板17は、図2〜図4に示すように、底枠10の上側の第1吸入口13bを除く部分に設けられてボルト止めされている。空洞部13a、第1吸入口13bおよび第2吸入口13cは膨張形消音器を構成し、この膨張形消音器を介して密閉された機械室Aは外部に連通されている。
【0020】
各下支柱20もアルミニウム押し出し材であり、主として図2に示すように、その断面形状は両突出部の長さが同じL形の中空部21と、その内側となる各壁部を延長した2つのフランジ部22よりなるものである。図2および図3に示すように、下支柱20は下端部の各内側面が底枠10の四隅の角部に当てられ、各フランジ部22をボルト・ナット23,23aにより第1横部材11の縦フランジ部12aと第2横部材13の外側部に締め付けることにより固定されて上方に起立される。下支柱20の下部は、中空部21の下端面が横フランジ部12b,14bの上面に当接されるように、フランジ部22の一部およびその延長部が切り欠かれている。
【0021】
上部枠30は前後1対の第1上部横部材31と左右1対の第2上部横部材34の各端部を連結してなるもので、各上部横部材31,34も何れもアルミニウム押し出し材である。各第1上部横部材31の断面形状は、主として図6に示すように、第1溝形部32と、その内側壁部の上縁から内方に延びる短い第1支持フランジ部33aと、第1溝形部32の底部付近から内方に延びる長い第1連結フランジ部33bと、第1溝形部32の内側壁部を下方に延長した第1下向きフランジ部33cよりなり、第1溝形部32の外側壁部の上縁には第1支持フランジ部33aよりも上方に延びてから内方に屈曲される目隠し部32aが形成されている。
【0022】
また各第2上部横部材34の断面形状は、主として図7に示すように、第2溝形部35と、第2支持フランジ部36aと、第2連結フランジ部36bと、第2下向きフランジ部36cよりなるもので、目隠し部32aに相当する部材がない点を除き第1上部横部材31と同様である。互いに平行に置かれた各第1上部横部材31と第2上部横部材34は、図5および図6に示すように、第1連結フランジ部33bと第2連結フランジ部36bの各端部が重ね合わされ、ボルト・ナット37,37aにより連結することにより長方形の上部枠30が形成される。
【0023】
上部枠30の四隅部となる各下向きフランジ部33c,36cの外側面は、図5および図6に示すように、底枠10の四隅部から立ち上がる下支柱20の先端部のフランジ部22の内側面に当接され、ボルト・ナット24,24aにより締め付けられて、上部枠30は各下支柱20の上端部に取り付けられる。下支柱20の上部は、中空部21の上端面が各溝形部32,35の下面に当接されるように、フランジ部22の一部およびその延長部は切り欠かれている。またこの取付状態では、上部横部材31,34の開放された各端部は、この端部から流れ落ちる雨水などが下支柱20の中空部21内に落ち込むように中空部21の直上に位置している。
【0024】
図6および図7に示すように、上部枠30の各支持フランジ部33a,36a上には棚板38が載せられ、棚板38の前後左右の各周縁の各支持フランジ部33a,36aから外に張り出す部分は下向きに折り曲げられて、各溝形部32,35の内側の壁部の内面に沿って下向きに延びている。この棚板38により機械室Aのフレームの上側は閉じられている。
【0025】
機械室Aのフレームの前側および後側を閉じる第1カバー板26の外縁部は、図2、図3および図6に示すように、底枠10の第1横部材11の縦フランジ部12a、左右の下支柱20の一方のフランジ部22および上部枠30の第1上部横部材31の第1下向きフランジ部33cに当接されてボルト(図示省略)止めされ、また左右両側を閉じる第2カバー板27の外縁部は、図2、図4および図7に示すように、底枠10の第2横部材13、前後の下支柱20の他方のフランジ部22および上部枠30の第2上部横部材34の第2下向きフランジ部36cに当接されてボルト(図示省略)止めされている。
【0026】
次に図1、図6および図7により熱交換器室Bの説明をする。主として図1に示すように、熱交換器室Bは機械室Aの上部枠30の四隅部に下端部が固定されて上方に立ち上がる4本の上支柱40と、この上支柱40の上端部に四隅部が固定された天板50を有しており、前後両側には熱交換器46が設置され、左右両側は第3カバー板47により閉じられている。天板50には内部にファンが取り付けられた3個の通風穴52が設けられ、また各周縁には補強部材51が設けられてる。
【0027】
上支柱40は下支柱20と同一断面形状のアルミニウム押し出し材である。図6に示すように、棚板38の四隅部の上にはL形の取付板43が、棚板38を貫通するボルト44を介して上部横部材31,34の支持フランジ部33a,36aに固定されており、上支柱40はこの取付板43にボルト・ナット45,45aを介して下端部が固定されて上方に起立される。上支柱40の下端と下支柱20の上端の少なくとも一部が当接し、また上支柱40が実質的に下支柱20の延長上に位置するように、上支柱40の下部はそのフランジ部42の一部およびその延長部が切り欠かれている。また上支柱40の中空部41の下部には、各第1上部横部材31の溝形部32の開放された両端部が中空部41内に入って下支柱20の中空部21の直上にまで達するように切欠き41a(図6参照)が形成され、また図示は省略したが、第2上部横部材34の第2溝形部35の両端部が中空部41内に入る部分にも、同様な切欠きが形成されている。
【0028】
熱交換器46は、図1および図6に示すように、熱交換器室Bの前側面および後側面を形成するように、その下部が棚板38の前後の側縁上に沿うように設けられ、その下面は棚板38から多少浮き上がり、両側縁および上縁は左右の上支柱40の一方のフランジ部42および天板50の前後の補強部材51により隠されるように取り付けられている。また熱交換器室Bの左右両側を閉じるカバー板47の外縁部は、図1および図7に示すように、前後の上支柱40の他方のフランジ部42および天板50の左右の補強部材51に当接されてボルト(図示省略)止めされ、カバー板47の下縁と棚板38の間には棚板38上から第2溝形部35内への排水のために多少の隙間が設けられている。
【0029】
次に上述した実施の形態の作用の説明をする。このエンジン駆動式空調システムを作動させた状態では、各通風穴52内のファンが作動されて熱交換器室B内の空気が吸い出され、これにより矢印Y1,Y2(図6参照)に示すように熱交換器46を空気が通過し、また棚板38に設けた穴(図示省略)から機械室A内の空気が吸い出されるので、機械室A内には矢印X1,X2,X3に示すように第2吸入口13c、空洞部13aおよび第1吸入口13bよりなる膨張形消音器を通って外気が導入される。これと同時に機械室A内ではエンジンによりコンプレッサが駆動されて、冷房運転の場合には圧縮された高温の冷媒ガスが熱交換器46に送られ、この冷媒ガスは熱交換器46を通る空気により冷却され凝縮されて室内熱交換器(図示省略)に送られる。機械室A内のエンジンは第2吸入口13c、空洞部13aおよび第1吸入口13bを通って導入される外気の一部を燃焼用空気として運転され、残りの空気により冷却される。
【0030】
機械室A内のエンジンは作動に伴い吸気騒音、排気騒音、機械騒音などの騒音を生じるが、機械室Aは密閉されているので外部に漏れることは少なく、外気が導入される空洞部13a、第1吸入口13bおよび第2吸入口13cも膨張形消音器を構成しているので、ここから機械室A内の騒音が外部に洩れることも少ない。従ってエンジン駆動式空調システムから生じる騒音を低下させることができる。またこの膨張形消音器は底枠10を形成する第2横部材13の一部により構成され、機械室A内の容積を減少させることがないので、機械室A内に設けるエンジンその他の機器の配置が困難になったり、あるいはこれを解決するため機械室Aを大型化する必要はなくなる。なお、第2横部材13の空洞部13a内に吸音材を設ければ、この膨張形消音器による消音効果は一層増大する。
【0031】
上述した実施の形態では、各第1横部材11の両端部上に、空洞部13aと第1吸入口13bと第2吸入口13cを形成した各第2横部材13の両端部を重ねて各両端部をボルト・ナット16,16aにより連結しており、このように下側とした第1横部材11を設置面G上に設置すれば、機械室A内に外気を導入する第2吸入口13cが形成される第2横部材13の下面は設置面Gから離れて配置されるので、機械室Aの底枠10をそのまま設置面G上に設置しても第2吸入口13cから外気を吸入することができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、底枠10の最下面に第2吸入口13cを形成するようにして実施してもよく、その場合には底枠10は台座を介して設置面G上に設置することにより底枠10の最下面が設置面Gから離れるようにすればよい。
【0032】
また上述した実施の形態では、空洞部13a、第1吸入口13bおよび第2吸入口13cが形成される第2横部材13の断面形状を長方形としており、このようにすれば底枠10を形成するための第1横部材11と第2横部材13との結合構造を簡単にすることができる。なお上述した実施の形態では、第2吸入口13cは第2横部材13の底面に形成したが、この第2吸入口13cは符号13c1に示すように第2横部材13の内側面に形成してもよく、そのようにすれば第2横部材13の底面が設置面Gに直接当接するように底枠10を設置することも可能である。なお第2吸入口13cは、第2横部材13の外側面に形成することも可能であるが、機械室A内から洩れる騒音が多少増大する。
【0033】
雨天の際などに棚板38上に落ちた雨水などは、棚板38の前後左右の各周縁から、矢印Z1,Z2(図5参照)に示すように各上部横部材31,34の溝形部32,35内に直接流れ落ち、各溝形部32,35の開放された端部から、矢印Z3,Z4(図5参照)に示すように下支柱20の中空部21内に流れ落ちて下支柱20の下部から外部に排出される。このように雨水などは棚板38の各周縁から溝形部32,35内に流れ落ちるので、この雨水などにより押し流される枯れ葉などの大きい異物は溝形部32,35の全長に分散されて入り、幅の狭い溝形部32,35内では移動しにくいので、1箇所に集まって雨水などの流れをつまらせることはない。従って豪雨の際などでも上部枠30の溝形部32,35から水が溢れるおそれはない。また、下支柱20をアルミニウム押し出し材からなる中空材としてその中空部を排水管としているので、機械室A内の容積を狭めることなく真直で断面積が大きい排水管が得られ、底枠10を形成する各横部材11,13および上部枠30を形成する各上部横部材31,34もアルミニウム押し出し材としたのでエンジン駆動式空調システムの筐体を軽量化することができる。
【0034】
またこの実施の形態では、棚板38は上部枠30の各支持フランジ部33a,36a上に支持したので上部枠30による棚板38の支持は確実におこなわれ、また各支持フランジ部33a,36aから前後左右に張り出した部分を下向きに折り曲げたので棚板38上に落ちた雨水などは下向き折り曲げ部を伝って実質的に全量が確実に上部枠30の溝形部32,35内に流れ落ちる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、支持フランジ部33a,36aは廃止してもよく、また棚板38の周縁の折り曲げを止め、代わりに溝形部32,35と棚板38の間にシール部材を設けるなどして棚板38上の雨水などは実質的に全量が確実に上部枠30の溝形部32,35内に入るようにしてもよい。
【0035】
またこの実施の形態では、熱交換器46を設けた側である上部枠30の第1横部材31の第1溝形部32の外側壁部の上縁に棚板38よりも上方に延びる目隠し部32aを形成しており、このようにすれば外観上見苦しくなりがちな熱交換器46の下部の取付部が目隠し部32aにより隠されるので、エンジン駆動式空調システムの筐体の外観を向上させることができる。しかし本発明はこのような目隠し部32aを設けることなく実施することも可能である。
【0036】
上述した実施の形態では、上部枠30の各上部横部材31,34には全て溝形部32,35を形成したが、本発明は一部の上部横部材31,34には溝形部を設けないようにして実施してもよく、その場合には溝形部を設けない上部横部材31,34側となる棚板38の側縁には上向きに折り曲げたフランジを形成してその側に雨水などが流れ落ちないようにすればよい。また上述した実施の形態では、溝形部32,35の両端を開放しているが、本発明は溝形部32,35の一方の端部のみを開放し、他方の端部は閉じるようにして実施することも可能である。一部の上部横部材31,34には溝形部を設けない場合および溝形部32,35の一方の端部のみを開放した場合には、一部の下支柱20の上端部には溝形部32,35の開放された端部が連結されなくなることがあるが、そのような下支柱には中空部21を設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるエンジン駆動式空調システムの筐体の一実施形態の全体構造を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿った部分拡大断面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】図2の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5線に沿った部分拡大断面図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【図8】従来技術による雨水等の排水構造を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
10…底枠、11,13…横部材(第1横部材、第2横部材)、13a…空洞部、13b…第1吸入口、13c…第2吸入口、17…底板、20…支柱(下支柱)、21…中空部、26,27…カバー板(第1カバー板、第2カバー板)、30…上部枠、31,34…上部横部材(第1上部横部材、第2上部横部材)、32,35…溝形部(第1溝形部、第2溝形部)、32a…目隠し部、33a,36a…支持フランジ部(…第1支持フランジ部、第2支持フランジ部)、38…棚板、46…熱交換器、A…機械室、B…熱交換器室。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【出願日】 平成19年9月27日(2007.9.27)
【代理人】 【識別番号】100064724
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 照一


【公開番号】 特開2008−8619(P2008−8619A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−251742(P2007−251742)