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【発明の名称】 冷水製造システム
【発明者】 【氏名】大立 啓之

【要約】 【課題】フリークーリングで冷水を生成する際に省エネルギー効果の低下を抑制しつつ凍結防止を図る冷水製造システムを提供すること。

【構成】冷熱を利用する負荷側から送られてきた還冷水CFRを密閉式冷却塔10に導く還水管31、34と、密閉式冷却塔10の散布水SWXを循環する循環管24と、還冷水CFXと循環管24を流れる散布水SWXとの間で熱交換を行わせる熱交換器23とを備え、フリークーリングにより冷水を製造する冷水製造システム1とすると、負荷側から送られてきた還冷水CFXの保有熱を散布水SWXの昇温加熱源に利用することとなり、省エネルギー効果の低下を抑制することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉式冷却塔を利用したフリークーリングにより冷水を製造する冷水製造システムであって;
冷熱を利用する負荷側から送られてきた還冷水を前記密閉式冷却塔のコイルに導く還水管と;
前記密閉式冷却塔の散布水を循環する循環管と;
前記還冷水と前記循環管を流れる散布水との間で熱交換を行わせる熱交換器であって、前記コイルとは異なる熱交換器とを備える;
冷水製造システム。
【請求項2】
前記還水管が、前記還水管を流れる還冷水の一部を分流する分流管を有し;
前記熱交換器が、前記分流管を流れる還冷水と前記循環管を流れる散布水との間で熱交換を行わせるように構成された;
請求項1に記載の冷水製造システム。
【請求項3】
前記分流管に配設され、前記分流管内の還冷水を流動させる分流ポンプと;
前記循環管に配設され、前記循環管内の散布水を流動させる循環ポンプとを備える;
請求項2に記載の冷水製造システム。
【請求項4】
前記密閉式冷却塔が散布水を貯留する散布水貯留槽を有し;
前記循環管が、前記密閉式冷却塔に付属の散水管系統の配管とは異なる配管で構成され、前記散布水貯留槽内の散布水を取り出して前記熱交換器で熱交換された散布水を前記散布水貯留槽内に直接戻すように配設された;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷水製造システム。
【請求項5】
前記密閉式冷却塔の内部に配設された前記還冷水を流すコイルと、前記密閉式冷却塔に形成された外気を取り入れるルーバーと、の間に内部空間が形成され;
前記熱交換器の下流側の前記循環管が前記内部空間に導かれるように配設され、前記熱交換器から導出された前記散布水が前記内部空間を経由して前記密閉式冷却塔の散布水貯留槽に戻されるように構成された;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷水製造システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は冷水製造システムに関し、特にフリークーリングにより冷水を製造する冷水製造システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冬季においても冷房負荷がある建物に、いわゆるフリークーリングシステムを導入することは省エネルギーに資する。一般にフリークーリングシステムは以下のように構成される。冷凍機と空調機との間で冷水を循環させる冷水管と、冷凍機と冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水管とをバイパス管で接続し、空調機と冷凍機との間で冷水が循環可能な流路と、空調機と冷却塔との間で冷水が循環可能な流路とを切り替えることができるように開閉弁を冷却水管及びバイパス管に配設しておく。そして、冬季においては、空調機と冷却塔との間で冷水が循環するように開閉弁を開閉し、外気を冷熱源として利用して冷凍機を運転せずに冷却塔の冷却能力のみで冷水を生成する(例えば、特許文献1参照。)。このように、フリークーリングとは、低温の外気を利用して冷凍機を用いずに直接冷房用(冷凍用)の冷水を造ることをいう。
【0003】
一般に冷却塔は屋外に設置され、上述のようにフリークーリングシステムは外気を利用して冷水を生成する。例えば15℃の冷水からフリークーリングにより10℃の冷水を生成するためには−5℃程度の外気湿球温度が要求されるため、寒冷の環境下にある冷却塔の散布水が凍結するおそれがある。冷却塔の散布水が凍結するのを防ぐための手段として、冷却塔に電気又は蒸気で発熱するヒータを設けることが一般に行われている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−19523号公報(図3等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フリークーリングで冷水を生成する際にヒータにより温熱を投入すると省エネルギー効果が低下することとなる。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑み、フリークーリングで冷水を生成するに際し、省エネルギー効果の低下を抑制しつつ凍結防止を図る冷水製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る冷水製造システムは、例えば図1に示すように、密閉式冷却塔10を利用したフリークーリングにより冷水を製造する冷水製造システム1であって;冷熱を利用する負荷側から送られてきた還冷水CFR(CFX)を密閉式冷却塔10のコイル11に導く還水管31、34と;密閉式冷却塔10の散布水SWXを循環する循環管24と;還冷水CFXと循環管24を流れる散布水SWXとの間で熱交換を行わせる熱交換器23であって、コイル11とは異なる熱交換器23とを備える。
【0008】
このように構成すると、還水管を流れる還冷水と循環管を流れる散布水との間で熱交換を行わせる熱交換器を備えるので、負荷側から送られてきた還冷水の保有熱を散布水の昇温加熱源に利用することとなり、散布水の凍結防止を図りつつ還冷水の予冷が行われて省エネルギー効果の低下を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る冷水製造システムは、例えば図1に示すように、請求項1に記載の冷水製造システム1において、還水管31、34が、還水管31を流れる還冷水CFRの一部を分流する分流管34を有し;熱交換器23が、分流管34を流れる還冷水CFXと循環管24を流れる散布水SWXとの間で熱交換を行わせるように構成されている。
【0010】
このように構成すると、熱交換器が分流管を流れる還冷水と循環管を流れる散布水との間で熱交換を行わせるように構成されるので、熱交換器をコンパクトにすることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明に係る冷水製造システムは、例えば図1に示すように、請求項2に記載の冷水製造システム1において、分流管34に配設され、分流管34内の還冷水CFXを流動させる分流ポンプ35と;循環管24に配設され、循環管24内の散布水SWXを流動させる循環ポンプ25とを備える。
【0012】
このように構成すると、分流管内の還冷水を流動させる分流ポンプと循環管内の散布水を流動させる循環ポンプとを備えるので、還冷水と散布水との熱交換を必要に応じて間欠で行うことが可能となる。また、分流管内の還冷水を流動させる分流ポンプを備えるので、熱交換器で損失する分の圧力を分流ポンプで昇圧させることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明に係る冷水製造システムは、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷水製造システム1において、密閉式冷却塔10が散布水SWを貯留する散布水貯留槽13を有し;循環管24が、密閉式冷却塔10に付属の散水管系統の配管14とは異なる配管24で構成され、散布水貯留槽13内の散布水SWを取り出して熱交換器23で熱交換された散布水SWXを散布水貯留槽13内に直接戻すように配設されている。
【0014】
このように構成すると、散布水貯留槽内の散布水が凍結することを、効率よく防ぐことができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明に係る冷水製造システムは、例えば図2に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷水製造システムにおいて、密閉式冷却塔10の内部に配設された還冷水CFRを流すコイル11と、密閉式冷却塔10に形成された外気を取り入れるルーバー18と、の間に内部空間19が形成され;熱交換器23の下流側の循環管24Aが内部空間19に導かれるように配設され、熱交換器23から導出された散布水SWXが内部空間19を経由して密閉式冷却塔10の散布水貯留槽13に戻されるように構成されている。
【0016】
このように構成すると、熱交換後の温度が上昇した散布水が内部空間を経由して散布水貯留槽に戻されることとなり、ルーバーに付着した散布水が凍結してルーバーが閉塞することを、防ぐことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば還水管を流れる還冷水と循環管を流れる散布水との間で熱交換を行わせる熱交換器を備えるので、負荷側から送られてきた還冷水の保有熱を散布水の昇温加熱源に利用することとなり、散布水の凍結防止を図りつつ還冷水の予冷が行われて省エネルギー効果の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る冷水製造システム1を説明する。図1は冷水製造システム1の模式的系統図である。冷水製造システム1は、密閉式冷却塔10を用いてフリークーリングにより冷水を製造するシステムである。ここで、冷水を製造するとは、負荷側で利用する冷熱の媒体となる冷水について、負荷側での利用に適した温度に冷却することである。また、冷熱は、周囲環境温度付近にある物質から吸熱し、冷房や冷凍に利用できる熱である。なお、負荷側で利用する冷熱の媒体自体(冷熱の利用前後を区別していない媒体)も通常「冷水」と呼ばれるが、本明細書においては、負荷側での利用に適した温度の冷水と区別するため、負荷側で冷熱が利用されて温度が上昇した冷水を「還冷水」ということとする。また、本明細書では、負荷側での利用に適した冷水を「往冷水」と呼ぶこともある。つまり、冷水製造システム1は、往冷水を製造するシステムということができる。
【0020】
密閉式冷却塔10は、熱媒体である還冷水CFRが内部で大気と直接接触しない一方で、散布水としての冷却散布水SWの蒸発潜熱によって還冷水CFRを冷却する機器である。密閉式冷却塔10は、還冷水CFRを流すコイル11が内部に配設されており、コイル11の上部にはコイル11に向けて冷却散布水SWを散布する散布ノズル12が配設されている。コイル11及び散布ノズル12の周囲は天板と底板とが除かれた直方体状の外板で囲われており、直方体状の上部にはファン16が、下部には散布水貯留槽13が、それぞれ配設されている。直方体状の外板の一側面と、この面に対向する面とには、外気を取り込むルーバー(不図示)が形成されている。ファン16の作動により外気がルーバーから密閉式冷却塔10の内部に流入するようになっている。ファン16は、典型的にはインバータにより無段階で回転速度が制御されるが、段階的に回転速度が制御されることとしてもよく、単にON−OFF制御されることとしてもよい。
【0021】
コイル11は蛇行しながら上下に延びる管であり、コイル11の内部に下方から上方に向かって還冷水CFRを流すようになっている。コイル11の表面には多数のフィン(不図示)が設けられており、コイル11に散布された冷却散布水SWの蒸発面積を増大させている。散布水貯留槽13は、散布ノズル12から散布された冷却散布水SWを収集する水槽となっている。散布水貯留槽13には、内部の散布水の温度を検出する温度検出器13tが配設されている。散布水貯留槽13と散布ノズル12とは散水ポンプ15が配設された散水管14を介して接続されており、散布水貯留槽13内の散布水を散布ノズル12に揚水することができるように構成されている。さらに、散布水貯留槽13には、循環管としての散布水循環管24が接続されている。散布水循環管24には散布水循環ポンプ25が配設されている。散布水循環ポンプ25を作動させることで、散布水貯留槽13内の水は循環散布水SWXとして散布水循環管24を流れ、再び散布水貯留槽13に流入することができるようになっている。なお、「冷却散布水SW」及び「循環散布水SWX」は、散布水を目的に応じて区別して呼称したものである。
【0022】
密閉式冷却塔10のコイル11の還冷水CFRが流入する端部11aには、還水管31が接続されている。他方、往冷水CFSが流出する端部11bには、往水管32が接続されている。
【0023】
還水管31は、流出管41と冷却水還管51との分岐部分に接続されている。流出管41は蓄熱槽40の上部に接続されており、冷却水還管51は冷凍機50に接続されている。冷凍機50は、典型的にはターボ冷凍機又は吸収式冷凍機が用いられるが、これら以外の冷却塔を用いる冷凍機であってもよい。流出管41には、フリークーリングポンプ45及び開閉弁43が上流から下流に向かってこの順に配設されている。フリークーリングポンプ45は、蓄熱槽40内の水を還冷水CFRとして密閉式冷却塔10に送水する。開閉弁43は、流出管41内を還冷水CFRが流れることができる状態とできない状態とを切り替える。冷却水還管51には、開閉弁53が配設されている。開閉弁53は、冷却水還管51内を冷却水CDRが流れることができる状態とできない状態とを切り替える。開閉弁43及び開閉弁53の開閉状態が逆になるよう相互に開閉動作をすることにより、流出管41又は冷却水還管51の一方が還水管31に通じるように切り替えることができる。
【0024】
往水管32は、流入管42と冷却水往管52とに分岐している。流入管42は蓄熱槽40の下部に接続されており、冷却水往管52は冷凍機50に接続されている。流入管42には、開閉弁44が配設されている。開閉弁44は、流入管42内を往冷水CFSが流れることができる状態とできない状態とを切り替える。冷却水往管52には、開閉弁54及び冷却水ポンプ55が上流から下流に向かってこの順に配設されている。冷却水ポンプ55は、フリークーリング時でないとき(以下「通常運転時」という。)に、冷凍機50と密閉式冷却塔10との間で冷却水CDR、CDSを循環させる。開閉弁54は、冷却水往管52内を冷却水CDSが流れることができる状態とできない状態とを切り替える。開閉弁44及び開閉弁54の開閉状態が逆になるよう相互に開閉動作をすることにより、流入管42又は冷却水往管52の一方と往水管32とが通じるように切り替えることができる。
【0025】
蓄熱槽40の下部と冷凍機50との間には、冷凍機往冷水CSを流す冷水往管59が配設されている。蓄熱槽40の上部と冷凍機50との間には、冷凍機還冷水CRを流す冷水還管58が配設されている。冷水還管58には冷水ポンプ56が配設されている。冷水ポンプ56は、通常運転時に、蓄熱槽40上部の水を冷凍機還冷水CRとして冷凍機50に導くと共に冷凍機50で冷却された水を冷凍機往冷水CSとして蓄熱槽40に送水する。
【0026】
蓄熱槽40には、空調機(不図示)や生産機器(不図示)等の冷熱利用機器における熱負荷処理に利用する熱媒体としての水が貯留されている。蓄熱槽40は熱媒体としての水を貯留する水槽であり、典型的には、内部に貯留される水が温度成層を形成するように流出管41、流入管42、冷水還管58、冷水往管59が接続されている。すなわち、フリークーリング時における密閉式冷却塔10及び通常運転時における冷凍機50に向けて導出される熱負荷処理後の温度が高い水が蓄熱槽40の上部に貯留され、密閉式冷却塔10や冷凍機50で製造された冷水が蓄熱槽40の下部に貯留される。他方、冷熱利用機器(不図示)には蓄熱槽40下部の温度が低い冷水が供給され、熱負荷処理後の温度が高い冷水は蓄熱槽40の上部に還水される。
【0027】
還水管31は、還冷水CFRの一部を分流させて再合流させる分流管34を有している。分流管34は還水管31の一部である。分流管34には分流ポンプ35が配設されている。分流ポンプ35を作動させることで還水管31を流れる還冷水CFRの一部が分流還冷水CFXとして分流管34内を流れるようになっている。
【0028】
分流ポンプ35の下流側の分流管34と、散布水循環ポンプ25の下流側の散布水循環管24とに、散布水凍結防止用の熱交換器23が接続されている。熱交換器23は、分流還冷水CFXと循環散布水SWXとの間で熱交換を行わせる機器である。熱交換器23における熱交換により分流還冷水CFXの温度が低下し循環散布水SWXの温度が上昇して、散布水貯留槽13内の散布水の凍結を防ぐことができる。熱交換器23は、好適にはプレート型熱交換器が用いられる。熱交換器にはプレート型熱交換器以外の、例えばシェルアンドチューブ型熱交換器等を用いてもよいが、設置面積をできるだけ小さくする観点からプレート型熱交換器を用いるのがよい。熱交換器23の下流側の散布水循環管24は、散布水貯留槽13に直接接続されている。これにより、熱交換器23で熱交換された循環散布水SWXが、散布水貯留槽13以外の部分(例えば散布ノズル12の近辺等)を経由することなく散布水貯留槽13内に直接戻されるようになっている。
【0029】
冷水製造システム1は、制御装置60を備えている。制御装置60は、密閉式冷却塔10の作動及びフリークーリングポンプ45の発停や開閉弁43、44の開閉動作を制御する。また、制御装置60は、温度検出器13tから温度信号を受信して、受信した温度信号に基づき散布水循環ポンプ25及び分流ポンプ35の発停を制御する。また、制御装置60は、往水管32に配設された温度センサー(不図示)から温度信号を受信して、受信した温度信号に基づき密閉式冷却塔10のファン16の発停や回転速度及び散水ポンプ15の発停を制御する。制御装置60は、冷却水ポンプ55及び冷水ポンプ56の発停、並びに開閉弁53、54の開閉動作を制御することとしてもよい。
【0030】
引き続き図1を参照して、冷水製造システム1の作用を説明する。フリークーリング時は、開閉弁43、44を開に、開閉弁53、54を閉にする。フリークーリングポンプ45を起動すると、蓄熱槽40の上部に貯留されている水(熱負荷処理に利用されて温度が上昇している水)が還冷水CFRとして、流出管41及び還水管31を介して密閉式冷却塔10のコイル11に流入する。このとき密閉式冷却塔10も作動されることにより、散水ポンプ15が起動され、散布水貯留槽13内の散布水が冷却散布水SWとして散布ノズル12からコイル11に向けて散布される。コイル11に散布された冷却散布水SWが蒸発することにより、コイル11内部を流れる還冷水CFRが冷却される。本実施の形態では、約15℃の還冷水CFRが蓄熱槽40から導出され、密閉式冷却塔10内で約7℃となるように冷却される。冷却された還冷水CFRは、往冷水CFSとして蓄熱槽40の下部に還水される。制御装置60は、往水管32に配設された温度センサー(不図示)で往冷水CFSの温度を検出し、往冷水CFSの温度が冷熱利用機器(不図示)で利用するのに適切な所定の温度(本実施の形態では7℃)となるようにファン16の出力を制御する。
【0031】
上述のフリークーリングは、冬季でも冷房負荷(冷凍負荷)があるような場所に導入するのが効果的であり、外気湿球温度が低いほど低温の冷水(往冷水CFS)を製造することができる。このような事情から、フリークーリングはいわゆる寒冷地で導入されることが多い。寒冷地で冬季に冷却塔を作動させると、散布水の過冷却により散布水が凍結し、冷却塔が破損するおそれがある。そこで、密閉式冷却塔10の損傷を防ぐために以下のような制御を行う。
【0032】
制御装置60は、散布水貯留槽13内の温度検出器13tから温度信号を受信して、散布水貯留槽13内の散布水の温度が、凍結することを確実に回避することができる温度(以下「凍結防止手段作動温度」という。)以下のときに、分流ポンプ35及び散布水循環ポンプ25を起動する。本実施の形態では、凍結防止手段作動温度を5℃とする。分流ポンプ35及び散布水循環ポンプ25を起動することにより、還水管31を流れる還冷水CFRの一部が分流還冷水CFXとして熱交換器23に流入し、また散布水貯留槽13内の散布水が循環散布水SWXとして熱交換器23に流入し、熱交換器23内で分流還冷水CFXと循環散布水SWXとで熱交換が行われ、分流還冷水CFXの温度が低下して循環散布水SWXの温度が上昇する。温度が低下した分流還冷水CFXは還冷水CFRに合流して密閉式冷却塔10に流入する。他方、温度が上昇した循環散布水SWXは散布水貯留槽13内に直接流入する。温度が上昇した循環散布水SWXが散布水貯留槽13内に流入することで散布水貯留槽13内の散布水の温度が凍結防止手段作動温度を超える温度となり、散布水の凍結を防止することができる。また、温度が上昇した循環散布水SWXが散布水貯留槽13内に直接流入することで、散布水貯留槽13内に流入するまでの放熱に起因して循環散布水SWXの温度が低下することが抑制され、散布水貯留槽13内の散布水が凍結することを効率よく防ぐことができる。なお、熱交換後の分流還冷水CFX及び循環散布水SWXの温度は水量によって異なるが、散布水の凍結防止の観点から、熱交換後の循環散布水SWXの温度が10℃以上となるのが好ましく、15℃以上となるのがより好ましい。
【0033】
このように、熱負荷処理に利用されて温度が上昇している還冷水CFRの保有熱で散布水の凍結を防止しているので、凍結防止のために別途エネルギーを消費する必要がなく、省エネルギーなシステムとなる。また、還冷水CFRは密閉式冷却塔10において冷却される冷水であるので、凍結防止のために還冷水CFRの保有熱を利用すると予冷が行われることとなり、密閉式冷却塔10における冷却負荷が軽減され、省エネルギーなシステムとなる。すなわち、分流還冷水CFXが合流した還冷水CFRの温度は15℃未満となるため、7℃の冷水とするために密閉式冷却塔10で処理する熱量が減少して密閉式冷却塔10における冷却負荷が軽減される。
【0034】
なお、通常運転時は、開閉弁43、44を閉に、開閉弁53、54を開にする。冷水ポンプ56が起動すると、蓄熱槽40の上部に貯留されている約15℃の水(熱負荷処理に利用されて温度が上昇している水)が冷凍機還冷水CRとして冷水還管58を介して冷凍機50に流入し、冷凍機50で約7℃に冷却された後、冷凍機往冷水CSとして冷水往管59を介して蓄熱槽40の下部に流入する。また、冷凍機50における冷水の製造を継続するため、冷却水ポンプ55が起動して冷却水CDRを密閉式冷却塔10に送水し、密閉式冷却塔10で放熱して、温度が低下した冷却水CDSを冷凍機50に導入する。本実施の形態では、冷凍機50から導出される冷却水CDRの温度は約37℃、冷凍機50に導入される冷却水CDSの温度は約32℃である。
【0035】
以上では、還水管31を流れる還冷水CFRの一部を分流還冷水CFXとして熱交換器23に導くこととして説明したが、還水管31を流れる還冷水CFRのすべてを熱交換器23に導くこととしてもよい。しかしながら、還冷水CFRのすべてを熱交換器23に導くと熱交換器23が大きくなるので、熱交換器23を小型化する観点から、散布水貯留槽13内の散布水の凍結を防止できる範囲で極力低流量となるように、還冷水CFRの一部を熱交換器23に導くことが好ましい。
【0036】
また、以上では、分流管34に分流ポンプ35を配設することとしたが、分流ポンプ35を設けずにフリークーリングポンプ45の圧力で分流還冷水CFXを熱交換器23に導くこととしてもよい。しかしながら、分流ポンプ35を備えると、フリークーリングポンプ45に熱交換器23分の圧力損失を見込む必要がないのでフリークーリングポンプ45を小型化でき、また散布水貯留槽13内の散布水の状態に応じて凍結防止運転(分流ポンプ35の運転)を間欠運転とすることができ、無駄なエネルギー消費(ポンプ動力)を削減することができる。
【0037】
また、以上では、熱交換器23における熱交換で温度が低下した分流還冷水CFXを、還水管31を流れる還冷水CFRに合流させることとして説明したが、往水管32を流れる往冷水CFSに合流させることとしてもよい。この場合は、分流ポンプ35を省略することができる。
【0038】
また、以上では、熱交換器23より上流側及び下流側のいずれの散布水循環管24をも散布水貯留槽13に接続し、散布水循環ポンプ25で循環散布水SWXを熱交換器23に供給することとして説明したが、熱交換器23より上流側の散布水循環管24を散水ポンプ15より下流側散水管14に接続し、フリークーリング時に冷却散布水SWの一部を熱交換器23に導き、昇温して散布水貯留槽13に戻すこととしてもよい。この場合は、散布水循環ポンプ25を省略することができる。しかしながら、散布水循環ポンプ25を設けた場合は、散水ポンプ15の運転と切り離して凍結防止運転(散布水循環ポンプ25の運転)を間欠運転とすることができ、無駄なエネルギー消費を削減することができる。
【0039】
また、以上では、熱交換器23における熱交換で温度が上昇した循環散布水SWXを散布水貯留槽13に直接戻すこととして説明したが、密閉式冷却塔10のルーバー内に導いてから散布水貯留槽13内に戻すこととしてもよい。以下、図2を参照して、温度が上昇した循環散布水SWXをルーバー内に導く冷水製造システムについて説明する。
【0040】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る冷水製造システム2の冷却塔まわりを示す模式的系統図である。図2においては、図1で図示を省略していた密閉式冷却塔10のルーバー18を示している。また、密閉式冷却塔10は、寒冷地仕様として、ルーバー18とコイル11との間に内部空間19が形成されている。内部空間19は、コイル11に向けて散布された冷却散布水SWがコイル11にあたって飛散してもルーバー18に付着しないように設けられた空間である。冷水製造システム2は、熱交換器23の2次側の散布水循環管24Aが内部空間19内に導かれ、内部空間19内で開放されている点で、熱交換器23の下流側の散布水循環管24(図1参照)が散布水貯留槽13に直接接続されている冷水製造システム1(図1参照)と異なっている。冷水製造システム2のその他の構成は、冷水製造システム1(図1参照)と同様であるので重複した説明は省略する。
【0041】
寒冷地仕様として密閉式冷却塔10に内部空間19を形成した場合であっても、コイル11にあたって飛散した冷却散布水SWがルーバー18に付着し、これが凍結してルーバー18を閉塞することが経験上認められる。冷水製造システム2では、熱交換器23で熱交換されて温度が上昇した循環散布水SWXが、散布水循環管24Aを介して内部空間19に導かれ、内部空間19内に放出される。放出された循環散布水SWXは、密閉式冷却塔10の底板に落水する。このとき、温度が上昇した循環散布水SWXの熱でルーバー18につららが生成されること等に起因してルーバー18が閉塞されることを防ぐことができる。落水した循環散布水SWXは、散布水貯留槽13に向けて集水される。
【0042】
なお、内部空間19内で開放される散布水循環管24Aに循環散布水放出ノズル26を設け、ルーバー18に循環散布水SWXを浴びせ掛けるようにしてもよい。熱交換器23における熱交換で温度が上昇(例えば10℃程度)した循環散布水SWXをルーバー18に浴びせ掛けることで、ルーバー18に付着した散布水が凍結することを防ぐことができ、仮にルーバー18に付着した散布水が凍結していた場合は融解することができ、これによりルーバー18の閉塞を防ぐことができる。ルーバー18に循環散布水SWXを浴びせ掛ける場合は、補給水量を低減する観点から、ルーバー18の下部にドレンパンを設置する等して、ルーバー18に浴びせ掛けた循環散布水SWXの全量を集水可能にし、散布水貯留槽13に戻すことができるようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷水製造システムの模式的系統図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る冷水製造システムの冷却塔まわりを示す模式的系統図である。
【符号の説明】
【0044】
1、2 冷水製造システム
10 密閉式冷却塔
11 コイル
13 散布水貯留槽
14 散水管
18 ルーバー
19 内部空間
23 熱交換器
24、24A 散布水循環管
25 散布水循環ポンプ
31 還水管
34 分流管
35 分流ポンプ
CFR 還冷水
CFX 分流還冷水
SWX 循環散布水
【出願人】 【識別番号】000175803
【氏名又は名称】三建設備工業株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二

【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸

【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄

【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫


【公開番号】 特開2008−8508(P2008−8508A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176856(P2006−176856)