トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F24 加熱;レンジ;換気

【発明の名称】 空調機
【発明者】 【氏名】瀬戸口 隆之

【氏名】小島 誠

【要約】 【課題】冷暖切換時の均圧運転において電磁弁のチャタリング音の発生を抑制する。

【構成】各室内熱交換器(41)の冷暖房運転の切換時に該室内熱交換器(41)が高圧ガス配管(11)または低圧ガス配管(12)と均圧するように室内膨張弁(42)と第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)とを制御する。その制御時に、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(21)と、該圧縮機(21)の吐出側および吸入側に接続された高圧ガス配管(11)および低圧ガス配管(12)と、一端が上記高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とに切換可能に接続され、他端が液配管(13)に接続された熱源側熱交換器(23)と、一端が上記液配管(13)に利用側膨張弁(42)を介して接続され、他端が上記高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とに第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)を介して切換可能に接続された互いに並列な複数の利用側熱交換器(41)とを備え、該各利用側熱交換器(41)が個別に冷暖房運転を行うようにした空調機であって、
上記各利用側熱交換器(41)の冷暖房運転の切換時に該利用側熱交換器(41)が高圧ガス配管(11)または低圧ガス配管(12)と均圧するように利用側膨張弁(42)と第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)とを制御すると共に、その制御時に第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御する均圧制御手段(50)を備えている
ことを特徴とする空調機。
【請求項2】
請求項1において、
上記均圧制御手段(50)は、圧縮機(21)の容量制御を行うことによって第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御するように構成されている
ことを特徴とする空調機。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記入口圧力の所定値は、第1所定値と該第1所定値より高い第2所定値であり、
上記均圧制御手段(50)は、冷房から暖房へ切り換える場合、圧縮機(21)の容量制御を行って第2電磁弁(32)の入口圧力を上記第1所定値以上に制御した後に、該第2電磁弁(32)および利用側膨張弁(42)を閉じ、続いて、第1電磁弁(31)を開くと共に圧縮機(21)の容量制御を行って第1電磁弁(31)の入口圧力を上記第2所定値以上に制御した後に、利用側膨張弁(42)を閉じるように構成されている
ことを特徴とする空調機。
【請求項4】
請求項1または2において、
上記入口圧力の所定値は、第1所定値と該第1所定値より高い第2所定値であり、
上記均圧制御手段(50)は、暖房から冷房へ切り換える場合、圧縮機(21)の容量制御を行って第1電磁弁(31)の入口圧力を上記第2所定値以上に制御した後に、該第1電磁弁(31)および利用側膨張弁(42)を閉じ、続いて、第2電磁弁(32)を開くと共に圧縮機(21)の容量制御を行って第2電磁弁(32)の入口圧力を上記第1所定値以上に制御した後に、利用側膨張弁(42)を閉じるように構成されている
ことを特徴とする空調機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機に関し、特に、電磁弁におけるチャタリング音の騒音防止に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空調機等の冷媒回路には、冷媒流れを遮断する電磁弁や一方向のみの冷媒流れを許容する逆止弁等の各種制御弁が設けられている。例えば、特許文献1の空調機は、室外ユニットと複数の室内ユニットを備えている。そして、室外ユニットと各室内ユニットとのそれぞれの間には、中間ユニットとしてのBSユニットが接続されている。
【0003】
上記BSユニットは、複数の開閉弁等が設けられた冷媒配管構造を備えている。そして、このBSユニットは、各開閉弁の切換により、室内ユニットで蒸発した冷媒が流入して室外ユニットの圧縮機へ向かって流出する状態と、室外ユニットの圧縮機から吐出された冷媒が流入して室内ユニットへ向かって流出する状態とに切り換わるように構成されている。これにより、室内ユニット毎に冷房と暖房とが個別に切り換わる。
【特許文献1】特開平11−241844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の空気調和機において、何れかの室内ユニットの冷暖を切り換える際、冷媒通過音を抑制するため一旦均圧制御が行われる。つまり、例えば、冷房から暖房へ切り換える場合、BSユニットの電磁弁を切り換えると、低圧状態であった室内ユニットへ高圧の液冷媒が急激に流れ込むため、そのときの冷媒の流れる音(通過音)が均圧制御によって防止される。
【0005】
ここで、上記特許文献1において、冷房から暖房へ切り換える際の均圧制御について説明する。冷房時は、特許文献1の図5における第1開閉弁(SV1)が閉状態に、第2開閉弁(SV2)が開状態になっている。均圧制御では、先ず、第2開閉弁(SV2)を閉じ、冷媒循環量を減少させる。続いて、第1開閉弁(SV1)を開くと共に、特許文献1の図4における室内電動膨張弁(13)を閉じて、その室内ユニット(B)を低圧状態から高圧状態にする。そして、室内ユニット(B)が高圧状態(均圧状態)になると、室内電動膨張弁(13)を開き、暖房運転が行われる。このように、室内ユニット(B)が予め高圧状態となるため、その室内ユニット(B)への高圧冷媒の急激な流れ込みが抑制され、冷媒通過音の発生が防止される。
【0006】
しかしながら、上述した均圧制御では、開閉弁(SV1,SV2)の入口圧力と出口圧力の圧力差が小さいと、開閉弁(SV1,SV2)において弁体が自励振動を起こすという問題があった。そして、この自励振動により、チャタリング音が発生し、最悪の場合、弁体が損傷してしまうという問題があった。以下に、弁体の自励振動が発生する原理について説明する。
【0007】
図14に示すように、開閉弁(SV)は、本体(101)と、弁体(102)と、バネ(103)と、電磁コイル(104)とを備えている。本体(101)には、冷媒の流通室(106)と弁体(102)の背部室(107)とを連通させる連通管(105)が設けられている。バネ(103)は、背部室(107)に設けられ、弁体(102)を流通室(106)側へ付勢している。電磁コイル(104)は、通電すると、電磁力が発生して弁体(102)を背部室(107)側へ引き上げるように構成されている。また、本体(101)の流通室(106)においては、通常、抵抗によって出口圧力が入口圧力よりも低くなる。
【0008】
図14の(X)に示すように、開閉弁(SV)が閉状態の場合、流通室(106)側の連通管(105)の開口が弁体(102)によって遮断されている。つまり、流通室(106)の圧力が背部室(107)へ作用しないため、弁体(102)はバネ(103)によってのみ流通室(106)側へ押し付けられている。ここで、開閉弁(SV)を開く場合、電磁コイル(104)が通電して弁体(102)が引き上げられ、連通管(105)が連通状態になる。そうすると、流通室(106)の出口側の低圧冷媒が連通管(105)を通って背部室(107)へ流れ込む。したがって、弁体(102)は、自己の重力とバネ(103)の付勢力と低圧冷媒の圧力とによって、流通室(106)側へ押し付けられる。一方、弁体(102)は、電磁コイル(104)の電磁力と流通室(106)の入口圧力とによって、背部室(107)側へ押し付けられる。
【0009】
ここで、流通室(106)における入口圧力と出口圧力の圧力差が十分大きい場合、弁体(102)に対する背部室(107)側への押し付け力が流通室(106)側への押し付け力に打ち勝つ。これにより、弁体(102)が引き上げられた状態(開状態)で固定される(図14の(Y)参照)。一方、流通室(106)における入口圧力と出口圧力の圧力差が小さいと、弁体(102)に対する流通室(106)側への押し付け力が打ち勝ち、弁体(102)が流通室(106)側へ押し戻される(図14の(Z)参照)。そうすると、流通室(106)において、入口と出口とが遮断されると共に、連通管(105)が遮断されるため、入口圧力が上昇する。これにより、再び弁体(102)が背部室(107)側へ引き上げられる。そして、これらの動作を繰り返すことにより、弁体(102)が自励振動を起こす。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電磁弁や逆心弁等の冷媒流れの制御弁が設けられた冷媒配管構造において、制御弁における自励振動の発生を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、圧縮機(21)と、該圧縮機(21)の吐出側および吸入側に接続された高圧ガス配管(11)および低圧ガス配管(12)と、一端が上記高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とに切換可能に接続され、他端が液配管(13)に接続された熱源側熱交換器(23)と、一端が上記液配管(13)に利用側膨張弁(42)を介して接続され、他端が上記高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とに第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)を介して切換可能に接続された互いに並列な複数の利用側熱交換器(41)とを備え、該各利用側熱交換器(41)が個別に冷暖房運転を行うようにした空調機を前提としている。そして、本発明は、上記各利用側熱交換器(41)の冷暖房運転の切換時に該利用側熱交換器(41)が高圧ガス配管(11)または低圧ガス配管(12)と均圧するように利用側膨張弁(42)と第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)とを制御すると共に、その制御時に第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御する均圧制御手段(50)を備えているものである。
【0012】
上記の発明では、各利用側熱交換器(41)が冷房運転を行う場合、第1電磁弁(31)が閉状態に設定され、第2電磁弁(32)が開状態に設定される。この冷房運転では、圧縮機(21)の吐出冷媒が高圧ガス配管(11)を通って熱源側熱交換器(23)へ流れ、凝縮する。凝縮した冷媒は、液配管(13)を流れて各利用側熱交換器(41)へ向かって分岐する。分岐した冷媒は、利用側膨張弁(42)で減圧された後、利用側熱交換器(41)で蒸発する。蒸発した冷媒は、第2電磁弁(32)を通って低圧ガス配管(12)へ流れ、圧縮機(21)へ吸入される。一方、各利用側熱交換器(41)が暖房運転を行う場合、第1電磁弁(31)が開状態に設定され、第2電磁弁(32)が閉状態に設定される。この暖房運転では、圧縮機(21)の吐出冷媒が高圧ガス配管(11)を流れて各利用側熱交換器(41)へ向かって分岐する。分岐した冷媒は、第1電磁弁(31)を通って利用側熱交換器(41)へ流れ、凝縮する。凝縮した冷媒は、液配管(13)を通って熱源側熱交換器(23)で蒸発した後、低圧ガス配管(12)を通って圧縮機(21)へ吸入される。
【0013】
そして、本発明では、均圧制御手段(50)によって各利用側熱交換器(41)の冷暖房の切換時に利用側熱交換器(41)が均圧される。つまり、冷媒運転から暖房運転へ切り換える場合、利用側熱交換器(41)を高圧ガス配管(11)に均圧させ、暖房運転から冷房運転へ切り換える場合、利用側熱交換器(41)を低圧ガス配管(12)に均圧させるように第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)と利用側膨張弁(42)が制御される。ところが、この制御時において、
ここで、図2に示すように、電磁弁(31,32)において、流量および入口圧力が一定の範囲内であるときに自励振動(チャタリング音)が発生することが分かった。したがって、上述した均圧制御が第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)における入口圧力等を何ら考慮せずに行われると、電磁弁(31,32)で自励振動が生じるおそれがある。そこで、本発明では、上述した均圧制御時に、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力が所定値以上に制御される。つまり、この入口圧力の所定値は、例えば、図2に示す自励振動が発生する上限の圧力以上に設定される。これにより、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)において、自励振動の発生が防止され、その自励振動に起因するチャタリング音の発生が防止される。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記均圧制御手段(50)が、圧縮機(21)の容量制御を行うことによって第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御するように構成されているものである。
【0015】
上記の発明では、均圧制御時に、圧縮機(21)の運転周波数が調節されて、自励振動の発生が防止または抑制される所定圧力以上に各電磁弁(31,32)の入口圧力が維持される。
【0016】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記入口圧力の所定値が第1所定値と該第1所定値より高い第2所定値である。そして、上記均圧制御手段(50)は、冷房から暖房へ切り換える場合、圧縮機(21)の容量制御を行って第2電磁弁(32)の入口圧力を上記第1所定値以上に制御した後に、該第2電磁弁(32)および利用側膨張弁(42)を閉じ、続いて、第1電磁弁(31)を開くと共に圧縮機(21)の容量制御を行って第1電磁弁(31)の入口圧力を上記第2所定値以上に制御した後に、利用側膨張弁(42)を閉じるように構成されているものである。
【0017】
上記の発明では、例えば図7に示すように、第1所定値が圧力P1に、第2所定値が圧力P2に設定される。この圧力P1は、この値以上であれば、チャタリング音が発生しても聴感上問題のないレベルとなる値である。圧力P2は、自励振動が発生しうる上限の圧力である。したがって、各電磁弁(31,32)の入口圧力を圧力P1以上に制御すれば、チャタリング音が発生しても殆ど聞こえない。
【0018】
上記均圧制御では、図7に示すように、先ず、第2電磁弁(32)および利用側膨張弁(42)が閉じられると、チャタリング音発生領域(チャタリングエリア)を通過するが、第2電磁弁(32)の入口圧力がP1以上に制御されているので、第2電磁弁(32)で発生するチャタリング音は聞こえない。次に、第1電磁弁(31)が開くと、利用側熱交換器(41)が高圧ガス配管(11)に連通して均圧される。続いて、利用側膨張弁(42)が開くと、第1電磁弁(31)の流量が増大し、暖房運転に切り換わる。その際、第1電磁弁(31)の入口圧力はP2以上に制御されているため、即ちチャタリングエリア外を通過するため、第1電磁弁(31)で自励振動およびチャタリング音は発生しない。
【0019】
第4の発明は、上記第1または第2の発明において、上記入口圧力の所定値が第1所定値と該第1所定値より高い第2所定値である。そして、上記均圧制御手段(50)は、暖房から冷房へ切り換える場合、圧縮機(21)の容量制御を行って第1電磁弁(31)の入口圧力を上記第2所定値以上に制御した後に、該第1電磁弁(31)および利用側膨張弁(42)を閉じ、続いて、第2電磁弁(32)を開くと共に圧縮機(21)の容量制御を行って第2電磁弁(32)の入口圧力を上記第1所定値以上に制御した後に、利用側膨張弁(42)を閉じるように構成されているものである。
【0020】
上記の発明では、例えば図11に示すように、第1所定値が圧力P1に、第2所定値が圧力P2に設定される。この圧力P1は、この値以上であれば、チャタリング音が発生しても聴感上問題のないレベルとなる値である。圧力P2は、自励振動が発生しうる上限の圧力である。したがって、各電磁弁(31,32)の入口圧力を圧力P1以上に制御すれば、チャタリング音が発生しても殆ど聞こえない。
【0021】
上記均圧制御では、図11に示すように、予め第1電磁弁(31)の入口圧力がP2以上に制御されているので、第1電磁弁(31)および利用側膨張弁(42)が閉じられると、チャタリング音発生領域(チャタリングエリア)外を通過する。次に、第2電磁弁(32)が開くと、利用側熱交換器(41)が低圧ガス配管(12)に連通して均圧される。続いて、利用側膨張弁(42)が開くと、第2電磁弁(32)の流量が増大し、冷房運転に切り換わる。その際、チャタリングエリアを通過するが、第2電磁弁(32)の入口圧力がP2以上に制御されているため、第2電磁弁(32)で発生するチャタリング音は聞こえない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、冷暖房切換時に第1電磁弁(31)や第2電磁弁(32)等を切り換えて行う均圧制御において、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を自励振動が発生しない、または抑制される所定値以上に制御するようにした。これにより、電磁弁(31,32)における自励振動を防止または抑制することができる。したがって、自励振動に起因するチャタリング音の騒音を防止または抑制することができる。その結果、電磁弁(31,32)に防音材等を設けなくても済むため、材料コストを低減することができる。
【0023】
また、第2の発明によれば、圧縮機(21)の容量制御によって電磁弁(31,32)の入口圧力を制御するようにしたので、簡易な制御によってチャタリング音の損音を防止または抑制することができる。
【0024】
また、第3または第4の発明によれば、利用側膨張弁(42)、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の切換タイミングを具体的に定め、そのタイミングに合わせて第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御するようにした。したがって、確実に利用側熱交換器(41)を均圧させつつ、電磁弁(31,32)における自励振動を防止または抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態1の空調機(10)は、ビル等に設けられ、各室内を冷暖房するものである。この空調機(10)は、室外ユニット(20)と、2台のBSユニット(30A,30B)と、2台の室内ユニット(40A,40B)とを備えている。そして、これら室外ユニット(20)等が冷媒配管である連絡配管で接続されて冷媒回路(R)を構成している。この冷媒回路(R)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
【0027】
上記室外ユニット(20)は、本実施形態の熱源ユニットを構成している。室外ユニット(20)は、冷媒配管である、主管(2c)と第1分岐管(2d)と第2分岐管(2e)を備えている。また、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)および2つの電磁弁(26,27)を備えている。
【0028】
上記主管(2c)は、一端が室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である液配管(13)に接続され、他端が第1分岐管(2d)と第2分岐管(2e)の一端に接続されている。第1分岐管(2d)の他端は、室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である高圧ガス配管(11)に接続されている。第2分岐管(2e)の他端は、室外ユニット(20)外に配設された連絡配管である低圧ガス配管(12)に接続されている。
【0029】
上記圧縮機(21)は、冷媒を圧縮するための流体機械であり、例えば高圧ドーム型のスクロール式圧縮機により構成されている。圧縮機(21)の吐出管(2a)は、第1分岐管(2d)の途中に接続され、吸入管(2b)は、第2分岐管(2e)の途中に接続されている。なお、吸入管(2b)には、アキュムレータ(22)が設けられている。
【0030】
上記室外熱交換器(23)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、主管(2c)の途中に設けられている。室外膨張弁(24)は、電子膨張弁により構成され、主管(2c)における室外熱交換器(23)よりも液配管(13)側に設けられている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(25)が設けられている。そして、室外熱交換器(23)は、冷媒が室外ファン(25)によって取り込まれた空気と熱交換するように構成されている。
【0031】
上記2つの電磁弁(26,27)は、第1電磁弁(26)および第2電磁弁(27)である。第1電磁弁(26)は、第1分岐管(2d)における吐出管(2a)の接続点よりも室外熱交換器(23)側に設けられている。第2電磁弁(27)は、第2分岐管(2e)における吸入管(2b)の接続点よりも室外熱交換器(23)側に設けられている。これら電磁弁(26,27)は、冷媒流れを許容または遮断する制御弁を構成している。
【0032】
上記各室内ユニット(40A,40B)は、本実施形態の利用ユニットを構成している。各室内ユニット(40A,40B)は、連絡配管である中間配管(17)によって上記各BSユニット(30A,30B)に接続されている。つまり、第1室内ユニット(40A)および第1BSユニット(30A)が、第2室内ユニット(40B)および第2BSユニット(30B)がそれぞれ一対となって接続されている。一方、第1室内ユニット(40A)は、液配管(13)が接続されている。第2室内ユニット(40B)は、液配管(13)の途中から分岐した分岐液配管(16)が接続されている。
【0033】
上記各室内ユニット(40A,40B)は、冷媒配管で互いに接続された室内熱交換器(41)と室内膨張弁(42)を備えている。室内熱交換器(41)は、中間配管(17)に接続されている。第1室内ユニット(40A)の室内膨張弁(42)は液配管(13)に接続され、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)は分岐液配管(16)に接続されている。室内熱交換器(41)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内膨張弁(42)は、電子膨張弁により構成されている。室内熱交換器(41)の近傍には、室内ファン(43)が設けられている。そして、室内熱交換器(41)は、冷媒が室内ファン(43)によって取り込まれた空気と熱交換するように構成されている。
【0034】
上記第1BSユニット(30A)には、中間配管(17)の他に、高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とが接続されている。第1BSユニット(30A)において、中間配管(17)と高圧ガス配管(11)と低圧ガス配管(12)とは合流して接続されている。そして、第1BSユニット(30A)において、高圧ガス配管(11)には第1電磁弁(31)が設けられ、低圧ガス配管(12)には第2電磁弁(32)が設けられている。
【0035】
上記第2BSユニット(30B)には、中間配管(17)の他に、高圧ガス配管(11)の途中から分岐した分岐高圧ガス配管(14)と、低圧ガス配管(12)の途中から分岐した分岐低圧ガス配管(15)とが接続されている。そして、第2BSユニット(30B)において、分岐高圧ガス配管(14)には第1電磁弁(31)が設けられ、分岐低圧ガス配管(15)には第2電磁弁(32)が設けられている。なお、液配管(13)は第1BSユニット(30A)内を通過し、分岐液配管(16)は第2BSユニット(30B)内を通過している。
【0036】
上記各BSユニット(30A,30B)の電磁弁(31,32)は、冷媒流れを許容または遮断する制御弁を構成している。そして、これら電磁弁(31,32)は、開閉切換によって冷媒流れを切り換え、各室内ユニット(40A,40B)において冷暖房を切り換えるためのものである。例えば、室内ユニット(40A,40B)が冷房時の場合、第1電磁弁(31)が閉状態に第2電磁弁(32)が開状態に設定され、室内熱交換器(41)で蒸発した冷媒が低圧ガス配管(12)へ流れる。また、室内ユニット(40A,40B)が暖房時の場合、第1電磁弁(31)が開状態に第2電磁弁(32)が閉状態に設定され、高圧ガス配管(11)からガス冷媒が室内熱交換器(41)へ流れて凝縮(放熱)する。
【0037】
上記空調機(10)には、各種圧力センサ(28,29,44)が設けられている。具体的に、圧縮機(21)の吐出管(2a)には、圧縮機(21)の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ(28)が設けられている。圧縮機(21)の吸入管(2b)には、アキュムレータ(22)よりも上流に圧縮機(21)の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ(29)が設けられている。また、室内熱交換器(41)と室内膨張弁(42)の間には、室内熱交換器(41)の圧力を検出する熱交圧力センサ(44)が設けられている。
【0038】
また、上記空調機(10)は、コントローラ(50)を備えている。このコントローラ(50)は、少なくとも一方の室内ユニット(40A,40B)の冷暖房運転を切り換える際に、均圧運転を行う均圧制御手段を構成している。この均圧運転は、冷房から暖房へ切り換える場合は室内熱交換器(41)が高圧ガス配管(11)と均圧するように、暖房から冷房へ切り換える場合は室内熱交換器(41)が低圧ガス配管(12)と均圧するように、室内膨張弁(42)と第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)とが制御される。そして、上記コントローラ(50)は、上述した均圧運転時に、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)における自励振動(チャタリング音)を抑制するように構成されている。
【0039】
ここで、本願の発明者らは、電磁弁において、チャタリング音の発生が流量および入口圧力と関係があることを実験によって発見した。つまり、図2に示すように、チャタリング音は、電磁弁における流量と入口圧力が一定の範囲内であるときに発生している。具体的に、本図では、概ね、入口圧力が低い領域ではチャタリング音が発生しうる流量の範囲が広く、入口圧力が高い領域ではチャタリング音が発生しうる流量の範囲が狭いことが分かる。以下、このチャタリング音の発生領域は「チャタリングエリア」という。
【0040】
上記コントローラ(50)には、圧力入力部(51)と、圧縮機制御部(52)と、弁操作部(53)とが設けられている。
【0041】
上記圧力入力部(51)は、均圧運転時に吐出圧力センサ(28)、吸入圧力センサ(29)および熱交圧力センサ(44)の各検出圧力が入力される。上記弁操作部(53)は、均圧運転において、室内膨張弁(42)と第1電磁弁(31)と第2電磁弁(32)の開閉切換を行うものである。
【0042】
上記圧縮機制御部(52)は、均圧運転において、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を所定値以上に制御する圧力制御手段を構成している。ここで、第1電磁弁(31)の入口圧力は、圧縮機(21)の吐出管(2a)側から第1電磁弁(31)に流入する冷媒圧力である。第2電磁弁(32)の入口圧力は、室内熱交換器(41)側から第2電磁弁(32)に流入する冷媒圧力である。
【0043】
また、本実施形態では、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力として、熱交圧力センサ(44)の検出圧力が用いられる。そして、熱交圧力センサ(44)が故障等により検出不可の場合、吐出圧力センサ(28)の検出圧力が第1電磁弁(31)の入口圧力として代用され、吸入圧力センサ(29)の検出圧力が第2電磁弁(32)の入口圧力として代用される。
【0044】
−運転動作−
次に、上記空調機(10)の運転動作を図面に基づいて説明する。この空調機(10)では、2つの室内ユニット(40A,40B)の双方が冷房または暖房を行う運転と、一方が冷房を行い他方が暖房を行う運転がある。
【0045】
〈冷房運転〉
上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)の双方が冷房を行う場合について、図1を参照しながら説明する。この冷房運転の場合、室外ユニット(20)では、第1電磁弁(26)が開状態に、第2電磁弁(27)が閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態にそれぞれ設定される。各BSユニット(30A,30B)では、第1電磁弁(31)が閉状態に、第2電磁弁(32)が開状態にそれぞれ設定される。各室内ユニット(40A,40B)では、室内膨張弁(42)が適切な開度に設定される。
【0046】
上記の状態において、圧縮機(21)を駆動すると、該圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が第1分岐管(2d)を通って室外熱交換器(23)へ流れる。室外熱交換器(23)では、冷媒が室外ファン(25)によって取り込まれた空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、主管(3c)を通って室外ユニット(20)外へ流れ、液配管(13)へ流入する。液配管(13)の冷媒は、一部が分岐液配管(16)へ流れて第2室内ユニット(40B)へ流入し、残りが第1室内ユニット(40A)へ流入する。
【0047】
上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)では、冷媒が室内膨張弁(42)で減圧された後、室内熱交換器(41)へ流れる。室内熱交換器(41)では、冷媒が室内ファン(43)によって取り込まれた空気と熱交換して蒸発する。これにより、空気が冷却され、室内の冷房が行われる。そして、室内熱交換器(41)で蒸発したガス冷媒は、各室内ユニット(40A,40B)外へ流れ、中間配管(17)を通って各BSユニット(30A,30B)へ流入する。
【0048】
上記第1BSユニット(30A)では、ガス冷媒が中間配管(17)から低圧ガス配管(12)へ流入する。第2BSユニット(30B)では、ガス冷媒が中間配管(17)から分岐低圧ガス配管(15)へ流入し、低圧ガス配管(12)へ流れる。低圧ガス配管(12)のガス冷媒は、室外ユニット(20)へ流入し、吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻り、この循環が繰り返される。
【0049】
〈暖房運転〉
上記第1室内ユニット(40A)および第2室内ユニット(40B)の双方が暖房を行う場合について、図3を参照しながら説明する。この暖房運転の場合、室外ユニット(20)では、第1電磁弁(26)が閉状態に、第2電磁弁(27)が開状態に、室外膨張弁(24)が適切な開度にそれぞれ設定される。各BSユニット(30A,30B)では、第1電磁弁(31)が開状態に、第2電磁弁(32)が閉状態にそれぞれ設定される。各室内ユニット(40A,40B)では、室内膨張弁(42)が全開状態に設定される。
【0050】
上記の状態において、圧縮機(21)を駆動すると、該圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が室外ユニット(20)外へ流れ、高圧ガス配管(11)へ流入する。高圧ガス配管(11)の冷媒は、一部が分岐高圧ガス配管(14)から第2BSユニット(30B)へ流入し、残りが第1BSユニット(30A)へ流入する。各BSユニット(30A,30B)へ流入した冷媒は、中間配管(17)を通って各室内ユニット(40A,40B)へ流入する。
【0051】
上記各室内ユニット(40A,40B)では、冷媒が空気と熱交換して凝縮する。これにより、空気が加熱され、室内の暖房が行われる。第1室内ユニット(40A)で凝縮した冷媒は、液配管(13)へ流れる。第2室内ユニット(40B)で凝縮した冷媒は、分岐液配管(16)を通って液配管(13)へ流入する。液配管(13)の冷媒は、室外ユニット(20)へ流入し、主管(2c)を流れる。この主管(2c)の冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)へ流入する。室外熱交換器(23)では、冷媒が空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒は、第2分岐管(2e)および吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻り、この循環が繰り返される。
【0052】
〈冷暖房運転〉
次に、一方の室内ユニット(40A,40B)で冷房を行い、他方の室内ユニット(40A,40B)で暖房を行う場合について説明する。
【0053】
先ず、上記第1室内ユニット(40A)で冷房が行われ、第2室内ユニット(40B)で暖房が行われる運転(以下、冷暖房運転1という)について説明する。なお、ここでは、上記冷房運転と異なる点について説明する。
【0054】
この冷暖房運転1の場合、図4に示すように、上述した冷房運転の状態において、第2BSユニット(30B)の第1電磁弁(31)が開状態に、第2電磁弁(32)が閉状態にそれぞれ設定される。また、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)が全開状態に設定される。そうすると、圧縮機(21)から吐出された高圧のガス冷媒は、一部が第1分岐管(2d)へ、残りが高圧ガス配管(11)へそれぞれ流れる。高圧ガス配管(11)へ流れた冷媒は、分岐高圧ガス配管(14)から第2BSユニット(30B)および中間配管(17)を通り、第2室内ユニット(40B)の室内熱交換器(41)へ流れる。第2室内ユニット(40B)の室内熱交換器(41)では、冷媒が空気と熱交換して凝縮する。これにより、空気が加熱され、室内の暖房が行われる。第2室内ユニット(40B)で凝縮した冷媒は、分岐液配管(16)を通って液配管(13)へ流入し、室外ユニット(20)からの冷媒と合流する。合流後の冷媒は、そのまま液配管(13)を流れ、第1室内ユニット(40A)で蒸発する。これにより、室内の冷房が行われる。
【0055】
次に、上記第1室内ユニット(40A)で暖房が行われ、第2室内ユニット(40B)で冷房が行われる運転(以下、冷暖房運転2という)について説明する。なお、ここでは、上記暖房運転と異なる点について説明する。
【0056】
この冷暖房運転2の場合、図5に示すように、上述した暖房運転の状態において、第2BSユニット(30B)の第1電磁弁(31)が閉状態に、第2電磁弁(32)が開状態にそれぞれ設定される。また、第2室内ユニット(40B)の室内膨張弁(42)が適切な開度に設定される。そうすると、圧縮機(21)から高圧ガス配管(11)へ流れた冷媒の全量が第1BSユニット(30A)へ流入する。この第1BSユニット(30A)を流れた冷媒は、第1室内ユニット(40A)へ流れて凝縮する。これにより、第1室内ユニット(40A)で暖房が行われる。第1室内ユニット(40A)で凝縮した冷媒は、液配管(13)へ流れる。液配管(13)の冷媒は、一部が分岐液配管(16)を通って第2室内ユニット(40B)へ流入し、残りが室外ユニット(20)へ流入する。第2室内ユニット(40B)では、冷媒が室内膨張弁(42)で減圧された後、室内熱交換器(41)で蒸発する。これにより、第2室内ユニット(40B)で冷房が行われる。第2室内ユニット(40B)で蒸発したガス冷媒は、中間配管(17)、第2BSユニット(30B)および分岐低圧ガス配管(15)を順に通って低圧ガス配管(12)へ流入する。低圧ガス配管(12)の冷媒は、室外ユニット(20)の第2分岐管(2e)へ流入し、室外熱交換器(23)からの冷媒と合流する。合流後の冷媒は、吸入管(2b)を通って再び圧縮機(21)へ戻る。
【0057】
〈均圧運転1〉
次に、上述した冷房運転の状態から冷暖房運転1に切り換える際に行う均圧運転1について、図6〜図8を参照しながら説明する。なお、以下に言う、第1電磁弁(31)、第2電磁弁(32)、室内膨張弁(42)および熱交圧力センサ(44)等は、第2BSユニット(30B)および第2室内ユニット(40B)におけるものである。
【0058】
この均圧運転1では、コントローラ(50)が図6に示す制御を行う。先ず、ステップS1において、熱交圧力センサ(44)の検出圧力が所定圧力P1以上になるように、圧縮機制御部(52)が圧縮機(21)の運転周波数を制御する。例えば、圧力入力部(51)に入力された熱交圧力センサ(44)の検出圧力が圧力P1より低い場合(図7のA点)、圧縮機(21)の運転周波数が増大されて熱交圧力センサ(44)の検出圧力が圧力P1以上となる(図7のB点)。つまり、第2電磁弁(32)の入口圧力がP1以上となる。
【0059】
ここで、電磁弁は、入口圧力が高いほど自励振動周波数は高くなり、弁体の変位が小さくなる。これにより、配管内の音圧変化が小さくなり、音(チャタリング音)が小さくなる。本実施形態において、所定圧力P1は、自励振動自体は生じるが、それによって発生するチャタリング音が聴感上影響のない圧力に設定されている。つまり、チャタリングエリアにおける圧力P1以上の領域では、チャタリング音自体は発生するが人間の耳には聞こえない。なお、図7に示すチャタリングエリアは、図2で示したものを説明し易く概略的に記載したもので、後述する図9、図11、図13についても同様である。
【0060】
ステップS2では、弁操作部(53)が第2電磁弁(32)と室内膨張弁(42)を閉じる。なお、これら第2電磁弁(32)および室内膨張弁(42)が閉じられると、上述した圧縮機制御部(52)の制御が解除される。そうすると、第2電磁弁(32)において、入口圧力が図7のB点における圧力のままで、流量がゼロになる(図7のC点)。つまり、図7において、B点からC点に推移する際、チャタリングエリアを通過するが、第2電磁弁(32)の入口圧力がP1以上であるため、チャタリング音は発生するが殆ど聞こえない。
【0061】
ステップS3では、弁操作部(53)が第1電磁弁(31)を開く。これにより、図8に示すように、圧縮機(21)の吐出冷媒が分岐高圧ガス配管(14)および中間配管(17)を通じて室内熱交換器(41)へ流れ込む。これにより、室内熱交換器(41)等が高圧ガス配管(11)と同じ高圧状態に均圧される。続いて、ステップS4において、熱交圧力センサ(44)の検出圧力が所定圧力P2以上になるように、圧縮機制御部(52)が圧縮機(21)の運転周波数を制御する。これにより、第1電磁弁(31)の入口圧力がP2以上となる(図7のD点)。ここで、所定圧力P2は、チャタリングエリアにおける最高の入口圧力である。つまり、所定圧力P2以上では、第1電磁弁(31)において自励振動が生じない領域となる。なお、所定圧力P1およびP2は、本発明に係る第1所定値および第2所定値である。
【0062】
ステップS5では、弁操作部(53)が室内膨張弁(42)を開く。なお、室内膨張弁(42)が開くと、上述した圧縮機制御部(52)の制御が再び解除される。そうすると、第1電磁弁(31)において、入口圧力が図7のD点における圧力のまま、流量が所定値まで上昇する(図7のE点)。つまり、図7において、D点からE点に推移する際は、チャタリングエリア外を通過するため、第1電磁弁(31)において自励振動およびチャタリング音は発生しない。また、室内膨張弁(42)が開くと、図4に示すように、冷媒が室内熱交換器(41)を流通するが、この室内熱交換器(41)は予め均圧されているため、冷媒の通過音は発生しない。その後、圧縮機(21)等は通常運転時の制御が行われ、例えば、熱交圧力センサ(44)の検出圧力(即ち、第1電磁弁(31)の入口圧力)が圧力P2より低くなる(図7のF点)。
【0063】
以上のように、本実施形態の均圧運転1では、第2電磁弁(32)の入口圧力が所定圧力P1以上となるように、第1電磁弁(31)の入口圧力が所定圧力P2以上となるように制御した。つまり、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)において、入口圧力を聴感上問題のないチャタリング音となる圧力以上に維持するようにした。したがって、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)において、チャタリング音の騒音を防止することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、ステップS1およびステップS4において、圧縮機(21)の運転周波数を制御したが、これに代えて、室外膨張弁(24)の開度を制御して熱交圧力センサ(44)の検出圧力がP1またはP2以上になるようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、ステップS4において、第1電磁弁(31)の入口圧力が所定圧力P2以上になるように圧縮機(21)を制御するようにしたが、これに代えて、図9に示すように制御してもよい。
【0066】
具体的に、第1電磁弁(31)を開いた時点でその入口圧力が圧力P1より高いければ(図9のD点)、ステップS4を省略してステップS5へ移行する。そして、ステップS5において、弁操作部(53)により室内膨張弁(42)が開かれると同時に、圧縮機(21)等が通常運転の制御で運転される(図9のF点)。この場合、図9において、D点からF点に推移する際に、チャタリングエリアを通過することになるが、第1電磁弁(31)の入口圧力はP1より高いため、第1電磁弁(31)においてチャタリング音は聞こえない。
【0067】
〈均圧運転2〉
次に、上述した暖房運転の状態から冷暖房運転2に切り換える際に行う均圧運転2について、図10〜図12を参照しながら説明する。なお、以下に言う、第1電磁弁(31)、第2電磁弁(32)、室内膨張弁(42)および熱交圧力センサ(44)等は、第2BSユニット(30B)および第2室内ユニット(40B)におけるものである。
【0068】
この均圧運転2では、コントローラ(50)が図10に示す制御を行う。先ず、ステップS1において、熱交圧力センサ(44)の検出圧力が所定圧力P2以上になるように、圧縮機制御部(52)が圧縮機(21)の運転周波数を制御する。例えば、圧力入力部(51)に入力された熱交圧力センサ(44)の検出圧力がP2より低い場合(図11のF点)、圧縮機(21)の運転周波数が増大されて熱交圧力センサ(44)の検出圧力がP2以上となる(図11のE点)。つまり、第1電磁弁(31)の入口圧力がP2以上となる。
【0069】
ステップS2では、弁操作部(53)によって第1電磁弁(31)と室内膨張弁(42)が閉じられる。なお、これら第1電磁弁(31)および室内膨張弁(42)が閉じられると、上述した圧縮機制御部(52)の制御が解除される。そうすると、第1電磁弁(31)において、入口圧力が図11のE点における圧力のままで、流量がゼロになる(図11のD点)。つまり、図11において、E点からD点に推移する際は、チャタリングエリア外を通過するため、第1電磁弁(31)において自励振動およびチャタリング音は発生しない。
【0070】
ステップS3では、弁操作部(53)が第2電磁弁(32)を開く。これにより、図12に示すように、圧縮機(21)の吸入側と室内熱交換器(41)とが連通し、室内熱交換器(41)が低圧状態に均圧される。ここで、ステップS4において、熱交圧力センサ(44)の検出圧力が所定圧力P1より低下しないように、圧縮機制御部(52)が圧縮機(21)の運転周波数を制御する。これにより、第2電磁弁(32)の入口圧力がP1以上に維持される(図11のC点)。
【0071】
ステップS5では、弁操作部(53)が室内膨張弁(42)を開く。なお、室内膨張弁(42)が開くと、上述した圧縮機制御部(52)の制御が再び解除される。そうすると、第2電磁弁(32)において、入口圧力が図11のD点における圧力のまま、流量が所定値まで上昇する(図11のB点)。つまり、図11において、C点からB点に推移する際、チャタリングエリアを通過するが、第2電磁弁(32)の入口圧力がP1以上であるため、聴感上問題のないチャタリング音が発生する。その後、圧縮機(21)等は通常運転時の制御が行われ、例えば、熱交圧力センサ(44)の検出圧力(即ち、第2電磁弁(32)の入口圧力)が所定圧力P1より低くなる(図11のA点)。
【0072】
以上のように、本実施形態の均圧運転2においても、第2電磁弁(32)の入口圧力が所定圧力P1以上となるように、第1電磁弁(31)の入口圧力が所定圧力P2以上となるように制御した。つまり、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)において、入口圧力を聴感上問題のないチャタリング音となる圧力以上に維持するようにした。したがって、第1電磁弁(31)において、チャタリング音の騒音を防止することができる。
【0073】
なお、上記均圧運転2では、ステップS1およびステップS4において、熱交圧力センサ(44)の検出圧力がP2以上またはP1より低くならないように圧縮機(21)の運転周波数を制御したが、これに代えて、室外膨張弁(24)の開度を制御するようにしてもよい。
【0074】
また、上記均圧運転2では、ステップS1において、第1電磁弁(31)の入口圧力が所定圧力P2以上になるように圧縮機(21)を制御するようにしたが、これに代えて、図13に示すように制御してもよい。
【0075】
具体的に、熱交圧力センサ(44)の検出圧力がP1より高い場合、上述したステップS1の制御を省略して、ステップS2へ移行する。つまり、第1電磁弁(31)の入口圧力がP1より高くP2より低い状態(図13のF点)において、弁操作部(53)によって第1電磁弁(31)および室内膨張弁(42)が閉じられる(図13のD点)。この場合、図13において、F点からD点に推移する際に、チャタリングエリアを通過することになるが、第1電磁弁(31)の入口圧力はP1より高いため、第1電磁弁(31)で発生するチャタリング音は聞こえない。
【0076】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、均圧制御において、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の入口圧力を自励振動が発生しない圧力に、または発生するが聴感上問題のないチャタリング音となる圧力に制御するようにした。これにより、電磁弁(31,32)における自励振動を防止または抑制することができる。したがって、自励振動に起因するチャタリング音の騒音を防止または抑制することができる。その結果、電磁弁(31,32)に防音材等を設けなくても済むため、材料コストを低減することができる。
【0077】
また、圧力P2より低い圧力P1を設定するようにしたので、例えば均圧運転1において、第2電磁弁(32)の入口圧力を圧力P2まで上昇させなくても済む。つまり、圧縮機(21)の運転周波数を大幅に増大させなくてもよいため、圧縮機(21)を含めて回路全体に急激な負荷を与えることはない。したがって、信頼性の高い均圧制御を行うことができる。
【0078】
また、圧縮機(21)の容量制御によって電磁弁(31,32)の入口圧力を制御するようにしたので、簡易な制御によってチャタリング音の損音を防止または抑制することができる。
【0079】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0080】
例えば、上記均圧運転1において、第2電磁弁(32)の入口圧力を圧力P1以上に制御するようにしたが、圧力P2以上に制御するようにしてもよい。つまり、この場合、第1電磁弁(31)および第2電磁弁(32)の双方の入口圧力が圧力P2以上に維持され、電磁弁(31,32)の状態がチャタリングエリア外となる。したがって、確実に電磁弁(31,32)における自励振動を防止でき、チャタリング音の発生を防止できる。
【0081】
また、上記実施形態では、室内ユニット(40A,40B)およびBSユニット(30A,30B)が各2台設けられた形態について説明したが、各3台以上有する形態であっても同様に電磁弁(31,32)のチャタリング音を抑制することができる。
【0082】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明は、複数の室内ユニットを有し、各室内ユニットの冷暖を個別に切り換えるための電磁弁を備えた空調機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】空調機の全体構成を示すと共に、冷房運転の動作を示す冷媒回路図である。
【図2】流量および入口圧力とチャタリング音の発生との関係を示す図である。
【図3】暖房運転の動作を示す冷媒回路図である。
【図4】冷暖房運転1の動作を示す冷媒回路図である。
【図5】冷暖房運転2の動作を示す冷媒回路図である。
【図6】均圧運転1の制御動作を示すフロー図である。
【図7】均圧運転1における電磁弁の流量および入口圧力の変化を示す図である。
【図8】均圧運転1の均圧動作を示す冷媒回路図である。
【図9】均圧運転1における電磁弁の流量および入口圧力の変化を示す図である。
【図10】均圧運転2の制御動作を示すフロー図である。
【図11】均圧運転2における電磁弁の流量および入口圧力の変化を示す図である。
【図12】均圧運転2の均圧動作を示す冷媒回路図である。
【図13】均圧運転2における電磁弁の流量および入口圧力の変化を示す図である。
【図14】電磁弁における自励振動の発生原理について説明するための図である。
【符号の説明】
【0085】
10 空調機
11 高圧ガス配管
12 低圧ガス配管
13 液配管
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
31 第1電磁弁
32 第2電磁弁
41 室内熱交換器(利用側熱交換器)
42 室内膨張弁(利用側膨張弁)
50 コントローラ(均圧制御手段)
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−2740(P2008−2740A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171752(P2006−171752)