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【発明の名称】 空調システム
【発明者】 【氏名】河村 貢

【氏名】荒井 義人

【氏名】高橋 満博

【氏名】早川 浩厚

【要約】 【課題】新たに設ける設備を最低限に抑えながら、省エネルギーで、効率よく活用できる空調システムを提供する。

【構成】機器を上下に搭載したラックLが整列したラック列L1〜L4を複数並べて設置した機器室等を空調部1により空調する空調システムASにおいて、機器の電流値をラックL毎に管理する機器配電盤Pと、機器配電盤Pの管理する電流値からラックL毎の機器発熱量の予測値を演算し、予測値により空調部を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を上下に搭載したラックが整列したラック列を複数並べて設置した機器室等を空調部により空調する空調システムにおいて、前記機器の電流値を前記ラック毎に管理する機器配電盤と、前記機器配電盤の管理する前記電流値から前記ラック毎の機器発熱量の予測値を演算し、前記予測値により空調部を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
前記空調システムは、室温センサを備え、前記制御装置は、前記室温センサの検出する検出値により前記空調部を制御することを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記空調部は、前記ラック列間に一つおきに送風する空調機を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記空調部は、前記ラック列間に一つおきに機器室内に送風する空気風量を調整する空気風量調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空調システム。
【請求項5】
前記空気風量調整手段は、前記ラック毎に備えることを特徴とする請求項4に記載の空調システム。
【請求項6】
前記機器室等は、床下チャンバを備え、前記空気風量調整手段は、床面に設置されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の空調システム。
【請求項7】
前記空調部は、前記ラック列間の前記空気風量調整手段の無い側に機器室外に送風する排気手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の空調システム。
【請求項8】
前記機器室等は、天井チャンバを備え、前記排気手段は、天井面に設置されることを特徴とする請求項7に記載の空調システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ等による発熱密度の高い部屋の空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、サーバ等の機器は、ラック内に多段に収容され、このラックは、ラック列として並べられ、機器室内に設置されている。
【0003】
近年、インターネット等の普及により、通信・情報設備が充実するにつれて、サーバの電力・熱負荷密度は、約5〜6KW/m2に急速に上昇し、ブレード型サーバでは更に10〜11KW/m2程度となっている。
【0004】
このような電力・熱負荷密度が高い部屋の空調システムとして、従来、サーバ等の機器を搭載したラック列間の各通路空間部の上方に局所冷却装置を、ラックの上部に送風機を設置し、局所冷却装置からの低温の空調空気が開口部内からラック内に取り入れられ、機器からの排熱が送風機により局所的に処理される空調システムがある(特許文献1)。
【0005】
この発明によれば、局所冷却装置がラックとは分離、独立して設置されているので、一部の局所冷却装置に故障が発生しても静圧の変動が少なく、また、既存の設備への対応も容易でメンテナンス性も良好となる。
【特許文献1】特開2003−166729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような空調システムでは、局所冷却装置を新たに設置する必要があり、メンテナンス等の管理が必要となっていた。また、サーバ等の負荷に対して、局所冷却装置自体にかかる負荷がさらに加わることとなり、結果的に効率の悪いものとなっていた。さらに、3台ほどのラック一組に対して局所冷却装置を1台設置する構造なので、ラック1台毎の集中的な冷却ができず、効率が悪かった。
【0007】
本発明は上記課題を解決し、新たに設ける設備を最低限に抑えながら、省エネルギーで、効率よく活用できる空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するものであって、機器を上下に搭載したラックが整列したラック列を複数並べて設置した機器室等を空調部により空調する空調システムにおいて、前記機器の電流値を前記ラック毎に管理する機器配電盤と、前記機器配電盤の管理する前記電流値から前記ラック毎の機器発熱量の予測値を演算し、前記予測値により空調部を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記空調システムは、室温センサを備え、前記制御装置は、前記室温センサの検出する検出値により前記空調部を制御することを特徴とする。
【0010】
また、前記空調部は、前記ラック列間に一つおきに送風する空調機を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、前記空調部は、前記ラック列間に一つおきに機器室内に送風する空気風量調整手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記空気風量調整手段は、前記ラック毎に備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記機器室等は、床下チャンバを備え、前記空気風量調整手段は、床面に設置されることを特徴とする。
【0014】
また、前記空調部は、前記ラック列間の前記空気風量調整手段の無い側に機器室外に送風する排気手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記機器室等は、天井チャンバを備え、前記排気手段は、天井面に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機器配電盤の管理情報を空調システムの制御に適用することで、新たに設ける設備を最低限に抑えながら、省エネルギーで、効率よく活用することができる。また、空気風量調整手段をラック毎に設けることで、ラック1台毎に対する制御を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して空調システムの実施形態を説明する。図1は本実施形態である空調システムの概念図を示す。なお、実際の空調機はラック列と平行に送風するように設置されているが、図1では便宜上位置を変更している。図中、1は空調部、2は空調機、3は空気風量調整手段の一例としてのVAVグレーチング吹出口、4は吹出口、5はダンパ、6は排気手段の一例としての排気ファン、7は室温センサ、7aはクール室温センサ、7bはホット室温センサ、10は室、11は機器室、11aはクールコリドー、11bはホットコリドー、12はレタンチャンバ、13は床下チャンバ、14は天井チャンバ、16は壁面、17は床面、18は天井面、21は第1開口部、22は床面開口部、23は天井面開口部、24は第2開口部、ASは空調システム、Aは空気、Lはラック、L1〜L4はラック列である。
【0018】
本実施形態の空調システムASの室10の構造を説明する。ラックLが設置される機器室11は、壁面16を隔てて、空調機2が設置されているレタンチャンバ12が形成されると共に、二重床構造となっており、床面17の下は床下チャンバ13が形成されている。レタンチャンバ12と床下チャンバ13との間には第1開口部21が設けられている。機器室11と床下チャンバ13との間の床面17には、床面開口部22が設けられており、床面開口部22には、VAVグレーチング吹出口3が設置されている。機器室11の天井面18の上には天井チャンバ14が形成されている。機器室11と天井チャンバ14との間の天井面18には、天井面開口部23が設けられており、天井面開口部23には、排気ファン6が設置されている。天井チャンバ14とレタンチャンバ12との間には第2開口部24が設けられている。
【0019】
VAVグレーチング吹出口3は、図2に示すように、スラブS上に設けた支柱Mに支持され空気Aが通過する床面吹出口4と、開閉自在なダンパ5とを有し、空気Aの量を調整しながら、床下チャンバ13から機器室11へ空気Aを通過させている。
【0020】
機器室11には、床面17に通信・情報処理機器を搭載したラックLの列が設置され、本実施形態ではL1〜L4の4列が設置されている。ラックLは、サーバ等の機器を多段に積層し、前面又は後面に保守点検用の開口を有しており、空気Aが前面から後面に流れるようになっている。ラック列は1列ごとにラックLの前面又は後面同士が向かい合うように並べられており、本実施形態では、第1ラック列L1と第2ラック列L2との間、及び、第3ラック列L3と第4ラック列L4との間がラックLの前面、壁面16と第1ラック列L1との間、及び、第2ラック列L2と第3ラック列L3との間がラックLの後面となっている。
【0021】
第1ラック列L1と第2ラック列L2との間の床面にはVAVグレーチング吹出口31,32が形成され、同様に、第3ラック列L3と第4ラック列L4との間の床面17にはVAVグレーチング吹出口33,34が形成されており、第1ラック列L1と第2ラック列L2との間には、ラックL内の機器を冷却するための空気Aが通過するクールコリドー11a12、第3ラック列L3と第4ラック列L4との間にはクールコリドー11a34が形成されている。
【0022】
また、VAVグレーチング吹出口3の無い側の壁面16と第1ラック列L1との間の天井面開口部23には排気ファン61が形成され、同様に、VAVグレーチング吹出口3の無い側の第2ラック列L2と第3ラック列L3との間の天井面23には、排気ファン623が形成されており、壁面16と第1ラック列L1との間には、ラックL内の機器を冷却し温まった空気Aが通過するホットコリドー11b1、第2ラック列L2と第3ラック列L3との間にはホットコリドー11b23が形成されている。
【0023】
さらに、クールコリドー11a及びホットコリドー11bの上方には室温を検知する室温センサ7が設置され、クールコリドー11a12,11a34の上方の室温センサ7をクール室温センサ7a12,7a34、ホットコリドー11b1,11b23の上方の室温センサ7をホット室温センサ7b1,7b23としている。
【0024】
なお、本実施形態ではラック列L1〜L4を4列設置したが、ラック列は4列に限らず、何列設置してもよい。その際、VAVグレーチング吹出口3を設置したクールコリドー11aと、排気ファン6を設置したホットコリドー11bとは一つおきにする。
【0025】
また、第1ラック列L1と第2ラック列L2との間、及び、第3ラック列L3と第4ラック列L4との間の機器前面側にVAVグレーチング吹出口3を設置してクールコリドー11aとし、壁面16と第1ラック列L1との間、及び、第2ラック列L2と第3ラック列L3との間の機器後面側に排気ファン6を設置してホットコリドー11bとしたが、逆でもよい。特に、機器又はラックLの排気方向にホットコリドー11bを設けるのが望ましい。
【0026】
次に、本実施形態の空調システムASの空気Aの流れを説明する。まず、機器室11と壁面16を隔てたレタンチャンバ12に設置した空調機2から、新鮮な空気Aを排出する。排出された空気Aは第1開口部21を通過し、機器室11の床面17の下部に設けた床下チャンバ13へ供給される。床下チャンバ13には、吹出口4及びダンパ5を有するVAVグレーチング吹出口3が設けられ、VAVグレーチング吹出口3は床下チャンバ13から機器室11へ流量を調整しながら空気Aを通過させている。VAVグレーチング吹出口3を通過した空気Aは、機器室11のクールコリドー11aへ吹き出す。この時の空気Aの温度は第1室温センサ7aにより検知される。その後、空気Aは通信・情報処理機器を搭載したラックLを通過し、ホットコリドー11bへ流れる。この時の空気Aの温度は第2室温センサ7bにより検知される。次に、空気Aは天井面18に設置した排気ファン6により機器室11から天井チャンバ14へ流れ、第2開口部24を通過しレタンチャンバ12へ戻る。
【0027】
次に、空調システムASの制御について図1乃至図4を用いて説明する。図3は空調システムASのブロック図、図4は空調システムASの機器発熱予測制御の概要を示す図である。図3において、Pはサーバ配電盤、Cは制御装置である。
【0028】
本実施形態の空調システムASにおける制御では、クールコリドー11aに設置したクール室温センサ7aとホットコリドー11bに設置したホット室温センサ7bとにより、各コリドー内の雰囲気温度を検知すると共に、機器配電盤の一例としてのサーバ配電盤Pにより各ラックL内の機器の電流値を検知し、制御装置Cは、サーバ配電盤Pの管理する電流値から各ラックLの発熱量の予測値を演算し、その予測値と室温センサ7の検出値とにより空調部1である空調機2、VAVグレーチング吹出口3のダンパ5及び排気ファン6等を制御する。
【0029】
次に、制御系の概要を示す。例えば、図4のように、機器室に設置したラックに対して、ラック列を上からラック列L1、ラック列L2のように示し、各ラック列のラックを左からラックL1-1、ラックL2-1のように示す。すなわち本実施形態では各ラック列にはそれぞれ13個のラックが並んでいるので、一番上の左端のラックは、ラックL1-1とし、一番下の右端のラックは、ラックL4-13とする。
【0030】
空調機2は、ラック列L1とラック列L2間の第1クールコリドー11a12用の第1空調機2a、ラック列L3とラック列L4間の第2クールコリドー11a34用の第2空調機2bを設置する。VAVグレーチング吹出口3は、各ラックLに対して一つ設置され、一番左上のラックL1-1に対応するものをVAVグレーチング吹出口31-1とし、一番右下のラックL4-13に対応するものをVAVグレーチング吹出口34-13とする。また、各ラックLの電流値の大小を濃淡で表示しておくが、実際には、カラー表示するのが好ましい。その他、各設備は、図1に示したように設置され、図3に示したブロック図のように連結されている。
【0031】
まず、室温センサ7に基づく制御に関して説明する。クールコリドー11aのうち、第1クールコリドー11a12に設置された第1クール室温センサ7a12が通常よりも高温を検知した場合、制御装置Cは、第1空調機2aの風量を大きくするか、又は、温度を低くするように制御する。また、ホットコリドー11bのうち、第1ホットコリドー11b1に設置された第1ホット室温センサ7b1が通常よりも高温を検知した場合、制御装置Cは、図1における第1排気ファン6a1の回転数を上げるように制御する。
【0032】
次に、サーバ配電盤Pに基づくサーバ発熱予測制御に関して説明する。例えば、図4のように、サーバ配電盤Pからの信号により、ラック列L1の一番左のラックL1-1が電流値の多いことを表す濃い色で示され、隣のラックL1-2が薄い色で示されている場合、ラックL1-1の発熱量が多く、ラックL1-2の発熱量が少ないと予測する。すると、制御装置Cは、ラックL1-1に対応する箇所のVAVグレーチング吹出口31-1のダンパ51-1の開閉角を制御し、空気風量を多くする。
【0033】
なお、空調機2の温度設定や風量設定、VAVグレーチング吹出口3のダンパ5の開閉角、排気ファン6の回転数等をそれぞれ組み合わせて制御すると、さらに細かい制御が可能となる。また、排気ファン6及び室温センサ7は、各コリドーに複数個設けてもよい。さらに、VAVグレーチング吹出口3は必ずしもラックL毎に設ける必要はなく、ラックL2台に対してVAVグレーチング吹出口3を一つ設けるというように調整してもよい。
【0034】
このようにサーバ配電盤Pの管理情報を空調システムASの制御に適用することで、新たに設ける設備を最低限に抑えながら、省エネルギーで、効率よく活用することができる。また、VAVグレーチング吹出口3をラックL毎に設けることで、ラック1台毎に対する制御を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態の空調システムを示す図
【図2】本実施形態のVAVグレーチング吹出口を示す図
【図3】本実施形態の空調システムのブロック図
【図4】本実施形態の空調システムのサーバ発熱予測制御を示す図
【符号の説明】
【0036】
1…空調部、2…空調機、3…VAVグレーチング吹出口(空気風量調整手段)、4…吹出口、5…ダンパ、6…排気ファン(排気手段)、7…室温センサ、10…室、11…機器室、11a…クールコリドー、11b…ホットコリドー、12…レタンチャンバ、13…床下チャンバ、14…天井チャンバ、16…壁面、17…床面、18…天井面、21…第1開口部、22…床面開口部、23…天井面開口部、24…第2開口部、AS…空調システム、A…空気、L…ラック、L1〜L4…ラック列、P…サーバ配電盤(機器配電盤)、C…制御装置

【出願人】 【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志

【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣

【識別番号】100095980
【弁理士】
【氏名又は名称】菅井 英雄

【識別番号】100094787
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 健二

【識別番号】100097777
【弁理士】
【氏名又は名称】韮澤 弘

【識別番号】100091971
【弁理士】
【氏名又は名称】米澤 明

【識別番号】100109748
【弁理士】
【氏名又は名称】飯高 勉

【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦


【公開番号】 特開2008−2690(P2008−2690A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169566(P2006−169566)