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筒体の内面処理方法および装置 - 特開2008−249213 | j-tokkyo
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【発明の名称】 筒体の内面処理方法および装置
【発明者】 【氏名】阿部 博文

【氏名】渡辺 誠一

【要約】 【課題】煙突や煙道内面のアスベスト層やダイオキシン汚染部を安全かつ効果的に擦削除去するほか、各種配管も対象とし、清掃、研削、研磨などの処理も効果的に行う。

【解決手段】先端にブラシ等を装着しコイルバネ等で縮短しているローラチェーン等を回転盤の周縁に配設し、回転盤を筒体軸中心に回転させることで伸長させてブラシ等を筒体内面に摺動させる。回転盤を偶数段設けたがいに逆方向に回転させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体を具備して縮短している伸縮体を回転盤の周縁に周方向等間隔に複数本配設し、各伸縮体の先端には処理具を装着し、回転盤を筒体軸中心に回転させることで各伸縮体を伸長させて各処理具を筒体内面に摺動させ、回転盤を筒体軸方向に移動させることを特徴とする筒体の内面処理方法。
【請求項2】
回転盤を回転軸方向に偶数段設け、各回転盤をたがいに逆方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の筒体の内面処理方法。
【請求項3】
伸縮体としてローラチェーンを使用し、ローラチェーンの各ローラ間に弾性体として引張りコイルバネを通し、該バネの一端のフックを回転盤側端部のローラに、他端のフックを処理具側端部のローラにそれぞれ掛渡すことでローラチェーンを縮短することを特徴とする請求項1または2に記載の筒体の内面処理方法。
【請求項4】
回転盤と、回転盤の周縁に周方向等間隔に配設された複数本の伸縮体と、各伸縮体に具備されて各伸縮体を縮短する弾性体と、各伸縮体の先端に装着された処理具と、回転盤を筒体内にて筒体軸中心に回転させる回転機構と、回転盤を筒体軸方向に移動させる移動機構からなり、弾性体は回転盤の非回転時には伸縮体を縮短し、回転時には伸長して処理具が筒体内面を摺動するように具備されていることを特徴とする筒体の内面処理装置。
【請求項5】
回転盤を回転軸方向に偶数段設け、回転機構は各回転盤をたがいに逆方向に回転させる機構であることを特徴とする請求項4に記載の筒体の内面処理装置。
【請求項6】
伸縮体がローラチェーン、弾性体が引張りコイルバネであり、ローラチェーンの各ローラ間に引張りコイルバネを通し、該バネの一端のフックを回転盤側端部のローラに、他端のフックを処理具側端部のローラにそれぞれ掛渡すことでローラチェーンを縮短していることを特徴とする請求項4または5に記載の筒体の内面処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却炉や加熱炉の煙突や煙道の内壁面に形成されているアスベスト層やダイオキシン等の有害物による汚染部を擦削して除去するほか、各種筒体内面の清掃、研削、研磨などの処理を効果的に行うことのできる、筒体の内面処理方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焼却炉、加熱炉など各種炉において、煙突や煙道の内壁面は、表層が断熱材で形成されている。断熱材として、従来はほとんどの設備でアスベストが使用されていた。また、従来の炉では、操業中に発生したダイオキシンなどの有害物で内壁表層が汚染されているものもある。これら設備は稼動させることができない。解体もできないで放置されているものが多い。解体するには、事前にアスベスト層や汚染層を除去して、作業者の安全確保や解体時の有害物飛散防止を図る必要がある。そして、除去作業も同様に、作業者の安全が確保され、かつ有害物拡散が阻止されるものでなければならない。
また、煙突や煙道には煤などの付着物を除去するための清掃も必要である。清掃が必要な設備は、各種配管等にも及ぶ。
【0003】
煙突など長尺な筒体の内面を処理する手段として、各種の技術が知られている。本発明に関連する技術として、管などの筒体内面を鎖でたたいて清浄化するものがある。例えば、特許文献1には、鉄管内において2個又はそれ以上のモータおよびこれに連動する鎖ないしは鎖状物を相互に逆回転させ、鎖ないしは鎖状物を内壁面に接触させることにより、内壁面の錆を除去する方法および装置が開示されている。
【0004】
また、本発明者は特許文献2の技術を提案している。すなわち、円筒状構造物内に配設された複数のヘッドを内壁面の略垂直軸まわりに自転させ、かつ円筒軸まわりに公転させ、各ヘッドに保持させた剛毛の毛先を内壁面に圧接することで内壁面を擦削するか、同様にして切削刃で切削する技術である。各ヘッドを円筒軸方向2段に配設し、各段のヘッドを互いに逆方向に公転させるのが好ましいとしている。
【特許文献1】特開昭50−44660号公報
【特許文献2】特開2004−108714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
焼却炉や加熱炉の煙突や煙道の内面表層を形成しているアスベスト層やダイオキシン等による汚染部を除去するにあたり、安全に、かつできるだけ簡易な手段で作業できることが望まれる。簡易な手段として特許文献1などに開示されているような、筒体内部で鎖を回転させて内面に打ち付けることも考えられるが、効果的ではない。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、焼却炉、加熱炉など各種炉において、煙突や煙道の内面表層に断熱材として形成されている有害なアスベスト層やダイオキシン等による汚染部を安全かつ効果的に除去するほか、各種配管などを含む筒体も対象とし、表層除去のほか清掃、研削、研磨などの処理を効果的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明法は、弾性体を具備して縮短している伸縮体を回転盤の周縁に周方向等間隔に複数本配設し、各伸縮体の先端には処理具を装着し、回転盤を筒体軸中心に回転させることで各伸縮体を伸長させて各処理具を筒体内面に摺動させ、回転盤を筒体軸方向に移動させることを特徴とする筒体の内面処理方法である。
【0008】
本発明法において、回転盤を回転軸方向に偶数段設け、各回転盤をたがいに逆方向に回転させることで、より優れた効果が発揮される。
そして、好ましい具体的手段は、伸縮体としてローラチェーンを使用し、ローラチェーンの各ローラ間に弾性体として引張りコイルバネを通し、該バネの一端のフックを回転盤側端部のローラに、他端のフックを処理具側端部のローラにそれぞれ掛渡すことでローラチェーンを縮短することである。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明装置は、回転盤と、回転盤の周縁に周方向等間隔に配設された複数本の伸縮体と、各伸縮体に具備されて各伸縮体を縮短する弾性体と、各伸縮体の先端に装着された処理具と、回転盤を筒体内にて筒体軸中心に回転させる回転機構と、回転盤を筒体軸方向に移動させる移動機構からなり、弾性体は回転盤の非回転時には伸縮体を縮短し、回転時には伸長して処理具が筒体内面を摺動するように具備されていることを特徴とする筒体の内面処理装置である。
【0010】
本発明装置において、回転盤を回転軸方向に偶数段設け、回転機構は各回転盤をたがいに逆方向に回転させる機構とすることで、より優れた効果が発揮される。
そして、好ましい具体的な手段は、伸縮体がローラチェーン、弾性体が引張りコイルバネであり、ローラチェーンの各ローラ間に引張りコイルバネを通し、該バネの一端のフックを回転盤側端部のローラに、他端のフックを処理具側端部のローラにそれぞれ掛渡すことでローラチェーンを縮短していることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、焼却炉や加熱炉など各種炉の煙突や煙道の内面に形成されているアスベスト断熱層やダイオキシン等による汚染部を、簡易な手段で安全かつきわめて効果的に擦削除去することができる。また、各種配管などの筒体内面についても、アスベスト等の表層除去のほか、清掃、研削、研磨などの処理を同様に行うことができる。装置構成は比較的単純で汎用性があり、取扱い容易である。従来技術ではなし得なかった小径煙突内のアスベスト層除去も行える。小型装置により、アスベスト層の内径が220mmφの小径煙突についてもアスベスト除去が可能である。処理に際しては、筒体内部を無人化できるので作業者の安全が確保される。
【0012】
本発明の最大の特徴は、ローラチェーン等の伸縮体にコイルバネ等の弾性体を具備させたことである。これにより、長尺のローラチェーン等が回転盤の非回転時には縮短していて、筒体への取付け取外しが容易なばかりでなく、回転時には伸長して、先端に装着したブラシ等の処理具による擦削等の筒体内面処理能力が著しく向上し、均一良好な処理が行えるという優れた効果が発揮される。
このため、筒体内周が真円でなくても、長さ方向に内径が多少変動していても、また多少の凹凸があっても全面均一に処理することができる。
【0013】
また、内径が多少異なる筒体に対しても、部品交換なしで処理できる。そして、部品交換あるいは部品調整によってより広範囲な内径差の筒体を処理することができる。
さらに、回転盤を偶数段設け、各回転盤をたがいに逆方向に回転させることで、各回転盤は横ぶれが起こり難く安定操業できるとともに、筒体内面の同一箇所を複数回たがいに逆方向に摺動させることができ、擦削等のより優れた処理効果が発揮される。
アスベスト等の比較的軟質な表層を除去するにあたり、処理具としてワイヤブラシ等を使用することにより、コンクリートや鋼等の筒体本体の擦削を抑制して表層を擦削除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜図5に、処理具としてブラシ2、伸縮体としてローラチェーン3、弾性体としてコイルバネ8を使用した本発明例を示す。
図1(a)のように、回転盤1の周縁にローラチェーン3等の伸縮体を周方向等間隔に複数本配設している。この例では、可変長継手13を用いて120°間隔に3本配設している。
各ローラチェーン3の先端には、ブラシ2等の処理具を装着している。そして、各ローラチェーン3は、図2,図3のように、コイルバネ8等の弾性体を具備し、回転盤1の非回転時には、図1(b),図3のように縮短している。図2,図3の例では、可変長継手13を用いず、継手14で回転盤1に取付けている。
この回転盤1を、図1(a)のように、筒体軸12中心に回転させることで、各ローラチェーン3を伸長させて各ブラシ2を筒体10内面に摺動させ、周方向の内面処理を行う。そして、回転軸11の方向に移動させて筒体軸方向の内面処理を行う。
【0015】
図2および図3は、ローラチェーン3にコイルバネ8を具備させた具体例である。図2は回転盤1の回転により伸長している状態の斜視図、図3は縮短している状態の平面図である。ローラチェーン3は、図2のように、各2枚の外プレート4と内プレート5をピン7で連結したもので、ピン7は2枚の内プレート5間のローラ6内を通している。
この例では、ローラチェーン3の先端に5個のブラシ2を連設している。コイルバネ8は、ローラチェーン3の各ローラ6の間に通し、バネの一端のフック9を回転盤1側端部のローラ6に、他端のフック9をブラシ2側端部のローラ6に、それぞれ掛渡している。コイルバネ8は引張りコイルバネである。回転盤1の非回転時には、図3および図1(b)のように、ローラチェーン3はコイルバネ8に引張られてジグザグに縮短し、回転による遠心力がコイルバネ8の引張り力より大になると、図2および図1(a)のように伸長する。
【0016】
ブラシ2の連設は、図2,図3の例では、ローラチェーン先端部の外プレート4と内プレート5合わせて5個それぞれにブラシを取付け、ピン7を連結部材として行っている。このほか、外プレート4にブラシを取付け、内プレート5およびピン7を連結部材としてもよい。また、内プレート5にブラシを取付け、外プレート4およびピン7を連結部材としてもよい。
【0017】
回転盤1の非回転時には、図1(b)のように、各ローラチェーン3は縮短しているので、筒体10への装置の着脱作業が容易である。
筒体10内で回転盤1を回転させると、図1(a)のように、先端にブラシ2を装着した各ローラチェーン3が伸長し、ブラシ2が筒体内面に圧接し摺動して、ブラッシングや擦削のような処理が行われる。
そして、回転盤1を回転軸11の方向に移動させることで、筒体10の長さ方向の内面処理が行われる。
【0018】
回転盤1の回転により充分な遠心力が作用すると、図1(a)のように、ローラチェーン3の先端に取付けたブラシ2は所要数、本例では5個が全て筒体内面に圧接し、擦削等の処理能力が著しく向上する。コイルバネ8を取付けない場合は、後述実施例のように、回転数を最大にしても、ローラチェーン3側のブラシ2(No.5)が筒体内面に圧接しないのに対し、コイルバネ8を取付けた場合は同条件で全てのブラシ2が圧接し、充分な圧接力で摺動する。
このため、筒体10の内周が真円でなくても、長さ方向に内径が変動していても、また多少の凹凸があっても、ブラシ2は所要の充分な圧接力で全面を摺動し、筒体内面を全面均一に処理することができる。
【0019】
また、別の筒体10を処理する場合、内径が多少異なるものに対しても、部品交換なしで処理できる。必要に応じて図1(a)および(b)の可変長継手13を調整することで、より広範囲な内径差の筒体を処理することができる。
可変長継手13は、例えば図4のようになっている。調整バー16と支持バー17を連結片20で連結し、調整バー16にはスライドバー15を入れ子式に取付けて、スライドバー15の長さ方向に設けた複数の調整孔18の何れかを調整バー16とピン19で固定することにより長さ可変にしている。調整バー16と支持バー17を、それぞれ連結片21と継手14で回転盤1に取付け、スライドバー15の先端にローラチェーン3を取付けている。
【0020】
回転盤1の周縁にローラチェーン3等の伸縮体を配設するには、可変長継手13に替えて図2,図3のような継手14を用いることもできる。
また、ローラチェーン3や可変長継手13を回転盤1の周縁に直接取付けることもできる。例えば図5のように、回転盤1の周縁に溝22を設けておき、溝22内にローラチェーン3の内プレート5を嵌め込み、ボルト24あるいはピンで止める。回転盤1の表面からボルトヘッド25あるいはピンヘッドが出ないように、ヘッド穴23を深めにしておくことで、回転盤1の表面を広く使える。可変長継手13を取付けるときは、図4に示す調整バー16および支持バー17を溝22内に嵌め込み、同様にする。
【0021】
伸縮体としては、ローラチェーン3のほか、各種チェーンや鎖などを採用することもできる。また、図6のようなアンテナタイプとすることもできる。図6では、角チューブ26,27,28を入れ子式に組み合わせたものが伸縮体である。これに、弾性体としてコイルバネ8を、先端の角チューブ26と後端の角チューブ28にそれぞれ設けたピン29に掛渡している。30はストッパで、中の角チューブ後端部外側と、外の角チューブ先端部内側とに設けた突起からなる。
先端の角チューブ26にブラシ2等の処理具を装着し、後端の角チューブ28を連結片21および継手14で回転盤1に取付けている。
ブラシ2は、ローラチェーンの内プレート5に取付け、外プレート4を連結部材として連設している。
【0022】
弾性体としては、コイルバネ8のほか、ゴム製などの弾性ロープなどを採用することもできる。
処理態様としては、擦削のほか、様々なものが可能である。例えば、切削、研削、研磨、清掃などを行うことができ、各処理態様と対象筒体に適した処理具を採用することができる。
【0023】
処理具として、擦削には、前述のように、アスベストのような比較的軟質な表面層を擦削除去する場合はブラシ2が好適で、金属ワイヤ、砥粒入り硬質プラスチックなどの剛毛製が好ましい。
比較的硬質な表面の擦削や切削には、このほか、粗砥石、粗砥粒を付着させた布紙や不織布等を採用できる。切削には、ブラシ2の剛毛に替え、剃刀の2枚刃のようにして単数または複数の刃を取り付けたものも採用できる。
研削や研磨には、細砥石、細砥粒を付着させた布紙や不織布等を採用できる。
清掃には、比較的軟毛のブラシや刷毛が使用できる。その場合、各種プラスチック、シュロ製等も含め、対象筒体に応じた適正なものを採用する。また、洗剤を付着させた布や不織布等も採用できる。
【0024】
また、本発明において、回転盤1を回転軸11の方向に偶数段設け、各回転盤1をたがいに逆方向に回転させることで、より優れた効果が発揮される。すなわち、各回転盤1は横ぶれが起こり難く、安定して操業できるとともに、筒体1内面の同一箇所を複数回たがいに逆方向に摺動させることができ、擦削等のより優れた処理効果が発揮される。
回転盤を2段に設けて、たがいに逆方向に回転させる機構の例を図7に示す。本例は、本発明者が先に提案している特願2006−111673によるものである。
【0025】
図7において、ドーナツ型回転盤31,32をたがいに平行に設け、間に3個の駆動輪33を、両回転盤31および32に接触させて120°間隔で設けている。3個の各駆動輪33の車軸は、両回転盤31および32に平行で、ギアボックス34内にて回転軸11と傘歯車で歯合して駆動される。ドーナツ型回転盤31の上には3個の押え輪35が、ドーナツ型回転盤32の下には3個の押え輪36が、それぞれ120°間隔で設けてある。押え輪35の車軸は押え盤37に、押え輪36の車軸は押え盤38に、それぞれ軸支され、非駆動で自在に回転する。各駆動輪33および各押え輪35,36にはタイヤが装着されている。
【0026】
押え盤37の上方にはフランジ40、押え盤38の下方にはフランジ41がそれぞれ配され、両者を3本の支柱42で支持している。3本の支柱42は、両フランジ40,41の面から見て正三角形の頂点の位置に配され、押え盤37,38およびギアボックス34に穿設された3個の貫通孔を通し、ドーナツ型回転盤31,32の中空部を通している。フランジ40と押え盤37の間、およびフランジ41と押え盤38の間では、各支柱42をスプリング43に通して、押え盤37をドーナツ型回転盤31側に、押え盤38をドーナツ型回転盤32側にそれぞれ押し付けている。
【0027】
回転軸11は、フランジ40および押え盤37の中心部に穿設された貫通孔を通し、ドーナツ型回転盤31の中空部を通し、ギアボックス34内で傘歯車に固定されている。そして、モータ44等の回転機構に接続されている。
ドーナツ型回転盤31および32の中空部には、内周に接して3個の回転輪39が回転自在に設けてある。ドーナツ型回転盤31内の回転輪39は、軸を押え盤37とギアボックス34で支持し、ドーナツ型回転盤32内の回転輪39は、軸を押え盤38とギアボックス34で支持している。
【0028】
回転軸11を回転させると、3個の駆動輪33が回転し、駆動輪33に押し付けられているドーナツ型回転盤31および32が、たがいに逆方向に回転する。ドーナツ型回転盤31を押えている押え輪35、およびドーナツ型回転盤32を押えている押え輪36も、それぞれ回転する。このとき、両回転盤31および32は、回転輪39によりセンタリングされる。押え盤37,38およびギアボックス34は回転しない。
【0029】
ドーナツ型回転盤31および32の外周縁に、図1〜図3に示すように、ブラシ2等の処理具を先端に装着したローラチェーン3等の伸縮体を、コイルバネ8等の弾性体を具備させて取付けることで、煙突内面のアスベスト層除去等の擦削処理等をより効果的に行うことができる。
処理作業に際しては、ブラシ等を取り付けた図7の装置をワイヤ等で筒体内に吊り、クレーンやウインチ等で上下移動させる。
【0030】
2段に設けたドーナツ型回転盤31,32がたがいに逆方向に回転するので、両回転盤31,32は横ぶれが起こり難く、安定して操業できる。また、筒体10内面の同一箇所を2回たがいに逆方向に摺動させることができ、擦削等のより優れた処理効果が発揮される。
また、ドーナツ型回転盤31,32を複数対連結することで、4段以上の各回転盤をたがいに逆方向に回転させることができる。
【0031】
また、ローラチェーン3等をドーナツ型回転盤31および32の外周縁に取付ける際、図5のように、回転盤1周縁の溝22内に嵌め込むことで、両回転盤31,32の外径を、駆動輪33および押え輪35,36が作用する範囲で小さくできるので、装置小型化により、小径煙突等の小径筒体にも対応できる。
【実施例】
【0032】
(1)煙突を想定した模型を使用して本発明の効果を検証した。
図7に示す装置のドーナツ型回転盤31および32の外周縁に、図2に示すように、ブラシ2を装着したローラチェーン3を継手14により取付け、内径1500mmφの筒体内に宙吊りにして内面の擦削を行った。
ドーナツ型回転盤31および32の外周直径は240mmφで、3本のローラチェーン3を120°間隔で取り付けた。回転は、図7のモータ44の位置に市販の減速機付モータを取付けて行った。ローラチェーン3は外プレート4と内プレート5を合わせて25個からなり、先端部の合わせて5個に硬鋼製ワイヤのブラシを装着してブラシ2とした。
本発明例として、ローラチェーン3に引張りコイルバネ8を、図2のように、ブラシ2側端部のローラ6と回転盤1側端部のローラ6の間に掛渡したものを使用し、比較例として、コイルバネ8なしのものを使用した。
【0033】
ドーナツ型回転盤31,32の回転数を、減速機付モータの印加電圧を変えて変化させ、5個のブラシ2(No.1〜No.5)と煙突内面の接触状況を観察した。ブラシ2が確実に接触した部位は擦削された。表1に、モータ印加電圧および回転数とブラシ接触状況の関係をまとめて示す。
コイルバネ無の比較例では、印加電圧最大の60Vで回転数を最大の75rpmにしても、ローラチェーン側端部のNo.5ブラシが接触せず、擦削は不十分であった。これに対して、本発明例ではコイルバネの顕著な効果がみられ、印加電圧50V,回転数65rpmでもNo.1〜No.5の全ブラシが接触し、充分な擦削が得られた。
【0034】
(2)実際の煙突について、内面のアスベスト層を擦削除去した。
煙突は、内径650mmφのコンクリート製で、50mm厚さのアスベスト層が形成されている。アスベスト層の内径は550mmφである。図7のような装置のドーナツ型回転盤31,32に、図1のように可変長継手13を使用してローラチェーン3を取付け、先端に5連の硬鋼製ワイヤブラシ2を装着した。回転は市販の減速機付モータで行い、装置をクレーンで上下移動させた。
作業終了後、煙突を縦割りして内面を観察した結果、アスベスト層は確実に除去されてコンクリート面が露出していた。コンクリート面の窪み内も除去されていた。コンクリート面にはブラシの跡は見られるものの、擦削は抑制されていることが明らかであった。
【0035】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を筒体内にセットした状態を示す平面図で、(a)は回転盤を回転させている状態例、(b)は回転させていない状態例である。
【図2】本発明におけるローラチェーン取付け状態の例を示す斜視図である。
【図3】本発明におけるローラチェーン取付け状態の例を示す平面図である。
【図4】本発明におけるローラチェーン取付け状態の別の例を示す平面図である。
【図5】本発明におけるローラチェーン取付け状態の別の例を示す側面図である。
【図6】本発明における伸縮体の別の例を示す平面図である。
【図7】本発明における2段の回転盤の回転機構例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1:回転盤 2:ブラシ
3:ローラチェーン 4:外プレート
5:内プレート 6:ローラ
7:ピン 8:コイルバネ
9:フック 10:筒体
11:回転軸 12:筒体軸
13:可変長継手 14:継手
15:スライドバー 16:調整バー
17:支持バー 18:調整孔
19:ピン 20,21:連結片
22:溝 23:ヘッド穴
24:ボルト 25:ボルトヘッド
26,27,28:角チューブ 29:ピン
30:ストッパ 31,32:ドーナツ型回転盤
33:駆動輪 34:ギアボックス
35,36:押え輪 37,38:押え盤
39:回転輪 40,41:フランジ
42:支柱 43:スプリング
44:モータ
【出願人】 【識別番号】506128086
【氏名又は名称】シンコー株式会社
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】 【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫


【公開番号】 特開2008−249213(P2008−249213A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−89564(P2007−89564)