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【発明の名称】 燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置
【発明者】 【氏名】田村 達浩

【要約】 【課題】ホッパの下部に配置した灰輸送管に簡単な設備を設けることで、この灰輸送管内に堆積して詰った燃焼灰を崩すことにより、閉塞状態を回避して、燃焼灰を円滑に吸引輸送する。

【解決手段】集塵器で捕捉した燃焼灰Aを蓄積するホッパ1と、ホッパ1の下端に接続し、ホッパ1から落下した燃焼灰Aを吸引して灰処理装置4に輸送するための灰輸送管2と、を備えた灰輸送装置において、灰輸送管2内に詰まった燃焼灰Aを崩すために、灰輸送管2内にチェーンのような連鎖状部材7を前後動するように設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵器で捕捉した燃焼灰(A)を蓄積するホッパ(1)と、該ホッパ(1)の下端に接続し、ホッパ(1)から落下した燃焼灰(A)を吸引して灰処理装置(4)に輸送するための灰輸送管(2)と、を備えた灰輸送装置において、
前記灰輸送管(2)内に詰まった燃焼灰(A)を崩すために、該灰輸送管(2)内に連鎖状部材(7)を前後動するように設けた、ことを特徴とする燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【請求項2】
前記連鎖状部材(7)は、プーリ(6)に架け渡したチェーンである、ことを特徴とする請求項1の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【請求項3】
前記連鎖状部材(7)は、前記プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、部分的にチェーン(10)を連結した、ことを特徴とする請求項2の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【請求項4】
前記連鎖状部材(7)は、プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、詰った燃焼灰(A)を崩す程度の大きさを有する抵抗片(12)を略等間隔に取り付けたものである、ことを特徴とする請求項1の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【請求項5】
前記連鎖状部材(7)は、前記プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、前記抵抗片(12)を部分的に複数取り付けたものである、ことを特徴とする請求項4の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【請求項6】
複数の前記連鎖状部材(7)を、前記灰輸送管(2)内に配置した、ことを特徴とする請求項1の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所等のボイラで発生し、ホッパに蓄積された燃焼灰等を灰輸送管を通して灰処理装置へ吸引輸送するときに、この灰輸送管内に詰った燃焼灰等を崩して円滑に吸引輸送する燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所等の大型施設のボイラ等で発生した燃焼灰は、燃焼排ガスと共に脱硝装置及び空気予熱器を経て電気集塵器に導入され、電気集塵器でその大半が捕捉される。電気集塵器の底部には、逆円錐形状のホッパが複数個設置され、捕捉された燃焼灰(EP灰)はこのホッパ内に蓄積される。
【0003】
各ホッパ内に蓄積した燃焼灰は、灰輸送管を通じて真空ポンプで吸引され灰処理装置に輸送される。灰輸送管の一端には大気吸込口が設けられており、この大気吸込口を開き真空ポンプを作動させると、灰輸送管内にはサイロに向けた気流が生じるため、ホッパの下端の排出弁を開くとホッパ内の燃焼灰が灰輸送管に吸引されて輸送される。複数のホッパからの燃焼灰の輸送は、1基ずつ順次排出弁を開いて燃焼灰を吸引することによって行われる。
【0004】
例えば、このようなホッパのアッシュインテーク弁(排出弁)を開閉することにより、ホッパ内の重油灰のような燃焼灰が灰輸送管内に落下し真空引きにより温風と共に燃焼灰を輸送する。灰輸送管内に多量の燃焼灰が落下すると燃焼灰の性状、即ち重油灰は粘性が高いので、灰輸送管内に燃焼灰が堆積し閉塞状態となりやすい。
【0005】
このような燃焼灰などの詰りを防止する技術として、例えば特許文献1の特開2001−208331号公報「燃焼装置とその煙道灰堆積防止方法」に示すように、燃料を燃焼させるための火炉と、火炉上流側に設けた煙道に設置される火炉に燃料を供給するための燃料搬送用空気を供給する押込通風機及び一次空気搬送用の一次空気通風機と、火炉の上流側の煙道内の空気と火炉の下流側の間に設けられ、煙道内の燃焼排ガスとの熱交換により一次空気と燃料搬送用空気を予熱する空気予熱器と、火炉の下流側の煙道に設けられる火炉からの燃料燃焼排ガス中の除塵をする電気集塵器と、該電気集塵器の上流側のガス流れに沿って登り勾配の傾斜がついた斜行煙道と、該斜行煙道の底部に堆積した灰等を吹き飛ばすため斜行煙道内にパージ媒体を吹き出すノズル及びパージ弁を設置するパージ系統を備えた燃焼装置の煙道灰堆積防止方法において、前記パージ系統に一次空気通風機あるいは押込通風機の下流側煙道から取り出した冷空気に空気予熱器の下流側の煙道より取り出した熱空気を合流させて得られる昇温した空気を用いる燃焼装置の煙道灰堆積防止方法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−208331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように灰輸送管が閉塞すると点検・清掃を要する。この点検・清掃するための費用と手間及びその時間がかかるという問題を有していた。更に、点検・清掃することにより燃焼灰が周囲へ飛散し、飛散した燃焼灰の清掃・水洗が更に必要になるという問題を有していた。
【0007】
特許文献1の「燃焼装置とその煙道灰堆積防止方法」は、煙道内に灰が堆積することを防止する技術である。ホッパから灰輸送管に移し、この灰輸送管内に堆積して詰った燃焼灰の詰りを防止する技術ではなかった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ホッパの下部に配置した灰輸送管に簡単な設備を設けることで、この灰輸送管内に堆積して詰った燃焼灰を崩すことにより、閉塞状態を回避して、燃焼灰を円滑に吸引輸送することができる燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、集塵器で捕捉した燃焼灰(A)を蓄積するホッパ(1)と、該ホッパ(1)の下端に接続し、ホッパ(1)から落下した燃焼灰(A)を吸引して灰処理装置(4)に輸送するための灰輸送管(2)と、を備えた灰輸送装置において、前記灰輸送管(2)内に詰まった燃焼灰(A)を崩すために、該灰輸送管(2)内に連鎖状部材(7)を前後動するように設けた、ことを特徴とする燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置が提供される。
例えば、前記連鎖状部材(7)は、プーリ(6)に架け渡したチェーンである。前記連鎖状部材(7)は、前記プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、部分的にチェーン(10)を連結したものである。
【0010】
前記連鎖状部材(7)は、プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、詰った燃焼灰(A)を崩す程度の大きさを有する抵抗片(12)を略等間隔に取り付けたものである。
この前記連鎖状部材(7)は、前記プーリ(6)に架け渡したワイヤ(11)に、前記抵抗片(12)を部分的に複数取り付けたものである。
複数の前記連鎖状部材(7)を、前記灰輸送管(2)内に配置したものである
【発明の効果】
【0011】
上記構成の発明では、チェーン(10)等の連鎖状部材(7)を灰輸送管(2)内で前後動させれば、ホッパ(1)直下の位置で堆積して灰輸送管(2)内を閉塞していた燃焼灰(A)を容易に崩すことができる。従来のように、灰輸送管(2)を分解することなく、燃焼灰(A)の詰りを解消することができる。このように閉塞状態の灰輸送管(2)内に通気穴(H)が開けば、そこに空気が通るようになり、負圧にした灰輸送管(2)内で燃焼灰(A)が吸引輸送されるようになる。一旦閉塞した状態から通風状態が形成されると、燃焼灰(A)を容易に吸引輸送することができる。
このように、灰輸送管(2)内の灰詰まりによるホッパ(1)内の灰堆積を防止することができ、灰輸送管(2)の点検・清掃にかかる費用・手間を低減することができる。灰輸送管(2)の点検・清掃時における、外部への燃焼灰(A)の飛散を防止することができる。
【0012】
本発明の詰り防止装置は、チェーン(10)等の連鎖状部材(7)、プーリ(6)及びこの連鎖状部材(7)を前後動させる駆動部(8)といった簡単な器具を従来の灰輸送管(2)に組み込むことにより、燃焼灰(A)の詰りを容易に防止でき、その汎用性が高い。
【0013】
一部をワイヤ(11)で連結した連鎖状部材(7)では、灰輸送管(2)の表面に小さい孔を開け、このワイヤ(11)部分を灰輸送管(2)の外部に出してこれを駆動部(8)で前後動させることができる。灰輸送管(2)内部の密閉性を高く維持することができ、燃焼灰(A)の吸引輸送の高効率化を図ることができる。
【0014】
灰輸送管(2)が水平状態と垂直状態に配管されているときは、連鎖状部材(7)をそれぞれの灰輸送管(2)に設けることにより、装置を複雑な機構にすることなく、灰輸送管(2)内の詰りを容易に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置は、灰輸送管内にチェーンのような連鎖状部材をプーリで前後動するように設け、この灰輸送管内に詰まった燃焼灰を崩して、閉塞状態の灰輸送管内に通気穴を開け、そこに空気が通るようにして再び燃焼灰を吸引輸送することができる。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置を示す一部切欠いた概略図である。図2は実施例1の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
本発明の灰輸送装置は、ボイラの煙道に配置された電気集塵器で捕捉したEP灰等の燃焼灰Aを蓄積するホッパ1は、上端側が広く下端側が狭くなるように形成された漏斗形状をしており、その上部からホッパ1内に粉末状の燃焼灰Aが投入される。ホッパ1の下端近傍には、蓄積した燃焼灰等Aの蓄積物の灰輸送管2への吸引を許容するためのアッシュインテーク弁(排出弁)3が設けられている。なお、このホッパ1は、電気集塵器の下部に複数個複数列に並べられ配置されている。
【0017】
灰輸送管2は、例えば列をなして配置された複数のホッパ1の下端を連結する水平方向に伸長する内径30cm程度の配管であり、その一端は吸気弁が設けられた大気吸入口となっている。また灰輸送管2の他端は灰処理装置4に接続されおり、ホッパ1と灰処理装置4とをつなぐ灰輸送管2の経路には、ホッパ1内から燃焼灰等Aを吸引するための真空ポンプ5が設けられている。即ち、真空ポンプ5が作動すると灰輸送管2には負圧が生じ、大気吸入口からの空気の流入によって、ホッパ1内からは燃焼灰等Aが吸引される。吸引された燃焼灰等Aは、灰輸送管2内を通って灰処理装置4に輸送されるようになっている。
なお、ホッパ1との接続個所部分の灰輸送管2には、その点検や清掃を行うため着脱自在な着脱蓋が取り付けられた内径15cm程度の灰輸送管マンホールが形成されている。
【0018】
灰輸送管2内には、プーリ6に架け渡したチェーン10から成る連鎖状部材7を前後動するように設けた。この連鎖状部材7は、灰輸送管2内に詰まった燃焼灰Aを崩すものである。この連鎖状部材7は駆動部8を構成するハンドル9を手動で回転させて、灰輸送管2内で前後動させる。または、この連鎖状部材7は一方向に回転させる。
図示例の駆動部8は、ハンドル9を回動させ、その回転軸に取り付けたギヤで連鎖状部材(チェーン)7を前後動させる構造を示している。しかし、駆動部8はこの手動構造に限定されず、モータ(図示していない)で駆動する構造にすることも可能である。
【0019】
図3は本発明の詰り防止装置の動作状態を示す灰輸送管内の説明断面図であり、(a)は灰が閉塞している状態、(b)は連鎖状部材で詰りを崩した状態、(c)は管内の詰りが解消され吸引輸送が円滑になった状態である。
このように、連鎖状部材7を灰輸送管2内で前後動させれば、図3(a)に示すような、ホッパ1直下の位置で堆積して灰輸送管2内を閉塞していた燃焼灰Aを容易に崩すことができる。図3(b)に示すように、閉塞状態の灰輸送管2内に通気穴Hが開けば、そこに空気が通るようになり、負圧にした灰輸送管2内で燃焼灰Aが吸引輸送されるようになる。図3(c)に示すように、一旦閉塞した状態から通風状態が形成されると、燃焼灰Aも容易に吸引輸送することができる。
【0020】
図4は連鎖状部材の他の実施例を示す部分概略図である。
本発明の連鎖状部材7は、これを灰輸送管2内で前後動させ、灰輸送管2内を閉塞していた燃焼灰Aを容易に崩す機能を有するものであれば、上述したチェーン10に限定されない。図4に示すように、ワイヤ11に、詰った燃焼灰Aを崩す程度の大きさを有する抵抗片12を複数取り付けたものを利用することができる。この連鎖状部材7をプーリ6に架け渡して灰輸送管2内で前後動させるものでもよい。また、個々の抵抗片12は図示例の円盤形状に限定されず、略球形状、略立方体形状、その他のものでもよい。
【実施例2】
【0021】
図5は実施例2の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
実施例2の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置は、連鎖状部材7のチェーン10の一部をワイヤ11にしたものである。即ち、連鎖状部材7はその全体がチェーン10ではなく、一部をワイヤ11で構成したものである。連鎖状部材7の一部をワイヤ11で連結したものでは、灰輸送管2の表面に小さい孔を開け、この孔からこのワイヤ11部分を灰輸送管2の外部に出してこれを駆動部8で前後動させることができる。灰輸送管2内部の密閉性を高く維持することができ、燃焼灰Aの吸引輸送の高効率化を図ることができる。
【実施例3】
【0022】
図6は実施例3の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
実施例3の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置は、連鎖状部材7を全て灰輸送管2に収納し、これを駆動部8のハンドル9で前後動、又は一方向に回転させるものである。連鎖状部材7全体を灰輸送管2内に収納すると灰輸送管2内部の密閉性をより高く維持することができる。
【実施例4】
【0023】
図7は実施例4の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
実施例4の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置は、複数の前記連鎖状部材7を、灰輸送管2内に配置したものである。灰輸送管2が水平状態、垂直状態とに配管されているときは、連鎖状部材7をそれぞれの灰輸送管2に設けることにより、装置を複雑な機構にすることなく、灰輸送管2内の詰りを容易に防止することができる。
【0024】
なお、本発明は、ホッパ1の下部に配置した灰輸送管2に簡単な設備を設けることで、この灰輸送管2内に堆積して詰った燃焼灰Aを崩すことにより、閉塞状態を回避して、燃焼灰Aを円滑に吸引輸送することができきれば、上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置は、燃焼灰を崩して吸引輸送するとき以外に、その他の粘性が高く管内で詰まりやすい粉体を吸引輸送する様々な装置にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例1の燃焼灰等の灰輸送管詰り防止装置を示す一部切欠いた概略図である。
【図2】実施例1の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
【図3】本発明の詰り防止装置の動作状態を示す灰輸送管内の説明断面図であり、(a)は灰が閉塞している状態、(b)は連鎖状部材で詰りを崩した状態、(c)は管内の詰りが解消され吸引輸送が円滑になった状態である。
【図4】連鎖状部材の他の実施例を示す部分概略図である。
【図5】実施例2の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
【図6】実施例3の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
【図7】実施例4の詰り防止装置の一部省略した説明断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ホッパ
2 灰輸送管
6 プーリ
7 連鎖状部材
10 チェーン
11 ワイヤ
12 抵抗片
A 燃焼灰
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【出願日】 平成19年1月23日(2007.1.23)
【代理人】 【識別番号】100099667
【弁理士】
【氏名又は名称】武政 善昭

【識別番号】100120101
【弁理士】
【氏名又は名称】畑▲崎▼ 昭


【公開番号】 特開2008−180425(P2008−180425A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−12926(P2007−12926)