トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法

【発明の名称】 パルス燃焼装置のノズル先端形状
【発明者】 【氏名】緒川 尚孝

【氏名】緒川 修治

【要約】 【課題】爆発燃焼による圧力,熱,粒状物質がノズルの噴射口に直接衝突することを防げるパルス燃焼装置のノズル先端形状を提供する。

【解決手段】燃料をノズル5の噴射口5aから噴射させ燃焼室内で爆発燃焼させるパルス燃焼装置において、噴射口5aの燃焼室側に、燃焼室側からの爆発燃焼による圧力で押し戻された燃料を溜めることのできる凹部6bを設け、この凹部6b内に溜められた燃料で噴射口5aを蓋して、噴射口5aの損傷あるいは目詰まりを防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料をノズルの噴射口から噴射させ燃焼室内で爆発燃焼させるパルス燃焼装置において、前記噴射口の燃焼室側に、燃焼室側からの爆発燃焼による圧力で押し戻された燃料を溜めることのできる凹部を設けたことを特徴とするパルス燃焼装置のノズル先端形状。
【請求項2】
前記凹部が、前記ノズルに噴射口と同芯状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパルス燃焼装置のノズル先端形状。
【請求項3】
前記凹部が、前記ノズルの外周に覆設されるノズルフードに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパルス燃焼装置のノズル先端形状。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス燃焼装置のノズル先端形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料導管を通り圧送されてくる燃料をノズルから噴射させ燃焼室内で爆発燃焼させるパルス燃焼装置が存在する。
【特許文献1】特開2002−39508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のパルス燃焼装置では、燃焼室内で爆発燃焼したことによる圧力波がノズルの先端に作用した時、熱や粒状物質がノズル孔に当たり、ノズル孔が損傷されたり、ノズル孔に目詰りが生ずる虞があるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、ノズルの噴射口に圧力波,熱,粒状物質が直接当たるのを良好に防ぐことのできるパルス燃焼装置のノズル先端形状を提供するものであり、その請求項1は、燃料をノズルの噴射口から噴射させ燃焼室内で爆発燃焼させるパルス燃焼装置において、前記噴射口の燃焼室側に、燃焼室側からの爆発燃焼による圧力で押し戻された燃料を溜めることのできる凹部を設けたことである。
【0005】
また、請求項2は、前記凹部が前記ノズルに噴射口と同芯状に形成されていることである。
【0006】
また、請求項3は、前記凹部が前記ノズルの外周に覆設されるノズルフードに形成されていることである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、燃料をノズルの噴射口から噴射させ燃焼室内で爆発燃焼させるパルス燃焼装置において、前記噴射口の燃焼室側に、燃焼室側からの爆発燃焼による圧力で押し戻された燃料を溜めることのできる凹部を設けたことにより、ノズルの噴射口から噴射された燃料が燃焼室内で爆発燃焼すると、噴射された燃料の一部が圧力波によりノズル側に押し戻されて凹部に溜まり、凹部に溜まった燃料がノズルの噴射口の蓋を形成することとなり、凹部に溜められた燃料により蓋されて燃焼室側からの圧力波,熱,粒状物質が直接ノズルの噴射口に当たることがなく、ノズルの噴射口の損傷あるいは目詰りを良好に防ぐことができるものとなる。
【0008】
また、前記凹部が前記ノズルに噴射口と同芯状に形成されていることにより、ノズルの噴射口の燃焼室側に凹部を同芯状に一体形成することで、簡単な構造で良好に凹部内に押し戻された燃料を溜めて、噴射口を蓋することができるものとなる。
【0009】
また、前記凹部が前記ノズルの外周に覆設されるノズルフードに形成されていることにより、ノズルフード側に形成した凹部に押し戻された燃料を溜めて、ノズルの噴射口を良好に蓋することができるものとなる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、パルス燃焼装置の要部概略構成図であり、燃料噴射時を示しており、また図2は、燃焼室側で爆発燃焼された時の状態を示している。また図3は、図1における噴射ノズルの部分を拡大した断面構成図であり、図4は、図2における噴射ノズルの部分を拡大した断面構成図である。
【0011】
図において、パルス燃焼装置1の燃焼室2の上流側には、空気を導入する吸気通路3が設けられ、この吸気通路3の燃焼室2側は混合室3aとなっている。
吸気通路3のほぼ中心に沿って、燃料通路4aを備えた燃料導管4が配設され、混合室3a内には、燃料導管4の先端に噴射ノズル5が取り付けられており、この噴射ノズル5の先端の噴射口5aから、混合室3aで空気を混合して燃料が燃焼室2内に噴射され、燃焼室2内で爆発燃焼されるように構成されており、噴射ノズル5の外周には、ノズルフード6が覆設されている。
【0012】
このノズルフード6は、上流側が燃料導管4の外周に密着接合されており、下流側は噴射ノズル5の外周を覆蓋して、噴射ノズル5の噴射口5aの燃焼室2側に、噴射口5aと同芯状に連続するように噴射口5a側へ凹ませて中心に凹部6bが形成されており、この凹部6bから燃焼室2側に向けてラッパ状に拡径して傾斜面6aが形成されている。
【0013】
このノズルフード6の傾斜面6aの内側の空間S内に、燃焼室2側から爆発燃焼による圧力波が図2のように作用した時に、その圧力により噴射ノズル5の噴射口5aからの燃料噴射が停止されるように設定されている。
即ち、ポンプを介し燃料が燃料通路4aを通り所定圧力で連続的に噴射口5aに供給されてくるが、燃料の燃料圧よりも燃焼室2内の圧力が低い状態では、噴射口5aから燃焼室2内に向かって燃料が噴射され、燃焼室2で爆発燃焼が起こり、その爆発燃焼による圧力がノズルフード6の空間Sに作用した時には、その圧力が燃料の燃料圧より勝り、これにより噴射口5aからの燃料噴射が停止される。
【0014】
このように、燃焼室2内で爆発燃焼が起こり、燃焼室2内の圧力が急上昇したタイミングで噴射口5aからの燃料噴射が停止され、その後、燃焼室2内の燃焼ガスが図示しない排気管から排出されて燃焼室2内の圧力が下がると、燃料通路4aに供給される燃料圧の方が勝り、燃焼室2の圧力が下がった時に、噴射口5aから燃料が噴射されて、再び爆発燃焼が繰り返されるのである。
【0015】
なお、燃料としては、ガソリン,灯油,軽油等の液体燃料が用いられ、この液体燃料中には微細な粒状物質も混入されており、そのような粒状物質は燃焼室2の壁面に付着している場合もあり、燃焼室2内での爆発燃焼により圧力波とともに熱や粒状物質がノズルフード6側へ衝突してくるが、爆発燃焼による圧力により噴射口5aから噴射された燃料の一部も押し戻され、この押し戻される燃料が、ノズルフード6の傾斜面6aに沿って中心部の凹部6bに押し戻されて溜まることとなり、この凹部6b内に溜められる燃料Gにより噴射口5aの蓋が形成されて、爆発燃焼による熱や粒状物質が噴射口5aに直接当たることが良好に防がれるものとなる。
【0016】
この凹部6bに溜められた燃料Gは、燃焼室2側の圧力が低下した時に、噴射口5aから噴射される燃料とともに燃焼室2へ噴出されることとなる。
このように、燃焼室2側での爆発燃焼の度に押し戻される燃料Gを、凹部6b内に溜めて噴射口5aを蓋することで、噴射口5aの損傷あるいは目詰りを確実に防ぐことができるものとなる。
【0017】
次に、図5は第2実施例を示すものであり、図5では、噴射ノズル5の外周側に円筒状のノズルフード6が燃料導管4の外周に密着状に外嵌されており、本例では、噴射ノズル5の噴射口5aの燃焼室2側の先端に、凹み状に凹部5bが噴射口5aと同芯状に連続して一体形成されたものとなっている。
このように、噴射ノズル5の噴射口5aの燃焼室2側に一体で凹部5bを形成させておけば、燃焼室2側で爆発燃焼した時に、圧力波で押し戻される燃料の一部をこの凹部5b内に溜めて、噴射口5aを押し戻された燃料で蓋することができ、燃焼室側からの熱および粒状物質が直接噴射口5aに衝突することを良好に防ぐことができ、噴射口5aの損傷あるいは目詰まりを確実に防ぐことができるものとなる。
【0018】
次に、図6は第3実施例を示すものであり、図6では、噴射ノズル5の先端の噴射口5aから燃焼室2側に突出してリング状の突出部5cを形成させ、この突出部5cの内周側を凹部5bとしたものである。
このような構造では、突出部5cを噴射ノズル5の先端に後発的に取り付けて凹部5bを形成させることができ、この凹部5b内に圧力波で押し戻される燃料の一部を溜めて、良好に噴射口5aを蓋することができ、噴射口5aの損傷あるいは目詰まりを良好に防ぐことができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】パルス燃焼装置の燃料噴射時の要部概略構成図である。
【図2】爆発燃焼による圧力波により燃料噴射が遮断された状態の図1に対応する要部概略構成図である。
【図3】燃料噴射時の噴射ノズル周辺の拡大断面構成図である。
【図4】圧力波により押し戻された燃料により噴射口が蓋された状態の図3に対応した噴射ノズル周辺の拡大断面構成図である。
【図5】第2実施例の噴射ノズル周辺の拡大断面構成図である。
【図6】第3実施例の噴射ノズル周辺の拡大断面構成図である。
【符号の説明】
【0020】
1 パルス燃焼装置
2 燃焼室
3 吸気通路
4a 燃料通路
5 噴射ノズル
5a 噴射口
5b 凹部
5c 突出部
6 ノズルフード
6a 傾斜面
6b 凹部
S 空間
【出願人】 【識別番号】597059409
【氏名又は名称】緒川 尚孝
【識別番号】501482123
【氏名又は名称】緒川 修治
【出願日】 平成19年2月6日(2007.2.6)
【代理人】 【識別番号】100086520
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義久


【公開番号】 特開2008−190807(P2008−190807A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−27410(P2007−27410)