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【発明の名称】 石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法
【発明者】 【氏名】松本 慎治

【氏名】山本 次男

【氏名】堂本 和宏

【氏名】谷口 雅彦

【氏名】植松 良茂

【氏名】吉田 博久

【要約】 【課題】バイオマスの性状変動に対して燃料供給の信頼性が高く、竪型粉砕機及び混焼ボイラの安定運転を可能とした石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法を提供する。

【解決手段】モータにより回転駆動する粉砕テーブル34上に載置された固体燃料を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラ35により押圧して粉砕する竪型粉砕機3a〜3cと、該竪型粉砕機により得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉5とを備え、竪型粉砕機は、バイオマスが供給される一又は複数の第1の粉砕機3aと、石炭が供給される一又は複数の第2の粉砕機3b、3cとからなり、ボイラ火炉5には粉砕機に対応した燃料供給ノズル4a〜4cが設けられ、該燃料供給ノズルと粉砕機が燃料供給配管により夫々接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータにより回転駆動する粉砕テーブル上に載置された固体燃料を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕する竪型粉砕機と、該竪型粉砕機により得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉とを備えた石炭・バイオマス混焼システムにおいて、
前記竪型粉砕機は複数台設けられ、その中の少なくとも一台がバイオマスを粉砕する第1の粉砕機で、他の粉砕機が石炭を粉砕する第2の粉砕機であり、
前記第1の粉砕機と前記第2の粉砕機に夫々対応した燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉に設けられ、該ボイラ火炉内でバイオマス粉体と石炭粉体を混合して燃焼させることを特徴とする石炭・バイオマス混焼システム。
【請求項2】
モータにより回転駆動する粉砕テーブル上に載置された固体燃料を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕する竪型粉砕機と、該竪型粉砕機により得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉とを備えた石炭・バイオマス混焼システムにおいて、
前記竪型粉砕機は複数台設けられ、その中の少なくとも一台がバイオマスを粉砕する第1の粉砕機で、他の粉砕機が石炭とバイオマスを混合粉砕する第2の粉砕機であり、
前記第1の粉砕機と前記第2の粉砕機に夫々対応した燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉に設けられ、該ボイラ火炉内でバイオマス粉体と石炭・バイオマス混合粉体を混合して燃焼させることを特徴とする石炭・バイオマス混焼システム。
【請求項3】
前記燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉の高さ方向に複数段設けられ、前記第1の粉砕機により得られるバイオマス粉体の粒径に基づいて、該バイオマス粉体を供給する燃料供給ノズルを選択する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1若しくは2記載の石炭・バイオマス混焼システム。
【請求項4】
前記第1の粉砕機に供給するバイオマスの含水率若しくは平均粒径を検出する検出手段を設け、該検出手段の検出値に基づいて前記制御手段により前記燃料供給ノズルを選択するようにしたことを特徴とする請求項3記載の石炭・バイオマス混焼システム。
【請求項5】
竪型粉砕機の粉砕テーブルにバイオマスを供給し、前記テーブルの回転に連動して作動するローラにより前記バイオマスに押圧力を作用せしめて固体燃料を粉砕した後、得られた粉体燃料をボイラ火炉に供給するようにした石炭・バイオマス混焼方法において、
複数台設けられた前記粉砕機のうち少なくとも一台からなる第1の粉砕機によりバイオマスを粉砕するとともに、他の粉砕機からなる第2の粉砕機により石炭を粉砕し、得られたバイオマス粉体と石炭粉体を夫々独立した供給ラインにより前記ボイラ火炉に供給し、該ボイラ火炉内で前記バイオマス粉体と前記石炭粉体を混合して燃焼させることを特徴とする石炭・バイオマス混焼方法。
【請求項6】
竪型粉砕機の粉砕テーブルにバイオマスを供給し、前記テーブルの回転に連動して作動するローラにより前記バイオマスに押圧力を作用せしめて固体燃料を粉砕した後、得られた粉体燃料をボイラ火炉に供給するようにした石炭・バイオマス混焼方法において、
複数台設けられた前記粉砕機のうち少なくとも一台からなる第1の粉砕機によりバイオマスを粉砕するとともに、他の粉砕機からなる第2の粉砕機により石炭とバイオマスを混合粉砕し、得られたバイオマス粉体と石炭・バイオマス混合粉体を夫々独立した供給ラインにより前記ボイラ火炉に供給し、該ボイラ火炉内で前記バイオマス粉体と前記混合粉体を混合して燃焼させることを特徴とする石炭・バイオマス混焼方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、竪型粉砕機を用いて石炭を粉砕した石炭粉体、及び木屑等のバイオマスを粉砕したバイオマス粉体を燃料とする混焼ボイラを備えた石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法に関し、特にバイオマスの性状変動に対して燃料供給の信頼性が高く、安定的な運転を可能とした石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電燃料としてコスト的に石炭火力が見直されつつあり、さらに電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を一定割合以上利用することを義務づける法規制(RPS法)への対応のために、新エネルギー等(バイオマス(動植物に由来する有機物)発電等)の普及が図られている。
また、CO発生量の抑制から、ひいてはCO排出権取引に利用可能であることから、バイオマスの利用促進が図られている。
【0003】
バイオマス発電システムには、石炭とバイオマスとを混合して燃焼させる石炭・バイオマス混焼技術があり、この混焼技術には、石炭とバイオマスとをそれぞれを単独で粉砕する単独粉砕方式と、石炭とバイオマスとを混合してから粉砕する混合粉砕方式とが知られている。
【0004】
前者の単独粉砕方式としては、特許文献1で示されている技術が知られており、図9に示すように、供給管310より粉砕テーブル312上に木質原料を供給し、粉砕ローラ314で粉砕し、被粉砕物は粉砕テーブル312の外周に排出し、テーブル312外周下方から噴出される空気流316によって上方に搬送されて、被粉砕物を微粉と粗粉に分級されるものが知られている。この方法は、空気流の流量と粉砕テーブルの直径を最適な関係に設定することにより、従来の石炭用粉砕機を木質原料の粉砕機として有効利用することが可能となっている。
【0005】
後者の混合粉砕方式としては、特許文献2、3で示されている技術が知られている。一般的な混合粉砕方式を図10に示す。搬送車両101により受入ホッパ102に集積されたバイオマスはバイオマス貯蔵タンク103に一時貯留され、このバイオマス貯蔵タンク103から定量供給される。バイオマス貯蔵タンク103から供給されたバイオマス燃料は、石炭サイロ104から定量供給された石炭と混合され、混合燃料105は燃料ホッパ106に投入される。燃料ホッパ106から粉砕機107内に投入された混合燃料105は、該粉砕機107にて粉砕された後に混合粉体燃料としてボイラ火炉108に供給される。
ボイラ火炉108の炉本体110には、燃料供給ノズル111と、これに共働するバーナ(不図示)が配設されている。また、炉内には加熱器、蒸発器、節炭器等にあたる伝熱管112が設置されている。そして、炉内に供給された混合粉体燃料の燃焼により発生する燃焼排ガスは、伝熱管112を加熱して煙道へ送られる。炉本体110の炉出口に設けた煙道の途中には空気加熱器(AH)113が配置され、空気加熱器113を通った燃焼排ガスは、灰捕集装置等の排ガス処理設備を経て大気放出される。また、粉砕機107には、空気加熱器113で加熱した熱空気を供給して被粉砕物を乾燥させるようにしている。
【0006】
このような混合粉砕方式では、バイオマスの混合率は石炭に対して粉砕機容量制限から3wt%程度が上限とされている。これは、竪型粉砕機にて、木屑と石炭を混合粉砕した場合、回転テーブル上における炭層厚み増加等によりミルトリップ(動力上限)に至るためである。木屑は石炭のように脆性材料でないために、竪型粉砕機の圧力・剪断力では破砕が難しく、内部滞留木屑や石炭が増加し、回転テーブル上の炭層厚みが通常の石炭粉砕運転状態に比べて大幅に増加し、粉砕機の運転動力の大幅増加につながる。図11に従来の粉砕ミルで混合粉砕した場合のミル特性図を示す。図11(a)に木屑・廃木材混合率とミル動力比の関係、(b)に木屑・廃木材混合率と微粉度の関係を示す。木屑等を入熱量比5%置換して混合粉砕を行っただけで、ミル動力は+70%増加した。通常の既設石炭ミルの駆動源負荷は70%の余裕は採っておらず、このミル動力増加は即ちミルトリップに至ることを示す。このように、木屑等の混合率を上げるとミル動力が大幅に上昇し、また、微粉度は低減する。尚、微粉度とは粉砕された粒子の細かさの度合いを示し、微粉度が高いと粒径が小さい粒子が多いことをあらわす。従って、木屑等の混合率を上げると粉砕物の粒径が大きくなることがわかる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−113125号公報
【特許文献2】特開2004−347241号
【特許文献3】特許第3712691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
混合粉砕方式の問題点として、弾塑性材料であるバイオマス燃料は石炭の粉砕に比べて粉砕が困難であり、混合粉砕を行う場合には粉砕機動力などが大幅に増加したり、粉砕物の粒径が大きくなるという問題がある。
さらに、燃料とするバイオマス種類や性状の僅かな変動でも粉砕機の運転状態が変動し、燃料供給量に支障を来たし、延いては混焼ボイラの運転にも影響を及ぼすという問題もある。
一方、単独粉砕方式は、バイオマスを粉砕対象とした構造、運転方法を有する粉砕機を新たに設置する必要がありコスト高となる。また、石炭粉砕機をバイオマスの単独運転に活用する場合、処理容量が石炭粉砕容量の約25%程度となるため、複数の粉砕ミルを設置したり、大容量の石炭粉砕機を設置する必要が生じる。
【0009】
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、バイオマスの性状変動に対して燃料供給の信頼性が高く、竪型粉砕機及び混焼ボイラの安定運転を可能とした石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、モータにより回転駆動する粉砕テーブル上に載置された固体燃料を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕する竪型粉砕機と、該竪型粉砕機により得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉とを備えた石炭・バイオマス混焼システムにおいて、
前記竪型粉砕機は複数台設けられ、その中の少なくとも一台がバイオマスを粉砕する第1の粉砕機で、他の粉砕機が石炭を粉砕する第2の粉砕機であり、
前記第1の粉砕機と前記第2の粉砕機に夫々対応した燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉に設けられ、該ボイラ火炉内でバイオマス粉体と石炭粉体を混合して燃焼させることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、石炭を単独粉砕する第2の粉砕機とは別に、バイオマスを単独粉砕する第1の粉砕機を専用系統として設けることで、不安定状態になりやすい混合粉砕機を設置しない混焼システムとすることができる。バイオマス粉砕用の第1の粉砕機もバイオマス種類、性状の変動により不安定化する可能性はあるが、ボイラ出力は他の石炭単独粉砕機により十分に補うことが可能であり、ボイラを運用する上での安定性、信頼性が格段に向上する。
【0012】
また、モータにより回転駆動する粉砕テーブル上に載置された固体燃料を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕する竪型粉砕機と、該竪型粉砕機により得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉とを備えた石炭・バイオマス混焼システムにおいて、
前記竪型粉砕機は複数台設けられ、その中の少なくとも一台がバイオマスを粉砕する第1の粉砕機で、他の粉砕機が石炭とバイオマスを混合粉砕する第2の粉砕機であり、
前記第1の粉砕機と前記第2の粉砕機に夫々対応した燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉に設けられ、該ボイラ火炉内でバイオマス粉体と石炭・バイオマス混合粉体を混合して燃焼させることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、バイオマスを単独で粉砕する第1の粉砕機を専用系統として設けることで、他の混合粉砕機でのバイオマス混合率を大幅に低減することができる。従って、バイオマス種類、性状の変動が混合粉砕機に与える影響を最小限に抑え、ボイラを運用する上での安定性、信頼性が格段に向上する。また、混合粉砕機におけるバイオマス混合率を小さくできることから、ミル動力の大幅な増大を防止するとともに粉砕物の小粒径化が可能となる。
【0014】
さらに、前記燃料供給ノズルが前記ボイラ火炉の高さ方向に複数段設けられ、前記第1の粉砕機により得られるバイオマス粉体の粒径に基づいて、該バイオマス粉体を供給する燃料供給ノズルを選択する制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明では、バイオマス粉体をボイラ火炉へ投入する高さ位置を任意に設定可能としている。難粉砕性のバイオマスを燃料とする場合、粉砕機出口におけるバイオマス粒径が比較的大きくなるため、ボイラ火炉下方の燃料供給ノズルからバイオマス粉体を供給することにより滞留時間を大きく取れる。容易に微粉砕可能なバイオマスの場合には、中段若しくは上段側の燃料供給ノズルから供給するようにしてもよい。このように、受け入れるバイオマスの粉砕性に応じて粉砕機の適正運用が可能となるため、粉体燃料の完全燃焼が図られ、未燃損失を低減することができる。
【0015】
さらにまた、前記第1の粉砕機に供給するバイオマスの含水率若しくは平均粒径を検出する検出手段を設け、該検出手段の検出値に基づいて前記制御手段により前記燃料供給ノズルを選択するようにしたことを特徴とする。
粉砕前のバイオマス含水率や平均長さは粉砕後の粒径に大きく影響するものである。すなわち、含水率の大きいバイオマスは粉砕後の粒径が大きくなり、同様に、粉砕前のバイオマスの平均長さが大きいと粉砕後の粒径も大きくなる。従って、粉砕前のバイオマスの含水率若しくは平均粒径を検出することにより、容易に粉砕物の粒径を推定することができる。ここで、バイオマスの平均粒径とは、一次破砕したバイオマスチップの短辺における平均長さをいう。
【0016】
また、竪型粉砕機の粉砕テーブルにバイオマスを供給し、前記テーブルの回転に連動して作動するローラにより前記バイオマスに押圧力を作用せしめて固体燃料を粉砕した後、得られた粉体燃料をボイラ火炉に供給するようにした石炭・バイオマス混焼方法において、
複数台設けられた前記粉砕機のうち少なくとも一台からなる第1の粉砕機によりバイオマスを粉砕するとともに、他の粉砕機からなる第2の粉砕機により石炭を粉砕し、得られたバイオマス粉体と石炭粉体を夫々独立した供給ラインにより前記ボイラ火炉に供給し、該ボイラ火炉内で前記バイオマス粉体と前記石炭粉体を混合して燃焼させることを特徴とする。
【0017】
さらに、竪型粉砕機の粉砕テーブルにバイオマスを供給し、前記テーブルの回転に連動して作動するローラにより前記バイオマスに押圧力を作用せしめて固体燃料を粉砕した後、得られた粉体燃料をボイラ火炉に供給するようにした石炭・バイオマス混焼方法において、
複数台設けられた前記粉砕機のうち少なくとも一台からなる第1の粉砕機によりバイオマスを粉砕するとともに、他の粉砕機からなる第2の粉砕機により石炭とバイオマスを混合粉砕し、得られたバイオマス粉体と石炭・バイオマス混合粉体を夫々独立した供給ラインにより前記ボイラ火炉に供給し、該ボイラ火炉内で前記バイオマス粉体と前記混合粉体を混合して燃焼させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上記載のごとく本発明によれば、石炭粉砕用の第2の粉砕機とは別に、バイオマスを単独で粉砕する第1の粉砕機を専用系統として設けることで不安定状態になりやすい混合粉砕機を設置しない混焼システムとすることができ、ボイラを運用する上での安定性、信頼性が格段に向上する。
また、石炭・バイオマス混合粉砕用の第2の粉砕機とは別に、バイオマス粉砕用の第1の粉砕機を設けることにより、第2の粉砕機でのバイオマス混合率を大幅に低減することができ、バイオマス種類、性状の変動が与える影響を最小限に抑え、ボイラを運用する上での安定性、信頼性が格段に向上する。また、混合粉砕機におけるバイオマス混合率を小さくできることから、ミル動力の大幅な増大を防止するとともに粉砕物の小粒径化が可能となる。
さらに、バイオマス粉体のボイラへの投入高さを任意に設定できる構成としたため、受け入れるバイオマスの粉砕性に応じて、適正な粉砕機の運用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係るシステムの全体構成図、図2は竪型粉砕機の概略構成を示す側断面図、図3は粉砕機の運用パターンを説明する図、図4は本発明の実施例2に係るシステムの全体構成図、図5はバイオマス含水率に対する粉砕機出口の粒径を示すグラフ、図6、7は燃料供給ノズルから供給する入熱量比を説明する図、図8は旋回流を形成するノズル配置を示す平断面図である。
【実施例1】
【0020】
図1に示すように本実施例に係るシステムは、必要に応じて所定粒径以下まで一次破砕(粗破砕)された石炭10が貯蔵される石炭貯蔵設備1と、同様に粗破砕、乾燥されたバイオマス11が貯蔵されるバイオマス貯蔵設備2と、石炭10若しくはバイオマス11が供給されるホッパ4a〜4cを備えた竪型粉砕機3a〜3cと、該竪型粉砕機3a〜3cにて得られた粉体燃料が供給されるボイラ火炉5と、を備える。
竪型粉砕機3a〜3cは複数台設けられ、バイオマス貯蔵設備2から供給されたバイオマス11を粉砕する第1の粉砕機3aと、石炭貯蔵設備1から供給された石炭10を粉砕する第2の粉砕機3b、3cと、からなる。第1、第2の竪型粉砕機は何れも一台又は複数台から構成されるが、好適には一台の第1の粉砕機3aと、複数台の第2の粉砕機3b、3cにより構成するとよい。また、既存の微粉炭炊きボイラシステムに適用する場合には、予備機として設置した竪型粉砕機を第1の粉砕機3aとしてもよい。
【0021】
バイオマス粉砕機(第1の粉砕機)3aと石炭粉砕機(第2の粉砕機)3b、3cは同様の構成を有する。竪型粉砕機3(3a〜3c)の具体的構成について図2を参照して説明する。
円筒型をしたハウジング31の下部には、略円形台状の粉砕テーブル32が備えられ、その粉砕テーブル32は、ハウジング31の下部に設置されたモータ36によって駆動され減速機を介して低速で回転するように構成されている。粉砕テーブル32の外周縁部には被粉砕物が粉砕テーブル32上で所定の厚さの堆積層を形成できるようにダムリング33が立設されている。さらに、粉砕テーブル32の外周部の上面に円周方向に等間隔で位置する部位に、油圧あるいはスプリング等で荷重を付加して、粉砕テーブル32の回転と連動して回転しながら被粉砕物に押圧力を作用せしめて被粉砕物を粉砕する粉砕ローラ34が設けられている。
粉砕ローラ34は、ローラアームの端部を中心に回動可能に支持され、前記油圧あるいはスプリング等の荷重を調整することで、被粉砕物を押付ける押圧力を制御している。
【0022】
ホッパ4から供給管41を介して粉砕テーブル32の中央部に供給された被粉砕物は、粉砕テーブル32上において遠心力によって外周方向に移動して、粉砕レース37と粉砕ローラ34との間にかみこまれ、粉砕されるようになっている。尚、バイオマス供給管41には、供給量を検出する供給量検出部42が設けられ、供給量が監視されている。
ハウジング31の下部には、燃焼後の排ガスの一部15が、排ガス循環ブロワ7によって排ガス再循環路16を通って導かれている。粉砕後の粉体は、この排ガスによって乾燥される。ハウジング31の上部に搬送された粉体のうち粗いものは重力で粉砕テーブル32上に落下して再度粉砕される。ハウジング31の上部には、固定式分級機あるいは回転式分級機35が設けられ、再度分級される。所定の粒径より小さい微粉は吹き上げ気流によって搬出され、ボイラ火炉5に搬送される。分級機35を貫通しなかった所定粒径より大きい粗粉は、粉砕テーブル32上に落下して再度粉砕される。
【0023】
図1に示すように、ボイラ火炉5の炉本体51には、高さ方向に複数段設けられた燃料供給ノズル52a〜52cと、空気ノズル及びこれらのノズルに共働するバーナ(不図示)が配設されている。炉内には加熱器、蒸発器、節炭器等にあたる伝熱管群53が設置されている。炉内に供給された粉体燃料の燃焼により発生する燃焼排ガスは、伝熱管群53を加熱して煙道へ送られる。炉本体51の炉出口に設けた煙道の途中には空気加熱器6が配置され、煙道内の燃焼排ガスは誘引ファンで引かれて空気加熱器、灰捕集装置を経て煙突から大気放出される。空気加熱器6によって外気13を加熱した高温空気14は石炭粉砕機3b、3cに供給され、石炭の乾燥に用いられる。ボイラ火炉5の出口から一部分岐させた燃焼排ガス15は、誘引ファン7により燃焼排ガス供給路16を介してバイオマス粉砕機3aに供給され、バイオマスの乾燥に用いられる。
【0024】
本実施例にて、燃料供給ノズル52a〜52cは粉砕機3a〜3cに対応して設けられ、夫々独立した供給配管により接続されている。同一高さに複数の燃料供給ノズルが設置される場合は、該同一高さに位置する燃料供給ノズルは全て一台の粉砕機に接続されることが好ましい。例えば、バイオマス粉砕機3aにより得られたバイオマス粉体は燃料供給ノズル52aより炉内に供給され、石炭粉砕機3b、3cにより得られた石炭粉体は、高さ位置の異なる燃料供給ノズル52b、52cより炉内に供給される。
夫々の燃料供給ノズルから別々に炉内に供給されたバイオマス粉体及び石炭粉体は、炉内で混合して燃焼される。
【0025】
また別の実施形態として、第1の粉砕機であるバイオマス粉砕機3aとは別に、第2の粉砕機である混合粉砕機3b、3cにバイオマスと石炭を供給し、混合粉砕する構成とする。バイオマス粉砕機3aにて得られたバイオマス粉体は燃料供給ノズル52aよりボイラ火炉5内に供給し、混合粉砕機3b、3cにて得られた石炭・バイオマス混合粉体は燃料供給ノズル52b、52cより炉内に供給し、これらを炉内で混合して燃焼させる。
【0026】
図3に、6台の粉砕機A〜Fを設置した場合の運用例を示す。図3(a)は従来例として石炭ボイラの場合、(b)は本実施例として混焼ボイラにて、石炭、バイオマス単独粉砕を夫々用いた場合、(c)は本実施例として混焼ボイラにて、混合粉砕とバイオマス単独粉砕を用いた場合、(d)は比較例として混焼ボイラにて混合粉砕を用いた場合、(e)は比較例として混焼ボイラにて、予備機を使用した混合粉砕を用いた場合である。
従来の石炭ボイラの場合を図3(a)に示す。これによれば、5台の粉砕機A〜Eで石炭を粉砕し、夫々の粉砕機から得られる石炭粉体をボイラ本体51の燃料供給ノズルから炉内に供給する。このとき、粉砕機Fは予備機として用いられる。ボイラ本体51に供給する全熱量を100とすると、5台の粉砕機にて均等に入熱量を分配することとなり、一台の粉砕機当たりの所要入熱量比は20となる。この入熱量が得られるように粉砕機への石炭供給量を設定する。
【0027】
これに対して石炭・バイオマス混焼ボイラの場合を図3(b)〜(e)に示す。
図3(b)に示すように、本実施例では粉砕機Fをバイオマス単独粉砕に用い、5台の粉砕機A〜Eを石炭単独粉砕に用いるようにしたため、ボイラに供給する全熱量100に対して、入熱量比(石炭入熱量/バイオマス入熱量)は、粉砕機A〜Eでは19/0、粉砕機Fでは0/5となる。この入熱量比が得られるように粉砕機への石炭、バイオマス供給量を設定することとなる。
また、図3(c)に示すように、本実施例では粉砕機A〜Eを石炭とバイオマスの混合粉砕に用い、粉砕機Fをバイオマス単独粉砕に用いるようにしてもよい。このようにバイオマス専用の粉砕機Fを設け、粉砕機A〜Eの5台の粉砕機を混合粉砕に用いることにより、混合粉砕機A〜Eには入熱量比が19/0.2となるようにバイオマスを混合すればよく、一台当たりのバイオマス混合率を低減することができる。従って、動力の大幅な増大を回避し、安定した運転が可能となる。
【0028】
一方、バイオマス単独粉砕を具備せず、粉砕機A〜E、Fにてバイオマス、石炭の混合粉砕を行う場合につき図3(d)、(e)に示す。
(d)は比較例としてバイオマス粉砕機を具備せず、且つ予備機を使用しない例、(e)は比較例としてバイオマス粉砕機を具備せず、且つ予備機も混合粉砕に使用した例である。(d)に示す比較例ではバイオマス粉砕機を具備しないため、粉砕機A〜Eには入熱量比が19/1となるように石炭、バイオマスを供給する。また、(e)に示す比較例では、粉砕機A〜Fにはボイラへの入熱量比が15.8/0.8となるように石炭、バイオマスを夫々供給することとなる。このように、バイオマス粉砕機を設置しない場合は混合粉砕機におけるバイオマスの混合率が高くなり、動力が大幅に増加するとともに得られる粉砕物の粒径が大きくなる。
このように本実施例によれば、石炭粉砕若しくは混合粉砕を行う第2の粉砕機とは別に、バイオマスを単独で粉砕する第1の粉砕機を専用系統として設けることで、バイオマスの種類、性状の変動に関わらず、安定して燃料を供給することができ、ボイラを運用する上での安定性、信頼性が格段に向上することとなる。
【実施例2】
【0029】
図2に本実施例2に係るバイオマス混焼システムの全体構成図を示す。以下、実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
同図に示すように、本実施例2に係るシステムは、石炭貯蔵設備1と、バイオマス貯蔵設備2と、ホッパ4a〜4fを備えた竪型粉砕機3a〜3fと、ボイラ火炉5とを備える。ここでは一例として6台の竪型粉砕機を備えた構成につき説明するが、粉砕機の設置数は限定されない。
本実施例は、石炭貯蔵設備1からホッパ4a〜4fへ石炭10を供給する石炭供給ライン18と、バイオマス貯蔵設備2からホッパ4a〜4fへバイオマス11を供給するバイオマス供給ライン19と、を備える。石炭供給ライン18上にはバルブ21a〜21fが、バイオマス供給ライン19上にはバルブ22a〜22fが設けられている。これらのバルブの開閉制御は制御装置8により行われ、一台のホッパに対して石炭10若しくはバイオマス11の何れか一方のみ供給されるように制御される。
【0030】
ボイラ火炉5の側壁には、高さ方向に複数段の燃料供給ノズル52a〜52fが設置される。該燃料供給ノズル52a〜52fは、一台の粉砕機に対して一段の燃料供給ノズルが対応している。粉砕機で得られた石炭粉体若しくはバイオマス粉体は、供給配管を介して夫々の燃料供給ノズルに接続される。
本実施例では、バイオマス粉砕機のボイラ火炉5への投入高さをバイオマス粉体の粒径に応じて任意に設定可能としている。好適には、バイオマス含水率若しくは平均長さに基づいてバイオマス粉体を供給する燃料供給ノズルの高さ位置を選択できるように構成する。
例えば、難粉砕性で微粉砕に大きな動力を要するバイオマス11を混焼する場合、粉砕機出口のバイオマス粒径が比較的大きくなることから火炉滞留時間を大きく取れる最下段の燃料供給ノズルに連結した粉砕機を、バイオマス粉砕用の第1の粉砕機として使用し、他の粉砕機を石炭粉砕用の第2の粉砕機として使用する。
一方、容易に微粉砕が可能なバイオマス11を混焼する場合は、中段若しくは下段の燃料供給ノズルに連結した粉砕機をバイオマス粉砕用の第1の粉砕機とする。これにより受け入れるバイオマスの粉砕性に応じて、粉砕機の適正な運用が可能となる。
【0031】
上記したように、バイオマス粉体の投入高さの選択は、バイオマス粉体の粒径に基づいて行われる。バイオマス粉体の粒径は、粉砕前のバイオマス含水率若しくは平均長さから推定できる。
図4には一例として、粉砕機の上流側にバイオマスの含水率を検出するための湿度センサ9を設けている。バイオマスの含水率と粉砕物の粒径の関係を図5に示す。同図に示すように、バイオマスの含水率が高くなるほど難破砕性となり、粉砕物の粒径は大きくなる。従って、湿度センサ9により粉砕前のバイオマスの含水率を検出して、該含水率に応じて制御装置8によりバルブ21a〜21f、22a〜22fを切り替え制御し、所定高さの燃料供給ノズルに連結する粉砕機にバイオマスが供給されるようにする。
【0032】
例えば、湿度センサ9にて検出したバイオマスの含水率が高い場合には、粉砕機で得られるバイオマス粉体の粒径は大きくなる。従って、図6に示すように下段側の燃料供給ノズル52aに接続される粉砕機3aにバイオマス11が供給されるように、制御装置8によりバルブの開閉制御する。そして、粉砕機B〜F(3b〜3f)には入熱量比が(19/0)となるような石炭を供給し、粉砕機A(3a)には入熱量比が(0/5)となるようなバイオマスを供給する。
含水率が低い場合には、図7に示されるように中段若しくは上段側の燃料供給ノズル52fに接続される粉砕機3fにバイオマスを供給する。そして、粉砕機A〜E(3a〜3e)には入熱量比が(19/0)となるような石炭を供給し、粉砕機F(3f)には入熱量比が(0/5)となるようなバイオマスを供給する。
同様に、上記した湿度センサ9の代替として、バイオマス11の平均長さを検出する検出センサを設けてもよい。ここで、バイオマス11の平均長さとは、一次破砕したバイオマスチップの長辺の平均長さをいう。
【0033】
また、バイオマス粉体の粒径を推定する他の手段として、ボイラ火炉5に供給する前のバイオマス粉体の粒径を直接検出するようにしてもよい。
さらに、バイオマス粉体の粒径を推定する他の手段として、ボイラ火炉5から排出される灰中のバイオマス未燃分を検出し、バイオマス未燃分が多く含まれる場合にはバイオマス粉体を下段側に供給するようにしてもよい。
【0034】
さらに、上記した実施例1及び実施例2において、図8に示すようにボイラ火炉5の燃料供給ノズル52a〜52fを、炉内の仮想円に対して接線方向に供給し、炉内に旋回流62を形成するように構成してもよい。
これにより、バイオマス粉体の滞留時間が長くなり炉内での燃焼が促進され、未燃損失を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の石炭・バイオマス混焼システム及び混焼方法によれば、石炭の単独粉砕若しくは石炭とバイオマスの混合粉砕を行う第2の粉砕機とは別に、バイオマスの単独粉砕を行う第1の粉砕機を設ける構成としたため、バイオマス性状の変動にかかわらず安定した運転を行うことができ、且つ粉砕機動力を抑えて微粉化可能であるため、既存の設備へ適用する際にも有益である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1に係るシステムの全体構成図である。
【図2】竪型粉砕機の概略構成を示す側断面図である。
【図3】粉砕機の運用パターンを説明する図で、(a)は従来例として石炭ボイラの場合、(b)は本実施例として混焼ボイラにて、石炭、バイオマス単独粉砕を夫々用いた場合、(c)は本実施例として混焼ボイラにて、混合粉砕とバイオマス単独粉砕を用いた場合、(d)は比較例として混焼ボイラにて混合粉砕を用いた場合、(e)は比較例として混焼ボイラにて、予備機を使用した混合粉砕を用いた場合である。
【図4】本発明の実施例2に係るシステムの全体構成図である。
【図5】バイオマス含水率に対する粉砕機出口の粒径を示すグラフである。
【図6】燃料供給ノズルから供給する入熱量比を説明する図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】図6とは別の入熱量比の例を示す図である。
【図8】旋回流を形成するノズル配置を示す平断面図である。
【図9】従来の単独粉砕方式の粉砕機を示す側断面図である。
【図10】従来の混焼システムを示す全体構成図である。
【図11】混合粉砕時のミル特性変化を示し、木屑混合比を0〜15%(入熱量比)まで増加した場合(横軸)、(a)は粉砕機動力比、(b)は微粉度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0037】
1 石炭貯蔵設備
2 バイオマス貯蔵設備
3、3a〜3f 竪型粉砕機
4、4a〜4f ホッパ
5 ボイラ火炉
7 排ガス循環ブロワ
8 制御装置
9 湿度センサ
10 石炭
11 バイオマス
18 石炭供給ライン
19 バイオマス供給ライン
21a〜21f 石炭供給バルブ
22a〜22f バイオマス供給バルブ
32 粉砕テーブル
34 粉砕ローラ
51 炉本体
52a〜52f 燃料供給ノズル
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久

【識別番号】100137257
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 廣


【公開番号】 特開2008−82651(P2008−82651A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−265032(P2006−265032)