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【発明の名称】 燃焼装置
【発明者】 【氏名】渡辺 俊雄

【氏名】平本 紳二

【氏名】岡崎 信雄

【要約】 【課題】速やかに触媒の温度を、触媒が活性化する温度に到達させ、さらにNOxの発生を抑制することができる燃焼装置を提供することである。

【構成】燃焼部20は触媒燃焼部3を有しており、触媒燃焼部3を上流側から加熱する加熱手段27を設けた。触媒燃焼部3が所定温度に達すると、触媒燃焼部3の上流側の空気過剰率が大きくなるように設定するようにした。触媒燃焼部3と熱交換部5の間に二次燃焼部4を設けた。触媒燃焼部3と二次燃焼部4の間に、燃料供給手段28を設けた。触媒燃焼部3の温度を検出する第一温度検出手段32と、二次燃焼部4の温度を検出する第二温度検出手段33を設けた。第一温度検出手段32によって検出された温度情報を元に、加熱手段27に供給される混合気の空気過剰率を制御するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側に燃焼部が配置され、下流側に熱交換部が配置された燃焼装置において、
前記燃焼部は触媒燃焼部を有しており、前記触媒燃焼部を上流側から加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
触媒燃焼部が所定温度に達すると、触媒燃焼部の上流側の空気過剰率を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
加熱手段はバーナであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
触媒燃焼部と熱交換部の間に二次燃焼部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項5】
触媒燃焼部と二次燃焼部の間に、燃料を供給する燃料供給手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置。
【請求項6】
前記燃料供給手段は、触媒燃焼部を貫通していることを特徴とする請求項5に記載の燃焼装置。
【請求項7】
燃料供給手段が、二次燃焼部を加熱可能なバーナであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の燃焼装置。
【請求項8】
触媒燃焼部の温度を検出する第一温度検出手段を設け、前記第一温度検出手段によって検出された温度情報を元に、加熱手段を構成するバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちのいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項9】
二次燃焼部の温度を検出する第二温度検出手段を設け、第二温度検出手段によって検出された温度情報を元に、二次燃焼部を加熱可能なバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御することを特徴とする請求項4乃至請求項8のうちのいずれかに記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガス又は液体燃料を気化させて燃焼させる燃焼装置であって、NOxの発生を抑制するために触媒を利用する燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスを燃焼させた際に、燃焼温度が1300℃以上になるとNOx(窒素酸化物)が多量に発生する。昨今は、このNOxの発生量を抑制するために、空気過剰率を大きく設定して燃焼温度を下げ、通常では燃焼しない希薄状態においても燃焼可能な触媒が開発され、この触媒を備えた燃焼装置が一部では実用化されている。
【0003】
図3は、このような燃焼装置40の概略図である。図3に示すように、燃焼装置40は、筐体43の内部に、上流側から順に送風機44,触媒45を有する燃焼部41,及び熱交換器42を備えている。触媒45の下流側には着火装置46が設けられており、触媒45の下流側で混合気が着火され、触媒45の温度が活性化する温度に達すると、触媒45内においても燃焼が行われる。このような燃焼装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平10−160111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図3の燃焼装置40のように、触媒45の下流側で火炎を生じさせて、触媒45を加熱しようとしても、触媒45には、燃料ガス及び空気の流れに逆らって熱伝達されるため、触媒45が活性化する温度に達するまでに時間が掛かる。
【0005】
そこで本発明は、速やかに触媒の温度を、触媒が活性化する温度に到達させ、NOxの発生を抑制することができる燃焼装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、上流側に燃焼部が配置され、下流側に熱交換部が配置された燃焼装置において、燃焼部は触媒燃焼部を有しており、触媒燃焼部を上流側から加熱する加熱手段を設けた。
【0007】
請求項1の発明では、触媒燃焼部を上流側から加熱する加熱手段を設けたので、触媒燃焼部を速やかに温度上昇させることができ、速やかに触媒の活性化する温度に到達させることができる。よって、従来のように触媒を下流側から加熱する場合よりも、燃焼を開始してから触媒が活性化状態となるまでの時間を短縮することができ、NOxの発生を抑制した燃焼状態を、燃焼の初期段階から実現することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明の燃焼装置において、触媒燃焼部が所定温度に達すると、触媒燃焼部の上流側の空気過剰率を大きく設定するように構成した。
【0009】
請求項2の発明では、触媒燃焼部が所定温度に達すると、触媒燃焼部の上流側の空気過剰率を大きく設定するようにしたので、活性化した触媒燃焼部内において良好な希薄燃焼が行われ、NOxの発生を抑制することができる。
ここで、所定温度とは、触媒が活性化する温度とすることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明の燃焼装置において、加熱手段をバーナとした。
【0011】
請求項3の発明では、加熱手段をバーナとしたので、加熱手段の汎用性が増し、安価に構成することができ、燃焼装置の製造コストを下げることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちのいずれかの発明の燃焼装置において、触媒燃焼部と熱交換部の間に二次燃焼部を設けた。
【0013】
請求項4の発明では、触媒燃焼部と熱交換部の間に二次燃焼部を設けたので、触媒燃焼部の下流側でも燃焼を行うことができるので、熱交換部に供給する熱量を増加させることができ、燃焼装置の性能が向上する。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4の発明の燃焼装置において、触媒燃焼部と二次燃焼部の間に、燃料を供給する燃料供給手段を設けた。
【0015】
請求項5の発明では、触媒燃焼部と二次燃焼部の間に、燃料を供給する燃料供給手段を設けたので、触媒燃焼部を未燃状態で通過する燃料がなくても、二次燃焼部の上流側に新たに燃料を供給し、二次燃焼部において燃焼させることができるので、熱交換部へ供給する熱量を増加させることができ、燃焼装置の能力を向上させることができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5の発明の燃焼装置において、燃料供給手段は、触媒燃焼部を貫通していることを特徴とする燃焼装置である。
【0017】
請求項6の発明では、燃料供給手段が触媒燃焼部を貫通しているので、触媒燃焼部を迂回して燃料供給手段を設けるよりも燃焼装置を小型化することができる。また、燃料供給手段を通過する混合気が、触媒燃焼部によって加熱(熱伝達)されて昇温するので、二次燃焼部における燃焼が安定する。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6の発明の燃焼装置において、燃料供給手段が、二次燃焼部を加熱可能なバーナとした。
【0019】
請求項7の発明では、燃料供給手段を、二次燃焼部を加熱可能なバーナとしたので、燃料供給手段を安価に構成することができる。また、触媒燃焼部を貫通する燃料供給手段の内部で混合気が予め昇温するので、バーナの火炎が安定する。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のうちのいずれかの発明の燃焼装置において、触媒燃焼部の温度を検出する第一温度検出手段を設け、第一温度検出手段によって検出された温度情報を元に、加熱手段を構成するバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御するようにした。
【0021】
請求項8の発明では、触媒燃焼部の温度を検出する第一温度検出手段を設けたので、触媒の温度管理が容易になる。請求項8の発明を実施すると、例えば、触媒が活性化する温度に達したことを検出したり、触媒温度が触媒の劣化が進む温度にならないように監視することができるようになる。また、請求項8の発明では、第一温度検出手段によって検出された温度情報を元に、加熱手段を構成するバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御するようにしたので、触媒が活性化したことを確認した後に、速やかに触媒燃焼部に供給する混合気を希薄にすることができ、触媒燃焼部で極めて効率よく燃料を燃焼させることができる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8のうちのいずれかの発明の燃焼装置において、二次燃焼部の温度を検出する第二温度検出手段を設け、第二温度検出手段によって検出された温度情報を元に、二次燃焼部を加熱可能なバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御するようにした。
【0023】
請求項9の発明では、二次燃焼部の温度を検出する第二温度検出手段を設けたので、二次燃焼部の温度を監視することができ、二次燃焼部の温度が、NOxの生じ易い温度に近付いたことを検出して、予め二次燃焼部における燃焼温度の上昇を抑制することができる。また、請求項9の発明では、第二温度検出手段によって検出された温度情報を元に、二次燃焼部を加熱可能なバーナに供給される混合気の空気過剰率を制御するようにしたので、二次燃焼部における燃焼温度が、NOxの生じ易い温度に到達しないように制御することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明を実施すると、触媒燃焼部を速やかに温度上昇させることができ、速やかに触媒の活性化する温度に到達させることができる。よって、燃焼を開始してから触媒が活性化状態となるまでの時間を短縮することができ、NOxの発生を抑制した燃焼状態を、燃焼の初期段階から実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明を実施した燃焼装置1の概略図である。
燃焼装置1は、二点鎖線で示す給湯装置21内に収容されている。図1に示すように燃焼装置1は、筐体15内に上流側から順に送風機2,燃料供給部19,燃焼部20,熱交換器5(熱交換部)を備えており、さらに下流側には排気部14が設けられている。
【0026】
燃焼装置1の熱交換器5は、水管6を備えている。すなわち、給湯装置21には入水管22と出湯管23とが設けてあり、入水管22の下流側と出湯管23の上流側が、水管6で接続されている。この水管6が燃焼装置1の熱交換器5に配置されている。よって、入水管22から供給された水は、後述する手順で生成された高温の燃焼ガスによって水管6内で加熱され、出湯管23を介して給湯装置21から給湯される。
【0027】
図1に示すように燃料供給部19は、燃料ガス供給管7,8と、バーナ部27,28とを備えている。バーナ部27は、触媒体3の上流側に配置されており、バーナ部27には燃料ガス供給管7から燃料ガス17が供給され、また、送風機2によって空気流が供給される。
【0028】
バーナ部28は、筐体15の中心部分に配置されており、さらにバーナ部28は、触媒体3を貫通しており、触媒体3の下流側には噴射口28aが配置されている。噴射口28aの近傍には着火装置29が配置されている。バーナ部28には、燃料ガス供給管8を介して燃料ガス18が供給され、さらに送風機2から空気流16が供給されて、燃料ガス18と空気の混合気は、噴射口28aから噴射されるまでに、バーナ部28の内部28bにおいて、予め一様な濃度の混合気を生成することができるようになっている。
【0029】
また、バーナ部27は、バーナ部28を取り巻くように複数個(例えば4〜12個)配置されている。図1ではそのうちの2つのみを描写している。バーナ部27の噴射口27aは、触媒体3の上流側に配置されており、噴射口27aの近傍には点火プラグ等の着火装置30が配置されている。バーナ部27には、燃料ガス供給管7を介して燃料ガス17が供給され、さらに送風機2から空気流16が供給されるようになっている。
【0030】
そして、空気過剰率が可燃範囲であれば着火装置30によって着火され、噴射口27aには火炎が形成され、触媒体3は上流側から加熱される。また、空気過剰率が大きくなり、可燃範囲を超えると失火し、希薄な混合気が触媒体3に供給されるようになっている。
【0031】
燃料ガス供給管7と燃料ガス供給管8は、燃料供給管13が分岐したものであり、燃料ガス供給管7は調整弁9と仕切弁11とを備えており、燃料ガス供給管8は調整弁10と仕切弁12とを備えている。調整弁9,10及び仕切弁11,12は、それぞれ信号線を介して制御装置31と接続されており、制御装置31からの指令によって開閉又は開度調整することができるようになっている。また、着火装置29,30も信号線を介して制御装置31と接続されており、制御装置31からの指令によって着火動作するようになっている。
【0032】
次に燃焼部20について説明する。
燃焼部20は、触媒体3(触媒燃焼部)と耐熱部材4(二次燃焼部)とで構成されている。触媒体3は、例えば耐熱性金属からなるハニカム構造体に触媒効果を有する白金等を溶射法等によって付着させて構成されている。
【0033】
触媒体3は、給湯器で使用されている燃焼装置以外の、従来の一般的な燃焼装置でも使用されているパラジウム等を採用することができる。また、耐熱部材4の素材としては、例えば耐熱性を有する金属や、セラミックス等を採用することができ、その形状は、多数の孔を設けた板体を素材として複数層に重ねて構成したり、ハニカム状の構造体や粒状物の集合体で構成することができる。
【0034】
この耐熱部材4を設けることにより、触媒体3の使用量は、従来の燃焼装置よりも少なくすることができる。すなわち、後述するように触媒体3ではNOxが発生しにくい温度領域で燃料ガスを希薄燃焼させ、触媒体3の下流側でさらに燃料ガス18が供給されて耐熱部材4において燃焼が行われ、熱交換器5に必要な熱量を供給する。よって、触媒体3の素材は高価であるが、その使用量を低減することができるので、燃焼装置1の製造コストを下げることができる。
【0035】
触媒体3には温度センサ32(第一温度検出手段)が設けてある。また、耐熱部材4には温度センサ33(第二温度検出手段)が設けてある。温度センサ32,33は、各々信号線を介して制御装置31と接続されている。よって、温度センサ32,33によって検出された温度情報は、信号線を介して制御装置31へ伝送可能になっている。図示していないが、送風機2も制御装置31と信号線で接続されており、制御装置31によって送風量が制御されるようになっている。
【0036】
ここで、制御装置31は、演算手段としてCPUを備えており、記憶手段としてメモリを備えている。メモリには予め触媒体3の活性化温度,触媒体3の劣化が始まる温度,NOxが生じ易くなる燃焼温度,送風機2の送風量及び燃料ガス17,18の供給量(調整弁9,10の開度)と空気過剰率の相関関係(マップ)等が記憶されている。また、メモリには一時記憶領域が設けてあり、温度センサ32,33で検出された温度情報を、この一時記憶領域に記憶することができる。
【0037】
CPUは、メモリに一時記憶された検出温度と、メモリに予め記憶されている値とを比較し、所定の演算を行う。すなわち、例えば、温度センサ32が検出した触媒体3の温度情報と、触媒体3の活性化温度とを比較し、検出温度が活性化温度に達しているか否かを判定する。仮に、検出温度が活性化温度に達していなければ、触媒体3の加熱を続行し、達していれば空気過剰率が大となるように調整弁9の開度を絞るか、又は送風機2による空気流16の送風量を増加させる。
【0038】
次に、燃焼装置1における燃焼ガスの生成の過程を説明する。
給湯装置21の給湯スイッチ(図示せず)がONになると、制御装置31によって仕切弁11が開となり、さらに調整弁9の開度が調整される。調整弁9の開度は、制御装置31によって当初は大きく(例えば全開状態)設定され、燃料ガス17は、送風機2によって供給される空気流16(空気)と混合し、着火装置30によって着火され、噴射口27aにおいて比較的空気過剰率が小さい状態で火炎を生じさせる。
【0039】
燃焼開始当初の触媒体3の温度は低く、触媒体3が活性化する温度(300℃〜500℃程度)に達するまで、触媒体3は噴射口27aに生成された火炎によって加熱される。燃焼装置1の触媒体3は、従来の一般的な燃焼装置に設けられている触媒よりも少量である(又は小さい)ので温度上昇し易く、早期に活性化温度に到達する。触媒体3に設けた温度センサ32によって検出された温度が、触媒体3が活性化する温度に達したら、制御装置31は、調整弁9の開度を絞り、供給する燃料ガス17の量を少なくし、噴射口27aに形成された火炎を失火させ、触媒体3の上流側に空気過剰率の大きい混合気が供給される。または、送風機2による送風量を増加させて空気過剰率を大きくしてもよい。
【0040】
上述のように制御装置31によって触媒体3の上流側の空気過剰率が希薄状態に設定されると、活性化した触媒体3では極めて良好に燃焼が行われる。触媒体3によって希薄燃焼した燃焼ガス(未燃の燃料ガスや燃焼に寄与しなかった空気を含む)は、触媒体3の下流側へ移動する。
【0041】
制御装置31は、予め燃料ガス供給管8の調整弁10と仕切弁12とを操作し、さらに着火装置29を動作させて、バーナ部28の噴射口28aに火炎を生成させ、耐熱部材4を加熱し、耐熱部材4の温度を例えば500℃以上に上昇させておく。
【0042】
そして、耐熱部材4内で、例えば900℃〜1300℃の温度領域で燃焼が行われるように、制御装置31は、バーナ部28の噴射口28aから燃料ガス(混合気)を供給し、これを触媒体3を通過した燃焼ガス(未燃の燃料ガスと燃焼に寄与しなかった空気を含む)と混合させて耐熱部材4へ供給する。
【0043】
NOxは、1300℃を超えると多量に発生するが、耐熱部材4内における燃焼温度を900℃〜1300℃程度に調整することにより、NOxの発生量を抑制することができる。そして、耐熱部材4内で生成されたNOxの含有量が極めて少ない燃焼ガスは、熱交換器5へ供給され、水管6内の水を加熱する。熱交換器5で水を加熱した燃焼ガスは、下流側の排気部14より外部へ排出される。
【0044】
以上の動作を、図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明を実施した燃焼装置1の作動流れ図である。
給湯装置21の図示しない給湯スイッチがユーザによってONにされると、燃焼装置1の燃焼が開始される。燃焼開始当初は、触媒体3及び耐熱部材4は低温であることが多い。仮に、前回燃焼時の余熱が残っている場合には、温度センサ30によって検出される触媒体3の温度は、既に活性化温度であることもあり得るが、前回燃焼時から相当な時間が経過している場合には、触媒体3は低温(例えば常温)状態なので、バーナ部27に火炎を生じさせて触媒体3を加熱する。耐熱部材4は、必ずしも予め加熱しておく必要はないが、予め加熱して昇温させておくと、燃焼温度が短時間で上昇し易くなり、速やかな給湯が可能になる。よって、触媒体3を加熱している間の時間を利用して、耐熱部材4も同時に加熱するのが好ましい。
【0045】
制御装置31は、触媒体3の温度が活性化する温度に達したと判定すると、燃料ガス供給管7の調整弁9の開度を絞って燃料ガス17の供給量を減少させるか、送風機2の出力を上げて空気流16を増やす。その結果、バーナ部27から噴射される火炎は、可燃範囲を超えて希薄となって失火し、触媒体3には希薄な混合気が供給される。
【0046】
触媒体3では、希薄な混合気が燃焼する。燃焼温度は300℃〜900℃程度であり、900℃を超えると触媒体3が劣化する。また、300℃を下回ると、触媒体3が不活性になるため、制御装置31は、温度センサ32によって検出された温度が、300℃〜900℃の範囲内でなければ、この範囲内に入るように燃料ガス17の供給量や送風機2による空気流16の供給量を操作し、触媒体3の上流側の空気過剰率を調整する。
【0047】
また、制御装置31は、耐熱部材4において900℃〜1300℃の範囲内の温度で燃焼が行われるように、触媒体3の下流側の空気過剰率を調整する。すなわち、燃料ガス供給管8の調整弁10の開度を調整して燃料ガス18の供給量を調整したり、送風機2による空気流16の供給量を調整する。なお、図示していないが、バーナ部28の内部28bに供給される空気流16の量は、ダンパによって調整できるようになっている。このダンパの開度は、制御装置31で制御することができるようになっている。
【0048】
制御装置31は、温度センサ33によって検出される温度によって、耐熱部材4が900℃〜1300℃の範囲内であるか否かを判定する。仮に、耐熱部材4における燃焼温度が900℃以下であれば、熱交換器5へ十分な熱量を供給しにくくなり、逆に1300℃を超えると、燃焼ガス中に多量のNOxが生じてしまう。
【0049】
よって、制御装置31は、耐熱部材4における燃焼温度を上記範囲内に収まるように触媒体3の下流側(耐熱部材4の上流側)の空気過剰率を制御する。このように制御された燃焼装置1では、給湯スイッチがONにされてから、速やかに給湯することができ、さらに、燃焼ガス中にほとんどNOxを生じさせない。
【0050】
次に制御装置31は、図示しない給湯スイッチがOFF(給湯終了)を検出すると、燃料ガス供給管7の仕切弁11と燃料ガス供給管8の仕切弁12を全閉にして燃料ガスの供給を停止し、触媒体3及び耐熱部材4における燃焼を終了させる。
【0051】
給湯スイッチがOFFにされなければ、さらに触媒体3と耐熱部材4の温度を監視し、各々適切な上記温度範囲内で燃焼が行われるように、触媒体3の上流側及び下流側の空気過剰率を調整する。
【0052】
本発明を実施した燃焼装置1は、瞬間式給湯装置に適用することができるが、温水暖房機の熱源として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を実施した燃焼装置の概略図である。
【図2】本発明を実施した燃焼装置の作動流れ図である。
【図3】従来の触媒を備えた一般的な燃焼装置の概略図である。
【符号の説明】
【0054】
1 燃焼装置
2 送風機
3 触媒体(触媒燃焼部)
4 耐熱部材(二次燃焼部)
5 熱交換器(熱交換部)
7 燃料ガス供給管
8 燃料ガス供給管(燃料供給手段)
19 燃料供給部
20 燃焼部
27 バーナ部(触媒体の加熱手段)
28 バーナ部(二次燃焼部を加熱可能なバーナ)
31 制御装置
32 第一温度検出手段
33 第二温度検出手段
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆


【公開番号】 特開2008−2785(P2008−2785A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175068(P2006−175068)