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【発明の名称】 発電電力を利用したオートドレントラップの動作確認方法及び装置
【発明者】 【氏名】松橋 竜

【要約】 【課題】ドレン配管内の圧縮空気を有効活用できるドレントラップの動作確認方法及び装置を提供する。またドレントラップのエアーロスを減らすことができ、安定して作動するドレントラップの動作確認装置を提供する。

【解決手段】ドレン配管内に回転羽根を備えた発電手段を設け、前記発電手段の出力を監視し、電圧が基準値を越えた状態又は越えない状態が一定時間続いたときにドレントラップに異常が生じたものと判定し、警報手段を作動させる。ドレン配管を通過する流体は発電トルクの反作用として回転羽根から反力を受けて減圧される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレン配管に回転羽根を備えた発電手段を設け、その出力電圧を監視することによりドレントラップの異常を判定するオートドレントラップの動作確認方法。
【請求項2】
前記発電手段の出力が基準値を一定時間続けて越えたとき又は越えないときにドレントラップに異常ありと判定することを特徴とする請求項1記載のオートドレントラップの動作確認方法。
【請求項3】
ドレン配管内の圧縮空気の流れに応じて回転するように配設された回転羽根と発電用コイルとを有し、ドレントラップの作動時に電力を出力するオートドレントラップの動作確認装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はオートドレントラップのドレン排出動作の確認方法及び装置、特に圧縮空気による発電電力を運転信号に活用した方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気配管中に設置されたドレントラップが故障するとドレンが排出されず、これに気づかないでいると配管のほかの機器に重大な影響を与えることがある。そこでドレントラップの不具合を何らかの方法で直ちに検出する必要がある。電磁式のドレントラップであれば制御信号を利用してモニタリングを行うことが可能であるが、フロート式やディスク式は通常無電源であるため、運転信号等の信号を発信することができない。また電磁式のドレントラップでも製品によっては信号発信の機能がないものもあり、ユーザが何らかの対応をしなければならない。
【0003】
特開2003−343794号公報記載の発明は、ドレン配管中の液体の排出の有無を検出する検知手段と、その検知手段からの信号に基づき排出時間を算出して、排出間隔が設定した範囲から外れる場合に機器の異常と判定する判定手段とを備えた異常検出装置によりドレントラップの動作確認を行うものである。また検知手段の例として、配管内に一対の電極を突設してその間の電気抵抗を測定するもの、機械式スイッチによる検知、光学センサを用いた検知、熱的な検知などが記載されている。また、異常判定の方法としては、排出間隔が数回外れたときに異常と判定する方法や、季節等に応じて判断基準を変動させる方法が記載されている。
【特許文献1】特開2003−343794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のドレントラップの異常検出装置では、ドレン水の排出の検知手段として機械的スイッチ、光学センサ、熱センサ等をあげているが、これらの検知手段はいずれも流量計として用いられるもので、配管内の圧力に与える影響の少ないものが選択されている。これらの検知手段は、圧縮空気の排圧を利用してさらにドレン水の油水分離を行う場合は適切であるが、ドレントラップから出たドレンをいったん大気開放した後に水頭圧で油水分離を行う場合や、ポンプや圧送ユニットを設けて給送する場合にはあまり適当でない。これらの装置ではドレンと共に噴出する圧縮空気は油水分離には用いられずむしろ本管にとってのエアーロスとなるので、むしろ少ないほど望ましいからである。そこで本発明は、通常の流量計を用いず、ドレン配管内の圧縮空気を有効活用できるドレントラップの動作確認方法及び装置を提供することを第一の目的とする。またさらにエアーロスそのものを減らすことのできる動作確認方法及び装置を提供することを第二の目的とする。
【0005】
また、配管内の流体の性質を利用した検知方法では、ドレントラップが作動しても排出されるドレン水の量が少ない場合には検知しにくく、調整が面倒になることが考えられる。例えばドレントラップが定期的に動作していてもドレンの貯溜量が少ない場合、ドレントラップの故障と判断される可能性がある。そこで本発明は、圧縮空気とドレン水の割合に関係なく、安定した検知を行うことができるドレントラップの動作確認方法及び装置を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、ドレン配管に回転羽根を備えた発電手段を設け、その出力電圧を監視することによりドレントラップの異常を判定するオートドレントラップの動作モニタリング方法により、上記の課題を解決する。
【0007】
ドレントラップ動作時のエアーロスは好ましくないが、完全になくすことはできない。そこで本発明では回転羽根を備えた発電手段を設け、逆にこの圧縮空気を利用して発電しその出力をモニタすることによってドレントラップの動作確認を行うものである。出願人が知る限り、ドレン配管内の発電手段がドレントラップ動作確認のために使用されたことはなかった。本発明では通常エアーロスとされるドレン配管内の圧縮空気を有効活用し、合理的にドレントラップの動作確認を行うことができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオートドレントラップの動作モニタリング方法において、前記発電手段の出力が基準値を一定時間続けて越えたとき又は越えないときにドレントラップに異常ありと判定するものである。ドレントラップが作動すると本管からの圧縮空気により発電が行われるので、これが通常の作動間隔を超える一定時間出力されつづけるときはエアーロスが発生しており、一定時間途絶えたときはドレン排出が滞っており、いずれの場合も異常ありと判断するものである。警報手段としてはランプ、ブザー等が使用できる。好ましくはさらに電力を蓄える充電装置を設けて充電した電力により装置を動作させることもできる。
【0009】
請求項3記載の発明は、ドレン配管内の圧縮空気の流れに応じて回転するように配設された回転羽根と発電手段とを有し、ドレントラップの作動時に電力を出力する、環境配慮に優れ調整も容易なオートドレントラップの動作確認装置である。発電手段に接続された回転羽根は一定のトルクを有しているから、配管内のドレン水と圧縮空気は回転羽根からの反力を受けて減圧される。従って圧縮空気の急激な噴出を抑えることができ、エアーロスを減らす効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態について説明する。図1はドレン配管の構成と出力の流れを示す説明図であり、実線は動力、点線は電気の伝達を示している。図2は回転機構6の詳細を示す断面図である。
【0011】
ドレン排出源1にフロート式のドレントラップ3を介してドレン配管2が接続され、ドレン配管2の末端は大気開放されたドレン貯溜槽5の上部に開口されている。ドレン配管2の一側部には、管路と一体となったハウジング6aが設けられ、その内部に水平の回転軸6bを介して発電手段7に関連する回転部6cが回転自在に軸支されている。回転部6cには4枚の回転羽根6dが放射状に設けられ、この回転羽根6dが配管2側に来たときにドレン配管のドレン流路の一部を塞ぐようになっている。ドレン配管2内を圧縮空気及びドレン水が勢いよく通ると、その圧力により回転羽根6dが力を受けて付勢され、回転部6cの全体が反時計回りに回転することにより誘導起電力が生じる。なお回転部の構成はこれに限られず、例えば5枚以上の回転羽根を設置したり軸流式の回転部など異なる形式のものも使用することができる。
【0012】
発電手段7の具体的な構成としては、DCモーターと同様に回転軸6b上にコイルと整流手段を設け、回転軸6bの周囲に永久磁石による界磁手段を設けて、回転羽根6dが付勢されて回転部6cが回転すると前記コイルの巻線に誘導電圧が生じるように構成したものが考えられる。生じた誘導電圧は一対の電気回線を介して判定手段8に供給される。判定手段8は図示しないタイマー手段を有し、発電手段7からの電圧を定期的に所定の基準電圧と比較し、比較結果が前回と異なる場合に内部カウンタをゼロに戻す。カウンタが設定値に達すると、ドレントラップ3に何らかの異常が生じたものと判定し、警報手段11から警報を発する。発電手段7や判定手段8はこれに限らず他の形式であってもよい。
【0013】
好ましくは前記判定手段8に電源制御手段と充電装置を接続し、電圧が基準値を超えたときに電源制御手段に通電して充電装置を充電させ、これを装置の電源として再使用することにより、いっそう省エネ効果を高めることもできる。
【0014】
通常オートドレントラップはタイマー手段により間欠的に動作する。フロート式ドレントラップのようにドレンが一定量貯まったら動作するものもあるが、同じ環境ではドレンの貯溜速度はほぼ一定であるから、この場合もある程度のサイクルでドレントラップが動作することが予想される。また1回の開弁時間は1秒から1分程度の所定の値に設定されている。ドレントラップ3が動作すると、ドレン発生源1からドレン配管2に圧縮空気及びドレン水が噴出し、この圧縮空気及びドレン水は回転羽根6dに衝突して回転部6cを回転させるので、発電手段7に誘導起電力が生じ判定手段8へ供給される。ドレン配管2を通過する流体は回転軸6に生じるトルクの反作用として回転羽根6dから反力を受けて減圧され、ドレン貯溜槽4の上部に噴出し、気液分離される。
【0015】
本管の圧力が一定であればドレントラップ作動時の圧縮空気の排圧及び生じる電圧の最大値はほぼ一定となり、その時間的な変化は図3に示すようになる。判定手段8の判定基準電圧は最大電圧よりも低く(たとえば5Vに)設定されているので、ドレントラップが動作して発電電力が判定手段8に供給されると内部のカウンタがリセットされ、再びゼロからカウントを始めるようになる。図3では「異常発生ポイント」においてドレントラップが動作終了しなくなり、圧縮空気が出つづける異常が発生している。このとき「異常発生ポイント」以後はカウンタがリセットされず設定値を越えるので、警報手段に作動信号が送られる。ユーザは直ちにドレントラップの検査を行うことで後工程への悪影響を未然に防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明によれば通常無駄に排出されているオートドレントラップのロスエアーを用いて発電し、この出力を用いてドレントラップの動作確認を行うので、省エネ性能が高く、また運用が容易である。従ってドレントラップを必要に応じていろいろな場所に設けることができ、産業上の利用可能性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のドレントラップ作動確認装置の配管系統及び信号出力の流れを示す説明図である。
【図2】回転機構の詳細を示す断面図である。
【図3】発電電圧の時間的な変化を示す説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1 ドレン排出源
2 ドレン配管
3 ドレントラップ
4 出口管
5 ドレン貯溜槽
6 回転機構
6a ハウジング
6b 回転軸
6c 回転部
6d 回転羽根
7 発電手段
8 判定手段
【出願人】 【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
【出願日】 平成19年4月9日(2007.4.9)
【代理人】 【識別番号】100062373
【弁理士】
【氏名又は名称】稲木 次之

【識別番号】100110906
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和彦


【公開番号】 特開2008−256171(P2008−256171A)
【公開日】 平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願番号】 特願2007−101733(P2007−101733)