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【発明の名称】 熱応動式スチームトラップ
【発明者】 【氏名】藤田 智行

【要約】 【課題】弁孔の下流側に開口面積の小さなオリフィス孔を形成せずに弁孔に付着する金属イオンを取除くことのできる熱応動式スチームトラップを提供する。

【解決手段】本体1と蓋部材5から成るケーシングで入口2と弁室4と出口3を形成する。弁孔6を有する弁座部材7を弁室4と出口5との間に配置する。壁部材10とダイヤフラム部材13と両部材の間に密封した膨脹媒体14とダイヤフラム部材13の弁座部材7側に連結した弁部材15とから成る温度制御機素8を弁室4内に配置する。弁部材15の下端中央に弁座部材7の弁孔6内に位置する弁棒22を固着して連結する。弁棒22の外表面に螺旋状の切欠き23を設ける。弁部材15の開閉変位に伴って弁孔6内を上下に変位する弁棒22により、また、弁孔6を旋回しながら通過する排出流体の旋回流により弁孔6の表面に付着する金属イオンを取除く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に配置し、壁部材とダイヤフラム部材と両部材の間に密封した膨脹媒体とダイヤフラム部材の弁座部材側に連結した弁部材とから成る温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、弁部材に弁孔内に位置する弁棒を連結し、弁棒の外表面に螺旋状の切欠きを設けたことを特徴とする熱応動式スチームトラップ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱されて膨脹し冷却されて収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出する熱応動式スチームトラップに関し、特に、流体中に溶解している金属イオンが弁座部材の弁孔の表面に堆積して弁孔を閉鎖してしまうことを防止したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱応動式スチームトラップを特開平9−303686号公報を参照して説明する。これは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に配置し、壁部材とダイヤフラム部材と両部材の間に密封した膨脹媒体とダイヤフラム部材の弁座部材側に連結した弁部材とから成る温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、弁孔の下流側に弁孔よりも開口面積の小さなオリフィス孔を形成し、オリフィス孔の上端に一部を位置せしめた転動部材をオリフィス孔を貫通して配置したものである。
【0003】
弁孔の下流側に開口面積の小さなオリフィス孔を形成して、弁孔の圧力をその上流側の圧力に近い高圧に保ち、復水を緩やかに弁孔を流下させることにより、弁孔の表面に金属イオンが付着することを防止する。復水はオリフィス孔を高速に流れ、金属イオンがオリフィス孔の表面に付着することとなるが、このオリフィス孔の表面に付着する金属イオンを復水流によって転動する転動部材によって取除くものである。しかしながら、この従来の熱応動式スチームトラップは、弁孔の下流側に開口面積の小さなオリフィス孔を形成したものであるので、復水の排出流量が低下する問題点があった。
【特許文献1】特開平9−303686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、弁孔の下流側に開口面積の小さなオリフィス孔を形成せずに弁孔に付着する金属イオンを取除くことのできる熱応動式スチームトラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の熱応動式スチームトラップは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に配置し、壁部材とダイヤフラム部材と両部材の間に密封した膨脹媒体とダイヤフラム部材の弁座部材側に連結した弁部材とから成る温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、弁部材に弁孔内に位置する弁棒を連結し、弁棒の外表面に螺旋状の切欠きを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、外表面に螺旋状の切欠きを設けた弁棒を弁部材に連結することにより弁孔の表面に付着する金属イオンを取除くものであるので、弁孔の下流側に開口面積の小さなオリフィス孔を形成せずに弁孔に付着する金属イオンを取除くことのできるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の熱応動式スチームトラップは、弁部材に弁孔内に位置する弁棒を連結し、弁棒の外表面に螺旋状の切欠きを設けたものである。そのため、弁部材の開閉変位に伴って弁孔内を変位する弁棒により弁孔の表面に付着する金属イオンを取除く。また、弁棒の螺旋状の切欠きにより弁孔を旋回しながら通過する排出流体の旋回流により弁孔の表面に付着する金属イオンを取除く。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1と図2参照)。本体1には同一軸上に入口2と出口3が形成され、この入口2及び出口3と連通する弁室4が本体1にねじ結合された蓋部材5によって形成される。本体1と蓋部材5でケーシングが形成される。出口3の弁室4側開口端に、弁室4と出口3とを連通する弁孔6が形成された弁座部材7がねじ結合されている。弁座部材7の上方に、温度制御機素8が配置される。温度制御機素8は、注入口9を有する上壁部材10と、注入口9を密封する栓部材11と、上壁部材10との間に収容室12を形成するダイヤフラム部材13と、収容室12に密封される膨脹媒体14と、ダイヤフラム部材13に固着され弁座部材7に離着座して弁孔6を開閉する弁部材15と、ダイヤフラム部材13の外周縁を上壁部材10との間に挟んで固着する下壁部材16と、から形成される。膨脹媒体14は、水、水より沸点の低い液体、あるいはそれらの混合物で形成される。
【0009】
弁部材15の下端中央に弁座部材7の弁孔6内に位置する弁棒22を固着して連結する。弁棒22の外表面に螺旋状の切欠き23を設ける。温度制御機素8は、本体1と弁座部材7との間に挟んで固定された有底円筒形状の取付部材17内に収容され、蓋部材5と温度制御機素8の間に配置されたコイルスプリング18の付勢力によって取付部材17の段部19に下壁部材16の外周下面が当接保持される。取付部材17には、底壁に流体通過孔20と周壁に3つの流体通過窓21が開けられている。
【0010】
本実施例での作動は下記の通りである。始動時、弁室4内は低温であり、膨脹媒体14は収縮し、ダイヤフラム部材13が上方に変位し、弁部材15が弁座部材7から離座して弁孔6を開口している。これによって入口2から流入する低温の復水や空気を弁孔6から出口3へ排出する。低温流体の排出によって入口2から流入する流体温度が上昇し、弁室4内が所定温度以上になると、膨脹媒体14は膨脹し、ダイヤフラム部材13が下方に変位し、弁部材15が弁座部材7に着座して弁孔6を閉止する。これによって蒸気の漏出を防止する。放熱によって弁室4内が所定温度以下になると、膨脹媒体14は収縮し、ダイヤフラム部材13が上方に変位し、弁部材15が弁座部材7から離座して弁孔6を開口する。弁部材15の開閉変位に伴って弁孔6内を上下に変位する弁棒22により弁孔6の表面に付着する金属イオンを取除く。また、弁棒22の螺旋状の切欠き23により弁孔6を旋回しながら通過する排出流体の旋回流により弁孔6の表面に付着する金属イオンを取除く。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の熱応動式スチームトラップの断面図。
【図2】図1の弁部材と弁座部材部分の拡大断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 本体
2 入口
3 出口
4 弁室
5 蓋部材
6 弁孔
7 弁座部材
8 温度制御機素
13 ダイヤフラム部材
14 膨張媒体
15 弁部材
22 弁棒
23 螺旋状の切欠き

【出願人】 【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
【出願日】 平成19年2月16日(2007.2.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−202622(P2008−202622A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−36309(P2007−36309)