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【発明の名称】 液体作動装置
【発明者】 【氏名】中島 正弘

【要約】 【課題】液体作動装置の製造工程においてオイル漏れ見逃しを阻止することができ、また、設備点検で液体作動装置のオイル漏れを容易に知覚可能とする。

【構成】ケース内に封入されている作動液体Qを介してケース内外の力の伝達を行わせる液体作動装置において、前記作動液体Qの存在を知覚可能とするための材料Dを前記作動液体に混入したことを特徴とし、万一作動液体Qが液体作動装置から漏れた場合、この漏れを極めて容易に発見することができ、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に封入されている作動液体を介してケース内外の力の伝達を行わせる液体作動装置において、前記作動液体の存在を知覚可能とするための材料を前記作動液体に混入したことを特徴とする液体作動装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体作動装置であって、
前記知覚材料は蛍光塗料又は着色剤若しくは着臭剤のいずれか又は、これらの任意の組合わせであることを特徴とする液体作動装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液体作動装置であって、
前記ケースは、緩衝対象物からの入力を前記作動液体を介して緩衝するダンパーの外殻を形成することを特徴とする液体作動装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパー等のケース内に封入されている作動液体の漏れを容易に知覚可能な液体作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体作動装置としては、特許文献1に開示されている直線型、特許文献2に開示されている回転型及び特許文献3に開示されている揺動型が使用目的に合わせて用いられている。これらの液体作動装置には、作動液体として一般にシリコンオイルが用いられている。ところが、このシリコンオイルは無色,無臭で透明であるため、水滴等と錯覚する恐れが有り万一オイル漏れが有っても発見が極めて困難である。従って、製造工程におけるオイル漏れ見逃し防止対策には、多くの工数を必要としている。
【0003】
また、多数の液体作動装置を使用しているユーザー側も、設備点検でオイル漏れをチェックするためには、個々に丁寧に確認する必要が有る等、多くの時間を必要としている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−288235号公報
【特許文献2】特開平4−29632号公報
【特許文献3】特開平10−115338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、液体作動装置の製造工程においてオイル漏れ見逃しを阻止するのは極めて困難であり、また、設備点検で液体作動装置のオイル漏れをチェックするのも極めて困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ケース内に封入されている作動液体の漏れを容易に知覚可能にするため、前記作動液体の存在を知覚可能とするための材料を前記作動液体に混入したことを特徴とする液体作動装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体作動装置は、ケース内に封入されている作動液体を介してケース内外の力の伝達を行わせる液体作動装置において、前記作動液体の存在を知覚可能とするための材料を前記作動液体に混入したから、万一作動液体が液体作動装置から漏れた場合、この漏れを極めて容易に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
作動液体の漏れを容易に知覚可能にするという目的を、作動液体の存在を知覚可能な知覚部材を混入することにより実現した。
【実施例1】
【0009】
図は、本発明の実施例1に係る液体作動装置で、図1は正面視断面説明図である。
【0010】
この実施例1からなる液体作動装置E1は、図示されているように、直線型の液体作動装置で、作動液体Qと、ピストン10と弁部20と前記作動液体Qを封入したケースを構成するシリンダ30とを備えている。
【0011】
前記作動液体Qにはシリコーンオイルが用いられており、この作動液体Qの存在を容易に知覚できる知覚材料Dとして蛍光塗料Daが混入されている。この蛍光塗料Daは、紫外線を照射すると発光する特性を有しているので、万一、液体作動装置から作動液体Qが漏洩している場合には、漏洩部分が蛍光色に発光し、簡単に漏洩の事実と、漏洩箇所を極めて容易に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【0012】
この設備点検は、定期点検等で液体作動装置の製造側を含むユーザー以外の第三者が実施する場合もあるが、上述したように、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを用いると紫外線(ブラックライト)を照射するだけで、漏洩部分が蛍光色に発光し、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。従って、ユーザー側に余計な不安や心配又は不快感を与える恐れがない。
【0013】
作動液体Qの存在を容易に知覚できる知覚材料Dとして、前記シリコーンオイルを着色可能な着色剤Dcや、着臭可能な着臭剤Deを混入しても良い。この場合も、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。
【0014】
上述した知覚材料Dのシリコーンオイルへの混入割合は、シリコーンオイルが作動液体Qとしての性能を阻害しないように設定するのは勿論である。
【0015】
前記シリンダ30は、内部に、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入した作動液体Qを封入した液体室31が形成されており、この液体室31内を圧力室50側と非圧力室60側とに区画するよう、ピストン10がピストン・ロッド17を介して移動可能に挿入されている。
【0016】
前記ピストン10には、作動液体Qの流通路11がピストン10を軸方向に貫通して左右2本設けられており、この各流通路11を開閉するように弁部20が形成されている。
【0017】
ピストン10は、弾性変形可能な材料により成形されており、ピストン10の端面には前記弁部20が一体成形され、この弁部20は、流通路11をピストン10の移動に伴う弾性変形により開閉できるようになっている。従って、作動時に弁部20が傾斜したり、他の構成部品に引っ掛かることがない。
【0018】
ピストン10を圧力室50側に移動すると、弁部20が作動液体Qの圧力により非圧力室60側に撓み、各流通路11を閉鎖し緩衝効果を得ることができる。また、ピストン10を非圧力室60側に移動すると、非圧力室60内の作動液体Qが流通路11を通過して圧力室50側に移動し、この移動圧力で弁部20を圧力室50側に押し開き、非圧力室60内の作動液体Qが流通路11を通過して圧力室50側に移動しピストン10を容易に元の状態に復帰することができる。
【0019】
また、シリンダ30の非圧力室60内には、この非圧力室60内の圧力変動に対応して弾性変形する弾性膜40が配置されている。この弾性膜40は、メンブレンと称されているゴム膜で構成され、シリンダ30内に挿入されたガイド32に、図示したように取り付けられ、その弾性変形により非圧力室60と圧力室50との間の作動液体Qの流通を良好化し、液体作動装置E1の性能向上に貢献している。
【0020】
また、シリンダ30の弾性膜40を収納した部分には、図示したように通気口33が設けられている。従って、弾性膜40の周囲を大気圧化でき、一層前記弾性膜40の効果を助長することができる。
【0021】
この実施例は上述したように、前記ピストン10の端面に一体的に固定された弁部20を備え、前記弁部20は前記流通路11をピストン10の移動に伴う弾性変形により開閉するように構成されているので、ピストン・ロッド17に制御対象物から入力があると、ピストン・ロッド17からピストン10に力が伝達され、ピストン10が圧力室50側に移動する。すると、前記弁部20が作動液体Qの圧力により非圧力室60側に撓み、各流通路11を閉鎖し、動圧抵抗によりピストン10に抗力が付与されてその動きが制限され、入力された衝撃が緩和される。
【0022】
ピストン・ロッド17に対する制御対象物からの入力が無くなると共に、ピストン10を非圧力室60側に移動すると、非圧力室60内の作動液体Qが流通路11を通過して圧力室50側に移動し、この移動圧力で弁部20を圧力室50側に押し開き、非圧力室60内の作動液体Qが流通路11を通過して圧力室50側に移動しピストン10を容易に元の状態に復帰する。
【0023】
この実施例では、前述したように、前記作動液体Qとしてシリコーンオイルが用いられ、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入したので、検査あるいわ点検に際し、紫外線(ブラックライト)を照射するだけで、例えば万一、シリンダ30の開放端30aに取り付けられているキャップ34の周囲34aから作動液体Qが漏洩している場合には、漏洩部分が蛍光色に発光し、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【実施例2】
【0024】
図2は本発明の実施例2からなる液体作動装置を示しており、常温での作動状態を示す要部半断面説明図である。
【0025】
実施例2を適用した液体作動装置E2は、図示されているように、回転型の液体作動装置で、作動液体Qを封入したケース10、ロータ20及び調整部Aから構成されている。
【0026】
前記作動液体Qには、前述した実施例1と同様にシリコーンオイルが用いられており、この作動液体Qの存在を容易に知覚できる知覚材料Dとして蛍光塗料Daが混入されている。この蛍光塗料Daを混入した作用・効果については、前記実施例1の説明で述べたので、ここでの再説明は省略する。
【0027】
前記シリンダ30は、内部に、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入した作動液体Qを封入した液体室31が形成されており、前記ケース10は、内部に前記ロ−タ20を収納すると共に、内部に前記蛍光塗料Daを混入した作動液体Qを封入する作動室11が設けられている。
【0028】
前記ロ−タ20は、円盤状に形成された制動盤21と、この制動盤21の中心部に一体的に凸設された回転軸22と、この回転軸22の中心と一致させて前記制動盤21の低面に開口するよう設けられた取付孔23から構成されている。
【0029】
このように構成されたロ−タ20を収納する前記作動室11の底面の中心部には、前記取付孔23と回転自在に緩合する取付用回転軸12が一体的に凸設され、この取付用回転軸12を中心として前記制動盤21を収納する制動盤収納部13が形成され、この制動盤収納部13を含む外周側にドーナツ状に剪断抵抗発生部14が形成されている。
【0030】
前記調整部Aは、この実施例においてバイメタル30により構成されている。このバイメタル30の外径側の形状は前記制動盤21とほぼ同等な円板状に形成され、内径側の形状は前記剪断抵抗発生部14の内周壁15に形成されたバイメタル取付用周溝16に取り付け可能に形成されており、常温では平板状を呈し、温度が上昇すると、上昇温度に対応して前記制動盤21側に湾曲し、温度が下降すると、下降温度に対応して反制動盤21側に湾曲するように構成されている。
【0031】
常温での使用状態では図2に示すように、バイメタル30は平板状を呈し、ケース10側とロータ20側との対向間Tの間隔H1、すなわち、バイメタル30の制動盤側面30aと制動盤21の湾曲面21aとの対向間Tの間隔はH1となり、用いられている作動液体Qの常温での粘度に対応した剪断抵抗を得ることができる。
【0032】
粘度に対応した剪断抵抗は、上述した対向間Tのみで得ているのではなく、この実施例の場合、前記制動盤収納部13を形成している隙間S全体が関与している。しかし、この関与は作動液体Qの温度が変化した場合も、同等の割合で関与するので、以下の説明では省略する。
【0033】
温度が上昇すると、上昇温度に対応してバイメタル30は、前記制動盤21側に湾曲し、常温での使用状態と比較して狭くなる。高温時における作動液体Qの粘度は、常温での粘度と比較して低下し流動性は向上して剪断抵抗は低下するが、上述したように、対向間Tの間隔を常温での使用状態と比較して自動的に狭くできるので、剪断抵抗をほぼ一定に保持することができる。
【0034】
温度が下降すると、下降温度に対応してバイメタル30は、前記作動室11側に湾曲し、常温での使用状態と比較して広くなる。低温時における作動液体Qの粘度は、常温での粘度と比較して高くなり流動性は低下して剪断抵抗は向上するが、上述したように、対向間Tの間隔を常温での使用状態と比較して自動的に広くできるので、剪断抵抗をほぼ一定に保持することができる。
【0035】
上述したように、この実施例では作動液体Qの温度変化に対応してバイメタル30の形状を変化させ、これによりバイメタル30の制動盤側面30aと制動盤21の湾曲面21aとの対向間Tの間隔Hを自動的に変化させて剪断抵抗をほぼ一定に保持するようにしている。このように、前記対向間Tの間隔H、言い換えると隙間を変化させているが、これに起因して作動液体Qの全体容積に変化を与えることがない。 従って、温度環境の変化に自動的に対応して所定のダンパー効果をより確実に得ることができる。なお、調整部Aを構成する部材としてバイメタルを用いたが、これは形状記憶合金を用いても良い。
【0036】
この実施例でも、前述したように、前記作動液体Qとしてシリコーンオイルが用いられ、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入したので、検査あるいわ点検に際し、紫外線(ブラックライト)を照射するだけで、例えば万一、前記ロ−タ20の回転軸22とケース10との摺動部fから作動液体Qが漏洩している場合には、漏洩部分が蛍光色に発光し、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
[実施例2の変形例]
図3は上述した実施例2の変形例からなる液体作動装置を示し、上常温での作動状態を示す要部断面説明図である。
【0037】
変形例からなる液体作動装置E2aは、前述した実施例2からなる液体作動装置E2と、構造及び奏する効果が類似しているから詳細な説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
【0038】
前述した実施例2の液体作動装置E2と異なるのは、図から明らかなように、温度変化に追従して変位し前記対向間Tの間隔Hを変化させる調整部Aを、ロータ20を構成する制動盤21の両面側に直接的に設けた点である。
この変形例おいても前記作動液体Qには、前述した実施例2と同様にシリコーンオイルが用いられており、この作動液体Qの存在を容易に知覚できる知覚材料Dとして蛍光塗料Daが混入されている。この蛍光塗料Daを混入した作用・効果については、前記実施例1の説明で述べたので、ここでの再説明は省略する。
【0039】
この変形例おいて調整部Aは、前述した実施例2と同様にバイメタル30により構成されている。このバイメタル30の外径側の形状は、前記制動盤21とほぼ同等な円板状に形成され、内径側の形状は、制動盤21の回転軸22側に設けられたバイメタル取付用段部17に取り付け可能に形成されており、常温では、ほぼ水平な平板状を呈し、温度が上昇すると上昇温度に対応して、ケース10の前記剪断抵抗発生部14の上下周面とほぼ平行に変形し、温度が下降すると下降温度に対応して、制動盤21の表面に当接するまで変形するように構成されている。
【0040】
常温での使用状態では図に示すように、バイメタル30は平板状を呈し、ケース10側とロータ20側との対向間Tの間隔H1、すなわち、バイメタル30のケース10側面10dと制動盤21の外側面21dとの対向間Tの間隔はH1となり、用いられている作動液体Qの常温での粘度に対応した剪断抵抗を得ることができる。
【0041】
温度が上昇すると上昇温度に対応してバイメタル30は、ケース10の前記剪断抵抗発生部14の上下周面とほぼ平行に変形し、バイメタル30のケース10側面10dと制動盤21の外側面21dとの対向間Tの間隔は、常温での使用状態と比較して狭くなる。
【0042】
高温時における作動液体Qの粘度は、常温での粘度と比較して低下し流動性は向上して剪断抵抗は低下するが、上述したように、対向間Tの間隔を常温での使用状態と比較して自動的に狭くできるので、剪断抵抗をほぼ一定に保持することができる。
【0043】
温度が下降すると下降温度に対応してバイメタル30は、制動盤21の表面に当接するまで変形し、バイメタル30のケース10側面10dと制動盤21の外側面21dとの対向間Tの間隔は、常温での使用状態と比較して広くなる。
【0044】
低温時における作動液体Qの粘度は、常温での粘度と比較して高くなり流動性は低下して剪断抵抗は向上するが、上述したように、対向間Tの間隔を常温での使用状態と比較して自動的に広くできるので、剪断抵抗をほぼ一定に保持することができる。
【0045】
この実施例でも、前述したように、前記作動液体Qとしてシリコーンオイルが用いられ、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入したので、検査あるいわ点検に際し、紫外線(ブラックライト)を照射するだけで、例えば万一、前記ロ−タ20の回転軸22とケース10との摺動部fから作動液体Qが漏洩している場合には、漏洩部分が蛍光色に発光し、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【実施例3】
【0046】
図4及び図5は本発明の実施例3からなる液体作動装置を示しており、図4は軸線に直交する断面説明図、図5は同上弁部を示す断面説明図である。
【0047】
実施例3からなる液体作動装置E3は、内部に前記作動液体Qを封入したケース10と、このケース10内に相対回転可能に設けられてケース10内の内周面に外周面が沿って移動可能な区画部21により回転方向の前後に圧力室となる作動液体室A及び非圧力室となる作動液体室Bを形成する回転体20と、前記回転体20に設けられ前記作動液体室A及びBに連通する通路30と、この通路30に設けられ前記圧力室となる作動液体室A側の圧力が所定値を超えた時作動液体Qにより前記通路30を閉じる弁体40とから構成されている。
【0048】
前記ケース10は、内面が筒状に形成され内部に前述した作動液体Qが封入されている。
【0049】
前記作動液体Qには、前述した実施例1と同様にシリコーンオイルが用いられており、この作動液体Qの存在を容易に知覚できる知覚材料Dとして蛍光塗料Daが混入されている。この蛍光塗料Daを混入した作用・効果については、前記実施例1の説明で述べたので、ここでの再説明は省略する。
【0050】
前記回転体20は、ケース10内に相対回転可能に挿入され、この回転体20の外面には軸方向に沿って区画部21が突設されており、この区画部21により、ケース10内を、回転体20の回転方向の前後、すなはち、回転体20の回転方向側に圧力室となる作動液体室A、反回転方向側に非圧力室となる作動液体室Bに区画している。そして、この突設された区画部21の頂面21aは、ケース10の内周面に摺動可能に接し、その曲率半径はケース10の内周面の曲率半径とほぼ一致させてある。
【0051】
前記区画部21には、通路30を構成する作動液体室A側の弁室31及び作動液体室B側の弁室32並びにこれら各弁室31,32を相互に連通する弁室連通路33が形成されており、前記弁室31内に前記弁体40が、前記弁室32内に弁体41がそれぞれ挿入されている。
【0052】
ここで前記弁体40について説明すると、弁体40は、図5に示すように、予め、板ばねの中央部を前記作動液体室A側に湾曲形成し、作動液体室Aの作動液体Qの圧力により撓んで前記通路30を閉じるよう構成されている。
【0053】
この構成を容易に理解可能にするため、この説明では、ドアを開ける場合には軽い力で開き、閉まる場合にはダンパーが働いてゆっくり閉まるように構成されている前記回転液体作動装置E3をドアに取り付けた場合を例にして説明を進める。
【0054】
図4において、ドアを開けると、回転体20が時計方向Tに回転して圧力室を形成する作動液体室A内の作動液体Qの圧力が上昇し、弁体40及41を開方向に移動し作動液体室A内の作動液体Qが、弁室31−弁室連通路33−弁室32を通過して非圧力室を形成する作動液体室Bに移動する。従って、ドアを開ける場合には軽い力で開けることができる。
ところが、ドアを開けている途中で突風などによりドアが急激に開こうとすると、前記回転体20の回転速度が急激に上昇し、この回転体20に突設されている区画部21が圧力室を形成する作動液体室A側に急激に移動する。これに伴って作動液体室A内の作動液体Qの圧力も急激に上昇し、前記湾曲形成された弁体40が、この急激な圧力上昇より図4に示すように、平板状に撓んで弁座31a側に押し付けられ弁室連通路33を閉鎖し、作動液体室A内の作動液体Qが作動液体室Bへ移動するのを阻止してしまう。従って、突風などでドアが急激に開くのを確実に阻止することができる。
【0055】
このように、ドアが急激に開くのが阻止され、前記回転体20の回転速度が通常の速度に復帰すると、これに伴って作動液体室A内の作動液体Qの圧力も下降し、前記弁体40の形状も元の形状に復帰して、作動液体室A内の作動液体Qが、弁室31−弁室連通路33−弁室32を通過して作動液体室Bに移動する。従って、ドアを通常の軽い力で開けることができるようになる。
【0056】
弁体40は図5に示すように、予め中央部を作動液体室A側に湾曲させたものを用い、この湾曲させた状態が、通常の負荷では撓んで変形しない程度のばね剛性が付与されている。
【0057】
ここで、上記通常の負荷とは、作動液体室A内の作動液体Qが、弁室31−弁室連通路33−弁室32を通過して作動液体室Bに移動し、ドアを軽い力で開けることができる程度の負荷である。従って、弁体40は、突風などによる作動液体室A内の作動液体Qの圧力上昇により撓んで平板化しても、圧力が正常化すれば自動的に復元する。
【0058】
どの程度の風力で弁体40が撓むかは、ニーズに従って設計されるが、板ばねの材質、板ばねの板厚、初期の湾曲させた量、などを考慮して設計すれば良い。
【0059】
この実施例3において弁体40は、図5に示すように、予め中央部を作動液体室A側に湾曲したものを用いているが、これは波状に成形したものでも良い、要するに、弁体40は、通常の負荷では湾曲した状態を維持して作動液体Qの通過を許容し、作動液体Qの圧力が許容範囲を超えると撓んで遮断弁として機能するよう構成されておれば良い。
【0060】
ドアが閉まる場合は、図4において、回転体20が反時計方向Rに回転し、この回転体20に突設されている区画部21が圧力室を形成する作動液体室(A)側に移動する。これに伴って作動液体室(A)内の作動液体Qの圧力が上昇し、この上昇した圧力によって図5に示されているように、弁体41が弁室連通路33の弁座32a側に移動して弁室連通路33を閉鎖し、作動液体室(A)内の作動液体Qが、作動液体室(B)へ移動するのを阻止して、良好なダンパー効果を得ることができる。
【0061】
前記弁体41はこの実施例1において図5に示されているように、上述した弁体40と同様に、予め中央部を作動液体室(A)側に湾曲させたものを用い、この湾曲させた状態が、通常の負荷では変形しない程度のばね剛性が付与されている。
【0062】
従って、突風などで、ドアが閉まる速度が、所定の速度を超えると前記回転体20の回転速度が上昇し、これに伴って作動液体室(A)内の作動液体Qの圧力も上昇し、前記湾曲形成された弁体41が、この圧力上昇より平板状に撓んで(図示しない)弁座32a側に押し付けられ弁室連通路33をより強く閉鎖し、作動液体室(A)内の作動液体Qが作動液体室(B)へ移動するのを阻止してしまう。従って、突風などでドアが急激に閉まるのを確実に阻止することができる。
【0063】
このように、ドアが急激に閉まるのが阻止され、前記回転体20の回転速度が通常の速度に復帰すると、これに伴って作動液体室(A)内の作動液体Qの圧力も下降し、前記弁体41の形状も元の形状に復帰して、作動液体室(A)内の作動液体Qが、弁体41の湾曲した隙間を通って弁室32−弁室連通路33−弁室31を通過して作動液体室(B)に移動する。従って、ドアを通常の速度で閉めることができるようになる。
【0064】
この実施例でも、前述したように、前記作動液体Qとしてシリコーンオイルが用いられ、知覚材料Dとして蛍光塗料Daを混入したので、検査あるいわ点検に際し、紫外線(ブラックライト)を照射するだけで、例えば万一、前記回転体20をケース10に回転可能に取り付ける、取り付けナット12との摺動部等から作動液体Qが漏洩している場合には、漏洩部分が蛍光色に発光し、漏洩の事実と、漏洩箇所を容易且つ確実に発見することができる。従って、製造工程におけるオイル漏れの見逃しを容易に阻止することができ、品質を向上できる一方、コストダウンを図るこたができる。また、設備点検でのオイル漏れチェック作業も大幅に簡易化することができると共に、点検の信頼性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例1に係る液体作動装置E1を示す正面視断面説明図である。
【図2】本発明の実施例2に係る液体作動装置E2を示す正面視断面説明図である。
【図3】同上変形例に係る液体作動装置E2aを示す正面視断面説明図である。
【図4】本発明の実施例3に係る液体作動装置E3を示す正面視断面説明図である。
【図5】同上弁部を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0066】
10 ケース
D 知覚材料
Dc 着色剤
De 着臭剤
Q 作動液体
【出願人】 【識別番号】000236665
【氏名又は名称】不二ラテックス株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一


【公開番号】 特開2008−8387(P2008−8387A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178774(P2006−178774)